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{
"373000111_0": "忍び寄る蛇影",
"373000111_1": "「待て。\\n お前らの相手はわたしだ」",
"373000111_2": "「この先には、避難した人たちがいる――」",
"373000111_3": "「お前らを通すわけには、いかないんだッ!」",
"373000111_4": "「……今ので、最後か」",
"373000111_5": "(なんとか止められてよかったけど、\\n 街に被害が出ちゃったな……",
"373000111_6": "「――ッ!\\n 誰かいるのッ」",
"373000111_7": "「まさか、逃げ遅れた人が……」",
"373000111_8": "「みゃお~ん」",
"373000111_9": "「あ……。",
"373000111_10": " 要救助者発見かな」",
"373000111_11": "「みゃ……」",
"373000111_12": "「お腹減ったか……。\\n ほら、ご飯あげる」",
"373000111_13": "「みゃ~みゃ~」",
"373000111_14": "「もう安心していいから。\\n ゆっくり食べて」",
"373000111_15": "「お前、近くに仲間や家族はいるの?」",
"373000111_16": "「……みゃお」",
"373000111_17": "「そっか。\\n ……わたしと同じだね」",
"373000111_18": "「みゃお~ん」",
"373000111_19": "「……ううん。大丈夫だよ。\\n 自分で、決めたことだから……」",
"373000111_20": "旅立ちの前――",
"373000111_21": "「わたしのせいで、消えてしまった世界がある。\\n 死んでしまった人がいる……」",
"373000111_22": "「助けられたかもしれないのに、\\n 助けられなかった人もいるんだ」",
"373000111_23": "「テスラの起こしたことは終わりを迎えたけど、\\n その爪痕はまだたくさんの世界に残ってる」",
"373000111_24": "「うん……」",
"373000111_25": "「わたしはT.E.C.の一員で、みんなの仲間だったから」",
"373000111_26": "「わたしに残ったこのエレクライトの力で、\\n 並行世界を回って人助けがしたい」",
"373000111_27": "「それが、わたしにできるせめてもの罪滅ぼしなんだ……」",
"373000111_28": "「……帰って、来るよね……?」",
"373000111_29": "「…………」",
"373000111_30": "「いつか、やるべきことが終わったら」",
"373000111_31": "「うん、そっか……」",
"373000111_32": "「ごめん……。\\n でも、たくさん考えて、決めたことなんだ……」",
"373000111_33": "「分かってる」",
"373000111_34": "「きっと、響が手を伸ばしてくれるのを待っている誰かが、\\n どこかにいる」",
"373000111_35": "「だから、引き留めないよ」",
"373000111_36": "「ありがとう」",
"373000111_37": "「もう、胸の歌は無くさないから。\\n 未来に聴こえるくらい、唄い続けるから」",
"373000111_38": "「じゃあ、わたしも頑張る……」",
"373000111_39": "「みんなと一緒に、世界を護る。\\n 響の帰る場所をずっと護っている……ッ」",
"373000111_40": "「待たせちゃうかもしれない」",
"373000111_41": "「けど最後には、\\n わたしの陽だまりのもとに、絶対帰ってくるって約束する」",
"373000111_42": "「うん。約束だよ」",
"373000111_43": "「それじゃあ――」",
"373000111_44": "「響、行ってらっしゃい」",
"373000111_45": "「行ってきます、未来」",
"373000111_46": "(あれから並行世界を旅して回り、大勢の人と出会い、\\n 脅威を排除してきたけど……",
"373000111_47": "(ごめんね、未来。まだ、当分帰れそうにない)",
"373000111_48": "(本当は、一刻も早く帰りたい。\\n わたしの陽だまりに今すぐ会いたい……",
"373000111_49": "(だけど、『やるべきことが終わったら』って、\\n 約束したから……",
"373000111_50": "「みゃ~みゃ~」",
"373000111_51": "「……ごめんね。\\n 持ってた猫缶はそれだけなんだ」",
"373000111_52": "「みゃ……」",
"373000111_53": "「その代わりってわけじゃないけど……、\\n よかったら、わたしの歌、聴いてくれる」",
"373000111_54": "「――みゃッ!」",
"373000111_55": "「行っちゃった……。\\n どうして急に――」",
"373000111_56": "「――ッ! 地震ッ!?」",
"373000111_57": "「今の悲鳴は、みんなが避難した方からッ!?\\n まだイズが残っていたのッ」",
"373000111_58": "「急がないとッ!」",
"373000111_59": "「怪物だッ!」",
"373000111_60": "「誰か助けて――ッ!」",
"373000111_61": "「――ッ!?」",
"373000111_62": "「レーベンガーッ!?\\n どうしてこんな所で……まだ動いて……ッ」",
"373000111_63": "「テスラはもういない。T.E.C.だって……。\\n なのに、なんでレーベンガーがいるのッ」",
"373000111_64": "「うわぁぁぁぁぁぁぁッ!」",
"373000111_65": "「それどころじゃないッ!\\n 今はあれをどうにかしないとッ」"
}

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@ -0,0 +1,38 @@
{
"373000112_0": "「なんとか、倒せたみたい……」",
"373000112_1": "「でも、問題はそこじゃない。レーベンガーの統率には\\n ウォーデンクリフタワーが必要なはずだし……」",
"373000112_2": "「それに、レーベンガーを造ったテスラはもう……」",
"373000112_3": "あの日――",
"373000112_4": "「あまりにも遅かった……。\\n だがせめて、今からでもできることをしよう」",
"373000112_5": "「システムを反転する」",
"373000112_6": "「集積を分配に、分解を構築に……」",
"373000112_7": "「完全に消滅してしまった並行世界や人間は戻らないだろうがな」",
"373000112_8": "「償いにもなりはしない……。\\n だが、できることはこれくらいしかない」",
"373000112_9": "「…………」",
"373000112_10": "「ここは、もともと星命力の枯渇した死にかけの星だ」",
"373000112_11": "「星命力を逆流させ全て吐き出せば、消滅する。\\n 君たちは、その前に脱出しろ」",
"373000112_12": "「待って……ッ!\\n それじゃ、あなたは……」",
"373000112_13": "「ワールドシステムを反転させるには、\\n 私自らをコアに接続し制御する必要がある」",
"373000112_14": "「私はこの星と運命を共にしよう」",
"373000112_15": "「ダメだ、そんな……」",
"373000112_16": "「君に、感謝する」",
"373000112_17": "「――ッ!」",
"373000112_18": "(レーベンガーは、テスラによって\\n いろいろな並行世界に送られて、人々を襲っていた",
"373000112_19": "(だけどあの日、テスラとウォーデンクリフタワーは消え去った。\\n それは、間違いのない事実だ",
"373000112_20": "(なのにどうして、\\n レーベンガーが動いているの……",
"373000112_21": "(……いや、今戦った相手は、\\n テスラのレーベンガーとは少し違っていた",
"373000112_22": "(よく似ているけれど、こんな色ではなかったはずだし、\\n 対峙したとき、嫌な気配を感じたような……",
"373000112_23": "(もしかして、テスラとは別の誰かが\\n レーベンガーに改造を加えて使役を……",
"373000112_24": "「――誰だッ!」",
"373000112_25": "「待てッ!」",
"373000112_26": "(この身のこなし、普通の人じゃないッ! それにあいつは、\\n 明らかにわたしの様子をうかがっていたッ",
"373000112_27": "(黒いレーベンガーについて、何か知っているはず……ッ!)",
"373000112_28": "「…………」",
"373000112_29": "「行き止まりだッ!\\n 逃げるのはやめて――」",
"373000112_30": "「――ッ!」",
"373000112_31": "「今のゲートは――並行世界への移動ッ!?」",
"373000112_32": "「いったい、何者なんだ……」",
"373000112_33": "(いや、何者だろうが関係ない)",
"373000112_34": "(テスラが全てを終わらせたのに、\\n レーベンガーを悪用するなんて許していい訳がないッ",
"373000112_35": "(どの並行世界に逃げたのかは分からないけど……\\n 絶対に捜し出して、わたしが止めてやるッ"
}

View file

@ -0,0 +1,51 @@
{
"373000121_0": "「司令、凡野官房副長官補より連絡が入っております」",
"373000121_1": "「……回してくれ」",
"373000121_2": "「――というわけで、保管基地は襲撃され、\\n 聖遺物テュポーンが奪い去られた」",
"373000121_3": "「ええ。聞き及んでおります」",
"373000121_4": "「ならば話は早い。\\n 『影護』の行方を追い、取り返してくれたまえ」",
"373000121_5": "「影護?\\n いったい、どのような証拠があっての断定でしょうか」",
"373000121_6": "「監視カメラの映像に、黒いフードを被った集団が\\n 映っていたのだよ」",
"373000121_7": "「薄い根拠ですな。\\n 目撃証言のつも無いのですか」",
"373000121_8": "「生存者はおらんのだよ。\\n 哨戒に当たっていた余名が全滅だ。遺体も残さずにな」",
"373000121_9": "「――なッ!?\\n それでは尚の事、影護の犯行とは……」",
"373000121_10": "「君ね、考えてもみたまえ。\\n そんな特異災害級の力を持つ集団が、影護以外にいるかね」",
"373000121_11": "「影護も、そのような力は持ち合わせていませんよ」",
"373000121_12": "「うるさいッ! いちいち口答えをするんじゃないッ!\\n あいつらは異端技術の関連物品を強奪するテロリストだッ」",
"373000121_13": "「手に入れた聖遺物の中に、\\n そういう兵器がないとも限らんだろッ」",
"373000121_14": "「確かにおっしゃる通りです。承知しました」",
"373000121_15": "「ただ、初動の誤りで副長官補の経歴に傷でも付けば\\n 日本国の損失にもなりかねんでしょう」",
"373000121_16": "「――ぐッ!\\n ま、まぁな……」",
"373000121_17": "「ここは予断を挟まず、慎重に捜査を進めますよ」",
"373000121_18": "「まぁ、どうせ影護の仕業だろうが、調査方法は任せるッ!\\n スピード解決で頼むよ、君」",
"373000121_19": "「……」",
"373000121_20": "「……八紘おじちゃん」",
"373000121_21": "「シャロン。こちらへ来ていたのか」",
"373000121_22": "「影護を探して、捕まえるの?」",
"373000121_23": "「あの人たちが、そんなことをしたなんて思えないよ」",
"373000121_24": "「私もそう思う。影護は弦の志を持つ組織だ。\\n いたずらに人命を犠牲にする手段に出るとは考えられない」",
"373000121_25": "「それに、翼がそれを看過するとも思えないからな。\\n だが、聖遺物が何者かに奪われたことは事実だ」",
"373000121_26": "「表面上は指示通り影護を追う形をとるが、\\n 水面下で真相を明らかにする」",
"373000121_27": "「その上で、真の犯人からテュポーンを奪還するという訳だ。\\n 分かるね」",
"373000121_28": "「……うんッ!\\n お姉ちゃんたちの疑いを晴らすんだねッ」",
"373000121_29": "「その通りだ。では、各所への連絡から始めよう」",
"373000121_30": "「くそッ! 誰だか知らないけど、\\n オレたちに罪をなすりつけやがってッ 絶対許さないぞッ」",
"373000121_31": "「翼、声が大きい。任務の最中なんだよ?」",
"373000121_32": "「分かってるけどさ……ッ!」",
"373000121_33": "「翼のお父さんが秘匿回線で教えてくれた情報は、\\n 誰かが日本政府から聖遺物テュポーンを奪ったということ」",
"373000121_34": "「そして、何らかの力を使って、\\n 何十人もの人々を消し去ったということ」",
"373000121_35": "「冤罪を晴らしたいのも分かるけど、\\n まずは、その人たちのことを止めないと」",
"373000121_36": "「……ああ、そうだな。そのために、次に狙いそうな場所へ\\n アタリをつけて、張り込みなんかしてるんだ」",
"373000121_37": "「九皐さんの調査によると、あの研究所のそばで、フードを被った\\n 謎の人物が監視カメラに映っていたらしいね」",
"373000121_38": "「それがテュポーンを奪った連中と同じかは\\n 微妙なところだけど……」",
"373000121_39": "「もしノコノコ出て来たら、とっ捕まえて、\\n やったことの報いを受けてもらうッ」",
"373000121_40": "「シッ……。翼、あそこ。\\n 何かが――」",
"373000121_41": "「あれは……ッ!?」",
"373000121_42": "「レーベンガーッ!?\\n まだ残っていたのかッ」",
"373000121_43": "「でも、色が黒いよ。\\n あんなの、初めて見る……」",
"373000121_44": "「研究所に攻撃を始めた……ッ!」",
"373000121_45": "「レーベンガーは人間を分解できる……。\\n テュポーンの警備を消したのも、きっと――」",
"373000121_46": "「つまり、ビンゴってことだなッ!\\n よぉし、クリスッ 行くぞッ」",
"373000121_47": "「うん。この研究所の被害を、最小限で食い止めよう」",
"373000121_48": "「任せとけッ!」"
}

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@ -0,0 +1,49 @@
{
"373000122_0": "「レーベンガーの排除完了……。\\n きっと、どこかに……」",
"373000122_1": "「翼、見つけた。8時方向、フードの人影ッ!\\n おそらく黒いレーベンガーを操ってる人」",
"373000122_2": "「クリス、ナイスだッ!」",
"373000122_3": "「見つけたぞッ!\\n お前がオレたちに濡れ衣を着せたのかッ」",
"373000122_4": "「……ッ!」",
"373000122_5": "「逃げるな……ッ!」",
"373000122_6": "「こちらクリス。犯人と思われる人物を発見。\\n 追跡を開始します」",
"373000122_7": "「――ッ!?」",
"373000122_8": "「ドジったなッ!\\n その先は崖だ。もう逃げられないぞッ」",
"373000122_9": "「おとなしく捕縛されて。\\n 抵抗しなければ手荒には扱わない」",
"373000122_10": "「…………」",
"373000122_11": "「な……。\\n お前、その仮面は……ッ」",
"373000122_12": "「S.O.N.G.の装者から提供された情報に載っていた……。\\n 世界蛇を使役していた組織、ウロボロスの……ッ」",
"373000122_13": "「フフフ……、\\n 招きに応じてくれて感謝する」",
"373000122_14": "「――ッ!?」",
"373000122_15": "「まずいッ! 罠だッ!\\n 誘いこまれたんだッ」",
"373000122_16": "「くッ、防御が間に合わ――」",
"373000122_17": "「させるかあああッ!」",
"373000122_18": "「誰だか知らないけど、助かったッ!」",
"373000122_19": "「――エレクライトッ!?」",
"373000122_20": "「――ってお前、ヒビキかッ!?」",
"373000122_21": "「どうして……」",
"373000122_22": "「それは後だッ!\\n 今は、あのレーベンガーをッ」",
"373000122_23": "「手伝ってくれるんだなッ!\\n オレとクリスに加えてヒビキがいれば、敵なしだッ」",
"373000122_24": "「罠に嵌められたお礼をする……」",
"373000122_25": "「行くぞッ!」",
"373000122_26": "「黒いレーベンガー……やっと見つけた。\\n つ残らず叩き壊す……ッ」",
"373000122_27": "「よしッ!\\n 後はあの、仮面の野郎をッ」",
"373000122_28": "「……ダメ。\\n 逃げられたみたい……」",
"373000122_29": "「逃げ足の速いヤツだなッ!\\n とっ捕まえて、いろいろ聞き出そうと思ったのに……」",
"373000122_30": "「……ま、今は一旦置いといて――」",
"373000122_31": "「ヒビキッ!\\n 久しぶりに会えてうれしいぞッ」",
"373000122_32": "「うん。わたしも」",
"373000122_33": "「テスラの事件の時は、\\n 本当に助かったよ」",
"373000122_34": "「あの後、慌ただしく別れちゃったけど、\\n 元気そうでよかった」",
"373000122_35": "「こっちこそ、さっきは助けてくれてありがとう」",
"373000122_36": "「でも……どうしてこの世界に?」",
"373000122_37": "「うん、実は――」",
"373000122_38": "「オートマシンを急行させましたが、\\n 研究所の襲撃者は既に撃破されていました」",
"373000122_39": "「現場からの映像を投影します」",
"373000122_40": "「翼……。\\n どうやら、影護が先に対応したようだな」",
"373000122_41": "「あれは、響お姉ちゃん……ッ!?」",
"373000122_42": "「立花くんが……? 並行世界から助太刀があったか。\\n ならそちらはいい。救助活動を優先とする」",
"373000122_43": "「研究所内部に閉じこめられた職員がいるようだ。\\n 救助に向かわせてくれ」",
"373000122_44": "「はいッ!」",
"373000122_45": "(響お姉ちゃん、来てくれてたんだ。",
"373000122_46": " でも、なんか雰囲気が違ったような……?)"
}

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@ -0,0 +1,82 @@
{
"373000211_0": "混沌の政局",
"373000211_1": "「影護が逃げて行くのを目撃した職員がいるんだろう?」",
"373000211_2": "「……」",
"373000211_3": "「影護に所属する者が現場に居合わせ、\\n その後、立ち去ったことは確かです」",
"373000211_4": "「だから、最初から影護が犯人だと言っているんだッ!\\n ヤツら、危ない怪物まで解き放ったらしいではないかッ」",
"373000211_5": "「確かに、その怪物によって、\\n 研究所は襲撃を受けました」",
"373000211_6": "「しかし前回の保管基地とは違い、職員は生存。\\n 研究所から何かを奪われた形跡もない」",
"373000211_7": "「むしろ影護は、レーベンガーから研究所を護ったのだと\\n 我々、二課は見ています」",
"373000211_8": "「ガハハハッ! 怪物が現れた所へ、都合よく影護が\\n 登場し解決かね まるで古臭いナンパの手口のようだね」",
"373000211_9": "「いいから、早く影護を検挙したまえ。\\n 本当に真犯人がいたとしても、それではっきりするだろう」",
"373000211_10": "「こっちは上からせっつかれて大変なんだ。\\n グズグズせずに、テュポーンを取り返してくれ」",
"373000211_11": "「副長官補……副長官補? 喚くだけだけ喚いて通信を切るか。",
"373000211_12": " 国防について、もう少し真剣に取り組んでもらいたい所だが」",
"373000211_13": "「……まったくッ! 何故あんな男が切れ者だとか言われて\\n 大臣たちからの信望も厚いのかねッ」",
"373000211_14": "「あれは思慮深いんじゃなくて、責任を取りたくないから\\n 結論を先延ばしにしてるだけだッ」",
"373000211_15": "「そうは思わんかね? 石崎秘書」",
"373000211_16": "「凡野先生のおっしゃる通りです。ご心痛お察しいたします。\\n ところで先生、先程話に出た怪物ですが……」",
"373000211_17": "「以前にも出現した記録がございました。\\n その際には甚大な被害が出た模様と報告が」",
"373000211_18": "「影護め、その時に鹵獲していたというわけか。\\n そんなものを引っ張り出すということは……」",
"373000211_19": "「いつになく本気、ということかもしれませんね。\\n より過激な手段に出る可能性は、高いかと」",
"373000211_20": "「まずい、まずいぞ……。これ以上の被害や失態は、\\n 国民感情を悪化させる。そうなれば次の選挙が……」",
"373000211_21": "「石崎くんッ! どうにかならないかね?\\n 風鳴くんはどうにも信用がならん」",
"373000211_22": "「……承知いたしました。\\n なんとか先生の意向に沿えるよう、策を練ってみましょう」",
"373000211_23": "「さすがは筆頭秘書の石崎くんだ。じゃ後は任せていいかね?\\n 私は、官房長官をゴルフ場に案内せねばいけなくてね」",
"373000211_24": "「かしこまりました。\\n 一時、先生の威をお借りいたします」",
"373000211_25": "(俗物めが……。\\n 面白いように踊ってくれる……",
"373000211_26": "(並行世界間の情報共有を警戒しましたが……、\\n 偽名を騙る必要すら無かったようですね",
"373000211_27": "(しかし、お膳立ては終わったも同然。\\n これで随分と動きやすくなりましたね",
"373000211_28": "(次は二課の掌握。\\n 流石に風鳴八紘は思い通りにはいかないでしょうし……",
"373000211_29": "(…………)",
"373000211_30": "(ふむ。少し手荒な手段になりそうですが、\\n テュポーン覚醒の計画にも、相乗効果をもたらしそうですね",
"373000211_31": "「私です。情報収集の優先対象を風鳴八紘へ切り替え。\\n 二課施設から外出する際に――」",
"373000211_32": "「あなたのお話は兼ねてから聞いてますよ。\\n エレクライトを使う立花響さん、影護艦へようこそ」",
"373000211_33": "「ちょっと狭いけど……」",
"373000211_34": "「まあ、ここがオレたちの『家』だ。\\n くつろいでくれ」",
"373000211_35": "「ありがとう……。\\n 潜水艦に住んでいるなんて、びっくりした」",
"373000211_36": "「影護は世を忍び聖遺物を封ずる組織。\\n テロリスト認定もされていますからね……」",
"373000211_37": "「こういう場所じゃないと、捕まってしまうから」",
"373000211_38": "「まさか宿を取ってる訳じゃないんだろ?\\n しばらくここにいりゃいい」",
"373000211_39": "「それはすごく助かるけど……」",
"373000211_40": "「我々は追われる身ですので、安心して……とは言えませんが\\n 好きなだけ、いてくださって構いません」",
"373000211_41": "「じゃあ、レーベンガーのことを調べる間、\\n お世話になります」",
"373000211_42": "「確かに。黒いレーベンガーの登場は無視できませんね。\\n 少なからず事情を持つ立花さんの滞在は、頼もしくもあります」",
"373000211_43": "「ヒビキでいいです」",
"373000211_44": "「分かりました。それでヒビキさん。\\n ニコラ・テスラは生存、もしくは蘇生したのでしょうか」",
"373000211_45": "「それはないッ!\\n テスラは間違いなく死んだ」",
"373000211_46": "「もし生き返ったとしても、彼の最後の言葉から、\\n またこんな事をしでかすとは思えない……」",
"373000211_47": "「そうだよ九皐さんッ!\\n それにちゃんと報告したよなッ」",
"373000211_48": "「裏で糸を引いているのは、\\n おそらく、ウロボロス」",
"373000211_49": "「ウロボロス……世界蛇で全ての並行世界を滅ぼそうとした\\n 組織。その残党……」",
"373000211_50": "「ニコラ・テスラがそいつらと繋がっていた可能性も、\\n やっぱり低いと思う」",
"373000211_51": "「……分かりました。ヒビキさんの言葉を信じましょう」",
"373000211_52": "「また出てきたら、あいつらをとっ捕まえて聞けばいいさ」",
"373000211_53": "「わたしも協力する」",
"373000211_54": "「でも……本当にいいの?\\n せっかく、元の世界に戻ることができたのに……」",
"373000211_55": "「うん……。旅をしている理由は話したでしょう?\\n これは、わたしがやらなくちゃいけないことなんだ」",
"373000211_56": "「それに、レーベンガーを悪用するなんて、\\n 絶対に許せない……」",
"373000211_57": "「分かったッ!\\n そういうことなら、喜んで協力してもらおうッ」",
"373000211_58": "「あいつらに着せられた濡れ衣も、晴らさないといけないしな。\\n どんな企みでも、絶対に阻止だッ」",
"373000211_59": "「一旦、話はまとまりましたね。ヒビキさん、艦内に個室を\\n 用意しました。食事まで、ひとまず休んでください」",
"373000211_60": "「長々と悪かったな。部屋までオレが案内するよ。\\n ついてきてくれッ」",
"373000211_61": "「……うん。ありがとう」",
"373000211_62": "「というわけで、ここがヒビキの部屋だッ!」",
"373000211_63": "「オレとクリスは2人部屋なんだけど、\\n 人で我慢してくれ」",
"373000211_64": "「可愛いクリスの寝顔を、\\n オレ以外のやつに見せるわけにはいかないからなッ」",
"373000211_65": "「へ?」",
"373000211_66": "「翼、もう……言わなくていいから」",
"373000211_67": "「大事なことだぞ。\\n えーっと、他になにか伝えておくべきこと、あったっけ」",
"373000211_68": "「トイレは向こう。食事の前に、行っトイレ」",
"373000211_69": "「えッ!? えっと……ダジャレ?」",
"373000211_70": "「……思いついたから」",
"373000211_71": "「アッハッハッハッ!\\n クリスは可愛い上に面白いなぁ」",
"373000211_72": "「…………」",
"373000211_73": "「ん? どうしたんだ?」",
"373000211_74": "「何でもない」",
"373000211_75": "(ウォーデンクリフタワーに乗り込んだ時は慌ただしかったから\\n あんまり気づいてなかったけど……",
"373000211_76": "(なんというか、面白い人たちだな……)",
"373000211_77": "「っと、悪い。\\n 誰だ――ッ」",
"373000211_78": "「悪い、ちょっと重要な通信だ。オレは部屋に戻る。\\n ヒビキ、また後でな」",
"373000211_79": "「うん、また後で」"
}

View file

@ -0,0 +1,52 @@
{
"373000221_0": "「父上、久しぶり」",
"373000221_1": "「ああ、変わりはないか?」",
"373000221_2": "「ピンピンしてるよッ!",
"373000221_3": " でも、個人的な秘匿回線で連絡してくるなんて、どうしたんだ?」",
"373000221_4": "「さっそく本題で悪いが、テュポーン保管基地に次いで襲撃された\\n 研究所での様子を、詳しく聞かせてほしい」",
"373000221_5": "「テュポーンも今回の研究所の件も影護の犯行でないことは\\n 確信している。襲撃犯の手がかりが欲しい」",
"373000221_6": "「分かった。こっちが持ってる情報を伝えるよ」",
"373000221_7": "「なるほど……。概ね状況は把握できた。\\n 感謝する」",
"373000221_8": "「それにしても、話に聞いていた別の並行世界の立花響くんが、\\n 再び現れるとはな」",
"373000221_9": "「ああ。あの事件での禊を払おうと、\\n いろんな並行世界を人助けして回っているって言ってた」",
"373000221_10": "「今回の件にも、協力してくれてる」",
"373000221_11": "「影護はウロボロスの企みを潰すことで、\\n 濡れ衣を晴らすつもりだッ」",
"373000221_12": "「……政府は全てを影護の犯行と断定し、\\n 一刻も早く検挙するよう二課に要請、いや命令してきた」",
"373000221_13": "「――ッ!?」",
"373000221_14": "「このままでは身動きがとりづらくなるだけだ。\\n 二課としては一度秘密裏に会合を持ち、協力体制を整えたい」",
"373000221_15": "「九皐さんも反対しないと思う。\\n だけど、秘密裏に会合と言っても……」",
"373000221_16": "「それは任せてくれ。\\n 後ほど座標を送る。指定日時に代表者を派遣してくれ」",
"373000221_17": "「……会えることを楽しみにしているぞ、翼」",
"373000221_18": "「なるほど。\\n 確かにあの店なら、安心でしょうね」",
"373000221_19": "「この座標、お店なの?」",
"373000221_20": "「ええ、政財界御用達。招待客と会員以外入店お断りの\\n 高級レストランですよ。盗聴対策バッチリの個室もあります」",
"373000221_21": "「…………」",
"373000221_22": "「……翼、緊張しすぎ」",
"373000221_23": "「……べッ、別に緊張なんかしてないぞッ!」",
"373000221_24": "「重要な会合なのは分かるけど、\\n そんなだと、まともに会話できないよ」",
"373000221_25": "「翼は、お父さんとの食事に緊張してるだけだと思う」",
"373000221_26": "「二課司令が、お父さんなの?」",
"373000221_27": "(今影護にいる立場を思うと、\\n いろいろ複雑な家庭事情があるのかな……",
"373000221_28": "「違うぞ、父上に会うのに緊張してるんじゃなくて……」",
"373000221_29": "「親と一緒にいる所を友達に見られるのが\\n ちょっと恥ずかしいだけだッ」",
"373000221_30": "「気にしなくていいと思うけど……」",
"373000221_31": "(友達……?\\n わたしも含まれてるのかな",
"373000221_32": "「では、行きますよ」",
"373000221_33": "「なんだッ!?」",
"373000221_34": "「レーベンガーですッ!\\n 待ち合わせた店の近くに、出現したようですッ」",
"373000221_35": "「なんだとッ!?",
"373000221_36": " クリス、ヒビキッ! 行くぞッ!!」",
"373000221_37": "「うんッ!」",
"373000221_38": "「分かったッ!!」",
"373000221_39": "「こんな街中で……ッ!\\n クリス、速攻で片付けるぞッ」",
"373000221_40": "「了解ッ!!」",
"373000221_41": "「なんだッ!?",
"373000221_42": " 出力が……ッ!」",
"373000221_43": "「フォニックゲインが、減少している……?\\n どうしてッ」",
"373000221_44": "「くそッ! 街に被害が……」",
"373000221_45": "「やめろ――ッ!」",
"373000221_46": "「ヒビキの方は、出力が下がってないッ!」",
"373000221_47": "「そっか、フォニックゲインを使ってないから……ッ!」",
"373000221_48": "「ヒビキッ! オレたちのギアは出力が低下してるんだッ!\\n 援護に回るから、攻撃は任せていいかッ」",
"373000221_49": "「分かったッ!」"
}

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@ -0,0 +1,24 @@
{
"373000222_0": "「司令、司令ッ!! しっかりしてくださいッ!\\n くそ、ビルの崩落に巻き込まれるなんて……」",
"373000222_1": "「ぐ……」",
"373000222_2": "「司令ッ! お気を確かにッ!」",
"373000222_3": "「……一般人……避難を……」",
"373000222_4": "「こっちにタンカだッ! 早くッ!!」",
"373000222_5": "「――父上ッ!?\\n 父上が怪我を……ッ」",
"373000222_6": "「翼、ダメッ!」",
"373000222_7": "「クリス離せ、離してくれッ!\\n 父上がッ 父上がぁッ」",
"373000222_8": "「翼さんッ! 堪えてくださいッ!\\n 今行くのはまずいッ」",
"373000222_9": "「お父さんが怪我をしているのに、\\n どうしてッ」",
"373000222_10": "「ここは人目が多すぎます」",
"373000222_11": "「影護との接触がばれたら、翼のお父さんに迷惑をかける……」",
"373000222_12": "「特異災害対策機動部二課司令の娘が、\\n テロリスト認定されている影護の一員……」",
"373000222_13": "「二課のためにも、これが知られるわけにはいかないのです」",
"373000222_14": "「翼、今は我慢して。\\n お父さんは、きっと大丈夫だから……」",
"373000222_15": "「……分かった。\\n 取り乱して、悪かったな」",
"373000222_16": "「会合には失敗しました。\\n すみやかに撤収しましょう」",
"373000222_17": "「…………」",
"373000222_18": "「…………」",
"373000222_19": "「…………」",
"373000222_20": "(翼のお父さんだけじゃない。\\n 他にもたくさんの負傷者が……",
"373000222_21": "(わたしは、護ることができなかった……ッ!)"
}

View file

@ -0,0 +1,68 @@
{
"373000311_0": "ガール・ミーツ・ガール",
"373000311_1": "「……それで、現在の状況は?」",
"373000311_2": "「風鳴八紘司令は重傷を負われたとのこと。\\n しばらく作戦指揮は不可能でしょう」",
"373000311_3": "「命に別状がなかったのが幸いとはいえ……、\\n これは痛いな」",
"373000311_4": "「現場でレーベンガーが目撃されたというのは\\n 事実なのかね」",
"373000311_5": "「はい。周辺に設置された監視カメラでもはっきり確認できます。\\n 研究所を襲ったものと同一のものかと」",
"373000311_6": "「どうやら影護が情報提供を持ち掛け、\\n 風鳴司令を呼び出した形跡があるようです」",
"373000311_7": "「影護めッ! 直接の障害となる二課のトップを\\n おびき出して暗殺を図るとはな……ッ」",
"373000311_8": "「風鳴司令の温情を逆手に取られた形ですね。\\n 周辺被害も酷い有様ですし、先生の懸念された通りです」",
"373000311_9": "「だから忠告してやったと言うのに……。\\n 私は、上にどう説明すればいいんだッ」",
"373000311_10": "「先生、ここは私を二課司令官代理に任命してください。\\n 結果が、必ず先生の名声に繋がるように致します」",
"373000311_11": "「お? そうかねそうかね。\\n 何か名案があるんだね」",
"373000311_12": "「ええ。実は……」",
"373000311_13": "「ああ、詳細はいいから。\\n 全て君に任せようではないか」",
"373000311_14": "「実は、接待で利用した店にかわいそうな娘がいてね……。\\n 助けを求められちゃって、ちょっと忙しいのだよ」 ",
"373000311_15": "「さすがは先生。まさに救世主然としていらっしゃいますな。\\n それでは委細、この石崎にお任せくださいませ」",
"373000311_16": "「頼んだよ。\\n あ、でも失敗したら……責任は取ってもらうからね」",
"373000311_17": "「心得ております」",
"373000311_18": "(クククク……。国が泥船のようだとはよく耳にしますが……、\\n 船頭が泥人形だとは……国民が憐れで仕方ありませんね",
"373000311_19": "(しかし、もうしばらくの辛抱ですよ)",
"373000311_20": "(いずれベアトリーチェ様、再降臨の暁には、\\n 悪夢のような現実も、全て灰塵に帰しますから……",
"373000311_21": "(さて、二課は完全に掌握しました。これで邪魔は入らない。\\n あとは、装者たちにテュポーンを育ててもらいましょう",
"373000311_22": "「…………」",
"373000311_23": "「大丈夫? 翼」",
"373000311_24": "「荷物が多すぎて疲れた?\\n 少し手伝おうか」",
"373000311_25": "「いや、それは大丈夫だけどさ。なあ、クリス、ヒビキ。\\n 父上……、喜んでくれるかな」",
"373000311_26": "「オレ、見舞いとかしたことないから\\n 手あたり次第に買ってきちゃったけど……」",
"373000311_27": "「見舞いの手土産って、何か作法があるんじゃないか?\\n こんなに大量に持ってっても、迷惑かも……」",
"373000311_28": "「大事なのは気持ちだって、\\n もう人のわたしは言ってた」",
"373000311_29": "「うん。翼の気持ち、ちゃんと伝わると思うよ。\\n きっと喜んでくれるはず」",
"373000311_30": "「ヒビキ、クリス……ッ!\\n ありがとう。迷いが晴れたぞッ」",
"373000311_31": "(それよりも病室に入れるかな……?)",
"373000311_32": "「――そちらはどうだ」",
"373000311_33": "「異常なし。影護構成員らしき人物は見当たらない」",
"373000311_34": "「標的が生きていると判明すれば再び襲撃してくる\\n 可能性が高い。警戒は厳とせよ」",
"373000311_35": "「了解」",
"373000311_36": "「おいおいおい、父上の病室前が物々しく警護されてるぞ……?」",
"373000311_37": "「当然だよ。\\n 翼のお父さんは要人だから……」",
"373000311_38": "「訳を話すこともできないし、\\n 出直した方がいいんじゃないかな」",
"373000311_39": "「くそッ! こうなりゃ窓から病室に入れてもらうか?」",
"373000311_40": "「もっと不審者。絶対に捕まる」",
"373000311_41": "「わたしが囮になって護衛官を引き離そうか?」",
"373000311_42": "「ヒビキ、頼……」",
"373000311_43": "「――ダメッ! 騒ぎを起こしたら、病院の人たちに迷惑。\\n それに護衛官は、何があっても護衛対象から離れない」",
"373000311_44": "「……てことは、すごすご帰るしかないのかよ」",
"373000311_45": "「翼……」",
"373000311_46": "「父上のことは心配だけど、騒ぎを起こしたら\\n 元も子もないもんな。うん、今回は帰ろう」",
"373000311_47": "「……」",
"373000311_48": "「そうと決まればバレる前に早く……」",
"373000311_49": "「きゃッ!」",
"373000311_50": "「ごめんなさい。前方不注意……」",
"373000311_51": "「は、はい。大丈夫……、",
"373000311_52": " あッ!! 響お姉ちゃんッ!!」",
"373000311_53": "「えッ!?」",
"373000311_54": "「ひさしぶりッ! こっちに来ていたんだ。\\n いつから 会いに来てくれればよかったのにッ」",
"373000311_55": "「しゃ、シャロンッ!? いや、そいつは響じゃなくて……」",
"373000311_56": "「――おい、なんの騒ぎだ?」",
"373000311_57": "「対象の関係者の声だが……。確認するか?」",
"373000311_58": "「ああ、行ってくれ」",
"373000311_59": "「護衛官たちがこっちに来るよッ!」",
"373000311_60": "「シャロン、ごめんッ!」",
"373000311_61": "「むーーッ!?」",
"373000311_62": "「今、目立つ訳にはいかないんだッ!」",
"373000311_63": "「それまで静かにね。お願い」",
"373000311_64": "「う、うん……」",
"373000311_65": "「よし、一旦外だ。急ぐぞッ!!」"
}

View file

@ -0,0 +1,63 @@
{
"373000321_0": "「ここなら、もういい?\\n 響お姉ちゃん、会いたかったッ」",
"373000321_1": "「わたしね、あれからたくさんお勉強してるんだよッ!\\n 後でどれくらいできるようになったか、見せてあげるッ」",
"373000321_2": "「ええと……」",
"373000321_3": "(この子が会いたがっている響お姉ちゃんって、きっと……?)",
"373000321_4": "「あー、シャロン? そいつはな、お前の知ってる響じゃない。\\n 別の並行世界から来た、ヒビキだ」",
"373000321_5": "「え……?」",
"373000321_6": "「彼女は、シャロンのことを知らないの」",
"373000321_7": "「あの響お姉ちゃんじゃない、響お姉ちゃん?」",
"373000321_8": "(ああ、やっぱり……)",
"373000321_9": "「そうだね。わたしも立花響だけど……。\\n あなたの知ってる立花響じゃない」",
"373000321_10": "「S.O.N.G.の装者をしている立花響なら、\\n わたしも会ったことがある。……いや、助けてもらった」",
"373000321_11": "(何度も、何度も……。\\n あきらめずに、わたしに手を差し伸べ続けてくれた",
"373000321_12": "(きっとこの子にも、同じようにしたんだろう。\\n この子にとって彼女がどれだけ大切なのか、伝わってくる",
"373000321_13": "「同じ顔だから、混乱させちゃったね。ごめん。\\n わたしは、あの子には到底及ばない存在なんだ」",
"373000321_14": "「そっか……はじめまして。\\n もう人のヒビキお姉ちゃん」",
"373000321_15": "「この子はシャロン。\\n 二課預かりって形になってる子だ」",
"373000321_16": "「よろしく、シャロン。\\n 二課預かりって……」",
"373000321_17": "「シャロンはヤントラ・サルヴァスパっていう\\n 機械を自在に操れる聖遺物との融合症例なんだ」",
"373000321_18": "「融合症例……ッ!?」",
"373000321_19": "「ああ、兵器を操らせるために、人為的にな……」",
"373000321_20": "「でも、今は大丈夫だ。父上が保護してくれてるし、\\n 聖遺物の浸食も薬で抑えられているらしい」",
"373000321_21": "「うん。響お姉ちゃんがね、助けてくれたんだよ」",
"373000321_22": "「そう……。\\n それならよかった……」",
"373000321_23": "(わたしと同じ、融合症例の子供がいるなんて……。\\n でもやっぱり、もう人のわたしに助けられたんだ",
"373000321_24": "(融合症例な上に、こんなに小さな子供だもんね。\\n あのわたしは、絶対に放っておかないだろうな",
"373000321_25": "「それで、父上の容態はどうなんだ?」",
"373000321_26": "「オレたち、見舞いにも行けなくて、\\n 父上の様子が分からないんだ」",
"373000321_27": "「……うん。ずっと目は覚まさないけど、お医者さんが\\n 死んだりしないって教えてくれたよ」",
"373000321_28": "「そうか……。\\n 目を覚まさないなんて、心配だな……」",
"373000321_29": "「うん……。\\n だから、お仕事にもいつ戻るか分からないの」",
"373000321_30": "「代理の司令官は誰が?」",
"373000321_31": "「この前来た、知らないおじちゃん。\\n 政府から来たって、言ってたよ」",
"373000321_32": "「外部から?\\n 二課内に、代わりを務められる人はいなかったの」",
"373000321_33": "「きっと政府のヤツらが、\\n チャンスだと思ってねじ込んだんだろ」",
"373000321_34": "「父上は影護に対して慎重路線だったからな。\\n 影護ブッ潰すのに二課を使う気なんだろうさッ」",
"373000321_35": "「そうかも……。あのおじちゃん、\\n なんだか雰囲気が冷たくて……、こわかった」",
"373000321_36": "「これは帰る前に報告を入れておくべきだな。\\n 二課に先手を打たれると、困ったことになる」",
"373000321_37": "「おっと、ナイスタイミングだ。\\n はい、こちら翼」",
"373000321_38": "「ちょうど、九皐さんに知らせたいことが――」",
"373000321_39": "「翼さん、緊急事態ですッ!」",
"373000321_40": "「……どうした。また黒いレーベンガーか?」",
"373000321_41": "「はい。街を襲撃しています」",
"373000321_42": "「司令官を失っている今の二課では\\n 対応が後手後手になる可能性があります」",
"373000321_43": "「我々影護がいち早く動いておくべきでしょう。\\n 出現地点の座標を送ります。急行してください」",
"373000321_44": "「九皐さん、その二課司令官について情報だ。\\n 代理に就いた司令は、政府側の人間らしいッ」",
"373000321_45": "「……厄介ですね。こちらでも情報を集めてみます。\\n 翼さんたちは、レーベンガーの対処をお願いします」",
"373000321_46": "「了解だ」",
"373000321_47": "「クリス、ヒビキ。黒いレーベンガーが出たらしい。\\n 行くぞッ」",
"373000321_48": "「分かった」",
"373000321_49": "「シャロン、いろいろ話してくれてありがとう。\\n わたしたちは行かないとッ」",
"373000321_50": "「うん。二課からオートマシンも出動すると思うけど、\\n お姉ちゃんたち、お願いね……ッ」",
"373000321_51": "「ああ、これ以上被害を出させるもんかッ!」",
"373000321_52": "「翼のお父さんが目覚めるまで、任せておいて」",
"373000321_53": "「ありがとう、お姉ちゃんたちッ!」",
"373000321_54": "「…………」",
"373000321_55": "「シャロンちゃんッ! ここにいたのかい。緊急事態だッ!」",
"373000321_56": "「影護のレーベンガーがまた襲撃してきたッ!\\n 早く二課に戻ろうッ」",
"373000321_57": "「あ、あのッ! その、レーベンガーは、\\n 影護と関係はないんじゃ……」",
"373000321_58": "「話はあとあとッ! とにかく乗ってッ!\\n 飛ばすから、シートベルトはしっかりしめてねッ」",
"373000321_59": "「あッ!」",
"373000321_60": "(お姉ちゃんたち……)"
}

View file

@ -0,0 +1,27 @@
{
"373000322_0": "「当たれッ!」",
"373000322_1": "「よしッ! クリス、次はッ!?」",
"373000322_2": "「3時の方向……。おそらく、最後の1体ッ!」",
"373000322_3": "「なら、出し惜しみはなしだッ!\\n クリス、ヒビキッ オレに合わせろッ」",
"373000322_4": "「分かったッ!」",
"373000322_5": "「いつでも」",
"373000322_6": "「父上を傷つけただけでは飽き足らず、\\n 性懲りもなく聖遺物を狙いやがって……ッ」",
"373000322_7": "「さっさと、消え失せろッ!!」",
"373000322_8": "「これでもくらえッ!」",
"373000322_9": "「わたしが……トドメをッ!」",
"373000322_10": "「よっしゃあッ!",
"373000322_11": " ……ん?」",
"373000322_12": "「………」",
"373000322_13": "「あれは、ウロボロスの――。\\n 待てッ」",
"373000322_14": "「とっ捕まえるぞッ!」",
"373000322_15": "「翼、待って」",
"373000322_16": "「なんだよクリスッ!」",
"373000322_17": "「ウロボロスの動きがわざとらしい。\\n ……どうして」",
"373000322_18": "「どうしてって……」",
"373000322_19": "「わたしたちを誘い出そうとしてるのかもしれない」",
"373000322_20": "「この前仕掛けてきた、フォニックゲインを抑え込む攻撃も\\n なぜか使ってこなかったし……」",
"373000322_21": "「つまり、囮ってこと?」",
"373000322_22": "「うーん……。父上を傷つけたヤツらを追いたい気持ちも\\n あるけど、クリスが言うなら今回はやめとくよ」",
"373000322_23": "「ありがとう。\\n きっとまたチャンスはあるから」",
"373000322_24": "(だけど、そういえば、二課からオートマシンの\\n 出動が無かった。いくら父上がいないからって、妙だな……"
}

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@ -0,0 +1,48 @@
{
"373000411_0": "悪辣なる指し手",
"373000411_1": "「レーベンガー、影護構成員と戦闘に突入ッ!\\n 司令官代理、我々は――」",
"373000411_2": "「命令に変更はありません。今回は全員待機です。\\n 戦闘終了後に調査と救助活動が行えるよう、準備を」",
"373000411_3": "「は、はい。\\n ですが……」",
"373000411_4": "「どうしてオートマシンを出動させないのッ!?\\n このままじゃ、街のみんなが危ないよッ」",
"373000411_5": "「これは、影護を検挙するための作戦です。\\n 指示には従ってください」",
"373000411_6": "「でも、なんで……」",
"373000411_7": "「政府としては、ここ数回の聖遺物保管基地襲撃は、\\n 影護による自作自演の可能性を考えています」",
"373000411_8": "「自作自演……? 影護がレーベンガーを放ち、\\n 戦ってみせるマッチポンプということですか」",
"373000411_9": "「犯罪者の考える茶番の目的は、世間の目を欺くことです。\\n 自分たちは無関係だというアピール」",
"373000411_10": "「今発生している戦闘が、\\n そんなイメージ戦略だとしたらどうします」",
"373000411_11": "「そこへ二課が介入し、戦闘規模と被害を拡大すれば、\\n 二課こそが悪者だと喧伝されかねません」",
"373000411_12": "「そんなことをするメリットが\\n 影護にあるとは思えませんが……」",
"373000411_13": "「おや、あなた。嫌に影護の肩を持つではありませんか。\\n さては、あなた内通者か何かですか」",
"373000411_14": "「そんなこと、ある訳――ッ!」",
"373000411_15": "「それはよかったです。では、作戦に協力していただけますね。\\n 他に意見のある方は」",
"373000411_16": "「…………」",
"373000411_17": "「……ッ!」",
"373000411_18": "「真偽はともあれ下手に手を出さず、\\n 動向を観察して影護の潜伏場所を特定する」",
"373000411_19": "「どんな可能性でも相手に利を与えず、\\n こちらが実利を取る作戦です」",
"373000411_20": "「で……でも、アピールじゃなかったらッ!?\\n 影護が、ただみんなを護るために戦っていたら――」",
"373000411_21": "「それならそれで結構。影護は戦力を損耗し、\\n 次にテロを行うまでの時間がのびるだけのことです」",
"373000411_22": "「その間に我々は影護の情報をより多く集め、\\n 彼らが悪意を見せた時に対抗すればよろしい」",
"373000411_23": "「……ッ!!」",
"373000411_24": "「テロリストが善意で動いているのなら、お任せすればいい。\\n ただでさえ二課は今、混乱しているのですからね」",
"373000411_25": "「司令官交代で指揮系統が乱れている今、多面展開は愚策です」",
"373000411_26": "「最悪に至る可能性だけを考慮し、そこに全力を注ぐ。\\n それが現状における最善でしょう」",
"373000411_27": "「確かに……」",
"373000411_28": "「それは、そうね……」",
"373000411_29": "「…………」",
"373000411_30": "「みなさん、理解頂けたようで幸いです。\\n 戦闘後の復旧や救助に備えてください」",
"373000411_31": "「そしてもちろん、影護追跡にも全力を」",
"373000411_32": "「了解ッ!」",
"373000411_33": "「潜伏場所を突き止め、\\n いつでも突入できるように情報を集めてください」",
"373000411_34": "「……シャロンさんは、おとなしく待機していてください。\\n 私は、政府とこの後について協議してきます」",
"373000411_35": "「…………」",
"373000411_36": "(……代理のおじちゃんが言ってること、\\n やっぱりおかしい",
"373000411_37": "(影護の翼お姉ちゃんやクリスお姉ちゃんが、\\n みんなを騙そうとしてるなんて……",
"373000411_38": "(そんなこと、考える人たちじゃない。\\n 九皐おじちゃんだって……",
"373000411_39": "(それに、最悪の可能性だったら、もっと悪いのがある)",
"373000411_40": "(それに、もしあの怪物が影護のものだとしたら、戦うふりなんか\\n しないで、装者とあの怪物で一緒に攻撃しちゃえばいいんだ",
"373000411_41": "(そしたらきっと、オートマシンじゃ太刀打ちできない。\\n 狙っているはずの聖遺物なんて、簡単に奪えちゃうはず",
"373000411_42": "「やっぱり、変だよ」",
"373000411_43": "「シャロンちゃん?」",
"373000411_44": "(代理のおじちゃんは、変だ。\\n 大人なのに、八紘おじちゃんと全然違う",
"373000411_45": "(八紘おじちゃんの代わりに、わたしが突き止めなきゃッ!)"
}

View file

@ -0,0 +1,66 @@
{
"373000421_0": "「――と、いう訳で、父上に会うことはできなかった」",
"373000421_1": "「そんなに深刻なんですか?」",
"373000421_2": "「シャロンの話では、命に別状はなくて\\n 意識さえ戻れば、問題ないそうだ」",
"373000421_3": "「ふぅ……それはよかった。",
"373000421_4": " いやッ! 良くはないですね……」",
"373000421_5": "「翼さん、心配だとは思いますが、\\n あまり気を落とさないように」",
"373000421_6": "「オレは大丈夫ッ!\\n 父上が倒れた時は焦ったけど……」",
"373000421_7": "「オレの父親なんだ、あんな怪我で死ぬ玉じゃないッ!」",
"373000421_8": "「翼、空元気なの、分かってるよ」",
"373000421_9": "「う……」",
"373000421_10": "「仕方ないよね。大事な人が大怪我をしたんだから」",
"373000421_11": "「だから、もっとわたしたちを頼って。\\n 前にも言ったでしょ」",
"373000421_12": "「……ごめん。また1人で抱え込もうとしてた、かも」",
"373000421_13": "「フフ、やっぱりいいコンビなんだね」",
"373000421_14": "「ああ、そうだろ?」",
"373000421_15": "「……司令官が復帰するまでの、\\n 二課の動きが心配ですね」",
"373000421_16": "「代理として来た司令官は、随分冷たい印象だって\\n シャロンは言ってたな……」",
"373000421_17": "「シャロンの事を変に利用するような\\n 人じゃなければいいけど……」",
"373000421_18": "「もしそんな事になれば、\\n 我々の手で救出しましょう」",
"373000421_19": "「今は父上がシャロンの親代わりみたいなもんだから……。\\n こんな状況になると、シャロンも心配だ」",
"373000421_20": "「親代わり……。\\n いったいあの子に、何があったの」",
"373000421_21": "「あの子は、血縁上の父親に『道具』たれと望まれた娘だった。\\n たくさんの姉妹と共に、人為的に聖遺物と融合させられて……」",
"373000421_22": "「そんな……」",
"373000421_23": "「ああ。あいつのオヤジは自分が人類を救済するって望みに\\n とりつかれたやばいヤツで、そのために娘を利用したのさ」",
"373000421_24": "「聖遺物ヴィマーナ。その身に数多のオートマシンを宿した\\n 空飛ぶ戦艦を、意のままにするためにな」",
"373000421_25": "「それで、機械を意のままに操る聖遺物と融合……」",
"373000421_26": "「姉妹の中で最もヤントラ・サルヴァスパに適合したのがシャロン。\\n そんな彼女たちだったんだけど、ある日、脱走したの」",
"373000421_27": "「シャロンは姉妹の中でただ一人捕獲されず、\\n 逃げ切ったけど、行くあてなんかなかった」",
"373000421_28": "「で、途方に暮れていたシャロンを立花響が\\n 最初に保護したんだとよ」",
"373000421_29": "「あいつ、シャロンが心を開けるようになるまで\\n 一緒に住んで、勉強まで教えてたらしいぞ」",
"373000421_30": "「そうか……」",
"373000421_31": "(もう1人のわたしは本当に、いろいろな並行世界で\\n 差し伸ばされた手をつかみ、人の心を絆しているんだな",
"373000421_32": "(きっと、わたしが知らないところで、\\n もっとたくさん……",
"373000421_33": "「とはいえ、あいつは自分の並行世界に帰らなきゃ\\n ならなかったからな」",
"373000421_34": "「それからは父上が親代わり……保護者になったんだ」",
"373000421_35": "「シャロンと別れて以来、もう1人のわたしは、\\n この世界に来ていないの」",
"373000421_36": "「たまに来てるみたいだったけど、\\n そんなに頻繁には来れないんじゃないか」",
"373000421_37": "「そうか……。なら、シャロンには悪いことをしたな」",
"373000421_38": "「どういうこと?」",
"373000421_39": "「だってほら、わたしは立花響と見た目は同じでしょ?\\n でも、中身は大違いだ」",
"373000421_40": "「こんなわたしと会ったせいで、シャロンが\\n 余計に寂しくなっちゃったんじゃないかと……」",
"373000421_41": "「おわびに、もしもう1人のわたしに会ったら、\\n もっとこの世界に顔を出すように伝えるよ」",
"373000421_42": "「フッ……」",
"373000421_43": "「なに……?」",
"373000421_44": "「いや、確かにシャロンが大好きなのは\\n あっちの響だけどさ」",
"373000421_45": "「そんなに卑屈になることないと思うぞ?」",
"373000421_46": "「え……?」",
"373000421_47": "「うん、そんな風にシャロンのことを考えるヒビキも、\\n 十分優しくて、お人好し」",
"373000421_48": "「ああ。一緒に戦ってもそう感じる。\\n あんたはいつも、誰かのために戦ってるみたいだ」",
"373000421_49": "「ましてや、1人で人助けの旅だなんて、\\n 普通はできないよな……」",
"373000421_50": "「並行世界の自分とは、やっぱりどこかで似ちゃうのかな。\\n 性格は違っても、根っこの部分が」",
"373000421_51": "「……そうかな?」",
"373000421_52": "(わたしは、少しでも近づけているのかな?\\n わたしを助けてくれた、もう人の自分に……",
"373000421_53": "「警報……ッ!?」",
"373000421_54": "「なにがあった?」",
"373000421_55": "「黒いレーベンガーが市街地に出現しました」",
"373000421_56": "「あいつら、また出やがったかッ!」",
"373000421_57": "「オートマシンはまだ対応していないようです。\\n このままでは被害が広がってしまいます」",
"373000421_58": "「……分かりました。出撃します」",
"373000421_59": "「わたしも行きますッ!」",
"373000421_60": "「研究所を狙った時とは違い、\\n 今回は無差別な攻撃のようです」",
"373000421_61": "「クリスさんの報告にあった、みなさんを誘い込むような\\n 動きが再び行われる可能性もあります」",
"373000421_62": "「敵の目的が不明瞭ですので、\\n 気を付けて対応に当たってください」",
"373000421_63": "「了解だッ!\\n ヤツらの思い通りにはさせないッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,42 @@
{
"373000422_0": "「……やっぱりおかしい」",
"373000422_1": "「……ああ。これだけ時間が経っても二課から\\n オートマシンが派遣されないなんて、異常だ」",
"373000422_2": "「影護を疑っていたとしても、\\n レーベンガーの被害から人々を護るべきだろ……ッ」",
"373000422_3": "「いったい、何が起きているんだ……」",
"373000422_4": "「…………」",
"373000422_5": "「はあッ、はあッ、はあ……。\\n こんな、森の中に……」",
"373000422_6": "(政府の人と話し合うって言ってたけど……。\\n こんな所で、話し合うの",
"373000422_7": "「――ッ!?」",
"373000422_8": "「全員、揃っているようですね」",
"373000422_9": "「はい」",
"373000422_10": "「よろしい、では進捗報告を。\\n まず、テュポーンは起動できましたか」",
"373000422_11": "(テュポーンッ!? 確か、盗まれちゃった聖遺物ッ!\\n 代理のおじちゃんが、なんで……ッ",
"373000422_12": "「申し訳ありません。予定にない者が参戦している影響で\\n 影護の戦力が増強されています」",
"373000422_13": "「そのため戦闘エリア内で十分なフォニックゲインが確保できず、\\n テュポーンは起動に至っておりません……」",
"373000422_14": "(それに、テュポーンを起動するってッ!\\n じゃああそこにいる人たちが、最近の事件の犯人ッ",
"373000422_15": "「あれの起動は現状の最優先事項です。\\n 戦力を出し惜しみせず投入してください」",
"373000422_16": "「テュポーンの起動に必要なだけ、装者たちに\\n フォニックゲインを生み出させるのです」",
"373000422_17": "「しかし、これ以上ガンドベンガーが減ってしまっては、\\n 作戦全体の進行に支障をきたすのではないでしょうか」",
"373000422_18": "「そうですッ! 出し惜しみせずとおっしゃられましても、\\n 限度がありますッ 敵は影護だけではありませんッ」",
"373000422_19": "「……二課の指揮権を奪取しました。\\n 現在、二課の出動命令は私が出しているのですよ」",
"373000422_20": "「オートマシンには待機命令を出しています。\\n ですから、装者たちとの戦闘に注力してください」",
"373000422_21": "「おおッ! それなら確かにガンドベンガーを\\n もっと投入できますッ」",
"373000422_22": "「では、テュポーンの起動を急いでください。\\n それまで、二課の方はしっかり抑えておきますので……」",
"373000422_23": "「はッ!」",
"373000422_24": "「では次に、情報収集の進捗を報告してください。\\n なにか新しい情報は入手できましたか」",
"373000422_25": "「はい、影護の最大戦力である装者。\\n その内名について、おもしろい情報が」",
"373000422_26": "「続けて」",
"373000422_27": "「どうやら、二課司令官風鳴八紘と血縁関係にあるようです。\\n おそらくは、娘かと」",
"373000422_28": "「ほう……? 確かにおもしろい。\\n これは、恰好の切り札となりそうですね」",
"373000422_29": "(ガンドベンガーって、最近出て来るあの黒いの……?\\n それに代理のおじちゃん、二課を戦わせないって……ッ",
"373000422_30": "(変な指示を出す理由は、これだったんだ……ッ!\\n 代理のおじちゃんは、二課と影護の敵",
"373000422_31": "(そんな人が、翼お姉ちゃんと八紘おじちゃんの関係を\\n 知ったら……、影護も二課も、危ないッ",
"373000422_32": "(急いで帰って、みんなに知らせないと……ッ!)",
"373000422_33": "「おや? 誰かいますねッ!?」",
"373000422_34": "「あ……ッ!」",
"373000422_35": "「見られてしまったようですね。総員、あの少女の確保をッ!\\n ガンドベンガーは使わないようにッ」",
"373000422_36": "(あの少女は、殺してしまうには惜しい存在ですからね)",
"373000422_37": "「はッ!!」",
"373000422_38": "「……まあ、手間が省けたと思うこととしましょう。\\n これでシャロンを確保すれば……」",
"373000422_39": "「二課の最大戦力、ヴィマーナを\\n 封じることになる訳ですからね」"
}

View file

@ -0,0 +1,34 @@
{
"373000511_0": "二課、出動セズ",
"373000511_1": "「……それで、どうかね石崎くん。\\n 二課が保有する情報を精査したとのことだが」",
"373000511_2": "「はい、データが示す数値の比較で、面白い事実が発覚しました。\\n レーベンガー相手に戦う影護装者たちのエネルギー出力が……」",
"373000511_3": "「過去に観測したデータに比べ、\\n 割程も減少しているのです」",
"373000511_4": "「む? つまりはどういうことかね?」",
"373000511_5": "「影護の2名の装者が、瀕死の重傷でも負っていない限りは、\\n レーベンガーとの戦闘時は、手を抜いているのではないかと」",
"373000511_6": "「なにッ!? ヤツらは瀕死の重傷だということかね?」",
"373000511_7": "(ああ……そうだった。\\n コイツは想像以上の低能なのでした",
"373000511_8": "「混乱を招くような言いまわし、失礼いたしました。\\n そちらではなく、純粋に手を抜いていると見ております」",
"373000511_9": "「更には、影護に最近3人目と思われる装者が現れたのですが、\\n 出現した時期と、レーベンガーの登場時期が合致します」",
"373000511_10": "「その上、レーベンガーに襲撃を受けた研究所の監視カメラは、\\n レーベンガー出現前から待機する装者の姿を捉えておりました」",
"373000511_11": "「やはり全ては影護の仕業、という訳だな?」",
"373000511_12": "「そう断定できる材料がそろったと判断いたします。\\n くわしくは、提出した資料をご覧ください」",
"373000511_13": "「……ふん、結論が分かればそれで十分だ。\\n 私も暇ではないのでな」",
"373000511_14": "「…………」",
"373000511_15": "「影護など、さっさと壊滅させればよかったんだ。\\n あれだけ忠告してやったと言うのに、風鳴くんは本当に甘いッ」",
"373000511_16": "「先生の慧眼と比べるには、\\n さすがの風鳴司令にも酷と言うものでございます」",
"373000511_17": "「ガハハハハッ! まぁ、そうかもしれんな。\\n 大臣方も、君くらい人を見る目があれば苦労はせんのだがな」",
"373000511_18": "「風鳴司令の不在時に、先生の力で影護を壊滅させるのです。\\n いよいよ先生のご威光も、隠しきれなくなりますとも」",
"373000511_19": "「ガハハハハッ! 石崎くん、やはり君は私の懐刀だなッ!\\n 今回の件、君に任せて正解だった」",
"373000511_20": "「お褒めいただき、光栄に思います」",
"373000511_21": "「評価と褒賞については、期待していてくれたまえ。\\n 最大限の便宜を図り、君に報いるよ」",
"373000511_22": "「はい、ありがたく存じます」",
"373000511_23": "「では石崎くん。二課の司令官代理に君を任じ、全ての作戦は、\\n 私の発案であると、しっかりと書類に残してくれたまえ」",
"373000511_24": "「じゃ、後は任せた」",
"373000511_25": "「仰せの通りに」",
"373000511_26": "「私は、支持者の娘と3日間ほど出張に出るのでな。\\n 連絡は控えてくれたまえよ」",
"373000511_27": "「それはそれは、お楽しみくださいませ」",
"373000511_28": "「…………」",
"373000511_29": "(影護を完全に敵と認識させるため、それらしく纏めた証拠資料に\\n 目も通さないとは呆れ果てたものですが……",
"373000511_30": "(しかも、この期に及んで私に丸投げしお楽しみに興じるとは、\\n 彼を選んだ私の目に狂いはありませんでした",
"373000511_31": "(その座に就いていられるのも、あとわずかです。\\n 冥土の土産と思って、精々お楽しみください"
}

View file

@ -0,0 +1,23 @@
{
"373000521_0": "「なんなんだよッ! こいつらはッ!」",
"373000521_1": "「け、警察はッ! 自衛隊はなにやってんだッ!」",
"373000521_2": "「だ、誰かッ! 助けてください……」",
"373000521_3": "「うわぁぁぁぁぁッ!」",
"373000521_4": "「……数が、多い」",
"373000521_5": "「まずいッ! 避難誘導もロクにできちゃいないぞッ!\\n 逃げ遅れた連中がかなりいるッ」",
"373000521_6": "「だったらッ! みんなの避難が終わるまで、\\n 時間を稼ぐッ」",
"373000521_7": "「お前らの相手は、こっちだぁぁッ!」",
"373000521_8": "「そう言うと思ったぞ。\\n クリス、オレたちも行くぞッ」",
"373000521_9": "「うんッ!」",
"373000521_10": "「関節部を狙って、\\n 確実に戦闘不能に……ッ」",
"373000521_11": "「助かったッ!\\n ありがとう……ッ」",
"373000521_12": "「お前たちは早く逃げろッ!\\n ここはオレたちが食い止めてみせるッ」",
"373000521_13": "「ありがとうございますッ!」",
"373000521_14": "「あ……ッ!?」",
"373000521_15": "「まずいッ!\\n まだ避難してる連中が……ッ」",
"373000521_16": "「死なせるもんかあああッ!」",
"373000521_17": "「くッ!\\n さぁ、今のうちに逃げてッ」",
"373000521_18": "「う、うんッ!\\n ありがとう、お姉ちゃん」",
"373000521_19": "「よかった……」",
"373000521_20": "「お前たちは、ここで止める……ッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,32 @@
{
"373000522_0": "「よしッ! 黒いレーベンガーは全部やったなッ!\\n クリス、そっちも確認してくれ」",
"373000522_1": "「……大丈夫、敵影なし。\\n 負傷者も見当たらない」",
"373000522_2": "「よかった……」",
"373000522_3": "「――ッ!?\\n 九皐さんからのコールだッ」",
"373000522_4": "「おいおい、終わったばっかだってのに……。\\n どうした また黒いレーベンガーか」",
"373000522_5": "「いえ、今回は違います。\\n 付近の森林で、複数のエネルギー反応を検知しました」",
"373000522_6": "「エネルギー反応?\\n 戦闘が行われているの」",
"373000522_7": "「ええ。不可解ではありますが、間違いないようです」",
"373000522_8": "「その森には人は住んでいないんですか?」",
"373000522_9": "「住居の類はありませんが、\\n その場に誰かがいる可能性は、否定できません……」",
"373000522_10": "「もしかしたら、誰かが襲われているのかもしれない。\\n 様子を見に行かないと」",
"373000522_11": "「うん。嫌な予感がする……」",
"373000522_12": "「よし、そうと決まれば――」",
"373000522_13": "「待ってくださいッ!」",
"373000522_14": "「……更なる問題発生です。\\n 新たなレーベンガーが出現しましたッ」",
"373000522_15": "「くそッ! 本当に立て続けだなッ! 場所は?」",
"373000522_16": "「……中央病院の周辺です。\\n 病院が包囲されつつあるようですね……」",
"373000522_17": "「父上の、入院先だと……ッ!?\\n くそ、どうしたら――」",
"373000522_18": "「わたしが単独で森の様子を見てくる。\\n 人は、病院の方へ行ってッ」",
"373000522_19": "「ヒビキ……」",
"373000522_20": "「大丈夫。\\n 確認ができたら、そっちに合流するから」",
"373000522_21": "「恩に着るッ!\\n そっちは任せたぞッ」",
"373000522_22": "「気を付けて。\\n 無茶はしないでね」",
"373000522_23": "(任せた、気を付けて、か……)",
"373000522_24": "(そう言ってくれる人がいるんだから……。\\n 今のわたしは、人なんかじゃないな",
"373000522_25": "「……くわしい座標を教えてください」",
"373000522_26": "「ヒビキさん、あなたの協力が得られて、本当によかった。\\n ありがとうございます」",
"373000522_27": "「気にしないでください。\\n わたしがやりたくてやっていることですから」",
"373000522_28": "(森の中の戦闘だって、\\n ひょっとしたら助けを求めている人がいるかもしれない",
"373000522_29": "(その手を……、つかんでみせるッ!)"
}

View file

@ -0,0 +1,15 @@
{
"373000531_0": "「目的地周辺に到着ッ!」",
"373000531_1": "「おかしい……。\\n ここにもオートマシンが出撃してこないなんて」",
"373000531_2": "「……確かにな。司令官の入院先が襲われていたら、\\n 真っ先に戦力が投入されるはずだ」",
"373000531_3": "「でも、実際にはわたしたちしか……。\\n 二課で、何が起こっているの」",
"373000531_4": "「例の司令官代理がどんな指揮を執っているのか……。\\n 分からないけど、今は考えても仕方ないッ」",
"373000531_5": "「今やるべきことは、ヒビキを信じて、\\n 全力で目の前のレーベンガーたちを叩くッ そうだろ」",
"373000531_6": "「そうだね。ごめん。\\n いつも通り、背中は任せておいてッ」",
"373000531_7": "「やっぱりクリスは頼もしいなッ!」",
"373000531_8": "「一応聞いておくけど、作戦は?」",
"373000531_9": "「相手の注目を、少しでも病院からそらすッ!\\n ……つまり、ど真ん中に突っ込んで大暴れだッ」",
"373000531_10": "「了解。ついて行く」",
"373000531_11": "「作戦開始だッ!」",
"373000531_12": "「お前らッ!!\\n 父上には指一本ふれさせないからなッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,20 @@
{
"373000532_0": "「止まれえええッ!」",
"373000532_1": "「攻撃しても、病院への進攻を止めないッ!?\\n 何が目的なのッ」",
"373000532_2": "「こいつら、ひょっとして、\\n 父上を……ッ」",
"373000532_3": "「まさか……ッ!?」",
"373000532_4": "「いや、考えられる話だ。父上が怪我をした時も、\\n 最初から父上が狙いだったのか……ッ」",
"373000532_5": "「だったらなおさらッ!\\n ここで止めないと……ッ」",
"373000532_6": "「ああッ!\\n 今度こそ、父上を護るんだッ」",
"373000532_7": "「いいぞ、このまま――」",
"373000532_8": "「――ッ!?」",
"373000532_9": "「更に新手が……ッ!?」",
"373000532_10": "「く、数に任せて押し切るつもりか……ッ!」",
"373000532_11": "「翼、どうする?」",
"373000532_12": "「今は、ヒビキの助けは望めない……」",
"373000532_13": "「それなら、オレたちがもっと強く唄ってッ!\\n こいつらを止めるだけだ……ッ」",
"373000532_14": "「うん……ッ!\\n 翼を悲しませたりしない。護り抜くんだ……ッ」",
"373000532_15": "「クククッ……家族を思い奮い立たせる力……。\\n なんと美しいことか」",
"373000532_16": "「フォニックゲイン、病院周辺に満ち溢れています。\\n 予測値に到達……まもなくテュポーンが起動します」",
"373000532_17": "「テュポーンを育ててくれたこと……。\\n 心より感謝しましょう」"
}

View file

@ -0,0 +1,60 @@
{
"373000611_0": "勇と成した過日の響き",
"373000611_1": "(…………)",
"373000611_2": "「いたかッ!?」",
"373000611_3": "「いや、こっちじゃないッ!」",
"373000611_4": "「お前は向こうを見てこい。\\n 俺はあっちに行ってみるッ」",
"373000611_5": "「分かったッ!」",
"373000611_6": "「ふ~~~」",
"373000611_7": "(……代理のおじちゃんの仲間に追いかけられて、\\n どうなっちゃうかと思ったけど",
"373000611_8": "(森の近くに隠れる場所があってよかったぁ……)",
"373000611_9": "「これからどうしよう……」",
"373000611_10": "(代理のおじちゃんの言うことは信じちゃダメって、\\n 影護のお姉ちゃんたちや二課の人に伝えないと――",
"373000611_11": "(まだ捜してる……)",
"373000611_12": "(待機命令が出てるし、こっそり出て来ちゃったから\\n 二課のみんなは、わたしがいない事にも気付かないかも",
"373000611_13": "(通信機も落としちゃったし、\\n 絶体絶命だ……",
"373000611_14": "「響、お姉ちゃん……」",
"373000611_15": "「――ッ!?」",
"373000611_16": "「だ、大丈夫だよ、シャロンちゃん……」",
"373000611_17": "「こんなの……へいき、へっちゃら、だからッ!」",
"373000611_18": "(そうだッ! わたしは響お姉ちゃんに\\n いろんなことを教えてもらった",
"373000611_19": "(勉強だけじゃない。\\n 勇気を出すこと、諦めないこと――",
"373000611_20": "「わたしにも力があるんだ……。\\n できる限りは、自分でやってみなくちゃ」",
"373000611_21": "(足音が聞こえなくなった、今のうちにッ!)",
"373000611_22": "「見つけたぞッ!\\n こんなところに居やがったかッ」",
"373000611_23": "「――ッ!?」",
"373000611_24": "「手間取らせやがって。\\n 少し痛い目に合わせて、とっ捕まえるか」",
"373000611_25": "「ああ、それは面白いな。\\n さて、もう逃げられな――」",
"373000611_26": "「はあ、ああああッ!」",
"373000611_27": "「これは……ッ!?\\n 二課のオートマシンかッ」",
"373000611_28": "「どこから現れたッ!?」",
"373000611_29": "「……あ、あのッ! もう、追いかけてこないでッ!\\n これ以上追いかけて来るなら……、攻撃、しますッ」",
"373000611_30": "「面白いッ!\\n やってみればいいさッ」",
"373000611_31": "「実力行使だッ! ガキを確保するぞッ!」",
"373000611_32": "「おうッ!」",
"373000611_33": "「こないで……ッ!」",
"373000611_34": "「なんだこいつ、銃器は装備していないのか?」",
"373000611_35": "「動きもぎこちないな」",
"373000611_36": "「ああ……ッ!」",
"373000611_37": "「ふん、外観だけ似せたハリボテか。\\n このガキが作ったのか」",
"373000611_38": "「こいつはヤントラ・サルヴァスパの融合症例だ。\\n 工場の機械を寄せ集めて作ったのだろう」",
"373000611_39": "「なるほど、さすがは聖遺物というわけか。\\n だが、肝心の機械の方がボロボロでは、これが限界のようだな」",
"373000611_40": "「こないで……ッ!\\n こないでくださいッ」",
"373000611_41": "「これほどの能力を持つ聖遺物との融合症例……。\\n なかなかに利用価値が高そうだ」",
"373000611_42": "「マーナガルムの強化も可能かもしれんぞッ!\\n さあこっちへ来いッ お前は我々が使わせてもらうッ」",
"373000611_43": "(この視線、昔いた研究所の大人たちと、同じ……)",
"373000611_44": "「いやあああッ!!」",
"373000611_45": "「その手を、離せえええええええッ!!」",
"373000611_46": "「ヒビキ……お姉ちゃん?」",
"373000611_47": "「シャロン、大丈夫ッ!?」",
"373000611_48": "「く……ッ! 影護のイレギュラーかッ!!」",
"373000611_49": "「なぜこんな所に……」",
"373000611_50": "「……お前たち」",
"373000611_51": "「利用価値だの、使うだのと……」",
"373000611_52": "「人の命を、なんだと思っているんだ……ッ!!」",
"373000611_53": "「…………」",
"373000611_54": "「その綺麗ごとをわざわざ言いに来たのか?」",
"373000611_55": "「そこまで言うなら答えてやるが、なんとも思ってなどいないさ。\\n その子には、人として生きるより価値のある使い方があるッ」",
"373000611_56": "「誰にだって想いや大切なものがあるのに、どうしてそれを\\n 踏みにじれるんだ……」",
"373000611_57": "「絶対に、許さないッ!!」"
}

View file

@ -0,0 +1,59 @@
{
"373000612_0": "「その子から、離れろッ!!」",
"373000612_1": "「ぐわああッ!」",
"373000612_2": "「これで終わり?」",
"373000612_3": "「お姉ちゃんッ! 後ろッ!!」",
"373000612_4": "「――ッ!?」",
"373000612_5": "「遅いッ!」",
"373000612_6": "「ぐう――ッ!」",
"373000612_7": "「よし、よくやったッ!\\n いい奇襲だぞッ」",
"373000612_8": "「囲んで一斉攻撃だッ!」",
"373000612_9": "「お姉ちゃん……ッ!」",
"373000612_10": "「あなただけでも……。逃げて……」",
"373000612_11": "「……ううん、逃げないよ」",
"373000612_12": "「シャロン……?」",
"373000612_13": "「わたしにも、戦う力はあるから……ッ!\\n 今度はわたしが、お姉ちゃんを助ける番ッ」",
"373000612_14": "(お願いッ!!)",
"373000612_15": "「なんだッ!?」",
"373000612_16": "「またかッ!?\\n そんなポンコツッ」",
"373000612_17": "「ぐわッ!」",
"373000612_18": "「くそッ! ガキがッ!!」",
"373000612_19": "「お姉ちゃん、今ッ!!」",
"373000612_20": "「ッ!!」",
"373000612_21": "(あの子が……、奇襲で注意を引いてくれたッ!\\n このチャンスは逃さないッ",
"373000612_22": "「ぶっとべえええッ!」",
"373000612_23": "「ぐうう……ッ!」",
"373000612_24": "「ハッ、ハッ、は……。はあああ……」",
"373000612_25": "「やったね、お姉ちゃんッ!\\n 怪我は大丈夫」",
"373000612_26": "「大丈夫……。\\n シャロンこそ、怪我はない」",
"373000612_27": "「わたしは大丈夫だよ。\\n でも、ごめんなさい」",
"373000612_28": "「? なんであやまるの?」",
"373000612_29": "「わたし、こわくなっちゃって……。\\n お姉ちゃんがやられちゃうまで、何もできなくて……」",
"373000612_30": "「…………」",
"373000612_31": "(まだ小さい身体。気弱そうに見える態度……、\\n そんなものにばかり目がいっていた",
"373000612_32": "(ただ護るべき対象としか考えていなかった……。\\n でも、それは大きな間違いだ",
"373000612_33": "(彼女には彼女の力がある。勇気を振り絞って\\n それを使ってくれたから、わたしは護られた",
"373000612_34": "(もう1人のわたしに救われた後、\\n 今度は他の誰かを助けようと、立ち上がって……",
"373000612_35": "(もしかしたら、この子はわたしと\\n 同じなのかも……",
"373000612_36": "「ううん、シャロンのおかげで助かった。\\n あのままじゃ、本当に危なかった」",
"373000612_37": "「シャロン、護ってくれてありがとう」",
"373000612_38": "「……ッ! わたしもッ! 助けてくれてありがとう。\\n ヒビキお姉ちゃんッ」",
"373000612_39": "「そういえばヒビキお姉ちゃん。\\n 翼お姉ちゃんとクリスお姉ちゃんは 一緒じゃないの」",
"373000612_40": "「……今、街の方に黒いレーベンガーが出現してる。\\n 翼のお父さんが入院している病院が狙われてるんだ」",
"373000612_41": "「八紘おじちゃんのッ!?」",
"373000612_42": "(ガンド化レーベンガー……、\\n フォニックゲインの確保……ッ",
"373000612_43": "「うん、2人はそっちに向かったんだ。\\n シャロンは無事だったし、わたしもそっちに……」",
"373000612_44": "「ヒビキお姉ちゃん、大変だよッ!!\\n 人が危ないッ」",
"373000612_45": "「え?」",
"373000612_46": "「黒いレーベンガーは、ガンド化されてるのッ!\\n さっきの、ウロボロスの人たちみたいに……ッ」",
"373000612_47": "「さっきのあいつらと、同じようにッ!?」",
"373000612_48": "「それだけじゃないのッ! 二課の司令官代理になった\\n おじちゃんは、ウロボロスの仲間だったんだもんッ」",
"373000612_49": "「な……ッ!?」",
"373000612_50": "「おじちゃんは、ウロボロスの人に言ってた。\\n テュポーンの起動にはフォニックゲイン必要だって」",
"373000612_51": "「きっとお姉ちゃんたちを戦わせて、\\n フォニックゲインを集めるのが目的なんだよッ」",
"373000612_52": "「シャロンッ! わたしにつかまってッ!\\n 人の所に急ごうッ」",
"373000612_53": "「うんッ! ……あれ?",
"373000612_54": " 大勢の人が、こっちに……」",
"373000612_55": "(あの服装……。自衛隊か?)",
"373000612_56": "「影護の構成員に告ぐッ!!」"
}

View file

@ -0,0 +1,59 @@
{
"373000621_0": "「……」",
"373000621_1": "「中にいる、影護の構成員に告ぐッ!!\\n 我々は特機二課の要請を受け、この施設を完全に包囲したッ」",
"373000621_2": "「……二課の要請?」",
"373000621_3": "「二課職員を略取誘拐するなど正気の沙汰とは思えん。\\n 今すぐ、武器を捨て出てきなさい」",
"373000621_4": "「代理のおじちゃんだ……ッ!\\n お姉ちゃんが助けに来てくれたから、嘘の通報をしたんだよ」",
"373000621_5": "「……ということは、\\n これもウロボロスの罠か……」",
"373000621_6": "「おとなしく職員を解放して投降するならばよしッ!\\n 抵抗するならば、実力行使も辞さないッ」",
"373000621_7": "「――くッ!\\n 状況も見極めずに……」",
"373000621_8": "「しかも、わざわざこんな勧告。\\n 影護は本当にテロリスト扱いされてるんだな」",
"373000621_9": "「ひどい……ッ!\\n どうしてこんな……ッ」",
"373000621_10": "「シャロンの推測が正しければ、\\n わたしとシャロンの足止めが目的でしょ」",
"373000621_11": "「さすがにわたしも、エレクライトを装着して\\n 生身の人間を殴ったりはできないから……」",
"373000621_12": "「そっか。翼お姉ちゃんとクリスお姉ちゃんから、\\n フォニックゲインを奪い取る時間を作るために……ッ」",
"373000621_13": "「にらみ合えば、ウロボロスの思うつぼ。\\n でも、強行突破はできればしたくない」",
"373000621_14": "「どうしようか……」",
"373000621_15": "「……響お姉ちゃんなら、きっとこうするはず」",
"373000621_16": "「――ッ!」",
"373000621_17": "「あの子供は……ッ!\\n 保護対象と思われますッ」",
"373000621_18": "「解放されたのかッ!\\n なら次は犯人確保だッ 突入用意ッ」",
"373000621_19": "「待ってくださいッ!\\n わたしの話を、聞いてもらえませんかッ」",
"373000621_20": "「どうかしたのかい?\\n せっかく怖い人から解放されたんだ。早く安全な場所に……」",
"373000621_21": "「それは、嘘なんですッ! わたし、誘拐なんかされてない。\\n ヒビキお姉ちゃんは、凶悪犯じゃありませんッ」",
"373000621_22": "「……どういうことかな?」",
"373000621_23": "「全部、司令官代理のおじちゃんが悪いんです」",
"373000621_24": "「特機二課の、石崎司令官代理がッ!?」",
"373000621_25": "「はい。本当のあの人は、\\n ウロボロスという、悪い組織の仲間なんです」",
"373000621_26": "「自分たちの邪魔になるから、八紘おじちゃんに怪我をさせて、\\n 代理になって影護がテロリストだって嘘を吐いたんですッ」",
"373000621_27": "「…………」",
"373000621_28": "(そうか……。もう1人のわたしなら、\\n ぶつかり合うのではなく、真正面から対話を……",
"373000621_29": "「今も自衛隊のみんなに、わたしが誘拐されたって騙して、\\n ヒビキお姉ちゃんとわたしを、ここに足止めしているんです」",
"373000621_30": "「お願いです。包囲を解いて、\\n わたしとヒビキお姉ちゃんを行かせてくださいッ」",
"373000621_31": "(シャロンがあんなに頑張ってるんだ。\\n わたしも――ッ",
"373000621_32": "「容疑者が出て来たぞ……。武装しているッ!」",
"373000621_33": "「わたしが言っても説得力がないかもしれないけど、\\n その子の言っていることは本当です」",
"373000621_34": "「にわかには、信じられない。\\n 我々には、判断材料が少なすぎる」",
"373000621_35": "「君はその少女に脅されて、\\n そんなことを言っているんじゃないのかね」",
"373000621_36": "「そんなことありませんッ!\\n お願いします、信じてくださいッ」",
"373000621_37": "「……悪いが、すぐには無理だ。\\n まず事実確認をしなければ、独断で行動することもできない」",
"373000621_38": "「すまないが2人とも、我々に同行してもらえないだろうか?\\n 手荒なマネは決してしない。事実確認に協力してほしいのだ」",
"373000621_39": "「……ごめんなさい。今は時間がないんです。\\n 一緒には、行けません」",
"373000621_40": "「そういうわけにはいかないんだ……。仕方ない",
"373000621_41": " おい、2人を確保だ。事実確認に同行してもらうぞ」",
"373000621_42": "「く……ッ!」",
"373000621_43": "「ごめん、わたしじゃやっぱり\\n 上手に説得できない」",
"373000621_44": "「わたしも……、ごめんなさい」",
"373000621_45": "「でも、あの人たちを傷つけたりしない。\\n 逃げるから、協力してくれる」",
"373000621_46": "「うん……ッ!」",
"373000621_47": "「なんだッ!?\\n オートマシンッ」",
"373000621_48": "「まずい、2人から目を――」",
"373000621_49": "「ぐあ……ッ!?」",
"373000621_50": "「目くらましだとッ!?」",
"373000621_51": "「今だッ!」",
"373000621_52": "「うんッ!」",
"373000621_53": "「ありがとう」",
"373000621_54": "「こっちこそ、助けてくれて、ありがとうッ!」",
"373000621_55": "「それじゃこのまま、病院の方へッ!」",
"373000621_56": "「うんッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,44 @@
{
"373000631_0": "「ハアッ、ハアッ、ハアッ、ハアッ……\\n やっと……全滅させた……」",
"373000631_1": "「翼のお父さんを、護りきれた……ッ!」",
"373000631_2": "「ご苦労様でした。\\n あなたたちのお陰で、ようやく計画が進みます」",
"373000631_3": "「――ッ!」",
"373000631_4": "「誰ッ!」",
"373000631_5": "「私、二課をお預かりしている石崎と申します」",
"373000631_6": "「お前がッ!?",
"373000631_7": " 今頃、何しに来たッ!?」",
"373000631_8": "「いやいや、お2人には、お礼を述べたくて来たのですよ」",
"373000631_9": "「礼? 二課司令を護らなかった詫びの間違いだろッ!\\n で、二課の戦力はどこで遊ばせてるんだよッ」",
"373000631_10": "「とんでもないッ!\\n 風鳴司令の生死など、私には微塵も興味はありません」",
"373000631_11": "「私が感謝しているのは、お2人のお陰で、\\n ようやくテュポーンの起動が成ったこと」",
"373000631_12": "「テュポーンの……起動ッ!?\\n お前は……ウロボロスッ」",
"373000631_13": "「クククッ……、そう。私の本当の名前は、\\n ウロボロス副官の石屋と申します」",
"373000631_14": "「あなたの名前なんて、今はどうでもいい。\\n テュポーンが起動したって、どういうことッ」",
"373000631_15": "「そう。お2人の助力に感謝し、\\n テュポーンのことを教えて差し上げましょう」",
"373000631_16": "「……かつてドヴェルグが産み出した世界蛇の試作機。\\n それがテュポーンなのです」",
"373000631_17": "「しかし、テュポーンの起動には、餌となるフォニックゲインが\\n 大量に必要でしてね」",
"373000631_18": "「それを集めるために、あなた方シンフォギア装者に\\n 基底状態のテュポーンのすぐ傍で戦い続けてもらった訳です」",
"373000631_19": "「な――ッ!?\\n それじゃあ……」",
"373000631_20": "「オレたちはお前のペットを育てるために\\n まんまと唄わされてたって訳か……」",
"373000631_21": "「ええ、あなた方お2人には、どれだけ感謝しても足りませ……」",
"373000631_22": "「いらねぇよッ!」",
"373000631_23": "「そうですか。\\n では、私は失礼します」",
"373000631_24": "「――ッ!」",
"373000631_25": "「テュポーンが起動する時が訪れたようですね」",
"373000631_26": "「ああ、ここにいればテュポーンに取り込まれますよ。\\n お嫌なら、精々足掻いて逃げることをお勧めします」",
"373000631_27": "「くそ……ッ! 脱出するぞクリスッ!!\\n オレたち影護が、テュポーンを止めないとなッ」",
"373000631_28": "「うん……。\\n 翼の背中には、絶対付いていく……ッ」",
"373000631_29": "「よしッ! 限界まで走るぞッ!」",
"373000631_30": "「うおッ!? なんだこれ……ッ!",
"373000631_31": " 飲み込ま……」",
"373000631_32": "「翼ッ!!! く……ッ!」",
"373000631_33": "「ダメ……。抵抗できない……。\\n テュポーンに、飲み込まれる……ッ」",
"373000631_34": "「そろそろ病院に……」",
"373000631_35": "「ッ!?」",
"373000631_36": "「病院が……ッ!\\n 何かに崩されてる……ッ」",
"373000631_37": "「グアァァァァァアアアアッ!」",
"373000631_38": "「あれは……まさか、\\n テュポーンが起動してッ」",
"373000631_39": "「あそこには、八紘おじちゃんが……ッ!」",
"373000631_40": "「翼とクリスもいたはずだッ!」",
"373000631_41": "(みんなは、無事なの……ッ!?)"
}

View file

@ -0,0 +1,87 @@
{
"373000711_0": "テュポーンの目覚め",
"373000711_1": "「八紘おじちゃーんッ! 翼お姉ちゃーんッ!\\n クリスお姉ちゃーんッ」",
"373000711_2": "「みんな……どこに……」",
"373000711_3": "「シャロン、ここは危ない。\\n あの巨大な怪物も、いつ動き始めるか分からないし……」",
"373000711_4": "「でも……」",
"373000711_5": "「おーいッ!」",
"373000711_6": "「――ッ!」",
"373000711_7": "「やはりそうだ。\\n 君は風鳴司令の……」",
"373000711_8": "「八紘おじちゃんはどこッ!?\\n 大丈夫なのッ」",
"373000711_9": "「ああ、レーベンガーの襲撃を受けたが、\\n 我々が無事に避難させた。今は意識も取り戻している」",
"373000711_10": "「さぁ、こっちだ。案内しよう」",
"373000711_11": "「八紘おじちゃんッ! 目が覚めたのッ!?」",
"373000711_12": "「シャロン……ッ! 無事だったか……。\\n よかった……」",
"373000711_13": "「八紘おじちゃん、翼お姉ちゃんとクリスお姉ちゃんは?\\n こっちに来ていたはずなんだけど」",
"373000711_14": "「2人は……。私たちが避難する、\\n 時間を稼いでくれたが……」",
"373000711_15": "「報告によれば、あの巨大な怪物……。\\n 起動したテュポーンの体内に、取り込まれてしまったらしい」",
"373000711_16": "「そんな……ッ!?\\n わたしたち、間に合わなかった……ッ」",
"373000711_17": "「取り込まれた……」",
"373000711_18": "「ああ……。\\n 安否は、不明と……」",
"373000711_19": "「だったら、まだチャンスはある。\\n 人が死んでいないなら、救い出せるかもしれない」",
"373000711_20": "「ヒビキお姉ちゃん……」",
"373000711_21": "「シャロン、まだ泣くには早いよ。\\n きっと人は、助けてほしいと手を伸ばしている」",
"373000711_22": "「そんなときは――」",
"373000711_23": "「その手をつかむために、\\n 全力で、わたしも手を伸ばす……ッ」",
"373000711_24": "「うん。どうやったら\\n 人の手をつかめるか……、考えようッ」",
"373000711_25": "「私もこうしてはいられない」",
"373000711_26": "「風鳴司令、先程意識を取り戻されたばかり。\\n まだ無理ですよ」",
"373000711_27": "「いや、私の預かる二課は、テュポーンのような\\n 特異災害に対抗するための組織だ」",
"373000711_28": "「このような時に動けなくては、組織や私自身の存在意義に関わる。\\n 君だって、自分の命を賭して私を運び出してくれたのだろう」",
"373000711_29": "「……ッ!」",
"373000711_30": "「さて、シャロン。二課に帰ろうか」",
"373000711_31": "「うんッ!\\n 翼お姉ちゃんと、クリスお姉ちゃんを助けるんだねッ」",
"373000711_32": "「――ッ!\\n わたしにも、手伝わせてくださいッ」",
"373000711_33": "「……君が、エレクライトの立花くんだね。\\n 願ってもない申し出だ。是非お願いしたい」",
"373000711_34": "「……では、状況を確認する」",
"373000711_35": "「はい。目標、聖遺物テュポーンは起動したものの、\\n 依然、目立った行動は取っていません」",
"373000711_36": "「病院を崩壊させ巨大化した後、立ち尽くしております。\\n いつ移動を始めてもおかしくありませんが……」",
"373000711_37": "「また、未だ成長段階にあるのか、\\n 身体各部の形状が変態を繰り返しているとのこと」",
"373000711_38": "「付け入るスキはあるか……。\\n 本来の力を取り戻す前に、仕掛けたいところだ」",
"373000711_39": "「自衛隊に要請した、通常兵器による威力偵察の結果は?」",
"373000711_40": "「芳しくありません。テュポーン周囲に強固な結界が\\n 形成されていて、それを突破できなかった模様です」",
"373000711_41": "「ヴィマーナの武装ならばどうかと計算を行いましたが――」",
"373000711_42": "「結界強度の計測値とヴィマーナ武装のカタログスペックを\\n 比較した結果は、難しいだろうと……」",
"373000711_43": "「ふむ……」",
"373000711_44": "「打つ手の無い状況だが、そこを何とかするのが私の仕事だ」",
"373000711_45": "「各国に要請し、全てのオートマシンを一点に集める。\\n 敵はあれだけの巨体だが、体のみ」",
"373000711_46": "「突き崩すことができるかもしれん」",
"373000711_47": "「でも、それにはどれだけ時間がかかるんですか?\\n それまで翼とクリスが無事でいる保証は……」",
"373000711_48": "「……他に方法はない。2人を信じるよりほかに――」",
"373000711_49": "「先に、わたしを行かせてください」",
"373000711_50": "「しかし、あれだけの巨体を\\n さらに強固な結界が護っている」",
"373000711_51": "「ヴィマーナの火力で及ばないものが、\\n エレクライトつで破れるとは思えんな」",
"373000711_52": "「……八紘おじちゃん。\\n それなら、わたしも行きます」",
"373000711_53": "「聞いただろう。ヴィマーナの攻撃をもってしても、\\n 結界を破ることは不可能だ」",
"373000711_54": "「だけど……ヒビキお姉ちゃんと一緒なら……\\n 何か変わる気がするの」",
"373000711_55": "「わたしもそれを考えました。ヴィマーナだけでは通用しない。\\n エレクライトだけでも通用しない。でも……」",
"373000711_56": "「ヒビキお姉ちゃんと力を合わせたら、\\n もしかしたら道が開ける。そんな気がするの」",
"373000711_57": "「さっき……、感じたんです。シャロンの想いが、\\n わたしのエレクライトを震わせたのを」",
"373000711_58": "(最初は、シャロンがかわいそうな子だと思った。\\n 気弱で、無理に融合症例にされた、護るべき被害者",
"373000711_59": "(でも、それは間違っていた。\\n 彼女はその身に、勇気と強い想いを宿していて",
"373000711_60": "(みんなの心配をする優しさと、\\n 強さを併せ持った子だ",
"373000711_61": "「わたしも。さっき、わたしの中のヤントラ・サルヴァスパを\\n 通じて、エレクライトからすごい力を感じたの」",
"373000711_62": "(最初は混乱した。響お姉ちゃんとそっくりなのに、\\n 朗らかな印象がなくなっていたから",
"373000711_63": "(でも、人を道具のように扱うなって怒ってくれて、\\n 心の根元の方は温かくて……",
"373000711_64": "(響お姉ちゃんとヒビキお姉ちゃんは別人だけど、\\n 同じくらいステキで、わたしはヒビキお姉ちゃんも好き",
"373000711_65": "「翼お姉ちゃんとクリスお姉ちゃんを助け出して、\\n テュポーンも止められるって、思うの」",
"373000711_66": "「うん。ウロボロスなんて連中の企みを粉々にして、\\n みんなを護ることができると、信じられる」",
"373000711_67": "「……確かに、エレクライトは高度な科学によるものと聞く」",
"373000711_68": "「ヤントラ・サルヴァスパとの相性は、\\n シンフォギア以上かもしれない」",
"373000711_69": "「だが、やはり許可することはできない。\\n 大きな力を行使して、聖遺物の浸食が進んだらどうするッ」",
"373000711_70": "「――ッ! そっか……。\\n 力を使うほど、聖遺物が身体を蝕んで……」",
"373000711_71": "「確かにね、この力に頼ってばっかりじゃいけないって、\\n 分かってる……」",
"373000711_72": "「でも、お父さんの作った薬が、症状を抑えてくれてる。\\n 最近は抑えるだけじゃなくて、改善したって言ってたでしょ」",
"373000711_73": "「オズワルドか……」",
"373000711_74": "「少しの間なら、お父さんが護ってくれる。\\n だからわたしに、八紘おじちゃんの大切な人を護らせて」",
"373000711_75": "「――ッ!」",
"373000711_76": "「……オートマシンによる作戦は、変わらず実行する。\\n だが、実行まで数刻を要すことは指摘の通りだ」",
"373000711_77": "「その間に翼たちの命が尽きたり、起動したテュポーンに\\n 国土を蹂躙されないという保証はどこにもない」",
"373000711_78": "「だから、それまでの間、君たちに命運を託す」",
"373000711_79": "「――ッ!\\n はい……ッ」",
"373000711_80": "「ただし、時間制限付きだ。リミットを超えたら、\\n 作戦行動を中止し帰投すると約束してくれ」",
"373000711_81": "「うん。約束する……ッ!」",
"373000711_82": "「決まりだな。\\n 人とも、すぐに出撃準備を」",
"373000711_83": "「はいッ!」",
"373000711_84": "「うんッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,52 @@
{
"373000721_0": "「一斉射撃! テェッ!!」",
"373000721_1": "「……効果、認められませんッ!\\n やはりあの結界に弾かれている模様ッ」",
"373000721_2": "「く……ッ! ダメか……」",
"373000721_3": "「特機二課によると、あれでまだ完調ではないとか……」",
"373000721_4": "「住民の避難は終えられたが、今の段階でもこの被害だぞ……?\\n あんなものが完調となったら、日本はどうなる……ッ」",
"373000721_5": "「空自との連携はどうなっているッ!」",
"373000721_6": "「戦闘ヘリ部隊が現着ッ!\\n 協調射撃に入りますッ」",
"373000721_7": "「準備でき次第撃てッ!」",
"373000721_8": "「はッ!!」",
"373000721_9": "「弾着確認ッ!\\n ……ダメですッ 変化なしッ」",
"373000721_10": "「これが完全聖遺物……。異端技術かッ!!」",
"373000721_11": "「隊長、特機二課から通信が……。\\n 風鳴司令官から、だそうですッ」",
"373000721_12": "「すぐに回せッ!」",
"373000721_13": "「……こちら特機二課。風鳴です」",
"373000721_14": "「おお、風鳴司令ッ!\\n なにか、ヤツの攻めどころなど分かりましたか」",
"373000721_15": "「いえ、残念ながら現在も調査中です。今回は特機二課から、\\n 自衛隊へ正式な撤退要請をするため連絡しました」",
"373000721_16": "「撤退……ッ!? なぜですッ!」",
"373000721_17": "「すでに周辺住民の避難は完了しています。\\n みなさんは避難支援という任を終えられた」",
"373000721_18": "「だから下がれと言うのですか?\\n 我々に完全聖遺物の結界を貫く火力がないから」",
"373000721_19": "「……それが理由の1つであることは、否定できません」",
"373000721_20": "「被害甚大だが、街はまだ残っているッ!\\n これを放棄することは、できませんッ」",
"373000721_21": "「国民の財産を少しでも護ろうとするその意志、\\n 感服いたします。ですが、曲げて受け入れていただきたい」",
"373000721_22": "「理由の2つ目、そろそろ、我々の戦力が到着します。\\n テュポーンに対抗できる、異端技術兵器ヴィマーナです」",
"373000721_23": "「異端技術兵器……?」",
"373000721_24": "「隊長ッ! 巨大な飛行物体がこちらに接近中とのことッ!\\n おそらく、特機二課からの増援ですッ」",
"373000721_25": "「ヴィマーナもテュポーンに負けぬ巨大兵器です。\\n 戦闘の余波で自衛隊員を傷つけるのは、我々の本意ではない」",
"373000721_26": "「ぬ、確かに……。それは、ムダな損害です」",
"373000721_27": "「そして3つ目の理由です。みなさんには、\\n この後に待つ任務に向け、英気を養っていただきたい」",
"373000721_28": "「この後……?」",
"373000721_29": "「復旧作業への協力です。日本の誇る自衛隊は、\\n この分野において他組織の追随を許さない」",
"373000721_30": "「…………」",
"373000721_31": "「我々の力では、みなさんほどの成果は出せません。\\n その時のために、ここは退いていただけませんか」",
"373000721_32": "「…………」",
"373000721_33": "「……分かりました。要請を受諾し、これより自衛隊は撤退。\\n 戦闘後の復旧作業に向けて準備を開始するッ」",
"373000721_34": "「感謝します。みなさんの稼いだ時間をムダにしないためにも、\\n 我々は全力でテュポーンを迎撃します」",
"373000721_35": "「風鳴司令、任せましたよ」",
"373000721_36": "「了解しました」",
"373000721_37": "「これが、ヴィマーナ……。\\n こんな大きな<ruby=ふね>艦</ruby>を自由に操れるなんて、すごい」",
"373000721_38": "「わたしじゃなくて、\\n ヤントラ・サルヴァスパがすごいんだよ」",
"373000721_39": "「それに、ヴィマーナの火力じゃテュポーンの結界を破れないって\\n 八紘おじちゃんも言ってたでしょ」",
"373000721_40": "「ああ。だから、わたしが力を貸す。\\n わたしたちで、あいつを止めて……」",
"373000721_41": "「翼お姉ちゃんとクリスお姉ちゃんを、\\n 助けようねッ」",
"373000721_42": "「どうしたッ!?」",
"373000721_43": "「嘘、ヴィマーナの中に侵入者ッ!?\\n 相手は……」",
"373000721_44": "「ウロボロスのレーベンガーッ!\\n どうしよう、結構数が多い」",
"373000721_45": "「オートマシンだけじゃ、\\n 迎撃しきれないかもしれないよッ」",
"373000721_46": "「ウロボロスも、なりふり構わず\\n テュポーンを護りにきたわけか」",
"373000721_47": "「わたしが行く。\\n シャロンは操艦と情報収集に集中して」",
"373000721_48": "「……うん。お願い、ヒビキお姉ちゃん」",
"373000721_49": "「行ってくるッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,26 @@
{
"373000722_0": "「お前らなんかに\\n 邪魔はさせない――ッ」",
"373000722_1": "「シャロンが、テュポーンの弱点を\\n 見つけてくれてるといいんだけど」",
"373000722_2": "「ッ!? なにッ!?\\n 外にレーベンガーが取りついてるの」",
"373000722_3": "「ヒビキお姉ちゃんッ! そっちはどう?」",
"373000722_4": "「乗り込んできたのは全部倒せた。それより今の揺れはなに?\\n 新手が取りついて攻撃してきたの」",
"373000722_5": "「ううん、違うの……。\\n 一度、管制室に戻ってきてくれるかな」",
"373000722_6": "「分かった。すぐ戻る」",
"373000722_7": "「シャロンッ! 何があったの?」",
"373000722_8": "「もしかしたらテュポーンの結界を貫けるかもって思って、\\n 結界が少し弱そうなところを狙って撃ったんだけど……」",
"373000722_9": "「効果がなかった?」",
"373000722_10": "「ううん、もっと悪いことになっちゃった。\\n ……結界が、固くなったの」",
"373000722_11": "「固く……?」",
"373000722_12": "「たぶんだけど、ヴィマーナの砲撃を受けて\\n このままじゃ危ないって思ったのかな……」",
"373000722_13": "「集中的に攻撃した場所に、周りの結界をより集めて\\n そこを分厚く、固くしたみたい」",
"373000722_14": "「つまりあの結界は、外からの攻撃に合わせて、\\n 部分的に固さを変えられるんだね」",
"373000722_15": "「うん、そうみたい……」",
"373000722_16": "「火力では、結界を破れなかった……。\\n なら、重さはどうだろう」",
"373000722_17": "「例えば、ヴィマーナで体当たりして、長時間結界を圧迫すれば、\\n そこに結界が集まって、そこ以外が薄くなるんじゃ」",
"373000722_18": "「そして薄くなった場所を射撃すれば、\\n ヴィマーナの火力でも結界を貫けるんじゃないかな」",
"373000722_19": "「でも、それだと小さな穴くらいしか\\n 開かないと思うよ」",
"373000722_20": "「テュポーンやヴィマーナにとっては小さな穴でも……、\\n わたしにとっては、楽に通り抜けられる大きな穴だよ」",
"373000722_21": "「あ……ッ!\\n そっかッ」",
"373000722_22": "「結界の中に入りさえすれば、何とかなるかもしれない」",
"373000722_23": "「よーし、やってみよう。しっかりつかまっててねッ!\\n ヴィマーナ、フルパワーッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,58 @@
{
"373000731_0": "「突撃するよッ!\\n つかまってッ」",
"373000731_1": "「く……ッ!」",
"373000731_2": "「うううう~。\\n ヴィマーナが、受け止められてる……ッ」",
"373000731_3": "「ここまでは作戦通りだけど……」",
"373000731_4": "「ううん、受け止められてるどころか、\\n ……圧されてるッ このままじゃ、圧し負けちゃうよッ」",
"373000731_5": "(圧し負けたら、艦が墜落する可能性がある……。\\n 街が、完全に崩壊するッ",
"373000731_6": "「ヴィマーナ、がんばってッ!」",
"373000731_7": "「わッ!?」",
"373000731_8": "「ヴィマーナの計器から、火花がッ!?」",
"373000731_9": "「シャロンッ! 大丈夫?」",
"373000731_10": "「わたしは平気ッ!!\\n ……やっぱり、ヴィマーナの出力が足りないみたい」",
"373000731_11": "「このままじゃ……」",
"373000731_12": "「だったら、わたしのエレクライトを使ってッ!」",
"373000731_13": "「――ッ!」",
"373000731_14": "「ヤントラ・サルヴァスパで、エレクライトのコアコイルと\\n ヴィマーナを繋ぐんだ」",
"373000731_15": "「エレクライトはものすごいエネルギーを秘めてる。\\n 普通は他のものに受け渡したりできないけど――」",
"373000731_16": "「そうかッ!\\n ヤントラ・サルヴァスパなら、できるかもしれないッ」",
"373000731_17": "「ありがとうヒビキお姉ちゃんッ!\\n ――やってみるッ」",
"373000731_18": "「ヴィマーナ……。\\n ヒビキお姉ちゃんから借りた、エレクライトの力だよ……」",
"373000731_19": "「これを使って、限界を超えてッ!!」",
"373000731_20": "「揺れがおさまった……。シャロン、どう?」",
"373000731_21": "「圧し負けはしなくなったけど……。\\n ダメ。受け止められたまま……ッ」",
"373000731_22": "「こっちは限界を超えているのに、\\n テュポーンはビクともしてない。このままじゃ……」",
"373000731_23": "「ヴィマーナが、もたない……ッ!\\n シャロン、一度退くか、何か新しい手を」",
"373000731_24": "「ダメだよッ!!\\n 今退いたら、テュポーンが完全体になっちゃう」",
"373000731_25": "「そうしたら、翼お姉ちゃんもクリスお姉ちゃんも、\\n 助けられないし、もしかしたら、他のみんなも……」",
"373000731_26": "「そんなのダメッ!\\n わたしが、なんとかしないと……ッ」",
"373000731_27": "「シャロンッ!!」",
"373000731_28": "「ッ!?」",
"373000731_29": "「落ち着いて。\\n シャロンは、人じゃないよ」",
"373000731_30": "「あ……、うん」",
"373000731_31": "「なんとかしたい気持ちは、よく分かる。退けないのも。\\n だけど、人で背負わなくていい」",
"373000731_32": "「…………」",
"373000731_33": "「わたしがここにいる。\\n だから、一緒に戦おう」",
"373000731_34": "「ごめんなさい。\\n 響お姉ちゃんにも、同じことを言われたのに……」",
"373000731_35": "「なら、わたしたちもそうしよう。\\n 手を取り、力を合わせよう。新しい力を、産み出すんだ」",
"373000731_36": "「新しい、力……ッ!」",
"373000731_37": "「エレクライトの力を、もっとヴィマーナにッ!\\n わたしも、エレクライトの出力をもっと高めるからッ」",
"373000731_38": "「エレクライトとヴィマーナを1つにして、新しい力を……ッ!\\n できるよね ヤントラ・サルヴァスパッ」",
"373000731_39": "「ヴィマーナ、お願いッ!!\\n あなたの新しい力を、わたしに見せてッ",
"373000731_40": "「これが……。\\n ヴィマーナとエレクライトから生まれた、新しい力ッ」",
"373000731_41": "「すごいよ、ヴィマーナがロボットになっちゃったッ!\\n エレクライトの変形機構が影響したのかな」",
"373000731_42": "「パワーも上がってる……ッ!\\n ヒビキお姉ちゃん、もう一度試してみるねッ」",
"373000731_43": "「頼んだよ、シャロンッ!」",
"373000731_44": "「いけ、ヴィマーナ――ッ!」",
"373000731_45": "「くッ! 結界はまだ破れないのかッ!」",
"373000731_46": "「でも、地面を踏みしめられる分、パワーは上がってるよッ!?\\n 防御に集中してる所以外の結界がどんどん薄くなってるッ」",
"373000731_47": "「じゃあ、そこを撃ち抜けば……ッ!」",
"373000731_48": "「うん、ビーム発射ッ!!」",
"373000731_49": "「効いてるッ!\\n このまま一気にッ」",
"373000731_50": "「やったよ、ヒビキお姉ちゃんッ!\\n 結界に穴が開いたよッ」",
"373000731_51": "「うんッ! シャロンは、よく頑張った。\\n あとは……わたしの仕事だッ」",
"373000731_52": "「2人を必ず連れて帰るッ!」",
"373000731_53": "「うんッ! その間、あいつの相手は任せてッ!\\n 待ってるからッ 絶対にみんなで無事に帰ってきてねッ」",
"373000731_54": "「ガアアアアアアアアッ!」",
"373000731_55": "「入った、結界の内側にッ!\\n さらに……その大きく開いた口、通らせてもらうッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,28 @@
{
"373000811_0": "紫電纏いし巨兵",
"373000811_1": "「ここが、テュポーンの内部……。\\n まるで生きた洞窟だ」",
"373000811_2": "(だけど、ここならば結界もないはず……。\\n 内側からの攻撃で、テュポーンを破壊できれば……",
"373000811_3": "「ぶち抜けぇぇぇッ!」",
"373000811_4": "「な……ッ!?\\n なんだ、この手ごたえッ」",
"373000811_5": "(この弾力……まるでゴムを殴っているみたいだ。\\n 衝撃が吸収されて、おそらくダメージにつながってないッ",
"373000811_6": "(先に2人を救出して、3人の集中攻撃を\\n 試してみる方がいいか……",
"373000811_7": "(2人はどこに囚われているんだろう……)",
"373000811_8": "「――ッ!\\n なにッ」",
"373000811_9": "(壁から触手がッ!? これは体内に入り込んだ異物を捕え、\\n 吸収するための器官か……",
"373000811_10": "(と、いう事は、この触手の先に、\\n 人がいる可能性が高いッ",
"373000811_11": "「待っていて。\\n 必ず助け出すから……ッ」",
"373000811_12": "(あれから随分と歩いたけど……\\n 瘴気はどんどん濃さを増して……ッ",
"373000811_13": "「――ッ!」",
"373000811_14": "「あそこに倒れてるのは……ッ!」",
"373000811_15": "「…………」",
"373000811_16": "「…………」",
"373000811_17": "「助けに来たよッ!」",
"373000811_18": "「…………」",
"373000811_19": "「…………」",
"373000811_20": "(気を失っているのか。反応がない……。",
"373000811_21": " まずは、2人に絡んだ触手を切り離す……ッ!)",
"373000811_22": "「ゲゲゲゲッ!」",
"373000811_23": "(なッ! どうしてテュポーンの体内に怪物がッ!?)",
"373000811_24": "(いや……こいつらは体内の防衛機構……\\n いわば白血球のような存在か……ッ",
"373000811_25": "「でも、邪魔される訳にはいかないッ!\\n 人は返してもらうッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,18 @@
{
"373000812_0": "「邪魔を、するなぁぁぁぁッ!」",
"373000812_1": "「しつこいッ!」",
"373000812_2": "「くッ! これじゃキリがない。\\n 倒しても倒しても湧いてくる……」",
"373000812_3": "(我慢比べをしてても埒が明かないッ!)",
"373000812_4": "「翼ーッ! クリスーッ!\\n 目を覚ましてッ」",
"373000812_5": "「…………」",
"373000812_6": "「…………」",
"373000812_7": "(このままじゃ……、ジリ貧かッ!)",
"373000812_8": "「……ぐッ!」",
"373000812_9": "「……ああぁぁぁぁぁッ!」",
"373000812_10": "「ッ!? 2人が苦しんでッ!?\\n 触手が体内に取り込もうとしてる……ッ」",
"373000812_11": "「そんなこと、させるか――ッ!」",
"373000812_12": "「く……ッ! 近づけないッ!!\\n 翼ッ クリスッ」",
"373000812_13": "「…………」",
"373000812_14": "「…………」",
"373000812_15": "「このままじゃ……。\\n なにかッ なにか手はないのッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,28 @@
{
"373000821_0": "「結界が、壊れた?\\n ううん、違う。自分から結界を解いたんだッ」",
"373000821_1": "「だったら、ヴィマーナで本体に攻撃を……ッ!」",
"373000821_2": "「結界より、さらに固いッ!?\\n 全然ダメージが与えられてないみたい……」",
"373000821_3": "「そちらの状況はどうだ?\\n ヒビキくんたちが出てくる気配は無いか」",
"373000821_4": "「……うん。\\n 結構時間が経つけど、まだ……」",
"373000821_5": "「八紘おじちゃん。\\n お姉ちゃんたち、大丈夫だよね」",
"373000821_6": "「ああ、あの3人なら、きっと無事に戻ってくる」",
"373000821_7": "「えッ!?」",
"373000821_8": "「シャロン、どうしたッ!?」",
"373000821_9": "「テュポーンの口部に、高エネルギー反応ッ!\\n シャロンちゃん、避けてくださいッ」",
"373000821_10": "「テュポーンの口の中が……真っ赤に……」",
"373000821_11": "「きゃああぁぁぁぁッ!」",
"373000821_12": "「シャロンッ!\\n 応答しろッ シャローーーンッ」",
"373000821_13": "「……ロンッ! シャロンッ! 応答しろッ!」",
"373000821_14": "「……あ」",
"373000821_15": "「シャロン、無事かッ!?」",
"373000821_16": "「だい……じょうぶ……」",
"373000821_17": "「シャロン、帰投しなさい」",
"373000821_18": "「え? でも、それじゃあお姉ちゃんたちが……」",
"373000821_19": "「シャロン、今は翼たちの心配より、\\n 自分を護ることを優先してほしい」",
"373000821_20": "「ヒビキお姉ちゃんと約束したのッ!」",
"373000821_21": "「ヒビキお姉ちゃんは2人を必ず連れて帰るって。\\n だから、わたしもここで待ってないとッ」",
"373000821_22": "「シャロン、それは危険――ッ!」",
"373000821_23": "「テュポーン口部、再び高熱源ッ!\\n シャロンちゃん、逃げてッ」",
"373000821_24": "「約束したんだ。\\n テュポーンなんかに、負けない――ッ」",
"373000821_25": "「グァァァァァァッ!?」"
}

View file

@ -0,0 +1,19 @@
{
"373000831_0": "「いい加減に、しろぉぉぉッ!」",
"373000831_1": "(増援の速度が完全にこっちの攻撃速度を上回ってるッ!\\n このままじゃ……ッ",
"373000831_2": "「グァァァァァァッ!?」",
"373000831_3": "「なんだッ!?」",
"373000831_4": "「地面が、傾いていく……ッ!」",
"373000831_5": "(違うッ! ここはテュポーンの中だ。\\n テュポーンが倒れようとしてるんだッ",
"373000831_6": "「とっ……とッ!」",
"373000831_7": "「――ッ!?\\n な、んだ……」",
"373000831_8": "「目が覚めたのかッ!」",
"373000831_9": "「ヒ……ビキ……?」",
"373000831_10": "「今そっちに行くッ!\\n 少しだけ待っててッ」",
"373000831_11": "(テュポーンがまた何か始めた……。\\n 今度はなに",
"373000831_12": "(……あれ?)",
"373000831_13": "「増援が……、来ない?\\n こっちへの手を、ゆるめたのか」",
"373000831_14": "(この揺れ……きっと外でシャロンが\\n 戦ってくれてるんだッ",
"373000831_15": "「シャロン、ありがとうッ!\\n 最高の援護だ……ッ」",
"373000831_16": "「2人は、必ず救い出すからッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,29 @@
{
"373000832_0": "「お前たちで、最後ッ!」",
"373000832_1": "「2人ともッ!!\\n 待たせてごめんッ」",
"373000832_2": "「何言ってんだ……、\\n こんなところまで助けに来てくれるなんて思わなかったぞ」",
"373000832_3": "「シャロンのおかげだ。\\n でも、安心するのは早いよ。出るのも一苦労だし……」",
"373000832_4": "「出たら出たで、テュポーンを倒さないといけないんだ。\\n そっちは正直、一苦労どころじゃない」",
"373000832_5": "「確かに、全然安心できないな……。\\n クリスの方は、どうだ……」",
"373000832_6": "「……」",
"373000832_7": "「目は覚ましてないけど、息はある。\\n きっと大丈夫だ」",
"373000832_8": "「よかった……」",
"373000832_9": "「一応状況を伝えておく。まずここは、テュポーンの体内だ。\\n 衝撃を吸収する防壁に包まれている」",
"373000832_10": "「それと、触れると取り込もうとする触手みたいな器官と、\\n 内部を巡回する、小型の怪物を確認した」",
"373000832_11": "「外ではシャロンが、ヴィマーナに乗って奮闘してるけど、\\n 戦いは、まだ終わっていない」",
"373000832_12": "「あ、それと……翼のお父さんは無事に意識を取り戻して\\n もう二課で指揮を執っている」",
"373000832_13": "「……そうか。\\n ヒビキ、サンキューなッ」",
"373000832_14": "「つまり、こっから脱出してテュポーンさえ倒せば、\\n ハッピーエンドってわけだッ」",
"373000832_15": "「まだちょっとだるいけど……。\\n いや、大丈夫ッ ここからはオレも戦うぞッ」",
"373000832_16": "「うん、よろしく」",
"373000832_17": "「悪いけど、引っ張り上げて起こしてくれないか?\\n そうしたら足にも気合入れ直すから」",
"373000832_18": "「分かった」",
"373000832_19": "「……よいしょッ!」",
"373000832_20": "「おっとッ! ……よしよし。これでイケる。\\n そんじゃ、お姫様かかえてオサラバするかッ」",
"373000832_21": "「なんだ?」",
"373000832_22": "「シャロンが倒したテュポーンが起き上がろうとして……。\\n 体内の防衛機構が、また集まってくる」",
"373000832_23": "「もうちょいすれば、きっとクリスも目を覚ます。\\n だから、何が来ようが大丈夫だッ」",
"373000832_24": "「オレがまだ戦うって決めたのに、自分だけ休むなんて、\\n クリスは絶対言わないさッ」",
"373000832_25": "「本当に、2人がいると心強いよ」",
"373000832_26": "「それじゃあ、行こうッ!\\n まずは、ここから脱出だッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,35 @@
{
"373000841_0": "「く……」",
"373000841_1": "「ヴィマーナ、動かなくなっちゃった……」",
"373000841_2": "(呼びかけると、反応はしてくれるけど……。\\n 身体のほうがもう、限界なんだね",
"373000841_3": "「まだ、テュポーンを倒せてないのに……ッ!」",
"373000841_4": "「テュポーンが……、立ち上がる……」",
"373000841_5": "(次また攻撃を受けたら、\\n ヴィマーナはもう……",
"373000841_6": "「ひびき、お姉ちゃん……」",
"373000841_7": "「グルァァァァアア……ッ!」",
"373000841_8": "「――ッ!?」",
"373000841_9": "(あれ? 攻撃をしてこない……?)",
"373000841_10": "(どうしたんだろう? なんだかまるで……)",
"373000841_11": "「ガアアアアアアアアアッ!」",
"373000841_12": "「テュポーンが、苦しんでる?」",
"373000841_13": "「ガガアアアアアアアアアッ!」",
"373000841_14": "「いったい、何が起きてるの……?」",
"373000841_15": "「おいおい、あいつら本当に際限なく湧いてくるな」",
"373000841_16": "「クリス、やっと目を覚ましたかッ!」",
"373000841_17": "「よかったッ!\\n 体調は大丈夫」",
"373000841_18": "「遅くなってごめん。まだちょっと、寝ぼけ眼だけど……。\\n って、おはようの挨拶も、のんびりとはできないね」",
"373000841_19": "「それは、ちゃんと影護艦に帰って、\\n ベッドで寝て起きるまで取っておけばいいさッ」",
"373000841_20": "「そうだねッ!\\n こんな所じゃ髪もとかせないし……」",
"373000841_21": "「贅沢言うなよッ!\\n オレなんか、朝メシもまだ食ってないんだッ」",
"373000841_22": "「……小型の怪物の物量も脅威だけど、\\n 問題はテュポーンの防御力だね」",
"373000841_23": "「ヒビキ、外からの攻撃は\\n ほとんど通用しなかったって言ってたよね」",
"373000841_24": "「うん。新しい力を身につけたヴィマーナで攻撃しても、\\n 結界に穴を開けるのが精一杯だった……」",
"373000841_25": "「だから中からやろうって思ったわけだ。\\n ま、中の方がもっと厄介だったけどな」",
"373000841_26": "「衝撃も斬撃も極限まで吸収する壁……」",
"373000841_27": "「ヒビキッ! お前はどこからここに入ってきたんだッ!?」",
"373000841_28": "「口から飛び込んできた」",
"373000841_29": "「どうやらそこが、唯一の出口みたいだな。\\n オレたちは今、テュポーンの腹の中だから……」",
"373000841_30": "「上へ上へと移動していけば、たどりつくはず」",
"373000841_31": "「さっすがクリスッ!\\n よしヒビキ、その出口を目指すぞッ」",
"373000841_32": "「分かったッ!!」"
}

View file

@ -0,0 +1,48 @@
{
"373000842_0": "「いいぞクリスッ! 狙撃の腕は世界一だなッ!」",
"373000842_1": "「それより、急いで脱出しなきゃ」",
"373000842_2": "「そろそろ、出口に近くなってるはずだけど……」",
"373000842_3": "「どうしたッ!!」",
"373000842_4": "「この先、温度が急上昇してる」",
"373000842_5": "「う……。\\n シンフォギアを纏っていても、この熱風はやばそうだな」",
"373000842_6": "「これ以上、進めない……?」",
"373000842_7": "「さて、どうしたもんかな……」",
"373000842_8": "「あと、少しなのに……」",
"373000842_9": "「ん?」",
"373000842_10": "「ねえ、これを見てッ!」",
"373000842_11": "「――ッ!\\n これって……」",
"373000842_12": "「どうしたんだ?」",
"373000842_13": "「壁に、何か刺さってる……金属?」",
"373000842_14": "「これって……」",
"373000842_15": "「ヴィマーナの破片だッ!\\n シャロンの攻撃が、身体に穴を開けてたんだッ」",
"373000842_16": "「じゃあ、この穴は外まで貫通してるんだね。\\n 小さいし、修復しかけてるみたいだけど……」",
"373000842_17": "「完全に修復する前にぶっ放せば……、\\n 広げられるかもしれないなッ」",
"373000842_18": "「みんなの力を合わせれば、\\n 通れる大きさにできるかも……」",
"373000842_19": "「試してみる価値は、ありそうだね」",
"373000842_20": "「2人とも、わたしの弾丸が通る道を、お願いッ!」",
"373000842_21": "「分かったッ!!」",
"373000842_22": "「任せとけッ!」",
"373000842_23": "「じゃあ、構えて……。いくよッ!」",
"373000842_24": "「たりゃああああああああッ!!」",
"373000842_25": "「やああああああああッ!!」",
"373000842_26": "「……今ッ!」",
"373000842_27": "「ガアアアアアアアアアッ!」",
"373000842_28": "「…………」",
"373000842_29": "「……ロン、シャロンッ!",
"373000842_30": " 応答しろ。シャロンッ!」",
"373000842_31": "「……あ、八紘おじちゃん」",
"373000842_32": "「よし、通信が復旧したな。……無事なようで、安心した。\\n シャロン、今どうなっているのか教えてくれ」",
"373000842_33": "「なぜ、テュポーンは急に苦しみだした?」",
"373000842_34": "「分からない……。\\n ヴィマーナでは、致命傷は与えられてないはずだよ」",
"373000842_35": "「ならば暴走か? それとも……」",
"373000842_36": "「グ、ガ、ガアアアアアアアアアッ!」",
"373000842_37": "「グオォォォォォォォンッ!」",
"373000842_38": "「テュポーン体表に爆発を確認ッ!」",
"373000842_39": "「あれは……ッ!」",
"373000842_40": "「シャロン、どうしたッ!?」",
"373000842_41": "「お姉ちゃんたちだッ! 八紘おじちゃんッ!\\n お姉ちゃんたちが、テュポーンから脱出したよッ」",
"373000842_42": "「なんだありゃッ!? 応援の巨大ロボットなんて、\\n どこの並行世界から来たんだよ」",
"373000842_43": "「あれは、新たな力を得たヴィマーナだよ」",
"373000842_44": "「すごい……ヴィマーナが、人型にッ!?\\n ……でも、損傷が激しい」",
"373000842_45": "「あの力があっても、ボロボロになるなんて……。\\n シャロンは無事なのッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,20 @@
{
"373000911_0": "ヴィマーナ・ドライブ",
"373000911_1": "「まさか、テュポーンに傷を負わせるか……」",
"373000911_2": "「ヴィマーナが人型になったのも驚きだ。\\n まだあんな力を隠し持っていたとは」",
"373000911_3": "「装者とイレギュラーは未だ健在のようです」",
"373000911_4": "「我々も参戦し、二課と影護、それにイレギュラーに\\n トドメを刺すべきではないでしょうか」",
"373000911_5": "「計画は万全に進行しています。\\n 彼女たちの生死など、もはや些末事……」",
"373000911_6": "「とはいえ、ただ黙って見ているだけ、\\n というのも面白くありませんね」",
"373000911_7": "「いいでしょう。派手な幕引きにしようではありませんか。\\n 残っているガンドベンガーを、全て投入しましょう」",
"373000911_8": "「はッ!」",
"373000911_9": "「追い詰められた方が、本気を出しやすいようですしね……」",
"373000911_10": "「ガアアアアアアアアアッ!」",
"373000911_11": "「うおっとッ!\\n くそッ やりづらいったらないッ」",
"373000911_12": "「く……」",
"373000911_13": "「サイズ差を覆す火力が足りない。\\n 向こうは暴れるだけで必殺の一撃になるのに……」",
"373000911_14": "「限界まで戦ってくれたシャロンに報いるためにもッ!\\n わたしたちで、なんとかするんだッ」",
"373000911_15": "「今更、黒いレーベンガーッ!?\\n ただでさえ戦力差が厳しいのに、敵の援軍かよッ」",
"373000911_16": "「ウロボロスは、テュポーンが想像より苦戦して焦ってる?」",
"373000911_17": "「意図がどうであれ、両方とも放ってはおけないッ!\\n 行こう、翼ッ クリスッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,38 @@
{
"373000912_0": "「ゴアアアアアアアアアアッ!」",
"373000912_1": "「レーベンガーは、なんとか黙らせたけど……」",
"373000912_2": "「テュポーンは未だ健在……ッ!」",
"373000912_3": "「さっき体内から開けた穴に攻撃を集中させたいけど、\\n わたしだけじゃ……ッ」",
"373000912_4": "「わたしと翼は空が飛べないから……」",
"373000912_5": "「ヒビキッ! 大丈夫か?」",
"373000912_6": "「わたしは大丈夫ッ!\\n でも、テュポーンが、何かしようとしてるみたいだ……ッ」",
"373000912_7": "「あいつッ! 何をしようってんだ?」",
"373000912_8": "「口部にエネルギーを溜め、\\n 口から熱線を放射するつもりだ」",
"373000912_9": "「――ッ!!」",
"373000912_10": "「影護の装者諸君、\\n 状況を鑑み、今回に限り情報支援を行う」",
"373000912_11": "(……父上……そうだな。\\n オープンな回線で迂闊なことは言えないか",
"373000912_12": "「――ああ、助かるッ!」",
"373000912_13": "「……どうやら、その怪物を相手にしても\\n 君らは健在なようだな」",
"373000912_14": "(父上……\\n オレたちのことを心配して……",
"373000912_15": "「ヤツの中は居心地最悪だったが、この通りピンピンしてるッ!\\n ……それで、その熱線ってヤツはやばいのか」",
"373000912_16": "「ヴィマーナの損傷は、ほぼあの攻撃によるものだ」",
"373000912_17": "「それほどの威力なら、\\n 地表に着弾すればこの辺り一帯が完全に焦土と化す……」",
"373000912_18": "「テュポーン口部のエネルギー反応はどうなっている?」",
"373000912_19": "「前回の発射時より時間はかかっていますが、増大中ッ!\\n 遠からず発射されると予想されますッ」",
"373000912_20": "「狙いはわたしたちだッ!\\n 上空に回避するッ みんなこっちへッ」",
"373000912_21": "「頼むッ!」",
"373000912_22": "「2人ともしっかりつかまってッ!」",
"373000912_23": "「お願いッ!」",
"373000912_24": "「アアアアアアアアア……ッ!」",
"373000912_25": "「テュポーン、熱線の発射準備を終えた模様ッ!\\n 装者たちを狙っていますッ」",
"373000912_26": "「まずはうるさい虫からってことかよッ!」",
"373000912_27": "(ダメだッ! 熱線の範囲が広すぎて……、\\n 人を連れたままじゃ、避け切れないッ",
"373000912_28": "「ダメえええええええッ!!」",
"373000912_29": "「ヴィマーナが動いた……ッ!?\\n 人を、熱線からかばっています……」",
"373000912_30": "「アアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」",
"373000912_31": "「――シャロンッ!」",
"373000912_32": "「無茶すぎるッ!\\n ヴィマーナはあんなにボロボロだったじゃないかッ」",
"373000912_33": "「熱線が途切れる……ッ!」",
"373000912_34": "「――ッ!!」",
"373000912_35": "「<size=40>シャローーーーーーーーンッ!!</size>」"
}

View file

@ -0,0 +1,47 @@
{
"373000921_0": "「…………」",
"373000921_1": "「シャロンッ! しっかりしてッ!!\\n シャロンッ」",
"373000921_2": "「……呼吸はしてる。大丈夫だ」",
"373000921_3": "「よかった……。\\n でも、かなり消耗してるみたい」",
"373000921_4": "「なんとかして、\\n 戦闘区域外に送り届けないと……ッ」",
"373000921_5": "「お、姉ちゃん、たち……?\\n よかった……。無事、だったんだね……」",
"373000921_6": "「シャロンッ! どうしてあんな無茶を……」",
"373000921_7": "「だって……、わたしも、\\n 一緒に、戦ってるん、だから……」",
"373000921_8": "「だからって……ッ!」",
"373000921_9": "「護られるだけ、なのは……。\\n 嫌なんだ……」",
"373000921_10": "「そっちにいれば、安全だよって、\\n おいていかれるのも……」",
"373000921_11": "「だから、もう一度、ヴィマーナを動かさないと……ッ!」",
"373000921_12": "「そんな風に考えて……」",
"373000921_13": "「シャロン……。\\n そっちには、行っちゃダメだ」",
"373000921_14": "「え……?」",
"373000921_15": "「昔のわたしは、孤独で……。\\n 孤独なのが怖くて、頑なになっていた」",
"373000921_16": "「だから、ただただ闇雲に、\\n 力を振るうしかなかったんだ……」",
"373000921_17": "「…………」",
"373000921_18": "「自分のために、力を振るってしまった。\\n たくさんの人に……、取り返しのつかないことをしたんだ」",
"373000921_19": "「そんなわたしを救ってくれたのが……、\\n もう人のわたしだったんだよ」",
"373000921_20": "「響お姉ちゃんが……」",
"373000921_21": "「頑なになんてならなくていい。\\n 差し出された手を取るのに、遠慮なんかいらない」",
"373000921_22": "「いつも一緒にいなくても、手を取り合った仲間は、\\n きっと集まって、助けてくれると言って……」",
"373000921_23": "「それを実践してくれた。そのおかげで、\\n わたしは今、この世界の危機に立ち向かえている」",
"373000921_24": "「わたしは……シャロンに手を差し伸べる。\\n この手を取ってくれれば……」",
"373000921_25": "「必ずシャロンを助ける。\\n ずっと一緒にはいられなくても、絶対に見捨てない」",
"373000921_26": "「…………」",
"373000921_27": "「だから、無茶をするのは、やめよう」",
"373000921_28": "「……グスッ」",
"373000921_29": "「ごめんなさい、ヒビキお姉ちゃん……。\\n 手を差し伸べてくれて、約束してくれて、本当にうれしい」",
"373000921_30": "「でもわたし、その手を取れないよ……。\\n だって、ヴィマーナをこんなにしちゃった……」",
"373000921_31": "「まだ力が残ってるのに……。\\n ヴィマーナを動けなくしちゃった。わたしの、ワガママで……」",
"373000921_32": "「今は、わたしたちが頑張る番だ。\\n だから、そんなこと気にしなくていい」",
"373000921_33": "「いつかわたしが危なくなった時。それがシャロンの番だ。\\n その時は遠慮なく、シャロンの力を借りるよ」",
"373000921_34": "「わたしは今、ヒビキお姉ちゃんの力になりたいよ……。\\n わたしたちの世界も、ヒビキお姉ちゃんも、危ないんだから」",
"373000921_35": "「ヴィマーナに残ってる力を、\\n ヒビキお姉ちゃんたちに貸してあげたい……ッ」",
"373000921_36": "「なに……ッ!?」",
"373000921_37": "「ヴィマーナの欠片が……シャロンに反応してるのか……」",
"373000921_38": "「シャロン……?」",
"373000921_39": "「……ヤントラ・サルヴァスパが、\\n わたしとヴィマーナを、深く繋いでくれたの」",
"373000921_40": "「だから、ヴィマーナの力を貸してあげられる。\\n ……この力を、受け取って」",
"373000921_41": "「そしたらわたし、一緒に戦える。\\n ヒビキお姉ちゃんたちの手を取れる……ッ」",
"373000921_42": "「シャロン、オレたちと一緒にテュポーンと戦おうッ!」",
"373000921_43": "「言葉で伝わらなくても、手を取れば気持ちは分かる。\\n だから、シャロンも一緒にッ」",
"373000921_44": "「シャロンが伸ばしてくれた手は、確かにつかんだッ!\\n ……テュポーンは、みんなで倒そうッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,27 @@
{
"373000922_0": "「ゴアアアアアアアアアアッ!」",
"373000922_1": "「ハハッ! 空が飛べるってのはいいもんだなッ!\\n 回避はラクラク、攻撃もラクラクだッ」",
"373000922_2": "「機動力が大幅に上昇したから、どこでも狙える……。\\n そして、当てられるッ」",
"373000922_3": "「ガアアアアアアアアアアッ!」",
"373000922_4": "「スピード、パワー。全てが段違いだ……。\\n これが、シャロンの託してくれたものッ」",
"373000922_5": "「テュポーンには、確実にダメージを与えている。\\n でも、押し切れない……ッ あとほんの少し、なにか……」",
"373000922_6": "「攻めて攻めて攻めまくるぞ、クリスッ!!」",
"373000922_7": "「了解」",
"373000922_8": "「アアアアアアアアア……ッ!」",
"373000922_9": "「あいつ、また口にエネルギー溜めてやがるッ!」",
"373000922_10": "「また……熱線を吐くッ!」",
"373000922_11": "(大火力の熱線……。そうだッ!!)",
"373000922_12": "「いや、これはチャンスだ。\\n 発射直前に、テュポーンの口に集中攻撃を仕掛けようッ」",
"373000922_13": "「暴発を狙うの?\\n タイミングは、かなりシビア」",
"373000922_14": "「けどまあ、チマチマ削るより手っ取り早いかもな。\\n 大丈夫、このギアならできるはずだッ」",
"373000922_15": "「アアアアアアアアア……ッ!」",
"373000922_16": "「合図を送るから、全力でお願いッ!」",
"373000922_17": "「うんッ!」",
"373000922_18": "「いつでもいいぞッ!」",
"373000922_19": "「アァァァ――」",
"373000922_20": "「――今ッ!!」",
"373000922_21": "「いっけええええええええええッ!!」",
"373000922_22": "「撃ち尽くすッ!」",
"373000922_23": "「くらえええええええええええッ!!」",
"373000922_24": "「グガアアアアアアアアアッ!!」"
}

View file

@ -0,0 +1,90 @@
{
"373001011_0": "旅立ちの小宴",
"373001011_1": "「……やったか?\\n テュポーンのヤツ、もう復活したりなんかしないよな」",
"373001011_2": "「分からない……けど、もう動く気配は無いよ」",
"373001011_3": "「ふぅ……\\n ひとまずは安心ってところか」",
"373001011_4": "「影護の装者たち、聞こえるか? 無事か?」",
"373001011_5": "「大丈夫だ。\\n テュポーンのヤツは倒したと思うッ」",
"373001011_6": "「そうか……。\\n 我々も至急そちらに向かおう」",
"373001011_7": "「翼さん、クリスさん、ヒビキさんッ!\\n ご無事ですかッ」",
"373001011_8": "「大丈夫、みんなピンピンしてる。\\n それと、テュポーンは破壊されたと思う」",
"373001011_9": "「そうですか……。2つとも、うれしい報告です。\\n 本当に、よかった」",
"373001011_10": "「……九皐か。久しいな」",
"373001011_11": "「八紘兄さん……。\\n いえ、この場でそう呼ぶべきではありませんね」",
"373001011_12": "「…………」",
"373001011_13": "「今回の件で、あなたがたもハッキリ認識されたはずです。\\n 聖遺物は存在するだけで、悪用しようと企む者があらわれる」",
"373001011_14": "「これでは、罪なき人々の安寧など砂上の楼閣です。\\n ……ゆえに、我々影護はこれからも変わらず行動し続けます」",
"373001011_15": "「もちろん、我々と同調していただけるなら、\\n 特機二課と手を結ぶことは、やぶさかではありませんが」",
"373001011_16": "「……今回の協力は、あくまで一時的な緊急措置だ。",
"373001011_17": " 行動を止めないならば、我々はお前たちを阻止し、捕縛する」",
"373001011_18": "「お前たちの活動に賛同することは、ない」",
"373001011_19": "「……それは残念です」",
"373001011_20": "「では、翼さん、クリスさん、ヒビキさん。\\n 追跡が始まる前に、ここで失礼しましょう」",
"373001011_21": "「父上……。怪我は、もういいのか?」",
"373001011_22": "「お前が心配するようなことは、なにもない。\\n 早く行け。影護の退去をもって、協力措置は終了とする」",
"373001011_23": "「分かった。\\n ……まだまだ、元気でいてくれよ」",
"373001011_24": "「だから、余計な心配だ。\\n だが、私からも同じ言葉をお前に送ろう」",
"373001011_25": "「ヒビキお姉ちゃーんッ!!」",
"373001011_26": "「シャロンッ! そんなに走って大丈夫?\\n あんなにグッタリしていたのに」",
"373001011_27": "「お姉ちゃんたちに力を渡してから、いっぱい休めたもんッ!\\n ヒビキお姉ちゃんには、伝えたいことがあったから……」",
"373001011_28": "「なに?」",
"373001011_29": "「助けてくれて、ありがとう」",
"373001011_30": "「……そんなこと。\\n わたしの方が、シャロンにいっぱい助けられたよ」",
"373001011_31": "「シャロンのおかげで、新たな力を得られたんだ。\\n これがなければ、勝てなかった」",
"373001011_32": "「うーん……。じゃあ、おあいこってことにしとこうか。\\n どれだけ助かったか、くらべっこになっちゃうからッ」",
"373001011_33": "「そうだね、それがいい」",
"373001011_34": "「ヒビキお姉ちゃんは、並行世界を旅してるんだよね……。\\n また、会えるかな」",
"373001011_35": "「約束したから、会いに来るよ。わたしの戦いが終わった時か、\\n この世界が、再び危機に陥った時に……」",
"373001011_36": "「ゆっくり話したいから、\\n 戦いが終わった後の方がいいけどね」",
"373001011_37": "「そうだねー。その時は……、\\n 響お姉ちゃんともいっしょに、お勉強教えてほしいかも」",
"373001011_38": "「もう1人のわたしといっしょに?\\n それなら、わたしなんか――」",
"373001011_39": "「それ……やめてほしいなッ!」",
"373001011_40": "「えッ!?」",
"373001011_41": "「響お姉ちゃんとくらべて、自分なんかって言うのはやめて。\\n ヒビキお姉ちゃんは、わたしの大事で大好きな仲間なんだから」",
"373001011_42": "「……そうか。ごめんね。\\n できるだけ早く、直すよ」",
"373001011_43": "「それじゃあ、ヒビキお姉ちゃん。またねッ!!」",
"373001011_44": "「うん、またね」",
"373001011_45": "「……以上が、本件についての最終的な報告となります。\\n 詳細はこちらの資料をご覧ください」",
"373001011_46": "「ゆめゆめ、資料も精査せず適当に\\n 強権を行使することなどなきよう願います」",
"373001011_47": "「……い、いやまったくすまないねッ! 風鳴くんッ!!\\n まさか、あの石崎くんが……、ねえ」",
"373001011_48": "「本名は石屋。『ウロボロス』と称する組織の\\n 幹部であったようです。彼は聖遺物テュポーンを欲した」",
"373001011_49": "「そして、手に入れるために障害となる二課を操るために\\n あなたへ近づき、あれだけの暴挙を働いたのです」",
"373001011_50": "「し、身辺調査はしっかりやっていたのだよ? うんッ!\\n なのにここまで入りこむとは、敵ながらあっぱれッ」",
"373001011_51": "「……確かに見事な手腕でした。おかげで、\\n 私は入院させられ、二課はあなたをタテに石屋に操られた」",
"373001011_52": "「……めんぼくない。だが、さすがは風鳴くんと二課だ。\\n 追い詰められながらも、ウロボロスの計画をくじくとはッ」",
"373001011_53": "「おかげで、日本は……、いや世界は壊滅の危機から逃れた。\\n 本当にありがとうッ」",
"373001011_54": "「礼には及びません。今回の事件にまつわる被害は、\\n あきらかに二課と政府の落ち度によるものです」",
"373001011_55": "「再発防止のため、私は自分も含め責任の所在を明らかにし、\\n これを追及するつもりです。一切の例外なく」",
"373001011_56": "「な……ッ!?」",
"373001011_57": "「できれば、いさぎよく調査に応じていただければありがたい。\\n ……では、失礼します」",
"373001011_58": "「なんてこった……」",
"373001011_59": "「……『テュポーンの魂核』を発見、回収しました」",
"373001011_60": "「ご苦労様です。\\n それこそ、今回の計画の真の成果――」",
"373001011_61": "「すぐに移送し、厳重に管理してください」",
"373001011_62": "「はッ!」",
"373001011_63": "(……これでまた1つ、ピースがそろった)",
"373001011_64": "「フフ、フフフフフフフフフ……」",
"373001011_65": "「世界蛇、そしてベアトリーチェ様の復活も……、\\n そう遠いものではないでしょう」",
"373001011_66": "「しかし腹が減ったなぁッ! ぶっ通しで戦った上に、\\n テュポーンにいろいろ吸われちまったせいかな」",
"373001011_67": "「なあクリス。今日は祝勝会ってことでさ、\\n ヒビキと人でパーッとやらないかッ」",
"373001011_68": "「いいアイデア。\\n パーティションで囲って、ささやかにやろう」",
"373001011_69": "「は? なんでそんなせせこましくするんだ?」",
"373001011_70": "「だって、パーティションあってこその、パーティ。\\n なんちゃって……」",
"373001011_71": "「ブッ!! ハハハ、ハハハハハッ!!\\n やっぱりクリスはおもしろいなあッ」",
"373001011_72": "「…………」",
"373001011_73": "「ん? ヒビキ、どうしたんだよ。\\n 立ち止まったりなんかして」",
"373001011_74": "「……いや、なんでもないよ」",
"373001011_75": "「……嘘つけ。もう行くのか?」",
"373001011_76": "「……うん」",
"373001011_77": "「もう少し休んだ方がいいよ」",
"373001011_78": "「そうかもしれない。でも……、\\n わたしは一刻も早く、もっとたくさん人助けをしたいんだ」",
"373001011_79": "「それが、わたしの罪滅ぼしだから……」",
"373001011_80": "「やれやれ、お前はガンコだなッ!\\n ――まあ、立花響はみんなガンコか」",
"373001011_81": "「今回は本当に世話になった。ありがとな。\\n おかげで助かったぞ」",
"373001011_82": "「わたしも、ありがとう。\\n ヒビキはすごく頼りになったよ」",
"373001011_83": "「そんなまっすぐ言われると恥ずかしいけど……。\\n ……うん」",
"373001011_84": "「ヒビキ、オレとクリスは、お前の味方だ。\\n いつでもどこでも、なにかあったら頼ってくれよ」",
"373001011_85": "「聞いてはないけど、きっとシャロンも同じ気持ちだと思うぞ。\\n だからオレが代弁しといてやるッ」",
"373001011_86": "「また会おうね。できれば、平和で何もない時に。\\n シャロンも一緒に、みんなで遊ぼう」",
"373001011_87": "「うん。ありがとう、2人とも。\\n それじゃあ……、またね」"
}

View file

@ -0,0 +1,31 @@
{
"373001111_0": "温かい場所",
"373001111_1": "「――やあああッ!」",
"373001111_2": "「ふう……」",
"373001111_3": "「みゃお~ん」",
"373001111_4": "「あれ……。隠れてたのかな?\\n フフフ、もう大丈夫だよ」",
"373001111_5": "「みゃ~。\\n ゴロゴロ」",
"373001111_6": "「よしよし……、たくさん食べなよ」",
"373001111_7": "「みゃお~ん」",
"373001111_8": "「お前、仲間はいるのかい? \\n ……もしかして、匹かな」",
"373001111_9": "「みゃ?」",
"373001111_10": "「わたしは……、わたしには、仲間が増えたんだ。\\n ……こんなわたしと、手を取り合ってくれた仲間が、ね」",
"373001111_11": "「みゃ~みゃ~」",
"373001111_12": "「もう、帰りを待ってくれるのは未来だけじゃないんだよ」",
"373001111_13": "(そう……)",
"373001111_14": "(影護の装者として、人々を聖遺物から護る、翼とクリス)",
"373001111_15": "(そして、その身に宿した力に負けず、\\n 人々を護ろうと立ち上がった……、シャロン",
"373001111_16": "(未来も含めてみんな、遠く離れた並行世界にいるのに……、\\n みんながそこにいると思うだけで、心が温かい",
"373001111_17": "(きっとこの温かさは、\\n 仲間が増えると同じように増えるものなんだ……",
"373001111_18": "「お前にも、\\n 心を温めてくれる仲間がいればいいのにね……」",
"373001111_19": "「にゃ~ぅ」",
"373001111_20": "「……あれ?\\n もう匹いたのか」",
"373001111_21": "「みゃお~ん」",
"373001111_22": "「にゃう~ん」",
"373001111_23": "「迎えに来たのかな……。いいよ、もうお帰り。\\n わたしは、ずっとここにはいられないから」",
"373001111_24": "「みゃッ!」",
"373001111_25": "「バイバイ……。仲間と、なかよくね」",
"373001111_26": "(翼、クリス、それにシャロン。\\n またいつか、わたしはみんなに会いに行く",
"373001111_27": "(再び会ったその時、土産話にできるように……。\\n わたしは戦うよ。そして、人を助ける",
"373001111_28": "「それじゃあ、わたしも行こう。\\n ……もっとたくさんの、差し伸べられた手をつかみに」"
}