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{
"362000111_0": "シェムシェム★パニック",
"362000111_1": "「もしもし、未来? 今スーパーの前なんだけど、\\n 何か買っていったほうがいい物とかある」",
"362000111_2": "「えーっと……、\\n 冷蔵庫にお野菜もお肉もあるし……」",
"362000111_3": "「大丈夫だと思う。それより早く帰ってきて。\\n 一緒にご飯作るんでしょ」",
"362000111_4": "「もちろんッ! 走って帰るからもう少しだけ待っててッ!」",
"362000111_5": "「うん、気をつけてね」",
"362000111_6": "「ふぁ……それにしても、いいお天気。\\n そっか……もう春だもんね……」",
"362000111_7": "「下準備とか、お洗濯とか\\n いろいろやっておきたかったけど……」",
"362000111_8": "「響が帰ってくるまで……、\\n 少しだけ――」",
"362000111_9": "「たっだいまーッ!」",
"362000111_10": "「んん……、\\n あれ、もうこんな時間……」",
"362000111_11": "「ごめんね、お昼寝しすぎちゃったみたい」",
"362000111_12": "「わかるよ~、今日は最高のポカポカ陽気ッ!\\n わたしも走っててすごく気持ちよかったよ」",
"362000111_13": "「ただ、全力で走りすぎたせいで、\\n 途中から暑くなってきちゃって……」",
"362000111_14": "「もしかして、またアイス?\\n これからご飯なんだよ」",
"362000111_15": "「平気平気ッ! 未来と作るご飯は\\n 何百杯でもお腹に入るから」",
"362000111_16": "「もう、調子のいいことばかり言って……、\\n じゃあ、つだけだからね」",
"362000111_17": "「やったーッ!\\n それじゃさっそく冷凍庫を開けて――」",
"362000111_18": "「…………」",
"362000111_19": "「…………」",
"362000111_20": "「ちっちゃい未来がいるーーッ!?!?」",
"362000111_21": "「な、何言ってるの響――」",
"362000111_22": "「…………」",
"362000111_23": "「ちっちゃいわたしだ……」",
"362000111_24": "「しぇむー……しぇむー……」",
"362000111_25": "「これって……寝てるのかな?\\n ちょっと変だけど、寝息みたいのも聞こえるし……」",
"362000111_26": "「冷凍庫の中だよッ!?\\n こんなところで寝てたら風邪ひいちゃうよッ」",
"362000111_27": "「それよりも気になるところは、たくさんあるよね?」",
"362000111_28": "「うーん、確かになんかどこかで見たことがあるような……。\\n どこで会ったんだっけ」",
"362000111_29": "「――遺憾である」",
"362000111_30": "「起きたッ!?」",
"362000111_31": "「ヒトが仰ぎ見る、\\n この星のカミが、我と覚えよ……」",
"362000111_32": "「そして飛んだッ!?」",
"362000111_33": "「しぇむッ!?」",
"362000111_34": "「うわぁッ! 思い切り顔から落ちちゃったよッ!?」",
"362000111_35": "「大丈夫ッ!?」",
"362000111_36": "「ぐッ……しょげるな……」",
"362000111_37": "「怪我してない? ちょっと見せて……、\\n よいしょっと」",
"362000111_38": "「未来がちっちゃい未来を抱っこしたッ!」",
"362000111_39": "「冷た……ッ!」",
"362000111_40": "「わ、我は壮快である……」",
"362000111_41": "「うそ、震えてるもの。\\n 早く温めてあげないと……」",
"362000111_42": "「フン、ならば好きにするがいい……」",
"362000111_43": "「一応大人しくなったみたいだけど……、\\n この子、何者なんだろう」",
"362000111_44": "「やっぱり知ってる気がするけど……フフ」",
"362000111_45": "「ちょっと、なんで笑ってるの?」",
"362000111_46": "「そうやって抱っこしてたらさ。\\n 未来の子供みたいで可愛いんだもん」",
"362000111_47": "「ええ? そうかな……」",
"362000111_48": "「忌々しいッ!」",
"362000111_49": "「あッ、どこ行くのッ!?」",
"362000111_50": "「そっちは玄関だよッ!」",
"362000111_51": "「ユグドラシルを屹立させるのだッ!」",
"362000111_52": "「ユグドラシル? それって――」",
"362000111_53": "「とりあえず追いかけようッ!」",
"362000111_54": "「ククク……、",
"362000111_55": " 胸躍る……ッ!」",
"362000111_56": "「この子、なんか一生懸命に地面に穴を掘って……、\\n どんぐりを埋めてるみたいだけど……」",
"362000111_57": "「あれがユグドラシル……なの?」",
"362000111_58": "「ねえ、一度お家に帰らない?\\n 少しお話を聞かせてほしいんだけど……」",
"362000111_59": "「ほら、手繋ごう?」",
"362000111_60": "「あたわぬッ!\\n その拳は呪いの積層ッ」",
"362000111_61": "「付け入る隙など与えぬッ!\\n さっさと立ち去るがよ――」",
"362000111_62": "「グウウウウウウウッ!(盛大なお腹の虫の音)」",
"362000111_63": "「えっと……今のはこの子の……?」",
"362000111_64": "「……幻聴である」",
"362000111_65": "「フフ、とりあえずご飯にしましょう」",
"362000111_66": "「じゃーんッ!\\n 月見うどんの出来上がりッ」",
"362000111_67": "「おかわりもあるからね、\\n 足りなかったら言って」",
"362000111_68": "「……ッ!\\n こ、これは――」",
"362000111_69": "「忌々しい、バラルの呪詛め……」",
"362000111_70": "「バラル……? そうかッ!」",
"362000111_71": "「どうして今まで、\\n 気がつかなかったんだろう……ッ」",
"362000111_72": "「この子、シェム・ハに似てる……ッ!!」",
"362000111_73": "「――ッ!\\n 本当だ……ッ」",
"362000111_74": "「でもシェム・ハさんは\\n わたしたちと戦って、あの時……」",
"362000111_75": "「ねえ、あなたはどこから来たの?」",
"362000111_76": "「なんでそんな姿をしてるの?」",
"362000111_77": "「無礼である。\\n 矢継ぎ早に我へ質問するとは……」",
"362000111_78": "「でも大切なことだから。お願い、教えてッ!」",
"362000111_79": "「所詮人知の及ばぬこと。\\n 意味のない会話ほど空虚なものはない」",
"362000111_80": "「どういう意味? ここまでどうやって来たの?」",
"362000111_81": "「くどいッ! 不敬であるぞッ!」",
"362000111_82": "「何も答えたくないの?」",
"362000111_83": "「答えたくないというよりは……、\\n もしかして、わからないんじゃ……」",
"362000111_84": "「…………」",
"362000111_85": "「当たりみたいだね……」",
"362000111_86": "「そもそも、なんで冷凍庫にいたの?」",
"362000111_87": "「我はメガラニカで眠っていたのだ」",
"362000111_88": "「メガラニカって……、\\n 冷凍庫を南極だって言ってるのかな」",
"362000111_89": "「そうみたい。\\n じゃあ目的は 何をしようとしてるの」",
"362000111_90": "「ユグドラシルの屹立であるッ!」",
"362000111_91": "「でもあれ、どんぐりだよ?」",
"362000111_92": "「……ッ!」",
"362000111_93": "「わ、我は……、\\n ユグドラシルを……うぅ……」",
"362000111_94": "「そんな顔をされると、子供を泣かせてるみたいで\\n 罪悪感がすごい……」",
"362000111_95": "「言葉づかいだけ少しそれっぽいけど、\\n 雰囲気とか性格がシェム・ハとはまるで別人だよね……」",
"362000111_96": "「シェム・ハさんのようでシェム・ハさんじゃないもの……、\\n 一体どうなってるの」",
"362000111_97": "「ふん、不完全な言語では\\n 全てを伝えるのもままならぬッ」",
"362000111_98": "「よって、これ以上の会話は不要ッ!」",
"362000111_99": "「シェ……シェ、",
"362000111_100": " シェムックションッ!」",
"362000111_101": "「今のって、クシャミ……だよね?\\n 冷凍庫に入って、身体が冷えちゃったのかな」",
"362000111_102": "「それなら、この月見うどんをどうぞ。\\n 身体が温まるよ」",
"362000111_103": "「うむ……」",
"362000111_104": "「んぐ……、",
"362000111_105": " ム――ッ!?」",
"362000111_106": "「熱ッ! これでは食せぬではないかッ!」",
"362000111_107": "「誰でもよい。\\n 我のバラルの呪詛を速やかに冷却しろ」",
"362000111_108": "「バラルの呪詛って……、\\n 月見うどんのことを言ってるの」",
"362000111_109": "「今の言い方は、たぶんそうなんだと思うけど……」",
"362000111_110": "「うどん熱かった? 大丈夫?\\n もうちょっと冷めてから食べようね」",
"362000111_111": "「くッ……じれったい……」",
"362000111_112": "「うーん……こうしてると、\\n 可愛いんだけどなあ」",
"362000111_113": "「でも、やっぱり報告はしておいた方がいいよね?」",
"362000111_114": "「ふむ、なるほど……。冷凍庫を開けたら、\\n すでにこの子が入っていたということか……」",
"362000111_115": "「オッスッ! 我シェム・ハッ!」",
"362000111_116": "「な、なんだと……ッ!」",
"362000111_117": "「すみません、たまに変なことを口走るみたいで……」",
"362000111_118": "「その子について、もう簡易検査は済ませたのですが……、\\n 全てにおいて、あり得ない数値を示しています」",
"362000111_119": "「接触可能な肉体があるのに、質量の計測値が\\n どころかマイナスを示すなど、埒外物理の域ですね」",
"362000111_120": "「端的に言うと、存在が冗談みたいです」",
"362000111_121": "「冗談で済まされない場合を想定しろ。\\n 暫くは、この――」",
"362000111_122": "「我が名はシェム・ハ。\\n 人が仰ぎ見るこの星の神が、我と覚えよ」",
"362000111_123": "「ううむ……」",
"362000111_124": "「このちびシェム・ハくんは\\n S.O.N.G.で預かり調査させてもらう」",
"362000111_125": "「ちび……ッ!?",
"362000111_126": " 遺憾である……」",
"362000111_127": "「…………」",
"362000111_128": "「大丈夫?」",
"362000111_129": "「ううん、なんでもない。\\n 帰ろっか」",
"362000111_130": "「ただいまー……」",
"362000111_131": "「暢気なものだ」",
"362000111_132": "「えッ!?」",
"362000111_133": "「さっき本部に預けてきたのに、なんでここにいるのッ!?」",
"362000111_134": "「響くんッ! \\n ちびシェム・ハくんはそちらに行ってないかッ」",
"362000111_135": "「来るも何も、\\n もうすでに、我が家へ侵入してます……」",
"362000111_136": "「やはりそうかッ! しかし我々の監視を掻い潜るとは……、\\n ともかく、すぐに職員を向かわせるッ」",
"362000111_137": "「もう、ダメじゃない。\\n 勝手に抜け出したりなんかしちゃ」",
"362000111_138": "「神が神殿に座することに、\\n なんの咎があるという」",
"362000111_139": "「神殿……? ここが?」",
"362000111_140": "「左様。我が悲願、ユグドラシルが芽吹くその日まで、\\n 相応しき役目を与えてやろう」",
"362000111_141": "「では、我は今よりバラルの呪詛を破壊する。\\n 用意するのだッ」",
"362000111_142": "「……バラルの呪詛?\\n 確か月見うどんのことだったよね」",
"362000111_143": "「卵が月に見えるから、\\n それを割って食べたいってこと、なのかな……」",
"362000111_144": "「急げ。さもなくば――」",
"362000111_145": "「もう、しょうがないなあ」",
"362000111_146": "「うんうん、ご飯にしよっか」"
}

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@ -0,0 +1,94 @@
{
"362000121_0": "「――結局、お前たちに\\n 預かってもらうことになり、申し訳ない」",
"362000121_1": "「我々も総力を尽くしたのですが、\\n どうやっても逃げ出してしまいまして……」",
"362000121_2": "「いえいえ、むしろ家が賑やかになって楽しいですよッ!」",
"362000121_3": "「はい、最近はわたしたちにも\\n 少しずつ懐いてくれてるみたいですし――」",
"362000121_4": "「お、噂をすればッ!\\n また連絡しますねッ」",
"362000121_5": "「帰還である」",
"362000121_6": "「こーら、泥だらけでお家に上がらない」",
"362000121_7": "「また公園でどんぐりの――」",
"362000121_8": "「ユグドラシル」",
"362000121_9": "「ユグドラシルの様子を見に行ってたの?」",
"362000121_10": "「ついでにその価値すらわからぬ\\n 無垢な人の子らと、戯れを興じてやった」",
"362000121_11": "「よーし、いっぱい遊んだちびシェム・ハちゃんは\\n お姉さんとお風呂入ろっかッ」",
"362000121_12": "「しぇむッ!?」",
"362000121_13": "「じゃあ、わたしも入っちゃおうかな」",
"362000121_14": "「ま、待て、離せ――」",
"362000121_15": "「いざ出撃ーッ!!」",
"362000121_16": "「遺憾であるーッ!」",
"362000121_17": "――3日後――",
"362000121_18": "「――たっだいまーッ!!\\n ふぅ、今日の訓練はキツかったーッ」",
"362000121_19": "「あれ? ちびシェム・ハちゃんは?」",
"362000121_20": "「それが……」",
"362000121_21": "「え、まだ帰ってきてないの?」",
"362000121_22": "「うん、朝出かけたっきり……」",
"362000121_23": "「そっか、ちょっと心配だね。\\n 今から探しに行こうか」",
"362000121_24": "「うん、万が一ってこともあるだろうし」",
"362000121_25": "「おーいッ!\\n ちびシェム・ハちゃーんッ」",
"362000121_26": "「出ておいでーッ!\\n 一緒に月見うどん食べよーッ」",
"362000121_27": "「…………」",
"362000121_28": "「あ、いたッ!」",
"362000121_29": "「もうッ!\\n こんな遅くまで何してたのッ」",
"362000121_30": "「ユグドラシルが……」",
"362000121_31": "「……ッ! ここって、ちびシェム・ハちゃんが、\\n どんぐりを埋めてたところだよね……」",
"362000121_32": "「ひどい……掘り返されてる……ッ!」",
"362000121_33": "「希望は潰えた。\\n もう、何もかも終わりだ」",
"362000121_34": "「…………」",
"362000121_35": "「…………」",
"362000121_36": "「ううん、そんなことないよ」",
"362000121_37": "「……なにゆえ?」",
"362000121_38": "「また1から、育てればいいんだよ」",
"362000121_39": "「何度くじけても、折れなければいつか必ず芽吹くから。\\n そのどんぐり……ユグドラシルだって」",
"362000121_40": "「うん、わたしたちも一緒にどんぐり探すから。\\n そうしたらまた植えようよ」",
"362000121_41": "「…………」",
"362000121_42": "「見て見てッ!\\n こんなに集まったよッ」",
"362000121_43": "「1人で駄目でも、3人なら心強いでしょ?」",
"362000121_44": "「……愚かな」",
"362000121_45": "「え?」",
"362000121_46": "「知れたこと。\\n 人ではない、我にはまだ駒がある」",
"362000121_47": "「おぉ……、おもちゃのロボットに」",
"362000121_48": "「こうもりのミニチュアと、\\n ぬいぐるみの子犬……」",
"362000121_49": "「傾聴せよ、怪物ども。\\n これより使命を授ける」",
"362000121_50": "「我が悲願、ユグドラシルを守護せよッ!」",
"362000121_51": "「このおもちゃ、怪物なの?」",
"362000121_52": "「それにしては丸くて小さくて、可愛いよね。",
"362000121_53": " ――って、動き出したッ!」",
"362000121_54": "「フフ、3つとも鳥の雛みたいによちよち歩きしてる」",
"362000121_55": "「ふ……」",
"362000121_56": "「……幻聴である」",
"362000121_57": "「そろそろ帰ろっか」",
"362000121_58": "「ほら、手繋ご?」",
"362000121_59": "「うん、3人で」",
"362000121_60": "「…………」",
"362000121_61": "「あ、やっぱり嫌だった?」",
"362000121_62": "「……構わん。好きにするがいい」",
"362000121_63": "「フフ、並んで手を繋いでると、\\n 子供のいる夫婦みたいだね」",
"362000121_64": "「なななな、何言ってるの響ッ!?」",
"362000121_65": "「未来はいいお母さんになりそうだな~」",
"362000121_66": "「もう、変な話しないでッ!\\n ……お、お父さんッ」",
"362000121_67": "「アハハハ、ごめんごめん。楽しくて」",
"362000121_68": "「愚鈍である。早く歩みを進めよ」",
"362000121_69": "「もはや一刻の猶予もない。\\n 早急にバラルの呪詛を破壊する」",
"362000121_70": "「はいはい、月見うどんね」",
"362000121_71": "――翌日――",
"362000121_72": "「ん……ふあぁ~。お昼まで寝ちゃった……。\\n でも昨日は遅かったしなあ……」",
"362000121_73": "「……あれ?\\n 未来はもう起きてるんだ――」",
"362000121_74": "「きゃあああッ!?」",
"362000121_75": "「み、未来ッ! どうしたのッ!?」",
"362000121_76": "「う……ぐ……ッ!」",
"362000121_77": "「こんなに全身泥だらけに汚れて……、\\n もしかしてどこか怪我してない 見せて」",
"362000121_78": "「不要であるッ!」",
"362000121_79": "「え、何? どういうこと? 何があったのッ!?」",
"362000121_80": "「わからないよ。この子が帰ってきたと思ったら、\\n こんな風にくしゃくしゃになってて……」",
"362000121_81": "「忌々しい……」",
"362000121_82": "「あ……」",
"362000121_83": "「おもちゃたちも、ドロドロに汚れて……」",
"362000121_84": "「我に歯向かう、鈍付くが……」",
"362000121_85": "「あッ、ちょっと待ってッ!\\n まだ話が……」",
"362000121_86": "「行っちゃったね……。\\n 誰かとケンカでもしたのかな」",
"362000121_87": "「子供同士のケンカにしては、激しすぎな気もするけど……」",
"362000121_88": "「それじゃ、誰かに狙われてたりするのかな?」",
"362000121_89": "「わからない。だけど、もしそうだったとしたら……、",
"362000121_90": " わたしたちが護ってあげないとッ!」",
"362000121_91": "「うんッ! あの子はもう、わたしたちの家族だもんねッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,47 @@
{
"362000131_0": "「――時は満ちた」",
"362000131_1": "「来るべき星の未来を決する時……」",
"362000131_2": "「ま、待ってッ!」",
"362000131_3": "「何かを決心したみたいな顔してたね……」",
"362000131_4": "「……なんでわたしたちに\\n 一言も相談してくれないんだろう」",
"362000131_5": "「……言い出しにくいこともあるんじゃないかな。\\n 心配かけたくない、とか」",
"362000131_6": "「そんな……わたしは……」",
"362000131_7": "「大丈夫。わたしに名案があるんだ」",
"362000131_8": "「……名案って言うから期待したのに、\\n 単に尾行するだけなの」",
"362000131_9": "「いやまあ、そこはほらさ」",
"362000131_10": "「――あッ! あそこ見てッ!」",
"362000131_11": "「はぁ……、はぁ……ッ!\\n 鈍付くめ……ッ ",
"362000131_12": "「ちびシェム・ハちゃんッ!!」",
"362000131_13": "「な、何故ここに……ッ!?」",
"362000131_14": "「何があったの、詳しく教えてッ!」",
"362000131_15": "「手出しは無用であるッ!」",
"362000131_16": "「大丈夫ッ!\\n わたしたち、決めたからッ」",
"362000131_17": "「何があっても、あなたを護るってッ!」",
"362000131_18": "「勝手なことを……ッ! 敵は強大ゆえ、\\n せいぜい足手まといにならぬよう励むのだなッ」",
"362000131_19": "「強大な敵って一体……」",
"362000131_20": "「来たかッ!\\n 我が怨敵ッ 憎き獣ッ!!」",
"362000131_21": "「え、これって……」",
"362000131_22": "「まさか――」",
"362000131_23": "「にゃおぉおおおおおんッ!」",
"362000131_24": "「可愛いーーーッ!!」",
"362000131_25": "「可愛くなどあるかッ!」",
"362000131_26": "「ふにゃるるるる……ッ!!」",
"362000131_27": "「しぇむむむむむ……ッ!!」",
"362000131_28": "「え~~、可愛い者同士ケンカはやめようよッ!」",
"362000131_29": "「でも、すごい真剣……ッ!\\n 強大な敵って、この猫のことだったの」",
"362000131_30": "「――ッ! そっか、どんぐりを掘り返したのって、\\n この猫たちだったんだッ」",
"362000131_31": "「にゃああああッ!!」",
"362000131_32": "「ふにゃおおおおおおッ!!」",
"362000131_33": "「おのれ、よくも我が怪物を……」",
"362000131_34": "「よくもユグドラシルを……ッ!」",
"362000131_35": "「――お前たちは下がっていろッ!」",
"362000131_36": "「で、でも……ッ!」",
"362000131_37": "「我はこれより、決着をつけるッ!」",
"362000131_38": "「にゃにゃにゃ、にゃーーッ!\\n公園とどんぐりは我々のものだッ」",
"362000131_39": "「いいや、我のものと知れッ!」",
"362000131_40": "「か、会話してるッ!?」",
"362000131_41": "「にゃにゃ、にゃにゃにゃにゃぁぁッ!\\nならば、公園ファイトォォッ」",
"362000131_42": "「にゃにゃぁぁッ!\\nレディィッ」",
"362000131_43": "「にゃぁぁぁぁッ!!\\nゴォォォォッ」",
"362000131_44": "「<size=40>凌辱してくれるううぅぅッ!</size>」"
}

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{
"362000141_0": "「にゃーッ!!!」",
"362000141_1": "「……せいぜい無粋に足掻け」",
"362000141_2": "「ちびシェム・ハちゃんッ!」",
"362000141_3": "「やった……勝ったんだねッ!」",
"362000141_4": "「おおっとそこまでだ」",
"362000141_5": "「何をするッ!? 無礼であるぞッ!」",
"362000141_6": "「え、誰ッ!?」",
"362000141_7": "「ちびシェム・ハちゃんを離せッ!!」",
"362000141_8": "「残念ながら、こいつを渡すわけにはいかない」",
"362000141_9": "「そんな……だったら力づくでも、\\n 行くよ、未来ッ」",
"362000141_10": "「うん……、",
"362000141_11": " って、わたしペンダント持ってきてないよッ!」",
"362000141_12": "「あッ、わたしも置いてきちゃったんだッ!」",
"362000141_13": "「フハハハッ!\\n 無様だなシンフォギア装者ッ」",
"362000141_14": "「わたしたちのことを知ってるのッ!?」",
"362000141_15": "「シェム・ハが消滅するさま、\\n 指をくわえて見ているがいいッ」",
"362000141_16": "「しょ、消滅……ッ!?」",
"362000141_17": "「そうだ、我々はエシュロンに僅かに残った\\n シェム・ハのバグデータを使い、その復活を目論んだ」",
"362000141_18": "「だが結果は失敗、被検体が逃亡を図ったので、\\n こうして消しに来たのだーッ」",
"362000141_19": "「わたしが心配するのも変だけどッ!!\\n その話、部外者にしゃべって問題ないのッ」",
"362000141_20": "「……………」",
"362000141_21": "「謀ったなシンフォギア装者ッ!!」",
"362000141_22": "「では、貴様たちにも消えてもらうしかないッ!!」",
"362000141_23": "「<size=40>ええーッ!?</size>」",
"362000141_24": "「終わりだッ!!」",
"362000141_25": "「―――ッ!」",
"362000141_26": "「そんな、嘘……ッ!?」",
"362000141_27": "「忌々しい……、\\n 何故我がこのような……ッ」",
"362000141_28": "「散れ、愚鈍な輩よッ!」",
"362000141_29": "「<size=40>のあああああーーーーッ!!!</size>」",
"362000141_30": "「ちびシェム・ハちゃんが、\\n シェム・ハさんみたいな攻撃を……ッ」",
"362000141_31": "「これってもしかして……ッ!」",
"362000141_32": "「案ずるな……一時的に力を取り戻しはしたが、\\n 今のですべて使い果たした……」",
"362000141_33": "「……なんの因果か。かつての敵を護るために\\n 一握の奇跡を引き寄せるとは」",
"362000141_34": "「ち、ちびシェム・ハちゃんッ!\\n 身体が、透けて……ッ」",
"362000141_35": "「しっかりして、ちびシェム・ハちゃんッ!」",
"362000141_36": "「愚問である」",
"362000141_37": "「誰も傷つかぬ、\\n つに溶け合うことを願った我が――」",
"362000141_38": "「最後にまた人の世の、\\n 些末な日常を送ることになるなどと、誰が思ったことか……」",
"362000141_39": "「待って、ねえッ!」",
"362000141_40": "「感謝する、立花響」",
"362000141_41": "「――小日向未来」",
"362000141_42": "「あ……あぁ、そんなッ!」",
"362000141_43": "「ちびシェム・ハちゃぁぁぁん――」",
"362000141_44": "「――ッ!?」",
"362000141_45": "「あ、やっと起きた。早くご飯作っちゃおう?\\n もうお腹ペッコペコだよッ」",
"362000141_46": "「ちびシェム・ハちゃんはッ!?」",
"362000141_47": "「え……ちび……? なんの話……?」",
"362000141_48": "「ちびシェム・ハちゃんだよッ!\\n 月見うどん食べたり、どんぐり一緒に集めたりした――」",
"362000141_49": "「あー、さては変な夢でも見たでしょ」",
"362000141_50": "「…………」",
"362000141_51": "「そっか……、夢、か……」",
"362000141_52": "「――あ、そういえば聞いてよ。\\n どんぐりと言えばね」",
"362000141_53": "「今日、季節外れのどんぐりを拾ったんだッ!」",
"362000141_54": "「――え?」",
"362000141_55": "「えっとね……この辺りに落ちてたんだよ」",
"362000141_56": "(夢の中で、ちびシェム・ハちゃんが\\n どんぐりを埋めてた場所だ……",
"362000141_57": "「あッ、芽が出てるッ!」",
"362000141_58": "「本当だ。でもなんの芽なんだろ?」",
"362000141_59": "(ユグドラシルを屹立させるのだッ!)",
"362000141_60": "「ユグドラ――じゃなくてどんぐりだと思う……」",
"362000141_61": "「えー? 本当に?\\n 確かにどんぐりはここで拾ったけど……」",
"362000141_62": "「フフ……」",
"362000141_63": "「夢だけど……夢じゃなかったのかもッ!」",
"362000141_64": "「なになに? 急にどうしたの?\\n なんの話 わたしにも教えてよーッ」",
"362000141_65": "「うん、それじゃあ――」",
"362000141_66": "(バラルの呪詛を破壊せねばならぬ)",
"362000141_67": "「月見うどんを食べながら、ね」"
}