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{
"364000111_0": "竜を鎧う乙女たち",
"364000111_1": "「終電……なくなっちゃったね(ハート)」",
"364000111_2": "「とか言って、わざと逃したんだろ?」",
"364000111_3": "「そんなわけないじゃん。\\n だってほら……最近アブナイし」",
"364000111_4": "「あー……あったなぁ、そんな噂。\\n でも、何があっても俺が護ってやるよ」",
"364000111_5": "「ウフフ、頼もし♪」",
"364000111_6": "「……ねぇ、何か変な音、聞こえない?」",
"364000111_7": "「ああ、あの曲がり角の先みたいだな。",
"364000111_8": " ちょっと覗いてみようぜ」",
"364000111_9": "「うおッ!?」",
"364000111_10": "「もー……、そんなのいいから、\\n 早く行こうってばー」",
"364000111_11": "「え? う、ウソ……何コレ……」",
"364000111_12": "「きゃあああああああああああああああッ!?」"
}

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@ -0,0 +1,117 @@
{
"364000121_0": "「あたしは弓美、板場弓美ッ!」",
"364000121_1": "「と言っても、あなたたちがよく知っている\\n 板場弓美とあたしは別人よ」",
"364000121_2": "「並行世界の同一人物――、\\n あの子たちからは、そんなふうに説明されたっけ……」",
"364000121_3": "「それはともかく、この世界のあたしたち、\\n 板場弓美、安藤創世、寺島詩織の人はなんと――」",
"364000121_4": "「みんなの明日を護るため、邪竜の鱗より造られた、\\n 『メックヴァラヌス』を身に纏い日夜戦っているのよッ」",
"364000121_5": "「ただ、この装備はもともと、\\n 誰かを護るために造られたものではなく……」",
"364000121_6": "「兵器を完成させるための呪われた道具でしかなかった。",
"364000121_7": " もちろん、それを纏うあたしたちもまた……」",
"364000121_8": "「そんなある日、突然現れた\\n 並行世界のシンフォギア装者たち」",
"364000121_9": "「彼女たちは、押し寄せる運命に抗えず下を向きかけていた\\n あたしたちを救ってみせ、奮い立たせ、そして去って行った」",
"364000121_10": "「胸の歌を力と変えて戦う彼女たちこそ、\\n 本物のヒーローだった」",
"364000121_11": "「あたしたちは、いつか彼女たちと再会した時、\\n 肩を並べて戦うことができるよう――」",
"364000121_12": "「まだヒーローになりきれないヒーロー未満として、\\n メックヴァラヌスを纏い続けている」",
"364000121_13": "「あ、あの、生徒会長?\\n 一体何を言って……」",
"364000121_14": "「もちろん、『これまでのあらすじ』に決まっているじゃない」",
"364000121_15": "「誰に向けてなんですかッ!?」",
"364000121_16": "「深く考えたら駄目ですよ。板場さんのことですから」",
"364000121_17": "「そうですか……。",
"364000121_18": " あの、頼まれていた書類を持ってきたのですが……」",
"364000121_19": "「ではわたしが……はい、問題ありません」",
"364000121_20": "「よかったです。確認ありがとうございました」",
"364000121_21": "「大儀であったッ!\\n キミは会長権限で二階級特進だ……ッ」",
"364000121_22": "「いやいや、そんなんないよッ!?」",
"364000121_23": "「今まで以上にみんなに手伝ってもらっちゃって、\\n なんだか申し訳ないけど……」",
"364000121_24": "「わたしたち、もっともっと\\n お手伝いできますよッ」",
"364000121_25": "「はいッ! 今まではただ、ノイズと戦う先輩たちを\\n かっこいいなって思っていたんですけど」",
"364000121_26": "「前の校舎での事件があって、わたしたちも一緒に\\n 戦わなくちゃって思ったんですッ」",
"364000121_27": "「と言っても、やっぱりお手伝いくらいしか\\n できないですけど……」",
"364000121_28": "「ううん、すっごく助かってるわッ!」",
"364000121_29": "「生徒会としても、竜姫としても、\\n なんとかやっていけているのはみんなのおかげッ」",
"364000121_30": "「……あッ! そんなこと言いつつわたしたち、\\n そろそろ帰らないとなんでしたッ」",
"364000121_31": "「そっか。今日もありがとうね」",
"364000121_32": "「残りはわたしたちでまとめますので、大丈夫ですよ」",
"364000121_33": "「いえ、この後は奈々美ちゃんに\\n 引き継いでもらう約束になってるんです」",
"364000121_34": "「はい、お兄さんのお見舞いで近所の病院に行くらしいですけど、\\n すぐに終えて戻ってくるって言っていました」",
"364000121_35": "「ああ、最近できた『アプトン総合病院』だね」",
"364000121_36": "「アプトン……?」",
"364000121_37": "「知らないの?\\n アプトン社っていえば、国内で指折りの大企業だよ」",
"364000121_38": "「慈善事業に力を入れていて、被災者や貧困に苦しむ人々の\\n 支援を行っていると聞いたことがあります」",
"364000121_39": "「確か社長のモットーは、\\n 『弱きを助け、強さは持たない』だったっけ」",
"364000121_40": "「何それ、なかなかかっこいいじゃない……ッ!」",
"364000121_41": "「テレビでよく紹介されていますけど、知らないんですか?」",
"364000121_42": "「うちのテレビには、アニメしか映らないのよ」",
"364000121_43": "「なるほど……納得です」",
"364000121_44": "「では、奈々美ちゃんもそろそろだと思うので、\\n わたしたちはこれで」",
"364000121_45": "「うん、それじゃあまたねッ!」",
"364000121_46": "「お疲れさまでしたー」",
"364000121_47": "「…………」",
"364000121_48": "「みんな帰っちゃうと\\n ちょっとだけ寂しいね」",
"364000121_49": "「大丈夫ですよ。もうすぐ佐野さんが\\n 来てくれると言ってましたし」",
"364000121_50": "「あ、噂をすれば――」",
"364000121_51": "「うおっほん、<ruby=チミ>君</ruby>たち、\\n <ruby=ボキ>僕</ruby>を呼んだかね?」",
"364000121_52": "「…………」",
"364000121_53": "「そう、<ruby=ボキ>僕</ruby>こそは――」",
"364000121_54": "「遅くなってすみません」",
"364000121_55": "「待っていたわッ!」",
"364000121_56": "「用事があったのに手伝いに来てくれたんだよね。\\n ありがとう」",
"364000121_57": "「どうぞ、こちらの席に座って――」",
"364000121_58": "「先に来た<ruby=ボキ>僕</ruby>をナチュラルに無視するのはやめたまえッ!」",
"364000121_59": "「きゃッ、校長ッ!?\\n いらしたんですか……」",
"364000121_60": "「校長……。\\n 放課後の今は、敢えてもう片方の肩書で呼んでほしいものだね」",
"364000121_61": "「二課の司令代行さんですねッ!」",
"364000121_62": "「ちっがーうッ!!」",
"364000121_63": "「ッ!?」",
"364000121_64": "「……えーと、込み入った事情は省きますが」",
"364000121_65": "「あれから色々あって、代行ではなく正式な司令として\\n 就任しちゃったみたいなんだよね……」",
"364000121_66": "「は、はぁ……」",
"364000121_67": "「それが嬉しすぎてはしゃぎやまない時期だから、\\n 悪いけどつき合ってあげてくれる」",
"364000121_68": "「もう代行ではなかったのですね。\\n 失礼しました、正式さん」",
"364000121_69": "「ナニのッ!?」",
"364000121_70": "「間違えました。えーと、司令……さん?」",
"364000121_71": "「そのッ、とーーーりッ!」",
"364000121_72": "「<ruby=ボキ>僕</ruby>こそ映えある特異災害対策機動部二課の司令官、\\n 凪景義であるッ」",
"364000121_73": "「で。なんの用があって来たのよ、司令」",
"364000121_74": "「ムフッ☆」",
"364000121_75": "(イラッ!)",
"364000121_76": "(あ、用事とかないやつだこれ)",
"364000121_77": "(司令って呼んでほしくて、わざわざここまで来たんですね)",
"364000121_78": "「あたしたち、まだ生徒会の仕事が残ってるから、\\n とっとと帰ってもらえる」",
"364000121_79": "「生徒会がそんなに大切かね?\\n <ruby=ボキ>僕</ruby>を司令官と讃えるよりもッ!」",
"364000121_80": "「はい」",
"364000121_81": "「なんなら、<ruby=チミ>君</ruby>たちが竜姫の職務に専念できるよう、\\n 普通の生徒にしてやってもよいのだがね」",
"364000121_82": "「生徒会は、イヤイヤやっているわけではありませんわ」",
"364000121_83": "「そうだよ」",
"364000121_84": "「あたしたちを救ってくれて、あたしたちが明日を救いたい\\n みんなの喜ぶ顔が見れる、最高の特権階級なんだから」",
"364000121_85": "「だいたいさ、正式な司令さんが、\\n こんなところで油を売ってていいの」",
"364000121_86": "「これも尊い職務の一貫だということが分からぬのかね?」",
"364000121_87": "「現場に出て、生徒たちの話を聞く……。\\n コミュニケーションロスは万病の元と言うではないかッ」",
"364000121_88": "「あのー。でしたら、1つお願いがあるのですが」",
"364000121_89": "「おほぉッ!? ナニかね、ナニかね?\\n 何でも遠慮なく言いたまえ」",
"364000121_90": "「特異災害対策機動部二課の司令たる<ruby=ボキ>僕</ruby>に\\n できないことはないのだからッ」",
"364000121_91": "「では……、最近各地で集団失踪事件が\\n 起きてますよね」",
"364000121_92": "「あ、それ、わたしも聞いたよ」",
"364000121_93": "「先日も、どこぞのカップルが、\\n デートに出たまま帰ってきてないとか……」",
"364000121_94": "「司令さんのお力で、\\n 周辺の警備を強化するなど対策を……」",
"364000121_95": "「ふむふむ、それは不安だろうな。\\n 未だに犯人も捕まっていないようだし」",
"364000121_96": "「よーしッ、そんじゃあたしらで、\\n その危険人物を……」",
"364000121_97": "「だが断るッ!」",
"364000121_98": "「えッ、この流れでッ!?」",
"364000121_99": "「さっき、できないことはない、って\\n 言ったばっかじゃんッ」",
"364000121_100": "「<ruby=チミ>君</ruby>たち、我々が特異災害対策機動部の二課だということを\\n 忘れていないかね」",
"364000121_101": "「あ……」",
"364000121_102": "「<ruby=ボキ>僕</ruby>たちが向き合うべきは特異災害であって、\\n そこらへんの人攫いなどではないのだよ」",
"364000121_103": "「我々はもっと大きな敵と立ち向かわねばならん。\\n そんな瑣末事は、警察にでも任せておきたまえ」",
"364000121_104": "「無関係な事件に首を突っ込んだところで、\\n <ruby=ボキ>僕</ruby>のお給金は1円も上がりはしないのだ」",
"364000121_105": "「相変わらず、どっち向いて仕事してんのか\\n 分かりやすい人だわ」",
"364000121_106": "「オトナの対応と呼んでくれたまえ」",
"364000121_107": "「だからってッ!\\n 特異災害が原因かも――」",
"364000121_108": "「ノイズ発生の警報――。\\n 言ったそばから新たなお仕事だ」",
"364000121_109": "「納得したわけじゃないけど、分かったわ……」",
"364000121_110": "「ノイズに困っている人の明日を救うことだって、\\n あたしたちの役目なんだからッ」",
"364000121_111": "「分かっているなら、\\n さっさとカタパルトデッキに急ぎたまえッ」",
"364000121_112": "「<ruby=ボキ>僕</ruby>は司令として、戦場を見渡し\\n 的確な指示を飛ばすとしよう」",
"364000121_113": "「皆さん、おつとめ頑張ってくださいッ!」",
"364000121_114": "「行くわよッ!」"
}

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@ -0,0 +1,28 @@
{
"364000122_0": "「最初から全力全開ッ! 1話切りなんて許さないッ!\\n 歌に乗せて、明日に向かってッ ――赤射ッ」",
"364000122_1": "「板場さん、ナイスです」",
"364000122_2": "「ノイズのデリートを確認。\\n 褒めて遣わす」",
"364000122_3": "「――了解。",
"364000122_4": " なんだか、前より早くノイズを倒せているかも?」",
"364000122_5": "「今のわたしたちは、装者の方々と同じように\\n 胸の歌を力と変えることができますから」",
"364000122_6": "「……だけど、装者の力は、歌はこんなものじゃなかったッ!」",
"364000122_7": "「詳しく聞いたわけではありませんが、立花さんたちは、\\n 大きな困難をいくつも超えてきたと言っていました」",
"364000122_8": "「うん、アニメで言ったら4期分に相当するくらいの困難を……。\\n だからわたしたちも、つずつ乗り越えていこうよ」",
"364000122_9": "「……そうね。\\n 本物のヒーローになるために――」",
"364000122_10": "「えッ、何の騒ぎッ!?」",
"364000122_11": "「まだノイズが残っていたのでしょうか?」",
"364000122_12": "「ええい、何が『デリートを確認』よ。\\n 職務怠慢なんじゃないッ」",
"364000122_13": "「どうしたのかね? 作戦が終了したのなら、\\n さっさと――」",
"364000122_14": "「どうしたもこうしたもないわッ!\\n 近くで悲鳴が聞こえたんだけどッ」",
"364000122_15": "「まだノイズがいるんじゃないのッ!?」",
"364000122_16": "「<ruby=ボキ>僕</ruby>の仕事ぶりを疑うのかねッ!?\\n <ruby=チミ>君</ruby>たちの近辺にノイズの反応は一切ないッ!」",
"364000122_17": "「二課の検知に引っかからないはずが――」",
"364000122_18": "「機械で分からないなら目で見て確認するわッ!\\n それでは、現場に急行しますッ はい、通信終了ッ」",
"364000122_19": "「よし、それじゃ行こう。\\n 装者のみんななら、こんな騒ぎをほっとくわけないんだから」",
"364000122_20": "「ううぅ……」",
"364000122_21": "「あ、あ、あぁ……」",
"364000122_22": "「人が倒れて……」",
"364000122_23": "「ノイズの仕業ではありませんね。\\n 何か、事故があったのでしょうか」",
"364000122_24": "「違うわッ! あそこを見てッ!!」",
"364000122_25": "「何なのよ、あの怪物はッ!?」"
}

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@ -0,0 +1,9 @@
{
"364000131_0": "「状況から見て、明らかに――」",
"364000131_1": "「この人たちを襲ったのは――」",
"364000131_2": "「ガァァァァァァァァッ!」",
"364000131_3": "「危ないッ!」",
"364000131_4": "「やっぱり、この怪物がッ!」",
"364000131_5": "「でしたら、わたしたちのすべきことは明らかですッ!」",
"364000131_6": "「連戦上等ッ! 何者だか知らないけれど、\\n あたしたちの前に現れたのが運の尽きよッ」"
}

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@ -0,0 +1,37 @@
{
"364000132_0": "「まずは、動きを止めますわッ!」",
"364000132_1": "「見かけ倒しねッ!\\n あたしの矢のほうが速い……ッ」",
"364000132_2": "「よし、トドメ――」",
"364000132_3": "「待ってくださいッ!\\n ……何かおかしくないですか」",
"364000132_4": "「おかしいって?」",
"364000132_5": "「倒れている人たちに、\\n 目立った外傷がありません」",
"364000132_6": "「あ、本当だッ!\\n この怪物に攻撃された痕がないッ」",
"364000132_7": "「なら、この人たちは\\n どうして苦しんでいるのでしょう」",
"364000132_8": "「それは――」",
"364000132_9": "「う、う……」",
"364000132_10": "「うがあああああああッ!」",
"364000132_11": "「がはあああああああッ!」",
"364000132_12": "「ウ……ソ、でしょ……?」",
"364000132_13": "「そんな……わたしたちが戦っていた怪物は……」",
"364000132_14": "「来るわッ!」",
"364000132_15": "「グルゥ……ッ!」",
"364000132_16": "「く……ッ!\\n こんなの、どうしたら……」",
"364000132_17": "「そんなの、決まってるッ!」",
"364000132_18": "「戦うべき相手だとしても、\\n それ以上に救うべき人々なんだッ」",
"364000132_19": "「そうだよ……」",
"364000132_20": "「身体は変わっても、きっと心は残してる。\\n だから、助けてあげなきゃッ」",
"364000132_21": "「あの時、装者のみんなが\\n 怪物になりかけたあたしを助けてくれたみたいに……ッ」",
"364000132_22": "「そうですわね。\\n きっとこの人たちも、元に戻す手段があるはずです」",
"364000132_23": "「よし、距離を取って様子を見つつ――」",
"364000132_24": "「ギヤアアアアアアッ!」",
"364000132_25": "「――え?」",
"364000132_26": "「う……あ……」",
"364000132_27": "「急いで止血をッ!\\n ……駄目……傷が深すぎて……ッ」",
"364000132_28": "「…………」",
"364000132_29": "「そんな……。\\n もう、事切れて……」",
"364000132_30": "「誰がやったんだ……」",
"364000132_31": "「この人を殺したのは、\\n どこのどいつだぁああああああああああああああああああッ」",
"364000132_32": "「お前たち……。\\n 自分が、何をやったか――」",
"364000132_33": "「ええ、分かっているわ」",
"364000132_34": "「救ってあげたのよ。絶望からね」"
}

View file

@ -0,0 +1,22 @@
{
"364000211_0": "マンイーター",
"364000211_1": "「ったく、こちとら忙しいってのに、\\n 邪魔者が居合わせるとはついてないゼ」",
"364000211_2": "「ヴァネッサ、どうするでありますか」",
"364000211_3": "「放っておきましょう。\\n どうせ、何もできはしないわ」",
"364000211_4": "「わたしたちはわたしたちで\\n やるべきことをやるだけ」",
"364000211_5": "「ミラアルクちゃん、エルザちゃん、\\n 手分けしてアレを――殺すわよ」",
"364000211_6": "「了解したゼッ!」",
"364000211_7": "「……ガンスッ!」",
"364000211_8": "「待てッ!\\n そんなこと、絶対に――」",
"364000211_9": "「…………」",
"364000211_10": "「あいつら……他の怪物も全部殺すつもりだ",
"364000211_11": " みんな、人間なのにッ!」",
"364000211_12": "「そんなこと、させませんわッ!」",
"364000211_13": "「当たり前よッ!\\n なんとしてでも止めて――」",
"364000211_14": "「く……ッ!\\n あたしたちはみんなを助けたいのに……ッ」",
"364000211_15": "「グヴァァァァァァァッ!」",
"364000211_16": "「話は通じそうにありません。\\n 手当たり次第に暴れているようです」",
"364000211_17": "「この怪物の攻撃を捌きつつ、さっきの奴らを止めないとッ!\\n じゃなきゃ、また犠牲者が……」",
"364000211_18": "「分かってるッ!",
"364000211_19": " やらいでかああああッ!」"
}

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@ -0,0 +1,16 @@
{
"364000212_0": "「ブォォォォォ」",
"364000212_1": "「威力を抑えて、気絶による無力化を狙いますわッ!」",
"364000212_2": "「分かったッ! 全力全開がモットーだけど、\\n できるだけ控えめにッ ――赤射ッ」",
"364000212_3": "「ォォォォォ……」",
"364000212_4": "「回復された……ッ!?」",
"364000212_5": "「中途半端な威力の攻撃では意味がないようですわね……」",
"364000212_6": "「だけど、これ以上の威力で攻撃しちゃったら……ッ!」",
"364000212_7": "「…………ッ!」",
"364000212_8": "「オゴォ……ッ!」",
"364000212_9": "「マ……マ……」",
"364000212_10": "「――ッ!!!」",
"364000212_11": "「ウダウダとじれったかったから、\\n ウチがもらってやったゼ」",
"364000212_12": "「この子の明日を……、\\n 救えなかった……」",
"364000212_13": "「こんなの、許せない……ッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,21 @@
{
"364000221_0": "「もうこれ以上、させるかああああああッ!!」",
"364000221_1": "「おおっとッ!」",
"364000221_2": "「大丈夫でありますか?」",
"364000221_3": "「ああ、問題ないゼ」",
"364000221_4": "「もう……。\\n だからお姉ちゃんは放っておきなさいって言ったのに」",
"364000221_5": "「だけど、残りの標的は、みんなあいつらの向こう側だゼ?」",
"364000221_6": "「あらあら確かに……」",
"364000221_7": "「あなたたち、そこをどいてわたしたちを\\n 通してくれたりしないかしら」",
"364000221_8": "「通すわけがない……」",
"364000221_9": "「通りたければ、あたしたちを倒してからにしろッ!」",
"364000221_10": "「仕方ないわね。\\n 先ずはあの子たちから片付けましょう」",
"364000221_11": "「ああ、見せてやるゼッ!」",
"364000221_12": "「わたくしめらの力を……ッ!」",
"364000221_13": "「その姿は……ッ!?\\n メックヴァラヌスとも、シンフォギアとも違う――」",
"364000221_14": "「いえそもそも、纏うのではなく\\n 身体そのものを変化させてッ」",
"364000221_15": "「まるで、『怪物』――」",
"364000221_16": "「――ッ!」",
"364000221_17": "「言ったな。ウチらのことを、その言葉で――ッ!」",
"364000221_18": "「ウチらのことを、そう呼んでいいのは、\\n ウチらだけなんだゼ……ッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,53 @@
{
"364000222_0": "「ほらほら、どうなんだゼッ!?\\n 『怪物』の攻撃は……ッ」",
"364000222_1": "「く……ッ!\\n こいつ、なんでこんなにブチ切れて……」",
"364000222_2": "「ミラアルクちゃん、相手に『怪物』扱いされたくないのなら、\\n 何者であるのかきちんと伝えないと」",
"364000222_3": "「わたしたちは誇り高き深紅、『ノーブルレッド』\\n そう覚えてくれたら嬉しいわ」",
"364000222_4": "「ノーブルレッド……」",
"364000222_5": "「誇り高き深紅……だって……?」",
"364000222_6": "「何が誇りッ!\\n 人殺しにあるのは、悪心のみよ……ッ」",
"364000222_7": "「そんなもの、ここであたしがへし折ってやるッ!\\n みんなの明日を救うために……ッ」",
"364000222_8": "「正義の味方を気取るのね……。\\n だけど、そんな綺麗ごとだけでは何も為せはしないわ――ッ」",
"364000222_9": "「互角……」",
"364000222_10": "「本気を出して、ウチらと互角程度とはな……」",
"364000222_11": "「どうやらお前ら、正義の味方の割には\\n いささか中途半端な力しかないようだゼ」",
"364000222_12": "「――ッ!」",
"364000222_13": "「確かに、あたしたちはヒーロー未満……」",
"364000222_14": "「それでもッ!」",
"364000222_15": "「何が悪かは、分かっているつもりですわッ!」",
"364000222_16": "「勝手なことを言うなでありますッ!」",
"364000222_17": "「勝手と言いましたか……?\\n 無辜の人たちを害しておいて、今更そんな言い分を――ッ」",
"364000222_18": "「――ッ!」",
"364000222_19": "「わたくしめらは……こうすることでしか……」",
"364000222_20": "「――?」",
"364000222_21": "「エルザ、まともに答える必要なんかないゼッ!」",
"364000222_22": "「簡単なこと。\\n 『怪物』であるウチらにしかできない使命があるんだゼッ」",
"364000222_23": "「だからそろそろ、そこをどいてもらうとするゼッ!」",
"364000222_24": "「しまったッ!\\n 突破された……ッ」",
"364000222_25": "「怪物化した人たちを護らないと……ッ!」",
"364000222_26": "「させるかあああああッ! 赤しゃ――」",
"364000222_27": "「おっと」",
"364000222_28": "「グゥ……アァ……?」",
"364000222_29": "「人を盾に……ッ!?」",
"364000222_30": "「やっぱり攻撃できねぇよなぁ?」",
"364000222_31": "「ヴァネッサが言ったはずだゼ。そんな綺麗ごとに\\n 囚われているようじゃ何もできないってッ」",
"364000222_32": "「いくら力が互角だってなぁッ!」",
"364000222_33": "「ぐ……がは……ッ!」",
"364000222_34": "「人の命を道具のように扱うなんて……」",
"364000222_35": "「いま、はっきりと分かりました。\\n 人には、絶対に踏み越えてはいけない一線があります」",
"364000222_36": "「その一線を、あんたは軽々と踏み越えたッ!\\n あんたたちの行いに正義はないッ」",
"364000222_37": "「その通り。\\n あなたたちのように正義を気取るつもりは、さらさらないわ」",
"364000222_38": "「それにもう、終わったであります」",
"364000222_39": "「え?」",
"364000222_40": "「これで、全部であります」",
"364000222_41": "「余計な邪魔が入ったわね。\\n 撤収するわよ、ミラアルクちゃん、エルザちゃん」",
"364000222_42": "「全員……? そんな……」",
"364000222_43": "「これで分かったか?\\n 半端者にはウチらのことは止められやしないゼ」",
"364000222_44": "「ですから、もう二度とわたくしめらの\\n 邪魔をしないでほしいであります」",
"364000222_45": "「それじゃ、行きましょう」",
"364000222_46": "「ああ」",
"364000222_47": "「ガンス」",
"364000222_48": "「あたしたち……護れなかった……」",
"364000222_49": "「目の前で、みんなが苦しんでいたのに……」",
"364000222_50": "「あたしたちには、何もできなかった……」"
}

View file

@ -0,0 +1,67 @@
{
"364000311_0": "深紅に燃える悪辣",
"364000311_1": "「ぐぬぬぬぬぬぬ……」",
"364000311_2": "「ぬぬぬぬぬぬぬう……」",
"364000311_3": "「さっきからずっと唸ってるんだけど……、\\n お腹の調子でも悪いのかな」",
"364000311_4": "「恐らく、管轄外かと思っていた集団失踪事件の真相が\\n 『人間の怪物化』という未知の特異災害と分かり――」",
"364000311_5": "「司令に就任したばかりでこのような事態を\\n どう処理したものかと途方に暮れているのでしょう」",
"364000311_6": "「やかましいッ! 他人の痛いところを堂々と突くのは\\n マナー違反だと教わらなかったのかね」",
"364000311_7": "「お鉢が二課に回って来たからには仕方がない。華麗に解決し、\\n <ruby=ボキ>僕</ruby>の地位とボーナスを盤石のものとしてみせよう」",
"364000311_8": "「だから<ruby=チミ>君</ruby>たちも、\\n いつまでも、うなだれてばかりいられると困るのだ」",
"364000311_9": "「…………」",
"364000311_10": "「ねえ、もしかしてさなぎマンなりに、\\n 慰めてくれてるのかな」",
"364000311_11": "「こう見えて、優しいところもなくもないですからね。\\n ほとんど誤差レベルではありますけど」",
"364000311_12": "「おい、トゲのある含みをするなら\\n 当人に聞こえないように配慮したまえ、<ruby=チミ>君</ruby>たちィッ!」",
"364000311_13": "「司令……。\\n 心配かけてゴメン」",
"364000311_14": "「……フンッ!」",
"364000311_15": "「それに、ただ途方に暮れている<ruby=ボキ>僕</ruby>ではないッ!\\n 既に被害者の遺体の検査は進んでいるのである」",
"364000311_16": "「本当ですかッ!?」",
"364000311_17": "「むっふんッ!」",
"364000311_18": "「ではもしや、怪物化現象の原因にも\\n すでに目処が立っているのでしょうか」",
"364000311_19": "「……それは、皆目さっぱりだ」",
"364000311_20": "「特異災害対策機動部二課司令官である<ruby=ボキ>僕</ruby>にだって、\\n 分からないことくらい……ある」",
"364000311_21": "「それより、実際に現場に居合わせた<ruby=チミ>君</ruby>たちこそ、\\n 怪物化現象について気づいたことは無いのかね」",
"364000311_22": "「……正直なところ、人々が怪物になってしまった\\n という事実以外、何も分からないわ……」",
"364000311_23": "「救う方法だって、あったのかもしれないけれど、\\n その前に……」",
"364000311_24": "「そうッ! 何より早急に調査が必要なのが\\n その『ーブルレッド』と名乗った人組のことだッ」",
"364000311_25": "「ヴァネッサ、ミラアルク、エルザと呼び合っていたわ……」",
"364000311_26": "「間違いなく、あの怪物化現象と\\n 深く関わっていると思うけど……」",
"364000311_27": "「もしかすると、彼女たちがこの事件の\\n 首謀者なのではないでしょうか」",
"364000311_28": "「何かの実験を行っていたけど、\\n 失敗して、証拠を消す必要があった……とか」",
"364000311_29": "「可能性はあるな。\\n 割と高めの確率で」",
"364000311_30": "「事件とどういう繋がりがあるにせよ、\\n あたしたちの敵であることに間違いないわ」",
"364000311_31": "「そうですわね。苦しむ人々の命を、\\n わたしたちの目の前で奪ったのですから……」",
"364000311_32": "「しかも、あいつらはきっと、\\n これからもまだ、同じことを起こそうとしている」",
"364000311_33": "「絶対に許さない……。もし次があったら絶対に、\\n 怪物化した人々を救いきってみせるんだからッ」",
"364000311_34": "「司令ッ! 緊急通報です……ッ!」",
"364000311_35": "「これは……ッ!\\n 人々の怪物化現象が発生したとのことですッ」",
"364000311_36": "「――ッ!」",
"364000311_37": "「どうやら思ったより早く、\\n 『次』が来たようね……ッ」",
"364000311_38": "「ヴァネッサ、ただ今戻ったであります」",
"364000311_39": "「お疲れ様。首尾はどうだったかしら?」",
"364000311_40": "「わたくしめらの邪魔をした\\n あの子たちの素性が分かったであります」",
"364000311_41": "「日本政府の特務機関、特異災害対策機動部二課に所属する竜姫、\\n まさに正義の味方でありますね」",
"364000311_42": "「竜姫……」",
"364000311_43": "「それとこの通り、当面の間不自由しないだけの\\n 稀血を手に入れたであります」",
"364000311_44": "「偉いわ。さすがエルザちゃんッ!」",
"364000311_45": "「…………」",
"364000311_46": "「エルザちゃん?」",
"364000311_47": "「わたくしめは、こんなものを使わなければ満足に活動すること\\n すらできないこの身体が、恨めしいのであります……」",
"364000311_48": "「そうね……」",
"364000311_49": "「だけど、この苦しみは今だけのもの。きっといつか、\\n 人揃って望みを叶えることができる日が来るわ」",
"364000311_50": "「昔のように、普通の人間の身体に\\n 戻るのよ……」",
"364000311_51": "「……そうでありますね。\\n そのためにも、今は――」",
"364000311_52": "「ええ。いつでも戦えるよう、\\n すぐに稀血による透析を行いましょう」",
"364000311_53": "「周囲の見張りをしているミラアルクちゃんを呼び戻して――」",
"364000311_54": "「残念だが、その時間はないみたいだゼ」",
"364000311_55": "「まさか……ッ!」",
"364000311_56": "「ああ、急がないと」",
"364000311_57": "「その竜姫とか言ったっけ?\\n きっとあいつらもまた来るゼ」",
"364000311_58": "「さて始めるわよ」",
"364000311_59": "「奴らが来る前に事を終えて、\\n 立ち去りたいところでありますが……」",
"364000311_60": "「チッ、そうはいかないみたいだゼ」",
"364000311_61": "「やるべきことは変わらないわ。\\n この前と同じように、邪魔をするなら退けるのみ」",
"364000311_62": "「あいつら……ッ!」",
"364000311_63": "「あんなにたくさんの人々が怪物に……。\\n 今回も、その始末が目的ですのね」",
"364000311_64": "「させないッ! 人々の明日を奪わせないッ!\\n この、メックヴァラヌスでえええッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,17 @@
{
"364000312_0": "「ちィッ! 竜姫め……、\\n ことごとくウチらの邪魔をしてくれるゼ……ッ」",
"364000312_1": "「もう誰の命も奪わせたりしないッ!」",
"364000312_2": "「それが、あたしたちの<ruby=せいぎ>誓い</ruby>ッ!\\n あんたたちのような悪を許すもんか……ッ」",
"364000312_3": "「――わたくしめらだって、好きでこんなことを\\n しているわけではないのであります……」",
"364000312_4": "(え……? いま……)",
"364000312_5": "「洒落臭いわッ!!」",
"364000312_6": "「くぅ、スレスレ……」",
"364000312_7": "「怪物になるということが、\\n どういうことかも知らないくせにッ」",
"364000312_8": "「……?」",
"364000312_9": "「あなたはあの時、わたしたちを『怪物』と呼んだ」",
"364000312_10": "「ええその通りッ!」",
"364000312_11": "「怪物とは、怪物として生まれてくるのではなく、誰かから\\n 怪物としての役割を与えられて怪物と成るのだからッ」",
"364000312_12": "「わたくしめらは、その役割に準じているのであります」",
"364000312_13": "「だからこそ、やらなくちゃいけない……。\\n これはウチらにしかできない使命なんだゼ……ッ」",
"364000312_14": "「人を殺すことが、使命……?\\n 何を言って……」"
}

View file

@ -0,0 +1,18 @@
{
"364000321_0": "「怪物に『させられた』あの人たちのためにも、\\n これはわたしたちがしなくてはいけないことなの……ッ」",
"364000321_1": "「ぐう……ッ!」",
"364000321_2": "「2人とも、ごめんッ!\\n あいつらが言ってること、あたし全然分からないッ」",
"364000321_3": "「安心して、わたしもだよ」",
"364000321_4": "「ただ1つ言えることは……。この怪物化現象、\\n 引き起こしたのは、あの人たちではないのかもしれません」",
"364000321_5": "「あくまで、彼女たちが語っていることが\\n 真実だとするならば、ですが……」",
"364000321_6": "「…………」",
"364000321_7": "「だけどやっぱり……分からないよッ!\\n どうしてそれが、人の命を奪うことになるのか……ッ」",
"364000321_8": "「納得できる理由があるなら、説明してよ……ッ!」",
"364000321_9": "「おあいにく様、お前たちに納得できるとも思ってないし、\\n 納得してほしいとも思ってないウチらだゼ」",
"364000321_10": "「その通りでありますッ!\\n 押し通らせてもらうでありますッ」",
"364000321_11": "「分かった……。それがノーブルレッドの使命だっていうのなら、\\n あんたたちを止めることが、竜姫の使命だッ」",
"364000321_12": "「2人とも……」",
"364000321_13": "「ええ、分かっていますわ」",
"364000321_14": "「とっておきの訣戦機能、今が使う時だ――ッ!」",
"364000321_15": "「訣戦機能――ッ!?」"
}

View file

@ -0,0 +1,38 @@
{
"364000322_0": "「この力は……ッ!?」",
"364000322_1": "「これまでとは、まるで違うでありますッ!」",
"364000322_2": "「く……う、受けきれない……ッ!」",
"364000322_3": "(荒れ狂う邪竜の力は諸刃の剣ッ!\\n そう長くは持たない――ッ",
"364000322_4": "(だけど、気合とやる気と頑張りで\\n 抑えきってみせるッ",
"364000322_5": "(皆さんを護りきるまでは――ッ!)",
"364000322_6": "「うぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?」",
"364000322_7": "「エルザちゃんッ!?」",
"364000322_8": "「ヴァネッサ、パナケイア流体の限界が近い。\\n これ以上は戦えないゼ」",
"364000322_9": "「はぁ……はぁ……」",
"364000322_10": "「……撤収しましょう。\\n ここで日本政府に捕縛されるわけにはいかないわ」",
"364000322_11": "「申し訳ないであります……」",
"364000322_12": "「今回はタイミングが悪かったわ。",
"364000322_13": " 行くわよ、2人とも」",
"364000322_14": "「ああ」",
"364000322_15": "「ガンス……」",
"364000322_16": "「か……勝てた……」",
"364000322_17": "「でも、まだ怪物になった人たちが……」",
"364000322_18": "「ウォォォォォォォォォッ!」",
"364000322_19": "「どうしましょう……。\\n いまのわたしたちでは……」",
"364000322_20": "「けど、せっかく奴らから護ったのに、\\n あたしたちが台無しにするわけには……ッ」",
"364000322_21": "「ウォォォン……」",
"364000322_22": "「……え? どういうこと?」",
"364000322_23": "「大丈夫ですかッ!?」",
"364000322_24": "「……よかった、気を失ってるだけみたい」",
"364000322_25": "「つまり、時間が経過すると、\\n 人間に戻れるということなのでしょうか」",
"364000322_26": "「とにかく、よかった……」",
"364000322_27": "「今度こそ、作戦成功ですね。\\n ナイスですッ」",
"364000322_28": "「――ん?」",
"364000322_29": "「安藤さん、どうしました?」",
"364000322_30": "「ううん、何でもない」",
"364000322_31": "(誰かがこっちを覗いている気がしたけど、\\n あいつらは逃げたし、気のせいだよね",
"364000322_32": "「それなら……もう、休んでもいいよね……」",
"364000322_33": "「限界……です」",
"364000322_34": "「アハハ。だね……」",
"364000322_35": "「経過は、順調……」"
}

View file

@ -0,0 +1,36 @@
{
"364000411_0": "同盟",
"364000411_1": "「はぁ……はぁ……。\\n 助かったであります……」",
"364000411_2": "「エルザちゃんが稀血を手に入れてくれていたおかげよ」",
"364000411_3": "「デヴァステイター……あの力はなんなんだゼ。\\n 出し惜しみしてたのか」",
"364000411_4": "「出し惜しみをしなくてはならない理由があるのなら、\\n 助かるのだけれどね」",
"364000411_5": "「だけど、それよりも胸糞悪いのはあいつらの物言いだゼ」",
"364000411_6": "「何も知らないくせに正義面しやがって……。\\n クソ……ッ」",
"364000411_7": "「……表の世界で生きる者たちであれば、\\n あの反応が普通なのよ」",
"364000411_8": "「特に、正義を標榜しなければならない立場にいる\\n あの人には、わたしたちは悪と呼ばれても仕方がない」",
"364000411_9": "「ヴァネッサ……」",
"364000411_10": "「だからこそわたしたちが\\n やり遂げなくてはならないのよ」",
"364000411_11": "「わたしたちでなければ\\n できないことなのだから」",
"364000411_12": "「ガンス……ッ!」",
"364000411_13": "「その通りだゼ。\\n あんな奴らに構っている暇はない」",
"364000411_14": "「……とは言え、怪物化現象を引き起こしている\\n 黒幕の居場所は依然として不明」",
"364000411_15": "「後手に回ってばかりだゼ……」",
"364000411_16": "「今は、できることを1つずつやっていくしかないわね。\\n この事件の裏にいるであろう人物――」",
"364000411_17": "「わたしたちを『怪物』に作り替えた、\\n 彼女を見つけ出すために」",
"364000411_18": "「そうすれば、『人間』に戻る方法が分かるはず……」",
"364000411_19": "「……でも本当に、そうでありましょうか……」",
"364000411_20": "「エルザ……」",
"364000411_21": "「わたくしめらは、怪物のなりそこない……。\\n 既にどうしようもなく、『人外』であります」",
"364000411_22": "「あらゆる手を尽くして、尽くし終わって、\\n 人間に戻ることができないと分かったら――」",
"364000411_23": "「今までのような苦しみを、\\n この先もずっと味わっていかなければいけないなら――」",
"364000411_24": "「もう、生きる意味さえ……」",
"364000411_25": "「わたしはあるわよ、それでも生きる意味。\\n それはね、エルザちゃん、ミラアルクちゃん、人の妹たちよ」",
"364000411_26": "「――ッ!」",
"364000411_27": "「パヴァリア光明結社で人体実験にさらされていたあの頃、\\n わたしも生きている意味なんて無いって思っていたわ」",
"364000411_28": "「だけど2人と出会って、初めて生きていたいって思えたの。\\n そして、この子たちと一緒に人間に戻りたいって――」",
"364000411_29": "「ウチもッ! ウチもだゼッ!\\n ヴァネッサ……ッ」",
"364000411_30": "「わたくしめも、同じであります……ッ!」",
"364000411_31": "「悪かったであります。\\n まだ結果が分からぬうちから、諦めるようなことを……」",
"364000411_32": "「そうよ。3人でいさえすれば、\\n なんとかなるなる、なんだから」",
"364000411_33": "「だから、『ノーブルレッド』である限り、\\n 希望を捨てず、先に進み続けましょう」"
}

View file

@ -0,0 +1,90 @@
{
"364000421_0": "「どうしたの?\\n 急に呼び出しだなんて」",
"364000421_1": "「怪物化現象事件について、何か進展があったとか?」",
"364000421_2": "「ン~フフフフ、\\n うぉっほんうぉっほんわざとらしい咳払い」",
"364000421_3": "「――時に、\\n <ruby=チミ>君</ruby>たちはアプトン社を知っているかね?」",
"364000421_4": "「そりゃあ……まぁ……」",
"364000421_5": "「有名な大企業だからねぇ」",
"364000421_6": "「そうッ、実に有名な大手一部上場企業の\\n アプトン社である」",
"364000421_7": "「先の作戦で、怪物化現象の被害者たちを\\n 多数保護しておるわけだが……」",
"364000421_8": "「その治療および研究に、\\n 同社が名乗り出てくれたのだよッ」",
"364000421_9": "「あのッ、超有名なアプトン社がッ!」",
"364000421_10": "「わッ、すごい」",
"364000421_11": "「よかった……あの会社なら、\\n いい結果が期待できるんじゃないかな」",
"364000421_12": "「それはナイスですッ!」",
"364000421_13": "「というわけで、この件に関しては官民協力し合って\\n 対応することになったのだ」",
"364000421_14": "「二課が被害者の保護、\\n アプトン社が治療と原因究明と言った具合にな」",
"364000421_15": "「それで今日は、社長自ら<ruby=ボキ>僕</ruby>のもとに\\n 挨拶に来ることになっている」",
"364000421_16": "「そこで、<ruby=ボキ>僕</ruby>と社長がガッチリ手を結ぶところを\\n <ruby=チミ>君</ruby>たちにも拝ませてあげようと思ってね」",
"364000421_17": "「何なら写真撮影もオッケー。\\n <ruby=ボキ>僕</ruby>の爽やかな笑顔をフレームに収めてくれたまえ」",
"364000421_18": "「ただしッ! いくら<ruby=チミ>君</ruby>たちが<ruby=デジタルネイティブ></ruby>だからといって、\\n に拡散するようなことは控えてくれたまえよ」",
"364000421_19": "「司令の性格の悪さを見て、\\n やっぱり辞退するって言いださないといいけど……」",
"364000421_20": "「それはナイスじゃないですね……」",
"364000421_21": "「司令、アプトン社の社長が到着されました」",
"364000421_22": "「むふぅ、通してくれたまえ」",
"364000421_23": "「この度は、弊社の申請を受諾していただき、\\n 誠にありがとうございました」",
"364000421_24": "「私が社長の丸良忠雄。\\n こちらが秘書の六角です」",
"364000421_25": "「お初にお目にかかります」",
"364000421_26": "(この人が……)",
"364000421_27": "(アプトン社の社長……)",
"364000421_28": "「うむ、これで<ruby=チミ>君</ruby>たちアプトン社も、\\n 政府公認機関と提携できたわけだ」",
"364000421_29": "「<ruby=チミ>君</ruby>も社員たちも、さぞ鼻が高かろう。\\n ンフフフフフ」",
"364000421_30": "「ええ、それはもう光栄なことです」",
"364000421_31": "(大人の対応ですわッ!)",
"364000421_32": "「ただね、権力に媚びるのは結構だが、\\n きちんと結果を出してくれないと困るのだよ」",
"364000421_33": "「<ruby=チミ>君</ruby>たちの研究技術を、<ruby=ボキ>僕</ruby>は買っているのだからね」",
"364000421_34": "「はい、もちろんです。ですが……」",
"364000421_35": "「……フフ、本当にキミは変わらないね。\\n 学生の頃から、そのままだ」",
"364000421_36": "「学生の……ふむ、む……」",
"364000421_37": "「……ハッ、まさか……ッ!?\\n 丸良……ハナマルの丸良かねッ」",
"364000421_38": "「?」",
"364000421_39": "「やっぱり凪クンだろう? ただの同姓同名だったら\\n どうしようかと思ったけれど」",
"364000421_40": "「別人が真似できるキャラクターではないしね、キミは。\\n おっと、もちろんこれは褒め言葉だよ」",
"364000421_41": "(さなぎマンとアプトン社の社長が……)",
"364000421_42": "(御学友でしたとは……)",
"364000421_43": "「ぐ、ぐ、ぐ……貴様がアプトン社の社長だったとは……。\\n いや、成績トップの貴様なら不思議はないが……」",
"364000421_44": "「このような形で再会できたことを、\\n とても喜ばしく思っているよ」",
"364000421_45": "「ぐぬぬ……超有名な一部上場企業の社長になったからと\\n 偉そうに……ッ」",
"364000421_46": "「確かに、知名度では<ruby=ボキ>僕</ruby>の方がちーっとばかり\\n 劣るかもしれんッ」",
"364000421_47": "「だがそれは、<ruby=ボキ>僕</ruby>の組織は防衛機密の塊でッ!\\n あまり表沙汰にできないからだッ」",
"364000421_48": "「しかぁしッ、それでも特異災害対策機動部二課は\\n 政府直属の秘密組織ッ」",
"364000421_49": "「<ruby=ボキ>僕</ruby>の方が立場が上であることを\\n 忘れるなッ」",
"364000421_50": "「当然じゃないか。私も旧友がそんな地位にまで\\n 上り詰めたと思うと誇らしいよ」",
"364000421_51": "「誰が旧友かッ!」",
"364000421_52": "「思い出すなぁ。凪クンが宿題の提出前に、\\n 私の回答をわざわざチェックしてくれたりして」",
"364000421_53": "「う、うむッ!?\\n そんなこともあったかも……」",
"364000421_54": "「…………」",
"364000421_55": "「…………」",
"364000421_56": "「…………」",
"364000421_57": "「チガウヨ? 回答ノマルウツシトカシテナイヨ?」",
"364000421_58": "「おっと、想い出話をしに来たんじゃなかったね」",
"364000421_59": "「我々が立ち向かわなくてはいけないのは、\\n 人間の怪物化という恐ろしい現象だ」",
"364000421_60": "「既に検査は始めているよ」",
"364000421_61": "「怪物化し一定時間暴れた後、人の姿に戻り昏倒した被害者たち。\\n 彼らの意識はまだ戻っていない。体内に原因の核があるはずだ」",
"364000421_62": "「だけど、必ず突き止め、救ってみせるよ」",
"364000421_63": "「凪クンが二課を背負い誇りを持って戦っているように、\\n 私にもアプトン社社長としての誇りがある」",
"364000421_64": "「さすがは『弱きを助け、強さは持たない』で\\n おなじみの社長ッ」",
"364000421_65": "「こらこら……ッ!」",
"364000421_66": "「ハハハ、構わないですよ。……『強さ』は君たちに託します。\\n メックヴァラヌスを纏う竜姫たち」",
"364000421_67": "「何ィッ!? 貴様、機密情報をどこからッ!?」",
"364000421_68": "「ノイズとの戦闘は隠しきれるものでもないし、\\n この立場にいると、自然と色々な情報が入ってきてしまうんだ」",
"364000421_69": "「む、むぅ……」",
"364000421_70": "「社長、そろそろ次の予定が……」",
"364000421_71": "「そうか。すまない、久々に会ったのだから、\\n もっとゆっくり話したかったのだけど、それはまたの機会に」",
"364000421_72": "「フンッ、こっちから話すことなど、\\n 何もないわッ」",
"364000421_73": "「竜姫の皆さんも、よろしくお願いします。\\n そして、どうかご無事で」",
"364000421_74": "「怪我を治すのは我々の仕事ですが、\\n 傷つかずに済むのが一番ですから」",
"364000421_75": "「はいッ!」",
"364000421_76": "「それでは……今後ともよろしくお願いいたします」",
"364000421_77": "「ほぇ~……さすが、アプトン社の社長、\\n できた人間だったねぇ……」",
"364000421_78": "「チッ、竜姫たちに取り入りよって……。\\n そういうところが昔から大嫌いだったのだよッ」",
"364000421_79": "「器ちっちゃい……」",
"364000421_80": "「慣れてしまっていましたが、こうして比べてしまうと、\\n やはり……」",
"364000421_81": "「なぜか<ruby=ボキ>僕</ruby>の評価が急転直下ッ!?」",
"364000421_82": "「それじゃあ、わたしたち、もう帰っていい?」",
"364000421_83": "「いや、さすがに<ruby=ボキ>僕</ruby>だって写真撮影のためだけに<ruby=チミ>君</ruby>たちを\\n 呼んだりはせんよ もうつ用件があるのだ」",
"364000421_84": "「本当にそれだけだと思ってた……」",
"364000421_85": "「トホホ……。先日の戦闘で、\\n 久々にデヴァステイターを起動させたろう」",
"364000421_86": "「そこから受けた影響を検査する意味で、\\n 戦闘シミュレーションを行うつもりだったのだ」",
"364000421_87": "「なるほど。司令の威厳を保つための方便でもなさそうだし、\\n いっちょやりますか」"
}

View file

@ -0,0 +1,85 @@
{
"364000422_0": "「デヴァステイターのバックファイアは、\\n 大したこと無くてよかったね」",
"364000422_1": "「そうですね。またいつ、ノーブルレッドとの\\n 戦闘になるか分かりませんから……」",
"364000422_2": "「ねぇ、ノーブルレッドは事件の首謀者じゃないかも\\n しれないって、この前話したよね」",
"364000422_3": "「だったら、何のためにあんなことしてるんだろう?」",
"364000422_4": "「この前の交戦時――」",
"364000422_5": "「確かに聞きましたわ。\\n 好きでこんなことをしているのではない、と」",
"364000422_6": "「彼女たちには彼女たちの、\\n 何か事情があるのではないでしょうか」",
"364000422_7": "「事情……? 人の命を奪うほどの……?」",
"364000422_8": "「…………」",
"364000422_9": "「……うん、やっぱりそんなものはない」",
"364000422_10": "「板場さん……」",
"364000422_11": "「だってそうでしょう?」",
"364000422_12": "「あたしたちは、名前も知らない誰かに命を救われて、\\n みんなの明日を救うと決めた」",
"364000422_13": "「命は、その人の明日なんだ。それを他の誰かが奪う権利なんて、\\n あっていいはずがないよ……」",
"364000422_14": "「……うん、きっとそうだね。\\n わたしもそう思う」",
"364000422_15": "「ノーブルレッドにどんな事情があったって、\\n あたしたちは、凶行を止めるだけだ」",
"364000422_16": "「板場さんの言っていることは、正しいと思いますが……。\\n 本当に戦えば解決するのでしょうか……」",
"364000422_17": "「…………」",
"364000422_18": "「…………」",
"364000422_19": "「…………」",
"364000422_20": "「――あいたッ!」",
"364000422_21": "「奈々美ッ!?」",
"364000422_22": "「ご、ごめんなさいッ!\\n 盗み聞きをするつもりはなかったんですけど……」",
"364000422_23": "「ううん、こんなところで話していた\\n わたしたちが悪いんだし」",
"364000422_24": "「ごめんなさい、暗い話を聞かせてしまって……」",
"364000422_25": "「ゴ、ゴホン――ッ!」",
"364000422_26": "「奈々美――?」",
"364000422_27": "「――♪」",
"364000422_28": "「そ、その歌って……」",
"364000422_29": "「はい。あの時――」",
"364000422_30": "「蛇に呑まれそうな絶望の中、先輩たちが唄ってくれた、\\n 希望の歌ですッ」",
"364000422_31": "「わたし、どんな状況でも胸を張って、信じる者のために\\n 先に進むというあの歌が大好きで」",
"364000422_32": "「くじけそうになっても、\\n 前を向ける気がして……ッ」",
"364000422_33": "「だから、今回もまた、大きな絶望が迫っているのなら、\\n この歌のことを思い出してほしいです」",
"364000422_34": "「――なんて、すみません。真面目なお話をしていたのに、\\n わたしなんかが何言ってるんだって感じですよね……」",
"364000422_35": "「ううんッ! そんなことないッ!」",
"364000422_36": "「大事なことを忘れかけていた気がする。\\n 奈々美の教えてくれた通りねッ」",
"364000422_37": "「うん。何があっても、信じよう。\\n わたしたちは自分たちの正義と信念を」",
"364000422_38": "「ええ、胸を張って……ッ!」",
"364000422_39": "「よかった……」",
"364000422_40": "「あッ! そういえば、先生から書類を預かってきたんでした。\\n はい、こちらです」",
"364000422_41": "「大儀であったッ!\\n 二階級特進ッ」",
"364000422_42": "「それはもういいから」",
"364000422_43": "「ありがとうございます」",
"364000422_44": "「それでは、ちょっと約束があるのでこれで失礼しますね。\\n さようならッ」",
"364000422_45": "「はあ……いい子ねぇ、奈々美」",
"364000422_46": "「そうだねー。ちょっとおっとりしてるから心配だけど……」",
"364000422_47": "「あら? あれは……」",
"364000422_48": "「ナンパかッ!? あたしたちの奈々美をッ!\\n 許すまじ……ッ」",
"364000422_49": "「いや、たぶん……」",
"364000422_50": "「ご兄弟がいると言っていましたから、\\n きっとお兄さんですよ」",
"364000422_51": "「お兄ちゃん、検査お疲れ様」",
"364000422_52": "「ああ。\\n いいって言ったのに、また待っててくれたのか」",
"364000422_53": "「たまたま帰る時間が重なったの。\\n それより、検査の結果はどうだったの」",
"364000422_54": "「いつも通りだよ」",
"364000422_55": "「お兄ちゃん……?」",
"364000422_56": "「悪かったッ! 悪かったよ。\\n ちゃんと言えばいいんだろ」",
"364000422_57": "「血液検査の結果は良好。各種数値は落ち着いてる。\\n このまま薬を飲んでいれば、もっとよくなるってさ」",
"364000422_58": "「アプトン総合病院の先生が言うんだから、間違いないよ」",
"364000422_59": "「それじゃ、また入院するようなこともないのね?」",
"364000422_60": "「ああ。もう1人にしたりしないよ。\\n もともと、大した病気ではないんだ」",
"364000422_61": "「そう、よかったぁ……」",
"364000422_62": "「よーし、今日はお祝いに、\\n 腕によりをかけて病人食を作ってあげるッ」",
"364000422_63": "「そこはステーキとかじゃないのか……」",
"364000422_64": "「それは完治するまでお預けですッ!」",
"364000422_65": "「……ああ、楽しみにしてるよ」",
"364000422_66": "「い、妹力53万だと……ッ!?」",
"364000422_67": "「いもうとりょくって。なにさ、その数値。\\n ユミが言わんとしてることはものすごく分かるけど」",
"364000422_68": "「ええ、とっても素敵なご兄妹なのですね」",
"364000422_69": "「病気のお兄さんのことも気遣いながら、あたしたちの\\n 手伝いもしてくれてるなんて、うう……ッ」",
"364000422_70": "「しかも、大変そうな顔1つせずに……」",
"364000422_71": "「わたしたちも、\\n もっともっと頑張らなくてはいけませんね」",
"364000422_72": "「ええ、日本全国の妹のためにも……ッ!」",
"364000422_73": "「――ッ!?」",
"364000422_74": "「こちら竜姫ッ!」",
"364000422_75": "「例によって例の怪物の発生だッ!」",
"364000422_76": "「また……ッ!」",
"364000422_77": "「しかも、3地点に同時発生ッ!\\n 確実に規模が大きくなってきているようだな……」",
"364000422_78": "「そんな……」",
"364000422_79": "「アプトン社の準備は万端だそうだ。\\n <ruby=チミ>君</ruby>たちの任務は――」",
"364000422_80": "「怪物から人々を護ること。\\n そして、ーブルレッドから怪物を護ることッ」",
"364000422_81": "「うむ、いい答えだ。今回の作戦は個人行動、\\n 人分かれて、それぞれのポイントの対処に当たってもらう」",
"364000422_82": "「分かりましたわ。\\n 皆さん、急ぎましょう」"
}

View file

@ -0,0 +1,13 @@
{
"364000511_0": "仮面の奥に隠れた素顔",
"364000511_1": "「グアオオオオ……ッ!」",
"364000511_2": "「前回よりも数が多いッ!?\\n 早く――」",
"364000511_3": "「邪魔だゼ――ッ!」",
"364000511_4": "「うわっとッ!?」",
"364000511_5": "「またお前か。\\n うんざりだゼ」",
"364000511_6": "「今回は1人だけ?」",
"364000511_7": "「ああ、ここはウチ1人で充分だゼ。\\n とっととお前を倒して、アレをぶち殺すッ」",
"364000511_8": "「そんなことさせないッ!」",
"364000511_9": "「他の2人のことだって、\\n ユミとテラジが、きっと止めてくれるッ」",
"364000511_10": "「ああ?\\n あの人が、お前らなんかに後れを取るかよッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,29 @@
{
"364000512_0": "「やっぱり、デヴァステイターとやらは\\n そう易々と使えないみたいだな――」",
"364000512_1": "「それなら、ウチにも勝機はあるゼッ!」",
"364000512_2": "「くうッ!\\n 食い下がるつもりッ」",
"364000512_3": "「当たり前だゼ」",
"364000512_4": "「ここにいるヤツらをさっさと片付けて、\\n ヴァネッサとエルザの分もウチが……ッ」",
"364000512_5": "「2人の手が、\\n これ以上血に汚れなくても済むように……」",
"364000512_6": "「それって、どういうことッ!?」",
"364000512_7": "「チッ……、\\n つい口が滑っちまったゼ……」",
"364000512_8": "「…………」",
"364000512_9": "「あなた、仲間に罪を重ねさせたくないんだ。\\n そうなんでしょ……」",
"364000512_10": "「だったら、\\n こんなやり方間違ってるッ」",
"364000512_11": "「説教だとッ!?\\n お前なんかに、ウチらの絆の何が分かるッ」",
"364000512_12": "「政府の犬としてチームを組まされた程度の\\n 薄っぺらなお前たちとは一緒にされたくないんだゼッ」",
"364000512_13": "「怪物の宿業を分かったふうに――ッ!」",
"364000512_14": "「な、防いだ……ッ!?」",
"364000512_15": "「それは聞き捨てならないよ」",
"364000512_16": "「わたしたちが流した血を、メックヴァラヌスを纏う覚悟を、\\n 共に唄った歌を――」",
"364000512_17": "「そっちこそ、わたしたちの絆を何も知らずに、\\n 知ったふうな口を聞くな――ッ」",
"364000512_18": "「ぐあ……ッ!?」",
"364000512_19": "「他の場所で戦っている2人のためにも、\\n わたしがここで倒れるわけにはいかないんだ……ッ」",
"364000512_20": "「仲間の、ために……」",
"364000512_21": "「怪物の宿業なんて、確かに分からない」",
"364000512_22": "「だけど、仲間を思う気持ちは、\\n 分かるかもしれないじゃんかッ」",
"364000512_23": "「ぐうう……ッ!」",
"364000512_24": "「……チッ!\\n なんなんだ……」",
"364000512_25": "「どうにも分が悪いッ!\\n でも、ウチに勝っただなんて思わないことだゼ……ッ」",
"364000512_26": "「もしかしたらあの子、\\n 思っていたよりも……」"
}

View file

@ -0,0 +1,15 @@
{
"364000521_0": "「そこをどくでありますッ!」",
"364000521_1": "「竜姫として、人として\\n それは聞けない相談ですわッ」",
"364000521_2": "「人として……」",
"364000521_3": "「癪に障る物言いであります。\\n そんなの、わたくしめらだって――ッ」",
"364000521_4": "「やっぱり後ろめたい気持ちがあるのですね。\\n あなた方は、決して殺しを楽しんではいませんでした」",
"364000521_5": "「怪物を名乗っての凶行も、本心とは違うのではないですか?\\n わたし、人間観察には少々自信があるんです」",
"364000521_6": "「…………ッ!」",
"364000521_7": "「言ったはずでありますッ!\\n お前に話す義理は無いとッ」",
"364000521_8": "「そうですよね……。\\n すぐに答えが聞けるだなんて、思っていません」",
"364000521_9": "「ですが――」",
"364000521_10": "「あなたは話が通じる『人』だと\\n わたしは思っていますよ」",
"364000521_11": "「――ッ!」",
"364000521_12": "「その口を閉じるでありますッ!\\n 邪魔をするなら、倒すだけでありますッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,37 @@
{
"364000522_0": "「やりづらい相手でありますッ!」",
"364000522_1": "「それはお互い様ですわ」",
"364000522_2": "「こうなったら無理にでも目的を果たして、\\n 早急に離脱を図るしか――」",
"364000522_3": "「ウウゥゥ……」",
"364000522_4": "「――ひと思いにッ!」",
"364000522_5": "「ネイル……ッ!」",
"364000522_6": "「させませんッ!」",
"364000522_7": "「く……ッ!\\n どこまでも邪魔をッ」",
"364000522_8": "「当然です。\\n わたしたちは、みんなの明日を救うと決めたのですからッ」",
"364000522_9": "「グルルル……ッ!」",
"364000522_10": "「ムガァァァァッ!!」",
"364000522_11": "「急に暴れだしたッ!?\\n いけません――ッ」",
"364000522_12": "「あいつ、苦し紛れに\\n 建材をなぎ倒して……ッ」",
"364000522_13": "「グガァァァッ!」",
"364000522_14": "「わあッ!」",
"364000522_15": "「――ッ!?\\n あんなところに小さな子がッ」",
"364000522_16": "「間に合ってッ!」",
"364000522_17": "「くう……ッ!\\n わたしが瓦礫を支えます。早くここから逃げて……ッ」",
"364000522_18": "「でも、ボク、足が……」",
"364000522_19": "「う……ッ!\\n 支えきれな――」",
"364000522_20": "「ぐぐぐぅ……ッ!\\n 押し返すであります……ッ」",
"364000522_21": "「あなたも瓦礫を……でしたら、\\n 一緒に……ッ」",
"364000522_22": "「ガンスッ!」",
"364000522_23": "「はぁ……はぁ……よかった、であります……」",
"364000522_24": "「やっぱりあなたは、わたしが思った通りの方でした」",
"364000522_25": "「…………」",
"364000522_26": "「でしたら、こんなことはもうやめて――」",
"364000522_27": "「できないであります」",
"364000522_28": "「これは、わたくしめらにしかできないこと……。\\n わたくしめらがやらねばならない使命であります」",
"364000522_29": "「この事件の先にいる存在を……、\\n わたくしめらを怪物として貶めた元凶を止めるまでは――ッ」",
"364000522_30": "「元凶を止める……それは一体ッ!?」",
"364000522_31": "「……つい話しすぎたであります。一時想いを重ねたとしても、\\n 分かり合うことなどできないというのに……ッ」",
"364000522_32": "「これ以上続けても意味は無いでありますね。\\n 口惜しいですが、今回は撤退するであります」",
"364000522_33": "「ま、待ってくださいッ!\\n まだ、お話が――ッ」",
"364000522_34": "「お話が済んでおりませんのに……」"
}

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@ -0,0 +1,15 @@
{
"364000531_0": "「やっぱり来たのね。これ以上邪魔をするようなら、\\n あなたたちのことも殺すしかなくなるわ」",
"364000531_1": "「灰島友鈴……。かつて殺し合うことになったあの子にも、\\n あの子なりの理由があった……」",
"364000531_2": "「何も聞かず『怪物』と、『悪』と謗ったことは謝るわ。\\n ならば教えてほしい、あなたたちの『理由』を……ッ」",
"364000531_3": "「わたしたちは怪物化した人たちを\\n 救いたいだけ」",
"364000531_4": "「救いたい……?」",
"364000531_5": "「そのためなら、\\n わたしたちは望んで『悪』を為すッ」",
"364000531_6": "「怪物化した人々の治療に、あのアプトン社が\\n 名乗りを上げてくれたのッ」",
"364000531_7": "「きっと、治療して、救い出してあげることができるッ!\\n だから――」",
"364000531_8": "「やっぱりあなたは、何も分かっていない……。\\n わたしたちを怪物に仕立て上げた連中の恐ろしさも……」",
"364000531_9": "「正しいやり方が常に人を救ってくれるだなんて\\n それは小さな世界しか知らない小娘の考え方なのよッ」",
"364000531_10": "「く……ッ!」",
"364000531_11": "「どうしてなの……どうして、人を救うと言いながら、\\n 血を流そうとするの……」",
"364000531_12": "「言ったでしょう。\\n これが怪物のやり方なんだって――ッ」"
}

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@ -0,0 +1,36 @@
{
"364000532_0": "「1対1なら、勝ちに持ち込めると思っていたけど……」",
"364000532_1": "「確かにあたしたちは、まだまだ未熟よ。\\n 小さな世界しか知らない小娘かもしれない」",
"364000532_2": "「だけど――、\\n ずっとそのままじゃないんだからッ」",
"364000532_3": "「なんて気迫……ッ!?」",
"364000532_4": "「あたしたちには目指す人がいるッ!\\n その人たちのように、本物のヒーローになれるまで……」",
"364000532_5": "「止まるわけにはいかないんだッ!\\n みんなの明日を護る<ruby=ヒーロー>竜姫</ruby>として――ッ!」",
"364000532_6": "「――ゴフッ!」",
"364000532_7": "(マズいわね。\\n こんな土壇場でパナケイア流体の澱みが……",
"364000532_8": "「うおおおおおおおッ!」",
"364000532_9": "「――ッ!」",
"364000532_10": "「どうして撃たないの?\\n もしかして情けをかけるつもり」",
"364000532_11": "「――違うッ!\\n そんなんじゃないッ」",
"364000532_12": "「あんたたちのやっていることを許すわけにはいかない。\\n でも、あんたは確かに『救いたい』と言った」",
"364000532_13": "「あんたが怪物のやり方にこだわるなら、\\n あたしも竜姫としての正義を通すだけ」",
"364000532_14": "「あたしは『人』は殺さない」",
"364000532_15": "「…………」",
"364000532_16": "「灰島友鈴とは、最後までやり合うしかなかった。\\n でもあんたたちとは、もしかしたら……ッ」",
"364000532_17": "「――ッ!」",
"364000532_18": "「その可能性はないわ。\\n そんな考えじゃ、ヒーローになる前に死ぬわよ」",
"364000532_19": "「うう……」",
"364000532_20": "「今回は退くわ。\\n あなたの甘さが、わたしを逃がしたの」",
"364000532_21": "「ねぇ……教えてよ。\\n あんたたちは一体何と戦っているの」",
"364000532_22": "「これはわたしたちの問題よ。首を突っ込まないで。\\n 次は負けたりしないわ」",
"364000532_23": "「…………」",
"364000532_24": "「大丈夫ですか、板場さん?\\n すぐに医療スタッフが参ります」",
"364000532_25": "「え? あ……、\\n あなたはアプトン社の」",
"364000532_26": "「怪物化した患者を収容するための搬送車両も回してあります。\\n あとはお任せください」",
"364000532_27": "「はい……。\\n 本当だ……救急車がたくさん……」",
"364000532_28": "「負傷者はこちらですか?」",
"364000532_29": "「ええ、早く収容をお願いします」",
"364000532_30": "「アハハ、見た目ほど大した怪我じゃありません。\\n 先に怪物化した人たちをお願いします」",
"364000532_31": "「承知しました」",
"364000532_32": "「だけどよかった……。\\n これで、みんなの明日を護ることができたのかな……」",
"364000532_33": "「…………」"
}

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@ -0,0 +1,30 @@
{
"364000541_0": "「――ユミ、怪我の具合はどうなの?」",
"364000541_1": "「心配しすぎだって。\\n メックの頑丈さは知ってるでしょ」",
"364000541_2": "「それでも無理は禁物ですよ?\\n ――ともあれ、今回は作戦が成功してよかったですわ」",
"364000541_3": "「うん……」",
"364000541_4": "「怪物化した人たちは、\\n 全員無事にアプトン社に搬送できたそうですね」",
"364000541_5": "「うん、収容スタッフもすぐ来てくれたし」",
"364000541_6": "「司令ってば、丸良社長のこと煙たがっていたのに、\\n きちんと連携は取ってくれてたんだね」",
"364000541_7": "「うだつの上がらない\\n さなぎマンじゃ終わらないってことですかね」",
"364000541_8": "「それにしても、ますますノーブルレッドたちのことが\\n 分からなくなったわ」",
"364000541_9": "「そうだね……」",
"364000541_10": "「ミラアルク、仲間の手を汚したくないって言ってた……」",
"364000541_11": "「エルザさんは、戦いに巻き込まれそうになった子供を、\\n 助けてくれましたわ」",
"364000541_12": "「ヴァネッサは、怪物化した人たちを救いたいって――」",
"364000541_13": "「やっぱり、殺したくて殺してるんじゃない」",
"364000541_14": "「きっと何か、事情が――」",
"364000541_15": "「そうなのかもしれない」",
"364000541_16": "「だからって、好きにさせるわけにはいかないよ」",
"364000541_17": "「それは、救えたかもしれなかった誰かの手を、\\n 離してしまうことになるんだから」",
"364000541_18": "「…………」",
"364000541_19": "「そういえばさ、わたしって前に、\\n メックヴァラヌスに呑まれて怪物になりかけたじゃん」",
"364000541_20": "「じゃん? って、そんな楽しい想い出みたいにッ!」",
"364000541_21": "「――確かに、あれも怪物化と言えば怪物化ですね」",
"364000541_22": "「もし、わたしがあのまま完全に怪物になって、\\n 元に戻らなくなったら――」",
"364000541_23": "「そしてわけも分からなくなってユミとテラジに襲い掛かったら、\\n どうなってたのかなって……」",
"364000541_24": "「わたしは2人を傷つけるくらいなら死んだほうがマシ。\\n 人はちゃんと、わたしを止めてくれる……」",
"364000541_25": "「止めるってつまり……」",
"364000541_26": "「それは……」",
"364000541_27": "「分からないよ……あたしには、そんなこと……」"
}

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@ -0,0 +1,35 @@
{
"364000611_0": "ありがとうの意味を探して",
"364000611_1": "「あれから数日、怪物化現象、起きてないね」",
"364000611_2": "「何もないに越したことはありませんが、\\n 少し不気味に感じてしまいます……」",
"364000611_3": "「うーん……」",
"364000611_4": "「どうしました?\\n 最近何か考え事が多いみたいですけど」",
"364000611_5": "「深夜のアニメシフトに苦労してるの?」",
"364000611_6": "「ううん、そうじゃなくて、いや、それも大事なんだけど、\\n うーん……」",
"364000611_7": "「なんか煮えきらないね。本当にどうしたのさ」",
"364000611_8": "「前回の出動のとき、\\n 頭の片隅に何かが引っかかったはずなのよ」",
"364000611_9": "「――はず?」",
"364000611_10": "「でも、それがよく分からなくて……」",
"364000611_11": "「本人が分からないんじゃ、どうすることもできないね……」",
"364000611_12": "「安心してください、板場さん。\\n 先日、丸良社長がおっしゃっていたではありませんか」",
"364000611_13": "「怪物化症例で意識不明となっている患者の体内に、\\n 怪物化の因子が残留していることを発見しました」",
"364000611_14": "「原因が分かったのですから、治療法の確立までもう一歩です」",
"364000611_15": "「ですから、その前に患者が死ぬようなことの無いよう、\\n 竜姫の皆さんには引き続きどうかよろしくお願いいたします」",
"364000611_16": "「ですから、被害者の皆さんのことでしたら、\\n アプトン社に任せれば、きっと大丈夫ですよ」",
"364000611_17": "「うん、そうだね――」",
"364000611_18": "「あッ! 分かったッ!\\n あたしが何に引っかかっていたのか――ッ」",
"364000611_19": "「――ッ!?」",
"364000611_20": "「な、なんだろうッ!?」",
"364000611_21": "「行ってみましょうッ!」",
"364000611_22": "「お、おにいちゃ……」",
"364000611_23": "「奈々美ッ!? 何があったのッ!?」",
"364000611_24": "「お……お兄ちゃんが……」",
"364000611_25": "「う……うう……」",
"364000611_26": "「この苦しみ方はッ!?」",
"364000611_27": "「まさか――ッ!」",
"364000611_28": "「ウ、グ、グ、グゥ……」",
"364000611_29": "「グワァァァァァッ!!」",
"364000611_30": "「そんな……お兄さんが……」",
"364000611_31": "「だけど、大丈夫ッ!\\n 救う方法ならある……ッ」",
"364000611_32": "「行くよッ、2人ともッ!!」"
}

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@ -0,0 +1,29 @@
{
"364000612_0": "「グォォォォッ! グァァァァァッ!」",
"364000612_1": "「きゃあああッ!」",
"364000612_2": "「テラジッ!」",
"364000612_3": "「やらせるかッ!\\n 四肢を狙って……ッ」",
"364000612_4": "「グゥゥゥ……」",
"364000612_5": "「これまでより、手強くなってる……ッ!?」",
"364000612_6": "「とにかく時間を稼ぎましょう。\\n そうすれば、いずれ元に――」",
"364000612_7": "「ウオオオオッ!!」",
"364000612_8": "「まだ動けるのッ!?」",
"364000612_9": "「くあああッ!」",
"364000612_10": "「きゃあッ!」",
"364000612_11": "「マズイッ! このままだと……」",
"364000612_12": "「……お兄ちゃん……?」",
"364000612_13": "「グォォォォォッ!」",
"364000612_14": "「奈々美を狙ってるッ!?\\n そんなこと、させるかァァァッ」",
"364000612_15": "「グォゥッ!」",
"364000612_16": "「ぐあああッ!?」",
"364000612_17": "「ねえ……、\\n お兄ちゃん、わたしのことが分かるよね……」",
"364000612_18": "「グァァァァァッ!!」",
"364000612_19": "「グオッ!?」",
"364000612_20": "「なるほど、こいつは……。\\n 思った以上に、ヤバそうだゼ」",
"364000612_21": "「だけどウチなら、止められる……ッ!」",
"364000612_22": "「グァ――ッ!?」",
"364000612_23": "「……すぐにラクになるはずだゼ」",
"364000612_24": "「あ……あ……」",
"364000612_25": "「そんな……」",
"364000612_26": "「ノーブルレッドぉぉぉおおおッ!」"
}

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@ -0,0 +1,27 @@
{
"364000621_0": "「ミラアルク……やったでありますか……」",
"364000621_1": "「……うぅ……」",
"364000621_2": "「近くに……」",
"364000621_3": "「こいつ、まだ意識がッ!?」",
"364000621_4": "「おい、教えろッ!\\n お前をこんな目に遭わせた奴のことをッ」",
"364000621_5": "「――――」",
"364000621_6": "「やっぱり予想通りでありましたね……」",
"364000621_7": "「……ああ、ようやく確信が持てたゼ」",
"364000621_8": "「あとのことは、任せてほしいであります」",
"364000621_9": "「……あり……がとう……」",
"364000621_10": "「…………」",
"364000621_11": "「え? いま……」",
"364000621_12": "「おにい……ちゃん……、\\n そんな……」",
"364000621_13": "「佐野さんッ!」",
"364000621_14": "「……ショックで気を失ったみたいです」",
"364000621_15": "「奈々美が目が覚ましたとき、\\n なんて声を掛けたら……」",
"364000621_16": "「分かり合えるかもって、少しだけ思ったのにッ!\\n お前ら、どうしてッ」",
"364000621_17": "「その人はナナミンの――ッ!!」",
"364000621_18": "「わたくしめらがやっていることは、\\n 最初から変わっていないであります」",
"364000621_19": "「何度も言ってるように、\\n お前たちに関わっている時間はないんだゼ」",
"364000621_20": "「まさか、このまま\\n 無事に行けるとでも思っているのッ」",
"364000621_21": "「そうですね。\\n いい加減、身柄を確保させてもらいますわ」",
"364000621_22": "「…………」",
"364000621_23": "「どうする?\\n 確かに、タダで逃がしてはくれなさそうだゼ」",
"364000621_24": "「仕方がない、相手をしましょう。\\n ただし、無理をしないこと。お姉ちゃん判断ですッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,14 @@
{
"364000622_0": "「そろそろ頃合いねッ!」",
"364000622_1": "「くそッ! 目眩ましだなんてッ!?\\n あいつら、どこに――」",
"364000622_2": "「わたしたちは、\\n 急いでやらなくちゃいけないことがあるの」",
"364000622_3": "「あなたたちは、あなたたちが救える命を、\\n 正義の下に救えばいい」",
"364000622_4": "「だけど……これ以上、\\n わたしたちの邪魔はしないで」",
"364000622_5": "「――待てッ!!」",
"364000622_6": "「少しでもわたしたちを理解しようとしてくれたことには\\n 礼を言っておくわ」",
"364000622_7": "「…………」",
"364000622_8": "「……逃がしてしまいました」",
"364000622_9": "「ナナミンの大切な人、護れなかった……」",
"364000622_10": "(どうしてなの……?)",
"364000622_11": "(奈々美のお兄さんがあいつらにお礼を……。\\n どうして……"
}

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@ -0,0 +1,14 @@
{
"364000631_0": "「死ぬ間際に、あいつが伝えてくれた情報――」",
"364000631_1": "「さて、どうやって敵の本丸に乗り込もうか?」",
"364000631_2": "「あの個体は相当な強さを持っていたであります。\\n 怪物化の研究が完成に近づいてしまっている証拠……」",
"364000631_3": "「ええ。\\n 手遅れになる前に彼女を止めないと……」",
"364000631_4": "「ですが、本当にわたくしめらに\\n できるのでありますか」",
"364000631_5": "「心配するなって。\\n ウチらが力を合わせれば、大丈夫だゼ」",
"364000631_6": "「このために、\\n はるばる日本まで来たんだ」",
"364000631_7": "「ミラアルクちゃんの言う通りよ。\\n わたしたち人ならきっと……」",
"364000631_8": "「そうでありますね。\\n 弱気になっている場合じゃなかったであります」",
"364000631_9": "「ああ、その意気だゼッ!」",
"364000631_10": "「わたしたちにやったことの借りは\\n きっちり返してもらうんだから……」",
"364000631_11": "「護摩堂睦美、\\n そして風鳴訃堂ッ」"
}

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@ -0,0 +1,43 @@
{
"364000711_0": "HELL'S GATE",
"364000711_1": "「それは確かなのねッ!?」",
"364000711_2": "「怪物が同時に3か所に発生したあの日、\\n 二課からアプトン社に、搬送の要請はしていないと」",
"364000711_3": "「したか、してないかで言うと、覚えてないッ!」",
"364000711_4": "「ただ、二課から連絡をした記録がないのは確かである」",
"364000711_5": "「それなのに、アプトン社は図ったようなタイミングで、\\n 過不足無い数の搬送車で現場に駆け付けた」",
"364000711_6": "「あたしが感じていた引っかかりは、このことよッ!」",
"364000711_7": "「うむう……」",
"364000711_8": "「それだけではありません。\\n 佐野さんのお兄さんの足取りを調べました」",
"364000711_9": "「ナナミンのお兄さんは、\\n 怪物化する直前にアプトン総合病院に行っていた」",
"364000711_10": "「ええいッ! <ruby=チミ>君</ruby>たちは結局のところ、\\n 何が言いたいのかねッ」",
"364000711_11": "「ノーブルレッドは、怪物化現象を\\n 直接引き起こしているわけじゃないと思うんだ」",
"364000711_12": "「でも、それなら他に、\\n 怪物を発生させている誰かがいることになります」",
"364000711_13": "「そう、事件の真犯人が」",
"364000711_14": "「まさか<ruby=チミ>君</ruby>たちは、それが――」",
"364000711_15": "「ハハハハハ、勘弁してください」",
"364000711_16": "「お嬢さん方はまさか、\\n それをアプトン社が行っていると考えておいでですか」",
"364000711_17": "「丸良社長……ッ!」",
"364000711_18": "「経過報告に来てみれば……。\\n さすが、若い方々は空想力が豊かだ」",
"364000711_19": "「だったら、どうして\\n 報告も受けないうちから収容者の数を把握していたの」",
"364000711_20": "「ちょっと待ちたまえッ!\\n <ruby=ボキ>僕</ruby>を差し置いて、話を進めようとするんじゃないッ!」",
"364000711_21": "「余計な責任問題を増やされるのは勘弁だ」",
"364000711_22": "「司令――ッ!」",
"364000711_23": "「いや、凪クン。少女たちの推理ゴッコが\\n 思わぬ繋がり方をしてしまっただけだ。私は気にしていないよ」",
"364000711_24": "「弁明をさせていただけるならば、アプトン社は被害者の\\n 治療に成果を出しているではありませんか」",
"364000711_25": "「そうね……書類上では……」",
"364000711_26": "「ただ、データだけじゃなく、治療中の人たちを\\n 見せてもらうことはできないかしら」",
"364000711_27": "「実際に救った人たちがどうなっているか、見ておきたいの」",
"364000711_28": "「確かに、それは当然のことですね。\\n 気が回らなくて申し訳ありません」",
"364000711_29": "「六角くん、二課の皆さんの\\n 視察準備を進めておいてくれないか」",
"364000711_30": "「承知しました」",
"364000711_31": "「用意ができましたら、あらためてご連絡を差し上げます。\\n これで宜しいでしょうか」",
"364000711_32": "「ええ、ありがとう……」",
"364000711_33": "「社長、そろそろ……」",
"364000711_34": "「おっと、もうそんな時間か。\\n 凪クン、このデータを受け取ってくれたまえ」",
"364000711_35": "「うむ」",
"364000711_36": "「それではまた、お会いしましょう」",
"364000711_37": "「凪クンに任せておけばめったなことは起きないと思っていたが、\\n いやあ、彼は素晴らしい部下を持っているね」",
"364000711_38": "「早急に対処いたします」",
"364000711_39": "「フフ、私の秘書も、実に優秀だ」",
"364000711_40": "(佐野……。彼の怪物化症例は他のサンプルとは違うようだ。\\n 要因はおそらく……"
}

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@ -0,0 +1,21 @@
{
"364000721_0": "「佐野さん、今日も欠席されているそうです」",
"364000721_1": "「そうだよね……。\\n 目の前でお兄さんを亡くされて……」",
"364000721_2": "「今日、お見舞いに行こう……。\\n なんて声をかけたらいいか分からないけど、せめて……」",
"364000721_3": "「竜姫諸君、至急発令所に集合したまえッ!」",
"364000721_4": "「まさか、また怪物化現象がッ!?」",
"364000721_5": "「行こうッ!」",
"364000721_6": "「事態はノイズ出現でも怪物化現象でもない。\\n ーブルレッドが、アプトン総合病院を襲撃したッ」",
"364000721_7": "「ええッ!?」",
"364000721_8": "「まさか、搬送された患者さんたちを狙って……」",
"364000721_9": "「奴らは<ruby=チミ>君</ruby>たちでなければ止められん。\\n すぐさま現場に急行したまえッ」",
"364000721_10": "「了解ッ!」",
"364000721_11": "「恐れよ怖じよッ!\\n 賊の襲撃だゼッ」",
"364000721_12": "「殺されたくなければ大人しく道を開けるでありますッ!」",
"364000721_13": "「――ッ!!」",
"364000721_14": "「あたしたちは、殺されるつもりも\\n 道を開けるつもりもないわッ」",
"364000721_15": "「ここで何をしようというのッ!?\\n ーブルレッド――ッ」",
"364000721_16": "「そういえば、あなたたちとこの会社は\\n 仲良しこよしなんだったわね」",
"364000721_17": "「わたしたちの邪魔をするなと言ったはずだけど――」",
"364000721_18": "「看過できるわけ、ないじゃないッ!!」"
}

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@ -0,0 +1,30 @@
{
"364000722_0": "「やってくれるゼ……。\\n ――でもなッ」",
"364000722_1": "「ウチらも今回ばかりは\\n 引き下がることはできないんだゼッ」",
"364000722_2": "「たくさんのことを引き換えにして、\\n この場に来たのでありますッ」",
"364000722_3": "「…………」",
"364000722_4": "「ヴァネッサ、いっそのこと\\n わたくしめらの目的を教えてはいかがでありますか」",
"364000722_5": "「…………」",
"364000722_6": "「あんたたちが、ここで何を果たそうとしているのかは\\n 分からない。だけど――」",
"364000722_7": "「怪物化現象に苦しむ人々の、\\n 最後の希望までは奪わせたりしないッ」",
"364000722_8": "「最後の希望……。\\n あなたたちは、そう信じているわけなのね……」",
"364000722_9": "「あなた方は何を知っているのですか?」",
"364000722_10": "「あの男が息絶える前に、\\n ウチらに教えてくれたんだゼ」",
"364000722_11": "「あの男って――、\\n ナナミンの、お兄さんのこと……」",
"364000722_12": "「あの人も被害者であります」",
"364000722_13": "「怪物化した自分が妹さんを手に掛けずに済んだことが\\n せめてもの救いだったと……」",
"364000722_14": "「――ッ!?」",
"364000722_15": "「自分と同じ目に遭わされている連中がここにいる。\\n その苦しみを終わらせてあげてほしいってな」",
"364000722_16": "「…………」",
"364000722_17": "「もう予想はついたようね」",
"364000722_18": "「いえ、すでに気づきかけていたのかしら?」",
"364000722_19": "「エルザちゃん、ここよッ!」",
"364000722_20": "「ガンスッ!」",
"364000722_21": "「地下まで続く通気口……。\\n 地獄の門が開いたでありますッ」",
"364000722_22": "「それじゃ、わたしたちは行かせてもらうわ」",
"364000722_23": "「待って、まだ――ッ!」",
"364000722_24": "「来たければ、止めはしないわ。\\n ただし、そこで本当の『悪』を目にすることになるわよ」",
"364000722_25": "「おふたりとも、どうしましょう?」",
"364000722_26": "「どうするもこうするも、行くしかないよッ!」",
"364000722_27": "「その通り、あたしたちは真実を知る責任があるッ!\\n この事件で死んでしまった人たちのためにもッ」"
}

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@ -0,0 +1,37 @@
{
"364000811_0": "せめて人として死ねたなら",
"364000811_1": "「…………」",
"364000811_2": "「これ……は……」",
"364000811_3": "広い空間に、無数の培養槽が並んでいる……",
"364000811_4": "その中に浮かんでいるのは、裸にされた、人々の身体。\\n培養槽の数と同じだけ、びっしりと……",
"364000811_5": "普通の人、身体の一部が怪物化している人、ほとんど怪物な人。\\n身体がちぎれている人、溶けている人、肥大化している人……",
"364000811_6": "みんな身体中に管が繋がれて、\\nその反対側が機械に繋がっている……",
"364000811_7": "死んで……いない。確かに生きている。\\nただ、全員虚ろな目をして虚空を見つめている……",
"364000811_8": "こんなの、断じて治療じゃない。\\nこれは、実験だ……ッ",
"364000811_9": "生きたまま身体の自由を奪って管に繋いで、\\n反応を調べて……",
"364000811_10": "こんなの、\\n電極を刺されて豆電球を光らせるレモンと何が違うのッ",
"364000811_11": "「こんなの……、",
"364000811_12": " 酷すぎる……ッ!!」",
"364000811_13": "「うぅ……ッ!」",
"364000811_14": "「報告書の画像で見覚えが……あります。\\n あの人たちは、アプトン社で治療を受けているはずの……」",
"364000811_15": "「こんな、こんなことって……ッ!」",
"364000811_16": "「これが真実よ。陽の当たる場所からは決して見えない、\\n 残酷な真実……」",
"364000811_17": "「ここで行われている怪物化の人体実験は、\\n わたくしめらに施されたものよりさらに不完全であります」",
"364000811_18": "「体内にもぐりこんだ怪物の因子は、\\n 次第に身体と意識を蝕み、その人間性を奪い去る……」",
"364000811_19": "「しかも使い物にならなくなって廃棄するまでは、被験体の\\n データを取り続けるため、こうやって生かし続けている」",
"364000811_20": "「アプトン社が治療に前向きだなんて嘘っぱちよ」",
"364000811_21": "「だから、あなたたちは怪物化した人たちを……」",
"364000811_22": "「…………」",
"364000811_23": "「わたしたちもかつて実験体だった。\\n 人ならざる者として蔑まれ、人の身を蝕まれる苦痛を味わった」",
"364000811_24": "「それでも、生き延びて自由の身となったッ!\\n 人がいたからこそ手繰り寄せた奇跡だったんだゼ……ッ」",
"364000811_25": "「そして知ったのであります。わたくしめらを苦しめた怨敵が、\\n 新たな怪物を作っているという情報を」",
"364000811_26": "「その噂を辿って日本へと追ってきたのであります」",
"364000811_27": "「怪物が作られているという情報は正しかったんだゼ。\\n ここを突き止めるまでに、なかなか苦労させられたけどな」",
"364000811_28": "「不完全に怪物化した人たちを終わらせてあげていたのは\\n 同じ怪物とされた者のよしみよ」",
"364000811_29": "「明日を救うことができないのなら、\\n せめて尊厳を護ってあげたいって」",
"364000811_30": "「あなたたちに、分かってもらうつもりはないけれど」",
"364000811_31": "「明日を救うことができない……」",
"364000811_32": "「それなら、あたしたちが今までやってきたことは\\n 全部間違って……」",
"364000811_33": "「ようこそいらっしゃいました。\\n ですが視察していただくルートはここではないのですが……」",
"364000811_34": "「あ、あなたは……」"
}

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@ -0,0 +1,60 @@
{
"364000821_0": "「丸良忠雄……ッ!」",
"364000821_1": "「もはや、隠すつもりもないということですか……ッ!」",
"364000821_2": "「お嬢さん方が、変に勘のいいところを見せなければ、\\n もう少し違った筋書きもあったのですが……」",
"364000821_3": "「わが社に侵入した賊が患者を惨殺、その後、駆け付けた竜姫と\\n 相打って死亡――とりあえずこんなところでしょうか」",
"364000821_4": "「全部ウチらに擦り付けようってわけだゼッ!?」",
"364000821_5": "「メディアの前に見せている聖人としての顔の裏に、\\n そんなにどす黒いものを持っていたなんて……」",
"364000821_6": "「だけど、そう簡単にわたしたちを黙らせられるかしら?」",
"364000821_7": "「できますとも。\\n ほら、こちらへ来なさい」",
"364000821_8": "「佐野さんッ!? どうしてここに……」",
"364000821_9": "「…………」",
"364000821_10": "「様子がおかしい……。",
"364000821_11": " ナナミンに何をしたんだッ!」",
"364000821_12": "「まだ大したことはしていませんよ。\\n 『何か』はこれからするのです。ほら、このように……ッ」",
"364000821_13": "「――ッ!」",
"364000821_14": "「何を注射したのッ!?」",
"364000821_15": "「あ……あ……」",
"364000821_16": "「あああああああああああッ!」",
"364000821_17": "「『ティアマトリキッド』――。混沌から怪物を生むという\\n 聖遺物『ティアマト』から精製された液薬ですよ」",
"364000821_18": "「これまでの試験薬とは違う、出来立てほやほや、\\n 純度100の完成版です……ッ」",
"364000821_19": "「ああああアアアアアア……ア……」",
"364000821_20": "「問題は順応度でした。それが低い個体にこれを使ったとしても、\\n 薬の強さに負け、すぐに機能不全となる」",
"364000821_21": "「高い順応度をたたき出した個体の血縁者ならばと\\n 試してみたら、見事に成功したようですね……ッ」",
"364000821_22": "「良い成果が出ました。ティアマトより生み出された\\n 怪物にちなみ、『ラハム』と名付けましょうか」",
"364000821_23": "「アアアアアアッ!!」",
"364000821_24": "「奈々美が、怪物に……」",
"364000821_25": "「あたしたちは何1つ、真実が見れていなかった……」",
"364000821_26": "「そして、あの子の明日を救う術も――」",
"364000821_27": "「来るゼッ!\\n ぼーっと突っ立ってるつもりなら退いてなッ」",
"364000821_28": "「――ッ!」",
"364000821_29": "「グアアアウウッ!」",
"364000821_30": "「完成版と言っても、操り人形としては変わりないッ!」",
"364000821_31": "「エルザちゃん、ミラアルクちゃん、\\n わたしたちでやるわよッ」",
"364000821_32": "「ガンスッ!」",
"364000821_33": "「あれも元は、何の罪もない少女の命……。だけど\\n こうなってしまってはもう、仕方がないのでありますッ」",
"364000821_34": "「ぶち込むゼッ!」",
"364000821_35": "「効いてないッ!?」",
"364000821_36": "「当然です。未完成品のあなたたちの攻撃が効くものですか」",
"364000821_37": "「わたしたちのことを知るその口ぶり、やっぱり……」",
"364000821_38": "「聖遺物『ティアマト』による怪物化の研究――」",
"364000821_39": "「いくら大企業と言えど、\\n そんなもの、あなたたちだけでは行えないはずよ」",
"364000821_40": "「その技術をもたらし、\\n 研究を主導した人物がいるのではなくて」",
"364000821_41": "「さあ、なんのことでしょう?」",
"364000821_42": "「それは『知っています』って言っているのと同じだゼッ!」",
"364000821_43": "「だとしても、わざわざあなたたちに教える必要はありません」",
"364000821_44": "「あなたたちはここで、死ぬのですからッ!」",
"364000821_45": "「オオオオオオッ!」",
"364000821_46": "「ぐう……ッ!」",
"364000821_47": "「ガハッ!」",
"364000821_48": "「く……、\\n 近づけさせないつもり……」",
"364000821_49": "「ウオオオオオオッ!」",
"364000821_50": "「――きゃあああッ!!」",
"364000821_51": "「そん……な……。\\n こんなの出鱈目すぎる……」",
"364000821_52": "「み、みんな……ッ!」",
"364000821_53": "「はあ……はあ……」",
"364000821_54": "「あの子を止める方法はもう、殺すことしかないわ。\\n 救いたいのなら、あなたたちの手で……ッ」",
"364000821_55": "「――ッ!」",
"364000821_56": "「佐野さんを、救うために……」",
"364000821_57": "「あたしは、あたしたちは……ッ!」"
}

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@ -0,0 +1,20 @@
{
"364000822_0": "「ウオッ! ウオッ! ウオオオオッ!!」",
"364000822_1": "「ぐ……う……ッ!\\n 奈々美、もうやめてッ」",
"364000822_2": "「防戦一方じゃ、やられちゃうよッ!」",
"364000822_3": "「でも、どうすれば……」",
"364000822_4": "「あああああッ!」",
"364000822_5": "「あ、あれ……? なんか、おかしい……。\\n 胸の歌が浮かんでこない」",
"364000822_6": "「わたしも……歌が……」",
"364000822_7": "「唄えなく……なっていますッ!?」",
"364000822_8": "「ウォォォォッ!」",
"364000822_9": "「きゃああああああッ!」",
"364000822_10": "「どうですか? 今までの試作品とは出来が違うでしょう。\\n どうぞ、心行くまでお楽しみくださいッ」",
"364000822_11": "「わたしたち……、\\n このまま殺されてしまうのでしょうか……」",
"364000822_12": "「せめて、ナナミンを救ってあげる手段があれば……」",
"364000822_13": "「救ってあげる手段って、\\n ーブルレッドが教えてくれた……」",
"364000822_14": "「――ッ!?\\n まさか……ッ」",
"364000822_15": "「確かに、覚悟を決めなければいけないかもしれません。\\n デヴァステイターを使えば、まだ……」",
"364000822_16": "「あたしたちには、\\n それしかできないのかな……」",
"364000822_17": "「ヒーロー未満の……あたしたちには……」"
}

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@ -0,0 +1,42 @@
{
"364000911_0": "/3ずつ背負った運命",
"364000911_1": "「ウォォォォッ!」",
"364000911_2": "「ユミ、どうするのッ!?」",
"364000911_3": "「あたしだってやりたくないよッ!\\n だけど、あたしたちにできることなんて……ッ」",
"364000911_4": "「打つ手があるなら急ぎなさいッ!\\n 手遅れになるわッ」",
"364000911_5": "「――ッ!」",
"364000911_6": "「<size=25>セン……パ……</size>」",
"364000911_7": "「え、奈々美ッ!? いま……」",
"364000911_8": "「グォォォォォッ!」",
"364000911_9": "「もしかして、意識を取り戻そうとしているのッ!?」",
"364000911_10": "「佐野さんも、抗っている……」",
"364000911_11": "「ア……キラ……メナイ……デ……」",
"364000911_12": "「<size=28>キカ……セテ……ウタオ……オ……</size>」",
"364000911_13": "「――ッ!」",
"364000911_14": "「ゴ、ゴホン――ッ!」",
"364000911_15": "「奈々美――?」",
"364000911_16": "「――♪」",
"364000911_17": "「そ、その歌って……」",
"364000911_18": "「はい。あの時――」",
"364000911_19": "「蛇に呑まれそうな絶望の中、先輩たちが唄ってくれた、\\n 希望の歌ですッ」",
"364000911_20": "「わたし、どんな状況でも胸を張って、信じる者のために\\n 先に進むというあの歌が大好きで」",
"364000911_21": "「くじけそうになっても、\\n 前を向ける気がして……ッ」",
"364000911_22": "「だから、今回もまた、大きな絶望が迫っているのなら、\\n この歌のことを思い出してほしいです」",
"364000911_23": "「――なんて、すみません。真面目なお話をしていたのに、\\n わたしなんかが何言ってるんだって感じですよね……」",
"364000911_24": "「奈々美が歌を聴かせてって……ッ!」",
"364000911_25": "「ですが今は――」",
"364000911_26": "「2人ともッ! 思い出してッ!\\n 初めて歌を唄ったあの時をッ」",
"364000911_27": "「あたしたちは誓ったはず」",
"364000911_28": "「いつかあの人みたいに、どんな時でも迷わず手を伸ばす\\n かっこいいヒーローになるんだってッ」",
"364000911_29": "「そうだったね。わたしたちだけで無理なら、\\n みんなの力を借りてッ」",
"364000911_30": "「生きるのを、そして命を護ることを諦めない。\\n ――確かにそうでしたわッ」",
"364000911_31": "「ノーブルレッドッ!\\n あたしたちは、あんたたちのやり方は選べないッ」",
"364000911_32": "「あなたたちがそうしてきたように……、\\n わたしたちも、自分たちの正義を貫くッ」",
"364000911_33": "「だから――、\\n あたしたちを、手伝いなさいッ」",
"364000911_34": "「て、手伝え、と言われても、\\n ウチらもう、ボロボロの瀕死だゼ……」",
"364000911_35": "「動くことすらおぼつかない\\n わたくしめらが一体何をすれば……」",
"364000911_36": "「<size=35>知るかッ!\\n 自分の胸に聞け……ッ</size>」",
"364000911_37": "「奈々美を抑え込むわよッ!」",
"364000911_38": "「この旋律が……、\\n 彼女たちの想い……ッ」",
"364000911_39": "「竜姫たちの歌が\\n 戻ってきたでありますッ」"
}

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@ -0,0 +1,51 @@
{
"364000912_0": "「必要なら、奇跡だって呼び寄せてみせるッ!!」",
"364000912_1": "「グオオッ!」",
"364000912_2": "「だからナナミン、あなたもッ!」",
"364000912_3": "「決して諦めないでくださいッ!」",
"364000912_4": "「ウグッ、ウグゥ……ッ!」",
"364000912_5": "「竜姫たちが圧しているでありますッ!」",
"364000912_6": "「だけど、考えがあるわけじゃないよな?\\n 救うったって、方法が無いんじゃ……」",
"364000912_7": "「まさかわたしたちにも\\n 奇跡が起きることを祈れとでも言うの……」",
"364000912_8": "「だけど、それぐらいなら安いお願いでありますッ!」",
"364000912_9": "「……そうかもしれないわね」",
"364000912_10": "「頼むゼ、竜姫。\\n ウチらもこんなところで終わるわけにはいかないんだ……」",
"364000912_11": "「竜姫の諸君ッ!\\n アプトン社の機密情報、一部だがハッキングできたぞッ」",
"364000912_12": "「――司令ッ!?」",
"364000912_13": "「今それどころじゃないんですッ!\\n 用件なら手短にッ」",
"364000912_14": "「あの腹黒優等生のことだ。\\n 絶対に何か不正を隠していると確信していたのだよ」",
"364000912_15": "「むむッ! ほうほう……。\\n これは興味深い……」",
"364000912_16": "「早く言いなさいよッ!」",
"364000912_17": "「怪物化を引き起こす『ティアマトリキッド』は\\n 確かに完成している。だが……」",
"364000912_18": "「その過程で生み出された解毒薬……」",
"364000912_19": "「『アンチ・ティアマトリキッド』が\\n 本だけ存在している、とあるなッ」",
"364000912_20": "「ムフフ、暗号化したところで<ruby=ボキ>僕</ruby>の前には\\n 無意味なのだよ、ハナマル」",
"364000912_21": "「凪クンか……。確かに彼は、昔から人のプライバシーを\\n 覗くのが大好きな男だった……ッ」",
"364000912_22": "「1本だけッ!?」",
"364000912_23": "「それはどこにッ!?」",
"364000912_24": "「保管場所の情報はどこにもなかった。\\n だが、もし<ruby=ボキ>僕</ruby>が奴なら……」",
"364000912_25": "「解毒薬は、丸良社長が持っているのですね……ッ!」",
"364000912_26": "「…………」",
"364000912_27": "「ラハムッ! フルパワーだッ!\\n お前の身体がねじれ切れてもいいッ」",
"364000912_28": "「竜姫をまとめて圧し潰せッ!!」",
"364000912_29": "「くッ!! ぐううううッ!!」",
"364000912_30": "「無駄な抵抗をしないで、\\n さっさと解毒薬を渡しなさいッ」",
"364000912_31": "「商談ですか。おいくらを提示します?」",
"364000912_32": "「『ティアマトリキッド』の研究の過程で偶発的に生まれた\\n ものですから、いささか値は張りますよ」",
"364000912_33": "「どこまでも下種なッ!",
"364000912_34": " ――くううッ!」",
"364000912_35": "「値段は……」",
"364000912_36": "「お前の命、だゼ」",
"364000912_37": "「……ハッ!?」",
"364000912_38": "「誰かの命を売り物にするのなら、\\n 自分の命を張りなさいッ」",
"364000912_39": "「ぐはッ!?」",
"364000912_40": "「落ちたッ! きっとあれが解毒薬……。\\n ティアマトリキッドも、まだ隠し持っていたであります」",
"364000912_41": "「今わたしは、殺す気で攻撃したはずよ。\\n でも、何かに防がれて――」",
"364000912_42": "「私の傍には、常に秘書がいるのですよ……」",
"364000912_43": "「<size=40>呀ッ!</size>」",
"364000912_44": "「う……ッ!」",
"364000912_45": "「社長秘書ッ!? エルザを吹っ飛ばすとは、\\n まさかこいつも怪物化を……ッ」",
"364000912_46": "「否ッ!\\n これは功・夫――ッ」",
"364000912_47": "「社長をお護りするために身に付けた中国4000年の妙技、\\n 味わってもらいましょう……ッ」",
"364000912_48": "「チッ、急いでるってのに――ッ!」"
}

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@ -0,0 +1,62 @@
{
"364000921_0": "「確かにやるみたいだが、\\n ウチらがただの人間に負けるかよ――ッ」",
"364000921_1": "「ぐあ……ッ!」",
"364000921_2": "「ま、参りました」",
"364000921_3": "「ですが、社長がお逃げする時間が稼げたのなら、\\n 本望……」",
"364000921_4": "「無駄な時間を食ったうえに、\\n 社長をまんまと逃がしたゼ……」",
"364000921_5": "「今は放っておきましょう。\\n リキッドを手に入れられただけでもグッジョブよ」",
"364000921_6": "「これが怪物化の解毒薬だというのなら、\\n わたくしめらを人間にすることもできるのでしょうか……」",
"364000921_7": "「……かも、しれないわね」",
"364000921_8": "「でも、この解毒薬は1本だけ」",
"364000921_9": "「わたくしめらが人間に戻るときは、\\n 人一緒に……ッ」",
"364000921_10": "「ああ……。",
"364000921_11": " だから、今この時じゃないんだゼ」",
"364000921_12": "「ミラアルクちゃん、エルザちゃん、\\n お姉ちゃん鼻が高いわ」",
"364000921_13": "「あの子たちに乗せられてしまったのは\\n 少し癪だけど……」",
"364000921_14": "「解毒薬『アンチ・ティアマトリキッド』は手に入れたわ。\\n 受け取りなさいッ」",
"364000921_15": "「ありがとうッ、確かに受け取ったわッ!",
"364000921_16": " 早くこれを奈々美に……ッ!」",
"364000921_17": "「これ以上は、\\n デヴァステイターの稼働時間も持ちません……ッ」",
"364000921_18": "「グォォォォォッ!」",
"364000921_19": "「ユミッ、早くッ!」",
"364000921_20": "「<size=40>分かってるッ、つーのッ!</size>」",
"364000921_21": "「ガォォンッ!!」",
"364000921_22": "「<size=40>オオオオオオオオオオオオオオオオッ!?</size>」",
"364000921_23": "「動きが止まった……ッ!」",
"364000921_24": "「これで、きっと元に……」",
"364000921_25": "「<size=40>ギャオオオオオオオオッ!</size>」",
"364000921_26": "「うわあッ!?\\n なんでまだこんな力がッ」",
"364000921_27": "「怪物因子を強引に逆行させた結果、\\n 反作用が起きて暴走しているわッ」",
"364000921_28": "「なにそれッ!? どういうこと?\\n 解毒薬じゃあなかったのッ」",
"364000921_29": "「確かにその通り。\\n だけどその変化が強すぎて、暴走している……ッ」",
"364000921_30": "「怪物の力を暴れるがままにしておけば、\\n 下手をすると自壊してしまうわ」",
"364000921_31": "「それはつまり、佐野さんも死んでしまうと……」",
"364000921_32": "「そんな、ここまで来て――」",
"364000921_33": "「だったら、少しでも怪物の力を削いで、\\n ナナミンを応援しなくちゃッ あ……」",
"364000921_34": "「時間切れのようです……」",
"364000921_35": "「どうしてッ!」",
"364000921_36": "「あたしたちはもう、戦えない……。\\n ならば――ッ」",
"364000921_37": "「お願いがあるの、ヴァネッサ、ミラアルク、エルザ。\\n 奈々美を助けてあげて……」",
"364000921_38": "「簡単に言ってくれるが、暴走状態のアレを相手取るとか、\\n 普通に自殺行為だゼ……」",
"364000921_39": "「後生だから……」",
"364000921_40": "「…………」",
"364000921_41": "「手伝いたいですが、この怪我では……」",
"364000921_42": "「手はあるわよ」",
"364000921_43": "「社長が落としたティアマトリキッド。\\n わたしたちなら、制御できるのではないかしら」",
"364000921_44": "「だけどヴァネッサ、その方法は\\n ウチらが、より人間から遠ざかるってことだゼ」",
"364000921_45": "「ええ。だから2人に聞きたいの。\\n どうしたいか」",
"364000921_46": "「わたくしめらは、今まで殺すことでしか救えないと\\n 信じてきたであります……」",
"364000921_47": "「でもあいつらは、たった1つの可能性を手繰ってみせた。\\n ウチらを使ってまで――」",
"364000921_48": "「だから、今回だけは――」",
"364000921_49": "「ええ。やりましょう。\\n わたしたちの、深紅の誇りを見せるときよ」",
"364000921_50": "「ああッ!」",
"364000921_51": "「ガンスッ!」",
"364000921_52": "「<size=40>おおおおおおおおッ!</size>」",
"364000921_53": "「怪物の力が、身体の中で大きく膨らんで……ッ!」",
"364000921_54": "「だけど、やってやるッ!\\n 抑えてみせるゼッ」",
"364000921_55": "「今回に限り、誰かの明日を救うために……ッ!」",
"364000921_56": "「より醜く、より禍々しく……。\\n これが、怪物に近づいたわたくしめらの姿でありますッ」",
"364000921_57": "「だけど、3人一緒に背負う運命ならば、\\n 不思議と怖くはないんだゼッ」",
"364000921_58": "「悪にあるまじき行為、かもしれないけれど、\\n わたしたちを信じてくれたあの子たちのため――」",
"364000921_59": "「時にはこういうのも、いいんじゃないかしら」"
}

View file

@ -0,0 +1,27 @@
{
"364000922_0": "「力の限り暴れるなんて、困った子ね。\\n でも――」",
"364000922_1": "「お前はもう、怪物でいる必要はないんだゼッ!\\n だから――ッ」",
"364000922_2": "「大人しく、人間に戻るでありますッ!!」",
"364000922_3": "「ギャオオオオオオオオオオオッ!!」",
"364000922_4": "「怪物の身体が、全部崩壊して……」",
"364000922_5": "「奈々美ッ!」",
"364000922_6": "「う、う……あぁ……」",
"364000922_7": "「脈があるよッ! 気を失ってるだけだッ!」",
"364000922_8": "「わたしたち、本当にやってみせたの……?」",
"364000922_9": "「ノーブルレッド、ありが――」",
"364000922_10": "「お礼は不要よ。\\n これは、わたしたちが決めたこと」",
"364000922_11": "「…………」",
"364000922_12": "「なら――」",
"364000922_13": "「大儀であったッ!  二階級特進よ……ッ!」",
"364000922_14": "「なんだゼ? それ……」",
"364000922_15": "「<ruby=チミ>君</ruby>たち、よくやってくれたッ!\\n 今二課職員を向かわせているぞ」",
"364000922_16": "「あとは我々に任せて、\\n 休息を――」",
"364000922_17": "「ううん。\\n まだ、あいつが……ッ」",
"364000922_18": "「丸良社長を、捕まえられていませんわッ!」",
"364000922_19": "「まだ遠くには行ってないはず……。\\n 逃げられる前に、あたしたちが――ッ」",
"364000922_20": "「ヴァネッサ……わたくしめらは、\\n これからどうすれば……」",
"364000922_21": "「すぐにこの子たちの仲間がやってくるわ。\\n その前に当初の目的を果たしましょう」",
"364000922_22": "「ああ……騒ぎが大きくなれば動きにくくなるゼ」",
"364000922_23": "「おそらくデータバンクはこの近くにあると思うわ。\\n アプトン社と訃堂のつながりを調べなきゃ」",
"364000922_24": "「ガンス……ッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,85 @@
{
"364001011_0": "メックヴァラヌスVSノーブルレッド",
"364001011_1": "「これ以上、アプトン社の件に触れるな、\\n ってどういうことなのッ」",
"364001011_2": "「あれだけの証拠があったのに、アプトン社の悪事を、\\n 見て見ぬふりをしろということですかッ」",
"364001011_3": "「ぐぬぬ……<ruby=ボキ>僕</ruby>だって歯がゆいのだよ。\\n 奴を社会から葬ってやれると思ったのに……ッ」",
"364001011_4": "「助けられたのは、未だ昏睡中の佐野奈々美くん1人のみだ。\\n 現状では事件の証人になり得ない」",
"364001011_5": "「…………」",
"364001011_6": "「他の方たちは、延命装置の電源を落とされ、\\n 亡くなってしまったのですよね……」",
"364001011_7": "「いずれにせよアンチ・ティアマトリキッドは1人分しかなかったのだ。\\n <ruby=チミ>君</ruby>たちのせいではない。あまり気に病むな」",
"364001011_8": "「その他、物的証拠からデータバンク上の細かな記録に至るまで、\\n 最初からなかったかのように隠滅されてしまっている」",
"364001011_9": "「呆れるほどに手慣れたものだよ。\\n 時間の稼ぎ方まで含めて……ッ」",
"364001011_10": "「あの戦いの後、現場に殺到したメディアの対処に時間を\\n 使わされて、踏み込むのが遅れちゃったんだよね……」",
"364001011_11": "「その混乱にわたしたちも巻き込まれ、\\n 丸良社長にも逃げられてしまった……」",
"364001011_12": "「でも、まだあたしたちの証言があるッ!\\n そうすれば今からだってあいつを……ッ」",
"364001011_13": "「我々は今、襲撃者からアプトン総合病院を護れなかった\\n 責任を問題視され、世論の風当たりもキツくなっている」",
"364001011_14": "「それもまた、奴がメディアに働きかけて\\n 世間に見せている<ruby=しんじつ>幻影</ruby>だ」",
"364001011_15": "「腹立たしいが、政府組織よりも、日ごろの生活に馴染みのある\\n 有名企業のほうが信用に勝るらしいな……」",
"364001011_16": "「世間が……あたしたちが護りたいみんなが、\\n アプトン社の味方をしている……」",
"364001011_17": "「結局、彼が描いていた筋書きの通りになってしまった、\\n ということですか……」",
"364001011_18": "「ああ。そういった諸々の状況を踏まえ、\\n 上が通達してきた命令が『アプトン社の件に触れるな』なのだ」",
"364001011_19": "「でも、だからって――ッ!」",
"364001011_20": "「話はここまでだ。\\n <ruby=チミ>君</ruby>たちも、大人としての分別を身に付けたまえ……」",
"364001011_21": "「…………」",
"364001011_22": "「まさに政府の犬、か……。\\n ーブルレッドたちに嗤われそうね……」",
"364001011_23": "数日後",
"364001011_24": "「ナナミン、無事に回復に向かっているみたいでよかったね」",
"364001011_25": "「ええ。\\n きっと間もなく、目を覚ますと先生もおっしゃっていましたね」",
"364001011_26": "「うん。それじゃあ、寮に帰って\\n ご飯にしようか――」",
"364001011_27": "「…………」",
"364001011_28": "「ユミ、また、アプトン社のこと考えてる?」",
"364001011_29": "「当たり前じゃないッ!」",
"364001011_30": "「奈々美をあんな目に遭わせて、みんなの命を奪った\\n あいつが平然と暮らしているなんて……ッ」",
"364001011_31": "「ねえ、あたしたちでなんとかできないのかなッ!?」",
"364001011_32": "「なんども話し合ったではないですか。\\n だけど、わたしたちは日本政府に所属する竜姫なんですよ……」",
"364001011_33": "「あーもうッ!\\n なにかみんなが信じてくれるような証拠さえあれば……ッ」",
"364001011_34": "「ほう、何の証拠の話ですか?」",
"364001011_35": "「あんたは……ッ!」",
"364001011_36": "「竜姫の皆さん、その節は大変お世話になりました」",
"364001011_37": "「佐野さんは無事に回復に向かわれているということで、\\n 喜ばしい限りですね」",
"364001011_38": "「何を、のうのうと……ッ!」",
"364001011_39": "「しかし、多くの尊い命は奪われてしまった。皆さんの対応が\\n もう少し早ければ、救えたかもしれないと言うのに……」",
"364001011_40": "「ほざくなあああッ!」",
"364001011_41": "「ユミ、駄目だ……ッ!」",
"364001011_42": "「ええ。\\n ここで事を構えればきっと、彼の思うつぼです」",
"364001011_43": "「あなたは、わたしたちがあなたを襲ったという\\n 事実が欲しいのではないですか」",
"364001011_44": "「滅相もありませんよ」",
"364001011_45": "「でも、そのニュースもセンセーショナルに報道されそうですね。\\n 政府組織が逆恨みで民間人に対して手をあげたとなれば……」",
"364001011_46": "「――ッ!?」",
"364001011_47": "「いずれにせよ、このままにはしませんよ」",
"364001011_48": "「今回、わが社はあなたたちのせいで、\\n 決して少なくない被害を被りました」",
"364001011_49": "「その責任は、いずれ取ってもらいますよ。いつまでも\\n <ruby=おもちゃ>メックヴァラヌス</ruby>で遊んでいられるとは、思わないことです」",
"364001011_50": "「それでは、今夜はこの辺で」",
"364001011_51": "「…………ッ!!」",
"364001011_52": "「あんなクズを、まごうことなき悪を、\\n 捕まえることができないなんて……ッ」",
"364001011_53": "「あたしたちの正義は、なんのために――」",
"364001011_54": "「いらないのなら、『ソレ』はわたしたちがいただくわ」",
"364001011_55": "「――ッ!?」",
"364001011_56": "「お、お前たちは……ッ!」",
"364001011_57": "「お久しぶりだゼ、社長サンッ!」",
"364001011_58": "「報いを受けるであります……ッ!」",
"364001011_59": "「ぐおあ……ッ!?」",
"364001011_60": "「ぐ……く……がは……ッ!」",
"364001011_61": "「む……。\\n 気を失っただけでありますか」",
"364001011_62": "「防刃ベストでも着込んでんのか?\\n 偉そうな態度をする割には、気の小さいことで」",
"364001011_63": "「ノーブルレッド……ッ!」",
"364001011_64": "「完全に姿をくらましたと思っていましたが……」",
"364001011_65": "「こいつを野放しにしておけば、\\n また同じ悲劇が繰り返されるかもしれないわ」",
"364001011_66": "「だから確実に、ここで消す」",
"364001011_67": "「それが、法律にも規律にも縛られない\\n わたしたち悪のやり方よ」",
"364001011_68": "「…………」",
"364001011_69": "「あの世で、怪物と蔑んだ皆に挨拶なさい――」",
"364001011_70": "「駄目だ……ッ!」",
"364001011_71": "「――ッ!」",
"364001011_72": "「この期に及んで、止めようというの?\\n 少しの間、目をつぶっていればいいのよ」",
"364001011_73": "「駄目だって言ってるでしょッ!\\n あんたたちに、丸良社長を殺させはしないッ」",
"364001011_74": "「そう……。\\n あくまで正義の味方を気取るのね」",
"364001011_75": "「その通り。\\n どんな理由があろうとも――」",
"364001011_76": "「あたしたちの目の前で、誰も死なせやしないッ!」",
"364001011_77": "「それに、あなたたちには殺人の容疑で\\n 逮捕命令が出ています」",
"364001011_78": "「分かったわ。\\n わたしたちとあなたたち、最初から相容れない者同士――」",
"364001011_79": "「やっぱりこうなってしまうのね」",
"364001011_80": "「ここなら邪魔が入らないでしょう。\\n さて、決着を付けましょうか」",
"364001011_81": "「悪と――」",
"364001011_82": "「正義としてッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,33 @@
{
"364001012_0": "「やって、くれたわね……」",
"364001012_1": "「完敗であります」",
"364001012_2": "「ウチらを、捕まえるのか……?」",
"364001012_3": "「確かにそう命令を受けてはいます。\\n ですが……」",
"364001012_4": "「それは、指名手配されている\\n ーブルレッドを発見した時の話、だよね」",
"364001012_5": "「今夜あたしたちは、何も見なかったし誰にも会わなかったッ!」",
"364001012_6": "「え……?」",
"364001012_7": "「お前ら……ッ!\\n ウチらを見逃してくれるのかッ」",
"364001012_8": "「竜姫であるわたしたちに与えられた権限は、\\n 当局にあなたたちを引き渡すところまで」",
"364001012_9": "「その後あなたたちが受ける扱いに、\\n わたしたちが口を出すことはできません」",
"364001012_10": "「それこそ、『人間』として扱ってもらえない可能性だって……」",
"364001012_11": "「そんなの間違ってるって\\n あたしたちの『正義』はそう言ってるんだ」",
"364001012_12": "「ここは高層ビルの屋上で人目もありませんし、\\n 丸良社長は下で伸びていますし、まあなんとかなるでしょう」",
"364001012_13": "「わたしたちを逃がしたこと、\\n 丸良社長を闇に葬れなかったこと、きっと後悔するわよ」",
"364001012_14": "「……どうかな?」",
"364001012_15": "「だけど、あなたたちがあたしたちの護るべきものを\\n また脅かそうとしたら、その時は容赦しないわッ」",
"364001012_16": "「覚えておきましょう。\\n この国には、警戒しなければならない正義の味方がいることを」",
"364001012_17": "「ところで、\\n あなたたちの目的は達成することができたのですか」",
"364001012_18": "「捜していた宿敵ってのは見つかったの?」",
"364001012_19": "「残念ながら逃げられたゼ。アプトン社に貸与していた聖遺物と\\n 一緒にキレイに姿をくらましやがった」",
"364001012_20": "「ですが、収穫もあったであります。\\n その手掛かりを元に、引き続き奴の行方を追うであります」",
"364001012_21": "「そう……。\\n それじゃあ今度こそ、さよならだね」",
"364001012_22": "「そうだ、忘れていたわ。\\n もしかすると、これが役に立つかもしれないわ」",
"364001012_23": "「これは……データチップ?」",
"364001012_24": "「わたしたちに必要なデータはもう手に入れた。\\n あとは好きにして」",
"364001012_25": "「……これでよかったのかな」",
"364001012_26": "「分からないけど……多分」",
"364001012_27": "「ええ、わたしたちの正義に従った結果なのですからッ!」",
"364001012_28": "「あたし、今回のことで痛感した。\\n やっぱりあたしたちは、ヒーロー未満なんだって」",
"364001012_29": "「孤独に戦い、みんなの明日を救うことなんて、\\n できないんだって……」",
"364001012_30": "「でもそれは『今日』のことッ!\\n 『明日』にきっと、本物のヒーローになってやるんだからッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,30 @@
{
"364001111_0": "They will return",
"364001111_1": "「ムフゥンッ! <ruby=チミ>君</ruby>たちよくやった。\\n 実によくやったぞ」",
"364001111_2": "「うん、テレビで見たよ。\\n アプトン社・丸良社長の電撃逮捕ッ」",
"364001111_3": "「ノーブルレッドが手渡してくれた、\\n データのおかげなんですね」",
"364001111_4": "「ああ。いつの間にかすめていたのか、\\n あれは隠滅前のアプトン社の極秘データそのもの」",
"364001111_5": "「もちろん、公には匿名の内部告発として\\n 処理することになったが……」",
"364001111_6": "「あそこまで確かな証拠を突き付けられては、\\n 然しものハナマルと言えど、ぐうの音も出なかったわけだ」",
"364001111_7": "「ムフフフフ……ッ!」",
"364001111_8": "「それにしても、メディアの掌の返しようはすごかったね」",
"364001111_9": "「ヒーローから一転、世紀の悪党ッ!\\n と言った具合でしたわね……」",
"364001111_10": "「『怪物とは、誰かに役割を与えられて怪物と成る』\\n きっとヒーローや悪も同じように……」",
"364001111_11": "「そうね。ノーブルレッド……。\\n 次に会うときは、敵か、味方か……」",
"364001111_12": "「分からないけれど、あたしはあたしの\\n 信念を貫くだけよッ」",
"364001111_13": "「うん、そうだね」",
"364001111_14": "「ええ、これからも、竜姫として」",
"364001111_15": "「あ、そうそう。1つ言い忘れていたことが。\\n データチップの奥底にあった情報なのだが――」",
"364001111_16": "「え――?」",
"364001111_17": "「分かったのだよ。\\n ーブルレッドが追っていた人物の名前が」",
"364001111_18": "「いや、我々は元々知っていたというべきだが――」",
"364001111_19": "「訃堂様、申し訳ございません。\\n 護国兵器の完成をお見せすることができず――」",
"364001111_20": "「よい」",
"364001111_21": "「どれほどのなりそこないを生み出そうと、\\n 最後に『怪物』を得れば、それでよい」",
"364001111_22": "「アプトン社はもう役には立ちません。\\n ですが、代わりとなる企業がすでに手を挙げております」",
"364001111_23": "「七支刀としての働き、存分に見せてみよ」",
"364001111_24": "「はい、必ずや訃堂さまのご期待に応えてみせましょう」",
"364001111_25": "「…………」",
"364001111_26": "「竜姫にノーブルレッド……。\\n 蟲毒はますます濃く、円熟しておる」",
"364001111_27": "「全て儂の、血肉と呑み込んでくれようぞ」"
}