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@ -1,3 +1,18 @@
{
"330000111_0": "アガートラーム襲来"
"330000111_0": "アガートラーム襲来",
"330000111_1": "「装者たちの状況はどうなっているッ!」",
"330000111_2": "「ガングニールと天羽々斬はS.O.N.G.本部内に侵入した敵と交戦ッ!」",
"330000111_3": "「イチイバル、シュルシャガナ、イガリマは甲板にて迎撃中。\\n しかし依然、敵の数は増加し続けていますッ」",
"330000111_4": "「この敵、アルカ・ノイズじゃないッ!?」",
"330000111_5": "「そのようだな。\\n アルカ・イズならば反応を検知できたはずだ」",
"330000111_6": "「何より見た目が大違いデスよッ!」",
"330000111_7": "「うん。すごく不気味……」",
"330000111_8": "「解析は進めていますが、正体は未だ掴めていません。\\n 今までのどのデータにも該当しないなんて……」",
"330000111_9": "「こいつらがなんだって構いやしないッ!\\n 襲ってくるなら、ぶっ飛ばしてやるだけだッ」",
"330000111_10": "「ああ、相手の正体も目的もわからないが、\\n このまま沈められるわけにはいかない」",
"330000111_11": "「頼んだぞ、お前たちッ!」",
"330000111_12": "「はいッ!」",
"330000111_13": "「こっちに向かってくるッ!」",
"330000111_14": "「迎え撃つデスッ!」",
"330000111_15": "「覚悟しろッ! 一つ眼の怪物ッ!」"
}

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@ -1 +1,16 @@
{}
{
"330000112_0": "「たああ――ッ!」",
"330000112_1": "「よくわからない連中だが、\\n 一応こっちの攻撃は通じるようだな」",
"330000112_2": "「だけど、こう数が多いと……」",
"330000112_3": "「ブンブン振り回して、ドンドン減らしていく\\n しかないデスよッ」",
"330000112_4": "「そうだな。群れ雀どもとの戦いはあたしの専門分野だ。\\n 一気にいくぞッ」",
"330000112_5": "「さすが先輩デス。情け容赦なく眼玉を撃ち抜いてるデスよ」",
"330000112_6": "「怪物相手に情けも容赦も必要ないだろ」",
"330000112_7": "「それはそうなんですけど、眼玉おばけが\\n 迫ってくるみたいで、気持ち悪くて戦いづらいです……」",
"330000112_8": "「こう、斬るたびに眼玉がぶしゃ――」",
"330000112_9": "「おい、やめろッ!\\n そういうことはいちいち言葉にしなくていいッ」",
"330000112_10": "「おしゃべりの時間は終わりみたいだな」",
"330000112_11": "「とにかく今は、これ以上艦内に怪物を入れないことを\\n 最優先にしろッ」",
"330000112_12": "「はい。被害を抑えるためにも、ここで食い止めないと」",
"330000112_13": "「踏ん張りどころデスッ!\\n 気持ちを切り替えて、ガンガン行くデスよッ」"
}

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@ -1 +1,15 @@
{}
{
"330000122_0": "「はああ――ッ!」",
"330000122_1": "「いいぞ、立花ッ!」",
"330000122_2": "「はいッ!」",
"330000122_3": "「でも、うぅ……この怪物、眼玉がギョロギョロ\\n していて気持ち悪いです……」",
"330000122_4": "「気持ちはわかるが、臆している場合ではないぞ。\\n どうやら奴らには明確な目的があるようだ」",
"330000122_5": "「確かに、艦内のどこかを目指しているような動きですよね。\\n まるで何かを探してるみたいな……」",
"330000122_6": "「まさか……ッ!?」",
"330000122_7": "「移送中の例の聖遺物が狙いということか?」",
"330000122_8": "「その可能性は十分に考えられます」",
"330000122_9": "「怪物ども自身の意思か、糸を引く何者かの意思かはわからんが、\\n みすみすくれてやるわけにはいかないッ」",
"330000122_10": "「怪物どもを聖遺物に近づけさせるなッ!」",
"330000122_11": "「はいッ!\\n 艦内の怪物を一掃する。駆け抜けるぞッ」",
"330000122_12": "「了解ッ!」"
}

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@ -1 +1,27 @@
{}
{
"330000131_0": "「艦内に入った一つ眼の怪物は全部やっつけたよッ!」",
"330000131_1": "「ああ、おつかれさん。\\n こっちも一通り片付いたところだ」",
"330000131_2": "「今のところ増援は無いようだな……。\\n だが、まだ警戒は怠らない方がいいだろう」",
"330000131_3": "「了解です」",
"330000131_4": "「ところで、怪物の正体は何かわかったデスか?」",
"330000131_5": "「解析は進めていますが、やはり正体を決定するには\\n 情報が足りません」",
"330000131_6": "「まさか、本物の妖怪ッ! 一つ眼小僧ってやつデスかッ!?」",
"330000131_7": "「だけど、なんで太平洋の上で……」",
"330000131_8": "「新たな反応を検知ッ! 警戒してください」",
"330000131_9": "「またあの一つ眼デスかッ!?」",
"330000131_10": "「いや、これは……アウフヴァッヘン波形ッ!?」",
"330000131_11": "「この波形は……ッ!?」",
"330000131_12": "「一体、何が――」",
"330000131_13": "「く、ああ――ッ!」",
"330000131_14": "「大丈夫かッ!?」",
"330000131_15": "「……わたしは大丈夫だ。だが、今の攻撃は……」",
"330000131_16": "「そんな、どうして……ッ!?」",
"330000131_17": "「な、なんでここにいるデスかッ!」",
"330000131_18": "「マリア……ッ!」",
"330000131_19": "「……」",
"330000131_20": "(この殺気は……ッ!?)",
"330000131_21": "「みんな、警戒しろッ!」",
"330000131_22": "「え……?」",
"330000131_23": "「わたしたちを、攻撃するつもりだッ!」",
"330000131_24": "「……」"
}

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@ -1 +1,12 @@
{}
{
"330000132_0": "「――ッ!」",
"330000132_1": "「ぐ――ッ! や、やめてくださいッ!」",
"330000132_2": "「何がどうなってるんデスか?\\n なんでマリアがアタシたちに攻撃をッ」",
"330000132_3": "「……」",
"330000132_4": "「マリアの後ろから、あの怪物がたくさんッ!?」",
"330000132_5": "「あたしたちを襲った怪物と仲良しってことかよ……。\\n それに、その気持ち悪いギアはなんなんだッ」",
"330000132_6": "「質問に答えろ、マリアッ!」",
"330000132_7": "「……わたしは……」",
"330000132_8": "「……ッ!」",
"330000132_9": "「<size=40>わたしは、S.O.N.G.に宣戦を布告するッ!</size>」"
}

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@ -1,3 +1,4 @@
{
"330000211_0": "別れの前に"
"330000211_0": "別れの前に",
"330000211_1": "数日前――"
}

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@ -1 +1,51 @@
{}
{
"330000212_0": "「今日の訓練も、お疲れ様でしたッ!」",
"330000212_1": "「シミュレータとはいえ、\\n 何度も戦ってアタシはもうくたくたデース……」",
"330000212_2": "「あら、わたしはまだまだピンシャンしてるわよ」",
"330000212_3": "「そうだな、訓練し足りないくらいだ」",
"330000212_4": "「なんデスと……ッ!?」",
"330000212_5": "「マリアと翼さんのペアは撃破数の成績もトップでしたね」",
"330000212_6": "「ああ、お互いの動きがよくわかってるみたいだったな」",
"330000212_7": "「何度も刃を交え、背中を預けあった仲だからな。\\n 考えていることくらいすぐにわかる」",
"330000212_8": "「信頼しあっているんですねッ!」",
"330000212_9": "「えッ!? ええ、そうね。\\n ……改めて言われると、ちょっと照れるけれど……」",
"330000212_10": "「ぐぬぬ……、連携だったらアタシと調だって……ッ!」",
"330000212_11": "「うん、明日の訓練は負けられない」",
"330000212_12": "「いい心がけだ」",
"330000212_13": "「おっさんッ!?\\n いつからいたんだ」",
"330000212_14": "「マリアくんに話があってな。\\n 訓練が終わる頃合いを見て、直接呼びに来たというわけだ」",
"330000212_15": "「わたしに……?」",
"330000212_16": "「ああ。俺ではなく、ある人からな。\\n 悪いが、これから発令所まで来てくれるか」",
"330000212_17": "「……わかったわ。\\n それじゃあみんな、またあとでね」",
"330000212_18": "「マリアだけとは、一体なんの話だろうか……」",
"330000212_19": "「大人だけの内緒話だなんて、\\n なんだかキケンな香りがするデースッ」",
"330000212_20": "「君を呼び出したのは私だ」",
"330000212_21": "「わたし1人を呼んだということは\\n また諜報員として働いてほしい、ということかしら」",
"330000212_22": "「話が早くて助かる。依頼の前に、\\n まずは米国で起きた事件について話そう」",
"330000212_23": "「先日、米国で『ネメシス』と呼ばれる軍事衛星兵器が\\n 秘密裏に開発されていたことがわかった」",
"330000212_24": "「軍事衛星兵器、ネメシス……」",
"330000212_25": "「ネメシスは地球軌道上を周回し、太陽光をエネルギーとした\\n レーザーを地上に向けて射出することができる、強力な兵器だ」",
"330000212_26": "「1機で国家レベルの兵力になると推察されている」",
"330000212_27": "「国家レベルの超兵器……。\\n また面倒なものを作ってくれたものだな」",
"330000212_28": "「そんなものを秘密裏に開発するだなんて、\\n 米国は一体どういうつもり」",
"330000212_29": "「その件については厳しく追及するつもりだが、\\n 残念ながら今回起きた事件というのは、それだけではない」",
"330000212_30": "「ネメシスの開発施設が何者かに襲撃され、その操作権限が\\n 奪われた上、宇宙へと打ち上げられてしまったのだ」",
"330000212_31": "「なんですってッ!?」",
"330000212_32": "「その事態を受け、米国は衛星攻撃兵器を使用し、\\n ネメシスを破壊しようとした。証拠隠滅の意味を兼ねてな」",
"330000212_33": "「奪われるくらいなら、\\n ネメシスの存在ごと消し去ろうというわけか」",
"330000212_34": "「ああ。\\n しかし、攻撃を仕掛ける前にネメシスが稼働を始めてしまった」",
"330000212_35": "「ネメシスを攻撃しようとしていた軍事施設は、\\n たった度の攻撃で壊滅してしまったのだ」",
"330000212_36": "「1度の攻撃で、施設ごと……ッ!?」",
"330000212_37": "「そんなとんでも兵器がお空に浮かんでるんデスかッ!?」",
"330000212_38": "「わわッ! 大きな声出しちゃダメだよッ!」",
"330000212_39": "「あ、あなたたち、いつからそこにッ!?」",
"330000212_40": "「ごめんなさい。マリアが1人で呼び出されるなんて\\n 危険な任務に行くんじゃないかと気になって……」",
"330000212_41": "「ちょっと様子を見るだけのつもりだったんだけど、\\n ついつい話をな……」",
"330000212_42": "「マリアくんのことが気になるというお前たちの気持ちは\\n わかるが、盗み聞きはあまり褒められたものではないな」",
"330000212_43": "「申し訳ありません……」",
"330000212_44": "「構わん。どのみち、彼女に任務についてもらう\\n 以上、みなにも説明する必要があったのだろう」",
"330000212_45": "「確かにそうなんだが……」",
"330000212_46": "「お説教はあとでやってくれ。\\n 悪いがこちらは一刻を争う事態なのだからな」",
"330000212_47": "「話が逸れたわね。\\n つまり、わたしのやるべきことは……」",
"330000212_48": "「ああ。\\n 米国に渡り、ネメシスを奪った組織を明らかにしてもらいたい」"
}

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@ -1 +1,43 @@
{}
{
"330000221_0": "「敵組織の解明……やっぱりそうなるわよね」",
"330000221_1": "「だけど、どうしてわたしに?」",
"330000221_2": "「確かに大ごとなのは間違いないけど、\\n 装者に依頼が来るような事件ではない気がするな……」",
"330000221_3": "「ああ、それには理由があってな」",
"330000221_4": "「そちらも順を追って説明しよう」",
"330000221_5": "「ネメシスからの攻撃をきっかけに事は全世界に知れ渡り、\\n 国連が調査に乗り出すこととなった」",
"330000221_6": "「調査を行う上で、まず最初に犯人として疑われたのは\\n ネメシスの開発に携わっていた関係者たちだ」",
"330000221_7": "「極秘で開発していたのだから、当然よね」",
"330000221_8": "「だが、生き残りの関係者から不思議な証言が出てきたのだ」",
"330000221_9": "「不思議な……ですか?」",
"330000221_10": "「その関係者はこう言ったらしい。\\n 『怪物が施設を襲い、ネメシスが奪われた』と」",
"330000221_11": "「怪物ッ!?」",
"330000221_12": "「まさか、アルカ・ノイズ?」",
"330000221_13": "「被害者が分解されていない以上、可能性は低いだろうな」",
"330000221_14": "「怪物だということ以外に、\\n 何か手がかりは無いんですか」",
"330000221_15": "「唯一の生き残りの証言者は、錯乱状態に陥ってしまっている\\n らしくてな。まともな話が聞きだせない状況ということだ」",
"330000221_16": "「しかし、状況から見て、国連はこの事件になんらかの\\n 超常的な事物が関与していると判断した」",
"330000221_17": "「なるほど。それでS.O.N.G.にお鉢が回ってきたというわけね」",
"330000221_18": "「ああ。その中でも諜報活動に長け、装者としての戦闘力を\\n 備えた君が適役だと判断した」",
"330000221_19": "「どうだろう。単独での諜報活動となるが\\n 引き受けてくれるだろうか」",
"330000221_20": "「もちろんよ。\\n そんな危険な兵器を放ってなんておけないわッ」",
"330000221_21": "「あ、あのッ! アタシも戦うデスッ!\\n だから、マリアと一緒に行っていいデスかッ」",
"330000221_22": "「わたしも行きます。\\n マリアを助けたい」",
"330000221_23": "「2人とも……」",
"330000221_24": "「でも、ダメよ。今回は諜報活動なの」",
"330000221_25": "「相手がネメシスという切り札を持っている以上、\\n 表立った動きはしたくなくてな」",
"330000221_26": "「下手をすれば米国全土が焼け野原になりかねん」",
"330000221_27": "「そんな……」",
"330000221_28": "「だけど、1人でなんて……」",
"330000221_29": "「そのほうが都合がいいのよ。\\n 諜報活動っていうのは少人数で目立たないほうがいいの」",
"330000221_30": "「確かにこの2人を連れて行ったら目立ちそうだしな」",
"330000221_31": "「残ったお前たちにもやってもらいたい任務がある。\\n こちらも重大な任務だ、人手は人でも多いほうがいい」",
"330000221_32": "「そういうことならば、こちらはこちらの\\n やるべきことを全うしよう」",
"330000221_33": "「了解デス……」",
"330000221_34": "「わかりました……」",
"330000221_35": "「では、3時間後に米国へ渡るための便を用意する。\\n それまでに準備を整えておいてほしい」",
"330000221_36": "「了解ッ!」",
"330000221_37": "(未知の敵に対する、単独の諜報活動……。\\n わたしにできるかしら……",
"330000221_38": "(いいえ、この任務は絶対に成功しなければいけないのよ)",
"330000221_39": "失敗すれば、米国だけでなく、日本やS.O.N.G.本部をも\\n 危険に晒すことになるかもしれないのだから……",
"330000221_40": "(マリア……?)"
}

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@ -1 +1,24 @@
{}
{
"330000231_0": "「荷物はまとめ終わったわ。あとは出発を待つだけね」",
"330000231_1": "「……」",
"330000231_2": "「……」",
"330000231_3": "「お前らな、なんて顔してるんだよ。\\n 一生会えなくなるってわけじゃないだろ」",
"330000231_4": "「やっぱり、マリア1人では心配デス」",
"330000231_5": "「敵は得体の知れない怪物らしいし……」",
"330000231_6": "「もう、いつまでそんなことを言っているの。\\n わたしは大丈夫よ」",
"330000231_7": "「そう……デスよね。元気に帰ってくるに決まっているデスッ!\\n 帰ったら『マリアおかえりなさいパーティ』をやるデスよッ」",
"330000231_8": "「うん、そうだね。信じて待ってる」",
"330000231_9": "「ありがとう。あなたたちも別の任務があるんでしょう?\\n 気を付けて行ってくるのよ」",
"330000231_10": "「安心しろ、後輩たちの面倒はあたしが見ててやるから」",
"330000231_11": "「こっちのことは任せてくださいッ!」",
"330000231_12": "「ええ、頼んだわよ」",
"330000231_13": "「……」",
"330000231_14": "「さっきからずっと黙ってるけど、\\n まさかそっちも心配なのか」",
"330000231_15": "「そうだな……心配だ」",
"330000231_16": "「だから、出発前に一度、わたしと手合わせをしてもらおうか」",
"330000231_17": "「ええッ!? 急にどうしたんですかッ!?」",
"330000231_18": "「これから大事な任務へ向かうのに、どうしてそんな……」",
"330000231_19": "「どうだ? マリア」",
"330000231_20": "「翼……」",
"330000231_21": "「ええ、受けて立つわ。\\n 今日の訓練は少し物足りなかったの」"
}

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@ -1 +1,20 @@
{}
{
"330000232_0": "「これで――ッ!」",
"330000232_1": "「く――ッ! さすがマリアだ、いい一撃を決めてくる。\\n だが、まだまだッ」",
"330000232_2": "「ど、どっちも手加減なしの本気バトルデスよッ!?」",
"330000232_3": "「このまま続けても大丈夫なのかな……」",
"330000232_4": "「大丈夫なわけないだろッ!\\n おい、人ともそこまでだッ」",
"330000232_5": "「決着はまだついていないが……ここまでか」",
"330000232_6": "「……そうね。残念だけど、終わりましょうか。\\n 出発時間を遅らせるわけにはいかないもの」",
"330000232_7": "「それにしても、送り出すときくらい手加減して\\n 華を持たせてくれてもいいんじゃないの」",
"330000232_8": "「そうしたところで、納得しないだろう?」",
"330000232_9": "「それもそうね。\\n 翼……気合いの入る餞別に感謝するわ」",
"330000232_10": "「えーっと、つまり、どういうことですか……?」",
"330000232_11": "「任務の激励の代わりに、\\n 手合わせを申し込んだってこと……か」",
"330000232_12": "「そうだったんデスかッ! 流石翼さんデスッ!」",
"330000232_13": "「まったく、ぶきっちょさんよね」",
"330000232_14": "「そ、そうか……? マリアに気持ちを伝えるには、\\n これが一番いいと思ったのだが……」",
"330000232_15": "「まあ、確かに気持ちはしっかり伝わったわよ」",
"330000232_16": "(本当にあなたは、ぶきっちょで、まっすぐで、\\n 仲間想いなのね",
"330000232_17": "「それじゃあ、行ってくるわ」"
}

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@ -1,3 +1,45 @@
{
"330000311_0": "闇に忍ぶもの"
"330000311_0": "闇に忍ぶもの",
"330000311_1": "「……ここね、ネメシスが極秘に開発されていた施設というのは」",
"330000311_2": "(ここに、施設を襲ったという怪物の手掛かりが\\n 残されているはず",
"330000311_3": "(だけど、米国は施設を封鎖し情報を遮断してしまった……。\\n 危険だからと国連には説明しているようだけど",
"330000311_4": "(きっとそれは建前。技術の流出やネメシス以外の不都合な\\n 研究内容が露見するのを恐れたのね",
"330000311_5": "(それなら、無理やりにでも中を調べさせてもらうわ)",
"330000311_6": "(入口は当然開かない……それなら、アレが役に立つかしら)",
"330000311_7": "「マリアさん、今回の任務に、ぜひこれを\\n 持って行ってください」",
"330000311_8": "「……これは?」",
"330000311_9": "「ボクが作った、スパイグッズですッ!」",
"330000311_10": "「ええッ!? いつの間にそんなものを……?」",
"330000311_11": "「弦十郎さんにお借りしたスパイ映画を参考に製作しました。\\n いつか、マリアさんの諜報活動の助けになればと……」",
"330000311_12": "「そうだったの……。\\n ありがとう、遠慮なく使わせてもらうわッ」",
"330000311_13": "(ワイヤー付きのベルト……これが使えそうね。\\n まずはフックを壁の通気口に……",
"330000311_14": "(よし、問題なく引っかかったわ。\\n あとはこのボタンを……",
"330000311_15": "「――ッ!?」",
"330000311_16": "(さすがエルフナイン……小型でもすごいパワーね。\\n おかげで潜入に成功したわ",
"330000311_17": "(……施設内のセキュリティが今も稼働している……。\\n やっぱり、危険だから封鎖したというのは嘘だったみたいね",
"330000311_18": "(こんな時はこのサングラスのスコープ機能で……)",
"330000311_19": "(やっぱり……ッ! 赤外線センサーを確認)",
"330000311_20": "(これを潜り抜けて、監視カメラのデータが保存されている\\n 場所を目指しましょう",
"330000311_21": "「……なんだか、スパイというより怪盗みたいなことを\\n しているわね……」",
"330000311_22": "「いいえ、この際なんでもいいわッ!\\n 早く怪物の正体を突き止めないと……」",
"330000311_23": "「うッ……くッ……」",
"330000311_24": "(調や切歌のような小さな体がうらやましいわ……。\\n 気を付けないとセンサーに引っ掛かりそう……だけど……ッ",
"330000311_25": "「ふぅ……なんとか抜けたわね」",
"330000311_26": "(ここに、怪物に襲撃された時の監視カメラ映像が\\n 残っているはず",
"330000311_27": "(エルフナインの用意してくれたメモリ。これなら、\\n 痕跡を残さずにデータを抜き取れると言っていたわね",
"330000311_28": "(該当箇所を探して、データをコピーしましょう)",
"330000311_29": "「な、なんだ、この怪物はッ!?」",
"330000311_30": "「やめろ、こっちに来るなッ!」",
"330000311_31": "「うわあああああ――ッ!」",
"330000311_32": "(これが証言にあった怪物……ッ!\\n 一つ眼で、不気味なビジュアルをしているわね……",
"330000311_33": "(……聞いた通り、怪物に襲われた人や物が分解されていない。\\n アルカ・イズではないことは確かみたいだわ",
"330000311_34": "(怪物の正体は一体……)",
"330000311_35": "(警報ッ!? 赤外線センサー以外にもセキュリティーが\\n 仕掛けられていた…… くッ、迂闊……",
"330000311_36": "(捕まったら厄介だわ。早く施設から脱出しないとッ!)",
"330000311_37": "「侵入者はどこに行ったッ!」",
"330000311_38": "「こちらにはいないようだ。向こうを探すぞッ!」",
"330000311_39": "(……ふぅ、なんとか撒けそうね)",
"330000311_40": "(ギリギリだったけど、データの持ち出しに成功して\\n 良かったわ",
"330000311_41": "(極秘開発施設を襲った、一つ眼の怪物……。明らかに何者かの\\n 意思のもと、操られているようだった……",
"330000311_42": "(次は、あの怪物の出どころを探りましょう。\\n そこに、黒幕の手掛かりがあるはずよ"
}

View file

@ -1 +1,13 @@
{}
{
"330000321_0": "「ごめんなさい、心当たりはないですね……」",
"330000321_1": "「そうですか……。ありがとうございます」",
"330000321_2": "(今日も新たな情報は無し……。\\n どうやら、行き詰まってしまったようね",
"330000321_3": "(噂話やネットから怪物の目撃情報と思しき情報を拾い、\\n それが集中していたこの町に来たのが日前……",
"330000321_4": "(だけど、それから少しも進展が無いなんて……)",
"330000321_5": "(陽が沈んで人通りも少なくなってきているようだし、\\n 今日のところはこれくらいにしておきましょう",
"330000321_6": "(宿で情報の整理を――)",
"330000321_7": "「何ッ!? 今、何かが飛んで……」",
"330000321_8": "「この怪物はまさか、あの映像に映っていた一つ眼のッ!?」",
"330000321_9": "「Seilien coffin airget-lamh tron――」",
"330000321_10": "「ちょうど行き詰まっていたところだったの。そっちから\\n 仕掛けてくるというのなら、好都合だわッ」"
}

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@ -1 +1,25 @@
{}
{
"330000331_0": "「くッ……本当なら捕獲したいところだけど、\\n この状況ではさすがに無理そうねッ」",
"330000331_1": "「騒ぎになる前に、ここで倒させてもらうわッ!」",
"330000331_2": "(片付いたけど、\\n 怪物の方から襲ってきたということは……",
"330000331_3": "(わたしが怪物について調べていることを、\\n どうやら気取られてしまったようね",
"330000331_4": "(増援……ッ! この数を相手にしていたらキリがないわ)",
"330000331_5": "(それよりも、一度身を隠して、怪物が拠点に戻っていく\\n ところをつけましょう",
"330000331_6": "(奴らが戻っていくところに黒幕がいるはず……)",
"330000331_7": "「ここは退かせてもらうわッ!」",
"330000331_8": "(ここならしばらく身を隠していても……)",
"330000331_9": "「な……ッ!」",
"330000331_10": "(完全に死角をついて身を隠したつもりだったけれど、\\n どうやってここをッ",
"330000331_11": "「それなら、これを使って……ッ!」",
"330000331_12": "「今度こそ……」",
"330000331_13": "「チッ……」",
"330000331_14": "「はあ……はあ……」",
"330000331_15": "(何かしら、この嫌な感じは……)",
"330000331_16": "(建物の中や地下道を使って追跡を撒いても、\\n 必ず先回りされてしまう",
"330000331_17": "(まるで、わたしの行動がすべて筒抜けになっているような……)",
"330000331_18": "「きゃあああ――ッ!?」",
"330000331_19": "「この悲鳴はッ!?\\n まさか、住民が怪物に襲われてッ」",
"330000331_20": "「作戦変更……打って出るッ!」",
"330000331_21": "「Seilien coffin airget-lamh tron――」",
"330000331_22": "「今助けるわッ!」"
}

View file

@ -1 +1,12 @@
{}
{
"330000332_0": "「これで最後ッ!」",
"330000332_1": "「……ふう」",
"330000332_2": "(敵を全滅させて手がかりは無くなってしまったけれど、\\n この人を護れたのだからよしとしましょうか",
"330000332_3": "「大丈夫だった? 巻き込んでしまって悪かったわ。\\n ケガは……していないようね、よかった」",
"330000332_4": "「あ、ありがとうございます……。\\n その、腰が抜けてしまって……」",
"330000332_5": "「目の前でこんなことが起こったら無理もないわね。\\n さあ、手を――」",
"330000332_6": "「ぐあ――ッ!?」",
"330000332_7": "「な、にが……身体が、しびれ……」",
"330000332_8": "「……」",
"330000332_9": "「スタンガン……<size=27>ま、</size><size=25>さか……</size>」"
}

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@ -1 +1,25 @@
{}
{
"330000341_0": "「ん……ここは……?」",
"330000341_1": "「確か、街で怪物と戦闘になって、それで……」",
"330000341_2": "「ああ、全部思い出したわ」",
"330000341_3": "「あの女性にスタンガンで気を失わされて、\\n ……そのまま連れ去られたのね」",
"330000341_4": "(焦っても仕方がないわ、ひとまず状況を確認しないと)",
"330000341_5": "(室内のようだけど、ここは敵の拠点? それとも、\\n 一時的に近場に連れ込まれたと考えるべきかしら",
"330000341_6": "(拘束もしっかりされているわね……)",
"330000341_7": "(だけど、ギアを纏えばこれくらいの拘束ッ!)",
"330000341_8": "「……」",
"330000341_9": "「ギアが、纏えないッ!?」",
"330000341_10": "「当然だ。拘束した装者にいつまでも\\n ギアコンバーターを持たせていると思ったか」",
"330000341_11": "「あなたは……ッ!」",
"330000341_12": "(わたしを騙し、気絶させた女性……)",
"330000341_13": "「わたしをどうするつもりかしら?\\n 悪いけど、何を聞いても無駄よ。こう見えて口は堅いから」",
"330000341_14": "「この状況で随分と余裕だな、マリア」",
"330000341_15": "「……ッ!」",
"330000341_16": "「ギアのこと、わたしのこと……。よく調べてあるようね。\\n だけど、気安く呼び捨てにしないでもらいたいわッ」",
"330000341_17": "「知らない仲でもないんだ、別に構わないだろ。\\n それとも、わたしのことを忘れたか」",
"330000341_18": "「な、なんですってッ!?」",
"330000341_19": "「フン。S.O.N.G.に所属するようになって、F.I.S.時代のことは\\n もう記憶にないようだな」",
"330000341_20": "「F.I.S.時代……つまりわたしと同じ、\\n レセプターチルドレン まさか、そんなッ」",
"330000341_21": "「思い出してくれたか?」",
"330000341_22": "「あなたは……ジャンヌ、なの……?」"
}

View file

@ -1 +1,55 @@
{}
{
"330000351_0": "「ジャンヌ……。レセプターチルドレンとして\\n F.I.S.に保護された、フランス系移民の孤児」",
"330000351_1": "「セレナがまだ生きていた頃、わたしたちは知り合った」",
"330000351_2": "「ネフィリムの暴走からしばらくして、フィーネの器でもなく\\n 装者になる可能性もないと断じられたジャンヌ」",
"330000351_3": "「確か、特別にF.I.S.から別の研究機関に異動となった\\n 数少ない子供たちのうちの人だったわ」",
"330000351_4": "「マムからは、異端技術とは無縁な研究機関で、\\n 研究員として養成されることになると聞いていた……」",
"330000351_5": "「それからわたしは装者としての訓練に掛かりきりになり、\\n いつしかジャンヌのことは忘れてしまっていたのね」",
"330000351_6": "「そのジャンヌが、今再びわたしの目の前に……」",
"330000351_7": "「そう、わたしは元レセプターチルドレンのジャンヌだ」",
"330000351_8": "「どうして、あなたがここにいるのッ!?」",
"330000351_9": "「久しぶりに会った旧友に最初に掛ける言葉がそれか。\\n あの頃とはずいぶん変わってしまったようだな」",
"330000351_10": "「……あなたには言われたくないわね」",
"330000351_11": "「あなたは、政府の研究機関にいたはず。それが何故、\\n 怪物を使い暗躍する犯罪組織に所属しているのかしら」",
"330000351_12": "「フッ、勘違いしているようだから言っておくが、\\n わたしはこの組織の構成員ではない」",
"330000351_13": "「わたしがこの組織を作ったんだ」",
"330000351_14": "「なんですってッ!?」",
"330000351_15": "「つまり、あなたが組織のトップ……。怪物を操り、\\n ネメシスを奪ったのもあなただというの」",
"330000351_16": "「ああ、その通り。そして、チョロチョロとわたしたちのことを\\n 嗅ぎまわるスパイを捕らえたのもな」",
"330000351_17": "「くッ……。怪物を使役するだなんて、\\n 普通ではありえないわッ 一体どんな方法で――」",
"330000351_18": "「怪物を使役――こんなふうにか?」",
"330000351_19": "「これは……ッ!」",
"330000351_20": "「わたしは『ベビー・アルゴス』と呼んでいる」",
"330000351_21": "「1体1体が端末であり、眼でもある。ベビー・アルゴスが\\n 見た視界は、すべてわたしに共有されるんだ」",
"330000351_22": "「戦闘力を捨てれば虫のように小さくすることも可能で、\\n なかなかに便利な代物だぞ」",
"330000351_23": "「なるほど……。\\n わたしはその能力にしてやられたというわけね」",
"330000351_24": "「フッ、そういうことだ。お前が必死に逃げ回る様子は\\n なかなか愉快だったぞ」",
"330000351_25": "「そして、それだけではない。米国のありとあらゆる場所に\\n 監視用のベビー・アルゴスが配置されている」",
"330000351_26": "「だから、懐かしい顔がここを嗅ぎまわっているのは\\n すぐにわかったというわけだ」",
"330000351_27": "(個々の眼が見た情報が共有される……。\\n 単純な戦闘能力よりも恐ろしい能力かもしれないわね",
"330000351_28": "(恐らく、ネメシスの極秘開発施設を暴き、強襲することが\\n できたのもベビー・アルゴスの能力あってのこと……",
"330000351_29": "「ベビー・アルゴスは端末だと言ったわね……。つまり、それを\\n 制御する母体があるということ」",
"330000351_30": "「完全聖遺物か、哲学兵装か……。あなたはそれを使って\\n ベビー・アルゴスを操っているんじゃないかしら」",
"330000351_31": "「いい読みだが、少し違うな」",
"330000351_32": "「これを見せてやろう……」",
"330000351_33": "「な……ッ! 左眼が、浸蝕されて……ッ!?」",
"330000351_34": "「ああ……これは『アルゴスの眼』」",
"330000351_35": "「『アルゴス』、それは自律型の完全聖遺物」",
"330000351_36": "「自律型……ネフィリムと同じ……」",
"330000351_37": "「そう。その体に無数の眼を持ち、死角の無い無限の視線にて\\n 対象を見張る巨人、それがアルゴスだ」",
"330000351_38": "「伝説ではとある神によって殺されたとあるが、その亡骸は\\n 聖遺物として現代まで遺っていたというわけだ」",
"330000351_39": "「わたしはその因子を打ち込まれ、左眼を失う\\n 代わりに第二のアルゴスとなった」",
"330000351_40": "「つまり、このアルゴスの眼こそが聖遺物の一部であり、\\n わたし自身がベビー・アルゴスの母体というわけだッ」",
"330000351_41": "「聖遺物との一体化……どうやら、想像していた以上に\\n 厄介な相手みたいね」",
"330000351_42": "「それであなたは、そのアルゴスの眼と衛星兵器ネメシスを\\n 使って一体何をするつもりなのかしら」",
"330000351_43": "「そんなことは決まっている。復讐と、理想の実現だ」",
"330000351_44": "「まずはこの国を壊滅させる。\\n わたしたちをこんな目に遭わせた報いを受けてもらう」",
"330000351_45": "「そしてその上に、理想の国を作り上げるのだ。非力な子供が\\n 大人の都合で泣かなくていい、平和な理想郷をッ」",
"330000351_46": "(憎しみと歪んだ理想……。ジャンヌの過去に、\\n 何があったというの…… いえ、それにしても",
"330000351_47": "「破壊兵器によって理想郷を作るだなんて、バカバカしいわね。\\n そんな力で作る平和を、平和だなんて呼ばないわッ」",
"330000351_48": "「なんとでも言えばいい。目的を果たすためなら、\\n わたしはどんな力であろうと使ってみせる」",
"330000351_49": "「どんな力でも。そう……お前の力さえもなッ!」",
"330000351_50": "「わたしのッ!?」",
"330000351_51": "「わたしがなんのためにべらべらと組織の内情を話したと\\n 思っている。始めから、お前と取引をするためだ」",
"330000351_52": "「お前の持つシンフォギアの力が欲しい。\\n わたしの仲間になれ、マリアッ」"
}

View file

@ -1 +1,31 @@
{}
{
"330000412_0": "「行くぞ、雪音ッ!」",
"330000412_1": "「ああッ!」",
"330000412_2": "「連携攻撃なら、こっちだって負けてないデスよッ!」",
"330000412_3": "「見せよう、わたしたちの力をッ!」",
"330000412_4": "「なかなかに連携の取れた攻撃だ。\\n よかったぞ、人とも」",
"330000412_5": "「そう言ってもらえて嬉しいデスッ!\\n 人もさすがのコンビネーションだったデスよ」",
"330000412_6": "「次はわたしたちもマネしてみよう」",
"330000412_7": "「どうやらまだ動きたりないみたいだな。\\n もう一戦いっとくか」",
"330000412_8": "「よーし、今度はわたしがッ!」",
"330000412_9": "「お前たち、訓練はいいが、身体を温める程度にしておけ。\\n 今は完全聖遺物『ヘルメスの剣』の移送任務中だろう」",
"330000412_10": "「し、師匠……ッ!」",
"330000412_11": "「了解しました。これ以上は控えておきます」",
"330000412_12": "「そうだったデス。アタシたちは大切な任務の途中だったデスよ」",
"330000412_13": "「マリアくんが不在の間、君たちには完全聖遺物『ヘルメスの剣』\\n を太平洋沖から米国まで移送する任務に当たってもらいたい」",
"330000412_14": "「ヘルメスの剣……ですか?」",
"330000412_15": "「はい。駿足で駆ける神、ヘルメスの力が宿っている\\n とされる完全聖遺物です」",
"330000412_16": "「長らく所在不明とされていましたが、先日、偶然基底状態で\\n 海底から発見されたということです」",
"330000412_17": "「聖遺物は発見国である米国に移され、研究されることとなった。\\n しかし最近、結社残党の錬金術師による襲撃が増えていてな」",
"330000412_18": "「大事を取って、アルカ・ノイズにも対抗できる我々が\\n 太平洋沖で物を受け取り、移送任務を行う運びとなった」",
"330000412_19": "「米国ということは、向こうでマリアに会えるんデスか?」",
"330000412_20": "「いや、それは難しいだろうな。\\n 我々はあくまで聖遺物を移送するだけの任務だ」",
"330000412_21": "「そうですか……」",
"330000412_22": "「駿足で駆ける神……なんだかかっこよさそうですッ!」",
"330000412_23": "「しかし、起動はしていないのだろう?\\n どんな力を持っているのか見ることは叶わないだろうな」",
"330000412_24": "「そっちの方がいいだろ。起動済みの完全聖遺物なんて運んで\\n たら、何が起こるかわからないからな」",
"330000412_25": "「その通りだ。我々の任務は無事に聖遺物を目的地に届けること。\\n もし襲撃があった場合に備え、しっかりと準備をしておけよ」",
"330000412_26": "「はいッ!」",
"330000412_27": "「よーし、マリアの分まで任務をやりきるデスよッ!」",
"330000412_28": "「マリアも頑張ってるんだから、わたしたちも頑張ろうッ!」"
}

View file

@ -1 +1,38 @@
{}
{
"330000421_0": "「お前の持つシンフォギアの力が欲しい。\\n わたしの仲間になれ、マリアッ」",
"330000421_1": "「言うに事欠いて……ッ!\\n そんな要求、わたしが飲むわけがないでしょう」",
"330000421_2": "「そうか……。ならば、\\n わたしが首を縦に振れるようにしてやろう」",
"330000421_3": "「このモニターを見ろ。ベビー・アルゴスの視界の\\n つを投影している」",
"330000421_4": "「これは、どこかの研究施設?」",
"330000421_5": "「ああ。ネメシスの開発施設と同じような、軍事研究施設だ。\\n 表に出せない非人道的な研究も行っているようだな」",
"330000421_6": "「お前のためのデモンストレーションとして、\\n 今からこの施設を消し去ってみせよう」",
"330000421_7": "「――ッ!? 何をするつもり……?\\n やめなさいッ」",
"330000421_8": "「黙って見ていろ」",
"330000421_9": "「あ、ああ……」",
"330000421_10": "「フフ……悪辣な軍事施設が消え去り、また1つ\\n わたしの理想郷が近づいたッ」",
"330000421_11": "「人の命を、よくもそんな簡単に……ッ!」",
"330000421_12": "「フン、ネメシスの威力はよくわかってもらえたようだな。\\n さあ、次の目標をモニターに映そう……」",
"330000421_13": "「これは、S.O.N.G.本部ッ!? まさか……」",
"330000421_14": "「S.O.N.G.の有する力も、わたしの理想郷には不要な異物だ。\\n その動きは密かに監視してきた」",
"330000421_15": "「あそこには大切な仲間がいるのだろう? 沈めるのは\\n 容易いが、お前の返事次第では考えてやろう」",
"330000421_16": "「クッ……、仲間を人質にするなんて卑怯な……」",
"330000421_17": "「別に構わないぞ。\\n わたしに従えないなら、今すぐに沈めて……」",
"330000421_18": "「待って……ッ! 返事をする前に1つ聞かせて。\\n わたしを引き入れて、一体何をさせるつもりなの」",
"330000421_19": "「……S.O.N.G.は今、聖遺物『ヘルメスの剣』を\\n 輸送する任務を遂行している」",
"330000421_20": "「ヘルメスの剣?」",
"330000421_21": "「海底から発見された聖遺物でな。\\n わたしはずっと、これを探していた」",
"330000421_22": "「お前には、それを奪取してもらう」",
"330000421_23": "(アルゴスの眼、ネメシスのほかに、さらにもう1つの聖遺物を\\n 狙っているなんて、一体何をするつもりなの",
"330000421_24": "「つまり……わたしにS.O.N.G.を襲撃して奪ってこいと?」",
"330000421_25": "「そういうことだ。フィーネを名乗り、世界を欺いた\\n お前には手慣れたことだろう」",
"330000421_26": "「くッ……」",
"330000421_27": "「お前が拒否すれば、ネメシスでS.O.N.G.を沈めたあとで\\n 海底までヘルメスの剣を回収しに行くことになる」",
"330000421_28": "「わたしはそれでもいいのだがな、少々時間がかかる。\\n お前が取ってくれば、お互いに得というわけだ」",
"330000421_29": "「さあ、話はもう十分だろう。\\n そろそろ聞かせてもらおうか」",
"330000421_30": "「裏切りによって仲間の命を護るか、仲間の死によって\\n 己の誇りを護るか……」",
"330000421_31": "(ジャンヌに協力すれば、みんなの命を護ることができる。\\n でも、それはみんなを裏切るということ……",
"330000421_32": "(だとしても、わたしに与えられた選択肢は1つしかないわ。\\n たとえ、みんなを傷つけ、恨まれたとしても……",
"330000421_33": "「約束して。あなたに協力すれば、\\n S.O.N.G.に、装者たちには手を出さないと」",
"330000421_34": "「ああ、約束しよう」",
"330000421_35": "「わかったわ。\\n わたしは、あなたの仲間になる……」"
}

View file

@ -1 +1,65 @@
{}
{
"330000431_0": "「これでわたしとお前は仲間だ。\\n 歓迎するぞ、マリア」",
"330000431_1": "「歓迎なんてしてもらわなくて結構よ……。\\n 心まであなたの仲間になったつもりはない」",
"330000431_2": "「威勢がいいな。そうだ、仲間になった記念に、\\n わたしからつプレゼントを渡そう」",
"330000431_3": "「ベビー・アルゴス……ッ!\\n それで、何をしようと――」",
"330000431_4": "「さあ、受け取れ、マリアッ!」",
"330000431_5": "(ベビー・アルゴスが、わたしの中にッ!?)",
"330000431_6": "「うッ、ぐあああ――ッ!?」",
"330000431_7": "「……成功だ。無事に融合したようだな」",
"330000431_8": "「わたしに……、何をしたのッ!?」",
"330000431_9": "「なに、仲間になったと言ってもすぐには信用できないからな。\\n 保険のようなものだ。それと、これを返そう」",
"330000431_10": "「お前のシンフォギア、アガートラームのギアコンバーターだ。\\n S.O.N.G.の装者と戦うのに必要だろうからな」",
"330000431_11": "「それなら、この拘束も解いてくれるかしら」",
"330000431_12": "「ああ、そうだったな」",
"330000431_13": "(やっと手足が自由になった。\\n そして、わたしの手にはアガートラームがあるッ",
"330000431_14": "(わたしが大人しくしていると\\n 油断したわね、ジャンヌッ",
"330000431_15": "「Seilien coffin airget-lamh tron――」",
"330000431_16": "「はあああ――ッ!」",
"330000431_17": "「うッ……な、何よ、これ……。\\n 急に身体の力が抜けて……」",
"330000431_18": "「それに、このギア形状は……ッ!?」",
"330000431_19": "「ハハッ、無様だな。\\n 言っただろう、保険を掛けたと」",
"330000431_20": "「アルゴスの眼には、ベビー・アルゴスによる無限の視界の他に\\n もうつ能力がある」",
"330000431_21": "「もう1つの、能力……?」",
"330000431_22": "「かつて、アルゴスはある鳥に自分の眼を与えた」",
"330000431_23": "「それによってその鳥はアルゴスの眷属となり、\\n 鳥の羽根には無数の眼玉模様が浮き出たという」",
"330000431_24": "「つまり、アルゴスは自身の眼の1つを与えることで、\\n 対象を眷属へと変える能力を持っているのだ」",
"330000431_25": "「つまり、わたしをあなたの眷属にしたというのッ!?\\n このギアも、あなたに攻撃ができないのも、そのせい……」",
"330000431_26": "「そういうことだ。眷属が主に楯突くことができないのは\\n 当然の道理だろう」",
"330000431_27": "「しかし、よくもわたしを出し抜こうとしたなッ!」",
"330000431_28": "「ぐッ……」",
"330000431_29": "(これではまるで首輪につながれた犬……ッ!\\n 逆らうことも、抵抗することも封じられて……",
"330000431_30": "「二度とわたしを出し抜こうなどと考えるなよ」",
"330000431_31": "「眷属となった者はベビー・アルゴスと同様、わたしに\\n 視界が共有される」",
"330000431_32": "「手を抜いたり装者と内通しようとすればすぐにわかる\\n というわけだ」",
"330000431_33": "「もしそんなことがあれば、わたしへの裏切りとみなし\\n 即刻ネメシスを発射してやる」",
"330000431_34": "「それから、このアジトはアウフヴァッヘン波形が検知\\n できない仕掛けが施されている」",
"330000431_35": "「見つけてもらえるなどと期待しないことだな」",
"330000431_36": "「くッ……、わかったわ」",
"330000431_37": "「フン、最初からそう言えばいいんだ。\\n ではさっそくS.O.N.G.へ向かってもらうとしよう」",
"330000431_38": "(このままでは、装者のみんなと戦うことに……。\\n これじゃあまるで、フィーネを騙ったあの頃に逆戻りじゃない",
"330000431_39": "(だけど、わたしはもうあの頃のわたしじゃない。どんなに\\n 絶望的な状況だって、決してあきらめたりはしない……ッ",
"330000431_40": "(ジャンヌの2つの武器、アルゴスの眼とネメシスを無力化できる\\n 可能性があるのは、内部にいるわたしだけよ",
"330000431_41": "(ジャンヌを出し抜くチャンスは必ず来るはず)",
"330000431_42": "(たとえ、仲間を傷つけ、憎まれようとも……。\\n 裏切り者と罵られようとも……",
"330000431_43": "(仲間を救うためならば、\\n わたしはそのすべてを受け入れ、人で戦い抜くッ",
"330000431_44": "「航路は順調です。\\n 敵性反応も今のところ確認できません」",
"330000431_45": "「ですがここから先、十分な水深が確保できないため、\\n 海面上の航行に移行しました」",
"330000431_46": "「襲撃があるとすれば、これからだな」",
"330000431_47": "「最後まで油断は禁物ですね」",
"330000431_48": "「迎撃準備は万全とはいえ、このまま何もないと助かるデス」",
"330000431_49": "「それもそうだな。このまま……」",
"330000431_50": "「うわあああッ!?」",
"330000431_51": "「やっぱり、来やがったかッ!」",
"330000431_52": "「今の揺れはなんだッ!?」",
"330000431_53": "「……甲板上に反応あり、何者かの攻撃を受けていますッ!」",
"330000431_54": "「映像、出ますッ!」",
"330000431_55": "「なんだ、あれはッ!」",
"330000431_56": "「目玉の怪物デースッ!?」",
"330000431_57": "「また新種のアルカ・ノイズかよッ!\\n だとしたら、錬金術師が近くにいるのか」",
"330000431_58": "「違います、アルカ・ノイズの反応はありませんッ!」",
"330000431_59": "「なら、あの怪物は一体……」",
"330000431_60": "「アンノウン、装甲を破って艦内に侵入ッ!」",
"330000431_61": "「相手が何者かはわからないが、攻撃してくる以上は敵だ。\\n 装者たちは二手に分かれ、迎撃に当たれッ」",
"330000431_62": "「了解ッ!」"
}

View file

@ -1 +1,37 @@
{}
{
"330000432_0": "「艦内に入った一つ眼の怪物は全部やっつけたよッ!」",
"330000432_1": "「ああ、おつかれさん。\\n こっちも一通り片付いたところだ」",
"330000432_2": "「今のところ増援は無いようだな……。\\n だが、まだ警戒は怠らない方がいいだろう」",
"330000432_3": "「了解です」",
"330000432_4": "「ところで、怪物の正体は何かわかったデスか?」",
"330000432_5": "「解析は進めていますが、やはり正体を決定するには\\n 情報が足りません」",
"330000432_6": "「まさか、本物の妖怪ッ! 一つ眼小僧ってやつデスかッ!?」",
"330000432_7": "「だけど、なんで太平洋の上で……」",
"330000432_8": "「新たな反応を検知ッ! 警戒してください」",
"330000432_9": "「またあの一つ眼デスかッ!?」",
"330000432_10": "「いや、これは……アウフヴァッヘン波形ッ!?」",
"330000432_11": "「この波形は……ッ!?」",
"330000432_12": "「一体、何が――」",
"330000432_13": "「く、ああ――ッ!」",
"330000432_14": "「大丈夫かッ!?」",
"330000432_15": "「……わたしは大丈夫だ。だが、今の攻撃は……」",
"330000432_16": "「そんな、どうして……ッ!?」",
"330000432_17": "「な、なんでここにいるデスかッ!」",
"330000432_18": "「マリア……ッ!」",
"330000432_19": "「……」",
"330000432_20": "(この殺気は……ッ!?)",
"330000432_21": "「みんな、警戒しろッ!」",
"330000432_22": "「え……?」",
"330000432_23": "「わたしたちを、攻撃するつもりだッ!」",
"330000432_24": "「……」",
"330000432_25": "「――ッ!」",
"330000432_26": "「ぐ――ッ! や、やめてくださいッ!」",
"330000432_27": "「何がどうなってるんデスか?\\n なんでマリアがアタシたちに攻撃をッ」",
"330000432_28": "「……」",
"330000432_29": "「マリアの後ろから、あの怪物がたくさんッ!?」",
"330000432_30": "「あたしたちを襲った怪物と仲良しってことかよ……。\\n それに、その気持ち悪いギアはなんなんだッ」",
"330000432_31": "「質問に答えろ、マリアッ!」",
"330000432_32": "「……わたしは……」",
"330000432_33": "「……ッ!」",
"330000432_34": "「<size=40>わたしは、S.O.N.G.に宣戦を布告するッ!</size>」"
}

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@ -1 +1,15 @@
{}
{
"330000441_0": "「宣戦布告だとッ!?\\n 正気なのか、マリアッ」",
"330000441_1": "「というか、本当に本物のマリアなんデスか。\\n アガートラームはそんな不気味じゃないデスよッ」",
"330000441_2": "「確かに見た目だけマリアに似せてる偽物かも」",
"330000441_3": "「敵が変装してるってことか?」",
"330000441_4": "「いえ、彼女から感知されるアウフヴァッヘン波形は\\n 間違いなくアガートラームのものですッ」",
"330000441_5": "「ということは、中身がどうであれ、\\n 纏っているのはアガートラームに違いないらしい」",
"330000441_6": "「きっと未来のときみたいに操られてるんですッ!」",
"330000441_7": "「ダイレクトフィードバックシステムかッ!」",
"330000441_8": "「残念ながら、あの装置は<ruby=シェンショウジン>神獣鏡</ruby>の特性を利用したもの。\\n アガートラームには実装できないはずです」",
"330000441_9": "「つまり、マリアの敵対は……自分の意思だということかッ!」",
"330000441_10": "「ええ、その通りよ。言ったでしょう。宣戦布告をすると」",
"330000441_11": "「ヘルメスの剣は、わたしがいただくわッ!」",
"330000441_12": "「ッ!」"
}

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@ -1 +1,21 @@
{}
{
"330000442_0": "「どきなさい――ッ!」",
"330000442_1": "「どうしてこんなことをするんデスかッ!」",
"330000442_2": "「ちゃんと話を聞かせて。\\n 事情があるなら、わたしたちも協力をッ」",
"330000442_3": "「――ッ!」",
"330000442_4": "「うッ……。\\n お願いですから、攻撃をやめてくださいッ」",
"330000442_5": "「呆けている状況ではないぞッ!\\n はあ――ッ」",
"330000442_6": "「く――ッ!?」",
"330000442_7": "「こちらの問いかけに答えないというのなら、まずは大人しく\\n させるのが最優先だッ 話はベッドで聞かせてもらうッ」",
"330000442_8": "「フッ奇襲にも戸惑わずに反撃をしてくるなんて、\\n さすがは翼ねッ」",
"330000442_9": "「――ッ! ぼーっとしてる場合じゃないッ!\\n 続くぞッ」",
"330000442_10": "「そうはさせないッ!」",
"330000442_11": "「コイツはさっきの怪物ッ!?」",
"330000442_12": "「こっちにも出てきたデスッ!」",
"330000442_13": "「数が多くて、2人のところへ行けない……」",
"330000442_14": "「翼さんッ!」",
"330000442_15": "「こちらはわたしに任せろ。\\n お前たちは本部に被害が出ないようその怪物の相手をッ」",
"330000442_16": "「わかりましたッ!」",
"330000442_17": "「……行くぞ、マリアッ!」",
"330000442_18": "「いいわ。かかってきなさいッ!」"
}

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@ -1 +1,56 @@
{}
{
"330000452_0": "「はあ――ッ!」",
"330000452_1": "「本当にわたしを倒すつもりがあるの?\\n その攻撃、遅すぎるわッ」",
"330000452_2": "(なんだ、この感覚は。\\n わたしの太刀筋がすべて見切られているような……",
"330000452_3": "「そこよッ!」",
"330000452_4": "「――ッ!?」",
"330000452_5": "(まただッ! こちらがどちらへ回避するかを\\n 見透かしたような動きをッ",
"330000452_6": "「見える……。これが、アルゴスの眷属となった\\n ギアの力……ッ」",
"330000452_7": "「わたしの相手にならないわ。\\n ケガをしたくなければ、大人しく道を開けなさい」",
"330000452_8": "「そのような要求をわたしが聞くとでも思っているのかッ!」",
"330000452_9": "「やっぱり、そう簡単にはいかないわね……」",
"330000452_10": "「何故、わたしたちの敵となるッ!」",
"330000452_11": "「……ッ!」",
"330000452_12": "「言ったはずよ、ヘルメスの剣をいただくためとッ!」",
"330000452_13": "「ならば、求める理由を答えろ。\\n 聖遺物を手に入れて、お前はそれをどうするつもりだッ」",
"330000452_14": "「……それを答える義理はない。\\n わたしたちの邪魔をしないでちょうだいッ」",
"330000452_15": "(……たち、だと?)",
"330000452_16": "「う――ッ!」",
"330000452_17": "「翼さんッ!?」",
"330000452_18": "「ウソだろ、なんで一方的にやられてんだよッ!」",
"330000452_19": "「相手がマリアだから本気を出せていない……?」",
"330000452_20": "(違う、手など抜けるような状況ではない)",
"330000452_21": "(マリアの動きが以前とは違っている。\\n やはり、こちらの動きが見透かされているようだ",
"330000452_22": "「これでトドメよッ!」",
"330000452_23": "「くッ――」",
"330000452_24": "「わたしたちは仲間だろうッ!\\n 仇なし、裏切ると言うのかッ」",
"330000452_25": "「――ッ!?」",
"330000452_26": "「動きが鈍く……勝機――ッ!」",
"330000452_27": "「しまった――ッ!?」",
"330000452_28": "「あああ――ッ!」",
"330000452_29": "「入った……いや、寸前で防がれていたかッ!」",
"330000452_30": "「油断したわ。でも、次はない……ッ!」",
"330000452_31": "「加勢しますッ!\\n あの怪物は全部、片付けましたッ」",
"330000452_32": "「休んでて構わない。\\n 人で抑え込むッ」",
"330000452_33": "「そうはいかない。\\n ここで確実に捕らえるのなら人でも多いほうがいい」",
"330000452_34": "「……」",
"330000452_35": "「ん? あれは、端末デスか?\\n 誰かと何か喋ってるみたいデスよ」",
"330000452_36": "「って、見てる場合じゃないだろ。\\n 隙だらけなんだ、ここで打ち込んで――」",
"330000452_37": "「……了解」",
"330000452_38": "「この状況で戦闘を続行するのは分が悪い。\\n ここは引かせてもらうわ」",
"330000452_39": "「待て、マリアッ!」",
"330000452_40": "「だけど忘れないで。決して、ヘルメスの剣を\\n 諦めたわけではないということをッ」",
"330000452_41": "「あッ、マリア……ッ!\\n 怪物に乗って飛んで行くデス……」",
"330000452_42": "「なんで……まるで、本当に敵になっちゃったみたいに……」",
"330000452_43": "「うだうだ考えるのはあとだ、追いかけるぞッ!\\n 今すぐミサイルを――」",
"330000452_44": "「ダメだ、それは許可できない」",
"330000452_45": "「どうしてですか、師匠。\\n 早く追いかけないと見失っちゃいますよッ」",
"330000452_46": "「俺たちの任務は聖遺物の輸送と護衛だ。\\n そのことを忘れるな」",
"330000452_47": "「で、でも……」",
"330000452_48": "「いや、司令の言うとおりだ。ここをわたしたちが離れたとき、\\n 再びあの怪物が襲ってきたらどうする」",
"330000452_49": "「ああ。マリアくんが囮だということも考えられる」",
"330000452_50": "「それは、そうだけど。\\n だからって……」",
"330000452_51": "「それに、マリアくんはヘルメスの剣を狙っていると言っていた。\\n 我々がそれを持っている以上、また会うことになるだろう」",
"330000452_52": "「わかりました……」",
"330000452_53": "(太刀筋に確かな迷いがあった。\\n 迷いながらもお前は一体、何をなそうとしている……"
}

View file

@ -1,3 +1,35 @@
{
"330000511_0": "ヘルメスの剣防衛任務"
"330000511_0": "ヘルメスの剣防衛任務",
"330000511_1": "(わたしは、仲間を攻撃してしまった……)",
"330000511_2": "(みんなの戸惑いに満ちた顔……)",
"330000511_3": "(そして、まっすぐにわたしを見据えていた、翼の目……)",
"330000511_4": "(護るためには、ジャンヌに従うしかなかった。\\n それしか……",
"330000511_5": "「ヘルメスの剣を奪うこともできず戻ったか」",
"330000511_6": "「ええ、予想以上に装者たちの抵抗が激しくてね。\\n わたし人ではどうにもできなかったわ……」",
"330000511_7": "「……本当にそれだけの理由か?」",
"330000511_8": "「風鳴翼との戦闘中、\\n 相手への攻撃を躊躇していたように見えたが」",
"330000511_9": "「わ、わたしは躊躇したつもりはないわ。\\n 人も装者を相手にしていたら攻めあぐねるものよ」",
"330000511_10": "(そう、迷いは消したはず。\\n なのにどうして、あのときわたしは……",
"330000511_11": "「……今日のところはそういうことにしておくか」",
"330000511_12": "「忘れるな、S.O.N.G.の命運は、\\n わたしの采配つだということを」",
"330000511_13": "「そんなことはわかっているわッ!\\n 次はしくじらない、それでいいんでしょうッ」",
"330000511_14": "(アルゴスの眼の監視がある以上、騙しは効かない……。\\n もう失敗はできないわ",
"330000511_15": "「ぐう――ッ!?」",
"330000511_16": "「――ッ!」",
"330000511_17": "「どうしたの?\\n 急に苦しみだすなんて……。ひょっとして、左眼が痛むの」",
"330000511_18": "「放っておけッ!」",
"330000511_19": "「くッ……」",
"330000511_20": "「しばらくすれば落ち着く。\\n わたしはしばらく部屋に戻っている、お前も待機していろ」",
"330000511_21": "(今、彼女は眼を押さえながら苦しんでいた。\\n アルゴスの眼が原因で",
"330000511_22": "(もしかして、アルゴスの眼の力の使用には\\n 何かしらのリスクがあるのかしら",
"330000511_23": "(ガングニールの融合症例では、力を使うほど融合深度が増して\\n 身体に変調を来したと聞いたことがある",
"330000511_24": "(ひょっとして、それと同じようなことが……)",
"330000511_25": "「……それでも今は、考えてもわからないことばかりね」",
"330000511_26": "(だけどアルゴスの眼も完全ではない可能性があることがわかった。\\n そこが彼女に勝つための突破口になるかもしれないわ",
"330000511_27": "(……彼女は、そんな不完全なものを使用してリスクを\\n 負ってまで、何をなそうとしているの",
"330000511_28": "(復讐と理想の実現と言っていたけれど、そもそも、\\n それはなんのために、いえ、誰のために……",
"330000511_29": "「きこ……ます……」",
"330000511_30": "「誰ッ!?」",
"330000511_31": "「……誰もいない? 確かに声が聞こえた気がしたけれど」",
"330000511_32": "「空耳かしら。でも今の声、どこかで……」"
}

View file

@ -1 +1,53 @@
{}
{
"330000521_0": "「聖遺物の移送任務、ご苦労だった」",
"330000521_1": "「本来ならば移送が完了した時点でお役御免だったのだが、\\n そうも言っていられない状況になってしまったな……」",
"330000521_2": "「マリアさん……」",
"330000521_3": "「現在この研究施設にて保管されているヘルメスの剣だが、\\n いつまた襲撃に遭うかわからない」",
"330000521_4": "「何より、マリアくんが再び襲ってくるならば、我々は\\n それを止めなくてはならない」",
"330000521_5": "「立て続けの任務になるが、\\n お前たちにはこの施設の護衛に当たってもらう」",
"330000521_6": "「また、マリアさんと戦うということですか……」",
"330000521_7": "「それはわかりませんが、マリアさんが言っていたことから\\n 考えると、可能性は高いです……」",
"330000521_8": "「来るなら怪物だけにしてほしいデス……」",
"330000521_9": "「でも、それだとマリアと話ができないよ?」",
"330000521_10": "「うう……戦いたくはないデスけど、話はしたいデス。\\n もうどうすればいいんデスかッ」",
"330000521_11": "「そもそも、どうしてこんなことになってるんだ?\\n ネメシス強奪の犯人を捜す任務中のはずじゃなかったのかッ」",
"330000521_12": "「本人に確かめようにも会話にならないのではな。\\n 何か手がかりがあればいいのだが」",
"330000521_13": "「どうやら、報告に聞いた以上に深刻な状況のようだな」",
"330000521_14": "「お父様ッ!?」",
"330000521_15": "「状況は聞いている。\\n マリアくんに任務を依頼したのは私だ。責任は私にある」",
"330000521_16": "「マリアが攻撃してきたのも、任務の一環なんデスかッ!?」",
"330000521_17": "「わたしたちにも言えない潜入活動で、それであんな……」",
"330000521_18": "「残念ながら、私の指示ではない。何故このような\\n 状況になったのかわかっていない状況だ」",
"330000521_19": "「そんな……」",
"330000521_20": "「このままでは、マリアくんの立場も危うくなる」",
"330000521_21": "「いずれは装者の造反として国連の知るところとなるだろう」",
"330000521_22": "「最悪、国連から彼女を敵として処分するようにと\\n 命が下る可能性もある」",
"330000521_23": "「そんなッ! マリアさんは仲間なんですよッ!?\\n なのに……」",
"330000521_24": "「わたしにはできません。たとえ、命令が出ても」",
"330000521_25": "「そうなってもおかしくない状況ということだ。\\n 今はまだ、私のほうで止めている」",
"330000521_26": "「クソッ、どうすればいいんだ」",
"330000521_27": "「俺は次の襲撃がチャンスだと考えている」",
"330000521_28": "「マリアくんは必ずここへ来る。\\n そのとき、なんとしても捕え、洗いざらい話してもらおう」",
"330000521_29": "「しかし同時に、一つ眼の怪物も大挙して\\n 押し寄せるだろう。そちらの対処も必要になってくる」",
"330000521_30": "「そこで、翼。お前にマリアくんの相手を任せたい。\\n 怪物は他の装者に任せ、マリアくんの相手を最優先にするんだ」",
"330000521_31": "「1人でか……?」",
"330000521_32": "「先のマリアくんの襲撃の際、唯一対応できていたのが翼だ。\\n 躊躇ある者が傍にいるより、やりやすいだろう」",
"330000521_33": "「キツい役割を任せることになるが、\\n それでも引き受けてくれるか」",
"330000521_34": "「……わかりました。マリアは、わたしが止めます」",
"330000521_35": "「だ、だったら、アタシたちも協力するデスよ。\\n マリアと話がしたいデス」",
"330000521_36": "「わたしも切ちゃんと同じ想いです」",
"330000521_37": "「気持ちはわかるが、マリアくんを止められても怪物への対応が\\n 疎かになり聖遺物が奪われてしまっては意味がないだろう」",
"330000521_38": "「君たちは、怪物の対応が済んだらすぐに翼に加勢してくれ」",
"330000521_39": "「あのギア……普段とは違う力を感じた。\\n それでも、みんなが来るまでマリアのことはわたしが止める」",
"330000521_40": "「だから、わたしを信じて、任せてほしい」",
"330000521_41": "「……はい。マリアのこと、よろしくお願いします」",
"330000521_42": "「あとからアタシたちも駆けつけるデスッ!」",
"330000521_43": "「ああ、頼む」",
"330000521_44": "(わたしは、マリアのことを信じたい。\\n わたしたちを裏切るはずがないと",
"330000521_45": "(だが、もしものときは……、\\n わたしのこの手で止めなければならない",
"330000521_46": "「敵襲かッ!」",
"330000521_47": "「司令、施設周辺に例の怪物たちが現れましたッ!」",
"330000521_48": "「わかった、すぐに装者たちを向かわせる。\\n ……アガートラームの反応はあるか」",
"330000521_49": "「いえ、反応はありません」",
"330000521_50": "「……そうか。\\n 状況は聞いての通りだ、各員、迎撃に当たってくれッ」"
}

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@ -1 +1,15 @@
{}
{
"330000522_0": "「はああ――ッ!」",
"330000522_1": "「おっさんの予想通りだったな。\\n すごい数だッ」",
"330000522_2": "「……マリアはいないみたいデスね」",
"330000522_3": "「わたしのほうも見当たらない。\\n 今回の襲撃には来てないってことなのかな」",
"330000522_4": "「こんなことは言いたかないけどな、\\n そいつは希望的観測、悪い言い方すると現実逃避ってやつだ」",
"330000522_5": "「で、でもほら、アガートラームの反応があるって通信もないし、\\n 本当に来てないのかもしれないよ」",
"330000522_6": "「諜報活動をやってるやつが相手だってことを忘れるな。\\n ギアを纏わずどこからか忍び込んでる可能性だってあるんだ」",
"330000522_7": "「だいたい、こんなでかい襲撃かましといて、\\n 人高みの見物なんてことをする玉じゃないだろ」",
"330000522_8": "「確かに……そうだね。マリアさんは、きっと来る」",
"330000522_9": "「……頼むぞ、先輩」",
"330000522_10": "「来たか……」",
"330000522_11": "「……」",
"330000522_12": "「待っていたぞ、マリア」"
}

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@ -1,3 +1,20 @@
{
"330000611_0": "翼VSマリア"
"330000611_0": "翼VSマリア",
"330000611_1": "(ベビー・アルゴスたちは研究施設の正面から襲撃している。\\n 装者たちはそこに集中せざるを得ないはず",
"330000611_2": "(うまく進めば、みんなと戦わずに作戦を終えることができる。\\n だからお願い、このまま誰も現れないで……",
"330000611_3": "「来たか……」",
"330000611_4": "「……」",
"330000611_5": "「待っていたぞ、マリア」",
"330000611_6": "「何故、ここにいるの?\\n 今、研究施設は怪物たちに襲われているのよ」",
"330000611_7": "「あちらは他のみなが対応している。\\n わたしはみんなの実力を知っている、だからここに来た」",
"330000611_8": "「だとして、何故わたしがこちらから来るとわかったのかしら?」",
"330000611_9": "「さあな。ただ、マリアだったらこう考えるだろうと\\n 思ったのだ」",
"330000611_10": "「怪物の襲撃を陽動に正面を警戒させ、\\n 最も効率的に目標を狙うだろうと」",
"330000611_11": "(いつもなら、さすがと褒めているところでしょうね。\\n あなたは敵に回すと本当に厄介な相手よ",
"330000611_12": "(誰とも戦わずにすめばいいだなんて、\\n そんな甘い考えを持っていた自分が嫌になる……",
"330000611_13": "(でも、おかげで決意を固めることができた)",
"330000611_14": "(迷いは振り切らなければならない。\\n 邪魔をするというのなら……",
"330000611_15": "「Seilien coffin airget-lamh tron――」",
"330000611_16": "「翼、わたしの目的のためにあなたを倒すッ!」",
"330000611_17": "「ならば、わたしは全力で止めよう、マリアッ!」"
}

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@ -1 +1,16 @@
{}
{
"330000621_0": "「そこをどきなさいッ!\\n わたしには果たさなければいけない目的があるのッ」",
"330000621_1": "(わたしは、あなたを護るためにあなたを\\n 倒さなくてはいけないッ",
"330000621_2": "「その目的は家族同然に過ごしてきた月読や暁、そしてみんなを\\n 傷つけてまで果たさなければならないものなのかッ」",
"330000621_3": "「あなたには関係のないことよッ!」",
"330000621_4": "「こんなことは間違っているッ! 事情はわからないが、\\n 他にも道はあるはずだ」",
"330000621_5": "「戦わずとも解決できる道はないのかッ!\\n わたしを信じて打ち明けてくれッ」",
"330000621_6": "(ダメよ。この光景も全てジャンヌに見られている。\\n ここで気を許せば、全てが終わってしまう……ッ",
"330000621_7": "(フロンティア事変の時とは違う……。\\n わたしは、最後までこの決意を貫いてみせるッ",
"330000621_8": "「わたしはただ、わたしの正義に従っているだけよ」",
"330000621_9": "「その正義とは、犠牲の上にしか成り立たないものなのかッ!」",
"330000621_10": "「犠牲の上で成り立つ正義が悪だと言うのなら、\\n わたしの正義は、悪でも構わないッ」",
"330000621_11": "「……もはや、言葉は意味をなさないか」",
"330000621_12": "「ならば、わたしも、わたしの正義を貫かせてもらう。\\n お前の正義を砕くことになろうともッ」",
"330000621_13": "「やれるものならやってみなさいッ!」"
}

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@ -1 +1,30 @@
{}
{
"330000622_0": "(何度も対峙することでわかった。\\n マリアは確実にわたしの攻撃を見切っているッ",
"330000622_1": "「わたしの動作を先読みした動き。\\n そのギアがそれをさせているのかッ」",
"330000622_2": "「さあ、どうかしらねッ!」",
"330000622_3": "「くッ――」",
"330000622_4": "「な、なんだ、この爆発はッ!?」",
"330000622_5": "「施設が……ッ!?\\n しかし、規模が小さい。ネメシスではない……」",
"330000622_6": "(しまった、向き合った状態で相手から視線を外すとは。\\n やられ――ッ",
"330000622_7": "「……どういうこと」",
"330000622_8": "(驚いている?\\n これはマリアにとっても想定外の出来事だったというのか",
"330000622_9": "「どうやら、そちらはまだ終わっていなかったようだな」",
"330000622_10": "「どうして、あなたが――」",
"330000622_11": "「何者だッ!」",
"330000622_12": "「名乗る必要はないが、\\n マリアの仲間とでも言っておこうか」",
"330000622_13": "「なんだとッ!?」",
"330000622_14": "「目的の聖遺物は手に入れることができた」",
"330000622_15": "「……ッ!」",
"330000622_16": "「つまり、マリアの目的はただわたしの足止めをすること\\n だったということか……」",
"330000622_17": "「……」",
"330000622_18": "「お前が囮になってくれたおかげだ。ただ、装者1人すら\\n 片付けられていないのはいただけないが」",
"330000622_19": "「それは……」",
"330000622_20": "「お前が何者か、何故マリアがお前に与するのか、\\n 聞きたいことは山ほどある、だが……ッ」",
"330000622_21": "「すべては、お前を討ち取ってから聞きだせば済むことだッ!」",
"330000622_22": "「……」",
"330000622_23": "「はあああ――ッ!」",
"330000622_24": "「お前も、わたしの眷属にしてやろう」",
"330000622_25": "「な、これはッ!?」",
"330000622_26": "「クク、アルゴスの力を受け取るがいいッ!」",
"330000622_27": "「ぐ――ッ! あああああッ!」"
}

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@ -1 +1,41 @@
{}
{
"330000631_0": "「……何ッ!?\\n このギアは、まるでマリアと同じ……ッ」",
"330000631_1": "「よく似合っているぞ」",
"330000631_2": "「わたしに何をしたッ!」",
"330000631_3": "「うッ……何故だ、刃が届かないだと……。\\n 腕に力が入らない……」",
"330000631_4": "「先ほどまでの威勢はどうした?\\n わたしを討ち取ると言っていたが」",
"330000631_5": "「くッ……」",
"330000631_6": "「お前ではわたしに指一本たりとも触れることはできない。\\n 大人しくそこで這いつくばれ」",
"330000631_7": "「はあ……はあ……ッ!」",
"330000631_8": "「目的は達した。行くぞ、マリア」",
"330000631_9": "「……ええ、わかったわ」",
"330000631_10": "「マリア、行くな……ッ!」",
"330000631_11": "「……」",
"330000631_12": "「いくら手を伸ばしても無駄だ。彼女はもうお前の仲間ではない」",
"330000631_13": "「違うッ! マリアはわたしたちの――」",
"330000631_14": "「……さようなら、翼」",
"330000631_15": "「な……ッ!?」",
"330000631_16": "「他の装者たちが集まってくるようだ。\\n 急ぎ、ここを離れるぞ」",
"330000631_17": "「ええ、行きましょう」",
"330000631_18": "「……」",
"330000631_19": "「つ、翼さんッ!?」",
"330000631_20": "「これはどういう状況デスかッ!?」",
"330000631_21": "「あいつはどこに行ったんだよッ!」",
"330000631_22": "「あそこだ……。頼む、マリアを止めてくれ……ッ!」",
"330000631_23": "「もう1人は誰だッ!?」",
"330000631_24": "「誰でもいい、追いついてみせるッ!\\n みんな、行こうッ」",
"330000631_25": "「え? この光、どこから?」",
"330000631_26": "「そ、空が光ってるデスッ!」",
"330000631_27": "「まさかッ!? ネメシスがッ!?」",
"330000631_28": "「これもマリアの意思だというのか……ッ!?\\n みんな、逃げるんだ……ッ」",
"330000631_29": "「わ、わかりました。掴まってくださいッ!」",
"330000631_30": "「でも、マリアがッ!」",
"330000631_31": "「今ならまだ、追いつけるかも……ッ!」",
"330000631_32": "「バカ、死にたいのかッ!\\n 今はアレから逃げることだけ考えろッ」",
"330000631_33": "「ネメシスの攻撃範囲がわからないッ!\\n どれだけ離れれば……ッ」",
"330000631_34": "「とにかく走れッ!」",
"330000631_35": "「うわあああああ――ッ!?」",
"330000631_36": "「助かった……のか……」",
"330000631_37": "「マリア……」",
"330000631_38": "(連れ戻すことは、できなかった……)"
}

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@ -1,3 +1,42 @@
{
"330000711_0": "不気味なまなざし"
"330000711_0": "不気味なまなざし",
"330000711_1": "「何故、彼女たちに向けてネメシスを撃ったのッ!?\\n 手は出さないという約束だったはずッ」",
"330000711_2": "「なんだ、そんなことか」",
"330000711_3": "「そんなことか、ですってッ!?」",
"330000711_4": "「お前が目的を果たせずもたもたしているから、\\n わたしが直接出張ることになったんだ」",
"330000711_5": "「それに、殺すつもりはない。\\n 装者ならば退避できるよう着弾点をずらしている」",
"330000711_6": "「ふざけないでッ!\\n もしも当たっていたら、わたしは――ッ」",
"330000711_7": "「安心しろ。あの女、風鳴翼の眼を通して\\n 全員の生存を確認している」",
"330000711_8": "「本当に全員? 怪我を負った人は……」",
"330000711_9": "「うるさいぞ。無事だと言っている」",
"330000711_10": "(……よかった。\\n みんなが無事で本当によかったわ",
"330000711_11": "「せっかく眷属を増やしたというのに、\\n すぐに殺してしまっては意味がないからな」",
"330000711_12": "「どういうこと?」",
"330000711_13": "「あちらはアルゴスの眼の能力を知らない。\\n 無意識の密偵としてその視界を使わせてもらおう」",
"330000711_14": "「S.O.N.G.や国連の動向を探り、聖遺物の知識を得るのに\\n S.O.N.G.にいるあの女の存在は都合がいい」",
"330000711_15": "「翼の眷属化には、攻撃をさせないだけじゃなく\\n そんな狙いがあったというの……」",
"330000711_16": "「ああ。眷属化は消耗が大きく\\n 多用できないがな」",
"330000711_17": "「こんなことも見えるぞ。S.O.N.G.はお前を完全に敵として\\n 認識し、処分するために動くそうだ」",
"330000711_18": "「S.O.N.G.がわたしを……」",
"330000711_19": "(わかっていた、覚悟していたはず。\\n 翼と対峙し戦ったときに、あの怒りの眼を見たときに",
"330000711_20": "(わたしはみんなのため、ここにいる。\\n どんな扱いを受けようと全てを受け入れると決めた……",
"330000711_21": "(なのに、どうして……。\\n みんなから心が遠く離れていくのがこんなにも怖いなんて……",
"330000711_22": "「ねえ……ん……わた……」",
"330000711_23": "「ッ!?」",
"330000711_24": "(この声は……この前もここで聞いた……。\\n よく聞き取れない……、一体どこから",
"330000711_25": "「では、次の段階へ進むとしようか」",
"330000711_26": "(……ッ!\\n この反応……ジャンヌには聞こえていないのかしら",
"330000711_27": "「ヘルメスの剣を手に入れるためにわたしの力が必要だったなら、\\n もう目的は果たしたでしょう」",
"330000711_28": "「まだだ」",
"330000711_29": "「ヘルメスの剣は基底状態、力を発揮していない状態だ。\\n お前にはこれを起動してもらう」",
"330000711_30": "「聖遺物を起動させるためはフォニックゲインが必要、\\n そう言いたいわけね」",
"330000711_31": "「その通りだ。だが消耗している今のお前に試させても望みは\\n 薄いだろう。明日起動実験を行う。今日は身体を休めておけ」",
"330000711_32": "(どこかから聞こえる声……。気になるけれど、\\n 今はそれよりもジャンヌを何とかしないと",
"330000711_33": "(……彼女は、一度聖遺物を保管しにでも行ったのかしら?)",
"330000711_34": "(ジャンヌがアジトとして使っているこの古城、内部構造は\\n まだほとんどわかっていないわ",
"330000711_35": "(でも、聖遺物が保管される場所や、ネメシスを制御している\\n であろうコンピューターのありかがわかれば",
"330000711_36": "(彼女を出し抜けるかもしれない……。つい弱気になって\\n しまったけれど、希望を捨てるには早すぎたわね",
"330000711_37": "(わたしには迷う時間も資格もないわッ!)",
"330000711_38": "(最後まで戦い抜くと誓ったのは自分。それに、まだ最悪の\\n 事態に陥ったわけではない",
"330000711_39": "(どんなに敵が強大でも、足掻き抜いてやる……ッ!)"
}

View file

@ -1 +1,59 @@
{}
{
"330000721_0": "「皆、戦闘で疲労しているところすまないが、\\n エルフナインくんからの報告を聞いてほしい」",
"330000721_1": "「どうしたんですか?」",
"330000721_2": "「はい、あの怪物の特性や翼さんがギアに受けた影響から\\n データ照合し、敵の持つ能力の推定ができました」",
"330000721_3": "「本当かよッ!」",
"330000721_4": "「流石、エルフナインデスッ!」",
"330000721_5": "「ありがとう」",
"330000721_6": "「情報量が少なく確かなことは言えませんが、相手は完全聖遺物\\n 『アルゴスの眼』を使用している可能性が高いです」",
"330000721_7": "「アルゴスの眼……、それはどういった聖遺物なんだ?」",
"330000721_8": "「自律型の百眼の巨人、と文献にはあります。\\n 無数の眼により、全く死角のない無限の視界を持つのだとか」",
"330000721_9": "「眼玉を切り離し端末として操ったり、他者を眷属化することも\\n 可能だったようですが、詳しいことはわかっていません」",
"330000721_10": "「眼玉の端末……。それが、一つ眼の怪物デスねッ!」",
"330000721_11": "「つまり、どこかに親玉がいるということ?」",
"330000721_12": "「マリアさんや翼さんのギアが変化していたのが、\\n 眷属化ってことなのかな」",
"330000721_13": "「わかったデスッ! マリアは眷属化させられて、\\n 操られてるんデスよッ」",
"330000721_14": "「眷属化っていうのがそこまでできるかわからないけど、\\n それだと、こっちも操られて敵になってないとおかしくないか」",
"330000721_15": "「あ……」",
"330000721_16": "「眷属化の条件など、\\n とにかくアルゴスの眼には不明な箇所が多すぎます……」",
"330000721_17": "「ですが、1つ気になることが」",
"330000721_18": "「かつてアルゴスは、ヘルメスによって殺されたという伝説が\\n あります。アルゴスの眼は、その亡骸だと」",
"330000721_19": "「なるほど……。\\n 敵がヘルメスの剣を狙ってたのも、その辺が関係してそうだな」",
"330000721_20": "「ああ、だとしたら、それが奪われてしまったのは痛いな。\\n こちらは切り札を失ってしまった状態だ……」",
"330000721_21": "「そうですね……」",
"330000721_22": "「そういえば、ヘルメスの剣は最近発見された聖遺物だけど、\\n アルゴスの眼はどこにあったものなの」",
"330000721_23": "「ボクもそれが気になってアルゴスの眼の出所を調べてみました」",
"330000721_24": "「所有国はもともと米国です」",
"330000721_25": "「研究機関に保管されていたのですが、なんらかの事故で研究機関は\\n 壊滅、アルゴスの眼もその時に消失したと記録にはあります」",
"330000721_26": "「だが、実際は今もああして存在していた……」",
"330000721_27": "「その研究機関では、秘密裏に聖遺物と人との融合実験が\\n 行われていたようです」",
"330000721_28": "「融合ってことは、ウェル博士とネフィリムみたいな感じかな?」",
"330000721_29": "「詳しい実験内容は残されていないのでわかりません。\\n 残念ながら施設にいた人は事故で全員、亡くなっています……」",
"330000721_30": "「黒幕はひょっとして、研究機関の生き残りだったりするんデスかね?」",
"330000721_31": "「すべては推察になってしまいますが、\\n そういった可能性もあると思います」",
"330000721_32": "「今まで見えていなかった敵の背中が見え始めた。\\n 少ない手がかりからよくそこまで調べてくれたな」",
"330000721_33": "「いえ、そんな。ボクはボクにできることをしただけです」",
"330000721_34": "「一つ眼の怪物、マリアくんだけでなく、第三の襲撃者か。\\n 眼帯の女性……俺が相手を出来ればよかったんだがな」",
"330000721_35": "「気になってたんだけど、なんでおっさんは焦げ臭いんだ。\\n 身体は無傷のくせして」",
"330000721_36": "「ああ。施設を爆発させられてしまっただろう。\\n その際職員を爆炎から避難させるのに、少し無茶をしてな」",
"330000721_37": "「弦十郎さんのおかげで、施設のみなさんは無傷でした」",
"330000721_38": "「あの爆発からみんなを護りきるとは、さすがデス」",
"330000721_39": "「外も大変だったけど、中でも色々あったんだな。\\n 侵入を許して悪かった」",
"330000721_40": "「……考えたんですけど、アルゴスの眼とかヘルメスの剣の\\n 話を聞いても、マリアさんが敵対する理由がわかりません……」",
"330000721_41": "「そうだな。聖遺物を奪われちまった以上、こっちから\\n 取り返しに行くしかないけど、居場所がわからないか……」",
"330000721_42": "「ボクは場所の特定に全力を尽くします。だからみなさんは、\\n 戦いの準備をお願いします」",
"330000721_43": "「うん」",
"330000721_44": "「もし、次もマリアさんと戦わなくてはいけない状況に\\n なったら、わたしも戦いますッ」",
"330000721_45": "「ああ、そうだな。\\n 戦ってでも、止めてやるッ」",
"330000721_46": "「そう……デスよね。もう、躊躇なんてしていられないデス」",
"330000721_47": "「うん。そのために、もっと強くならないと。\\n マリアを止められるくらい」",
"330000721_48": "「師匠、今は忙しい状況だと思いますが、\\n 手合わせをお願いしますッ」",
"330000721_49": "「マリアさんを止めるためにも、もっともっと\\n 強くならなくちゃいけないんですッ」",
"330000721_50": "「……ああ、わかった。そういうことなら付き合おう。\\n ただし、厳しくいくぞッ」",
"330000721_51": "「よろしくお願いします、師匠ッ!」",
"330000721_52": "「アタシたちもお願いしていいデスか」",
"330000721_53": "「ああ、構わないぞ」",
"330000721_54": "「……わたしは少し考えたいことがあるので、\\n 遠慮させてもらいます」",
"330000721_55": "「……そうか。わかった。\\n よし、残りの装者は全員、トレーニングルームに集合だ」",
"330000721_56": "「遠慮はいらん、全員まとめてかかってこいッ!」"
}

View file

@ -1 +1,31 @@
{}
{
"330000731_0": "「ここまでッ!」",
"330000731_1": "「ありがとうございました、師匠」",
"330000731_2": "「おっさんの相手はさすがに疲れるな……」",
"330000731_3": "「ちょこっと休憩したらみんなで作戦会議するデスよ」",
"330000731_4": "「飲み物、用意してきますね」",
"330000731_5": "「皆、行ったようだな」",
"330000731_6": "「Imyuteus amenohabakiri tron――」",
"330000731_7": "(この異様なギア……。\\n これがアルゴスの眼の力による眷属化ということか……",
"330000731_8": "(あの時攻撃することができなかったのも、眷属化したため\\n と考えるのが妥当だろうな",
"330000731_9": "(しかし雪音の言う通り、意思を乗っ取られるようなことは\\n 無いようだ。では、マリアは何故……",
"330000731_10": "「……さようなら、翼」",
"330000731_11": "(あのときマリアがわたしに向けた悲しげな眼差し……)",
"330000731_12": "(マリアは何を想って行動している。そして、わたしは……)",
"330000731_13": "「ん……?」",
"330000731_14": "「……」",
"330000731_15": "「フッ、こそこそ隠れていないで出てこい、立花」",
"330000731_16": "「ご、ごめんなさいッ!\\n なんでわかったんですか」",
"330000731_17": "「まあ、なんとなくな。わたしに何か用か?」",
"330000731_18": "「翼さんが何か考え込んでいたようだったので、こういうことは\\n 溜め込まないほうがいいかなーと、思いまして……」",
"330000731_19": "「すみません、わたしなんかがしゃしゃり出て……」",
"330000731_20": "「いや、ありがとう。\\n それなら、このギアの具合を確かめるのに付き合ってほしい」",
"330000731_21": "「実はずっとそれが気になってて。\\n マリアさんと同じみたいですけど、なんというか……」",
"330000731_22": "「不気味なギアだな」",
"330000731_23": "「い、いえ、そういうわけではッ!\\n ちょっと眼がギョロっとしてるなーと思っただけでッ」",
"330000731_24": "「いや、わかっている。しかし今はこれだけが敵の手がかりだ」",
"330000731_25": "「見た目のことはあとにしよう。\\n 性能を見れば、マリアのことが何かわかるかもしれない」",
"330000731_26": "「Balwisyall Nescell gungnir tron――」",
"330000731_27": "「はい、いつでも大丈夫ですッ!」",
"330000731_28": "「このギアの能力、試させてもらうぞッ!」"
}

View file

@ -1 +1,31 @@
{}
{
"330000732_0": "「なるほど、これがこのギアの性能か」",
"330000732_1": "「すごく戦いづらかったです。次にわたしがどう動くのか、\\n どこから攻撃するのかがわかっている感じがしました」",
"330000732_2": "「わたしがマリアのギアと対峙したときと同じ感想だ」",
"330000732_3": "「このギアには、死角がないというアルゴスの眼の力が\\n 少し反映されているようだ」",
"330000732_4": "「ギアの眼によって、相手の動きが良く見える。\\n 不思議な感覚だ……」",
"330000732_5": "「すごいギアですね……」",
"330000732_6": "(強いギアなのは確かだ。\\n だが、なんだ。この奥にある妙な感覚は……",
"330000732_7": "(まるで、誰かに見張られているような……)",
"330000732_8": "「これでそのギアの使い勝手はわかりましたか?」",
"330000732_9": "「ああ。……しかし、悩みは他にある」",
"330000732_10": "「……マリアさんのこと、ですね」",
"330000732_11": "「ああ。……友が道を外れるなら、\\n 自分の手で止めなくてはならないという想いがある」",
"330000732_12": "「だが一方で、その友を信じ抜きたいという想いもあるんだ……」",
"330000732_13": "「自分が取るべき行動はどちらが正しいのか、\\n わからなくなってしまってな」",
"330000732_14": "「こんなことを聞くものではないかもしれないが……。\\n 立花なら、こんな時どうする」",
"330000732_15": "「それは……、わたしにもわかりません……」",
"330000732_16": "「だけど、わたしはいつだって、その人のことを信じて、\\n 手を伸ばし続けることしかできませんでした」",
"330000732_17": "「手を伸ばす?」",
"330000732_18": "「伸ばしたこの手が届かなかったこともあります。\\n だとしてもッ」",
"330000732_19": "「了子さんや、キャロルちゃんに、サンジェルマンさん。\\n それにマリアさんも」",
"330000732_20": "「最初は敵同士だったけど、信じ続けたからこそ、\\n 最後は手を取り合うことができたと思っていますッ」",
"330000732_21": "「……なるほど、それが立花だったな」",
"330000732_22": "「マリアさんは、わたしたちを敵だと言い、\\n 攻撃してきました……」",
"330000732_23": "「だけど、心の奥では、\\n 助けを求めているかもしれません」",
"330000732_24": "「手を繋ぎたいと思っているかもしれませんッ!」",
"330000732_25": "「……わたしも同じように手を伸ばすことができるだろうか」",
"330000732_26": "「はい、きっとッ! マリアさんのことを\\n 信じる気持ちは一緒ですからッ」",
"330000732_27": "「……ありがとう」",
"330000732_28": "「……ならば、わたしもこの手を伸ばし続けよう。\\n たとえ、何があってもッ」"
}

View file

@ -1,3 +1,41 @@
{
"330000811_0": "最愛のひと"
"330000811_0": "最愛のひと",
"330000811_1": "(この状況では、ジャンヌはいつネメシスの攻撃を\\n S.O.N.G.本部に向けて放ってもおかしくない……)",
"330000811_2": "(残された時間は少ないわ……。ヘルメスの剣の起動実験を\\n 行う明日までに、行動を起こさないと",
"330000811_3": "(だけど、問題はやっぱりアルゴスの眼ね。この監視を\\n なんとかしなければ、こちらの動きが筒抜けだわ",
"330000811_4": "「きこ……ま……」",
"330000811_5": "「ッ!」",
"330000811_6": "(この声、さっきも聞こえた……。\\n やっぱり、空耳ではなかったのね",
"330000811_7": "「わた……声……」",
"330000811_8": "(一体どこから……?)",
"330000811_9": "「地下に……きて……」",
"330000811_10": "(地下からッ!?\\n わたしを呼んでいる……",
"330000811_11": "(……はっきりとは聞こえないけど、\\n わたしはこの声を知っている……",
"330000811_12": "(どこで聞いたのかしら。\\n 遠い昔、この記憶は……",
"330000811_13": "(――ッ!? 今のは一体……。\\n 思い出せそうなのに、何かが足りていない気がする",
"330000811_14": "「どうしたんだ?」",
"330000811_15": "「……いえ、何も。それより随分と早いおかえりね。\\n 大事な聖遺物はちゃんと保管できたのかしら」",
"330000811_16": "「ああ。お前は決して近づくなよ」",
"330000811_17": "「近づいたとしても、あなたのアルゴスの眼があれば\\n すぐにわかるでしょ」",
"330000811_18": "「わかっているのならそれでいい」",
"330000811_19": "「ところで、あなたはヘルメスの剣を起動させて何に使うの?\\n アルゴスの眼とネメシスがあれば十分に思えるけれど」",
"330000811_20": "「ヘルメスの剣は、その2つとは違う」",
"330000811_21": "「わたしは、救わなければいけないものがある……」",
"330000811_22": "「……ッ!」",
"330000811_23": "(こんな表情もするのね。\\n そういえば、あの子と一緒にいたときはよく笑って――",
"330000811_24": "(あの子……?)",
"330000811_25": "(そうだ。彼女はいつもあの子と一緒だった。\\n やっと思い出したわ……ッ",
"330000811_26": "(ジャンヌはいつも彼女と一緒にいた。\\n そう……妹のメルと",
"330000811_27": "(わたしとセレナのように、本当に仲のいい姉妹だった)",
"330000811_28": "(……でもおかしい。\\n 何故今ジャンヌは1人でいるの……",
"330000811_29": "(それじゃあまるで、わたしと同じ……)",
"330000811_30": "「……あなたの妹は、メルはどうしたの?」",
"330000811_31": "「……」",
"330000811_32": "「あなたたちはいつも一緒だったはずよ。\\n だけど、今は……」",
"330000811_33": "「忘れていたくせに、今更気になったか?」",
"330000811_34": "「それは……悪かったわ。\\n ひょっとしてあなたの妹も、セレナと同じように……」",
"330000811_35": "「早合点をするな。メルは生きている」",
"330000811_36": "「……今の状態では、死んだも同然だが……」",
"330000811_37": "「どういうことか、聞いてもいいかしら」",
"330000811_38": "「……気になるなら話してやる。\\n わたしが戦う理由を」"
}

View file

@ -1 +1,64 @@
{}
{
"330000821_0": "「F.I.S.での利用価値が無いと断じられたわたしたちは、\\n 別の軍事研究施設へ移送された」",
"330000821_1": "「異端技術とは無関係な研究施設に移ったと聞いたわ」",
"330000821_2": "「ああ、表向きにはな。だが、現実はその逆。わたしたちが\\n 送られたのは、異端技術を違法に研究する施設だった」",
"330000821_3": "「そう……だったの……」",
"330000821_4": "「異端技術の力を我が物にせんと欲する……。\\n よくある話だろう」",
"330000821_5": "「そこで行う研究の実験体として必要になったのが、\\n わたしたちだったんだ」",
"330000821_6": "「そこにはわたしたちだけではなく、\\n 方々から孤児が集められていたようだな」",
"330000821_7": "「待っていたのは、無機質な待機室で実験体になる順番を\\n 待つだけの日々……」",
"330000821_8": "「そして、実験体として研究室に連れて行かれた子どもは\\n もう二度と、戻ってくることはなかった……」",
"330000821_9": "そんな……。F.I.S.は、マムによって子供たちの\\n 安全は護られていた",
"330000821_10": "だけどF.I.S.を離れ、より安全な生活をしていると思っていた\\n ジャンヌたちが、そんな目に遭っていたなんて……",
"330000821_11": "「子供が少しずつ減っていくことで、メルは怯えていた。わたしは\\n 妹を励ましながら、助けがいつか来ると信じて待っていたんだ」",
"330000821_12": "「わたしが歌を唄うと、メルは一緒に唄って微笑んでくれた……。\\n わたしたち姉妹の、最後の思い出だ」",
"330000821_13": "「それから、いくら待っても助けなんて来なかった。\\n ついにメルの番が回ってきてしまったんだ」",
"330000821_14": "「あの子が連れて行かれそうになる中、\\n わたしは必死の思いで研究者にしがみついた」",
"330000821_15": "「メルより先に、自分を実験体にしろと叫んだ。\\n メルを護るため、わたしが実験を成功させると……」",
"330000821_16": "(メルのことが誰よりも大切だったのね……。\\n 世界にたった人の家族。その気持ちは、痛いほどわかるわ",
"330000821_17": "「わたしの申し出は受け入れられ、実験室に連れていかれた」",
"330000821_18": "「そこでやっとわかったのは、行われていた実験が\\n 人間と聖遺物を融合させるためのものということだった」",
"330000821_19": "「融合により人間に聖遺物の力を制御させることで、\\n 軍事利用しやすくなると考えたんだ」",
"330000821_20": "「先に実験体として連れていかれた子供たちは、\\n 全員アルゴスの眼の負荷に耐えられず死んでいったらしい」",
"330000821_21": "「研究者たちは、子供の死などどうでもよく、実験がうまくいくか\\n どうかにしか興味が無かったようだ」",
"330000821_22": "「あいつらは嬉々としてわたしに\\n アルゴスの眼の因子を打ち込んだよ」",
"330000821_23": "「そして、あなたは実験を成功させたのね……」",
"330000821_24": "「フッ……。そうだったらどんなに良かったか。\\n だけど、現実はそううまくはいかなかった……」",
"330000821_25": "「な……ッ! だって、現に今あなたはッ!」",
"330000821_26": "「確かに、聖遺物の融合には成功した。\\n しかし、起動させることができず、力を行使できなかったんだ」",
"330000821_27": "「あいつらの失望の眼差しを今でも覚えている」",
"330000821_28": "「わたしを失敗と判断した研究者たちは妹であるメルにも\\n 適正があると考え、あの子を実験対象に選んだ……」",
"330000821_29": "「……」",
"330000821_30": "「わたしは何度も訴えたッ!\\n 今はダメでも必ず使いこなしてみせると」",
"330000821_31": "「しかし、あいつらはわたしを相手にしなかった。\\n そして、メルが実験体に……」",
"330000821_32": "「泣き叫ぶメルに、わたしは何もすることができなかった。\\n ただ、あの子に因子が撃ち込まれるのを見ていることしか……」",
"330000821_33": "「研究者たちが考えた通り、実験は成功したかに見えた。\\n メルはアルゴスの因子と融合し、その力を起動させた」",
"330000821_34": "「しかし、その力は大きすぎたんだ。\\n 到底、メルに制御しきれるような力ではなかった」",
"330000821_35": "「聖遺物の力の暴走……」",
"330000821_36": "「その通りだ。メルは研究員を巻き込んで、\\n その研究施設を破壊しつくした」",
"330000821_37": "「起動の衝撃で気絶していたわたしが目を覚ますと、瓦礫と死体の\\n 山と、暴走に苦しみもだえる妹の姿だけがそこにあった……」",
"330000821_38": "「そして力を使い果たしたメルは昏倒し、アルゴスの眼に蝕まれる\\n 苦しみに苛まれながら、眠り続けることとなったというわけだ」",
"330000821_39": "「今の話だと、現状と繋がらないわ。今、あなたは\\n アルゴスの眼の力を使っているじゃない」",
"330000821_40": "「暴走するメルを見て、わたしの眼に融合したアルゴスの眼も\\n 呼応するように起動したんだ」",
"330000821_41": "「妹を助けるためにあれほど起動を願っても出来なかったという\\n のに、手遅れになってからあっさりとな」",
"330000821_42": "「巨大な力に飲まれ、わたしも妹と同じように暴走しかけたが、\\n わたしはそれを抑え込むことに成功した」",
"330000821_43": "「施設を壊滅させるほどのエネルギーを、どうやって……ッ!?」",
"330000821_44": "「怒りだ。わたしは、妹を救えなかったという怒りを力に変えて、\\n アルゴスの眼の暴走を抑え込むことができたらしい」",
"330000821_45": "「だが、全ては遅すぎた」",
"330000821_46": "「……そう、だったの……。\\n だから、復讐を」",
"330000821_47": "「そうだ。メルを苦しめたあいつらへ、復讐を行うッ!」",
"330000821_48": "「死んだ人間にどうやって復讐するの。\\n そんなこと、誰もできないわ」",
"330000821_49": "「米国では今も、異端技術を研究する極秘施設が\\n いくつも存在している」",
"330000821_50": "「みんな同じだッ! あいつらさえいなければ、メルは\\n 今も元気に笑っていられたはず……」",
"330000821_51": "「わたしは、あいつらに融合させられたこの力を使って、\\n あいつらの同類を皆殺しにするのだ」",
"330000821_52": "「軍事兵器、異端技術に関わる全ての大人たちを根絶やしにし、\\n わたしはメルと平和に暮らせる世界を創り出すッ」",
"330000821_53": "「復讐と理想の実現……。あなたの思惑はわかったわ」",
"330000821_54": "「だけどもう1つ、あなたにはやらなくてはならないことが\\n あるんでしょう」",
"330000821_55": "「それが、メルの救済。そうしなければ、理想の世界を創っても\\n 意味がないものね」",
"330000821_56": "「ああ、その通りだ。そのためにはメルを蝕んでいる\\n アルゴスの眼を取り除かなければいけない」",
"330000821_57": "「そして行き着いた。\\n アルゴスを滅ぼせる聖遺物の存在に」",
"330000821_58": "「それが、ヘルメスの剣……」",
"330000821_59": "「アルゴス殺しの伝説を持つ神ヘルメス。\\n その力を持っている聖遺物ならばッ」",
"330000821_60": "「何年も探し続けた。\\n そしてやっと、ヘルメスの剣を見つけることができたのだッ」",
"330000821_61": "「だから、お前には必ずヘルメスの剣を起動してもらう。\\n どんな手を使ってでも……ッ」"
}

View file

@ -1 +1,34 @@
{}
{
"330000831_0": "「お前ならわかるはずだ。\\n F.I.S.の実験で同じように妹を失ったお前なら……」",
"330000831_1": "「……まったくわからないとは、言わないわ……」",
"330000831_2": "「わたしの仲間になれ、マリア」",
"330000831_3": "「……ッ!」",
"330000831_4": "「今度は取引ではない。\\n わたしは本当の意味で仲間になれと言っている」",
"330000831_5": "(わたしだって、ジャンヌのように復讐に\\n 囚われてしまっていたかもしれないわ",
"330000831_6": "(セレナのために、世界を敵に回してでも……。\\n だけど、わたしと彼女は違う、それは……",
"330000831_7": "「……ッ!?」",
"330000831_8": "「ぐああ――ッ!」",
"330000831_9": "「ど、どうしたの?」",
"330000831_10": "「まさか、アルゴスの眼の浸蝕がッ!?\\n あなたも、完全には制御しきれていないんじゃ……」",
"330000831_11": "「うるさいッ! だい、じょうぶだ……。\\n 話はあとにしよう、わたしは、部屋に戻る……」",
"330000831_12": "(酷い苦しみ方をしていたけど、本当に大丈夫なのかしら)",
"330000831_13": "(部屋から漏れるほど声を上げて。\\n 今までこんなに苦しんでいたことなんてなかったのに",
"330000831_14": "(ヘルメスを奪ったとき、多くのベビー・アルゴスを\\n 作り出していたせいかしら",
"330000831_15": "(……。今は彼女の心配をしている場合じゃないわね)",
"330000831_16": "(自分がどう動くかを考えないと)",
"330000831_17": "(彼女は聖遺物の力を制御しきれていない……)",
"330000831_18": "(浸食に苦しんでいる今なら、アルゴスの眼の監視も\\n 弱まっているかもしれないわ",
"330000831_19": "(行動を起こすなら今ッ! だけど、ここでしくじれば、\\n 今までのすべてが水の泡になってしまう……",
"330000831_20": "(わたしがやるべきことは……)",
"330000831_21": "「だいじょ……ぶ……わた……が……」",
"330000831_22": "(またこの声……やっぱり、地下から……?)",
"330000831_23": "(こっち……きて……)",
"330000831_24": "(誰の声だかはわからない……。\\n でもいいわ、乗りましょうッ",
"330000831_25": "「ここが地下ね」",
"330000831_26": "(だけど、本当に大丈夫……? もし、ジャンヌに\\n 見られていたら……",
"330000831_27": "「今な……大丈夫……早く……」",
"330000831_28": "(さっきよりもはっきりと聞こえる……近づいている?\\n まるでわたしを導いているようね",
"330000831_29": "「……ッ!」",
"330000831_30": "(ジャンヌが地下の警護用に置いたベビー・アルゴスか)",
"330000831_31": "「悪いけど急いでいるの。すぐに終わらせてもらうわッ!」"
}

View file

@ -1 +1,54 @@
{}
{
"330000832_0": "「消えなさいッ!」",
"330000832_1": "「恐らく声の主はこの先ね。\\n どうして声が聞こえてくるのかは謎だけれど……」",
"330000832_2": "「聞こえますか?」",
"330000832_3": "「……聞こえるわ。さっきよりもはっきりと」",
"330000832_4": "「よかった。ずっと、話したいと思っていました。\\n わたしに、協力させてもらえないでしょうか」",
"330000832_5": "「……そう。あなただったのね、メル」",
"330000832_6": "「覚えていてくださったんですね」",
"330000832_7": "「最初にわからなかったことは謝るわ」",
"330000832_8": "「会っていたのは何年も前ですから、気にしないでください。\\n 今、姉さんはアルゴスの眼を制御できていない状態にあります」",
"330000832_9": "「今のうちにネメシスを操作するメインコンピューターに\\n あなたを案内します。移動しながら話を聞いてください」",
"330000832_10": "「ッ! ありがとう、わかったわ。\\n ……あなたはどこから、どうやって話しかけているの」",
"330000832_11": "「わたしは、この地下の一室に安置されています。ドアは\\n 開けないでくださいね。あまり見せたい姿ではありませんから」",
"330000832_12": "「そう……」",
"330000832_13": "「そこから、アルゴスの眼のリンクを使って話をしています」",
"330000832_14": "「同じ聖遺物が融合した姉さんや眷属となったあなたと、\\n 思念を繋げることができるようです」",
"330000832_15": "「わたしが暴走によって倒れたあとしばらくして、身体は動かせ\\n ないけど、意識を浮上させることができました」",
"330000832_16": "「それから、何度も姉さんに話しかけたんです。\\n わたしのために、破滅の道に進むのはやめてと……」",
"330000832_17": "「だけどさっきジャンヌは、\\n あなたの声が聞こえていないようだったわよ」",
"330000832_18": "「いえ、そんなことはありません……。\\n わたしの声はずっと、姉さんに届いているはずなんです」",
"330000832_19": "「だけど、姉さんはわたしの声を、聞こえるはずのない幻聴だと\\n 信じ込み耳を傾けてくれませんでした」",
"330000832_20": "「わたしの声は自分の弱い心が生み出した幻で、それに甘えて\\n しまったら目的を達成できなくなると……」",
"330000832_21": "「そうだったの……。さっきも彼女は、あなたの声を\\n 敢えて無視していたのね」",
"330000832_22": "「救いたいと願っている妹の声すら信じられない程、\\n 自分を追い込んで目的へと突き進んでいる……」",
"330000832_23": "「はい……。わたしを声が届きにくい地下室に\\n 寝かせているのもそのためです」",
"330000832_24": "「体の世話をしてくれる最低限の時間以外、姉さんはわたしに\\n 近づかなくなってしまいました」",
"330000832_25": "「なるほど……。声が届く範囲には制限があるのね。\\n だから、わたしも地下におりて初めてはっきりと声が聞こえた」",
"330000832_26": "「はい、わたしの呼びかけに答えてくれてありがとう\\n ございました」",
"330000832_27": "「姉さんは憎しみのあまり、破滅の道を進んでいます。\\n このままじゃ、いつかアルゴスの眼に呑まれてしまう……」",
"330000832_28": "「無理を承知で、お願いします。\\n 姉さんを止めてくださいッ」",
"330000832_29": "「もちろん、そのつもりよ。\\n それがわたしの仲間を救うことにも繋がるわ」",
"330000832_30": "「はい。マリアさんが仲間のために頑張っているのは、\\n アルゴスの眼を通じて見ていました……」",
"330000832_31": "「そう……。わたしが仲間を裏切る様子を見ていたのね」",
"330000832_32": "「わたしは大丈夫よ。たとえ心が離れてしまっても、命が\\n 絶たれても、それで大切な命が護れるのならば……」",
"330000832_33": "「そんなことを、言わないでください。みなさんは、\\n マリアさんを疑ってなんかいないと思います」",
"330000832_34": "「……ッ!」",
"330000832_35": "「あなたに、何が……ッ!\\n わたしは、みんなに本気で武器を向けてしまったのよ」",
"330000832_36": "「わたしは、姉さんを信じています。たとえ姉さんが\\n どんなに変わってしまっても」",
"330000832_37": "「わたしには、姉さんとの思い出の歌があります」",
"330000832_38": "「歌が……。確か、ジャンヌもそう言っていたわね」",
"330000832_39": "「はい。研究施設で怯えるわたしに、姉さんは歌を唄って\\n 慰めてくれました。あったかくて、安心する歌です」",
"330000832_40": "「今は、その歌をわたしが唄っても反応してくれないけれど……、\\n その歌が胸にある限り、わたしは姉さんを信じ続けます」",
"330000832_41": "「歌を、信じる……」",
"330000832_42": "「マリアさんも、セレナさんといつも歌で繋がっていた……」",
"330000832_43": "「そしてマリアさんの仲間の方とも、何かで繋がっているように\\n 感じました。それで……」",
"330000832_44": "「……ええ、その通りよ。わたしにも、歌があるわ……」",
"330000832_45": "「そうだわ。わたしは、何を弱気になっていたのかしら……」",
"330000832_46": "「わたしの胸にはこんなにも、仲間と共に唄った\\n 大切な歌が溢れている」",
"330000832_47": "「妹との絆の歌、仲間……友と手を取り合うことができた歌、\\n 絶対に負けないと自分たちを勇気づけた歌」",
"330000832_48": "「そして、自分を偽るのをやめ、自分らしくあろうと\\n 心に誓ったあの歌が」",
"330000832_49": "「ありがとう、メル。\\n わたしも信じているわ、胸の歌を」",
"330000832_50": "「フフ、よかったです。さあ、この扉が目的地ですよ」",
"330000832_51": "「もう迷わない。仲間のために、全力を尽くすわッ!」"
}

View file

@ -1,3 +1,36 @@
{
"330000911_0": "裏切りの独奏曲"
"330000911_0": "裏切りの独奏曲",
"330000911_1": "「短い時間だったけれど、やれるだけのことはやったわ。\\n メルの協力のおかげね……。早くアジトから離れましょう」",
"330000911_2": "(保管されていた完全聖遺物、ヘルメスの剣もこうして\\n 奪うことができた……",
"330000911_3": "(ヘルメスの剣にはアルゴスを浄化する力があると\\n 言っていたわ。なんとかこれを起動させることができれば",
"330000911_4": "(眷属とされたアルゴスの眼とのペアリングを\\n 切ることができるんじゃないかしら",
"330000911_5": "「……ッ!」",
"330000911_6": "(あの光は、ネメシスの……ッ!\\n まさか、もう気取られて……",
"330000911_7": "「あああ――ッ!?」",
"330000911_8": "(くッ……避けきれなかったッ!\\n 身体はなんとか動く、でも……",
"330000911_9": "「考えが甘かったな」",
"330000911_10": "「わたしの力が弱まった隙を突いたつもりだろうが、アルゴスの\\n 眼とネメシスから逃げられる場所などありはしないッ」",
"330000911_11": "「そうみたいね……。さすがに、こんなに早く対応されるとは\\n 思わなかったわ」",
"330000911_12": "「お前なら、わたしの想いをわかってくれると思っていた。\\n 妹を喪ったお前なら……」",
"330000911_13": "「しかし、お前はわたしを裏切ると言うんだな」",
"330000911_14": "「あなたの気持ちはわかるわ。痛いくらいに……。\\n だけど、犠牲の上に築く理想は、さらなる悲しみを生むだけよ」",
"330000911_15": "「かつて、わたしはそれを敵に教えられたわ。\\n 今では敵じゃなくて、仲間だけどね」",
"330000911_16": "「なんだと……?」",
"330000911_17": "「だから、はっきりと言えるッ!\\n あなたのやり方は間違っていると」",
"330000911_18": "「メルもそんなことは望んでいないわ。メルは……」",
"330000911_19": "「……ッ!」",
"330000911_20": "「お前が妹を語るなッ! わたしのメルを……ッ!」",
"330000911_21": "「お前ならと思ったが、もういい。\\n それなら、大切な仲間の死を目の前に」",
"330000911_22": "「それを招いた自分の不甲斐なさを\\n 後悔するがいい……ッ」",
"330000911_23": "「その端末は……ッ!」",
"330000911_24": "「放て、ネメシスッ!」",
"330000911_25": "「……な、何故だ? ネメシスが起動しない?」",
"330000911_26": "「……どうやら、間に合ったみたいね」",
"330000911_27": "「この視界は……コンピュータールームから炎がッ!?\\n お前ッ、何をしたッ」",
"330000911_28": "「あなたがヘルメスの剣を奪う時に使ったのと同じ爆弾を\\n 見つけて、コンピュータールームに仕掛けさせてもらったわ」",
"330000911_29": "「何――ッ!?」",
"330000911_30": "「わたしの力が弱まっていたわずかな時間に、ヘルメスの剣を\\n 奪うだけでなくそれだけのことをッ」",
"330000911_31": "「メルがわたしを導いてくれたのよ」",
"330000911_32": "「戯言を……ッ! お前はここで死ね。\\n ギアを纏う暇も与えないッ」",
"330000911_33": "「それは、銃……ッ!?」"
}

View file

@ -1 +1,39 @@
{}
{
"330000921_0": "「それは、銃……ッ!?」",
"330000921_1": "「ヘルメスの剣の起動に使えないのは残念だが」",
"330000921_2": "「お前はここで1人、仲間からは裏切り者として\\n 恨まれたまま消えるがいいッ」",
"330000921_3": "「――ッ!?」",
"330000921_4": "「裏切り者だと? 何を言っている。\\n マリアはわたしの大切な仲間だッ」",
"330000921_5": "「翼……ッ!」",
"330000921_6": "「なんだとッ!?」",
"330000921_7": "「マリア、わたしの手を掴めッ!」",
"330000921_8": "「ええッ!」",
"330000921_9": "「やっとこの手を掴むことができたな……」",
"330000921_10": "「信じていたわ、来てくれるって」",
"330000921_11": "「ああ。先ほど検知されたアガートラームのギアの反応を\\n 追って、まっすぐここへ来たんだ」",
"330000921_12": "「まるで助けが来ることがわかっていたような口ぶりだな」",
"330000921_13": "「何故だ……。\\n お前はもう、S.O.N.G.にとっては敵も同然のはずだッ!」",
"330000921_14": "「ええ……そうね。わたしも一度は、みんなと心が離れて\\n しまったと、諦めそうになったりもしたわ」",
"330000921_15": "「だけど、思い出させてもらったのよ。\\n この胸に流れる、歌のことをッ」",
"330000921_16": "「歌、だと……?」",
"330000921_17": "「わたしたちの胸には、同じ歌がある。それは、\\n ちょっとやそっとじゃ消えやしないわッ」",
"330000921_18": "「ああ。だからこそ、わたしはマリアに対して\\n 手を伸ばし続けると決めたんだ」",
"330000921_19": "「何があっても、絶対にその手を取ってくれると信じていた」",
"330000921_20": "「歌を信じるなんて、わけのわからないことをッ!」",
"330000921_21": "「歌を信じることにわけなどあるものかッ!\\n そしてそれは、わたし以外のみんなも同じだ」",
"330000921_22": "「その通りデスッ! アタシたちみんながマリアのことを\\n 信じてたってことデスよッ」",
"330000921_23": "「当たり前だよ。だって、マリアはわたしたちにとって\\n 大切な家族だから」",
"330000921_24": "「後輩たちの世話はあたし1人じゃ無理だ。\\n あんたには帰ってきてもらわないと困るんだよ」",
"330000921_25": "「マリアさんは伸ばした手を取ってくれるって\\n 信じてましたッ」",
"330000921_26": "「くッ……」",
"330000921_27": "「ありがとう、みんな……」",
"330000921_28": "「ケガをしているんだろう、今は下がっていろ。\\n 決着はわたしたちの手で――」",
"330000921_29": "「はいそうですかって、下がれるわけないでしょうッ!」",
"330000921_30": "「Seilien coffin airget-lamh tron――」",
"330000921_31": "「わたしはまだ戦えるわッ!」",
"330000921_32": "「ふん、ネメシスが使えずとも、わたしには\\n アルゴスの眼がある」",
"330000921_33": "「眷属とした2人はわたしに攻撃することはできない。\\n 片付けるのは最後でいい」",
"330000921_34": "「わたしの理想を邪魔する者は誰であろうと、\\n 消えてもらうッ」",
"330000921_35": "「そうはいかないッ!」",
"330000921_36": "「マリアを好き勝手してくれた分は\\n きっちり返させてもらうデスよッ」"
}

View file

@ -1 +1,34 @@
{}
{
"330000922_0": "「はあああ――ッ!」",
"330000922_1": "「くッ、雑魚どもの数が多いッ!」",
"330000922_2": "「それでも、わたしたちが揃えば……ッ!」",
"330000922_3": "「ベビー・アルゴスだけでは抑えきれないというのか?」",
"330000922_4": "「当然よッ!」",
"330000922_5": "「今はこちらにマリアがいる。\\n この前と同じだと思わないでもらおうかッ」",
"330000922_6": "「チッ……」",
"330000922_7": "「それなら、もっと力を解放して……ッ!」",
"330000922_8": "「はあああ――」",
"330000922_9": "「ああ、ぐううう……ッ!」",
"330000922_10": "「敵の様子がおかしいッ!」",
"330000922_11": "「な、なんデスかッ!?」",
"330000922_12": "「アルゴスの眼の浸蝕部分が広がって……ッ!?」",
"330000922_13": "「どういうことなんですかッ!?」",
"330000922_14": "「彼女はアルゴスの眼という聖遺物と融合しているの。\\n 暴走を抑えつけていると言っていたけれど……」",
"330000922_15": "「それが広がっているということは……」",
"330000922_16": "「意図的に制限を解除して、\\n 聖遺物の力を解放しようというのかッ」",
"330000922_17": "「フ、フフ……そうだ……。身体の一部を明け渡し、\\n さらなる力を引き出す……ッ」",
"330000922_18": "「無茶よッ! 元の状態でもあんなに苦しんでいたというのに。\\n このままじゃ抑えきれなくなる……ッ」",
"330000922_19": "「それなら今のうちにとっ捕まえればいいッ!」",
"330000922_20": "「くッ、邪魔だッ!」",
"330000922_21": "「近づけないデスッ!」",
"330000922_22": "「やめなさいッ! このままではアルゴスの眼に\\n 飲みこまれてしまう、人間ではなくなってしまうわッ」",
"330000922_23": "「たとえ、そうなっても……、復讐がなせるのならば……。\\n わたしは、あああ――ッ」",
"330000922_24": "「あれ、は……」",
"330000922_25": "「完全に聖遺物に飲みこまれてッ!?」",
"330000922_26": "「眼玉だらけの怪物デス……ッ!」",
"330000922_27": "「ジャンヌッ! 止まりなさいッ!\\n あなたの目的は妹を救うことでしょう こんな方法では――」",
"330000922_28": "「危ない――ッ!」",
"330000922_29": "「く……ッ! もう、心まで怪物になってしまったというの?」",
"330000922_30": "「わからない……。だが、止められるのはわたしたちだけだ」",
"330000922_31": "「行くぞッ!」"
}

View file

@ -1 +1,35 @@
{}
{
"330000932_0": "「はあああ――ッ!」",
"330000932_1": "「てやあッ!」",
"330000932_2": "「こいつ……厄介だッ!\\n いくら撃ち込んでも確実に迎撃されちまうッ」",
"330000932_3": "「どこにも隙が無い……ッ!」",
"330000932_4": "「それが、無数の眼を持つアルゴスの力……。\\n 死角が無いってことなんですね」",
"330000932_5": "「しかも、わたしとマリアの眷属化はまだ解かれていない。\\n アルゴスに攻撃を加えることができぬままだ」",
"330000932_6": "「くう――ッ!」",
"330000932_7": "「大丈夫ッ!?」",
"330000932_8": "「ああ……。しかし、打つ手が……」",
"330000932_9": "「打つ手なら、ここに1つだけあるわ」",
"330000932_10": "「これは、ヘルメスの剣ッ!?」",
"330000932_11": "「あいつに奪われてたやつか。\\n これをどうするんだ」",
"330000932_12": "「この聖遺物には、アルゴスの眼を祓う力があるはずだと\\n 聞いたわ」",
"330000932_13": "「確かに、アルゴスを倒した伝説があるって言ってたデスッ!」",
"330000932_14": "「そっか……ッ!\\n この聖遺物の力を、ギアに取り込むことができればッ」",
"330000932_15": "「デュオレリックだなッ!」",
"330000932_16": "「ええ、ヘルメスの剣の力なら、アルゴスに対抗できるはずよ」",
"330000932_17": "「彼女との決着は、わたしがつけなくてはいけない……。\\n だから、挑戦させてほしいの」",
"330000932_18": "「ああ、もちろん異存はない。\\n だが……、ヘルメスの剣は基底状態だろう」",
"330000932_19": "「起動するだけのフォニックゲインを生むためには……」",
"330000932_20": "「なるほど……。人分の絶唱、S2CAかッ」",
"330000932_21": "「S2CAを放ったからといって、\\n ヘルメスの剣を起動させられるとは限らないわ」",
"330000932_22": "「だけど、可能性はありますッ!」",
"330000932_23": "「ええ。裏切っておいて、今さら信じろだなんて虫のいい\\n 話なのはわかっている」",
"330000932_24": "「だけど、信じてほしい。必ずこの戦いを終わらせるわ」",
"330000932_25": "「だから、みんなの力をわたしに預けてくれないかしら」",
"330000932_26": "「もちろんですッ!\\n 何があっても、わたしはマリアさんを信じています」",
"330000932_27": "「そういうことだ。そんなことわざわざ聞くな」",
"330000932_28": "「やってやるデスッ!」",
"330000932_29": "「うん。いつだって信じてる」",
"330000932_30": "「共に唄おう、マリア」",
"330000932_31": "「ありがとう……みんな」",
"330000932_32": "「行くわよッ!」"
}

View file

@ -1 +1,40 @@
{}
{
"330000941_0": "「おおおおおおおお――ッ!」",
"330000941_1": "「ぐッ……、うう……ッ!」",
"330000941_2": "「ぶっ放しますッ!」",
"330000941_3": "「<size=40>はああああ――ッ!</size>」",
"330000941_4": "「はあ……はあ……」",
"330000941_5": "「成功だッ!」",
"330000941_6": "「今ので小さいのは一気にやっつけられたデスよッ!」",
"330000941_7": "「うん、でもアルゴスは……」",
"330000941_8": "「無傷……。一つ眼を盾にしたか」",
"330000941_9": "「そこまでうまくはいかないか。\\n となると……」",
"330000941_10": "「ヘルメスの剣はッ!?」",
"330000941_11": "「この輝き……、起動成功デスッ!」",
"330000941_12": "「やった……ッ! あとはこれをギアとして纏うことができればッ!」",
"330000941_13": "「ええ。アルゴスとも戦えるはずよッ!」",
"330000941_14": "「デュオレリックに成功するまで、わたしたちが敵の攻撃から護る。\\n だから、頼んだぞッ」",
"330000941_15": "「ええ、わかったわ」",
"330000941_16": "(デュオレリックによる聖遺物同士の反発……。\\n そんなもの、抑え込んでみせるッ",
"330000941_17": "「ヘルメスの剣、わたしに力を貸してッ!」",
"330000941_18": "「ぐううう――ッ!?」",
"330000941_19": "「話には、聞いていたけど、\\n こんなにも苦しいだなんて……ッ」",
"330000941_20": "「だけど、諦める、わけにはッ!」",
"330000941_21": "「目の前が黒く染まっていく……。\\n この感覚は……ッ」",
"330000941_22": "「ここは……、現実では無いようね。\\n わたしの、心象風景……」",
"330000941_23": "「貴様か。わたしを目覚めさせたのは」",
"330000941_24": "「わたし――ッ!?\\n いえ……あなたは、ヘルメスなの……」",
"330000941_25": "「いかにも。貴様はアルゴスの眷属だな。\\n わたしが滅したアルゴスが、今もこうして残っていようとは」",
"330000941_26": "「確かに今はアルゴスの眷属にさせられている……。\\n でも、わたしはアルゴスと戦う者よ」",
"330000941_27": "「そのためにあなたの力を貸してほしいのッ!」",
"330000941_28": "「アルゴスに身を許した分際で私の力を欲するとは傲慢な……。\\n 貴様は何のために私を欲する」",
"330000941_29": "「仲間を護るためよ。裏切ったわたしを最後まで信じてくれた。\\n そんなみんなを護るためにッ」",
"330000941_30": "「くだらない。他者との絆など幻。\\n 信じた先から切られて消えるものだ」",
"330000941_31": "「その大切な仲間とやらも、いつか己の利益のために\\n 貴様を裏切るだろう」",
"330000941_32": "「あり得ないわッ! ……いいえ、たとえそうなったとしても、\\n わたしはみんなを信じ続ける。そう断言できるッ」",
"330000941_33": "「わたしはあなたと問答を続けるほど暇ではないの。\\n いいから力を貸しなさいッ」",
"330000941_34": "「威勢のいいことだ。だが、いいだろう」",
"330000941_35": "「わたしを従えたいというのならば、力を示してまかり通れッ!」",
"330000941_36": "「まさか聖遺物そのものとの戦いになるなんて、\\n 聞いてないわよ……」",
"330000941_37": "「でも、わかりやすくていい。わたしの想いの力、\\n 見せてあげるわッ」"
}

View file

@ -1 +1,53 @@
{}
{
"330000942_0": "「うう……あああ……ッ!」",
"330000942_1": "「頑張るデスよ、マリア……ッ!」",
"330000942_2": "「信じて待つぞ。\\n 今は目の前の敵に集中しろッ」",
"330000942_3": "「先輩は後方から指示を出してくれッ!」",
"330000942_4": "「了承したッ! 死角がないとはいえ、防御まで絶対とは\\n 限らない。方向からかく乱しつつ、近づこうッ」",
"330000942_5": "「わかりましたッ!」",
"330000942_6": "「了解デスッ!」",
"330000942_7": "「隙を探しますッ!」",
"330000942_8": "「前線は任せろッ!」",
"330000942_9": "「避けるだけなら……ッ!」",
"330000942_10": "「できなくないッ!\\n この調子で……」",
"330000942_11": "「合図と同時に攻撃に転じるぞッ!」",
"330000942_12": "「相手の攻撃の隙を待って……」",
"330000942_13": "「今だッ!」",
"330000942_14": "「はああ――ッ!」",
"330000942_15": "「くらいやがれッ!」",
"330000942_16": "「全力で――」",
"330000942_17": "「ぶった切るデスッ!」",
"330000942_18": "「……」",
"330000942_19": "「な――ッ!」",
"330000942_20": "「ああああああ――ッ!」",
"330000942_21": "「みんな……ッ!」",
"330000942_22": "「う、ちっくしょ……」",
"330000942_23": "「同時の攻撃まで見切られるなんて……」",
"330000942_24": "「……」",
"330000942_25": "「何故今さら一つ眼の怪物を?\\n まさか、全員を眷属に……ッ」",
"330000942_26": "「うわあああああッ!」",
"330000942_27": "「くう……ううう……ッ!」",
"330000942_28": "「耐えろ、みんな……ッ!」",
"330000942_29": "「このまま融合し眷属になってしまえば、戦うことも出来ぬまま\\n 奴の攻撃を受けることになってしまう」",
"330000942_30": "「しかし、わたしにはこの呪縛をどうすることも……」",
"330000942_31": "「ま、まだ、マリアがいるデスッ!」",
"330000942_32": "「うん、マリアは、くッ……、信じろって言ってくれたッ!」",
"330000942_33": "「ああ、わたしも信じ抜こう。マリアならばきっと……ッ!」",
"330000942_34": "「こんなものか。貴様の想いとやらはッ!」",
"330000942_35": "「くッ! 速い……ッ!」",
"330000942_36": "「力なき人間は仲間など見捨て、己のためだけに\\n 生きあがいておればいいのだッ」",
"330000942_37": "「フッ……わかっていないわね。\\n 全部わたし自身のためよッ」",
"330000942_38": "「なんだと?」",
"330000942_39": "「わたしはずっと、自分を偽って生きて来た」",
"330000942_40": "「みんなは、そんなわたしに自分らしくいることの大切さを\\n 教えてくれたのよッ」",
"330000942_41": "「わたしはまた、みんなと一緒に唄いたいッ!」",
"330000942_42": "「だから、わたしはわたし自身の想いで、\\n 護りたいから護るのよッ」",
"330000942_43": "「――ッ!」",
"330000942_44": "「この私に攻撃をッ!?」",
"330000942_45": "「神だか何だか知らないけれど、わたしに協力しなさいッ!」",
"330000942_46": "「ク……ハハハハッ!\\n こんなに傲慢な人間は初めてだ」",
"330000942_47": "「興味がわいたぞ。\\n いいだろう、お前らしさとやらを、見せてもらおうか」",
"330000942_48": "「……わたしに力を貸してくれるの?」",
"330000942_49": "「貴様が己の信じた道を外れない限りはな。\\n 私の力をもって、戦場を駆けるが良い」",
"330000942_50": "「この光は――ッ!?」"
}

View file

@ -1 +1,26 @@
{}
{
"330000951_0": "「う、うう……」",
"330000951_1": "「もう、これ以上は耐えられない……デス……」",
"330000951_2": "「くッ、敵の攻撃が来る……ッ!」",
"330000951_3": "「よ、避けないと……ッ!」",
"330000951_4": "「待たせたわね、みんなッ!」",
"330000951_5": "「……成功させると信じていたぞ」",
"330000951_6": "「ありがとう……。\\n まずは、あなたのアルゴスの因子を浄化するから動かないで」",
"330000951_7": "「助かる。うん、やはりこちらのほうがいい」",
"330000951_8": "「ありがとうございますッ!」",
"330000951_9": "「みんなボロボロだわ……。\\n わたしがヘルメスと戦っているあいだ、耐えてくれていたのね」",
"330000951_10": "「やっぱり、正面突破じゃ手が出なかったデスよ……」",
"330000951_11": "「だけど、マリアなら来てくれるって思ってた」",
"330000951_12": "「ここからはわたしに任せて。この戦いを終わらせてみせる。\\n 行くわよ、ヘルメスッ」",
"330000951_13": "「えッ!? ま、マリアさんが消えたッ!」",
"330000951_14": "「違う、よく見てみろッ!」",
"330000951_15": "「高速移動……これがヘルメスの力ッ!」",
"330000951_16": "「速すぎだろッ!?」",
"330000951_17": "「すごいデスッ! そう言えば、駿足で駆ける神だって\\n 言ってた気がするデスよ」",
"330000951_18": "「一度の移動距離には制限があるみたいね。\\n だけど、これだけあれば十分よッ」",
"330000951_19": "「死角が存在しないとしても、対応されるより速く攻撃\\n すれば……ッ」",
"330000951_20": "「あなたを止めるわ、ジャンヌ」",
"330000951_21": "「仲間を救うために――」",
"330000951_22": "「そして、わたしがわたしらしくあるためにッ!」",
"330000951_23": "「はあああ――ッ!」"
}

View file

@ -1 +1,39 @@
{}
{
"330000952_0": "「くッ――ッ!」",
"330000952_1": "「このギア……なんて負荷なのッ!\\n さすが、ただでは使わせてくれないわね」",
"330000952_2": "「だけどッ!」",
"330000952_3": "「最後まで戦い抜くッ!\\n 仲間を、護るために――ッ」",
"330000952_4": "「行け、マリアッ!」",
"330000952_5": "「全力全開でッ!」",
"330000952_6": "「やっちまえッ!」",
"330000952_7": "「倒して一緒に――」",
"330000952_8": "「お家に帰るデスッ!」",
"330000952_9": "「ええ、これでトドメよッ!」",
"330000952_10": "「終わったのね、やっと。\\n 今回の任務は、気が遠くなるほど長かったわ……」",
"330000952_11": "「――ッ!\\n あれは……」",
"330000952_12": "「……」",
"330000952_13": "「……わたしの中のアルゴスの眼の力が消えたのを感じる。\\n わたしは、負けたんだな」",
"330000952_14": "「ええ、そうよ。わたしと、わたしの仲間たちにね」",
"330000952_15": "「求めていたヘルメスの剣の力で\\n 倒されるとは、皮肉なものだ……」",
"330000952_16": "「あなたは今から、身柄を拘束され\\n 罪を償ってもらうことになるわ」",
"330000952_17": "「……そうはいかない……。復讐すら果たせないようでは\\n わたしはメルに合わせる顔が……」",
"330000952_18": "「すべての力を失ったわたしだが、無駄に生き延びる\\n くらいならば、いっそひと思いに……ッ」",
"330000952_19": "「言ったでしょう、メルはそんなことを望んでいないと」",
"330000952_20": "「……どういうことだ?」",
"330000952_21": "「メルの意識は回復していたわ。アルゴスの眼のリンクを使って、\\n あなたにずっと話しかけていたのよ」",
"330000952_22": "「あのままでは破滅するしかなかったあなたを止めるために、\\n わたしに手を貸してくれたのも彼女なの」",
"330000952_23": "「まさかッ!? あの声は、わたしの妄想なんかじゃなく、\\n 本当に……」",
"330000952_24": "「ええ、彼女はずっとあなたのことを心配していたのよ」",
"330000952_25": "「あなたの唄ってくれた歌を、大切に胸にしまいながら……」",
"330000952_26": "「……」",
"330000952_27": "「……わたしは本当に、救いようのない馬鹿だ……」",
"330000952_28": "「……わたしはどんな裁きでも受ける。受けて当然のことをした。\\n だが、つだけ頼みを聞いてほしい」",
"330000952_29": "「ヘルメスの剣の力で、メルを救ってやってくれないか……?」",
"330000952_30": "「……」",
"330000952_31": "「こんな事が言える立場じゃないのはわかっている。\\n だが……わたしは……」",
"330000952_32": "「そんなこと、当たり前でしょう?\\n 彼女はわたしと仲間たちにとって、命の恩人だもの」",
"330000952_33": "「――ッ!」",
"330000952_34": "「感謝する……。わたしを捕らえてくれ、マリア」",
"330000952_35": "(ジャンヌの犯した罪は重い。ひょっとしたらもう二度と、\\n 人で暮らすことは叶わないかもしれないわ",
"330000952_36": "(だけど、また2人で話して、思い出の歌を唄うことが\\n できたらいいわね……"
}

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@ -1,3 +1,62 @@
{
"330001011_0": "自分らしくあるために"
"330001011_0": "自分らしくあるために",
"330001011_1": "「アルゴスの眼から解放された、ジャンヌの妹、\\n メルさんについて報告が上がってきました」",
"330001011_2": "「待っていたデスッ!」",
"330001011_3": "「マリアのこと、助けてくれたんだよね」",
"330001011_4": "「順調に回復し、歩けるまでになっているそうです。\\n そして、マリアさんにお礼を伝えてほしいと……」",
"330001011_5": "「よかったですねッ!」",
"330001011_6": "「ええ、本当によかった……」",
"330001011_7": "「マリアくんが無事に戻ったことも、嬉しく思っている」",
"330001011_8": "「ありがとうございます」",
"330001011_9": "「ですが、わたしはS.O.N.G.に敵対してしまいました……。\\n わたしに対する処分を言い渡してください」",
"330001011_10": "(わたしが犯した罪は重い)",
"330001011_11": "(どんな処分を言い渡されたとしても、\\n 受け止める覚悟は出来ているわ……",
"330001011_12": "「ああ、俺は君に対する処分を言い渡す立場にある」",
"330001011_13": "「しかし、今回その件については、不問にするという\\n 上層部の判断が下った」",
"330001011_14": "「……不問、ですか?」",
"330001011_15": "「わたしは、装者の立場の剥奪すらあり得ると……ッ!」",
"330001011_16": "「兄貴の働きかけによるところだ。\\n だが、兄貴はただ優しさでマリアくんを救ったわけではない」",
"330001011_17": "「確かに君が、S.O.N.G.に対し敵対行動を取ったという事実は\\n 残っている。それ自体は許されることではない」",
"330001011_18": "「しかし、それは裏切りではなく、我々S.O.N.G.を護り事件を\\n 解決しようとした結果だったはずだ」",
"330001011_19": "「兄貴はそれをその場での状況判断として処理し、\\n 上層部も、兄貴の説得に納得したそうだ」",
"330001011_20": "「で、ですがッ!」",
"330001011_21": "「これ以上の反論は無しだ。第一、マリアくんがいなければ、\\n 俺たちはネメシスに消されていたかもしれない、そうだろう」",
"330001011_22": "「……わかりました。ありがとうございます」",
"330001011_23": "「ヘルメスの剣は、日本政府で管理することになった。\\n 丁重に保管されることになる」",
"330001011_24": "「さあ、俺からは以上だ。疲れが溜まっているだろう、\\n 今日は休んでくれ」",
"330001011_25": "「はい……」",
"330001011_26": "「みんな、この事件ではたくさんの迷惑をかけてしまったわ。\\n 本当にごめんなさい……」",
"330001011_27": "「謝ることなんてないですよッ!」",
"330001011_28": "「最初は確かにちょっとびっくりして、\\n いろいろ考えちゃったデス……でもッ」",
"330001011_29": "「マリアは絶対に戻ってくる、そう信じていたから」",
"330001011_30": "「あたしたちを護るためだったんだ。\\n そんなの、迷惑なわけないだろ」",
"330001011_31": "「つまるところ、皆気にしていないということだ。それに、\\n マリアこそ、わたしたちを護ってくれていたのだろう」",
"330001011_32": "「みんな……」",
"330001011_33": "「あーッ! そうデスッ! 『マリアおかえりなさいパーティ』を\\n やらなきゃいけないデスねッ」",
"330001011_34": "「ナイスアイデアだね、切ちゃん」",
"330001011_35": "「パーティ?」",
"330001011_36": "「いいね、おかえりなさいパーティッ!\\n やろうやろうッ」",
"330001011_37": "「おっさんも今日は休めって言ってただろ。\\n やるなら明日な」",
"330001011_38": "「そうだったデスッ! でも、今日から準備しておくのは\\n セーフデスよねッ」",
"330001011_39": "「お料理仕込まなきゃ。\\n みんなの分もだから、たくさん作ろうね」",
"330001011_40": "「じゃあ、わたしは飾り付けに使えそうなもの探してくるよ。\\n ほら、クリスちゃんもッ」",
"330001011_41": "「あ、ああ……」",
"330001011_42": "「まったく、人の話も聞かずに飛び出して……」",
"330001011_43": "「フフ、本当に騒がしいわね……」",
"330001011_44": "「戻ってきたことが嬉しいんだろう。\\n 今回くらいは好きにやらせてやれ」",
"330001011_45": "「……ええ」",
"330001011_46": "「あ、あれ、どうしたのかしら。\\n 勝手に涙が溢れてきて、変ね……」",
"330001011_47": "「……」",
"330001011_48": "「な、何してるのよ……。\\n こんなところ、翼の前で……」",
"330001011_49": "「いいんだ。わたしたちの前では、弱い自分を見せてもいい」",
"330001011_50": "「……ッ!」",
"330001011_51": "「……ずっと、ずっと怖かった……。\\n みんなと心が離れていってしまうようで……ッ」",
"330001011_52": "「だけど、わたしは……、戻ってこられたのよね……」",
"330001011_53": "「ああ、そうだ。\\n マリアは、わたしたちのところに戻ってきてくれた」",
"330001011_54": "「そして、これからも心が離れてしまうことなんてないと\\n 断言できる。……この胸の歌がある限り」",
"330001011_55": "「おかえり」",
"330001011_56": "「……ただいま」",
"330001011_57": "「もう少しだけ、そこにいてもらえるかしら?」",
"330001011_58": "「ああ……、もちろんだ」",
"330001011_59": "(やっと、戻ってくることができたのね。\\n わたしが自分らしくいられる、みんなのもとに……"
}

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@ -1,3 +1,30 @@
{
"330001111_0": "マリアの天職"
"330001111_0": "マリアの天職",
"330001111_1": "「この前のお帰りなさいパーティ、マリアが喜んでくれて\\n よかったね」",
"330001111_2": "「それは主催者として鼻高々デスッ!\\n もう回やってもいいくらいデスよッ」",
"330001111_3": "「それなら、今度のお休みに……」",
"330001111_4": "「あら、楽しそうね」",
"330001111_5": "「うわッ!? び、ビックリしたデスッ!」",
"330001111_6": "「いつからそこにいたの?」",
"330001111_7": "「最初からいたわよ?」",
"330001111_8": "「か、完全に気配が消えてたデス……」",
"330001111_9": "「そこッ! 隠れているのはバレているわッ!」",
"330001111_10": "「ええッ!? 隠れてたっていうか、\\n ちょうど来たところだったんですけど……」",
"330001111_11": "「えッ? あ、いや、ごめんなさい、\\n 驚かせるつもりはなかったの」",
"330001111_12": "「何やってんだ。\\n 自分の気配を消したり、バカの気配を見破ったり……」",
"330001111_13": "「……けないの……」",
"330001111_14": "「あ? なんだって?」",
"330001111_15": "「……諜報活動していたときの癖が抜けないのッ!」",
"330001111_16": "「なるほどッ! どんなことも見逃さないなんて、\\n さすがスパイって感じですねッ」",
"330001111_17": "「スパイよりも緒川さんみたいに忍者のほうが\\n 向いてるかもしれません」",
"330001111_18": "「勝手なことを言わないでちょうだいッ!」",
"330001111_19": "「いいじゃないか」",
"330001111_20": "「わたしはスパイでも忍者でもないのよ?」",
"330001111_21": "「何をやっていてもマリアはマリアだろう?」",
"330001111_22": "「わたしは、それで十分だと思うぞ」",
"330001111_23": "「……ッ!」",
"330001111_24": "(な、なによ。この剣……)",
"330001111_25": "「……ゴホン。翼の言う通り、わたしはわたしね。\\n みんな、ありがとう。改めてただいま」",
"330001111_26": "「おかえり」",
"330001111_27": "「おかえりなさいッ! (デースッ!)」"
}