jp update

This commit is contained in:
argoneus 2020-05-15 23:14:04 +02:00
parent fe17fecc6e
commit 86385b3dfc
811 changed files with 42359 additions and 980 deletions

View file

@ -0,0 +1,34 @@
{
"337000111_0": "迷い子たちの流離",
"337000111_1": "「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」",
"337000111_2": "「――あいつッ!\\n 拳ひとつであの巨体を受け止めやがったッ」",
"337000111_3": "「立花の――絶唱ッ!」",
"337000111_4": "「あのバカ――いったい……?」",
"337000111_5": "「アダムとの決着の際――\\n サンジェルマンのスペルキャスターを使った時のように……」",
"337000111_6": "「――嘘だろッ!? デヴァステイターのエネルギーを\\n 自分に取り込もうとしてるのかッ」",
"337000111_7": "「止すんだッ!\\n <ruby=ヘキサ>6人</ruby>でないと<ruby=コンバージョン>転換</ruby>はできないッ!!」",
"337000111_8": "「うおおおおおおおおおおおおおッ!」",
"337000111_9": "「引っぺがしたエネルギーをパージするんだッ!\\n ギアで抱えられる許容量を超える前にッ 早くッ」",
"337000111_10": "「でやあああああああああああッ!」",
"337000111_11": "「やった――、これで、何とか……」",
"337000111_12": "「お、おい――バカッ!\\n しっかりしろッ」",
"337000111_13": "(絶唱を口にして、\\n この程度のバックファイアに抑えられている――",
"337000111_14": "<ruby=シェンショウジン>神獣鏡</ruby>の凶祓いにて融合症例を治癒して以来、\\n 立花が高い適合係数を獲得した理由――それはいったい……",
"337000111_15": "「――先輩ッ! あの子の事は追手に任せてッ!\\n あたしらはその前にこのバカを安全なところにまでッ」",
"337000111_16": "「――あ、ああ、急ぐとしようッ!」",
"337000111_17": "「――うッ、うう……」",
"337000111_18": "「気がついたか、立花」",
"337000111_19": "「……ここ、は?」",
"337000111_20": "「駐車場の片隅を間借りさせてもらっている。\\n 昏倒した立花を介抱しなければならなかったのでな」",
"337000111_21": "「……今のところ、追手は無し……」",
"337000111_22": "「向こうも負傷者を抱えている以上、\\n 流れで追跡というわけにもいかないみたいだが……」",
"337000111_23": "「――追手……? 負傷者ッ!?\\n そうだッ、安藤さんッ って、あ痛たたたた……」",
"337000111_24": "「いいからじっとしてろ。無茶するな」",
"337000111_25": "「フォニックゲイン由来でないエネルギーを毟り取り、\\n 無理矢理に制御しようとしたのだから無理もない」",
"337000111_26": "「それでも――、わたしより友達の方が……」",
"337000111_27": "「……」",
"337000111_28": "「どこかのバカが、できる限りの事をやりきったんだ。\\n あとは――、自分の友達を信じろ」",
"337000111_29": "「…………」",
"337000111_30": "「……うん、そうだね。信じなきゃだね……\\n ありがとね、クリスちゃん。気づかってくれて……」",
"337000111_31": "「バーカ。そう思うなら、さっさと元気になりやがれ」"
}

View file

@ -0,0 +1,38 @@
{
"337000121_0": "「言われるがままについてきたわけですが……」",
"337000121_1": "「まさか、こんなところに、\\n こんな施設があったなんて――」",
"337000121_2": "「――たった今、医療班より報告があった」",
"337000121_3": "「お前たちの学友にして竜姫、安藤創世の無事を確認。\\n 命に別状はないということだ」",
"337000121_4": "「――ッ!?」",
"337000121_5": "「良かった――、本当に良かった……」",
"337000121_6": "「怪物に取り込まれて、あんなにたくさん血を吐いて――\\n だけど、生きて帰ってきてくれて……」",
"337000121_7": "(過去の数値をそのままに当てはめるなら、\\n 魂魄が爆ぜるほどの負荷であってもおかしくはない",
"337000121_8": "(なれど、この程度の軽症で済むとは――)",
"337000121_9": "(アジ・ダハーカの化石より造り出されたメックヴァラヌス……)",
"337000121_10": "(アーキタイプを三等分し、纏う者の負荷を軽減した結果か、\\n それとも、あの装者によって命を救われたのか――",
"337000121_11": "「……ちゃん、――おじいちゃん?」",
"337000121_12": "「――む……」",
"337000121_13": "「おじいちゃんのおかげだよ。友達が助かったのは、\\n あの時すぐ、ヘリで駆けつけてくれたから――」",
"337000121_14": "「それでも、掬えずに零れてしまった命もある。\\n 凪くんをはじめとする二課の職員たち――」",
"337000121_15": "「巻き込まれてしまった仰陽館の……」",
"337000121_16": "「…………」",
"337000121_17": "「――あ、あの……、わたしたちはおじいさんの事を、\\n これまで通りにおじいさんと呼んでもいいのでしょうか」",
"337000121_18": "「私立仰陽館女学院理事長にして、\\n 特異災害対策機動部二課、終身名誉司令――」",
"337000121_19": "「他にも肩書など吐いて捨てるほどにあるが、\\n 今はまだ、呼びたい呼称で呼ぶのが良かろう……」",
"337000121_20": "「……」",
"337000121_21": "「じゃあ、おじいちゃん――ッ!」",
"337000121_22": "「あたし、もっと強くなりたいッ!\\n 強くなって、ボロボロにされた友達の仇を取りたいんだッ」",
"337000121_23": "「友達だけではありませんッ!\\n 凪司令代行をはじめとする、二課職員の方々の仇もッ」",
"337000121_24": "「だけど、今のあたしは弱くて……\\n あいつらがどこに消えたのかも全然わからなくて――」",
"337000121_25": "「その望み、できる限りの協力をしよう」",
"337000121_26": "「さて、今後のこちらの動きだが――」",
"337000121_27": "「代行のおっさんから、受け取ったチップ――\\n 奪われた情報は取り戻せたが、おそらくはコピー済みだな」",
"337000121_28": "「代行さん……」",
"337000121_29": "「弔いよりも、悼むよりも、\\n わたしたちには、まず為さねばならぬ事がある」",
"337000121_30": "「わかっています。優先すべきは、\\n わたしたちの世界への帰還、その方法を探す事ですよね」",
"337000121_31": "「ギャラルホルン――\\n その存在と所在は確認できたものの……」",
"337000121_32": "「待ってくれッ、先輩ッ!\\n ――何かが近づいてくるッ」",
"337000121_33": "「追手――、戦わなきゃいけないのならッ!」",
"337000121_34": "「無理はしてくれるなよ、立花」",
"337000121_35": "「これくらい――、へいきッ、へっちゃらですッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,10 @@
{
"337000131_0": "「相変わらず――\\n 数で圧してくる戦い方ッ」",
"337000131_1": "「こいつら、どうやってあたしらの位置をッ!?\\n ――正確に追跡しすぎだッ」",
"337000131_2": "(――まさかッ!?)",
"337000131_3": "「立花ッ、雪音ッ!\\n 防犯カメラの『眼』に気をつけるんだッ」",
"337000131_4": "「――カメラッ!? そうかッ!」",
"337000131_5": "「こっちの世界の二課も、\\n 防犯カメラを通じてモニタリングしているのならッ」",
"337000131_6": "「きっとわたしの寝顔まで見られていますッ!」",
"337000131_7": "「位置を特定された以上、留まるのは得策ではないッ!\\n 敵陣を突破し、この場より速やかに離脱するッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,18 @@
{
"337000132_0": "「これで最後ッ!!\\n 脱出経路ッ、力任せに抉じ開けましたッ」",
"337000132_1": "「長居は無用ッ!\\n さらなる追手を差し向けられる前にッ」",
"337000132_2": "「……」",
"337000132_3": "「……」",
"337000132_4": "「バイタル、安定しているみたいですわね」",
"337000132_5": "「あの時――あたしがデヴァステイターを起動させていたら、\\n こんな気持ちにならずにすんだのかな」",
"337000132_6": "「……」",
"337000132_7": "「あの時――弓美さんがデヴァステイターを起動させていたら、\\n 創世さんがそんな気持ちになったのではないでしょうか」",
"337000132_8": "「――ッ!?」",
"337000132_9": "「どっちが正しかったなんて、きっと無いと思います。\\n あるとしたら、それは――」",
"337000132_10": "「……どっちも、間違っていた?」",
"337000132_11": "「……」",
"337000132_12": "「わからない、わからないよ……\\n みんなの明日を救えるヒーローになるには、どうしたら……」",
"337000132_13": "「わからないのは、それだけではありません」",
"337000132_14": "「わたしたちに託された、\\n この身を竜の鱗と鎧うブレスレット――」",
"337000132_15": "「メックヴァラヌスとは本当に、\\n みんなの明日を救える力なのでしょうか……」"
}

View file

@ -0,0 +1,6 @@
{
"337000141_0": "「道をッ、開けろおおおおおおおおおッ!!」",
"337000141_1": "「逃げても逃げても、逃げた先にもッ!\\n またぞろこいつらが待ち受けていやがるッ」",
"337000141_2": "「――ッ、――ッ、――ッ、――ッ、ッ……」",
"337000141_3": "「負けるものか……、負けるものかあああああッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,24 @@
{
"337000142_0": "「こっちだッ!\\n ふたりともッ」",
"337000142_1": "「だけど、先輩――\\n どっちを向いてもッ、どこまで行ってもッ」",
"337000142_2": "「どっちもどっちもッ!!」",
"337000142_3": "「いいから、わたしについて来るんだッ!」",
"337000142_4": "「行こうッ、クリスちゃんッ!\\n 翼さんには考えがあるみたいだッ」",
"337000142_5": "「――はあッ、はあッ、はあ、はあ……」",
"337000142_6": "「……追手は、来ない……?」",
"337000142_7": "「そして、前方に敵は待ち受けていない……ッ!」",
"337000142_8": "「共同構内に潜りこめば、\\n ある程度、カメラの眼から逃れると考えたのだ……」",
"337000142_9": "「……良かった……」",
"337000142_10": "「いや、良くはない。\\n そういう事だろ 先輩」",
"337000142_11": "「ああ、あくまでもこれは一時的な対処。\\n 程なくここも絞り込まれ、本当の問題はその後の――」",
"337000142_12": "「この世界のどこにも、\\n あたしたちの逃げ場がなくなるという事態だ」",
"337000142_13": "「……え?」",
"337000142_14": "「あの子たち――メックヴァラヌスも含め、\\n 個々の敵に対しては、恐れ怖じるわたしたちではない」",
"337000142_15": "「だが、いついかなる状況であっても、\\n 絶え間なく敵を差し向けてくるという包囲網は――」",
"337000142_16": "「わたしたちをどこまでも追い詰めて、\\n 僅かずつであっても確実に心と体を削り殺いでくる……」",
"337000142_17": "「わたしたちを苦しめる、\\n これまでにない脅威……、戦法――」",
"337000142_18": "「どうやらここは、バルベルデなんて比じゃないくらいの地獄――\\n 並行世界ってのが、ついに牙を剥いてきたのかもしれないな」",
"337000142_19": "「こちらの目の届かぬところに落ち延びたか。\\n シンフォギア装者め、やはり古強者にして戦巧者よのう」",
"337000142_20": "「いずれ潜伏先も暴き立てられようが、\\n 懸念するは、アングィスマリシアス程度では役者が足りぬ事」",
"337000142_21": "「メックヴァラヌスを磨き上げるためのデータサンプルは、\\n やはり――、……」"
}

View file

@ -0,0 +1,8 @@
{
"337000211_0": "真誠デヴァステイター",
"337000211_1": "「ここにもシミュレータルームが――」",
"337000211_2": "「特異災害対策機動部二課でもありませんのに、\\n こんな施設、こんな設備、こんな技術の塊が――」",
"337000211_3": "「準備はできておるようだな。\\n これより、再調整を施したメックヴァラヌスの稼働実験を行う」",
"337000211_4": "「データサンプルより構築した仮想敵を相手に、\\n メックヴァラヌスの可能性を示してみよ」",
"337000211_5": "「メックヴァラヌスの可能性――\\n そうだ、竜姫の限界は、まだまだこんなもんじゃないんだッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,20 @@
{
"337000212_0": "「メックヴァラヌスの動きが――軽い。\\n それに出力だって、ずっと上がっている……」",
"337000212_1": "「その分の反動があって然るべきですが……」",
"337000212_2": "「今回の調整は、\\n トータルバランスの向上に重きを置いておる」",
"337000212_3": "「特に、使用制限を解除したDモジュールと、\\n 先だって組み込んだ歌を力へと変えるシステム――」",
"337000212_4": "「FG式コンバーターを連結させることで、\\n モジュールの安定化が最大の目的なのだ」",
"337000212_5": "「Dモジュール……\\n デヴァステイターの安定化を」",
"337000212_6": "「そんな事が可能なのでしょうか?」",
"337000212_7": "「理論上では、荒れ狂うエネルギーを歌にて調律し、\\n 竜姫の制御下に置けるはずなのだが……」",
"337000212_8": "「……歌……」",
"337000212_9": "「だけど、あたしたち竜姫に、\\n 装者のような歌はなく――」",
"337000212_10": "「歌が無い以上、\\n モジュールを制御できない状況に変わりはありません」",
"337000212_11": "「そうだ。歌さえあればDモジュールの制御だけでなく、\\n メックヴァラヌスの基本スペックの向上も見込める――」",
"337000212_12": "「こちらも引き続き調査を進めよう。\\n 竜姫たちにおいては――」",
"337000212_13": "「――ッ……」",
"337000212_14": "「どうなさいましたかッ!?」",
"337000212_15": "「いや、こちらで対処できる事案だ」",
"337000212_16": "「稼働実験はここまでとしよう。\\n 竜姫のふたりも、シャワールームにて汗を流すといい」",
"337000212_17": "「…………」"
}

View file

@ -0,0 +1,11 @@
{
"337000221_0": "「……お腹空いた……\\n 炭水化物の甘みを、口が忘れてしまいそうだよ……」",
"337000221_1": "「だからって言葉にするなッ、そいつも飯テロだからなッ!\\n 水飲み場で腹を膨らませたら、さっさとずらかるぞッ」",
"337000221_2": "(――逃走を開始して、3日……)",
"337000221_3": "(食事はおろか、襲撃を警戒して、\\n ろくに睡眠ができていないこの状況――",
"337000221_4": "(いっそ遠くに落ち延びれば、休息もできようが、\\n ギャラルホルンの存在を二課に確認した以上、それもできない",
"337000221_5": "(精神と肉体の限界を迎える前に打開しなければ、\\n 四方四隅が塞がれて――",
"337000221_6": "「――翼さん、クリスちゃん……\\n あいつ、焼いたら食べられないかな――」",
"337000221_7": "「おいおいッ、ケーブルテレビの人気番組じゃないんだぞッ!\\n 腹を壊すだけじゃすまないってッ」",
"337000221_8": "「立花の悪食はさておくとして、\\n あちらもこちらを平らげるつもりのようだな……ッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,36 @@
{
"337000231_0": "「アングィスマリシアスによる包囲網を狭めよッ!\\n 追いつめればそれだけ、装者は力を発揮するッ」",
"337000231_1": "「何で、おじいちゃんがあの怪物を――」",
"337000231_2": "「アングィスマリシアスを操っているのでしょうかッ!?」",
"337000231_3": "「存外にカラスの行水。\\n 女の子の湯浴みが長いものとは、勝手な思い込みであったか」",
"337000231_4": "「説明がほしいよッ、おじいちゃんッ!」",
"337000231_5": "「……」",
"337000231_6": "「全ては国のため。\\n 国を守護するメックヴァラヌスのために他ならぬ」",
"337000231_7": "「メックヴァラヌスの、――ですか?」",
"337000231_8": "「どういうことッ!?\\n あの怪物は、いったい――」",
"337000231_9": "「拝火教に伝わる邪竜アジ・ダハーカの化石より培養された兵器。\\n メックヴァラヌスと祖を同じとする、いわば姉妹のようなモ」",
"337000231_10": "「――メックヴァラヌスとッ!?」",
"337000231_11": "「姉妹とおっしゃったのですか?」",
"337000231_12": "「竜姫がその身に纏うのは、アジ・ダハーカのメックヴァラヌス。\\n その原型を三等分して扱えるようにした負荷低減モデルである」",
"337000231_13": "「あの怪物と、あたしたちは同じ――」",
"337000231_14": "「メックヴァラヌスをより完成した兵器へと磨き上げるため、\\n より多くの、より真に迫った各種データが必要なのだ」",
"337000231_15": "「そのためにシンフォギア装者と、\\n アングィスマリシアスを戦わせているのだ」",
"337000231_16": "「…………」",
"337000231_17": "「……本当に?」",
"337000231_18": "「今の言葉に偽りなど欠片もない。\\n すべては、この国のためと――信じてもらいたい」",
"337000231_19": "「…………」",
"337000231_20": "(仮に、今の言葉に嘘はなかったとしても――\\n おじいさんは、どこかに嘘をついているような……",
"337000231_21": "(二課本部が襲われたあの日――)",
"337000231_22": "「……やはり、罠だったのかもしれないな」",
"337000231_23": "「――罠ッ!?\\n さっき代行も言ってたけれど、それってどういう……」",
"337000231_24": "「竜姫の3人を遠くに引き離し、自由に動けるようにするために、\\n ここに敵を呼び出して、無辜の人々を襲わせたとも考えられる」",
"337000231_25": "「……」",
"337000231_26": "(竜姫と装者が戦わざるを得ない状況を作り出すために……\\n モジュールを使わざるを得ない状況を作り出すために……",
"337000231_27": "(……つまりは、わたしたちでデヴァステイターの人体実験をし、\\n メックヴァラヌスの強化に必要なデータを取るために……",
"337000231_28": "(手首のブレスレット――\\n ドラゴンブレスには、いったいどれだけの……",
"337000231_29": "「――見てッ!\\n シンフォギア装者が逃げようとしているッ」",
"337000231_30": "「ふん、そうはさせぬわ」",
"337000231_31": "「――くッ……\\n こちらが撤退の素振りを見せると途端に――」",
"337000231_32": "「こいつらッ、標的をあたしらから、\\n 街のあちこちに切り替えてくれやがるッ」",
"337000231_33": "「街に被害が広がらないようにしなきゃッ!\\n 誰かの血が流れないようにしなきゃッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,26 @@
{
"337000241_0": "「…………」",
"337000241_1": "「……みなさん……\\n できる限り被害を抑えるよう、身を挺して……」",
"337000241_2": "「――ッ……」",
"337000241_3": "「――おじいちゃんッ!\\n こんなやり方はすぐにでもやめて……」",
"337000241_4": "「……」",
"337000241_5": "「シンフォギアからバトルデータを取るのなら、\\n もっと効率のいい方法があるからッ」",
"337000241_6": "「ふむ、聞かせてもらえるかな?」",
"337000241_7": "「……はあッ、……はあッ、……はあッ、……はあッ……」",
"337000241_8": "「そろそろ、限界――」",
"337000241_9": "「なれどッ、この一群を片付けられればッ!」",
"337000241_10": "「お片付けに先輩の手は煩わせねえッ!\\n あたしに任せなああああああああああッ」",
"337000241_11": "「やったッ!\\n さすがのクリスちゃんッ」",
"337000241_12": "「たりめーよッ!」",
"337000241_13": "「雪音のセリフがどういう意図であったのかはさておいて……\\n どうやらまだ終わらせてはもらえぬようだな」",
"337000241_14": "「――えッ!?」",
"337000241_15": "「…………ローター音?\\n ――ヘリで出張って来やがったかッ」",
"337000241_16": "「――行くよッ!」",
"337000241_17": "「板場さん……、寺島さん……」",
"337000241_18": "「…………」",
"337000241_19": "「友達を酷い目に遭わせたんだ……\\n このまま何事もなく帰れるなんて思わないでよ……」",
"337000241_20": "「誤解だよッ!\\n それより安藤さんは――安藤さんの容態は……」",
"337000241_21": "「あたしの友達を口にするなッ!」",
"337000241_22": "「――ッ!」",
"337000241_23": "「バージョンアップしたメックヴァラヌスのお披露目だ……\\n ここでブチのめされていきなッ、シンフォギアアアアアアッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,32 @@
{
"337000242_0": "「――ぐッ!」",
"337000242_1": "「きゃああああッ!」",
"337000242_2": "「我武者羅も遮二無二も通り越した、\\n 無理筋極まる戦い方――」",
"337000242_3": "「だが、竜姫もメックヴァラヌスも、\\n 確実に強く――急成長を果たしているッ」",
"337000242_4": "「こっちの疲労も相まって、\\n そろそろ舐めてかかるわけには……」",
"337000242_5": "「…………」",
"337000242_6": "「代行や……、みんなの仇をとるために――」",
"337000242_7": "「代行さんもッ!?」",
"337000242_8": "「――この気迫ッ、まさかッ!?」",
"337000242_9": "「デヴァステイターをッ!?」",
"337000242_10": "「あたしはもう、迷わないッ! 怖がらないッ!\\n 誰もが泣かない明日のためッ」",
"337000242_11": "「咆哮――ッ!」",
"337000242_12": "「や・め・ろおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!」",
"337000242_13": "「きゃあああああああああああッ!!」",
"337000242_14": "「弓美さんッ!」",
"337000242_15": "「――立花ッ!」",
"337000242_16": "「あいつッ、デヴァステイターの起動を止めるためにッ!?」",
"337000242_17": "(それでもわたしは――、勢いのままに友達を……)",
"337000242_18": "「ぐッ、なんで、シンフォギアなんかに――」",
"337000242_19": "「聞こえるか、竜姫たちよ。\\n メックヴァラヌスのコアパーツに損傷が見られるッ」",
"337000242_20": "「メックヴァラヌスを不完全なままに壊すわけにはいかぬッ!\\n バトルデータの採取よりも、今は退くのだッ」",
"337000242_21": "「――弓美さんッ、体勢を立て直すべきですッ!\\n このまま続けていたとしても――」",
"337000242_22": "「ちくしょう……、チクショウウウオオオオオオオッ!!\\n 次はないからなッ、シンフォギアアアアアアアアッ」",
"337000242_23": "「――って、次などあるわけ――」",
"337000242_24": "「――ぐッ……、どうした……」",
"337000242_25": "「――ギアがッ!?」",
"337000242_26": "「――クリス、ちゃ、ん……」",
"337000242_27": "「――雪音ッ、立花ッ!?」",
"337000242_28": "「……ううぅ……」",
"337000242_29": "「終わりなき連戦による、肉体の疲労と、精神の摩耗……\\n ――ぐッ、ここまで……、なのか――」"
}

View file

@ -0,0 +1,44 @@
{
"337000311_0": "ものすごく排他的で、ありえないほど強い攻撃衝動",
"337000311_1": "「――ねえ?」",
"337000311_2": "「ん?」",
"337000311_3": "「何だかとんでもなくご法度なような気がするんだけど……\\n どうしようもなく気になる事があるんだけどッ」",
"337000311_4": "「らしくないくらいにまわりくどい」",
"337000311_5": "「わたしたちに答えられるものであれば構わないが……」",
"337000311_6": "「そっちの機密とか、そういうのに全然関係の無い、\\n ホント、大したことじゃないんだけどね……」",
"337000311_7": "「あの、訊いてみたいのはですね――\\n 皆さんの世界のわたしたちって、どんな感じなのでしょう」",
"337000311_8": "「ありゃま」",
"337000311_9": "「たしかに、ギャラルホルンで並行世界を行き来して、\\n 同一別人格にはもう何人も逢ってきたが――」",
"337000311_10": "「考えてみれば不思議なくらい、\\n この当たり前の問い掛けをされた事が無かったな」",
"337000311_11": "「そっちの世界のあたしたちの事――\\n 知ってるような素振りしてたじゃない」",
"337000311_12": "「……うん。みんなの事、よく知ってるよ」",
"337000311_13": "「お願いッ! 聞かせてッ!」",
"337000311_14": "「……」",
"337000311_15": "「板場さんは、やっぱりアニメが大好きで、\\n 先生たちに掛け合って、学院にアニソン同好会を作ったんだ」",
"337000311_16": "「ナニソレッ!? やるじゃんなかなかやるじゃんッ!\\n やるじゃんあたしッ そっちでも火花飛ばしてるわねッ」",
"337000311_17": "「寺島さんは、普段は一歩引いているんだけど、\\n それでいて、いざとなったら三歩踏み込めるタイプでね……」",
"337000311_18": "「舞台に立つとスイッチが入る女優さんみたいですわね。\\n もしかしてこのわたしにも、そんな一面があるのでしょうか」",
"337000311_19": "「安藤さんは、運動神経が良くてリズム感もあって……\\n シュっとしてるから、ダンスがすごくカッコ良くてね」",
"337000311_20": "「ダンスッ!? わたしってばダンス?\\n たしかに好きだけど、人前で踊ってたりするの、恥ずいな……」",
"337000311_21": "「あと、やっぱりみんなにあだ名を付けるのが好きで――\\n クリスちゃんの事を、キネクリ先輩って呼んでたりするんだ」",
"337000311_22": "「――はあッ!?」",
"337000311_23": "「マジカッ!?」",
"337000311_24": "「センス、おんなじッ!」",
"337000311_25": "「もうひとり、未来を合わせた5人で、\\n カラオケに行ったり、ふらわーでお好み焼き食べたりして――」",
"337000311_26": "「ねえ」",
"337000311_27": "「ん?」",
"337000311_28": "「そっちのあたしたち――楽しくやっているんだよね?」",
"337000311_29": "「……」",
"337000311_30": "「…………」",
"337000311_31": "「竜姫の使命を背負った事――後悔なんかしていないし、\\n むしろ竜姫でいられる事は、あたしたちの誇りだ」",
"337000311_32": "「それでもね……、そっちの世界のあたしたちは、\\n できるだけ怖い目なんかに……、遭わずにいてほしいなあ」",
"337000311_33": "「……板場さん……」",
"337000311_34": "「こう見えて、意外に小心者なんだからさ。\\n ちゃんと護ってあげてよね、そっちのあたしを。あたしたちを」",
"337000311_35": "「――約束する。\\n どこの世界のみんなだって、きっとわたしの友達だから……」",
"337000311_36": "(…………)",
"337000311_37": "(――友達……\\n 止めるためだったとはいえ、わたしはまた――",
"337000311_38": "(…………)",
"337000311_39": "「――ここ、は……?」",
"337000311_40": "「良かった……\\n ずっと眠ったままだったらどうしようかと――」",
"337000311_41": "「待っててください。\\n すぐにお水をお持ちしますね」"
}

View file

@ -0,0 +1,49 @@
{
"337000321_0": "「……」",
"337000321_1": "「どうやら無事なようだな」",
"337000321_2": "「あたしら以上に頑丈なくせに、心配かけやがって」",
"337000321_3": "「――翼さん、クリスちゃん……\\n 何が、どうなって――」",
"337000321_4": "「わたしたちも、\\n 気がついたらここに寝かされていたのだ」",
"337000321_5": "「限界超えてぶっ倒れてしまったあたしらは――\\n どうやらあの子に助けられたらしい」",
"337000321_6": "「――あの子?」",
"337000321_7": "「お待たせしました。\\n 冷たいお水ですけど、温かいお茶の方が良かったでしょうか」",
"337000321_8": "「えっと――\\n たしか、あなたは……」",
"337000321_9": "「もしかすると、流れに流されて――\\n ちゃんとご挨拶をしていなかったかもしれません」",
"337000321_10": "「わたしは、一年生の灰島友鈴(はいじま ゆうりん)。\\n 転校生の皆さんとは、生徒会室で何度かお会いしましたよね」",
"337000321_11": "「風鳴翼――<ruby=とう>薹</ruby>が立っているように見えるかもだが一応二年生だ。\\n 決して怪しいモではない」",
"337000321_12": "「先輩――あ、いや、ここでは同級生の先輩――\\n その物言いが逆に怪しすぎますって……」",
"337000321_13": "(同級生の先輩ッ!?)",
"337000321_14": "(いつにも増して耳慣れないニホンゴで、\\n クリスちゃんが翼さんの怪しさをますます加速させて――",
"337000321_15": "「あ、あたしの名前は雪音クリス。\\n そして、さっき目が覚めたこいつの名前は――」",
"337000321_16": "「――ッ!!?」",
"337000321_17": "「ハングリー・アポカリプス・ナウこと、\\n 最新の食欲魔人さんだ」",
"337000321_18": "「ひどいッ、わたしの名前は立花響だよッ!\\n 今日は名前だけでも覚えて帰ってくださいね……」",
"337000321_19": "「待ってください。情報の洪水をわっと一気に浴びせかけるのは。\\n それに――帰るも何も、ここがわたしの家なのですが……」",
"337000321_20": "「灰島の家――?\\n では、君がわたしたちを……」",
"337000321_21": "「はい。大きな音がしたので様子を見に出てみれば――\\n 皆さんが倒れていましたので……」",
"337000321_22": "(……大きな音……)",
"337000321_23": "(……おそらくは、メックヴァラヌスとの交戦時……)",
"337000321_24": "「――まさかの天丼とはッ!!?」",
"337000321_25": "「さすがに天丼はご用意できないのですが、\\n 大きな音がしましたので、ご飯の準備に取り掛かりますッ」",
"337000321_26": "<color=red><size=60>censored</size></color>",
"337000321_27": "「あったかいごはん&ごはんに加え、\\n あったかいお風呂までいただけるなんて――」",
"337000321_28": "「…………」",
"337000321_29": "「……雪音、それは浮いているのか?\\n 手を使わずとも、浮かせているのか……」",
"337000321_30": "「もしかすると、危機また危機の連続状況に開花した、\\n あたしの念動力――<ruby=サイキックソルジャー>超能力戦士</ruby>の誕生かもですよ、先輩」",
"337000321_31": "「――ザシャアッ!!」",
"337000321_32": "「お先に上がりまーす。\\n 翼さんとクリスちゃんも、のぼせないうちにですよ」",
"337000321_33": "「――わ、下着も、制服もッ!?」",
"337000321_34": "「お洗濯と乾燥――簡単にですが、\\n 食事とお風呂の間に済ませておきました」",
"337000321_35": "「本当は部屋着をご用意したかったのですが、\\n わたしのサイズではどうかと思いましたので――」",
"337000321_36": "「ううん、とても助かってるッ!\\n 本当にありがとう、灰島さんッ」",
"337000321_37": "「ゆっくりしていってください」",
"337000321_38": "「いいねぇ、天井と壁のある生活……\\n 失くしたのはほんの数日だったけど、ありがたみを実感するよ」",
"337000321_39": "「ああ、追い詰められてあらためて理解した。\\n 装者の戦いとは、やはり銃後に支えられてこそなのだな」",
"337000321_40": "「真綿で縊られるような感覚……\\n ああいう攻められ方はもう――コリゴリだ」",
"337000321_41": "「もし良ければ――\\n 今、何が起きているのかを教えてくれませんか」",
"337000321_42": "「<size=25>並行世界に孤立して――敵と味方が解らない状況で……\\n ……この子はどこまで信じられるのか……</size>」",
"337000321_43": "「<size=25>もしも敵だとしたら、わたしたちが倒れている隙に……\\n 信じようよ――疑うより、ずっとその方が……</size>」",
"337000321_44": "「学院に被害が出て、連絡が取れない友達もいるんです。\\n わからないままでいるのは、とても不安で……」",
"337000321_45": "「……」",
"337000321_46": "「了解した。だが、わたしたちにもわからない事だらけなのだ。\\n できれば互いに情報交換といきたいものだ」"
}

View file

@ -0,0 +1,4 @@
{
"337000331_0": "「負けるものかッ! メックヴァラヌスはッ!\\n シンフォギアなんかにいいいいぃぃぃぃッ」",
"337000331_1": "「あたしたちはッ、立ち止まるわけにはいかないッ!\\n もっと強くなるためにッ、全部を受け止めるためにッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,19 @@
{
"337000332_0": "「……はあッ、はあッ、はあッ!」",
"337000332_1": "「…………」",
"337000332_2": "「神経伝達、各部からのフィードバックに異常なしッ!\\n コアパーツの損傷――思ったより軽微で助かったッ」",
"337000332_3": "「馬鹿力のシンフォギアに壊されかけた時には、\\n 正直、冷や冷やしたけれども……」",
"337000332_4": "「シンフォギアに……\\n 壊されかけた……」",
"337000332_5": "「壊されかけたでしょ?\\n あいつに――」",
"337000332_6": "「あいつではなく、響さんです。\\n ――それに、きっと……」",
"337000332_7": "「響さんはメックヴァラヌスを壊そうとしたのではなく、\\n わたしたちがデヴァステイターを使うのを止めようとして……」",
"337000332_8": "「……わかっているッ!」",
"337000332_9": "「わかっているならッ!」",
"337000332_10": "「…………」",
"337000332_11": "「この国を――、この国に暮らす人々を護るために造られたのが、\\n あたしたち竜姫の纏うメックヴァラヌス……」",
"337000332_12": "「だけどメックヴァラヌスは、怪物の力から生まれて……\\n その力は、あたしたちの友達にも牙を剥いて……」",
"337000332_13": "「牙を剥いたのは、創世さんにだけではありません。\\n 先代の竜姫にも――、おそらく他の誰かにも……」",
"337000332_14": "「――ッ!?」",
"337000332_15": "「だったら――\\n どうすればいいの あたしたち……」",
"337000332_16": "「……頃合いであろうな……」"
}

View file

@ -0,0 +1,39 @@
{
"337000341_0": "「みなさんが、\\n 会長たちと一緒に戦っているのは知っていました」",
"337000341_1": "「ですが、その力は……\\n メックヴァラヌスとは全く違う仕組みの力なんですね」",
"337000341_2": "「歌にて、ペンダントに組み込まれた聖遺物の欠片を励起し、\\n エネルギーへと変えるのだが――」",
"337000341_3": "「まあ、そのあたりは簡単に端折ろう。\\n たぶん、聞いてもチンプンカンプンだと思うからな」",
"337000341_4": "「実際わたしも、そんなに詳しくないしね」",
"337000341_5": "「それはそれで問題発言だぞ」",
"337000341_6": "「でも、歌が力になるって――\\n それってどんな歌でも力になるんですか」",
"337000341_7": "「自身であれ他者であれ、\\n 力と変わるのは、胸の歌――」",
"337000341_8": "「人の胸より湧き上がる、\\n 剥き出しの感情や裸の心がカギとなっているようなのだが……」",
"337000341_9": "「カギとなっているよう? ですか?」",
"337000341_10": "「実際のところは、ブラックボックスと化した理論ゆえに不明。\\n 今後に研究と解析が求められているんだな、これが」",
"337000341_11": "「ぶうー、わたしだけじゃなく、\\n 翼さんやクリスちゃんだってよく知らないじゃないッ」",
"337000341_12": "「似て非なるぞッ、かなりのレベルでッ!」",
"337000341_13": "「うふふ、ケンカはよしてください。\\n お腹空きますよ」",
"337000341_14": "「それは一大事かもッ!?」",
"337000341_15": "「でも、仕組みが詳しくわからない以上――\\n 基本的には、みなさんが唄うしかないわけなんですね」",
"337000341_16": "「だからこそわたしたちが、\\n 脅威の最前線に立ちはだかる防人でなければならないのだ」",
"337000341_17": "(わたしもッ!? わたしたちも防人ッ!!?)",
"337000341_18": "(混ぜるな危険ッ! まあ、いいけどさ……)",
"337000341_19": "「――警報? どこか近くにノイズが現れてッ!?」",
"337000341_20": "「雪音ッ! 立花ッ! 出られるかッ!?」",
"337000341_21": "「しっかり睡眠はとれているッ!」",
"337000341_22": "「ガッツリお腹も満ち足りてますッ!」",
"337000341_23": "「ならば、行くぞッ!」",
"337000341_24": "「――だが、その前に……」",
"337000341_25": "「わかっています。\\n ここを訪れたことは、会長たちには黙っておきます」",
"337000341_26": "「え?」",
"337000341_27": "「わたしが、皆さんと会長たちの間を取り持たなくたって、\\n きちんと話せばわかり合えるはずです」",
"337000341_28": "「みなさんの剥き出しの感情や、裸の心があれば、\\n いつか必ず、わかり合えるはずですから」",
"337000341_29": "「うん、そうだね。\\n ありがとう、灰島さん」",
"337000341_30": "「ぞろぞろと雁首揃えやがって……」",
"337000341_31": "「ノイズが自然発生の災害であれば、\\n 包囲網にてこちらを封殺するような戦いはしないはずッ」",
"337000341_32": "「掃討後、速やかに移動ッ!\\n この市街区から離れるぞッ」",
"337000341_33": "「え? 灰島さんの家には戻らないんですか?\\n 板場さんたちにも黙ってくれるみたいだったし……」",
"337000341_34": "「あの子があたしらを匿ったと知られれば、\\n あの子に危険が及んでしまう。そうさせないために……」",
"337000341_35": "「……了解です。そうですよね……」",
"337000341_36": "「行くぞッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,21 @@
{
"337000342_0": "「これでッ!」",
"337000342_1": "「はいッ、片付きましたッ!」",
"337000342_2": "「あとは、こっちだッ!」",
"337000342_3": "「――クリスちゃんッ!?」",
"337000342_4": "「緊急離脱だッ!\\n 雪音ッ 立花ッ」",
"337000342_5": "「ああッ!」",
"337000342_6": "(ごめんね、灰島さん――\\n あいさつもせずにッ",
"337000342_7": "「雑な銃撃と見せかけて、\\n その実、周辺のカメラを的確に射抜いてみせるとは驚かせる」",
"337000342_8": "「追いつかれるまでの時間を……\\n しばしの猶予を稼いだつもりか、シンフォギア……」",
"337000342_9": "「だが、稼いだしばしの猶予とやら、\\n こちらも存分に活用させてもらおうかのう」",
"337000342_10": "「姿を捕捉されるとわかって尚、\\n 街を護るためにイズを掃討……」",
"337000342_11": "「馬鹿だよ……、そんなのまるで――\\n アニメのヒーローのする事じゃない……」",
"337000342_12": "(じゃあ、あたしのしている事は――)",
"337000342_13": "(…………)",
"337000342_14": "「いかがいたしましたか?」",
"337000342_15": "「医療班より朗報が入った」",
"337000342_16": "「竜姫、安藤創世の意識が戻ったようだ」",
"337000342_17": "「――ッ……」",
"337000342_18": "「護国の牙――その完成は、もう間もなくのようだ」"
}

View file

@ -0,0 +1,71 @@
{
"337000411_0": "哀しき運命、喀血の咆哮",
"337000411_1": "「…………」",
"337000411_2": "「わたしは、この拳で……\\n 友達までも――」",
"337000411_3": "「あたしはもう、迷わないッ! 怖がらないッ!\\n 誰もが泣かない明日のためッ」",
"337000411_4": "「咆哮――ッ!」",
"337000411_5": "「や・め・ろおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!」",
"337000411_6": "「きゃあああああああああああッ!!」",
"337000411_7": "「弓美さんッ!」",
"337000411_8": "「灰島さんは、\\n きちんと話せばわかってくれると言ったけど……」",
"337000411_9": "「そんな資格、わたしには――」",
"337000411_10": "「ここにいたのか、立花」",
"337000411_11": "「せっかく雨風凌げる廃病院に潜りこめたのだ。\\n 身体を休めておくにこしたことはないぞ」",
"337000411_12": "「雨風は凌げてるはずですが、\\n さっきクリスちゃんが寒い寒いッて――」",
"337000411_13": "「ふむ。この浜崎病院。閉鎖の憂き目にあった理由は、\\n 建てつけの悪さであったか、それとも――」",
"337000411_14": "「…………」",
"337000411_15": "「…………」",
"337000411_16": "「立花は、顔に出やすいな」",
"337000411_17": "「……翼さん……」",
"337000411_18": "「わたしはまた、ぶん殴ってしまいました。\\n 何とかしないとと思った瞬間、身体が勝手に動き出して……」",
"337000411_19": "「…………」",
"337000411_20": "「きちんと話せば何とかなったのかもしれません。\\n でも、その事に気付くのは、いつだって手遅れで――」",
"337000411_21": "「…………」",
"337000411_22": "「神殺しと呼ばれた立花は、\\n 次はカミサマにでもなるつもりなのか」",
"337000411_23": "「え?」",
"337000411_24": "「たしかに最善の方法が他にあったのかもしれない。\\n だが、瞬間の決断の連続に、正しさを選び続けられるのは――」",
"337000411_25": "「人ならざる俯瞰の視点――\\n 神の眼でも持たねばどだい無理な話であろう」",
"337000411_26": "「…………」",
"337000411_27": "「わたしとて、立花と同じ過ちを何度も犯し、\\n 幾度となく後悔を繰り返している」",
"337000411_28": "「翼さんも……?」",
"337000411_29": "「あの時、ああしてなければ――\\n あれをやれてたなら……」",
"337000411_30": "「だけど、『もしも』は仮定の話――」",
"337000411_31": "「過ぎ去った現実は何も変わらない」",
"337000411_32": "「クリスちゃん」",
"337000411_33": "「それでもわたしは、\\n そんなふうに自分の間違いを肯定できないよ……」",
"337000411_34": "「肯定じゃない。肯定する必要もない。\\n だけどこうして受け止めて、考え続けるのが大切なんだ」",
"337000411_35": "「……でも……」",
"337000411_36": "「だーかーらー、何様のつもりなんだ? このバカはッ!」",
"337000411_37": "「なじるのは構わないが、本当になじる事ができるのは、\\n これまでに一度も過ちを犯してないモだけなんだよッ」",
"337000411_38": "「自分にその資格があるなんて、\\n まさかのぼせあがってるんじゃないだろうなッ」",
"337000411_39": "「…………」",
"337000411_40": "「間違いを誇るのは言語道断だがッ!\\n それでも、間違った自分はちょっぴり誇ってやれッ」",
"337000411_41": "「……え……?」",
"337000411_42": "「間違うとか、後悔をするって事は、少なくとも――\\n 答えを出そうともがいた自分がいるって証だ」",
"337000411_43": "「……クリスちゃん……」",
"337000411_44": "「あたしもそう、あの時のステファンに気づかされた」",
"337000411_45": "「…………」",
"337000411_46": "「簡単に答えが出せなくても、\\n 悩み続ける事に意味があるのなら、わたしは――」",
"337000411_47": "(――雪音は強い。強くなった。\\n そして、立花も……",
"337000411_48": "(…………)",
"337000411_49": "(……だが、わたしはどうだ……?\\n 自分の弱さを、誰かの弱さを、果たして――",
"337000411_50": "(…………)",
"337000411_51": "「――創世さんッ!」",
"337000411_52": "「まったく――\\n 無事なら無事と、そう言いなさいよねッ」",
"337000411_53": "「ははは。無茶言うなって。\\n わたし、さっきまでひっくり返ってたんだから」",
"337000411_54": "「――でも……」",
"337000411_55": "「心配させてごめん。\\n そして、心配してくれてありがとう」",
"337000411_56": "「ありがとうは、こちらのセリフですわ」",
"337000411_57": "「躊躇したあたしの代わりに、あんたが無茶してくれたから――\\n こうしてまた、三人が一緒にいられるんだからッ」",
"337000411_58": "「……無茶……\\n ああッ、デヴァステイターッ」",
"337000411_59": "「そうだ、あの子はッ!?\\n あの子たちはッ」",
"337000411_60": "「急にどうしたのですか?」",
"337000411_61": "「あの子たちって――\\n 並行世界から来たっていう三人」",
"337000411_62": "「そうッ!」",
"337000411_63": "「ここにはいませんわ」",
"337000411_64": "「Dモジュールで怪物の力に取り込まれたあんたを倒した後、\\n あちこちを転々と逃亡して――」",
"337000411_65": "「違うッ!\\n あの子はあたしを倒したんじゃないッ」",
"337000411_66": "「どういうことでしょうか?」",
"337000411_67": "「わたしがこうして助かったのは――\\n あの子の力、シンフォギアのおかげなんだよッ」",
"337000411_68": "「――え……ッ!?」"
}

View file

@ -0,0 +1,22 @@
{
"337000421_0": "「――ちょッ、ちょっとどういう事ッ!?\\n あんたまでそんな事を言いだすなんてッ」",
"337000421_1": "「わたしたちの見ていないところで、\\n いったい何があったのでしょうか」",
"337000421_2": "「う、うん。あの時、意識がもうろうとしてたけど、\\n これだけはハッキリと覚えてるんだ……」",
"337000421_3": "「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」",
"337000421_4": "「――あいつッ!\\n 拳ひとつであの巨体を受け止めやがったッ」",
"337000421_5": "「立花の――絶唱ッ!」",
"337000421_6": "「あのバカ――いったい……?」",
"337000421_7": "「アダムとの決着の際――\\n サンジェルマンのスペルキャスターを使った時のように……」",
"337000421_8": "「――嘘だろッ!? デヴァステイターのエネルギーを\\n 自分に取り込もうとしてるのかッ」",
"337000421_9": "「止すんだッ!\\n <ruby=ヘキサ>6人</ruby>でないと<ruby=コンバージョン>転換</ruby>はできないッ!!」",
"337000421_10": "「うおおおおおおおおおおおおおッ!」",
"337000421_11": "「…………」",
"337000421_12": "「……うッ、こ、ここは……?」",
"337000421_13": "「わたし、頭の中が塗り潰されて――\\n 何もかもがわからなくなって……」",
"337000421_14": "「――怪物ッ!?\\n 先代竜姫の成れの果て……」",
"337000421_15": "「……違うッ、あれは……\\n わたしの頭の中を塗り潰そうとしている怪物の力……」",
"337000421_16": "「さっきまであんなに大きかったのに、\\n どうしてここまで小さくなって――」",
"337000421_17": "「まさか、あの子がわたしを救おうとして……\\n ここまで小さく殺いでくれたの」",
"337000421_18": "「…………」",
"337000421_19": "「戦わなきゃ……、わたしだって竜姫なんだッ!\\n 救われるばかりでなく、この危機を自分で乗り越えなきゃッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,18 @@
{
"337000422_0": "「…………」",
"337000422_1": "「…………」",
"337000422_2": "「意識を塗り潰そうとメチャクチャに広がる力は、\\n とても大きくて……、きっとわたし人では抗えなかった」",
"337000422_3": "「……だけど……」",
"337000422_4": "「…………」",
"337000422_5": "「…………」",
"337000422_6": "「あの子……、話をしようとしてたよね……\\n だけどあたしは、あの子が伸ばした手を振り払って――」",
"337000422_7": "「手を振り払ったのは、\\n 弓美さんだけではありません……」",
"337000422_8": "「燃え上がる校舎を見てたら、余裕なんてなくて……\\n でも、今ならわかる……、痛いくらいに……」",
"337000422_9": "「話せばきっとわかる事――\\n だけど、邪魔する雑音と不協和音は、あちこちに溢れてて――」",
"337000422_10": "「…………」",
"337000422_11": "「…………」",
"337000422_12": "「あたしはもう、アニメみたいなヒーローではいられない……\\n ヒーローでいられないあたしたちは、もう――」",
"337000422_13": "「竜姫の諸君らに作戦の通達がある。\\n 至急、発令所まで来られよ」",
"337000422_14": "「――ッ……」",
"337000422_15": "「いよいよメックヴァラヌスが、\\n シンフォギアを越える時――訣戦の刻が来たのだッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,27 @@
{
"337000431_0": "「…………」",
"337000431_1": "「…………」",
"337000431_2": "「……バカの悩み事に相乗りするわけじゃないが……」",
"337000431_3": "「竜姫の三人と、なぜこうも敵対してしまったのか、\\n 一度、整理しておいた方がいいのかもしれないな」",
"337000431_4": "「ギャラルホルンを使って元の世界に戻れたとしても、\\n 仲違いしたままだと気持ち悪いもんね……」",
"337000431_5": "「とどのつまりはそういう事だが、そういう事だけじゃない」",
"337000431_6": "「?」",
"337000431_7": "「ずっと疑問に考えてたんだが……\\n あたしらは、いったい――誰と戦っているんだ」",
"337000431_8": "「――ッ!?」",
"337000431_9": "「竜姫たちとの訣別と激突――」",
"337000431_10": "「すべては誤解から始まったことだが、\\n あまりにも舞台と役者が揃いすぎている都合の良さ……」",
"337000431_11": "「一連の事件に、何者かの思惑が絡んでいる以上、\\n いかにもな敵の出現は、罠である可能性が高いと<ruby=ボキ>僕</ruby>は判断する」",
"337000431_12": "「さも、わたしたちが手にかけたように横たわる、\\n 二課所属エージェントたちの遺体と――」",
"337000431_13": "「交わされるはずの言葉を、\\n 遮るように燃え落ちた仰陽館女学院の校舎……」",
"337000431_14": "「その全てが仕組まれたかどうかはわからないが、\\n その状況のいくつかを利用した奴はきっと存在しているはず」",
"337000431_15": "「――利用した、奴がいる……?」",
"337000431_16": "「S.O.N.G.本部への侵入にはじまる一連の事件……\\n 正体を隠したままに裏回しするそいつは――」",
"337000431_17": "「大局的には――実験と研究……\\n だけどわたしは、そんなのどうでもいいの……」",
"337000431_18": "「わたしはただ、あの人を振り返らせたいだけ」",
"337000431_19": "「この状況は、外套の下に制服を隠した襲撃者と、\\n その背後に控える存在が描いてみせた必然の絵図――」",
"337000431_20": "「つまり、竜姫の3人は敵ではなく……\\n 敵対するように仕立て上げられただけの――ッ」",
"337000431_21": "「――くッ、市街区に火柱がッ!?\\n これも奴が言う、大局的な実験と研究なのかッ」",
"337000431_22": "「あたしが積み上げてみせたのは、\\n ただの推察にすぎない……」",
"337000431_23": "「それでももう一度――\\n この掌に自分の正義を信じて、握りしめるだけの力にはなった」",
"337000431_24": "「行こうッ、翼さんッ! クリスちゃんッ!\\n そこにはきっと、真実を覆い隠している奴がいるッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,62 @@
{
"337000511_0": "訣戦、少女兵装",
"337000511_1": "「シンフォギアと訣戦の刻って――\\n どういう事なのッ おじいちゃんッ」",
"337000511_2": "「……これは、預けていたドラゴンブレス――?」",
"337000511_3": "「わたしたちがメックヴァラヌスを纏うための……」",
"337000511_4": "「新たな情報を元に調整を施し、\\n メックヴァラヌスをさらに完成へと近づけたのだ」",
"337000511_5": "「新たな、情報……?」",
"337000511_6": "「シンフォギアとメックヴァラヌスに共通する、\\n 歌を力へと転換する式コンバートシステム――」",
"337000511_7": "「この<ruby=ファンゲンゲサング>聖歌受令</ruby>機能を拡張し、\\n 力となる歌を竜姫の胸に求めるのではなく、他者に――」",
"337000511_8": "「シンフォギアから得られるように改良したのだ」",
"337000511_9": "(わたしたちからではなく……\\n シンフォギアからの歌を利用するって事……",
"337000511_10": "(大型のアングィスマリシアスにも同様の……\\n ですが、それをメックヴァラヌスに応用するなんて発想は……",
"337000511_11": "(きっとそれが――、新たな情報……)",
"337000511_12": "「さあ、新たなるメックヴァラヌスを――\\n ブレスを腕に取り付けてみるがいい」",
"337000511_13": "「では、外してみたまえ」",
"337000511_14": "「付けたり外したりって――\\n 何か意味あるの」",
"337000511_15": "「付けたブレスが外れるかどうか、\\n 試してみれば、すべてはわかる」",
"337000511_16": "「……あ、あれ?」",
"337000511_17": "「――外れませんわッ!」",
"337000511_18": "「急拵えではあったが、うまく作動しておるようだな」",
"337000511_19": "「機密を狙う夷狄の手にメックヴァラヌスが簡単に渡らぬよう、\\n 少々セキュリティを強く施してみたのだ」",
"337000511_20": "「ど、どういう事ッ!?」",
"337000511_21": "「ブレスを無理に外そうとすれば、\\n あるいは、竜姫が叛意を見せればこちらからの操作にて――」",
"337000511_22": "「内側より致死性の竜毒が打ち込まれ、\\n どこまでも静かに謀反人を殺処分せしめる」",
"337000511_23": "「――ッ!?」",
"337000511_24": "「獰猛な犬を飼うには首輪が必要なのだ。\\n それが竜であれば尚更であろう……なんら不思議ではない」",
"337000511_25": "「…………」",
"337000511_26": "「この施設のどこにおろうと、\\n 常に竜姫たちの会話は捕捉しておる儂である」",
"337000511_27": "「まさかさっきの……\\n メディカルルームでの会話を聞かれて……」",
"337000511_28": "「そんな変態――\\n 代行だって、そこまでは……」",
"337000511_29": "「…………」",
"337000511_30": "「いいですわ、やりましょう」",
"337000511_31": "「――テラジッ!?」",
"337000511_32": "「あんた、自分で何言ってるのか、\\n わかってるのッ」",
"337000511_33": "「もちろんわかっていますわ」",
"337000511_34": "「メックヴァラヌスとシンフォギア――\\n 戦って、どちらが強いのかを明らかにすれば良いのですよね」",
"337000511_35": "「……そうだ」",
"337000511_36": "「だとすれば言葉ではなく、行動で示してみせます」",
"337000511_37": "「……なんで、どうして……」",
"337000511_38": "「『どうして』ですってッ!?」",
"337000511_39": "「さっき弓美さんも言ってたじゃないですか。\\n 『あたしは、アニメみたいなヒーローではいられない』って」",
"337000511_40": "「――ッ!?」",
"337000511_41": "「ヒーローでいられないのなら、あとはもう――\\n 力を持つ者の行く末は、こうなっていくしかありません」",
"337000511_42": "「…………」",
"337000511_43": "「…………」",
"337000511_44": "「その積極性……何を望んでいる?」",
"337000511_45": "「竜姫が装者を<ruby=たお>斃</ruby>した暁には――\\n 危険なドラゴンブレスの解除をお願いいたします」",
"337000511_46": "「…………」",
"337000511_47": "「もちろんブレスの解除だけではありません。\\n 叶えたい望みなんて指で折れないくらいには……」",
"337000511_48": "「いいだろう。\\n まずは手始めにメックヴァラヌスの優位性を――」",
"337000511_49": "「ブレスの解除以外の望みは、\\n ひとつひとつこちらの要求に応えてからだ」",
"337000511_50": "「ありがとうございますッ! おじいさんッ!!\\n ――ですが……」",
"337000511_51": "「戦うにしても、カメラの眼から逃れたシンフォギア……\\n せめてどこにいるのかわからないと……」",
"337000511_52": "「ならば、こうしてくれようか」",
"337000511_53": "「――爆発ッ!?」",
"337000511_54": "「あの区画に、怪物が放たれてッ!」",
"337000511_55": "「居場所がわからずとも、おびき出せばいいだけ。\\n 打ち捨てられた廃工場であっても、狼煙くらいはあげられよう」",
"337000511_56": "「――ッ……」",
"337000511_57": "「怪物の攻撃目標は、\\n わたしたちではなく、この工場施設――ッ」",
"337000511_58": "「おそらく、身を潜めたあたしらを燻るためにッ!!」",
"337000511_59": "「面白くはないが、敵の思惑に乗らざるをえまいッ!\\n 散開しつつ、被害が街に及ばないよう食い止めるんだッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,21 @@
{
"337000521_0": "「わたしたちに代わって……」",
"337000521_1": "「みんなの明日を救うために……」",
"337000521_2": "「位置の特定はできましたわ。\\n それではおじいさん、ヘリの準備を――」",
"337000521_3": "「あんたッ、どういうつもりッ!?」",
"337000521_4": "「どういうつもりなのかを問い詰めたいのは、こちらですわ?\\n 状況が刻一刻と変わっているのに、いつまでも――ッ」",
"337000521_5": "「あんた――、本気でシンフォギアを……」",
"337000521_6": "「…………」",
"337000521_7": "(――泣いて、いるの……?)",
"337000521_8": "(…………)",
"337000521_9": "「いい加減、腹ァ括りなよッ! 板場ッ! 安藤ッ!\\n 戦わなきゃ誰も――、救えないのよッ」",
"337000521_10": "「――ッ!!」",
"337000521_11": "「…………」",
"337000521_12": "「おじいさん、ヘリの準備をお願いします。\\n 装者の近くに下ろしてくれれば、後は竜姫でッ」",
"337000521_13": "「見事、シンフォギアを超えてみせよ。\\n メックヴァラヌスこそが、儂の振るう剣となるのだ」",
"337000521_14": "「この聞き慣れた音は……」",
"337000521_15": "「――先輩ッ!」",
"337000521_16": "「ああ、交戦域に飛来してくる機影――\\n おそらくはメックヴァラヌスを移送してきたに違いない」",
"337000521_17": "「前座の相手をするのは、そろそろ飽きてきたところだッ!\\n さっさとこいつら片付けて――」",
"337000521_18": "「竜姫のみんなともう一度――手を取り合うんだッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,7 @@
{
"337000522_0": "「この状況に風穴を開けてみせるッ!!\\n わ・た・し・の・拳でええええええええええええッ」",
"337000522_1": "「ついに、おでましときたもんだ」",
"337000522_2": "「竜姫――、メックヴァラヌス……」",
"337000522_3": "「…………」",
"337000522_4": "「……みんな……」"
}

View file

@ -0,0 +1,25 @@
{
"337000531_0": "「…………」",
"337000531_1": "「…………」",
"337000531_2": "「でも、良かった……\\n どんな形であれ、安藤さんとまた、こうして……」",
"337000531_3": "「うん。ありがとう。助けてくれたのはわかってる。\\n だけどね――」",
"337000531_4": "「退くわけにはいかない、わたしたちなのです」",
"337000531_5": "「もう一度、話をする事は――\\n 戦うしかもう、どうしようもないのかな……」",
"337000531_6": "「わかり合えないのかな?」",
"337000531_7": "「わかってもらう必要がないからね」",
"337000531_8": "「…………」",
"337000531_9": "「だって、竜姫を背負って戦う<ruby=こころいき>乙女心</ruby>――\\n 最後の覚悟と決断は、ここに来るまでに済ませてきた」",
"337000531_10": "「……覚悟と、決断……\\n でも、わたしにだって、ゆずれない願いは――」",
"337000531_11": "「そうだよね。\\n たぶん、本気で戦うって、きっとそういう事だもの」",
"337000531_12": "「だから、誰にも口を挟ませない」",
"337000531_13": "「誰かに割って入られるなんて、たまらないですもの」",
"337000531_14": "「…………」",
"337000531_15": "「そろそろ始めようよ、シンフォギア。\\n 話をする前にぶん殴るってのが流儀なんでしょ」",
"337000531_16": "「わたしの流儀は、ぶん殴ってでも話がしたいのと――\\n いつか、そんな方法を取らずに済む方法を探し続けることだ」",
"337000531_17": "「…………」",
"337000531_18": "「あんたってば本当に――あたしがずっと憧れて、\\n まるで手が届かなかったヒーローそのものなんだね」",
"337000531_19": "「ありがとう。あたしはヒーローになれなかったけれど、\\n ここには確かにアニメみたいなヒーローがいるって信じられる」",
"337000531_20": "「――だから、あたしはッ!」",
"337000531_21": "「わたしたちはッ! もう――」",
"337000531_22": "「飛び立つことをッ、恐れないッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,16 @@
{
"337000532_0": "「であやああああああああああああッ!」",
"337000532_1": "「おおおおおおおおおおおおおおおッ!」",
"337000532_2": "(やっぱり、強い――)",
"337000532_3": "(もう、弱いなんて言えない……)",
"337000532_4": "「この強さ――\\n 飛躍的に上昇した力の秘密はいったいッ」",
"337000532_5": "「歌を喰らうアングィスマリシアスの機能を、\\n わたしたちのメックヴァラヌスに組み込んでもらいました」",
"337000532_6": "「そんな暴挙をッ!?\\n だが、そこに対応する<ruby=アーリーシルエット>術</ruby>は――」",
"337000532_7": "「そっちが歌の力を引き下げれば、\\n その瞬間を、デヴァステイターにて狙い撃つッ」",
"337000532_8": "「――ッ!?」",
"337000532_9": "「……周到な二段構え……」",
"337000532_10": "「制御の難しい、危険なデヴァステイターで、そんな……\\n 自分の命を犠牲にするような戦い方ッ どうしてッ」",
"337000532_11": "「…………」",
"337000532_12": "「…………」",
"337000532_13": "「…………」"
}

View file

@ -0,0 +1,40 @@
{
"337000541_0": "「制御の難しい、危険なデヴァステイターで、そんな……\\n 自分の命を犠牲にするような戦い方ッ どうしてッ」",
"337000541_1": "「…………」",
"337000541_2": "「…………」",
"337000541_3": "「…………」",
"337000541_4": "訣戦直前――20分前",
"337000541_5": "「わたしたちを移送してきたヘリがこの場を急速離脱――\\n まあ無理もないよね、竜姫と装者の激突を考えれば……」",
"337000541_6": "「あんた、さっきまでのは何ッ!?\\n 態度の急変、ううん、それよりもあの涙――」",
"337000541_7": "「…………」",
"337000541_8": "『静かにお願いします。\\n 取り付けられたブレスから盗聴されてる恐れもあります』",
"337000541_9": "(――筆談ッ!?)",
"337000541_10": "(…………)",
"337000541_11": "『さっきはごめんなさい。\\n お芝居を打たせてもらいました』",
"337000541_12": "(――ッ!?)",
"337000541_13": "『並行世界のわたしに、\\n 女優さんみたいな一面があったと聞きましたので――』",
"337000541_14": "『もしかしたらわたしにも? と思い、試してみました』",
"337000541_15": "『ナイスですッ!』",
"337000541_16": "『ナイスですッ!』",
"337000541_17": "『でも、何のために?』",
"337000541_18": "『これ以上の枷を付けられて、\\n 行動を制限される前にあの場を離れたかったのです』",
"337000541_19": "(――ッ!?)",
"337000541_20": "『わたしたちが知りうる情報、すべての真実を装者の方々に伝え、\\n この世界に横たわる壁や闇をぶっ飛ばしてもらうためにッ』",
"337000541_21": "(――ッ!?)",
"337000541_22": "『伝えるったって――\\n この複雑な状況、一言二言じゃすまないよッ』",
"337000541_23": "『そうこうしている間に、この腕輪――\\n ドラゴンブレスから毒が打たれて……』",
"337000541_24": "『それでも、わたしは覚悟の上でした』",
"337000541_25": "『ナイスじゃないですッ!』",
"337000541_26": "『ナイスじゃないですッ!』",
"337000541_27": "『土壇場のあんたに度胸があるのはわかったけれど、\\n ちょっとありすぎ、踏み込みすぎッ』",
"337000541_28": "『……ごめんなさい……』",
"337000541_29": "『こ、これ、マジで何とかならないのかなッ!?\\n ドラゴンブレスさえ外れれば、またみんなと一緒に――』",
"337000541_30": "「――あッ!」",
"337000541_31": "「し~~ッ!(声が出ちゃってますッ!の意)」",
"337000541_32": "『もしかしたら、何とかできるかもしれない』",
"337000541_33": "「うおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!\\n するッ 何とかするッ してみせるッ」",
"337000541_34": "「だから本気でかかってこいッ! シンフォギアッ!」",
"337000541_35": "「――くッ!\\n こっちのフォニックゲインをさらに力と変えてッ」",
"337000541_36": "「これ以上、無力化などと悠長なことは――」",
"337000541_37": "「それでも止めるッ!\\n 知るもんかあああああああああああッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,14 @@
{
"337000542_0": "「――バカなッ、拮抗ッ!?」",
"337000542_1": "「こっちも出し惜しみしているわけじゃないんだぞッ!?」",
"337000542_2": "「待っていたのはこの瞬間ッ!」",
"337000542_3": "「メックヴァラヌスに取り付けられたFG式コンバーターでッ!\\n この場に膨れ上がったフォニックゲインを一気に――」",
"337000542_4": "「そうッ、この力さえあればッ!!\\n あたしたちだってデヴァステイターだって制御してみせるッ」",
"337000542_5": "「<size=40>――咆哮ッ!!!</size>」",
"337000542_6": "「だ・と・し・て・も・おおおおおおおおおおおおおおッ!!!」",
"337000542_7": "「――がはッ……」",
"337000542_8": "「――それでもッ……\\n 安藤さんと寺島さんを止められ――」",
"337000542_9": "「――ぐッ……」",
"337000542_10": "「――ああ……」",
"337000542_11": "「翼さん……?\\n クリスちゃん……」"
}

View file

@ -0,0 +1,42 @@
{
"337000551_0": "「わたしに代わってッ、\\n 人のデヴァステイターをッ」",
"337000551_1": "「こいつら……\\n 避けもしないで、受け止めて――」",
"337000551_2": "「まさか、デヴァステイターを呼び水に、\\n こちらの全力攻撃を誘ったのか……」",
"337000551_3": "「コアパーツが破損して――、自動解除……?」",
"337000551_4": "「ブレスも、外れて落ちて――」",
"337000551_5": "「ごめんッ! みんな――ッ!!\\n いつだってわたしは、ぶん殴るしかできなくて――」",
"337000551_6": "「違うよ。ありがとう」",
"337000551_7": "「……え……?」",
"337000551_8": "「気にしないで……\\n こうするしかなかったんだ……」",
"337000551_9": "「わたしたちを縛り付けるメックヴァラヌス……\\n 解放されるには壊すしかなかったのです……」",
"337000551_10": "「ただ敗北するだけでは、\\n 仰陽館女学院の誰かが、次の竜姫に選抜されてしまいますから」",
"337000551_11": "「そのために……」",
"337000551_12": "「自分の命を危険に晒して――」",
"337000551_13": "「あんたにぶっ飛ばされたあたしだから……\\n あたしたちを救ってくれるのは、きっとあんたたちしか……」",
"337000551_14": "「誰よりも怖がりのユミが、\\n 勇気を振り絞って実行した、たったひとつの冴えたやり方……」",
"337000551_15": "「親友二人が、頑張ってくれたから……\\n あたしもそれに応えなきゃと思ってね……」",
"337000551_16": "「それでも……、話をしたいと口にしつつ……\\n 友達を拳で殴り飛ばした事実は変わらない……」",
"337000551_17": "「…………」",
"337000551_18": "「……そう、なのかな……」",
"337000551_19": "「たとえばあんたや、\\n あんたの周りはそんなふうに考えるのかもしれないけれど……」",
"337000551_20": "「あたしらからすると、あんたが止めてくれたおかげで、\\n 街の被害や人の命をできる限り抑えられたと感謝しているんだ」",
"337000551_21": "「わたしが、止めた――」",
"337000551_22": "「あたしはヒーローになれないけれど、\\n それでも、少しでもヒーローに近づきたかったから――」",
"337000551_23": "「――うッ、ううう……」",
"337000551_24": "「板場さんッ!?」",
"337000551_25": "「そんなことより、あんたたちに――\\n 明日を救えるヒーローに伝えなきゃいけない事がある……ッ」",
"337000551_26": "「メックヴァラヌスには秘密があって――\\n わたしたちを争わせていた黒幕がいるんだッ」",
"337000551_27": "「秘密とッ!?」",
"337000551_28": "「黒幕とはッ!?」",
"337000551_29": "「それは、わたしたちもよく知る人物で――」",
"337000551_30": "「――あぶないッ!」",
"337000551_31": "「――何をッ!?」",
"337000551_32": "「どこからッ!?\\n 乱れ撃ちなんかに当たるわけにはッ」",
"337000551_33": "「だが、気をつけろッ!\\n 損壊した建物が――ッ」",
"337000551_34": "「足元がッ!?」",
"337000551_35": "「きゃあああああああああああッ!」",
"337000551_36": "「――みんなッ!?\\n みんなあああああああああああッ」",
"337000551_37": "「……まさか、お前の仕業なのか……?」",
"337000551_38": "「何故、こんな事を――\\n いやッ、お前が何故ここにいるッ」",
"337000551_39": "「<size=40>――灰島友鈴ッ!</size>」"
}

View file

@ -0,0 +1,53 @@
{
"337000611_0": "煤け汚れた空が哭く",
"337000611_1": "(襲撃に損傷した本部の修理は、ほぼ完了……\\n だが――……",
"337000611_2": "「――任務完了。\\n ただ今、帰還しました」",
"337000611_3": "「管制支援の難しい中での出動――\\n ご苦労だったな」",
"337000611_4": "「みんなが不在の状況で、\\n 超常の事件が頻発している以上、仕方のない事だけど…」",
"337000611_5": "「まさか、現代に建立される黄金の眼の大仏に、\\n あんな秘密が隠されていたなんて、思いもよらなかったデスよ」",
"337000611_6": "「そちらの進展はどうなのかしら?」",
"337000611_7": "「ギャラルホルンのゲートに飲み込まれ、\\n 世界より消失した装者三名の消息は、依然、不明――」",
"337000611_8": "「藤尭の提案で、ギアからのシグナル探知範囲を\\n 半径万キロ超に拡大してみたのだが……」",
"337000611_9": "「確認できたのは、\\n やはり『この世界には存在していない』という事実にすぎない」",
"337000611_10": "「メチャクチャな拡張に金もかかったし、\\n 協力してくれた各国機関の手前、無駄にしたくないのだが……」",
"337000611_11": "「司令、ギャラルホルンの\\n 機能チェックが完了しました」",
"337000611_12": "「装者サルベージの手立てが見つからない現状――\\n エルフナイン君には吉報を期待したいのだが……」",
"337000611_13": "「ごめんなさい。\\n いい報せではありません」",
"337000611_14": "「いや、さすがにこちらの虫が良すぎたな。\\n すまない。気にしないでほしい」",
"337000611_15": "「……はい。\\n では、チェックの結果を報告します」",
"337000611_16": "「一見して、大きな損傷が見られなかったギャラルホルンですが、\\n スキャンの結果、内部に異常を確認しました」",
"337000611_17": "「機能停止とまではいかないものの、\\n 数多に存在する並行世界間を繋ぐ事ができなくなっており――」",
"337000611_18": "「例えるなら、\\n 今のギャラルホルンは休眠状態となっています」",
"337000611_19": "「休眠?\\n 眠っているのか」",
"337000611_20": "「了子さんが残してくれた資料から推察するに、おそらくは……\\n 機能を一時停止して、損傷個所の自己修復中だと考えられます」",
"337000611_21": "「さながらヨガの眠りといったところだな」",
"337000611_22": "「でも、それなら――修復が完了次第、\\n 並行世界間を行き来する機能は復活するんじゃないかしら」",
"337000611_23": "「――たしかに」",
"337000611_24": "「およ? いきなり解決したっぽいデスよ?」",
"337000611_25": "「ギャラルホルンの世界間渡航機能については、\\n いずれ時間が解決してくれると見込めます。ですが――」",
"337000611_26": "「数多に存在するとされる並行世界――\\n 人は、そのいずこに飛ばされてしまったのでしょうか」",
"337000611_27": "「――あッ!?」",
"337000611_28": "「3人の位置を特定できない以上、\\n 砂漠の中から砂金の一粒を摘まむより困難だという事ね」",
"337000611_29": "「…………」",
"337000611_30": "「最初にお伝えした通り、\\n いい報せではないというのは、そういう事なのです」",
"337000611_31": "「…………」",
"337000611_32": "「……すみません……\\n ボクでは何の力にも――」",
"337000611_33": "「いや、助かった」",
"337000611_34": "「――えッ!?\\n ですが、何も状況に好転は――」",
"337000611_35": "「そうだ。ギャラルホルンの機能不全と、\\n たとえ機能が修復されても困難はなお続くという状況――」",
"337000611_36": "「それらがハッキリしただけでも収穫だ」",
"337000611_37": "「……司令……」",
"337000611_38": "「そうでなければ俺たちは、一見、無傷なギャラルホルンを前に\\n 楽観的・希望的観測をしてしまい、時間を浪費しかねなかった」",
"337000611_39": "「だが、エルフナイン君のおかげで、\\n 座して待つことが正解ではないとあらためて気づかされたのだ」",
"337000611_40": "「ありがとう」",
"337000611_41": "「……そう、ですね……」",
"337000611_42": "「状況はただ、腰が抜けそうなくらい絶望的に困難というだけで、\\n 完全に手詰まりというわけではありませんッ」",
"337000611_43": "「もう少し頑張ってみますッ!!」",
"337000611_44": "「頼んだぞ」",
"337000611_45": "「エルフナインに任せておけば、\\n きっと何とかなると信じられるのデスッ」",
"337000611_46": "「心配なのは、\\n ちょっと頑張りすぎるところくらいだし」",
"337000611_47": "「あ、心配といえば未来さん、お見舞いに行ってるんデスよね?\\n あっちもこっちも漏れなく心配デスけど……」",
"337000611_48": "(響たちが姿を消して、しばらくして――\\n 友達みんなが同じタイミングで倒れちゃうなんて……",
"337000611_49": "(まさか、どこかの世界のみんなが――)",
"337000611_50": "(…………)"
}

View file

@ -0,0 +1,23 @@
{
"337000621_0": "「そんなことより、あんたたちに――\\n 明日を救えるヒーローに伝えなきゃいけない事がある……ッ」",
"337000621_1": "「メックヴァラヌスには秘密があって――\\n わたしたちを争わせていた黒幕がいるんだッ」",
"337000621_2": "「秘密とッ!?」",
"337000621_3": "「黒幕とはッ!?」",
"337000621_4": "「それは、わたしたちもよく知る人物で――」",
"337000621_5": "「――あぶないッ!」",
"337000621_6": "「――何をッ!?」",
"337000621_7": "「どこからッ!?\\n 乱れ撃ちなんかに当たるわけにはッ」",
"337000621_8": "「だが、気をつけろッ!\\n 損壊した建物が――ッ」",
"337000621_9": "「足元がッ!?」",
"337000621_10": "「きゃあああああああああああッ!」",
"337000621_11": "「――みんなッ!?\\n みんなあああああああああああッ」",
"337000621_12": "「……まさか、お前の仕業なのか……?」",
"337000621_13": "「何故、こんな事を――\\n いやッ、お前が何故ここにいるッ」",
"337000621_14": "「<size=40>――灰島友鈴ッ!</size>」",
"337000621_15": "「――ッ!\\n 助けなきゃッ、みんなを――」",
"337000621_16": "「どうして邪魔するんだッ! 灰島さんッ!!\\n みんなは生徒会の――友達じゃないかッ」",
"337000621_17": "「――待て……\\n あいつに気を取られていた隙に、包囲網が完成していやがる」",
"337000621_18": "「…………」",
"337000621_19": "「立花――、板場たちを助けるためにも、\\n まずはこの敵陣を切り崩すのが先決だッ」",
"337000621_20": "「……はい……」"
}

View file

@ -0,0 +1,27 @@
{
"337000631_0": "「…………」",
"337000631_1": "「……どうして……」",
"337000631_2": "「S.O.N.G.本部を襲撃して……\\n 二課の人たちも……、街や仰陽館の――」",
"337000631_3": "「…………」",
"337000631_4": "「『どうして?』\\n そんなのは当然。だからこの結末は必然」",
"337000631_5": "「機密を取り返しに来たあなたたちならわかるはず。\\n ――そう、機密は守られてこそ機密だもの……」",
"337000631_6": "「……口封じとは、\\n 悪党のやらかしそうな事をおくびもなく……」",
"337000631_7": "「つまり、板場たち三人は、\\n お前にとって都合の悪い真実に至ったというわけか」",
"337000631_8": "「『至った』というのは、買い被りすぎね。\\n 仰陽館女学院の竜姫たちは、実験動物にすぎないのだから」",
"337000631_9": "「実験動物……?」",
"337000631_10": "「そう――、あくまでも竜姫は実験動物で、\\n メックヴァラヌスも、ただの計測機械に過ぎなかった」",
"337000631_11": "「でも、男の人って、おもちゃが大好きだから、\\n すぐに使ってみたくなるの……」",
"337000631_12": "「…………」",
"337000631_13": "「おもちゃの刀を振り回しているうちに、\\n おもちゃでは飽き足らなくて、本物に近づけてみたくなる……」",
"337000631_14": "「本物と完成されるべきは、わたしのはずなのに……\\n あの人はとても可愛いけれど、どこまでも困った人よね」",
"337000631_15": "「…………」",
"337000631_16": "「機密の保持、任務を謳っているものの、\\n 抑えきれずにだだ漏れていやがる……」",
"337000631_17": "「――何?」",
"337000631_18": "「言葉の端々に、\\n 嫉妬の炎が隠せていないと言っているのだ」",
"337000631_19": "「おそらくお前が完成を期待されなかったのは、\\n そういう未熟や不出来にあるのだろうな」",
"337000631_20": "「…………」",
"337000631_21": "「わたしが、あの人に完成を期待されていないだと?\\n 言うに事欠いてそのような繰り言を……」",
"337000631_22": "「……怪物の召喚は、灰島さんによるもの……」",
"337000631_23": "「こんなのを目の前で見せつけられたら、\\n もう、疑うわけには――」",
"337000631_24": "「長虫にて縊ってあげる」"
}

View file

@ -0,0 +1,12 @@
{
"337000632_0": "「伺うなッ! これ以上、弄ぶなッ!!」",
"337000632_1": "「こんなものをけしかけられたって、\\n 後れを取るようなあたしらじゃねぇぞッ」",
"337000632_2": "「……灰島さん……」",
"337000632_3": "「…………」",
"337000632_4": "「板場さんたちに放った攻撃と、怪物を召喚する能力――\\n 灰島さん……、あなたはいったい……」",
"337000632_5": "「…………」",
"337000632_6": "「……そうね。\\n もう、その名前で呼ばれる必要ないものね……」",
"337000632_7": "「いいわ。教えてあげる」",
"337000632_8": "「――ッ!?」",
"337000632_9": "「わたしは――\\n あの人に刻まれた、わたしの躯体名は……」"
}

View file

@ -0,0 +1,27 @@
{
"337000711_0": "バリガー・ダハーカ",
"337000711_1": "「……バリガー、ダハーカ……」",
"337000711_2": "「そう。それが人に非ざるわたしの躯体名。\\n 鋳造しうる麗しさの極北――兵器であると、人の言う」",
"337000711_3": "「……人に、非ざる……」",
"337000711_4": "「兵器と言ったのかよッ!?」",
"337000711_5": "「…………」",
"337000711_6": "「この仔たち、アングィスマリシアスも……\\n メックヴァラヌスも、そして、わたし自身――」",
"337000711_7": "「いずれもアジ・ダハーカ……\\n ダハーカ蛇の鱗の一片、その化石から造られたの」",
"337000711_8": "「――ッ……」",
"337000711_9": "「この世界には、敵が満ちている……\\n 危険なまでに満ち満ちているわ……」",
"337000711_10": "「認定特異災害ノイズと、\\n 如何なる時にも侵略を目論んでいる外国勢力に加え――」",
"337000711_11": "「さらには並行世界からの蹂躙をも\\n 憂慮しなければならぬという、逃げ場のないこの状況――」",
"337000711_12": "「この儂が立つ地を、臨む海を、仰ぐ空を……\\n ――歴史を護るためには七難即滅の剣が不可欠なのであるッ」",
"337000711_13": "「すべては、大切なモノを護るために必要な力……\\n わたしとあなたたちに、何の相違もありはしないわ」",
"337000711_14": "「――ちッ、違うよッ!」",
"337000711_15": "「違いなど、ありはしないッ!」",
"337000711_16": "「――ッ、……ッ!」",
"337000711_17": "「その身を鎧う輝きに、曇りがないとどうして言い切れる?\\n 誰の犠牲もないままに、この道を駆けてきたと<ruby=さえず>囀</ruby>るのッ!?」",
"337000711_18": "「…………」",
"337000711_19": "「…………」",
"337000711_20": "「……だとしても……」",
"337000711_21": "「そうね。わたしも兵器なら、あなたたちも兵器。\\n 突きつけ合えば、言葉は無用――ただ放たれるのみ」",
"337000711_22": "「――ッ!?」",
"337000711_23": "「わたしに与えられた使命は、\\n 竜姫の始末ともうひとつ――」",
"337000711_24": "「でもその前に、少しだけあなたたちと戯れてあげる。\\n さあ、兵器と兵器。務めを果たしましょうッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,13 @@
{
"337000712_0": "「ランウェイは通してみせたッ!\\n あとは――先輩ッ」",
"337000712_1": "「千騎に当たりし、この一振りッ!\\n 電迅怒涛の霹靂火――ッ」",
"337000712_2": "「――翼さん渾身の、蒼ノ一閃・滅破ッ!」",
"337000712_3": "「なれど、それでも……」",
"337000712_4": "「むしろ、あたしらのフォニックゲインを吸収して――\\n 受けたダメージの修復にあてていやがる……」",
"337000712_5": "(だったら、キャパシティを超えるだけのフォニックゲインを\\n 一気に叩き込めれば、きっと――",
"337000712_6": "(だけど、それだけの歌を今のわたしたちだけでは……)",
"337000712_7": "「トゥルバってるなッ!」",
"337000712_8": "「――ッ!?」",
"337000712_9": "「――くッ!\\n 工場内に廃棄された化学薬品に引火して……」",
"337000712_10": "「……このままじゃ、みんなにも……\\n 何とかしなきゃ……、でも、どうすれば……」"
}

View file

@ -0,0 +1,26 @@
{
"337000721_0": "「漲るわッ! はちきれんばかりに漲るのッ!!」",
"337000721_1": "「改修ッ! 改造ッ! 改良ッ!\\n 身体のあちこち隅々までをいじくり倒されただけあるわねッ」",
"337000721_2": "「S.O.N.G.本部から強奪したシンフォギアデータに加え……」",
"337000721_3": "「こっちの世界での交戦記録が、\\n バトルデータとなってフィードバックしてやがる……」",
"337000721_4": "「それだけではないわッ!」",
"337000721_5": "「――ッ!?」",
"337000721_6": "「手に入れた技術で歌を力と変えるまでには至ったけれど、\\n 肝心の歌をどこから調達するのかには腐心したの……」",
"337000721_7": "「竜姫たちの歌に期待して、\\n いろいろと差し向けてみたけれど、結局は失敗……」",
"337000721_8": "「手詰まりとなったそんな時――」",
"337000721_9": "「装者の歌を利用しろと示唆をくれたのが、\\n 他ならぬ装者だったのには、笑いを堪えるのに必死だったわ」",
"337000721_10": "「でも、歌が力になるって――\\n それってどんな歌でも力になるんですか」",
"337000721_11": "「自身であれ他者であれ、\\n 力と変わるのは、胸の歌――」",
"337000721_12": "「人の胸より湧き上がる、\\n 剥き出しの感情や裸の心がカギとなっているようなのだが……」",
"337000721_13": "「――くッ……」",
"337000721_14": "「わたしたちを追いつめて追いつめて――\\n 疲れきったところに現れて、優しさを見せたのも全部……」",
"337000721_15": "「洗脳や懐柔の常套手段――\\n あたしにも覚えがあるからよくわかる」",
"337000721_16": "「なるほど……\\n ずっと引っかかっていたのだが、得心がいった」",
"337000721_17": "「こちらの世界に投げ出されたわたしたちに\\n トドメを刺さなかった理由――」",
"337000721_18": "「奪ったデータ以上の情報を、\\n わたしたちから引き出すためであったか……」",
"337000721_19": "「ここは蟲毒の壺の中――言ったわよね?\\n わたしたちは、実験と研究を繰り返して完成を目指しているの」",
"337000721_20": "「竜姫と装者は互いに喰い合い、\\n わたしという兵器の完成にとても役立ってくれた」",
"337000721_21": "「お礼がしたいのだけど――\\n 兵器がしてあげられるのは、相手を殺すか殺さないかだけ……」",
"337000721_22": "「ねえ、あなたたちは、\\n どっちがお望みなのかしら」",
"337000721_23": "「ふ・ざ・け・る・なあああああああああああああッ!!」"
}

View file

@ -0,0 +1,26 @@
{
"337000722_0": "「――がはッ……、ッ!!」",
"337000722_1": "「クリスちゃんッ!?」",
"337000722_2": "「うわあああああッ!」",
"337000722_3": "「己を完成した兵器と謳うのも、\\n あながち誇大な触れ込みではなさそうだな……」",
"337000722_4": "「生き汚い程に生き足掻くのね……\\n つまりは、わたしに殺されたくないという事かしら」",
"337000722_5": "「たりめーだ……」",
"337000722_6": "「この胸には、奏さんの言葉が――\\n ……生きる事を、簡単に諦めてなるものか……」",
"337000722_7": "「わかったわ。\\n 殺されたくないのなら殺さないであげる」",
"337000722_8": "「それが、わたしを完成させてくれた事に対するお礼。\\n 兵器にできる精一杯」",
"337000722_9": "「だから、この一度きり。\\n 次はもう――ありはしないと覚えてほしいわ」",
"337000722_10": "「……灰島、さん……」",
"337000722_11": "「そろそろ、次の任務に当たらなきゃ……\\n あの人の期待は裏切れない」",
"337000722_12": "「――待ってッ!」",
"337000722_13": "「さようなら、シンフォギア。\\n 完成したわたしはもう、あなたたちに用はない」",
"337000722_14": "「――灰島さんッ!」",
"337000722_15": "「――通報……?\\n 誰かがこの騒ぎに消防車を寄越したみたいだな」",
"337000722_16": "「板場たちの救出は彼らに任せよう」",
"337000722_17": "「――でも……」",
"337000722_18": "「追いかけるぞ……\\n 灰島が飛び去った方向には、仰陽館女学院がある――」",
"337000722_19": "「――ッ!?」",
"337000722_20": "「って事は、この世界の特異災害対策機動部二課もだッ!\\n これ以上、被害を広げさせる前に叩かないと……」",
"337000722_21": "(……板場さん、安藤さん、寺島さん……)",
"337000722_22": "(…………)",
"337000722_23": "「学院の傍には、生徒が身を寄せる寮もある……\\n 急ごう、竜姫に代わって学院の仲間を護らなきゃ……ッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,9 @@
{
"337000731_0": "「仰陽館女学院までは、もう間もなく――」",
"337000731_1": "「だけど、道を塞ぐようにこいつらが……」",
"337000731_2": "「あっちはあっちで、\\n 時間を稼ぐ必要があるみたいだなッ」",
"337000731_3": "「中央を突破し、駆け抜けるのは容易いが――」",
"337000731_4": "「それじゃあ、\\n 残った敵が街を襲って、わたしたちの動きを鈍らせるッ」",
"337000731_5": "「考えてるヒマなんて無いッ!\\n できるだけ素早く、できるだけ全部を蹴散らすんだッ」",
"337000731_6": "「さらっと変な事を口走ってたけど、クリスちゃんの言う通りッ!\\n やれる事を、やれるだけ――全部やりきるんだッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,8 @@
{
"337000732_0": "「おおおおおおおおおおおおおおおおッ!」",
"337000732_1": "「最速でッ!」",
"337000732_2": "「最短でッ!!」",
"337000732_3": "「真っ直ぐにッ!!!」",
"337000732_4": "「<size=40>一直線にいいいいいいいいいいいイィィッ!!!!</size>」",
"337000732_5": "「おい、おかしな呪文は唱え終わったのかッ!?\\n だったら急ぐぞッ 迫撃するッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,32 @@
{
"337000741_0": "「いたッ! あそこだッ!!」",
"337000741_1": "「配下の蛇を幾条にも編み上げて、\\n まるでマニピュレーターのように――」",
"337000741_2": "「粗方ガレキの撤去された頃合いを見計らって、\\n 学院地下から何かを掘り起こそうとしているのかッ」",
"337000741_3": "「――灰島さんッ!」",
"337000741_4": "「麗しの兵器であるこのわたしを、\\n いまだその名で呼ぶなんて――地雷でも踏みに来たのかしら」",
"337000741_5": "「…………」",
"337000741_6": "「確かに伝えたはずよ。\\n 殺さないであげるのは、完成のお礼――ただ一度きりと」",
"337000741_7": "「伝えられた。伝わっている――\\n 確かに言葉は交わされて、灰島さんとは会話ができている」",
"337000741_8": "「…………」",
"337000741_9": "「この瞬間に、その余裕があるのなら――\\n わたしは灰島さんと話がしたい」",
"337000741_10": "「…………………………………………………………………………\\n …………………………………………………………兵器と人が」",
"337000741_11": "「無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理\\n 無理無理無理無理無理無理無理怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い」",
"337000741_12": "「…………」",
"337000741_13": "「考えてもごらんなさい?\\n 世界では人と人すらまともに会話ができていないのよ」",
"337000741_14": "「だから相手を、知らない顔を、遠くの誰かを――\\n 妬んで恨んで傷つけて、傷つけられたと主張してッ」",
"337000741_15": "「悪びれもしないで、のうのうと――\\n 平凡と中庸を着飾って、善寄りの普通であると恥知らずなッ」",
"337000741_16": "「そんな、誰ともわかり合えない人間が、\\n 兵器と話したい 理解したいの 手を繋ぎたいの」",
"337000741_17": "「――あなた、本気で思っているの?」",
"337000741_18": "「……本気で、後悔している……\\n できなかった過去を、いつまでも弱い自分を……」",
"337000741_19": "「そんな荒唐無稽は――\\n せめて、その手で世界中の人と人を繋げてから夢見ることね」",
"337000741_20": "「…………」",
"337000741_21": "「黙って聞いてれば、好き勝手に――\\n おい、自称完成した兵器さん。知らないのなら教えてやる……」",
"337000741_22": "「後悔を知る人間の踏み出す一歩は、\\n 兵器なんぞが想像するより、遥かに大きな一歩だ」",
"337000741_23": "「特に立花の一歩を侮ってくれるな。\\n お前の語る荒唐無稽すら、いつかに毟り取るかもしれないぞ」",
"337000741_24": "「……クリスちゃん……、……翼さん……」",
"337000741_25": "「…………」",
"337000741_26": "「ふーん、わからないわ。\\n だってわたし、兵器だもの」",
"337000741_27": "「――そうッ!\\n 兵器だから、殺すか殺さないかしかできないのッ」",
"337000741_28": "「――ッ!?」",
"337000741_29": "「だからもう、殺すね。\\n 手が離せないわたしに代わって、わたしの可愛い妹たちが」"
}

View file

@ -0,0 +1,7 @@
{
"337000742_0": "「配下の蛇に殺されるようなわたしたちではない。\\n 殺すつもりなら、その手を止めて、直接にぶつかってこいッ」",
"337000742_1": "「たしかにそうね。\\n 妹たちではあなたたちを殺すことは難しそうだわ」",
"337000742_2": "「でも、妹たちにだって、\\n 殺せるものはあるのよ」",
"337000742_3": "「何を言ってやがるッ!?」",
"337000742_4": "「それに――お目当てのモノも掘り当てられたわ」"
}

View file

@ -0,0 +1,20 @@
{
"337000751_0": "「……あ、あれは……」",
"337000751_1": "「この世界の、ギャラルホルン……\\n やはり、二課のどこかに保管されていて――」",
"337000751_2": "「それよりも、\\n あれが敵の手に落ちてしまえば、あたしらの帰還は――」",
"337000751_3": "「落ちるも何もガレキの下よりギャラルホルンを掘り起こし、\\n 回収するのがわたしに与えらえた任務なの」",
"337000751_4": "「――ッ!?」",
"337000751_5": "「さ・せ・る・もの――」",
"337000751_6": "「そうッ! させはしないわッ!!」",
"337000751_7": "「――ッ、……ッ!」",
"337000751_8": "「周りを良くごらんなさい」",
"337000751_9": "「いつのまにか……\\n わたしたちの、周りを取り囲んで――」",
"337000751_10": "「いいや、そんなものより……\\n こいつはずっと悪辣だ……」",
"337000751_11": "「聡いのね。相手の悪辣に気がつくなんて、\\n もしかして、あなたにも経験があるのかしら」",
"337000751_12": "「配下の蛇が向ける敵意、殺意は輪の内側でなく外側……\\n つまり標的は、わたしたちではなく学舎近隣に位置する――」",
"337000751_13": "「仰陽館女学院の、寮に向かってッ!?」",
"337000751_14": "「――殺到しなさいッ! 妹たちッ!!」\\n そこには、あなたたちでも殺せる命がたくさんあるわよッ」",
"337000751_15": "「――翼さんッ! クリスちゃんッ!」",
"337000751_16": "「各自散開して、個別に遊撃ッ!\\n 一体たりとも近づけさせるなッ」",
"337000751_17": "「これだけの数を捌かなきゃなんねえのかッ!?\\n それでもッ、やるしかないってんならああああああああッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,16 @@
{
"337000752_0": "「間に合ええええええええええええッ!」",
"337000752_1": "「嘘だろッ!?」",
"337000752_2": "「剣を盾とし、押し留めるッ!」",
"337000752_3": "「この増殖に、限りはないのかッ!?」",
"337000752_4": "「いっけええええええええええええええッ!」",
"337000752_5": "「<ruby=たお>斃</ruby>しても<ruby=たお>斃</ruby>しても、このままじゃ――」",
"337000752_6": "「10時の方向ッ\\n ――くッ、仰陽館の学生寮がッ」",
"337000752_7": "「キャアアアアアアアアアアッ!」",
"337000752_8": "「避難の遅れた生徒がいるのかッ!?\\n ――こっちからではカバーが追いつかないッ」",
"337000752_9": "(動けるのは、わたしだけッ!\\n だけど、この位置からじゃ――",
"337000752_10": "「遠間からの剣閃では、生徒を巻き込む恐れもッ!」",
"337000752_11": "(ダメだッ、間に合わない――\\n このままじゃ寮に身を寄せる学院の仲間に――",
"337000752_12": "「妹たちよ、贄に鼓を打ち鳴らせッ!\\n 姉たるわたしは、ギャラルホルンをあの人の元に――」",
"337000752_13": "(歌でぶん殴るしかできないわたしが――\\n ぶん殴る事すら、できなくて――"
}

View file

@ -0,0 +1,17 @@
{
"337000811_0": "誰かがなれるなら、きっと誰もが",
"337000811_1": "「――メックヴァラヌス……」",
"337000811_2": "「――会長……?」",
"337000811_3": "「ここは地獄だ。戦場だ。\\n 早く、安全なところにまで――」",
"337000811_4": "「はッ、はいッ!」",
"337000811_5": "「…………」",
"337000811_6": "「…………」",
"337000811_7": "「……灰島、友鈴……\\n とは、もう――、呼べないんだね……」",
"337000811_8": "「……みんなッ、――無事だったんだねッ!!」",
"337000811_9": "「…………」",
"337000811_10": "「並行世界の友よッ! 握手は後だッ!!\\n まずは、こいつらの野望をブチ破らなきゃッ」",
"337000811_11": "「なるほどッ、バスケでいうところのゾーンディフェンスッ!\\n 人がかりで持ち場を死守すれば、――きっとッ」",
"337000811_12": "「どうして『なるほど』なのかはわかりませんが、\\n まずは竜姫と装者で、アングィスマリシアスの群れをッ」",
"337000811_13": "「――ならば、<ruby=さきも>防人</ruby>るッ!\\n 仮令、この身が砕けようと<ruby=わたしたち>防人姉妹</ruby>の誉れがゆえにッ!!」",
"337000811_14": "「行くぞッ、<ruby=ミサイルマイト>砲撃殲滅</ruby>だッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,13 @@
{
"337000812_0": "「……竜姫…… わたしが手ずから<ruby=ころ>屠竜</ruby>したはずッ!?\\n 鱗と鎧うメックヴァラヌスは、確かに装者に壊されて――」",
"337000812_1": "「そうね。力任せにぶん殴られたものね」",
"337000812_2": "「ですが、拳に救われる明日だってあるのです」",
"337000812_3": "「――拳に……?」",
"337000812_4": "「あんたが答えを見出せなくて――\\n 迷って悩んで、疑ってしまうのは仕方ない」",
"337000812_5": "「だって、あんただもの」",
"337000812_6": "「だけどあたしは――\\n そんなあんたを、二度と疑ったりしないと誓う」",
"337000812_7": "「…………」",
"337000812_8": "「あたしたちは、アニメのようなヒーローになれないけど――\\n それでも、友達くらいにはなりたいんだ」",
"337000812_9": "「ありがとう。でも違うよ、板場さん。\\n わたしたちは、ずっと前から、世界を越えても――」",
"337000812_10": "「友達だったんだよ」"
}

View file

@ -0,0 +1,34 @@
{
"337000821_0": "「友達ッ!? 拳に救われたッ!!?\\n そんな世迷言が、竜姫生存の根拠たりえるはずが――」",
"337000821_1": "「事象に一々の根拠を求めるとは、\\n 今もって<ruby=チミ>君</ruby>は、青春のど真ん中かね?」",
"337000821_2": "「――通信ッ!? 双方のチャンネルに?」",
"337000821_3": "「何者だッ!」",
"337000821_4": "「<ruby=ボキ>僕</ruby>である。\\n 危地に赴く趣味はないから、遠くから失礼するよ」",
"337000821_5": "「<size=40>だ、代行ウウゥゥオオオオッ!?!?</size>」",
"337000821_6": "「ぬふふ、<ruby=チミ>君</ruby>たちがどんな顔して驚いているのか、\\n 手に取るようにわかるから、生きているって素晴らしい」",
"337000821_7": "「生きているだと……\\n わたしは間違いなくこの手にかけたはず――」",
"337000821_8": "「……もしも<ruby=チミ>君</ruby>が、\\n <ruby=ボキ>僕</ruby>をモブ顔と侮らなければ仕留められたのかもしれない」",
"337000821_9": "「それでも<ruby=チミ>君</ruby>は、<ruby=ボキ>僕</ruby>の挑発に乗ってしまい、\\n のべつまくなしの闇雲撃ちにて仕事を切り上げてしまった」",
"337000821_10": "「だが、確かに命中させて――」",
"337000821_11": "「言っただろう。\\n <ruby=ボキ>僕</ruby>には――、危地に赴く趣味はない」",
"337000821_12": "「――ッ!?」",
"337000821_13": "「二課本部のデータバンク深奥をハックするという事は、\\n 謎多き昏い淵を覗くに等しい行為だ」",
"337000821_14": "「想定容易な『もしも』に備え、スーツの下に――\\n 対刃、防弾、<ruby=アンチビームコーティング></ruby>ベストを着込んでいてもおかしくあるまい」",
"337000821_15": "「――あとは……」",
"337000821_16": "「あとはッ!?」",
"337000821_17": "「こう見えて<ruby=ボキ>僕</ruby>は、カラダを鍛えるのが密やかな楽しみでね。\\n ――ミンナニ ナイショダヨ」",
"337000821_18": "「――貴様……、貴様は、いったい……ッ!?」",
"337000821_19": "「特異災害対策機動部二課、司令(代行)――<ruby=なぎかげよし>凪景義</ruby>。\\n 覚えておく価値があるッ」",
"337000821_20": "「そう……\\n あたしたちは――」",
"337000821_21": "「崩れた二課本部に生き埋めにされながらも生き延びていた、\\n 代行や職員、エージェントたちに助けてもらったんだよ……」",
"337000821_22": "「足元がッ!?」",
"337000821_23": "「きゃあああああああああああッ!」",
"337000821_24": "「崩れて開いた地面の穴に落ちたおかげで、\\n 降り注ぐ落下物からのダメージを最小限に抑えられた」",
"337000821_25": "「その後、壊れたブレスが発する救援信号を辿って、\\n 駆けつけてきた代行たちに救助されたわたしたちは――」",
"337000821_26": "「最小限の人員と時間と設備とパーツで、\\n 最大限にメックヴァラヌスを修理してもらいました」",
"337000821_27": "「まあ、あんまり期待しないでね。\\n かろうじて動けるくらいなんだよ」",
"337000821_28": "「でも――動けるなら……\\n まだあたしたちにも、できることがあるはずだからッ」",
"337000821_29": "「仰陽館女学院の生徒たちを、\\n 生贄と所望する邪竜の退治――」",
"337000821_30": "「別にスサノオを気取るわけじゃないが、\\n そういうの、やってやれないあたしらじゃない」",
"337000821_31": "「――今こそ、装者と竜姫の力を合わせるんだッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,21 @@
{
"337000831_0": "(ギャラルホルンの回収は完了した――\\n それでも、このまま帰るわけには……",
"337000831_1": "(帰還を優先し、\\n 装者を捨て置くのは問題ない……",
"337000831_2": "(それでも、始末したはずの者共が、\\n またぞろ生きて現れているとなれば、わたしは――",
"337000831_3": "(…………)",
"337000831_4": "「――いいえ……\\n すべては帰還の前に再殺すればいいだけの事……」",
"337000831_5": "「――今こそ、装者と竜姫の力を合わせるんだッ!」",
"337000831_6": "「力を? 合わせる? たった6人ぽっちの総力でッ!?\\n 完成された兵器たる、このわたしに抗えるとでもッ」",
"337000831_7": "「――ッ!!?」",
"337000831_8": "「何を仕掛けてくるのかと思えば、\\n 代わり映えしない増殖芸を、何度も何度も恥じらいもなく――」",
"337000831_9": "「待ちたまえッ!\\n 倍々ゲームに加速する、この増殖速度――」",
"337000831_10": "「計算によると、市街区全域が蛇の沼に呑み込まれるまで……",
"337000831_11": " 約2分40秒ッ!? 東京、いや、関東が没するまでは――」",
"337000831_12": "「――ッ!?」",
"337000831_13": "「6人? 総力ッ!?\\n それっぽっちで笑わせないでッ」",
"337000831_14": "「これからわたしが、\\n アジ・ダハーカの総力を見せてあげる……」",
"337000831_15": "「兵器とは麗しさ……、美しすぎると怖くなる――\\n さあ――ッ、<ruby=わたし>蛇</ruby>の<ruby=なか>沼</ruby>で<ruby=おねむり>溺れ</ruby>なさいッ!!」",
"337000831_16": "「増殖の速度――\\n 敵を倒せばそれだけ遅らせられるんでしょッ」",
"337000831_17": "「あっちも総力なら、こっちも総力ですッ!\\n おそらくはここからが正念場に違いありませんッ」",
"337000831_18": "「こちらも戦闘管制にて支援するッ!\\n 竜姫も装者も、<ruby=ボキ>僕</ruby>の指示に従ってくれたまえよッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,15 @@
{
"337000832_0": "「……はあッ、はあッ、はあ――ッ……」",
"337000832_1": "「……はあッ、はあッ、はあ――ッ……」",
"337000832_2": "「総力と総力が激突する総力戦――\\n だけどそもそもの総量が違いすぎるのよ」",
"337000832_3": "「あなたたちとわたし――\\n いえ、わたしたちとの彼我戦力差には、圧倒的な開きがあるの」",
"337000832_4": "「――増殖を、押し留めるのが精一杯……」",
"337000832_5": "「だけど、このままじゃジリ貧……\\n いずれ蛇は、沼から海へ、世界そのものへ――」",
"337000832_6": "「あはッ、あはははははははははははははッ!!」",
"337000832_7": "「シンフォギアもッ、メックヴァラヌスもッ!\\n 完成した<ruby=わたし>兵器</ruby>の前ではどこまでも無力ッ!!」",
"337000832_8": "「国境を越えて、外国勢力が侵攻しようともッ!\\n 境界を越えて、侵略者共が雪崩れ込もうとッ」",
"337000832_9": "「わたしがッ、わたしたちがいればッ!\\n どのような夷狄も恐るるに足りずッ」",
"337000832_10": "「護るッ! 護りきれるッ!!\\n 護るどころか、こちらから攻め入る事だってできるわッ」",
"337000832_11": "「――ッ!?」",
"337000832_12": "「ああ、これこそが兵器の本懐――、蕩けそう……」"
}

View file

@ -0,0 +1,41 @@
{
"337000841_0": "「――然り」",
"337000841_1": "「春秋左氏伝に曰く、<ruby=いさかい>戈</ruby>を止めると書いて――『武』。\\n 闘争を収め、護るためには不可欠となる威力、暴力ッ」",
"337000841_2": "「なれど同時に、『戈』には兵器の意味があり、\\n 『止』には、猛き行軍の意味を備えておる――」",
"337000841_3": "「武を以て為す護国――、国を護る専守防衛の戦いとは、\\n すなわち兵器をもって敵を討ち、平和になるまで殺戮する事」",
"337000841_4": "「そのために儂は求めるッ、欲するッ!\\n 意気軒高ッ、極まる護国の七支刀――防人兵器をッ」",
"337000841_5": "「そのために、わたしは完成を望まれて――\\n わたしたちは、ついに完成したのッ」",
"337000841_6": "「とち狂っている分、\\n なんもかんもを厄介さに全振りしやがって……」",
"337000841_7": "「バリガー・ダハーカ……\\n これまでに相対してきた強敵たちと比肩するほどの――」",
"337000841_8": "「こんな敵を相手にどう戦えばいいの……?」",
"337000841_9": "「Dモジュールを――\\n たとえ、デヴァステイターを制御できたとしても……」",
"337000841_10": "「…………」",
"337000841_11": "「無限増殖――、対抗するには、蛇を生み出し制御している、\\n あの本体を叩くってのが、アニメでは<ruby=おやくそく>定石</ruby>なんだけど――」",
"337000841_12": "「――ッ、<ruby=おやくそく>定石</ruby>……?」",
"337000841_13": "(だったら……ッ!)",
"337000841_14": "「兵器は麗しさに完成し、\\n 境界を越えるギャラルホルンもあるッ」",
"337000841_15": "「この2つを手にしたあの人は、ここだけでなく……\\n すべての並行世界の『日本』を統べる王として――ッ」",
"337000841_16": "「――ッッ、何がッ!!?」",
"337000841_17": "「そ・の・隙・をッ!\\n 見逃すものかあああああああああああああああッ」",
"337000841_18": "「そんな真っ直ぐッ、躱せないとでも思ったのッ!!」",
"337000841_19": "「――ッ!!? それでもッ!」",
"337000841_20": "「奪われたッ!? ギャラルホルンをッ!!」",
"337000841_21": "「おのれええええええええええええええええええッ!!」",
"337000841_22": "「――ッ!!?」",
"337000841_23": "「おいッ、バカッ! 狙いをつけられているぞッ!」",
"337000841_24": "「ギャラルホルンを放って逃げるんだッ、――立花ァッ!!」",
"337000841_25": "「今度は――ッ、間に合わないッッ!!」",
"337000841_26": "「鏡に映る――光も闇も、何もかも……」",
"337000841_27": "「それが悪意を以て放たれたのなら――」",
"337000841_28": "「わたしは、わたしの<ruby=しんゆう>大切</ruby>には届かせないッ!」",
"337000841_29": "「――未来……、何で……?」",
"337000841_30": "「――どういう、事だ……?」",
"337000841_31": "「掃討班は、遊撃班の後からやってくる――\\n 最初からそういう作戦だったでしょ 忘れたの」",
"337000841_32": "「いったい何週前の話だよ……\\n こっちはいろいろありすぎて、覚えてらんないって……」",
"337000841_33": "「何で、響さんのお友達が、\\n そんな強まった格好をしているのかとか――」",
"337000841_34": "「常識人的に訊きたい話は尽きないのデスがッ!\\n まずは、本部を襲撃した敵にお返しをしなきゃデスねッ」",
"337000841_35": "「調ッ! 切歌ッ! 散開しつつ敵を掃討ッ!\\n 迫る蛇の波濤を押し返すわよッ」",
"337000841_36": "「押し返す先は、もちろん本陣、本丸――三つ首竜ッ!」",
"337000841_37": "「何だかちょっと前にも、\\n ふんわりと似た三つ首竜と戦った気がするデスよッ」",
"337000841_38": "「それ以上、いけない。\\n 切ちゃん、戦いに集中しないとッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,63 @@
{
"337000842_0": "「――あれが、立花さんのお仲間……?」",
"337000842_1": "「あはは、ボロボロのわたしらと違って、\\n パワーもスピードも、すごいんだね……」",
"337000842_2": "「それでも、並行世界間の渡航は簡単ではない……。\\n まさか、わたしたちの世界のギャラルホルンを使ってッ」",
"337000842_3": "「通信接続完了ッ! 遅くなりましたッ!」",
"337000842_4": "「この、上へ下へのてんやわんやッ!\\n いったいぜんたい、どうなってるんだッ」",
"337000842_5": "「いまだ損傷の修復が完了していないギャラルホルンですが、\\n 了子さんの残してくれた資料と――」",
"337000842_6": "「これまでの稼働データやスクルドの方々からの開示情報を元に、\\n 損傷機能を本部で肩代わり、エミュレートしてみましたッ」",
"337000842_7": "「できんのかよッ!?」",
"337000842_8": "「だからとて、どうやってこの位置をッ!?」",
"337000842_9": "「ギャラルホルンが、アラートを出したのですッ!」",
"337000842_10": "「並行世界間に被害を出しかねない、\\n 危険な敵の存在を、座標と共に示してくれたおかげで――ッ」",
"337000842_11": "「兵器は麗しさに完成し、\\n 境界を越えるギャラルホルンもあるッ」",
"337000842_12": "「この2つを手にしたあの人は、ここだけでなく……\\n すべての並行世界の『日本』を統べる王として――ッ」",
"337000842_13": "「――ッッ、何がッ!!?」",
"337000842_14": "「――あの時の輝きは……」",
"337000842_15": "「そういう事だったのか……ッ!」",
"337000842_16": "「あんまり帰りが遅いから、\\n こっちから迎えに来ちゃった」",
"337000842_17": "「……未来……」",
"337000842_18": "「帰ったら、ごはんにしよう」",
"337000842_19": "「何を作るの?」",
"337000842_20": "「何が嬉しい?」",
"337000842_21": "「――うん、考えておく……\\n だけど、その前に今は――」",
"337000842_22": "「危地に赴く趣味はないが、\\n 仕事とあらば給料の範疇内で惨状にだって即参上ッ」",
"337000842_23": "「代行さんッ!」",
"337000842_24": "「ギャラルホルンは、<ruby=ボキ>僕</ruby>たちの仮設移動本部にて預かっておくッ!\\n だから<ruby=チミ>君</ruby>たちは、遠慮なく世界の明日を救ってくれたまえッ!」",
"337000842_25": "「――はいッ!」",
"337000842_26": "「みなさんッ!\\n 決着までの猶予は、それほどないと覚えてくださいッ」",
"337000842_27": "「どういう事だッ!?」",
"337000842_28": "「先ほど説明した通り、現状――\\n 無理筋な使い方でギャラルホルンのゲートを開いていますッ」",
"337000842_29": "「負荷を与え続ける不安定な稼働――\\n おそらくは、もって分と試算しているッ」",
"337000842_30": "「15分を過ぎると、\\n 今度こそ本当に帰れなくなるという事か……」",
"337000842_31": "「――ッ!」",
"337000842_32": "「ならば何とかしてみせよう」",
"337000842_33": "「ああ、これまで2分40秒を死守してきたあたしらだ。\\n むしろ、時間に余裕ができたといっていい」",
"337000842_34": "「すごいな…… 本当にすごい……\\n 諦めない投げ出さない。最後の最後の最後まで絶対に……」",
"337000842_35": "「これが明日を救うヒーロー、あたしの憧れた――」",
"337000842_36": "「…………」",
"337000842_37": "「あたしがヒーローになれないわけだ……\\n だって世界には、こんなにもホンモがたくさんいて――」",
"337000842_38": "「板場さん」",
"337000842_39": "「…………」",
"337000842_40": "「ヒーローって、\\n 誰かがなるものばかりじゃないと思う」",
"337000842_41": "「――ッ!?」",
"337000842_42": "「誰かがなれるなら、きっと誰もが」",
"337000842_43": "「…………」",
"337000842_44": "「――うん……」",
"337000842_45": "「きゃあああああああああああッ!」",
"337000842_46": "「――みんながッ!」",
"337000842_47": "「本部を襲った群れ為す雑兵は、\\n できる限り駆逐して、押し返せている――だけどッ……」",
"337000842_48": "「確かに効いているはずのこちらの攻撃……\\n 本体にダメージは通っているのに……」",
"337000842_49": "「与えたそばから、\\n 回復しているみたいなのデス……」",
"337000842_50": "「お前たちのフォニックゲインはすべて貰っているッ!\\n <ruby=あのこたち>赤青黄色</ruby>の歌を喰らってきたようにねッ!!」",
"337000842_51": "「わかっているのかしらッ!?\\n シンフォギアアアアアアアアアアアアアアアアッ」",
"337000842_52": "「ダメージの回復とか――\\n そういう次元じゃないぞ、こいつはッ」",
"337000842_53": "「成長――、いや、進化ッ!?\\n 進化する兵器……、そいつはまるで――」",
"337000842_54": "「それでも、きっと――\\n キャパを超えるフォニックゲインをぶつけられれば……」",
"337000842_55": "「だけど、こちらのダメージは増えるばかりで――\\n 束ねられるフォニックゲインも刻一刻と……」",
"337000842_56": "「ギャラルホルンを無理やり稼働させた\\n ゲートエミュレーターの制限時間も忘れないで……」",
"337000842_57": "「一度に二つ以上の事なんて、できっこないデスッ!\\n ましてや、これだけの強敵を相手にしているんデスよッ」",
"337000842_58": "「…………」",
"337000842_59": "「どうしたのッ、装者ッ!?\\n どうしたのッ、竜姫ッ」",
"337000842_60": "「手が出せないなら、こちらから手を出してあげるッ!\\n わたしの不始末を始末して、ギャラルホルンを取り戻すわッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,23 @@
{
"337000911_0": "誉れ胸を張る乙女よ、信ず夢を唄にして",
"337000911_1": "「だから、安心して――」",
"337000911_2": "「――死ぬがよいッ!」",
"337000911_3": "「この威力――今までとは桁が違うッ!?」",
"337000911_4": "「……だが――ッ、先輩ッ!!」",
"337000911_5": "「ああ……\\n 皆も気づいているなッ」",
"337000911_6": "「強力な一撃と、進化を果たすための自己改造――」",
"337000911_7": "「そのために費やすエネルギーも相当で、\\n 配下の蛇の増殖速度が落ちているわね……」",
"337000911_8": "「…………(気づいていない)」",
"337000911_9": "「…………(気づいていない)」",
"337000911_10": "「…………(もちろん気づいていない)」",
"337000911_11": "「装者と竜姫各員は、散開しつつ、\\n 残存するアングィスマリシアスを殲滅――」",
"337000911_12": "「そこから一気に包囲網を狭め、\\n 中枢に位置するバリガー・ダハーカを総力にて討ち果たすッ」",
"337000911_13": "「――わ、わたしたちもッ!?」",
"337000911_14": "「この一大事に参加してもよろしいのでしょうかッ!?」",
"337000911_15": "「無論――総力戦中の総力戦だからな」",
"337000911_16": "「頑張るよ――、うん、頑張るんだッ!」",
"337000911_17": "「――そして、切り札は……」",
"337000911_18": "「わたしが束ねた一撃でッ!」",
"337000911_19": "「こちらのコンディションと制限時間を考えれば、\\n ――おそらくチャンスは一度きりッ」",
"337000911_20": "「仕掛けるぞッ、最終決戦だッ!!」"
}

View file

@ -0,0 +1,25 @@
{
"337000912_0": "「邪竜の力ッ! 呪われた力ッ!\\n それでもッ、わたしたちはあああああああああッ」",
"337000912_1": "「その程度の攻撃では、薄皮一枚を傷つけるに――」",
"337000912_2": "「この力を使って、\\n みんなの明日を救ってみせると誓いましたッ」",
"337000912_3": "「『<ruby=メックヴァラヌス>力</ruby>』が『<ruby=わたしたち>正義</ruby>』ではないッ!\\n 『<ruby=わたしたち>正義</ruby>』が『<ruby=メックヴァラヌス>力</ruby>』だああああああああああああッ!!」",
"337000912_4": "「忌々しいッ! カナチョロ風情がッ!」",
"337000912_5": "「きゃあああああああああああああッ!」",
"337000912_6": "「――ちいぃッ!!\\n 擦過傷など幾ら重ねようと、コンバーターにて回復を――」",
"337000912_7": "「――くッ、竜姫からの<ruby=ダメージ>攻撃</ruby>を覆せないッ!?\\n フォニックゲインをエネルギーコンバートでき――」",
"337000912_8": "「――竜姫だとッ!? \\n フォニックゲインの供給源――、<ruby=うた>装者</ruby>はどこにッ!!?」",
"337000912_9": "「――そこかッ!?」",
"337000912_10": "「――ッ、ぐッ、ううううううぅぅ……」",
"337000912_11": "「S2CA――\\n トライバーストを超えるセブンスバーストッ」",
"337000912_12": "「束ねた7人のフォニックゲインッ!!\\n <ruby=シンフォギア>わたし</ruby>が砕けるか、邪竜の力が消し飛ぶか……」",
"337000912_13": "(総量、計測――、許容量超過――ッ!?\\n ダメ――ッ、そんなの無理、入らない……ッ",
"337000912_14": "(危機回避方法算出――ッ! 演算演算演算演算演算演算演算\\n 演算演算演算演算演算演算演算演算演算演算演算演算演算――",
"337000912_15": "「<size=40>勝負だあああああああああああああああああッ!!</size>」",
"337000912_16": "「わたしも歌で、ぶん殴るのですか?」",
"337000912_17": "「――ッ!?」",
"337000912_18": "「迷いに逸れたわねッ、――拳先ッ!!」",
"337000912_19": "「そんな真っ直ぐッ、躱せないとでも思ったのッ!!」",
"337000912_20": "「――それに……」",
"337000912_21": "「――ッ!?」",
"337000912_22": "「みんなああああああああああああああッ!?」"
}

View file

@ -0,0 +1,63 @@
{
"337000921_0": "「――ッ!?」",
"337000921_1": "「みんなああああああああああああああッ!?」",
"337000921_2": "「――ッ、ッッ、ううう、ぐううううう……」",
"337000921_3": "「――わたしたちの歌を、受け止めて……?」",
"337000921_4": "「あ、あたしたちのメックヴァラヌスにも……\\n 歌を力と変える式コンバーターが搭載されている……」",
"337000921_5": "「そうやって手に入れた力で、Dモジュールを……\\n デヴァステイターを制御すればああああああッ」",
"337000921_6": "「――と、浅慮短慮の人たちって、そう考えがちよね。\\n 果・敢・無・き・哉☆」",
"337000921_7": "「どういう事なのッ!?」",
"337000921_8": "「これだけのエネルギーの塊を取り込むなんて、\\n わたしでも不可能――」",
"337000921_9": "「だったら取り込むんじゃないッ!\\n わたしたちの歌を――その胸に感じるんだッ」",
"337000921_10": "「――ッ!!?」",
"337000921_11": "「――共振ッ! 共鳴ッ!」",
"337000921_12": "「振るわせてッ、抉り出せッ!\\n 誰かの歌なんかじゃないッ、自分の歌をッ」",
"337000921_13": "「――胸の歌をッ!!」",
"337000921_14": "「――む、無理だよ……」",
"337000921_15": "「以前に……、もう試しているのです……」",
"337000921_16": "「ヒーローになれないあたしたちの胸に……\\n 歌なんて――」",
"337000921_17": "「――何ッ!?」",
"337000921_18": "「――この歌って……ッ!?」",
"337000921_19": "「あ、あそこデスッ!\\n ――あそこで生徒たちが校歌を……」",
"337000921_20": "「…………」",
"337000921_21": "「<ruby=ボキ>僕</ruby>を誘導し、利用するだけの説得力、\\n おそらく、寄越された開示資料と情報は本物――」",
"337000921_22": "「……ならば……」",
"337000921_23": "「――<ruby=チミ>君</ruby>たちッ! まだこんなところにッ!?\\n 早く避難したまえッ、<ruby=ボキ>僕</ruby>以上に足手まといなんだからッ!」",
"337000921_24": "「わかっていますッ!\\n でも、わたしたちを護ってくれた会長をお手伝いしたくて――」",
"337000921_25": "「今日だけじゃありませんッ! 会長はいつだって……\\n 何か、助ける方法とかないんですか」",
"337000921_26": "「わたし、料理部ですッ! 炊き出しならできますッ!」",
"337000921_27": "「炊き出しは、全部終わって、\\n みんなニッコリ生還してからにしてほしいんだが――」",
"337000921_28": "「――ッ!?」",
"337000921_29": "「……助けたいというのは、本心なのかね?」",
"337000921_30": "「もちろんですッ!\\n 護られるだけじゃもう、嫌なんですッ」",
"337000921_31": "「……これから、いい歳こいた成人男性が、\\n 突拍子もない事を言うかもしれないが、笑わないかね」",
"337000921_32": "「善処します」",
"337000921_33": "「…………」",
"337000921_34": "「……<ruby=チミ>君</ruby>たちに、\\n 歌を、唄ってほしいのだが……」",
"337000921_35": "「急に?」",
"337000921_36": "「歌には、間違いなく力がある……\\n メックヴァラヌスを強くする――」",
"337000921_37": "「仰陽館の生徒を護る竜姫であれば、\\n 仰陽館女学院の校歌こそが、やはり力であり魂……」",
"337000921_38": "「――竜姫たちよ……」",
"337000921_39": "「……聴こえてる? 2人とも……」",
"337000921_40": "「もちろん、聴こえてる……\\n 仰陽館の校歌が――」",
"337000921_41": "「耳からは当然……\\n 何より、胸の奥底から――」",
"337000921_42": "「させるわけには――」",
"337000921_43": "「――ッ……」",
"337000921_44": "「力をすべて振り絞り、\\n 抜け殻のような身で何ができるッ」",
"337000921_45": "「……それでもッ、止めるッ!」",
"337000921_46": "「――ちッ……」",
"337000921_47": "「誰かのなんかじゃない……\\n この胸の歌があれば、モジュールを――」",
"337000921_48": "「今ならば、デヴァステイターをッ!」",
"337000921_49": "「――起動と制御をッ! やってみせるッ!!\\n 行くわよッ、人ともッ」",
"337000921_50": "「――くッ……」",
"337000921_51": "「あれが、制御下に置かれた荒ぶる邪竜の咆哮――\\n デヴァステイターモード……」",
"337000921_52": "「あの子らが携えた弓と剣と槍を――\\n 戦う力を組み替えて、鎧と纏うオーバーアーマー……」",
"337000921_53": "「――みなさんッ!\\n エミュレーターの予想稼働時間、残り分を切りましたッ」",
"337000921_54": "「――このままじゃッ!?」",
"337000921_55": "「大丈夫だよ。何とかする」",
"337000921_56": "「装者の皆さんから――\\n 仰陽館のみんなから、戦う力をいただきましたもの」",
"337000921_57": "「だから聴いて――あたしたちの、胸の歌をッ!\\n この歌は、あいつの許容量を超える力を秘めているからッ」",
"337000921_58": "「言うに事欠いてッ!」",
"337000921_59": "「――ッ!!」",
"337000921_60": "「竜姫――、仰陽館の哀れな実験動物どもが吠えるかッ!?\\n その身を噛み砕いた後は、生徒共の<ruby=はらわた>内臓</ruby>を貪ってくれるッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,25 @@
{
"337000922_0": "(あれこそが、メックヴァラヌスに秘められし力――\\n <ruby=ボキ>僕</ruby>たちも全貌を解明しきれていない、<ruby=デヴァステイター>邪竜の咆哮</ruby>……)",
"337000922_1": "(日本政府に接触した風鳴機関よりもたらされし異端技術……\\n 世界を敵にまわしかねないほどの、危険な力――",
"337000922_2": "「頑張れッ! 頑張ってくださいッ、会長ッ!」",
"337000922_3": "(それでも今は――、暗い闇を引き裂く朝日……\\n <ruby=ボキ>僕</ruby>たちがすがる一縷の希望であることは間違いないのだろう)",
"337000922_4": "「あの子は――素直で、誰かの後ろからいつもついてきて……」",
"337000922_5": "「わたしたちの、可愛い妹分だったんだッ!」",
"337000922_6": "「あんたは許せない――許さないッ!\\n 灰島友鈴との想い出を、踏み躙ったあんただけはああああッ」",
"337000922_7": "「――くッ、回復速度を超えるダメージが……」",
"337000922_8": "「板場さんッ!」",
"337000922_9": "「ユミッ!」",
"337000922_10": "「三つの命が、一つに燃えればッ!\\n 一つの歌声――冷たい夜を突き抜けるッ <ruby=NEXUS FLAMMA>絆の赤射</ruby>ッ!」",
"337000922_11": "「果敢無き哉。務めを半ばまでしか熟せぬとは。\\n ふむ、使い潰す――頃合いであったな」",
"337000922_12": "「――各部損傷……、コンディションレッド……\\n センサーカメラ、大破……、変形機構大破――」",
"337000922_13": "「わたしは、このまま・の姿で……\\n あの人の・腕に…収まるサイズにはもう――」",
"337000922_14": "「それ…でも、聴覚、およびソナーに損傷は軽微――\\n せめて、最後にオ声をお聞かセクださい……」",
"337000922_15": "「――お声、ヲ……」",
"337000922_16": "「……ッ、……」",
"337000922_17": "「ああ……、壊れていないのに――\\n もう何も、聞コエ、な・イ……ッ……」",
"337000922_18": "「…………」",
"337000922_19": "「……勝ったのに、胸が痛いね……」",
"337000922_20": "「あの子も――\\n 誰も知らないところで、きっと……」",
"337000922_21": "「この痛みは、<ruby=いた>傷</ruby>み――\\n 戦う力を手にした代償、胸の傷なのだと思います……」",
"337000922_22": "「……うん。この傷は、どこにも建てられない友達の――\\n わたしたちが知っている灰島友鈴の、お墓だよね」"
}

View file

@ -0,0 +1,78 @@
{
"337000931_0": "「――みんなッ!」",
"337000931_1": "「……板場さん……」",
"337000931_2": "「あんたまで、そんな顔しないでよ」",
"337000931_3": "「……でも……」",
"337000931_4": "「…………」",
"337000931_5": "「わたしたちの学校の生徒を狙う敵は――\\n わたしたちで決着をつけた」",
"337000931_6": "「それはもちろん、みんなのおかげ。\\n ――ありがとう……」",
"337000931_7": "「……うん……」",
"337000931_8": "「ねえ、響――彼女たち、こっちの板場さんたちなんだよね?\\n わたしも友達の端くれとして、説明がほしいんだけど……」",
"337000931_9": "「でも、どこから話そう?\\n いきなり襲われたところからかな やっぱり――」",
"337000931_10": "「いきなり襲われたッ!?」",
"337000931_11": "「わああああッ、誤解というかなんというか、\\n こっちにもヤムニヤマレヌ事情があってね――」",
"337000931_12": "「今さら思いだしたくもない、とんだ黒歴史ですわ……」",
"337000931_13": "「うんうん。誰にもあるデスよね――黒歴史の1つや2つ」",
"337000931_14": "「切ちゃんにはありすぎだと思うんだけど……」",
"337000931_15": "「――あッ!?\\n 説明と言えば――大事なことを伝え忘れてたッ」",
"337000931_16": "「事件の黒幕の事ッ!\\n あたしたちを争わせて、利用していたのは――」",
"337000931_17": "「――みなさんッ!」",
"337000931_18": "「ギャラルホルンのゲートエミュレーター……\\n 制限時間までカウントを切っていますッ」",
"337000931_19": "「忘れてたわッ!」",
"337000931_20": "「待ってッ、あ、でも――\\n それこそどこから説明したらいいのか……」",
"337000931_21": "「端折ってくれッ!」",
"337000931_22": "「でも、世界の明日を救うヒーローには、\\n 全部を知っててもらいたい事だし、ああああああああ……」",
"337000931_23": "「落ち着いて。大丈夫だよ、板場さん。\\n わたしたちが知らなくても」",
"337000931_24": "「――ふえッ!?」",
"337000931_25": "「だって――わたしたちが帰還しても、\\n この世界には、みんなの明日を救うヒーローがいるから」",
"337000931_26": "「――ッ……」",
"337000931_27": "「――だったら、一言だけッ!!」",
"337000931_28": "「消えちゃった――\\n 帰っちゃったというべきなのかな……」",
"337000931_29": "「目の前で突然のお別れがありますと、\\n 並行世界の実在って、実感できますわね……」",
"337000931_30": "「あ、あれ――メックが……」",
"337000931_31": "「稼働限界でしょうか……\\n メックヴァラヌスも、騙し騙しの運用でしたものね……」",
"337000931_32": "「騙し騙しで稼働限界なのは、\\n あたしらだって同じだよ……」",
"337000931_33": "「――会長ッ!\\n 生徒会の皆さんッ」",
"337000931_34": "「大丈夫ですかッ!?」",
"337000931_35": "「……ああ、うん……\\n 死ぬほど疲れて死ぬほど眠りたいだけだから……」",
"337000931_36": "「死ぬほどですけれど、\\n 死ぬわけではありませんので、ご安心を――」",
"337000931_37": "「何ともはや。うら若き女子高生が、\\n 揃いも揃って地べたに大の字になってる場合かね」",
"337000931_38": "「これより、新たな任務を通達するから、\\n 整列してよく聞きたまえ」",
"337000931_39": "「――はあッ!? 任務ッ!?」",
"337000931_40": "「そう。任務であるッ!\\n 何も解決しておらんではないかッ」",
"337000931_41": "「――ッ!?」",
"337000931_42": "「人類を脅かす特異災害ノイズに加え、\\n <ruby=ボキ>僕</ruby>たちは大きな陰謀の渦に巻き込まれてしまった――」",
"337000931_43": "「おじいちゃん……\\n ううん――、風鳴訃堂……」",
"337000931_44": "「抗える力――、<ruby=チミ>君</ruby>たちが纏うメックヴァラヌスも、\\n いまだ多くの謎に包まれており、危険極まりない代物だ」",
"337000931_45": "「それでも<ruby=ボキ>僕</ruby>たちは、\\n 屈することなく、今日を戦い抜かねばならん」",
"337000931_46": "「明日を救うために――だよね?」",
"337000931_47": "「そうだ。だからこそ――」",
"337000931_48": "「板場弓美、安藤創世、寺島詩織ら、\\n 竜姫の三名に新たな任務を通達するッ」",
"337000931_49": "「――ッ!」",
"337000931_50": "「明日を救う戦いに備え、充分な休息を取りたまえッ!\\n 地べたで大の字など、言語道断であるッ」",
"337000931_51": "「ちなみに。先ほど上層部に掛け合って、\\n ちょっとリッチなホテルの部屋をつ押さえた有能な<ruby=ボキ>僕</ruby>である」",
"337000931_52": "「――4つッ!? \\n わたしたち竜姫は人なのに、部屋つッ」",
"337000931_53": "「ちゃっかりしていますわね……\\n 他の職員の方々は、きっと安い部屋に違いありません」",
"337000931_54": "「――でも、まあ……\\n そんな任務なら、今は大歓迎だよ……」",
"337000931_55": "「あ、こら、だから地べたはよしたまえ。\\n <ruby=ボキ>僕</ruby>1人でリッチなホテルに向かうわけにもいかないだろうに」",
"337000931_56": "「――ところで、ユミ……\\n さっき言いかけてた、あれって何を言おうとしてたの」",
"337000931_57": "「あれって?」",
"337000931_58": "「――だったら、一言だけッ!!」",
"337000931_59": "「…………」",
"337000931_60": "「事件の全貌よりも伝えたかった一言――」",
"337000931_61": "「…………」",
"337000931_62": "「あたしね、\\n あの子たちに酷い事を言ったんだ……」",
"337000931_63": "「あんたがデヴァステイターで暴走して、\\n あの子たちにやっつけられたと思い込んで――」",
"337000931_64": "「…………」",
"337000931_65": "「だから一言、謝りたかった。\\n ――『ごめん』って……」",
"337000931_66": "「…………」",
"337000931_67": "「…………」",
"337000931_68": "「伝えられなかった事……\\n 後悔しているのでしょうか」",
"337000931_69": "「そりゃあ、もちろん……\\n 何だったらこっちから並行世界に行って、直接――」",
"337000931_70": "「でしたら、いつかにそうしましょう」",
"337000931_71": "「…………」",
"337000931_72": "「後悔だって、きっと前に進もうとする力です。\\n わたしたち、そんな友達を知っているではないですか」",
"337000931_73": "「……うん、そうだね。\\n そうだった」",
"337000931_74": "「…………」",
"337000931_75": "「また、逢わなきゃね……\\n みんなに――」"
}

View file

@ -0,0 +1,66 @@
{
"337001011_0": "明日へテイクオフ",
"337001011_1": "シンフォギア装者の帰還から、10日後",
"337001011_2": "「――お、2人とも、いたいた~。\\n ぜんぜん新校舎の造りに慣れなくってさ」",
"337001011_3": "「生垣の葉っぱまみれですが、大丈夫ですか?」",
"337001011_4": "「たはは、ショートカットできるかなって思ったんだけど……\\n ショートカットのわたしだけに」",
"337001011_5": "「30点。しっかりしてよね、副会長。\\n 後輩たちにはカッコ悪いとこ見せられないんだからさ」",
"337001011_6": "「それにしても、思ったよりもずっと早く\\n 学校生活が再開されましたわね」",
"337001011_7": "「都心の廃校をまるまる政府で買い上げたうえ、\\n あっという間に改装しちゃうんだから、凄いもんだ」",
"337001011_8": "「代行の説明だと、\\n これもまた一連の事件の隠蔽工作の一環――」",
"337001011_9": "「国家転覆を企てて政府中枢に食い込んだアナキスト集団、\\n 『風鳴機関』の影響を刷新するためだと言ってたけれど……」",
"337001011_10": "「それすらも本当の事かどうか、\\n わたしたちには知る由ありませんものね……」",
"337001011_11": "「わからないと言えば、\\n 仰陽館の生徒を使って人体実験を行っていた理事長――」",
"337001011_12": "「風鳴訃堂の、その後の足取りも杳として不明……」",
"337001011_13": "「わたしたちの証言を元に代行たちが向かったものの、\\n その時にはもう、姿をくらませていたそうですね」",
"337001011_14": "「何者かが先んじて急行を報せた可能性も……\\n 政府内にはまだ、その息がかかった人間がまだ潜んで――」",
"337001011_15": "「…………」",
"337001011_16": "「…………」",
"337001011_17": "「竜の化石と、それから造られたメックヴァラヌス……\\n 何よりあの子たちから聞いた話を聞く限り――」",
"337001011_18": "「風鳴訃堂は、並行世界の存在と、\\n そこにあるシンフォギアの存在を知っていた事になる」",
"337001011_19": "「まだまだ、わからないことだらけか……」",
"337001011_20": "「幸い、彼らの手に陥落しかけたギャラルホルンは、\\n 再編成された二課にて厳重に管理されています」",
"337001011_21": "「並行する異なる世界に姿を消したわけではありません。\\n 同じ世界にいる以上、いつかきっと、追いつめて――」",
"337001011_22": "「すべての真相を明らかにできるかもしれないッ!」",
"337001011_23": "「――だよね?」",
"337001011_24": "「…………」",
"337001011_25": "「どうしたのですか?」",
"337001011_26": "「いや、たぶん、言葉以上に\\n 難しいんだろうなあと思ってさ」",
"337001011_27": "「ユミらしくもないッ!?」",
"337001011_28": "「そこは無理矢理にでもあげていくのが、\\n いつもの弓美さんではないでしょうか」",
"337001011_29": "「そうなんだけど……」",
"337001011_30": "「現実に明日を救うためには、\\n 夢とか憧れだけじゃ足りないってわかったから……」",
"337001011_31": "「…………」",
"337001011_32": "「ここから先に延びるのは、\\n どこへ続く道なのか、誰も知らない――」",
"337001011_33": "「迷う事もあるだろうし、きっと後悔だってする。\\n それでも――この道を振り返る事だけは絶対にしないつもり」",
"337001011_34": "「たとえ、遠い道を歩く事になったとしても――\\n 歌を唄えば近いと、あたしはそう信じているから」",
"337001011_35": "「――歌……、うん、そうだよね……」",
"337001011_36": "「わたしたちにもあった、胸の歌……」",
"337001011_37": "「この歌で、どんな壁も闇も――」",
"337001011_38": "「――ノイズの警報!?」",
"337001011_39": "「ドラゴンブレスが、\\n 通信を繋いでくれていますッ」",
"337001011_40": "「竜姫の諸君、出動だ。\\n 最寄りのシューターからカタパルトデッキに急ぎたまえッ」",
"337001011_41": "「<ruby=チミ>君</ruby>たちの頑張りが<ruby=ボキ>僕</ruby>のお給金を決めるんだ。\\n せいぜい誰か主に<ruby=ボキ>僕</ruby>)のために頑張りたまえよッ!」",
"337001011_42": "「ちょっと見直しかけたと思いきや……」",
"337001011_43": "「変わらない物言いに辟易しちゃいそうです……」",
"337001011_44": "(ヒーローは孤独だからこそヒーロー、\\n あたしは、まだそう信じている",
"337001011_45": "(だけど、あたしは、まだまだ未熟なんだ)",
"337001011_46": "(だから、それまではみんなと一緒に――)",
"337001011_47": "「おっし、行こうッ!\\n イズに困っている誰かの――明日を救うんだッ」",
"337001011_48": "「メックヴァラヌスッ、――<size=40>テイクオフッ!!</size>」",
"337001011_49": "「世界に蔓延、\\n 拡大しつつある特異災害――イズ」",
"337001011_50": "「長らくその対抗策は講じられてきたが、\\n ようやく、逃げ場無き人類の明日を救う技術は完成した」",
"337001011_51": "「だが、この超常兵器――弱き人の手には余る」",
"337001011_52": "「等しく人の手に行き渡れば、\\n いずれ諍いの種火となり、世界を燃やす熾火となりかねぬ」",
"337001011_53": "「事実、かつて夷狄の莫迦者どもは、大量の反応兵器を以てして、\\n この星を向こう永遠に穢しかけたではないかッ」",
"337001011_54": "「ゆえに兵器は常に、\\n 勁烈な意気と偉力を備えたる烈士一人が全てを統べてこそ……」",
"337001011_55": "「その大任は、儂が担おう。\\n そしてここに誓いを立てようッ」",
"337001011_56": "「儂の立つ地が全ての世界を統治し、\\n ――真に明日を救う事をッ」",
"337001011_57": "「おっしゃる通りですわ」",
"337001011_58": "「貴方様が夢見る明日は、\\n わたしたちが、きっと必ず――」",
"337001011_59": "「ひとりを欠いてしまいましたが、\\n 極まる護国の七支刀――防人兵器に些かの不足もありません」",
"337001011_60": "「次なる夢を――」",
"337001011_61": "「<ruby=しとね>褥</ruby>にて、語ってくださいまし」",
"337001011_62": "「逸るな。今はまだその時ではない――\\n なれど遠からず、訪れよう……」",
"337001011_63": "「機が熟すまで、深く静かに潜航するのだ――\\n 次こそは確実に、儂が全てを統べるために……」"
}

View file

@ -0,0 +1,44 @@
{
"337001111_0": "主役になれない三人でいい",
"337001111_1": "物語の結びは、ふたたび元の世界にて",
"337001111_2": "「悪寒に発熱。加えて身体の節々の痛み――\\n 風邪の諸症状にも似た謎の体調不良から復活したものの……」",
"337001111_3": "「長期に学校を休んでしまったせいで、\\n またも体調不良になりかねないくらいの課題が……」",
"337001111_4": "「そりゃあ、今でもあたしは、\\n ヒーローは孤独であるべきが持論だけどさ……」",
"337001111_5": "「それはヒーローに限ってであって、\\n が課題をこなすのに孤独である必要は無いと思うんだよね」",
"337001111_6": "「手伝ってあげようにも、こっちも手一杯だよ」",
"337001111_7": "「3人とも同じだけの課題が出ているので、\\n お手伝いを頼むのなら、わたしたち以外にお願いすべきです」",
"337001111_8": "「あああああああああああああ……」",
"337001111_9": "「山と積まれた課題に押し潰されそうになるなんて、\\n まるで昭和のアニメ。誰かさんじゃないんだからさ……」",
"337001111_10": "「みんなーーーッ!\\n びえええッ、くしょんッ」",
"337001111_11": "「うわあッ、あいさつかと思ったらクシャミだったッ!\\n ここにも風邪の諸症状がッ」",
"337001111_12": "「しかも、垂れた鼻水が、だらーんと……」",
"337001111_13": "「やっぱり、あんたってば\\n どこもかしこも昭和のアニメ出身だよね……」",
"337001111_14": "「はううう、ずびばぜん」",
"337001111_15": "「いいから響、拭いて。かみ直して。チーンして」",
"337001111_16": "「どこかで誰かが、わたしの噂をしてたんだよお」",
"337001111_17": "「――で、何しに来たの?」",
"337001111_18": "「任務で学校を休んでいる間、\\n みんなも具合が悪くて学校を休んでたと聞いたから……」",
"337001111_19": "「もしかして課題、手伝ってくれるのッ!?」",
"337001111_20": "「もちろん、まかせて」",
"337001111_21": "「――いや、やっぱり遠慮しておく……\\n 今日ほど他人をアテにしちゃいけないと思えた事はないわね」",
"337001111_22": "「なーんーでーだーよーッ!」",
"337001111_23": "「課題を手伝うのは無理だけど……\\n 元気が出るように、お菓子とジュースをたくさん買ってきた」",
"337001111_24": "「おお~ッ!」",
"337001111_25": "「やっぱり未来さんは、気が利きますわね」",
"337001111_26": "「じゃあ、キリのいいところまで頑張ったら、\\n お菓子をつまみながらの休憩タイムにしちゃおうかな」",
"337001111_27": "「ついでに流したいアニメもあるんだよね……」",
"337001111_28": "「その物語は、外宇宙に進出した人類が、\\n 異星文明と遭遇するところから始まるんだけど――」",
"337001111_29": "「相互不理解から異星人との間に諍いが起きてしまい、\\n あれよあれよという間に激化の一途、戦争になってしまうんだ」",
"337001111_30": "「毎回毎回、息も詰まるような展開が続いていくんだけど……\\n 視聴者と登場人物の願いも空しく最後は打ち切り、全滅エンド」",
"337001111_31": "「重いよッ、病み上がりに観るには重すぎるよッ!」",
"337001111_32": "「――というより、観る前にオチが語られたような気がしますッ!\\n 他に候補は無いのでしょうか」",
"337001111_33": "「……うーん、そう言われても……」",
"337001111_34": "「――あッ!」",
"337001111_35": "「お、何かひらめいたっぽい?」",
"337001111_36": "「あたしたちが倒れてた間、あんたが頑張ってた任務――\\n 話せる範囲で構わないから、その冒険譚を聞かせてよ」",
"337001111_37": "「えええええええええええええッ!?」",
"337001111_38": "「あ、それはわたしも詳しく聞きたいかも」",
"337001111_39": "「いやー、何というか……複雑な人間模様とでもいうか、\\n とても込み入った話でね、うまく話せるかな……」",
"337001111_40": "「ややこしくなったら、\\n アニメで例えてくれれば大丈夫ッ」",
"337001111_41": "「それがその……\\n 実にアニメみたいな顛末で――」"
}