august jp update

This commit is contained in:
argoneus 2020-08-28 11:18:17 +02:00
parent 5ad3bdbae9
commit a926b2420d
209 changed files with 12202 additions and 10 deletions

View file

@ -0,0 +1,58 @@
{
"343000111_0": "ようこそ、プロビデンス・パークへ",
"343000111_1": "「おーッ! プロビデンス・パークって、\\n すっごく広いゾッ」",
"343000111_2": "「プールくらいではしゃぎ過ぎだっつーの」",
"343000111_3": "「あんまり走り回るなよ」",
"343000111_4": "「随分と着替えに時間がかかったな」",
"343000111_5": "「水着は初めてで地味に手こずりました」",
"343000111_6": "「ミカが水着を着られるように手伝っていたのですわ」",
"343000111_7": "「ところで、マスターはお着替えにならないのですか?」",
"343000111_8": "「誰が、『あの男』が用意した水着など着るものか」",
"343000111_9": "「これ、着ちゃダメなのか、マスター?」",
"343000111_10": "「オレは着たくないだけだ。\\n お前らは好きにすればいい」",
"343000111_11": "「しかし、なぜオレたちがこんなところに……」",
"343000111_12": "「地味な頼まれごと」",
"343000111_13": "「というか、あたしたちに仕事を押し付けた\\n あの人の姿も見えませんねー」",
"343000111_14": "「……はあ、こんな面倒ごとを押し付けて、\\n サンジェルマンども、後で覚えていろよ」",
"343000111_15": "「それにしてもなんでこんなに\\n 人がたくさんいるんだゾ」",
"343000111_16": "「錬金術師の英気を養うため、って言ってたでしょうが。\\n まあ、あたしたちは見回りだけど」",
"343000111_17": "「あのお三方からの依頼ですよね。\\n 今年は私たちがトラブル防止の警備役だと」",
"343000111_18": "「二課の方々も招待したとのことでしたが、\\n 断られてしまったようですよ」",
"343000111_19": "「断られるって前回はどんだけだったんですか」",
"343000111_20": "「つまるところ、私たちは代わりになる抑止力のようなもの。\\n あの人が何かやらかしたとき、止められるものが必要だと」",
"343000111_21": "「人聞きが悪いじゃないか。何もしやしないよ、僕はね」",
"343000111_22": "「ようこそ、プロビデンス・パークへ。\\n 歓迎するよ、心からね」",
"343000111_23": "「テーマパークなんぞ、とても必要とは思えないが\\n なんでこんなものを造った」",
"343000111_24": "「必要だと思ったからさ。\\n 癒すためにね、君たちの心と身体を」",
"343000111_25": "「完成後とんでもなく面倒な事件が起きて、\\n 半壊したと、サンジェルマンたちから聞いたぞ」",
"343000111_26": "「二課もその事件に巻き込まれたらしいですわね」",
"343000111_27": "「だから断られたんだナ」",
"343000111_28": "「あったね、そんなことも」",
"343000111_29": "「だけど、安心するといい。\\n もう起きることはないからね、あのような事件は」",
"343000111_30": "「はあ……、とても信用はできないが……」",
"343000111_31": "「そんなことより――」",
"343000111_32": "「……うんうん。似合っているじゃないか、とても。\\n 用意したかいがあったよ、水着を」",
"343000111_33": "「水着、ありがとうだゾッ!」",
"343000111_34": "「まあ、確かにいいものだとは思いますけど」",
"343000111_35": "「うれしいね、気に入ってくれて」",
"343000111_36": "「警備をお願いしているとはいえ、せっかくの機会だ。\\n 息抜きもしていってくれ、存分にね」",
"343000111_37": "「ところで……」",
"343000111_38": "「なんだ?」",
"343000111_39": "「キミは着替えていないんだね、水着に。\\n 用意していたはずだよ、特注を」",
"343000111_40": "「オレは、遊ぶつもりで来たわけじゃないからな。\\n あの人の代役で来てやっただけだ」",
"343000111_41": "「残念だね、それは」",
"343000111_42": "「ふん……。オレは敷地内を見回る。\\n お前たちは、適当にしていろ」",
"343000111_43": "「せっかくですから、一緒に回ってみませんか?」",
"343000111_44": "「オレのことは気にせず行ってこい。\\n 飽きたら戻ってくればいい、それまでは自由だ」",
"343000111_45": "「そっか、マスターは一緒に来ないのカ……」",
"343000111_46": "「……」",
"343000111_47": "「それじゃあ、ガリィちゃんはのんびりとあちらで\\n 時間を潰し――」",
"343000111_48": "「ガリィ、あっちに洞窟みたいなの見つけたんだゾッ!\\n 行ってみるゾッ」",
"343000111_49": "「なんであたしが付き合わなきゃいけねーんだよッ!」",
"343000111_50": "「私たちも行ってみるか」",
"343000111_51": "「ミカが迷惑をかけないように見てないといけませんね」",
"343000111_52": "「ちょっと、早く来てくださいよー」",
"343000111_53": "「よーし、行くゾッ!」",
"343000111_54": "「あーッ!\\n プールサイドで猛ダッシュするんじゃねーッ」",
"343000111_55": "「頼むから騒ぎだけは起こしてくれるなよ……」"
}

View file

@ -0,0 +1,47 @@
{
"343000121_0": "――数時間後――",
"343000121_1": "「うーん、たくさん遊んだゾッ!」",
"343000121_2": "「振り回されるこっちの身にもなれよ」",
"343000121_3": "「ミカの派手な遊びっぷりはさすがだな」",
"343000121_4": "「私たちもなんだかんだ楽しんでしまいましたわね」",
"343000121_5": "「マスターッ! \\n マスターはどうだった」",
"343000121_6": "「目新しい……と言えばいいのか、\\n 変なものばかり見かけたな」",
"343000121_7": "「ライオンだのペリカンだの……。\\n こんなんじゃ、何か紛れ込んでもわからんだろう」",
"343000121_8": "「次はミカも見回りを手伝うんだゾッ!」",
"343000121_9": "「いらん。\\n 見回りくらいオレだけで事足りる」",
"343000121_10": "「それじゃ、あたしたちは何をしていましょう?\\n 見回るマスターの応援とか」",
"343000121_11": "「黙ってその辺にいればいいと言ったはずだ」",
"343000121_12": "「申し訳ございません、マスター」",
"343000121_13": "「仕方がない。\\n 地味に過ごすことにするか」",
"343000121_14": "「…………」",
"343000121_15": "「邪魔をするよ、お楽しみのところ。\\n 起きてしまったんだ、困ったことが」",
"343000121_16": "「チッ……」",
"343000121_17": "「なんだ? 厄介事はごめんだぞ」",
"343000121_18": "「パーク内に紛れ込んでしまったようなんだ、\\n はぐれ錬金術師がね」",
"343000121_19": "「しかも、いないときている。\\n 頼みの綱のサンジェルマンたちが」",
"343000121_20": "「見つけ出して対処してほしいんだ、\\n その錬金術師を」",
"343000121_21": "「……どんな奴だ?」",
"343000121_22": "「まだわからないんだ、なかなかしっぽが掴めなくてね」",
"343000121_23": "「……紛れ込んだと知っているのだから、\\n 少しは情報があるんだろう」",
"343000121_24": "「これでもここは厳重に管理された場所だよ。\\n 一般の者の目に留まったら大変だからね」",
"343000121_25": "「それを、掻い潜れるだけの力を持った者ということくらいかな」",
"343000121_26": "「可能性があるんだよ。\\n 君くらいの力を持っているかもしれないというね」",
"343000121_27": "「ふん、そんなのありえないな」",
"343000121_28": "「そう思うよ、僕もね。\\n だけど、すべきだろう。警戒は」",
"343000121_29": "「脅威になりえるからね、未知の者は」",
"343000121_30": "「……はあ」",
"343000121_31": "「頼みたかったんだけどね、サンジェルマンたちに。\\n でもよかったよ、代役がいて」",
"343000121_32": "「…………」",
"343000121_33": "「やってくれるだろう?」",
"343000121_34": "「……ああ、面倒だが仕方ない」",
"343000121_35": "「頼んだよ、僕はまだ仕事があるからね」",
"343000121_36": "「はあ、頭痛がしてきたぞ……」",
"343000121_37": "「いかがなさいますか、マスター?」",
"343000121_38": "「あいつが下手に動けば更に面倒が増えるのは目に見える。\\n オレがやるしかないだろう」",
"343000121_39": "「では、問題の錬金術師を探しましょう」",
"343000121_40": "「簡単に言いますけど、情報が何もないのに\\n どうやって探すんですかー」",
"343000121_41": "「この施設は広い。\\n 手分けして探してみるのはどうだ」",
"343000121_42": "「それがいいだろうな。\\n オレは人で十分だ、お前たちは組で――」",
"343000121_43": "「貴様がキャロル・マールス・ディーンハイムだな」",
"343000121_44": "「なんだ、お前は……?」"
}

View file

@ -0,0 +1,35 @@
{
"343000131_0": "「どこの誰か知らないが、オレは――」",
"343000131_1": "「貴様が持つ知識を寄越せッ!」",
"343000131_2": "「ぬかせ。誰に向かってそんな戯言を」",
"343000131_3": "「くッ、なんだこの網は……?」",
"343000131_4": "「私の研究で造り出した錬金術師対策の網だ。\\n たとえ貴様でも、この網からは簡単に逃れることはできまいッ」",
"343000131_5": "「ほう、こんなものでオレを捕らえようとはいい度胸だな」",
"343000131_6": "「そんな奴、マスターが手を出すまでもないゾッ!\\n あたしがぶっ飛ばしてやるんだゾッ」",
"343000131_7": "「ま、待て、ミカッ!?\\n お前の攻撃は――」",
"343000131_8": "「これでぶっ飛ばすゾッ!」",
"343000131_9": "「うわあああッ!? 目の前が真っ白になったゾッ!」",
"343000131_10": "「派手な水蒸気で前が見えないッ!」",
"343000131_11": "「このおバカッ! プールに向かってお前が攻撃したら\\n こうなることはわかるだろうがッ」",
"343000131_12": "「マスター、すぐに助けますッ!」",
"343000131_13": "「いや、オレは大丈夫だ。自力で――」",
"343000131_14": "「ハッハッハッ、私を助けてくれるとはな。\\n 馬鹿な自動人形だ」",
"343000131_15": "「言わせておけばッ!\\n ――そこかッ」",
"343000131_16": "「ぐはッ!?」",
"343000131_17": "「きゅう……」",
"343000131_18": "「なんという好機ッ!\\n 名高い錬金術師も、気を失ってしまえばこちらのもの」",
"343000131_19": "「……今の声はマスターのッ!?\\n あの錬金術師、マスターに何をッ」",
"343000131_20": "「いや、あなたの攻撃が当たったんじゃないですか?」",
"343000131_21": "「まさか、そんなはずは……」",
"343000131_22": "「このまま踊っていろ、間抜けどもめ……」",
"343000131_23": "「マスターが連れて行かれそうになってるんだゾッ!\\n すぐ助けるゾッ」",
"343000131_24": "「ちょっと、どこ触ってんですかッ!」",
"343000131_25": "「手探りで見つけようと」",
"343000131_26": "「あたしもやってみるんだゾッ!」",
"343000131_27": "「あんたがやったらケガ人が出るっつーのッ!」",
"343000131_28": "「全員、そこから動かないで。\\n 私が霧を払いますわッ」",
"343000131_29": "「マスターッ!」",
"343000131_30": "「どこにもいませんねー。\\n まさか、連れ去られるとは思いませんでしたよ」",
"343000131_31": "「代わりにアルカ・ノイズがいるゾッ!」",
"343000131_32": "「あの錬金術師が放ったものでしょう。\\n マスターを追いかける前にこれを排除しますよッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,12 @@
{
"343000132_0": "「邪魔するんじゃないゾッ!」",
"343000132_1": "「ミカ、あまり近づきすぎるな。\\n 解剖器官に接触したら、派手に分解されてしまうッ」",
"343000132_2": "「真正面からぶつかってはダメですわ」",
"343000132_3": "「うーん、それはわかってるんだゾ……。\\n でも戦いにくいゾッ」",
"343000132_4": "「それなら離れて攻撃しろッ!」",
"343000132_5": "「それがいいですわ。\\n 避けながら剣を振るうのは神経を使いますからね」",
"343000132_6": "「ったく、手こずらせんじゃねえですよ」",
"343000132_7": "「今のが最後でしたから、\\n これでお片付けは終わりですね」",
"343000132_8": "「早く行かないと、\\n マスターが心配なんだゾ」",
"343000132_9": "「痕跡が必ずあるはずだ。\\n 見逃さずに戦おう」"
}

View file

@ -0,0 +1,19 @@
{
"343000141_0": "「見つけましたッ!\\n これはあの錬金術師の足跡ですわね」",
"343000141_1": "「でも、これ水際で途切れちゃってるゾ?」",
"343000141_2": "「たぶん、海の中を進んでるんじゃないですかね」",
"343000141_3": "「海の中にマスターを……」",
"343000141_4": "「困りましたわね」",
"343000141_5": "「ガリィはいいですけど、\\n 私たちは水辺での戦いが得意ではありませんし」",
"343000141_6": "「海の中なんて、\\n もってのほかなんだゾ」",
"343000141_7": "「かといって、あたしだけで戦うのは\\n 現実的じゃないですしね」",
"343000141_8": "「うーん、困ったんだゾ」",
"343000141_9": "「その前に、こいつらの相手をしないといけないな」",
"343000141_10": "「ですわね。考えるのは後にしましょう」",
"343000141_11": "「さっさと倒して、マスターの元へ」",
"343000141_12": "「水辺なんで、ガリィちゃんにお任せくださーい」",
"343000141_13": "「さすがガリィなんだゾッ!」",
"343000141_14": "「うっせーッ!\\n 海を沸騰させるような戦いだけはするなよッ」",
"343000141_15": "「がんばるゾ!」",
"343000141_16": "(でも、コイツ動きはいいんだよな。\\n 水かぶってむしろ強くなってるような……"
}

View file

@ -0,0 +1,16 @@
{
"343000142_0": "「先を急いでいるので消えてくださる?」",
"343000142_1": "「意外と早く片付きましたねー」",
"343000142_2": "「というか、ガリィちゃんのフォロー\\n あんまりいらなかった気がするんですけど」",
"343000142_3": "「今度は上手く戦えたんだゾッ!\\n でもなぜかはわからないんだゾッ」",
"343000142_4": "「確かに、水を纏うような攻撃ができたのは\\n 初めてでしたわ」",
"343000142_5": "「この水着のおかげで派手に動くことができた」",
"343000142_6": "「水着を作ったあの方が\\n 何かを施したのかもしれませんね」",
"343000142_7": "「アダムはすごいゾッ!」",
"343000142_8": "「あれでも錬金術師たちのトップですからね。\\n そういうことを片手間にちゃちゃっと」",
"343000142_9": "「さすが、というべきでしょうね。\\n 戻ったら、改めてお礼を言わなければいけませんわ」",
"343000142_10": "「あそこッ! 変な洞窟があるゾッ!」",
"343000142_11": "「ちょっと待って、あれって……。\\n はぐれ錬金術師とマスターじゃないですかッ」",
"343000142_12": "「この距離なら追いつけるかもしれませんわ。\\n 急ぎましょうッ」",
"343000142_13": "「私たちのマスターを攫った落とし前、\\n 派手につけさせてもらわないとな」"
}

View file

@ -0,0 +1,40 @@
{
"343000211_0": "水底の猛追",
"343000211_1": "「貴様ほどの錬金術師であれ、私の網を抜けられないか。\\n どうやら研究の成果はあったようだな」",
"343000211_2": "「…………」",
"343000211_3": "「これで、新たな知識をもって私は錬金術師として昇華される。\\n さらなる叡智をもたらし、世界はオレムの名を識るだろう」",
"343000211_4": "「結構なことだ。\\n オレの知識を手に入れたところでどうする」",
"343000211_5": "「長き時の中で錬金術師の矜持を忘れたか。\\n 哀れな娘よ」",
"343000211_6": "「ほう、なら教えてもらおうか。\\n その矜持とやらをな」",
"343000211_7": "「錬金術師とは真理の探究者。叡智を求め、頂を目指す。\\n ありとあらゆる知識を得ること、それは本能とさえいえる」",
"343000211_8": "「貴様の中にある知識は素晴らしい。\\n それがあれば、私は更なる高みを目指すことができる」",
"343000211_9": "「フッ、知識を得たところで、\\n お前に使いこなせる代物だと思っているのか」",
"343000211_10": "「そんなものは手に入れてからどうとでもなる。\\n この状況で何を言おうが無駄だ」",
"343000211_11": "「ふん、この程度の拘束でか?」",
"343000211_12": "「強がりはよせ。それとも、あの人形どもが\\n 助けに来るとでも思っているのか」",
"343000211_13": "「……人形どもだと?」",
"343000211_14": "「ありもしない希望にすがるとは情けないな」",
"343000211_15": "「……なんだと?」",
"343000211_16": "「あの人形どもは4体もいて、貴様を護れなかった。\\n それが事実だ」",
"343000211_17": "「あんなもの、所詮、機械仕掛けの道具に過ぎない。\\n 自動人形に希望を抱くのは無意味だ」",
"343000211_18": "「なんだ、えらく自動人形のことを嫌っているようだな。\\n 親でも殺されたか」",
"343000211_19": "「……私も一度、生み出したことがある。\\n アレは最初にして、最高の失敗作だが」",
"343000211_20": "「ふん、最高なのに失敗作?\\n なんとも愉快な話だな」",
"343000211_21": "「あの研究に先は無かった。故に最高の成果にして失敗作。\\n 本当に忌々しい……しかしだ」",
"343000211_22": "「…………」",
"343000211_23": "「アレは私の役に立っている」",
"343000211_24": "「若い私の顔を模したあの人形を殴るのは気持ちがいい。\\n 過去の自分を戒めているようでな、とても気分がいいんだ」",
"343000211_25": "「自分の失敗を自動人形相手に八つ当たりか。\\n 随分とできた錬金術師だな」",
"343000211_26": "「道具としてマスターの役に立てることは人形の本望だろう。\\n アレもひどく喜んでくれる」",
"343000211_27": "「要らぬなら、破壊すればいいものを」",
"343000211_28": "「私はアレを否定しない。失敗もまた、知識の昇華である。\\n 私はッ 私を決して否定などしないッ」",
"343000211_29": "「だが、成功しなければ先は無い。\\n 成果を示さなければ、誰に認められることもないッ」",
"343000211_30": "「結局は他者に認めてもらうための力か。\\n 錬金術師のくせに、俗物めいた考え方だな」",
"343000211_31": "「貴様も同じだろう。\\n あんな失敗作を身近に置いているのだから」",
"343000211_32": "「オレの<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>をお前のものと一緒にするな。\\n オレはあいつらが必要だから造ったんだ」",
"343000211_33": "「アハハハッ! 面白い、ならばいつまでも待ち続けるがいい。\\n 間に合うかはわからないがな」",
"343000211_34": "「今のうちに逃げる準備をしておけ。\\n そう時間はかからないだろうからな」",
"343000211_35": "「貴様こそ、頭の中をかき回される覚悟をしておけ」",
"343000211_36": "(……さっさとこいつを倒して帰るのが\\n 一番手っ取り早いが……",
"343000211_37": "(……まあ、このまましばらく捕まっておいてやるか。\\n あいつらに頼ってみるのも面白そうだからな"
}

View file

@ -0,0 +1,21 @@
{
"343000221_0": "「あの錬金術師はこの洞窟に入っていったはずだゾ」",
"343000221_1": "「かなり入り組んでいるみたいですねー。\\n 見失わないように気をつけないと」",
"343000221_2": "「どうした、先程から黙っているようだが」",
"343000221_3": "「……マスターはなぜ捕まったまま、\\n 何も抵抗をしないのかしら」",
"343000221_4": "「マスターがへましちゃったんだゾ」",
"343000221_5": "「お前じゃねーんだから、\\n そんなのありえないだろッ」",
"343000221_6": "「マスターが手こずるなんて、\\n 相当な錬金術の使い手なのか……」",
"343000221_7": "「小物のはぐれ錬金術師だと思って高を括りましたが、\\n 厄介な力を持っているのかもしれませんわね」",
"343000221_8": "「ただの婆さんかと思いきや、\\n 困りましたねー」",
"343000221_9": "「マスターを確実に助けるなら、\\n 錬金術師協会の局長に手を借りるか」",
"343000221_10": "「いけませんわ。その間に、\\n マスターにもしものことがあったら……」",
"343000221_11": "「そんなの嫌だゾッ!\\n 海底でもなんでも突っ込むんだゾッ」",
"343000221_12": "「まあこの水着があれば4人で戦えますしね。\\n それに、ガリィちゃんの得意なフィールドだし」",
"343000221_13": "「ええ、戻るという選択肢はありえませんわ。\\n 警戒は怠らず、今は追いつくことに専念しましょう」",
"343000221_14": "「クッ、どうも派手に出てきたがる奴らだな」",
"343000221_15": "「まあ、湧いてくれれば\\n 道順のヒントになるからいーですけど」",
"343000221_16": "「でも邪魔なんだゾーッ!」",
"343000221_17": "「おいッ!\\n 戦い方に気をつけろって、何度も言わせんじゃねーッ」",
"343000221_18": "「あの錬金術師も見失わないように。\\n いきますよッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,32 @@
{
"343000222_0": "「派手に散れッ!\\n ――ラストショットッ」",
"343000222_1": "「終わりだ、マスターを追いかけるぞ」",
"343000222_2": "「追いかけるって、どっちにですか?」",
"343000222_3": "「……待て、あの錬金術師はどこに行ったッ!?」",
"343000222_4": "「あたしはわかんないですよー。\\n 誰か見ててくれたんじゃないですか」",
"343000222_5": "「安心していいゾ。\\n あたしがちゃんと見ておいたんだゾッ」",
"343000222_6": "「どこへ向かった?」",
"343000222_7": "「右の通路を進んでいったはずだゾッ!」",
"343000222_8": "「え? 私には左側の通路を進んでいったように\\n 見えましたが……」",
"343000222_9": "「ちゃんと見ていたんだゾ。\\n ここを右に向かったんだゾッ」",
"343000222_10": "「あれだけ前で暴れてて、\\n 本当に見えてたのかよ」",
"343000222_11": "「私はやはり左だと思いますわ」",
"343000222_12": "「これは地味に混乱してきたな」",
"343000222_13": "「だから、右だって言っているんだゾーッ!」",
"343000222_14": "「とにかく、このまま真っ直ぐ進んでダメだったら、\\n 引き返せばいいと思うんですけど」",
"343000222_15": "「寄り道をしている余裕はありませんわ。\\n 相手の技量がわからない以上、分かれるのも危険ですし……」",
"343000222_16": "「早く決めないともうマスターに会えなくなっちゃうゾッ!」",
"343000222_17": "「マスターにもう……」",
"343000222_18": "「そうですね。私たちがこんなことをしている間に\\n マスターが何かされていたら……」",
"343000222_19": "「マスターだから大丈夫だとは思いますけど、\\n 状況が状況ですからね」",
"343000222_20": "「マスター……」",
"343000222_21": "「……足踏みしているくらいなら、\\n ここは危険だけど、手分けして探したほうがいいかしら」",
"343000222_22": "「だが、それでは、\\n 錬金術師を見つけたときに――」",
"343000222_23": "「ガリィ――ッ!?」",
"343000222_24": "「こいつら、いつの間にッ!?」",
"343000222_25": "「ふぅ……、危なかったですよー。\\n ミカ、よく倒しましたねー」",
"343000222_26": "「あたしじゃないゾ?」",
"343000222_27": "「は? じゃあ、今のは……」",
"343000222_28": "「怪我、無イ?」",
"343000222_29": "「あなたは……自動人形?」"
}

View file

@ -0,0 +1,41 @@
{
"343000231_0": "「怪我、無イ?」",
"343000231_1": "「怪我はありませんけど、\\n えっと、あなたはどこのどちらさまですか」",
"343000231_2": "「メロウッ!」",
"343000231_3": "「あたしはミカッ!\\n お前、人魚みたいな自動人形だゾッ」",
"343000231_4": "「水中、泳ゲル、人形」",
"343000231_5": "「あまり多くは喋れないようだな」",
"343000231_6": "「自動人形ということは\\n おそらく、あの錬金術師の……」",
"343000231_7": "「そう考えるのが自然だろうな」",
"343000231_8": "「でも、あたしたちを襲ってこないですね。\\n むしろさっき助けてもらっちゃいましたけど」",
"343000231_9": "「メロウはどこから来たんだゾ?」",
"343000231_10": "「海底、研究所」",
"343000231_11": "「なるほど。この先に研究所があるんですね。\\n となると、マスターはそこへ連れ去られたのでは」",
"343000231_12": "「メロウ、案内」",
"343000231_13": "「もういっそ罠でもいいんじゃないですかー。\\n ここで足踏みしているよりは」",
"343000231_14": "「虎穴に入らずんば、ということか」",
"343000231_15": "「メロウ、あたしたちを案内してほしいゾッ!」",
"343000231_16": "「任セテ」",
"343000231_17": "「なるほど、洞窟の中はこのように入り組んでいたのね。\\n これでは、侵入者がたどり着くのは不可能ですわ」",
"343000231_18": "「道案内が無ければ、派手に迷っていたな」",
"343000231_19": "「コレ、オススメ」",
"343000231_20": "「ん? 気になるんだゾッ!」",
"343000231_21": "「海苔。キズヨク治ル」",
"343000231_22": "「これは薬草みたいですねー。\\n まあ、あくまでキズが治るのは人間だけですけど」",
"343000231_23": "「自動人形には関係ないのに、\\n メロウは物知りなんだゾッ」",
"343000231_24": "「コレ、美味」",
"343000231_25": "「これも料理に使う海藻のようですねー……」",
"343000231_26": "「って、案内役が道を逸れちゃダメじゃないですかー」",
"343000231_27": "「見た目からして幼くはないですが、\\n 好奇心が旺盛な子のようですね」",
"343000231_28": "「メロウ、これも食べられるのかッ!」",
"343000231_29": "「ソレ、不味イ。マスター、嫌イ」",
"343000231_30": "「どこかの誰かさんとは気が合いそうで何よりですよ」",
"343000231_31": "「メロウが海藻とか詳しいのは、\\n 自分で勉強したのカ」",
"343000231_32": "「違ウ。マスター、教エタ」",
"343000231_33": "「あなたのマスターって、\\n 銀髪で高齢のお婆様ではないかしら」",
"343000231_34": "「ソウ。マスター、オレム。\\n メロウ、造ッタ」",
"343000231_35": "「やはり、あの老婆の自動人形でしたか」",
"343000231_36": "「マスター、知リタイ?」",
"343000231_37": "「そうですね、できる限り情報を教えてくれると、\\n こちらとしては助かりますよ」",
"343000231_38": "「我ガマスター、オレム……。\\n 錬金術師、高ミ、目指ス。メロウ手伝ッテキタ」"
}

View file

@ -0,0 +1,66 @@
{
"343000311_0": "道具として在ること",
"343000311_1": "「メロウ、マスター、最初ノ自動人形」",
"343000311_2": "「あたしたちと同じなんだゾッ!」",
"343000311_3": "「同ジ……? マスター、オレムッ!?」",
"343000311_4": "「違いますよー。\\n うちのマスターは荒っぽいけど最強のマスターですから」",
"343000311_5": "「ヨカッタ。オレム、メロウダケ、マスター」",
"343000311_6": "「マスターのことが好きなんだな」",
"343000311_7": "「マスター、メロウ、似セタ。マスター、海スキ。\\n メロウ、マーメイドッ」",
"343000311_8": "「海が好きだから人魚ということはわかりましたが、\\n 似せたというのは」",
"343000311_9": "「メロウ、マスター、若イ時」",
"343000311_10": "「ははーん、なるほど。\\n あの錬金術師の若い頃に似せたってことでは」",
"343000311_11": "「正解」",
"343000311_12": "「どこのマスターも似たようなことを考えるものですね」",
"343000311_13": "「ミンナ、一緒?」",
"343000311_14": "「ガリィたちはマスターの精神構造の一部をベースに\\n デザインされてますからねー」",
"343000311_15": "「広い意味では、マスターを\\n もとに造られたと言ってもいいかもしれない」",
"343000311_16": "「メロウ、1人ダッタ。\\n 友達、嬉シイ」",
"343000311_17": "「私たちが……」",
"343000311_18": "「友達か?」",
"343000311_19": "「いや、敵じゃないですか」",
"343000311_20": "「ミンナ、人形。メロウ、同ジ。\\n 似テル、友達ッ」",
"343000311_21": "「いいゾ、友達だゾッ!」",
"343000311_22": "「自動人形同士だからって、\\n 友達ってのはどうなんですかね」",
"343000311_23": "「友達、ダメ?」",
"343000311_24": "「ダメとは言いませんけど。\\n なんといいますか、変な感じがして」",
"343000311_25": "「フフッ、友達になりたいと言われて\\n 恥ずかしがっているのかしら」",
"343000311_26": "「何を見当違いなこと言ってるんですか。\\n ガリィちゃんがそんなこと思うわけないじゃないですかー」",
"343000311_27": "「……」",
"343000311_28": "「はいはい、友達でいいんじゃないですか。\\n 別に困ることもないですしねー」",
"343000311_29": "「ミンナ、メロウ、友達。\\n 沢山、オ客様、マスター、歓迎スル」",
"343000311_30": "「人が来るとあなたのマスターは喜ぶのですか?」",
"343000311_31": "「ワカラナイ。マスター、1人。\\n 人、沢山来ル、楽シイ」",
"343000311_32": "「派手な出迎えが待っているのか?」",
"343000311_33": "「となるとこちらは、\\n より警戒しないといけませんわね」",
"343000311_34": "「なあ、そのオレムとかいう錬金術師は\\n 自動人形ばっかり造ってたのカ」",
"343000311_35": "「メロウ、ダケ。\\n 今、色ンナ錬金術」",
"343000311_36": "「アルカ・ノイズ、沢山」",
"343000311_37": "「どおりでぽんぽん湧いてきたわけですね」",
"343000311_38": "「多岐にわたっての研究をしてきたんだな」",
"343000311_39": "「正直見くびっていましたけど、\\n 力のある錬金術師ということかしら」",
"343000311_40": "「どうせどっかでレシピ見つけたんでしょう」",
"343000311_41": "「デモ、オレム、失敗、多イ。\\n メロウ、イツモ片付ケル」",
"343000311_42": "「マスター、作ッタゴ飯、失敗。\\n メロウ、投ゲル」",
"343000311_43": "「投げるって、メロウにカッ!?」",
"343000311_44": "「自動人形、片付ケル。メロウノ役目」",
"343000311_45": "「私たちのマスターは\\n 何かを投げつけるなんてことしませんわ」",
"343000311_46": "「冷たいのは日常茶飯事ですけど、\\n さすがにそんなことはないですね」",
"343000311_47": "「メロウ、マスター、ダケ、自動人形。\\n 役ニ立テル、嬉シイ」",
"343000311_48": "「嬉しい、ね……。\\n そういうものなんですかね、自動人形は」",
"343000311_49": "「ソレガ自動人形、使命。\\n マスター、イツモ言ウ」",
"343000311_50": "「使命……」",
"343000311_51": "「ちょっと待て。\\n よく見れば体中が傷だらけではないか」",
"343000311_52": "「これは、何かをぶつけられてできる傷ではありませんわ。\\n どう考えても……」",
"343000311_53": "「マスターの役に立てたら嬉しいけど、\\n 何されてもイイってわけじゃないんだゾッ」",
"343000311_54": "「自動人形、痛ミ、大丈夫。\\n 少シ、体動キニククナル、ダケ」",
"343000311_55": "「話を聞く限り、あの錬金術師の自動人形のようですが、\\n あまり大切にされていないようですわ」",
"343000311_56": "「何故だか、地味に腹が立つな……」",
"343000311_57": "「マスター、メロウ、必要ダカラ。\\n 殴ル、ソレモ必要。メロウ、役ニ立ツ」",
"343000311_58": "「それ、ただの八つ当たりじゃないですか。\\n そんなことされてよく我慢ができますね」",
"343000311_59": "「メロウ、役ニ立ツ、嬉シイ。\\n 痛イ、平気。マスター、落チ着ク」",
"343000311_60": "「マスターが違うだけで、こうも待遇が違うのか。\\n お互いにそれで問題無いならいいのだが」",
"343000311_61": "「ミンナ、マスター、違ウ?」",
"343000311_62": "「そうだゾッ!\\n あたしたちのマスターは優しいんだゾッ」",
"343000311_63": "「マスター、優シイ?」"
}

View file

@ -0,0 +1,24 @@
{
"343000321_0": "「私たちのマスターは確かに、\\n 素っ気ないところもありますが……」",
"343000321_1": "「だが、それは私たちを信頼してくれているからこそ、\\n こちらに判断を委ねてくれているということだ」",
"343000321_2": "「うちのマスターは身内に甘いですからねー。\\n なんだかんだと言いながらガリィちゃんたちのことを――」",
"343000321_3": "「あ、でも……、\\n プールで一緒に遊んでくれなかったゾ」",
"343000321_4": "「遊ンデクレナイ?」",
"343000321_5": "「おいッ、マスターが優しいって言い始めた\\n お前がそれを言うのかよッ」",
"343000321_6": "「最初に思い出したのがそれだったから仕方ないゾ。\\n で、でも、マスターが優しいのは本当だゾッ」",
"343000321_7": "「ホント? マスター、優シイ?」",
"343000321_8": "「改めて聞かれると、\\n 答えに迷ってしまいますわね」",
"343000321_9": "「私たちがそう思い込んでいるだけで、\\n 地味に放って置かれた、とも受け取れるな」",
"343000321_10": "「うーん、意外と粗雑に扱われていたのかもしれませんね」",
"343000321_11": "「あたしたちはマスターしか、マスターを知らないゾ。\\n 他のマスターも同じ……」",
"343000321_12": "「同じ境遇、同じ自動人形。\\n マスターは違うと思っていましたけど……」",
"343000321_13": "「でも、マスターを助けたいって想いは変わらないゾッ!」",
"343000321_14": "「そりゃあ、あたしたちのマスターなんだし、\\n 助けたいと思うのは当たり前でしょうよ」",
"343000321_15": "「道具は道具らしく使命を果たせ、ということか」",
"343000321_16": "「メロウ、マスター、必要、ナンデモスル」",
"343000321_17": "「ふむ、似ているのかもしれないな。\\n 私たちもマスターのためなら、なんでもする」",
"343000321_18": "「どれだけ汚いことをしようが、世界を敵に回そうが……。\\n 確かに、使命って感じですねー」",
"343000321_19": "「まあ、それで何も問題ないですけど」",
"343000321_20": "「アルカ・ノイズッ!」",
"343000321_21": "「マスター、アルカ・ノイズ、失敗。\\n メロウ、片付ケル」"
}

View file

@ -0,0 +1,27 @@
{
"343000322_0": "「はいはい、お邪魔ですからどいてくださいねー」",
"343000322_1": "「この水着も慣れてきたもんですね。\\n とはいえ、メロウのフォローで助かりましたけど」",
"343000322_2": "「しかし、あれは錬金術師が用意したアルカ・ノイズのはず。\\n なぜ、派手にメロウが攻撃していた」",
"343000322_3": "「ミンナ、マスター、オ客様。\\n メロウ、護ル、案内」",
"343000322_4": "「お客様?」",
"343000322_5": "「そういえば、さっきの会話でもお客様と言っていたな」",
"343000322_6": "「あー、ガリィたちが錬金術師のことを聞いたから、\\n 客人だと思いこんでるんじゃないですかねー」",
"343000322_7": "「騙しているようで気が引けますけど、\\n マスターのもとへ向かうためには仕方ないですわね」",
"343000322_8": "「それにしても……」",
"343000322_9": "「やけにアルカ・ノイズと戦い慣れているな。\\n それも教えてもらったのか」",
"343000322_10": "「メロウ、失敗、片付ケル」",
"343000322_11": "「まさか、自分の自動人形と\\n 造ったアルカ・イズを戦わせていたということ」",
"343000322_12": "「メロウ、戦ウ。メロウ、勝ツ。\\n アルカ・イズ、失敗」",
"343000322_13": "「自分の自動人形に勝てないなら必要ないと。\\n なかなか面白いことをしますね」",
"343000322_14": "「研究所、スグソコ。\\n 間モ無ク、到着」",
"343000322_15": "「マスターのためと客人を案内する。\\n 自動人形として尽くそうという気持ちはわかります」",
"343000322_16": "「だが、メロウはその尽くそうとしているマスターに\\n 傷つけられている……」",
"343000322_17": "「同じ自動人形なんですけどねー」",
"343000322_18": "「あたしたちもマスターにとって\\n 道具と変わらないのカ」",
"343000322_19": "「それで問題無いんじゃないですかね。\\n だって、ガリィたちはマスターに造られたんですから」",
"343000322_20": "「<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>ってそういうものだゾ?」",
"343000322_21": "「ええ、マスターのために尽くすのが私たち。\\n 道具と思われようが関係ありません」",
"343000322_22": "「ですが……」",
"343000322_23": "「地味に何か引っかかる……」",
"343000322_24": "「……ええ」"
}

View file

@ -0,0 +1,20 @@
{
"343000411_0": "マスターと自動人形",
"343000411_1": "「ここが錬金術師の研究所か」",
"343000411_2": "「あそこにいるのは……マスターッ!?」",
"343000411_3": "「よかった、マスター無事だゾッ!\\n すぐに助けるゾッ」",
"343000411_4": "「ああ、早くしてくれ。\\n いい加減、ここにいるのも飽きたところだ」",
"343000411_5": "「ほう、どんな方法を使って、ここへたどり着けた。\\n あの洞窟は容易く抜けられるものではないはずだが」",
"343000411_6": "「マスター、オ客様、連レテキタ。\\n メロウ、無事、案内」",
"343000411_7": "「お前がこいつらを連れてきたのか?」",
"343000411_8": "「……この無能がッ!」",
"343000411_9": "「無断で研究所を抜け出し、侵入者をここへ案内するなど\\n 愚行の極みだな」",
"343000411_10": "「メロウ、マスター、ゴ飯、ツクル。\\n オ客様、沢山、材料、沢山イル、思ッタ」",
"343000411_11": "「ふざけるなッ!\\n こいつらは客人ではない」",
"343000411_12": "「ゴメンナサイ……。\\n メロウ、オ客様、マスター、喜ブ……」",
"343000411_13": "「その口を閉じろ。所詮は出来損ないの人形めが……、\\n 邪魔だ、下がっていろ」",
"343000411_14": "「来てしまったのであれば、処分すればいいだけのこと」",
"343000411_15": "「人形どもを分解してしまえ」",
"343000411_16": "「マスター、すぐに助けてあげますから、\\n もう少し縛られていてくださいねー」",
"343000411_17": "「いいから早く終わらせろ」"
}

View file

@ -0,0 +1,15 @@
{
"343000412_0": "「派手に散れッ!」",
"343000412_1": "「警戒するだけ無駄だったんじゃないですか?\\n この錬金術師、大したことないですよ」",
"343000412_2": "「では、どうしてマスターは……」",
"343000412_3": "「メロウ、お前も戦え。処分は得意だろう?」",
"343000412_4": "「来テクレタ、オ客様、戦ウ?」",
"343000412_5": "「ガラクタのくせに、いちいち聞き返すなッ!\\n これは命令だ、壊れるまであの人形共と戦い続けろ」",
"343000412_6": "「メロウ、戦ウ。",
"343000412_7": " 対象、敵対、<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>ッ!」",
"343000412_8": "「メロウッ!?」",
"343000412_9": "「目つきが変わっただと……」",
"343000412_10": "「敵意の行き先は――私たち……」",
"343000412_11": "「ちょっと、勘弁してくださいよー。\\n こんな展開は聞いてない……ですって」",
"343000412_12": "(……なんだ? こいつらの反応は?)"
}

View file

@ -0,0 +1,14 @@
{
"343000421_0": "「どうやら、彼女を抑えなければ、\\n マスターを助けることはできないようです」",
"343000421_1": "「ならば、派手に戦うしか」",
"343000421_2": "「まあ……マスターを助け出すために\\n ここまで来たわけですからね」",
"343000421_3": "「メロウと戦うんだゾ?」",
"343000421_4": "「そうだよッ!\\n それしかねーって言ってんだろーが」",
"343000421_5": "「……とはいえ、彼女の助けが無ければ、\\n ここまでたどり着くことはできなかったでしょうね」",
"343000421_6": "「だが、戦わなければ、\\n マスターを救うことができない」",
"343000421_7": "「恩を仇で返すことになりますけど、\\n マスターのためだと思えば、あちらも納得でしょう」",
"343000421_8": "「とにかく、動けなくすればいいだけですわ。\\n 完全に破壊しなければ、なんとでもなります」",
"343000421_9": "「わかったゾッ!」",
"343000421_10": "「目標、排除、開始ッ!」",
"343000421_11": "(ったく、なんでこんな\\n やりづらいんですか……"
}

View file

@ -0,0 +1,10 @@
{
"343000422_0": "「敵、排除ッ!」",
"343000422_1": "「味方だったものが敵になると、\\n ここまで厄介だとは思いませんでしたわ」",
"343000422_2": "「攻撃が地味に読まれている。\\n 私たちを近くで見ていただけのことはあるということか」",
"343000422_3": "「このバカ、何やってんだッ!\\n 攻撃が全然、通ってねーじゃねーかよッ」",
"343000422_4": "「だって、上手く当たらないんだゾッ!」",
"343000422_5": "「どれほどの力かと警戒していたが、アレ1体で十分とは。\\n 所詮、貴様の人形も失敗作か」",
"343000422_6": "(あのメロウとかいう自動人形が弱いというわけではない。\\n だが、それにしてもあいつらがあそこまで押されるものか",
"343000422_7": "(全員、十分に力を発揮しているとは思えない。\\n ここに来るまでに何があった……"
}

View file

@ -0,0 +1,39 @@
{
"343000431_0": "「マスター、命令、敵、壊レルマデ」",
"343000431_1": "「くッ! 躊躇がないなッ!」",
"343000431_2": "「メロウはマスターの命令に一切抗うことなく、\\n 違和感も持たず、私たちを攻撃してきています」",
"343000431_3": "「迷いが無いだけ強いとでも言いたいんですか。\\n でもあれじゃあ、ただ命令を聞くだけの道具じゃないですか」",
"343000431_4": "「だが、あれが正しい形ではないのか。\\n 自動人形として――」",
"343000431_5": "「そんなことはわかってますよ。\\n 道具である自分たちが、この戦いに私情を持ち込むなんて」",
"343000431_6": "「<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>、倒スッ!」",
"343000431_7": "「メロウッ! あのマスターの命令を聞くの、\\n 嫌じゃないのカ」",
"343000431_8": "「マスター、命令。\\n 敵、<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>、破壊」",
"343000431_9": "「無駄なんだよッ!\\n そんなこと聞いたってッ」",
"343000431_10": "「なんだか、変な感じがするゾ……。胸がモヤモヤする……。\\n 本当にメロウを倒さなきゃいけないのカ」",
"343000431_11": "「……ええ。マスターを護るために、目の前の敵と対峙するのは\\n 私たちの役目ですから」",
"343000431_12": "「躊躇う時間は地味に無い」",
"343000431_13": "「何をしている?\\n 手段を選ばず壊せッ 早くしろッ」",
"343000431_14": "「了解、マスター」",
"343000431_15": "「うッ!?」",
"343000431_16": "「……防ぐだけならなんとでもなりますが、\\n これではジリ貧ですわ」",
"343000431_17": "「あちらのマスターが止めない限りは、命令通りに動くでしょうね。\\n 例え、メロウ自身が壊れるようなダメージを受けても……」",
"343000431_18": "「じゃあ、大人しくさせても無駄なのカ?」",
"343000431_19": "「そんなことはわからない。\\n だが、彼女をただ破壊するだけなど……」",
"343000431_20": "「……そうか、そういうことだったのか」",
"343000431_21": "「何を理解した。\\n 自分の人形では勝てないと悟ったかッ」",
"343000431_22": "「ああ、勝てないだろうな。\\n あいつらは勝つつもりがそもそも無いのだから」",
"343000431_23": "「なんだと?」",
"343000431_24": "「お前たち、よく聞けッ!」",
"343000431_25": "「マスターッ!?」",
"343000431_26": "「責任はオレが取る。",
"343000431_27": " これは命令だ、全力で戦えッ!」",
"343000431_28": "「マスター……」",
"343000431_29": "「私たちのマスターが全力で戦えと言うのであれば」",
"343000431_30": "「もう迷いませんわ」",
"343000431_31": "「相手が誰であろうとッ!」",
"343000431_32": "「全力で戦ってやるゾッ!」",
"343000431_33": "「命令1つで人形の性能が上がるとでも思ったのか。\\n 何も変わりはしない、何もな」",
"343000431_34": "(お前たちがどんなことで迷っているのかは知らん。\\n あいつを助けようとする理由も",
"343000431_35": "(だが、それが枷になっているのであれば、\\n そんなものはオレが断ち切ってやる",
"343000431_36": "(それは他の誰にもできはしない。\\n お前たちのマスターであるオレにしかできないことだ"
}

View file

@ -0,0 +1,42 @@
{
"343000432_0": "「ごめんなさいね、こちらもあなたの動きは見切らせてもらったわ。\\n もう私に攻撃は届きません」",
"343000432_1": "「攻撃、届カナイ?」",
"343000432_2": "「地味に接近しようとしても無駄だ。\\n 私がそれを許さないからな」",
"343000432_3": "「ドウシテ、近ヅケナイ?」",
"343000432_4": "「動けないようにガリィちゃんが凍らせましたからね。\\n 悪いですけど、もう避けることすらできませんよ」",
"343000432_5": "「攻撃、避ケラレナイ?」",
"343000432_6": "「ごめん、あたしが動けなくなるように\\n ちゃんと解剖してやるゾッ」",
"343000432_7": "「アアアアア――ッ!」",
"343000432_8": "「ば、バカな、戦いは互角だったはずだ。\\n それがなぜこうも一方的に……」",
"343000432_9": "「命令通り、全力で戦いましたわ。マスター」",
"343000432_10": "「よくやった。\\n さて、オレもそろそろこいつを捕まえて帰るとするか」",
"343000432_11": "「なッ……」",
"343000432_12": "「私の網を……いとも簡単に……」",
"343000432_13": "「相手の力量すら測れないお前に、\\n 最初から勝ち目なんてものは無かったんだ」",
"343000432_14": "「さあ、覚悟はできているな。\\n 一体、誰にケンカを売ったのかわからせてやる」",
"343000432_15": "「くッ……」",
"343000432_16": "「おいッ、駄目人形ッ!\\n いつまで寝ているッ 命令だ、私を護れッ」",
"343000432_17": "「あいつらの攻撃をまともに受けたんだ。\\n 動けるわけがない」",
"343000432_18": "「マ、マスター……マスター、護ル……」",
"343000432_19": "「あれだけの攻撃を受けてまだ動くのかッ!?」",
"343000432_20": "「あんな状態でもまだマスターの命令を……」",
"343000432_21": "「何年も、何十年も錬金術師として研究を重ねてきた。\\n この私がここで終わるはずがない、終わっていいはずがないッ」",
"343000432_22": "「マスター、護、ル……敵、排除……」",
"343000432_23": "「そうだ、全力で蹴散らせッ!」",
"343000432_24": "「お前は私の人形だ。四肢を失おうと命令を実行しろッ!\\n 道具として最期まで働くのだッ」",
"343000432_25": "「フル、パワー……壊レ……」",
"343000432_26": "「もういい、見ていられん。\\n お前たちはその自動人形を押さえつけ――」",
"343000432_27": "「マス、ター……メロウ、最期……、命令……」",
"343000432_28": "「こいつ、どこを攻撃しているんだッ!?」",
"343000432_29": "「攻撃の出力を上げているのに\\n 踏ん張りが効いていませんわ」",
"343000432_30": "「これでは軌道が読めないぞッ!」",
"343000432_31": "「アハハハッ! そうだ、それでいいッ!\\n 躰体が砕けようと殲滅するまで撃ち続けろッ」",
"343000432_32": "「こいつらさえ始末できればいいッ!\\n そうすれば、私は錬金術師として――」",
"343000432_33": "「えッ……?」",
"343000432_34": "「うあああああッ!!」",
"343000432_35": "「マ、スター……」",
"343000432_36": "「ふん、ここは海底にある研究所だぞ。\\n 手当たり次第に攻撃をしていれば、いずれ亀裂が入り崩壊する」",
"343000432_37": "「そんなことも予測できなかったか」",
"343000432_38": "「……いや、瓦礫の下ではもう声すら届かないだろうな。\\n 哀れな錬金術師には妥当な最期だ」",
"343000432_39": "「マ<size=28>ス、</size><size=26>ター……</size><size=24>ド、</size><size=23>コ……マス――</size>」"
}

View file

@ -0,0 +1,37 @@
{
"343000441_0": "「事件の犯人が死亡してしまっては、もうここに用はない。\\n 完全に崩れる前に戻るぞ」",
"343000441_1": "「はい、マスター」",
"343000441_2": "「……」",
"343000441_3": "「その自動人形は完全に機能停止した。\\n あれだけ無茶をしたんだ、当然といえば当然だがな」",
"343000441_4": "「ええ、まあそうなんですけどね……」",
"343000441_5": "(やはり、あの自動人形が気になっているようだな。\\n こいつらがこんな顔をするとは",
"343000441_6": "「…………」",
"343000441_7": "「……お前たち、その自動人形を運べるか?」",
"343000441_8": "「運べるかとは、どういうことでしょう?」",
"343000441_9": "「あの錬金術師は死んでしまったからな。\\n ただ、何も得られずに帰るのも気に食わん」",
"343000441_10": "「あれの自動人形なら、何か有益な情報を持っているだろう。\\n 連れて行くだけの価値はある」",
"343000441_11": "「いいんですかね。\\n 彼女はガリィたちを攻撃してきた敵ですけど」",
"343000441_12": "「命令をされたから攻撃してきただけだ。\\n だって、自動人形なのだからな――」",
"343000441_13": "「命令だ、地上に戻るまで落とさずに連れてこい」",
"343000441_14": "「わかったゾ、マスターッ!」",
"343000441_15": "「メロウ、メロウッ! 一緒に行くゾッ!」",
"343000441_16": "「……」",
"343000441_17": "「機能は停止してんだから、答えらんないだろ」",
"343000441_18": "「ったく、あんたの手で持つと、\\n 余計に壊れるんだから、触るな」",
"343000441_19": "「うぅ、動けないようにやったけど、やりすぎちゃったゾ……」",
"343000441_20": "「マスターを救うために必要なことでしたわ。\\n それに命令でもありましたから」",
"343000441_21": "「そして今は彼女を救えという命令を受けている。\\n ならば、全力でその意に応えてみせよう」",
"343000441_22": "「まあ、うちのマスターは優秀ですからねー。\\n これくらいならちゃちゃっと直しちゃうんじゃないですか」",
"343000441_23": "「だと嬉しいゾッ!\\n また、メロウと話したいんだゾッ」",
"343000441_24": "「連れ出すのにどれだけ時間がかかっているんだ。\\n さっさとここを出るぞ」",
"343000441_25": "「了解です、マスター」",
"343000441_26": "「降ってくる邪魔な瓦礫はオレが蹴散らす。\\n お前たちは後ろからついて来い」",
"343000441_27": "「まったく、変な事件に巻き込まれてしまったな……」",
"343000441_28": "「なあ、ガリィ……」",
"343000441_29": "「なんですか、彼女を持ちたいってお願いなら\\n 却下ですからねー」",
"343000441_30": "「やっぱり、自動人形はマスターの道具なのカ?」",
"343000441_31": "「……まあ、少なくともあの錬金術師とメロウの関係は\\n それ以上のものじゃなかったんじゃねーの」",
"343000441_32": "「それでいいんですよ。マスターのお役に立てるなら……」",
"343000441_33": "「ああ、私たちはマスターのために\\n 存在している人形だからな」",
"343000441_34": "「そっか……」"
}

View file

@ -0,0 +1,90 @@
{
"343000511_0": "特別なマスター",
"343000511_1": "「やっと外に出られたか。\\n お前たちも大丈夫だな」",
"343000511_2": "「はい、問題無く」",
"343000511_3": "「まずはあの男に報告しに行かないとなんだが」",
"343000511_4": "「来る必要はないよ、僕が来たのだから」",
"343000511_5": "「随分と遅い到着だな、今までどこで何をしていた」",
"343000511_6": "「待っていたんだよ、\\n キミたちがはぐれ錬金術師を捕らえるのを」",
"343000511_7": "「待っていただと?\\n それはどういうことだ」",
"343000511_8": "「キミを狙うと思っていたからね、知識を求めて。\\n そういう錬金術師だからさ、あのオレムは」",
"343000511_9": "「全部知っていたのかッ!」",
"343000511_10": "「全部は知らなかったよ、残念ながらね。\\n ただ、僕かキミだろうね、あの場で狙うのなら」",
"343000511_11": "「オレのことを餌にしたのか?」",
"343000511_12": "「逃したくなかったからね、この機会を」",
"343000511_13": "「やってくれたな」",
"343000511_14": "「簡単に返り討ちにできると思ったんだよ、キミならね」",
"343000511_15": "「その期待通り、返り討ちにしてやったぞ。\\n ……まあ、奴は死んだがな」",
"343000511_16": "「そうか……」",
"343000511_17": "「とにかくよかったよ、キミたちが無事で。\\n しないといけないね、礼を」",
"343000511_18": "「ふん、礼ならこいつらにしてやってくれ。\\n 今回働いたのはオレじゃないからな」",
"343000511_19": "「なるほど。\\n それじゃ言ってくれ、なんでも、遠慮なくね」",
"343000511_20": "「無いゾ」",
"343000511_21": "「ガリィちゃんも遠慮しときます」",
"343000511_22": "「別に必要なものは足りていますので」",
"343000511_23": "「地味に辞退する」",
"343000511_24": "「いかないよ、そういうわけには。\\n 大事だからね、対価は」",
"343000511_25": "「むしろお礼を言うのはこっちだゾッ!」",
"343000511_26": "「僕に? 覚えがないね、礼を言われるようなことなんて。\\n 何かあったかな」",
"343000511_27": "「この水着のことですわ。\\n 水辺での戦いがしやすくて助かりました」",
"343000511_28": "「何かしらの錬金術を施してあったんでしょうね、\\n いつもよりパワーアップしたガリィちゃんでしたから」",
"343000511_29": "「おかげで慣れない水辺でもアルカ・ノイズに\\n 派手に遅れを取らなかった」",
"343000511_30": "「何より、見た目もめちゃくちゃいいゾッ!\\n あたし、この水着大好きだゾッ」",
"343000511_31": "「ミカちゃんははしゃぎすぎですけどー。\\n 確かに素敵なデザインですよ」",
"343000511_32": "「うれしいよ、喜んでくれて」",
"343000511_33": "「でも残念ながら、僕じゃないんだよね。\\n その水着を作ったのは」",
"343000511_34": "「え?」",
"343000511_35": "「おいッ! ちょっと待て、何を――」",
"343000511_36": "「嘘だったんだよ、僕からの贈り物というのは。\\n 本当は彼女が作ったものなのさ、その水着はね」",
"343000511_37": "「ええッ!?」",
"343000511_38": "「それは言うなと言っておいたはずだぞッ!」",
"343000511_39": "「それ相応の礼が必要だからね、彼女たちには。\\n 見合ったものだと思うよ、僕はね」",
"343000511_40": "「ふざけるなッ!」",
"343000511_41": "「その話は本当なのですか、マスター?」",
"343000511_42": "「くッ……」",
"343000511_43": "「……こいつのデザインは壊滅的に悪かったからな」",
"343000511_44": "「マスターが水着を作ってくれたのカッ!\\n 嬉しいゾ、ありがとうだゾッ」",
"343000511_45": "「私たち個々に合うようデザインもしてくれたのですね。\\n 感謝しますわ、マスター」",
"343000511_46": "「衣類のことはわかりませんが、大変だったはずです。\\n それを私たちのために……」",
"343000511_47": "「オレはお前たちのマスターだ。\\n 着るものの面倒くらい、別に手間でもなんでもない」",
"343000511_48": "「おやおや、照れているんですかー。\\n まあ、自分で作ったことを隠しちゃうくらいですからねー」",
"343000511_49": "「相変わらず性悪だなお前は。\\n だから言いたくなかったんだ……」",
"343000511_50": "「やっぱり、あたしたちのマスターは優しいゾッ!」",
"343000511_51": "「マスターの<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>であることを\\n 誇りに思います」",
"343000511_52": "「私たちのマスターは他のマスターとは違う。\\n 命を賭けるに値するマスターだ」",
"343000511_53": "「なんだ、急に。\\n たかが水着つで大げさだな」",
"343000511_54": "「あれです、マスター。\\n ガリィちゃんたちもマスターが大好きだってことですよ」",
"343000511_55": "「ふん、お前はまたそうやって……、まあいい。\\n 今日は疲れた、もう休むぞ」",
"343000511_56": "「明日で構わないよ、報告は」",
"343000511_57": "「ところで、それは何かな?\\n ずっと気になっていたけど」",
"343000511_58": "「……」",
"343000511_59": "「壊れた自動人形かな?\\n どうして、ここに」",
"343000511_60": "「彼女は……」",
"343000511_61": "「こいつらの恩人だ」",
"343000511_62": "「えッ!?」",
"343000511_63": "「恩人か、なるほど。\\n ひどく損傷しているようだけど、見たところ」",
"343000511_64": "「……修理すれば動きそうだね、これなら」",
"343000511_65": "「メロウは直るんだゾッ!?」",
"343000511_66": "「ああ、直せると思うよ。\\n キミたちのマスターなら」",
"343000511_67": "「おおッ! マスター、メロウ直せるカ?」",
"343000511_68": "「……すぐは無理だ。\\n 失った部品を探すだけでもかなりの時間がかかる」",
"343000511_69": "「こちらで用意するよ、必要な部品を。\\n 用意しようか、なんなら助手も」",
"343000511_70": "「……だが、直したところで、誰が管理する?」",
"343000511_71": "「キミでもいいよ、管理したいのなら。\\n 不要なら、協会が受け持つよ」",
"343000511_72": "「欲しかったんだよ、パークの管理者がね。\\n ビジュアルもピッタリじゃないか、マーメイドだから」",
"343000511_73": "「まあ、見た目はそうだろうが」",
"343000511_74": "「頼めるかな?\\n 全て僕に請求していいから、かかった費用は」",
"343000511_75": "「随分と気前がいいな」",
"343000511_76": "「願いなんだろう? <ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>たちの。\\n その自動人形の修理が」",
"343000511_77": "「ならば惜しまないさ」",
"343000511_78": "「……わかった」",
"343000511_79": "「よかったですわ、彼女は直るのですね」",
"343000511_80": "「マスター、あたしに手伝えることがあるなら言ってほしいゾ。\\n 早くメロウに直ってほしいんだゾッ」",
"343000511_81": "「私たちにも手伝わせてください」",
"343000511_82": "「ガリィちゃんも応援してあげますよー」",
"343000511_83": "(ふっ、確かに。これ以上の礼は無いか。\\n 早々に直してやるべきだな",
"343000511_84": "「そうだ、忘れていたよ、水着の話が途中だったね」",
"343000511_85": "「……は?」",
"343000511_86": "「言ったんだよ、僕がデザインした水着を見たときに。\\n あいつらにこのデザインは似合わないと――」",
"343000511_87": "「<size=40>お前はもう黙っていろッ!</size>」"
}