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@ -0,0 +1,18 @@
{
"344000111_0": "セレナとヴェイグ",
"344000111_1": "「ここから先には、進ませませんッ!」",
"344000111_2": "「大丈夫ですか?」",
"344000111_3": "「あ、ああ……ッ!」",
"344000111_4": "「今のうちに早くッ!\\n ここはわたしに任せて避難してくださいッ」",
"344000111_5": "「わかった、ありがとうッ!」",
"344000111_6": "「これでほとんどの人は避難できたはず。\\n あとは――」",
"344000111_7": "「くッ……」",
"344000111_8": "(大丈夫か?)",
"344000111_9": "(はい、大丈夫です。\\n ここで負けるわけにはいきません……ッ",
"344000111_10": "「クソッ F.I.S.の装者かッ!\\n 俺の仕事を邪魔しやがってッ」",
"344000111_11": "「大人しく投降してください。\\n これ以上、被害を広げないでッ」",
"344000111_12": "「うるさい、お前みたいな小娘に降参するかッ!」",
"344000111_13": "「こっちにはまだこれがあるッ!」",
"344000111_14": "「フフ……、\\n さすがに人でこの数相手はどうしようもないだろう」",
"344000111_15": "「わたしは1人じゃありませんッ!\\n 言うことを聞いていただけないなら、手加減しませんよッ」"
}

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@ -0,0 +1,17 @@
{
"344000121_0": "「全部倒されただと……ッ!?」",
"344000121_1": "「これ以上やるつもりですか?」",
"344000121_2": "「ひい……ッ!?」",
"344000121_3": "「と、投降するッ! もうアルカ・ノイズも無いッ!\\n 大人しくするから、命だけは助けてくれ……ッ」",
"344000121_4": "「……」",
"344000121_5": "「俺だって本当はこんなことしたくなかったんだ。\\n ボスに脅されて、仕方なく……」",
"344000121_6": "「そうですか……。諦めてくれたのならいいんです。\\n わたしと一緒に……」",
"344000121_7": "(ダメだセレナッ!\\n こいつ、悪意の匂いが消えてない……ッ",
"344000121_8": "(え……)",
"344000121_9": "「バカめッ! 騙されたな小娘ッ!\\n 死ねええッ」",
"344000121_10": "「きゃあああ――ッ!」",
"344000121_11": "「不意を打てば、装者だって――」",
"344000121_12": "「そうはさせませんッ!」",
"344000121_13": "「何いッ!?」",
"344000121_14": "「もう怒りました……ッ!」"
}

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@ -0,0 +1,42 @@
{
"344000122_0": "「錬金術師の確保、完了しました」",
"344000122_1": "「ご苦労様です。\\n 怪我はありませんか」",
"344000122_2": "「大丈夫です。大きな怪我はしていません。",
"344000122_3": " でも、街の被害は……」",
"344000122_4": "「幸いにして市民に犠牲者はいませんが、\\n 建物にはかなりの被害が出てしまいました」",
"344000122_5": "「……あなたが油断せず、迅速に錬金術師を確保していれば、\\n ここまで被害は大きくならなかったはずです」",
"344000122_6": "「はい……」",
"344000122_7": "「セレナ、あなたは優しすぎます。\\n 時には非情にならなければ、敵に付け入られてしまいますよ」",
"344000122_8": "「結果として傷つくのは、あなただけでなく、\\n 護るべき誰かかもしれないのです」",
"344000122_9": "「ごめんなさい……」",
"344000122_10": "「あなたはもっと……、いえ、ここで話すことではありませんね。\\n ご苦労様でした、帰投しなさい」",
"344000122_11": "「は、はいッ!」",
"344000122_12": "「優しすぎる、か……」",
"344000122_13": "(まあ、そう落ち込むなって。\\n 被害者が出なかったのはセレナが戦ったおかげだろ",
"344000122_14": "(はい……。でも、マムはきっと、\\n わたしを想って言ってくれてるんだと思うんです",
"344000122_15": "(それから、さっきは危ないって教えてくれてありがとう\\n ございます。言ってくれなかったら、危なかったかも……",
"344000122_16": "(それくらいは、お安い御用だ)",
"344000122_17": "「この声の主は、ヴェイグさん。多くの聖遺物を作った\\n 精霊ドヴェルグ族の最後の生き残りです」",
"344000122_18": "「彼とは、すべての並行世界を飲み込みかけた大災厄、\\n 世界蛇と戦っている最中に出会いました」",
"344000122_19": "「過去に人間の争いに巻き込まれて、\\n 人間が信用できなくなってしまったヴェイグさんは」",
"344000122_20": "「聖遺物グレイプニルで作り出した超空間、\\n ミレニアムパズルにずっと人で暮らしていました」",
"344000122_21": "「だけど、わたしたちを信用して、力を貸してくれたんです」",
"344000122_22": "「その後は、わたしの中に作った小さな\\n ミレニアムパズルに住んでいて、行動を共にしています」",
"344000122_23": "「人間には協力しないと言いながらも、\\n いろいろと気になるようで……」",
"344000122_24": "「今は、わたしの先生というか、友達というか、\\n 相棒というか……そんな感じです」",
"344000122_25": "(ホントお前は優しいというか、お人好しというか……。\\n あんな見え見えの猿芝居に騙されるなよ",
"344000122_26": "(ご、ごめんなさい……。でも、自分の意思ではなく\\n 命令に従っただけって言ってたから……",
"344000122_27": "(つまりは、敵に同情してしまったってことか……)",
"344000122_28": "(…………)",
"344000122_29": "(……――)",
"344000122_30": "(まあ、そんなお前だから一緒にいようと思ったんだけどさ……)",
"344000122_31": "(でも、こういうときに1人で戦ってると大変だよな。\\n 誰かがサポートしてくれるわけでもないし",
"344000122_32": "(わたしは1人じゃないですよ。\\n 住む世界は違うけど、大切な仲間と心で繋がってる……",
"344000122_33": "(大切な仲間、か)",
"344000122_34": "(それに、ヴェイグさんだってそのうちの1人ですよ)",
"344000122_35": "(今のわたしたちがあるのは、\\n ヴェイグさんが力を貸してくれたおかげです",
"344000122_36": "(べ、別に、大したことはしてないだろ)",
"344000122_37": "(そういや、今度向こうの世界に行くとかなんとかって\\n 話をしてなかったか",
"344000122_38": "(はい、そろそろ定期報告の日なんです)",
"344000122_39": "(またみんなに会えるのが楽しみです。\\n 姉さんたちは、元気にしてるかな……ッ"
}

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@ -0,0 +1,18 @@
{
"344000211_0": "デモンストレーション",
"344000211_1": "――数日後",
"344000211_2": "「装者、現着しましたッ!」",
"344000211_3": "「アタシたちが相手デスよッ!」",
"344000211_4": "「間に合ったか」",
"344000211_5": "「はい。\\n 何者かから襲撃予告のあった、イギリス北部の都市です」",
"344000211_6": "「市民の避難は完了していますが、逃げ遅れた人がいるかも\\n しれません。気を付けてください」",
"344000211_7": "「了解ッ!」",
"344000211_8": "「それにしても、どこから湧いて出てくるのッ!?\\n このアルカ・イズたちはッ」",
"344000211_9": "「そんなこと、あたしに聞くなってのッ!」",
"344000211_10": "「アルカ・ノイズが出現した以上、\\n どこかにそれを操る人物がいるはずだ」",
"344000211_11": "「解決するためには、その人物を見つけて\\n 叩けばいいってことね」",
"344000211_12": "「だけど、アルカ・ノイズも止めないと……ッ!」",
"344000211_13": "「そのための仲間だろう」",
"344000211_14": "「アルカ・ノイズの殲滅、そして要救助者及び犯人の捜索、\\n 班に分かれ対応に当たってくれッ」",
"344000211_15": "「了解ですッ!」"
}

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@ -0,0 +1,36 @@
{
"344000212_0": "「今だ、クリスちゃんッ!」",
"344000212_1": "「言われなくても、わかってるッ!」",
"344000212_2": "「よし、順調に数が減っているな」",
"344000212_3": "「しかし、妙だな……」",
"344000212_4": "「妙とは?」",
"344000212_5": "「少なすぎる……」",
"344000212_6": "「この程度の敵を繰り出すとは、犯人は何が目的なんだ?」",
"344000212_7": "「確かに、骨のある敵とは言えないわね」",
"344000212_8": "「このあたりは大企業のオフィスも建ち並んでいます。\\n あるいは、それが目的という可能性も……」",
"344000212_9": "「しかし、それならばわざわざ襲撃予告を出す意味が無いだろう」",
"344000212_10": "「そうでしたね……」",
"344000212_11": "「ならば、襲撃はブラフ……?」",
"344000212_12": "「もしくは別の目的があっての襲撃だということだ。\\n いずれにしても注意が必要だな」",
"344000212_13": "「捜索班の方はどうだ?」",
"344000212_14": "「今のところ、誰も見つかっていません」",
"344000212_15": "「ひょっとして、もう逃げちゃったデスかね……?」",
"344000212_16": "「待って、あそこ……ッ!」",
"344000212_17": "「ひ……ッ!」",
"344000212_18": "「あ、あなたたちは……?」",
"344000212_19": "「救助の者です。あなたは……」",
"344000212_20": "「この建物の、ビルデラント社の社員です。\\n 逃げ遅れてしまって、ここに隠れていて……」",
"344000212_21": "(社員証もつけてるし、本当に逃げ遅れた人みたいだね)",
"344000212_22": "(そうデスね。アルカ・ノイズを繰り出した\\n 錬金術師ではなさそうデス",
"344000212_23": "「見つけられてよかったです。\\n 避難場所まで誘導しますね」",
"344000212_24": "「あ、ありがとうございます……ッ!」",
"344000212_25": "「女性の引き渡し、完了しました」",
"344000212_26": "「ああ、よくやってくれた。\\n 安全の確保は任せてくれ」",
"344000212_27": "「しかし、犯人は見つけられぬままか……。\\n 一体、どこに潜んでいるのか……」",
"344000212_28": "「ハッハッハッハッハ……ッ!\\n アルカ・イズは一蹴されたかッ」",
"344000212_29": "「はッ、シンフォギア装者は健在です」",
"344000212_30": "「そうでなければ意味が無いッ!\\n シンフォギア……欲しくなってきたぞ」",
"344000212_31": "「いかがいたしましょう?」",
"344000212_32": "「いや、計画に変更はない。\\n 所詮、私の力には及ばないのだからな」",
"344000212_33": "「余興はもう十分、例のものを出せッ!」"
}

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@ -0,0 +1,34 @@
{
"344000221_0": "「どうやら、こいつで打ち止めみたいだな」",
"344000221_1": "「本当にこの程度とは……。\\n 司令が言っていたとおり、なにか裏がありそうだ」",
"344000221_2": "「響ッ! 大丈夫だった?」",
"344000221_3": "「うんッ! そっちは?」",
"344000221_4": "「逃げ遅れた人は見つけたデスけど、\\n 犯人はいなかったデス……」",
"344000221_5": "「もう、どこかに逃げてしまったのかも……」",
"344000221_6": "「待って、この音は……ッ!?」",
"344000221_7": "「あれは……ッ!?」",
"344000221_8": "「黒い、機械ッ!?」",
"344000221_9": "「こんなにたくさん、どこから現れたんだッ!?」",
"344000221_10": "「砲台……まさか、戦車なのッ!?」",
"344000221_11": "「違うデスよ、調。\\n 戦車は車だから戦車で、歩いてたら戦車じゃないデスッ」",
"344000221_12": "「どっちでもいいッ!\\n それより、嫌な予感がビンビンするんだが――」",
"344000221_13": "「うわあッ!? こ、攻撃してきたッ!」",
"344000221_14": "「チッ……やっぱりな」",
"344000221_15": "「アルカ・ノイズは前座に過ぎなかったというわけね……」",
"344000221_16": "「そういうことなら相手してやるッ!」",
"344000221_17": "「まとめてスクラップになりやがれッ!」",
"344000221_18": "「嘘だろッ!?」",
"344000221_19": "「先輩の攻撃を軽々と避けてッ!?",
"344000221_20": " だったら、今度はアタシたちが。行くデスよ、調ッ!」",
"344000221_21": "「任せて、切ちゃんッ!」",
"344000221_22": "「なんデスとッ!?」",
"344000221_23": "「硬い……ッ!」",
"344000221_24": "「きゃあああ――ッ!?」",
"344000221_25": "「調、切歌ッ!?」",
"344000221_26": "「だ、大丈夫デース……」",
"344000221_27": "「でも、今の攻撃、火器とは違う……」",
"344000221_28": "「まさか、あの兵器も錬金術の力でッ!?」",
"344000221_29": "「現状でそこまではわかりませんが、\\n 超常的な力が組み込まれていることは間違いないようですッ」",
"344000221_30": "「どちらにしろ、敵の正体がまだ掴めていない。\\n 十分に注意しながら戦闘に当たるんだッ」",
"344000221_31": "「了解ですッ!」"
}

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@ -0,0 +1,43 @@
{
"344000222_0": "「合わせろ、雪音ッ!」",
"344000222_1": "「ああッ!」",
"344000222_2": "「もう一押し、わたしも――ッ!」",
"344000222_3": "「倒すたびにド派手に爆発しやがって。\\n 壊れても迷惑な奴らだなッ」",
"344000222_4": "「しかし、1体1体がこの強さか。\\n アルカ・イズのようにはいかなそうだ」",
"344000222_5": "「くッ!\\n 防戦一方だと、いずれは――ッ」",
"344000222_6": "「だったら、アマルガムの火力で一気にッ!」",
"344000222_7": "「待って……ッ!」",
"344000222_8": "「さらに増えてッ!?」",
"344000222_9": "「攻撃も強くてこんなに数がいるのに、\\n アマルガムで防御を捨てたら……」",
"344000222_10": "「だけど、それならどうしたらいいんデスか……ッ!?」",
"344000222_11": "「響くんッ!」",
"344000222_12": "「はいッ!」",
"344000222_13": "「聖遺物ミョルニルを使用し、\\n デュオレリックで戦うんだッ」",
"344000222_14": "「了解ですッ!\\n で、でもこの場にミョルニルは……」",
"344000222_15": "「ああ、すぐに届けようッ!」",
"344000222_16": "「すでに軌道計算は完了済み。\\n 発射準備に入りますッ」",
"344000222_17": "「ミョルニル装填確認、座標設定……、完了。\\n 国連より周辺空域の飛行許可が下りましたッ」",
"344000222_18": "「いつでもいけますよ、司令ッ!」",
"344000222_19": "「行くぞッ! ミョルニル輸送ミサイル、発射ッ!」",
"344000222_20": "「ミサイルだとッ!?」",
"344000222_21": "「空中でミョルニルのパージを行う。\\n しっかり受け取れッ」",
"344000222_22": "「目的座標到着まであと10、9、8……」",
"344000222_23": "「見えたッ! クリスちゃんッ!\\n こっちもミサイルで……ッ」",
"344000222_24": "「あたしのも片道切符だぞッ!」",
"344000222_25": "「ここならッ!」",
"344000222_26": "「ミョルニル、パージしますッ!」",
"344000222_27": "「届いた――ッ!\\n ミョルニルの力を、ガングニールとつに――ッ」",
"344000222_28": "「反発の兆候はありません。\\n 安定していますッ」",
"344000222_29": "「これならッ!\\n まずは、一発目えええええ――ッ」",
"344000222_30": "「相変わらずのとんでも威力デースッ!」",
"344000222_31": "「この火力ならいける、彼女をサポートするわよッ!」",
"344000222_32": "「ついに出たかッ!\\n あれがデュオレリック……ッ」",
"344000222_33": "「聖遺物の力を宿したシンフォギアに、\\n さらに別の聖遺物を取り込み制御する、か」",
"344000222_34": "「なるほど、確かに大したパワーだッ!\\n 聖遺物ミョルニル、欲しい……ッ」",
"344000222_35": "「奴らには過ぎたおもちゃだな。\\n S.O.N.G.を潰した暁には、必ず手に入れるぞ」",
"344000222_36": "「はッ、そのように取り計らいます」",
"344000222_37": "「だが今は、調子に乗った小娘を黙らせなくてはな」",
"344000222_38": "「計画通り、あれを出せッ!」",
"344000222_39": "「準備は整っております」",
"344000222_40": "「ハッハッハッ……楽しみだ。\\n 希望の光が消えた時、奴らがどんな顔をするか」"
}

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@ -0,0 +1,11 @@
{
"344000231_0": "「どれだけ強くても、この雷撃でッ!」",
"344000231_1": "「立花が陣形を崩した、続くぞッ!」",
"344000231_2": "「さすがデュオレリックね。\\n でも、わたしたちも後れは取らないわッ」",
"344000231_3": "「ああッ! あいつを1人にはさせないッ!」",
"344000231_4": "「また増えて……ッ!?」",
"344000231_5": "「一体どれだけ出てくりゃ気が済むんだッ!」",
"344000231_6": "「でも、無限ではないはず」",
"344000231_7": "「大丈夫、みんなで力を合わせればこれくらい、\\n へいき、へっちゃらッ」",
"344000231_8": "「ああ、その通りだッ!\\n 確実に体を仕留めていくぞッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,37 @@
{
"344000232_0": "「はあ、はあ……、よし、あともう一踏ん張りッ!」",
"344000232_1": "「あんま無茶すんなよ。\\n お前が休むくらいの時間なら稼げるんだからな」",
"344000232_2": "「ありがとう。でも、へばってなんていられないよッ!\\n これ以上、街を壊させるわけにはいかないもん」",
"344000232_3": "「しかし、これだけの兵器を何者が……」",
"344000232_4": "「みなさん、気を付けてください。\\n あの兵器の後方から、新しいエネルギー反応がありますッ」",
"344000232_5": "「まさか、別の敵が……ッ!?」",
"344000232_6": "「あれは何かしら……?\\n 兵器のような見た目でもないし、数も体だけ……」",
"344000232_7": "「きっと、ヤバめの何かデスッ!\\n 気を付けた方がいいデスよッ」",
"344000232_8": "「だったら、仕掛けてくる前に――」",
"344000232_9": "「うんッ! ぶん殴るッ!」",
"344000232_10": "「こ、これは……ぐ、ぐあああああ――ッ!?」",
"344000232_11": "「どうした、立花ッ!?」",
"344000232_12": "「そ、そんなッ!\\n 聖遺物同士の反発が強まって……ッ」",
"344000232_13": "「なんだとッ!?」",
"344000232_14": "「響ッ! 大丈夫?」",
"344000232_15": "「はあ……はあ……」",
"344000232_16": "「デュオレリックが強制的に解除されたデスッ!?」",
"344000232_17": "「どうして……、あの新しい敵が光りだした途端、\\n ミョルニルを制御できなくなって……」",
"344000232_18": "「あの機械には、デュオレリックの維持を阻害する力が?」",
"344000232_19": "「分析は後よ。今考えるべきは……」",
"344000232_20": "「敵の対処だッ!」",
"344000232_21": "「いつの間にか、囲まれて……」",
"344000232_22": "「待った。様子がおかしいぞ」",
"344000232_23": "「攻撃、してこない……?」",
"344000232_24": "「これは……錬金術による転送です。\\n 自走砲台とあの装置の反応が完全に消えました……」",
"344000232_25": "「ここまで追い込んでトドメを刺さないだと?\\n 奴らの目的は一体……」",
"344000232_26": "「エネルギー源が不調をきたしたようです。\\n やむなく撤退を……」",
"344000232_27": "「知ったことかッ!\\n いいところだったというのにッ」",
"344000232_28": "「申し訳ありま――」",
"344000232_29": "「黙れッ!」",
"344000232_30": "「ぐッ!? こ、国王さ……ま……」",
"344000232_31": "「使えない者は不要だ」",
"344000232_32": "「まあいい、試運転として十分な結果を得られた」",
"344000232_33": "「次はより大きな舞台で、世界中の注目を浴びた上で\\n 行うとしようッ」",
"344000232_34": "「シンフォギア装者よ、せいぜい派手に抵抗してくれよ」"
}

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@ -0,0 +1,62 @@
{
"344000311_0": "襲撃者の嗤笑",
"344000311_1": "「今、現場から回収した兵器の解析を行っていますが、\\n 詳しいことはまだわかっていません」",
"344000311_2": "「ただ、あの兵器は錬金術や聖遺物由来の異端技術など、\\n 様々な要素を組み合わせ作られているようです」",
"344000311_3": "「ですが、骨組みにあるのは、異端技術ではなく、\\n 高度な工業技術によるもの……」",
"344000311_4": "「そんなことができる相手って……」",
"344000311_5": "「ぜんっぜん見当がつかないデスッ!」",
"344000311_6": "「目的も不明なままだわ。襲撃予告を出した犯人は一体、\\n なんのためにあんなことを……」",
"344000311_7": "「襲撃予告に、デュオレリックへの対応の手際のよさ……」",
"344000311_8": "「我々をおびき出し戦うこと自体が目的だった、\\n という可能性が高い」",
"344000311_9": "「最初から、デュオレリックを封じるつもりで……」",
"344000311_10": "「だとしたら敵は、シンフォギアの存在はおろか、\\n デュオレリックのことまで把握していたことになります」",
"344000311_11": "「そんな存在は――」",
"344000311_12": "「……ッ!?」",
"344000311_13": "「これは……、",
"344000311_14": " 何者かより、音声ファイルが送信されてきました」",
"344000311_15": "「差出人不明、送信元もたどれないよう細工がしてあります。\\n ですが、恐らくは……」",
"344000311_16": "「……再生してくれ」",
"344000311_17": "「この度の戦いはエキサイティングだったよッ!\\n 初めましてッ 装者の諸君」",
"344000311_18": "「な、なんだぁッ!? やけにテンションが高いが……」",
"344000311_19": "「君たちは実によく頑張った――」",
"344000311_20": "「だが、残念だったね。シンフォギアより、\\n わたしの作った兵器の方が優秀だったようだ」",
"344000311_21": "「そのことは、実際に戦った君たちが\\n 番よくわかっているだろう」",
"344000311_22": "「……ッ!」",
"344000311_23": "「やはり、襲撃を行った犯人か……」",
"344000311_24": "「敗北してしょぼくれているところ申し訳ないが、私ものんびり\\n とはしていられないのでね。計画を進めさせてもらおう」",
"344000311_25": "「次はアレを、世界中の主要都市に送るつもりだ」",
"344000311_26": "「なんだとッ!?」",
"344000311_27": "「何万人もの人間が、恐怖とともに私の力を思い知るだろう。\\n クク……考えただけでも胸が躍るッ」",
"344000311_28": "「ああ、だがね、邪魔をするななどと、\\n 無粋なことを言うつもりはない」",
"344000311_29": "「また遊ぼうではないか。\\n クク……ハッハッハッハッハッ――」",
"344000311_30": "「……内容はここまでです」",
"344000311_31": "「どこのどなた様だか知らないが、\\n ふざけてやがる……ッ」",
"344000311_32": "「まずは国連に報告だ。\\n それから、S.O.N.G.としての対応は……」",
"344000311_33": "「そんなの、戦って止めるしかないだろッ!」",
"344000311_34": "「奏ッ!?」",
"344000311_35": "「こんにちは」",
"344000311_36": "「セレナまでッ!?」",
"344000311_37": "「今日は定時報告の予定だったろ。\\n だけど、それどころじゃない事態みたいだな……」",
"344000311_38": "「世界中に宣戦布告だなんて……」",
"344000311_39": "「冗談みたいな話デスけど、たぶん相手は本気デス……」",
"344000311_40": "「うん。わたしたちは、実際にその兵器と戦った」",
"344000311_41": "「そんな……」",
"344000311_42": "(人間ってのはうんざりするほど昔から変わらないな)",
"344000311_43": "(ヴェイグさん?)",
"344000311_44": "(オレたちドヴェルグ族は、\\n 人間同士の醜い戦いに巻き込まれて滅んだ",
"344000311_45": "(理由は知らないが、わざわざ戦いの火種を振りまくなんて、\\n なんて愚かなんだ……",
"344000311_46": "(……そう、ですね……)",
"344000311_47": "(……)",
"344000311_48": "(だけど、わたしもこの人を止めることに協力したいです)",
"344000311_49": "(それが、ヴェイグさんの嫌う醜い戦いだとしても……)",
"344000311_50": "(誰かが止めなければ、たくさんの人が\\n 傷つくことになってしまうと思うから……ッ",
"344000311_51": "(もし、一緒にいるのが嫌だったら、\\n お家でお留守番を……",
"344000311_52": "(いや、一緒にいるよ。危なっかしいし、お前が\\n 善意からそう言っていることはわかってるからな",
"344000311_53": "(だけど、首は突っ込まない。見守るだけだ)",
"344000311_54": "(うん。ありがとう、ヴェイグさん)",
"344000311_55": "「司令、米国から緊急連絡が入りましたッ!」",
"344000311_56": "「米国からだとッ!?」",
"344000311_57": "「現在、アルカ・ノイズと謎の兵器に攻撃を受けている。\\n 救援求む、とッ」",
"344000311_58": "「有言実行というわけか。\\n ならば、やることはつだ」",
"344000311_59": "「お前たちには現場へ向かってもらう。\\n 急ぎ、準備をしろッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,38 @@
{
"344000321_0": "「くそッ、クモの子みたいに群れやがってッ!」",
"344000321_1": "「装者、2人1組に分かれ各地で交戦開始しましたッ!」",
"344000321_2": "「相手は、アルカ・ノイズと例の自走砲台か……」",
"344000321_3": "「しかも、あいつが目を光らせてるッ!」",
"344000321_4": "「あれがいなければデュオレリックが使えるのにッ!」",
"344000321_5": "「ああ。だが、一番後ろでお姫様気取りだッ!\\n あれを先に叩かないとッ」",
"344000321_6": "「このまま突っ込むぞッ!\\n あたしの銃弾に続けッ」",
"344000321_7": "「うんッ!\\n 切り崩すよッ」",
"344000321_8": "「響、頑張って……ッ!」",
"344000321_9": "「うんッ! 倒したら未来のところにちゃんと帰るよッ!」",
"344000321_10": "「未来もS.O.N.G.のこと、お願いねッ!」",
"344000321_11": "「うん……ッ!」",
"344000321_12": "「それから……」",
"344000321_13": "「だあーッ! 今は戦いに集中しろってッ!」",
"344000321_14": "「ご、ごめんッ!\\n それじゃ未来、待っててねッ」",
"344000321_15": "「……」",
"344000321_16": "「今のところは、互角の戦いみたいですね」",
"344000321_17": "「ああ、あたしたちも一緒に戦えたらいいんだが……」",
"344000321_18": "「なあ、ダンナ。なんであたしたち3人だけお留守番なんだよ」",
"344000321_19": "「ここを手薄にはできん。装者をおびき出した上で\\n 標的にされる可能性は十分にあるからな」",
"344000321_20": "「それは、そうだけど……」",
"344000321_21": "「今は、マリア姉さんたちを応援しましょう……」",
"344000321_22": "「よそには行かせないわッ!」",
"344000321_23": "「ああ、市民に手を出させるものかッ!」",
"344000321_24": "「……ッ!」",
"344000321_25": "「どうしたの?」",
"344000321_26": "「見てくれ。\\n 倒した兵器の頭部からこれが……」",
"344000321_27": "「手酷く損壊させてしまったが、\\n どうやら、こいつにとって命脈となる部品のようだ」",
"344000321_28": "「言ってみれば……。\\n コアパーツ」",
"344000321_29": "「ここ、特徴的なマークが刻印されているわね。\\n これなら、製造元の手がかりになるかもしれないわッ」",
"344000321_30": "「ああ、本部に照合を頼もう」",
"344000321_31": "「だけどその前に、これをなんとかしないと」",
"344000321_32": "「今は抑えられているけど、\\n これ以上増えたら厄介ね」",
"344000321_33": "「ああ。前回のように包囲されてしまえば為す術もない――」",
"344000321_34": "「なればこそ、今のうちに倒しきるぞッ!」",
"344000321_35": "「ええッ!」"
}

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@ -0,0 +1,32 @@
{
"344000322_0": "「ぐう……ッ!」",
"344000322_1": "「大丈夫ッ!?」",
"344000322_2": "「大丈夫デス。\\n でも、このままじゃジリ貧デスよ」",
"344000322_3": "「それなら……一緒に唄おう、切ちゃんッ!」",
"344000322_4": "「ッ!\\n ユニゾンデスね。待ってましたデスッ」",
"344000322_5": "「あああああああ――ッ!」",
"344000322_6": "「ハッハッハッハッハッ!\\n 装者諸君はなかなか健闘しているではないかッ」",
"344000322_7": "「いいのですか?\\n 数を増やし、一気に叩くこともできますが……」",
"344000322_8": "「すぐに終わらせてしまってはつまらないではないか」",
"344000322_9": "「まだシンフォギアの力も、我が兵器の力も十分に\\n 見せられていないというのにッ」",
"344000322_10": "「それにだ。私は見たいのだよ。希望を得た者が絶望の底へ\\n 叩き落されたときに見せる表情をッ」",
"344000322_11": "「今はまだその時ではない。\\n タイミングを見誤らないことだ」",
"344000322_12": "「……だが確かに。\\n ずっとこのままというのもいささか面白みに欠けるか」",
"344000322_13": "「……決めたぞ。新たな部隊の派遣を行えッ!」",
"344000322_14": "「見ていることしかできないなんて……」",
"344000322_15": "「わかってはいても、一緒に戦えないのは辛いね……」",
"344000322_16": "「……」",
"344000322_17": "(あたしたち3人は、\\n みんな力不足で悩んでいた過去があるんだな",
"344000322_18": "(それでもみんなと一緒に戦おうとあがいて得た力が、\\n デュオレリックだった",
"344000322_19": "(それが封じられた今、不安になる気持ちはわかる。\\n でも……",
"344000322_20": "「そんな顔すんなって。あたしたちは本部の護りを任されたんだ」",
"344000322_21": "「……ッ!",
"344000322_22": " そうですよね。弱気になっている場合じゃありませんでした」",
"344000322_23": "「はい、みんなが帰ってくる場所をしっかり護らないと」",
"344000322_24": "「そうだろ? もし敵が来たら……」",
"344000322_25": "「司令、本部周辺にエネルギー反応ッ!\\n これは……、例の自走砲台ですッ」",
"344000322_26": "「装者がいない隙を見計らって……ッ!」",
"344000322_27": "「ダンナッ!」",
"344000322_28": "「ああ、奴らの相手は、お前たちに頼むッ!\\n ここに近づけさせるなッ」",
"344000322_29": "「わかりました……ッ!」"
}

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@ -0,0 +1,17 @@
{
"344000331_0": "「こいつか、謎の兵器ってのは」",
"344000331_1": "「実際に対峙すると、迫力がありますね……」",
"344000331_2": "「気を付けて、あの砲台から攻撃が――」",
"344000331_3": "「くう……ッ!」",
"344000331_4": "「……なるほど、みんなが苦戦するわけだ」",
"344000331_5": "「大丈夫?」",
"344000331_6": "「はい、なんとか逸らせました」",
"344000331_7": "(この攻撃は……)",
"344000331_8": "(ヴェイグさん?)",
"344000331_9": "「来るぞッ! 油断するなッ!」",
"344000331_10": "「は、はい……ッ!」",
"344000331_11": "「あたしが敵を引きつけるから、援護は頼んだぞッ!」",
"344000331_12": "「わかりましたッ!」",
"344000331_13": "「任せてくださいッ!」",
"344000331_14": "「覚悟しろよ。\\n 本部には指一本触れさせないからなッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,69 @@
{
"344000332_0": "「これで、どうだ……ッ!」",
"344000332_1": "「体勢が崩れたッ! 今のうちに……ッ!」",
"344000332_2": "「はいッ!」",
"344000332_3": "「よし、この調子で残りも片付けて……」",
"344000332_4": "「撤退していく……?」",
"344000332_5": "「終わったんでしょうか……?」",
"344000332_6": "「本部に装者が残っているのは想定外だったのかもしれんな」",
"344000332_7": "「それで一時撤退したってわけか」",
"344000332_8": "「撤退の理由はどうあれ、よく戦ってくれた。\\n ひとまず本部に戻ってくれ」",
"344000332_9": "「了解です」",
"344000332_10": "「なんとかなってよかった……」",
"344000332_11": "(セレナ……)",
"344000332_12": "(どうしたんですか? そういえば、\\n さっきは何か言いかけてたみたいでしたが……",
"344000332_13": "(兵器の攻撃をこの目で見てわかった。\\n そのエネルギー源となっているモ……",
"344000332_14": "(間違いない。\\n あれは、ドヴェルグ族の技術だッ",
"344000332_15": "「なるほど、あの兵器に、\\n ドヴェルグ族の技術が使われている、か……」",
"344000332_16": "「はい、ヴェイグさんはそう言っています」",
"344000332_17": "「現代科学や錬金術の技術が混ざってはいるけれど、\\n 根幹にあるのは確かにドヴェルグ族の技術だそうです」",
"344000332_18": "「そしてその技術を、人間があそこまで\\n 意のままに使いこなすことはありえない……」",
"344000332_19": "「つまり、相手側には、ヴェイグさんとは別の、\\n ドヴェルグ族の生き残りがいるんじゃないかと……ッ」",
"344000332_20": "「……なるほど、これで話が繋がったかもしれん」",
"344000332_21": "「繋がったって?」",
"344000332_22": "「翼たちが倒した兵器のコアパーツとみられる\\n 部品の残骸を送ってくれてな」",
"344000332_23": "「そこに刻印されていた模様が、ビルデラントという会社の\\n 造る工業製品に使われているものと酷似していた」",
"344000332_24": "「さらにもう一点。\\n 最初の戦闘で、未来さんたちが助けた女性がいましたね」",
"344000332_25": "「彼女は、ビルデラント社の所属だったんです」",
"344000332_26": "「そういえば、そんなことを言っていましたね」",
"344000332_27": "「念のため素性は調べましたが、怪しい部分はありませんでした。\\n しかし、ビルデラント自体が黒だったとしたら……」",
"344000332_28": "「その会社が怪しいのはわかったけどさ、\\n 繋がったってのはどういうことなんだ」",
"344000332_29": "「ビルデラント社というのは特殊な会社でな。\\n もともと、工業系の大手企業のつに過ぎなかった」",
"344000332_30": "「しかし数年前、社長が代替わりすると同時に、\\n 本社のある島を領土として、新興国として名乗りを上げたんだ」",
"344000332_31": "「当然ですが、国連には認可されていません」",
"344000332_32": "「企業のシステムを国家に落とし込んだ王国として、\\n 当時かなり話題になりましたね」",
"344000332_33": "「社長の考えに賛同した人もいたみたいですけど、世界的には、\\n 企業の話題づくりの一環として冷たい視線を集めていました」",
"344000332_34": "「じゃあ、会社というより、今は国として存在しているんですね」",
"344000332_35": "「ああ。それから、技術の漏洩の防止として、\\n 厳しい渡航制限、情報規制も行っていてな」",
"344000332_36": "「そんな状況、センセーショナルな動きが相まって、\\n ビルデラント社には、当時様々な噂が囁かれることとなった」",
"344000332_37": "「そんな盛り上がりも、ビルデラント国自体がここ数年動きを\\n 見せなかったことで忘れ去られていたのだが……」",
"344000332_38": "「まさか、その噂の中に……」",
"344000332_39": "「その通りです。その噂とは、ビルデラントが国を興す前、\\n 海底資源発掘の事業を進めていた際の話なのですが」",
"344000332_40": "「ビルデラントはその中で、莫大な価値を持つ古代遺跡を発見し、\\n それを隠すために国を興したというものです」",
"344000332_41": "「大小の尾ひれはついているだろうが、\\n その中に真実が含まれていたとするならば……」",
"344000332_42": "「古代遺跡とは聖遺物に関係するもので、それが\\n ドヴェルグ族に関係したものだと考えることができる」",
"344000332_43": "「ビルデラントはもともと工業系の会社です。\\n あのような兵器を造る技術は有しているはず」",
"344000332_44": "「ここ数年動きが無かったのも、このための\\n 準備だとしたら……」",
"344000332_45": "「なるほど。確かに真実味はあるね」",
"344000332_46": "「そういうことだ」",
"344000332_47": "「次はこちらから仕掛けるぞ。北欧、アイスランド領に\\n ある島……ビルデラントの本社に乗り込む」",
"344000332_48": "「じゃあ、そこへはオレも一緒に行かせてもらうぞ」",
"344000332_49": "「ヴェイグさんッ!?」",
"344000332_50": "「人間同士の戦いに手を出すつもりはなかったけど、\\n ドヴェルグ族が関わっている可能性があるなら別だ」",
"344000332_51": "「オレ以外の生き残りがいる可能性もある。\\n それを確かめたいんだ」",
"344000332_52": "「あ、あの、わたしからもお願いします。\\n 同行する許可をいただけないでしょうか」",
"344000332_53": "「みんなの力になれるなら協力したい。それに、もし\\n ヴェイグさんの仲間がいるのなら会わせてあげたいんですッ」",
"344000332_54": "「願ってもない申し出だ」",
"344000332_55": "「ドヴェルグ族の技術が使われているのだとすれば、\\n 君たちの協力は不可欠となるだろうからな」",
"344000332_56": "「ありがとうございます」",
"344000332_57": "「別に、オレはオレのために行くだけだけどな……」",
"344000332_58": "「あたしも行かせてくれないか?」",
"344000332_59": "「今も戦っている翼やみんなを助けるためにも\\n 事件の解決に協力させてくれッ」",
"344000332_60": "「何より、こんなふざけたことをしでかす黒幕のことは、\\n 発殴ってやらないと気が済まないしな」",
"344000332_61": "「人手が足りていない、この状況だ――、\\n ありがたい申し出だが、いいのか」",
"344000332_62": "「その代わり、\\n 手続きやら何やら、面倒事の一切合切は頼むからな」",
"344000332_63": "「奏くん、セレナくんの世界の司令官宛に、\\n 急ぎ依頼状を作成しよう」",
"344000332_64": "「ダンナ同士なら、話も早いだろうよ」",
"344000332_65": "「よかったですね、ヴェイグさん。\\n もし本当にドヴェルグ族がいたら仲間に会えますね」",
"344000332_66": "「あ、ああ……」"
}

View file

@ -0,0 +1,80 @@
{
"344000411_0": "ビルデラント潜入",
"344000411_1": "「島にはあっさり上陸できたな。\\n もう少し歩けば目的地だ」",
"344000411_2": "「……」",
"344000411_3": "「……」",
"344000411_4": "「おいおい、今から緊張してどうするんだ。\\n 変に強張ってると部外者だってすぐにバレちまうぞ」",
"344000411_5": "「わかっているんですけど、潜入調査なんて\\n あまりしたことがなくて……」",
"344000411_6": "「わたしも……」",
"344000411_7": "「って、お前は怪盗とかやってたんだろ?」",
"344000411_8": "「そ、それはそうですけどッ!」",
"344000411_9": "「この世界のダンナも、\\n 正面切って戦うのが目的じゃないって言ってただろ」",
"344000411_10": "「確かに、そうでしたね」",
"344000411_11": "「目的はビルデラントの兵器と、ドヴェルグ族の情報を得ること。\\n 情報が得られれば、すぐに脱出する」",
"344000411_12": "「そういうことだ。3人力を合わせて――」",
"344000411_13": "「いや、もう1人いるんだよな」",
"344000411_14": "「一緒に行動することになるんだし、\\n 挨拶くらいちゃんとしておきたいんだけど……」",
"344000411_15": "「すみません。\\n ヴェイグさんはなかなか外に出てこないので……」",
"344000411_16": "「ま、事情は知ってるけどさ」",
"344000411_17": "「少しだけでも、お話させてもらえない……?」",
"344000411_18": "「ええっと……、\\n 『特に話すことは無い』って言ってます」",
"344000411_19": "「ちくしょう、ずいぶん頑固者みたいだな」",
"344000411_20": "「仕方がないですよ。\\n 無理に呼び出すのは可哀想ですし」",
"344000411_21": "「だけど、セレナちゃんには、\\n いつも一緒にいるくらい気を許しているんだね」",
"344000411_22": "「ミレニアムパズルで姉さんたちを護りたいって思った時、\\n わたしを見かねて助けてくれたんです」",
"344000411_23": "「それからも、ずっと傍にいてくれて……」",
"344000411_24": "「そっか。大切な仲間なんだね」",
"344000411_25": "「大切な仲間か……」",
"344000411_26": "「今も戦ってる仲間のためにも、頑張らなくちゃな」",
"344000411_27": "「はい、また笑って、みんなと遊んだり、\\n 学校へ行ったりするためにッ」",
"344000411_28": "「あたしは、とりあえず翼をからかってやりたいかなぁ」",
"344000411_29": "「フフ、そんなこと言ってると怒られちゃいますよ?」",
"344000411_30": "「それもまた楽しいんだけどな」",
"344000411_31": "「とにかく、この戦いの局面はあたしたちにかかってる。\\n 力を合わせて成功させるぞ」",
"344000411_32": "「はいッ!」",
"344000411_33": "「ヴェイグさん?」",
"344000411_34": "「あー、おほん」",
"344000411_35": "「お前たちが悪い奴じゃないことはわかってる。\\n 別に嫌いなわけでもない」",
"344000411_36": "「だから、協力することには賛成だ。よろしくな」",
"344000411_37": "「言うだけ言って引っ込んだな」",
"344000411_38": "「ヴェイグさん、せっかく挨拶するならもっとしっかり……」",
"344000411_39": "「ううん、いいよ。出てきてくれただけで十分だから」",
"344000411_40": "「そうだなッ! 一緒に頑張ろう」",
"344000411_41": "「っと、見えてきたぞ。\\n あれがビルデラントの中心地だな」",
"344000411_42": "「思ったより大きな街ですね」",
"344000411_43": "「ああ、身を潜めることはできそうだな」",
"344000411_44": "「もう少し近づいてみましょう」",
"344000411_45": "「きゃあッ!?」",
"344000411_46": "「あいたたた……」",
"344000411_47": "「大丈夫ッ!?」",
"344000411_48": "「だ、大丈夫です、少しコブができちゃいましたけど……」",
"344000411_49": "「これは……結界ッ!?\\n 見えない壁が、ずっと続いているようです」",
"344000411_50": "「異端技術……間違いなく、ビルデラントは黒みたいだな」",
"344000411_51": "「思いっきり攻撃したら穴を開けられるかな?」",
"344000411_52": "「でも、そんな無理やりな方法じゃ相手に\\n 気づかれちゃうかも……」",
"344000411_53": "「……これは、ドヴェルグ族の技術を使った結界だ」",
"344000411_54": "「これも……」",
"344000411_55": "「オレなら穴を開けられる。\\n 短時間なら、気づかれることもないはずだ」",
"344000411_56": "「おお、すごいなッ!」",
"344000411_57": "「さすがだね」",
"344000411_58": "「まあな。\\n じゃあ、早速やるぞ」",
"344000411_59": "「さあ、これで通れるぞ」",
"344000411_60": "「ああ、ありがとな」",
"344000411_61": "「……」",
"344000411_62": "「どうしたの、ヴェイグさん?」",
"344000411_63": "「オレの仲間がここにいる。\\n 結界の中に入ったら、その気配が強くなった」",
"344000411_64": "「本当ですかッ!?\\n よかった、やっと仲間に会えるんですね」",
"344000411_65": "「そんな風に、手放しでは喜べないんじゃないか?」",
"344000411_66": "「え……」",
"344000411_67": "「ドヴェルグ族の技術は、兵器に使われていた。\\n それに、この結界も……」",
"344000411_68": "「ああ。ここにいるドヴェルグ族は、必ずしも\\n ヴェイグみたいないいやつとは限らないってことだ」",
"344000411_69": "「そんな……」",
"344000411_70": "「でも、無理やり言うことを聞かされている可能性も……」",
"344000411_71": "「わかってる。でも、もしもの時のために、\\n そうじゃない可能性も考えておけってことだ」",
"344000411_72": "「……」",
"344000411_73": "「気遣ってくれてるんだろうが、大丈夫だ」",
"344000411_74": "「こいつらの言う通りだし、オレも、なんでこんなことに\\n ドヴェルグ族の技術が使われているのかわからない」",
"344000411_75": "「はい……」",
"344000411_76": "「もし会えたら、どうしてこんなことをしているのか、\\n ちゃんと聞いてみましょう」",
"344000411_77": "「ああ、そうだな」"
}

View file

@ -0,0 +1,29 @@
{
"344000421_0": "「想像以上にこの街は変わってるな。\\n 全然人の気配が無いぞ」",
"344000421_1": "「向こうに工場が見えます。煙が上がっているし、\\n みんなそこで働いているのかも」",
"344000421_2": "「確かに、国といっても母体は工業系の企業なんだもんな」",
"344000421_3": "「……」",
"344000421_4": "「どうかしたのか?」",
"344000421_5": "「ドヴェルグ族がどこにいるのか、\\n ヴェイグさんが気配を探っているんです」",
"344000421_6": "「あたしはあそこが怪しいと思うんだが」",
"344000421_7": "「あれは……お城ッ!?」",
"344000421_8": "「王国を作ったって言ってたけど、城まで建ててるとはな。\\n 国王様はあそこでふんぞり返ってるってわけだ」",
"344000421_9": "「さっそく乗り込んでそいつをぶん殴れば……」",
"344000421_10": "「潜入調査なんですから、目立ったらダメですよッ!」",
"344000421_11": "「冗談に決まってるだろ。\\n 強張ったお前たちの表情を変えようと思ったんだ」",
"344000421_12": "「わ、わたし、そんな顔してましたか?」",
"344000421_13": "「鏡があったら見てくるといいぞ。\\n 緊張してますって、顔に書いてあるからな」",
"344000421_14": "「それで? 実際どうなんだ?\\n ドヴェルグ族の気配は掴めそうか」",
"344000421_15": "「はっきりしたことはわからないけど、\\n お城の方ではないみたいです」",
"344000421_16": "「あっちにいる気がするって……」",
"344000421_17": "「工場の方だね」",
"344000421_18": "「よし、そこから調べようッ!」",
"344000421_19": "「はいッ!」",
"344000421_20": "(姉さんは今どうしているかな?\\n 無事でいてくれるといいけれど……",
"344000421_21": "「くう……ッ!」",
"344000421_22": "「大丈夫かッ!?」",
"344000421_23": "「ええ。ピンシャンよッ!」",
"344000421_24": "「フッ、奏たちが敵地に乗り込んだと聞いてから、\\n 一層気合いが入ったようだな」",
"344000421_25": "「当たり前でしょう。セレナも頑張っているのに、\\n わたしがこんなところで倒れるわけにはいかないわッ」",
"344000421_26": "「その通りだな。では、推して参る……ッ!」"
}

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@ -0,0 +1,47 @@
{
"344000422_0": "「はあ、はあ……、\\n やっぱり、一筋縄ではいかないわね」",
"344000422_1": "「だが、殲滅までもう少しだッ!」",
"344000422_2": "「ええ、行くわよッ!」",
"344000422_3": "「く……ッ!?」",
"344000422_4": "(脚に力が……ッ!?)",
"344000422_5": "「マリアッ!?」",
"344000422_6": "「まずい……ッ!」",
"344000422_7": "「今の攻撃はッ!?」",
"344000422_8": "「援護射撃が間に合ってくれたかッ!」",
"344000422_9": "「我々とて、国土を蹂躙する敵をただ黙って見ている\\n わけにはいかないからなッ」",
"344000422_10": "「通常兵器による攻撃ではどこまで力になるか\\n わからないが……」",
"344000422_11": "「いいえ、十分助かったわ」",
"344000422_12": "「ああ、敵の攻撃はわたしたちが引きつけるッ!\\n 援護を頼めるだろうか」",
"344000422_13": "「オフコースッ!\\n 米軍魂を見せてやるぜッ」",
"344000422_14": "「マリア、もう大丈夫か?」",
"344000422_15": "「心配をかけてしまったわね。\\n でも、助けてくれた人たちのためにも、負けられないッ」",
"344000422_16": "「ああッ!」",
"344000422_17": "(この兵器はわたしたちが止めるッ!)",
"344000422_18": "(セレナ、あなたもどうか無事で、やり遂げて……ッ!)",
"344000422_19": "「さてと……無事に工場の中に潜入できたな」",
"344000422_20": "「トラックに忍び込んで中に入るというのは\\n なかなかいい考えでしたね」",
"344000422_21": "「街と違って、工場内は人がいっぱいいますね」",
"344000422_22": "「ああ。\\n あたしが先行するから、見つからないようにそーっと行くぞ」",
"344000422_23": "「見てください、あれッ!」",
"344000422_24": "「あの兵器ッ!?\\n じゃあやっぱり、ここであれを量産して……」",
"344000422_25": "「1発目で引き当てるってのは運がいいな。\\n あたしたち、ツイてるぞ」",
"344000422_26": "「この調子で設計図なり見つかればいいんだけどな」",
"344000422_27": "(セレナ、あの機械に触れてみたい。\\n もしかしたら、何かわかるかもしれない",
"344000422_28": "(わかりました。今は近くに誰もいないみたいだし、\\n 大丈夫かな",
"344000422_29": "「すみません、あの機械に近づきます。\\n ヴェイグさんが何かわかるかもしれないと」",
"344000422_30": "「オッケー。あたしたちで周りを警戒しておくから\\n そっちは任せたぞ」",
"344000422_31": "「はいッ!」",
"344000422_32": "「……」",
"344000422_33": "「何かわかりましたか?」",
"344000422_34": "「……わからないな。\\n これは外側だけだ。まだ力が宿っていない」",
"344000422_35": "「そうですか……。\\n じゃあ、完成したものを探さないと……」",
"344000422_36": "「まずい、誰か来るぞ。隠れろッ!」",
"344000422_37": "「あれは誰でしょうか。\\n 工場の職員にしては雰囲気が違うみたいだけど……」",
"344000422_38": "「たぶん、城から来た役人だろう。\\n ほら、他の連中がペコペコ頭下げてるぞ」",
"344000422_39": "「スヴァフラーメの量産状況はどうだ?」",
"344000422_40": "「はい、順調に進めております。\\n ですが、装者たちが思った以上に抵抗を続けているようで」",
"344000422_41": "「ふん、ならばそれを上回る量を生産すればいい。\\n それができないとは言わせんぞ」",
"344000422_42": "「この声って……ッ!」",
"344000422_43": "「あの音声ファイルから聞こえてきた声だッ!」",
"344000422_44": "「じゃあ、あの人が兵器を送り出した黒幕……ッ!?」"
}

View file

@ -0,0 +1,44 @@
{
"344000431_0": "「スヴァフラーメの生産速度を2倍にするんだ。\\n できなければ、それ相応の処分をすると全職員に伝えろ」",
"344000431_1": "「で、ですが、これ以上、地下のアレを酷使させると、\\n また不調をきたす可能性が……」",
"344000431_2": "「この私に口答えをすると?」",
"344000431_3": "「い、いえ、そのようなことは……。\\n 申し訳ありませんッ」",
"344000431_4": "「謝る必要などない。企業にとって、上だろうと下だろうと\\n 自身の意見を大切にし、主張するのはいいことだ」",
"344000431_5": "「あ、ありがとうござ――」",
"344000431_6": "「だが、ビルデラントはもはや一企業などではないッ!\\n 私が統べる王国となったのだッ 故に――ッ」",
"344000431_7": "「王に口答えするは、不遜の極みだ」",
"344000431_8": "「あいつ、自分の部下を撃ったのか」",
"344000431_9": "「ただ一言、意見を出しただけなのに……」",
"344000431_10": "「おい、貴様」",
"344000431_11": "「は、はい……ッ!」",
"344000431_12": "「ここはどこだ?」",
"344000431_13": "「ここはビルデラント王国でございます……ッ!」",
"344000431_14": "「私は誰だ?」",
"344000431_15": "「はッ、偉大なるハルドール国王様です……ッ!」",
"344000431_16": "「その通りだ。わかっているではないか」",
"344000431_17": "「では、続けて尋ねよう。貴様はこれからどうするべきか」",
"344000431_18": "「アレの稼働率を高め、スヴァフラーメの生産速度を\\n 向上させますッ」",
"344000431_19": "「いい答えだ、結果を楽しみにしているぞ。\\n これは貴様が処分しておけ」",
"344000431_20": "「はいッ!」",
"344000431_21": "「行ったみたいです」",
"344000431_22": "「チッ、胸糞悪い……。\\n 完全にあの男の独裁状態だな」",
"344000431_23": "「酷いです……。\\n あんなに簡単に、人の命を奪うだなんて……」",
"344000431_24": "「すぐにでもぶっ飛ばしたいところだけど、\\n あれだけ部下に囲まれてちゃ手が出せないな……」",
"344000431_25": "「そうですね。こんなところで騒ぎを起こしたら、\\n すぐに捕まってしまいます」",
"344000431_26": "「あいつ、『地下のアレ』って言ってた……。\\n ひょっとして……」",
"344000431_27": "「わたしも気になりました。\\n ドヴェルグ族の手がかりがあるかもしれません」",
"344000431_28": "「決まりだな、地下に行ける道を探すぞ」",
"344000431_29": "「さて、下に降りてきたのはいいけど……」",
"344000431_30": "「地下の施設も広いですね。\\n どこから探していきましょうか」",
"344000431_31": "「何か、感じますか?」",
"344000431_32": "「力をあちこちから感じて、オレもわからない」",
"344000431_33": "「つまり地下のどこかにいることは間違いなさそうだな」",
"344000431_34": "「みんな、こっちに来てみて」",
"344000431_35": "「おッ、何か見つけたのか?」",
"344000431_36": "「あの兵器、『スヴァフラーメ』だっけ……。\\n あの大きなゲートの前でずっと立っているみたいなんです」",
"344000431_37": "「なるほど、あれが門番ってことか」",
"344000431_38": "「これ以上は、こっそりと忍び込むことは難しそうですね」",
"344000431_39": "「だったら、やることは1つだな」",
"344000431_40": "「Croitzal ronzell Gungnir zizzl――」",
"344000431_41": "「速攻で倒して、ゲートを抜けるぞッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,30 @@
{
"344000432_0": "「これで黙ってろッ!」",
"344000432_1": "「このパーツは……」",
"344000432_2": "「脈打って……ひょっとして、姉さんたちが見つけた、\\n コアパーツじゃないでしょうか」",
"344000432_3": "「ああ、しかも、壊れていない完全な状態のままだな」",
"344000432_4": "「ちょっと見せてもらえるか?」",
"344000432_5": "「はい」",
"344000432_6": "「こ、これは……ッ!」",
"344000432_7": "「何かわかったんですか……?」",
"344000432_8": "「この兵器には、ドヴェルグ族の技術が使われている。\\n オレが睨んだ通りだ」",
"344000432_9": "「だけど、それだけじゃない。これは、呪いの力を宿している」",
"344000432_10": "「呪いの力ッ!?」",
"344000432_11": "「ドヴェルグ族の中でも、禁忌とされてるんだ。\\n 強い想いで生み出された、破滅へと向かう力……」",
"344000432_12": "「人間の争いに、俺たちの力が使われているだけでも\\n おかしいのに、そのうえ呪いまで……」",
"344000432_13": "「本当にここにオレの仲間がいるとして、\\n そいつはどうなっちまってるんだ……」",
"344000432_14": "「ヴェイグさん……」",
"344000432_15": "「大丈夫ですよ。きっと、何か事情があるんです。\\n わたしたちで見つけて、助けてあげましょう」",
"344000432_16": "「ああ……」",
"344000432_17": "「……」",
"344000432_18": "(この場所は……悪意の匂いが強すぎる。\\n オレには毒だ……",
"344000432_19": "(呪いと関係があるんでしょうか……。\\n ヴェイグさんは、ミレニアムパズルで休んでいてください",
"344000432_20": "(ああ、すまない)",
"344000432_21": "「ここが突き当たりみたいですね」",
"344000432_22": "「あの扉……。ドヴェルグ族がいるとしたら、\\n あそこに……」",
"344000432_23": "「警戒しつつ、突入するぞッ!」",
"344000432_24": "(ああ……そんな……)",
"344000432_25": "「ヴェイグさん、落ち着いてください……ッ!」",
"344000432_26": "「知っているやつなのか?」",
"344000432_27": "(ドヴァリン……。死んだはずの……オレの、仲間だ)"
}

View file

@ -0,0 +1,46 @@
{
"344000441_0": "「ヴェイグさんが、あのドヴェルグ族は\\n 死んだはずの仲間だって言っています」",
"344000441_1": "「死んだはずって……」",
"344000441_2": "(そう思っていた。大好きなドヴァリンが生きてたらどんなに\\n 良かっただろうって……",
"344000441_3": "(でもまさか、本当に再会できるなんて……)",
"344000441_4": "「ううう……」",
"344000441_5": "(ドヴァリン……苦しんでいるのか……?)",
"344000441_6": "「早く、助けてあげないと……ッ!」",
"344000441_7": "「待てッ! 近づいちゃダメだ」",
"344000441_8": "「ど、どうしてですか?」",
"344000441_9": "「言っただろ。あいつが敵か味方かまだわからない。\\n 不用意に近づくのは危険だ」",
"344000441_10": "「でも、あんなに苦しんでますッ!\\n 助けを求めているのかも……」",
"344000441_11": "「あの兵器にも結界にも、\\n ドヴェルグ族の力が使われていた……」",
"344000441_12": "「ああ、これが罠じゃないとは、言い切れないだろう?」",
"344000441_13": "「それは……」",
"344000441_14": "「いいえ、そんなはずはありません。\\n ヴェイグさんがやっと再会できた仲間なんです」",
"344000441_15": "「悪い考えなんて、持っているはずがありません」",
"344000441_16": "(セレナ……)",
"344000441_17": "「お前のその人一倍優しい考え方、\\n あたしは好きだよ――」",
"344000441_18": "「だけどな、優しいだけじゃダメなんだ。中途半端な\\n 優しさじゃ、大切なものまで傷つけることになる」",
"344000441_19": "「――ッ!」",
"344000441_20": "「セレナ、あなたは優しすぎます。\\n 時には非情にならなければ、敵に付け入られてしまいますよ」",
"344000441_21": "「結果として傷つくのは、あなただけでなく、\\n 護るべき誰かかもしれないのです」",
"344000441_22": "(マムと同じことを……。\\n でも、今回だけは……ッ",
"344000441_23": "「ドヴェルグさん……。\\n あなたは……人なんですね」",
"344000441_24": "「……ああ、そうだよ。\\n オレがドヴェルグの最後の人だ……」",
"344000441_25": "「他の方は……?」",
"344000441_26": "「みんな、いなくなった。\\n ほとんどは、人間の争いに巻き込まれて……」",
"344000441_27": "「……オレ、1人でいるのに疲れたんだ」",
"344000441_28": "(わたしも、姉さんがいなくなってからずっと1人だった。\\n だから、気持ちは痛いくらいによくわかる……",
"344000441_29": "「お願いです。行かせてください。\\n わたしの大切な仲間のために……ッ」",
"344000441_30": "「…………」",
"344000441_31": "「……わかったよ。ただし、あたしも一緒に行く」",
"344000441_32": "「天羽さん……」",
"344000441_33": "「セレナちゃん1人では行かせられないよ。\\n きっと、人一緒なら大丈夫」",
"344000441_34": "「小日向さんも……、\\n ありがとうございます……ッ」",
"344000441_35": "「はあ……はあ……」",
"344000441_36": "「ドヴァリンさん、助けに来ましたよ」",
"344000441_37": "「お前……は……?」",
"344000441_38": "「わたしはセレナです。\\n ドヴェルグ族の、ヴェイグさんのお友達なんですよ」",
"344000441_39": "「嘘をつけ……」",
"344000441_40": "「え……」",
"344000441_41": "「消えろ、ニンゲン……」",
"344000441_42": "「まずい、離れ――」",
"344000441_43": "「消えろおおおおおおおッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,23 @@
{
"344000511_0": "憎しみが牙をむく",
"344000511_1": "「ああああああ――ッ!?」",
"344000511_2": "「くッ、防ぎきれなかった……」",
"344000511_3": "「そ、そんな、どうして――」",
"344000511_4": "「ドヴァリンよ、良い働きだったぞ」",
"344000511_5": "「ッ!?\\n 後ろですッ」",
"344000511_6": "「放てッ!」",
"344000511_7": "「――ッ!」",
"344000511_8": "「ふん、死んだか」",
"344000511_9": "「それはどうかな?」",
"344000511_10": "「セレナちゃん、大丈夫?」",
"344000511_11": "「小日向さん、天羽さん、怪我をッ!?」",
"344000511_12": "「ああ……ごめんなさい……、\\n わたしを護るために、お人が……」",
"344000511_13": "「これくらいのダメージどうってことない、気にするな」",
"344000511_14": "「どうってことない? 本当にそうか?」",
"344000511_15": "「スヴァフラーメによる攻撃のダメージを受け\\n 周囲を包囲されたこの状況――」",
"344000511_16": "「これを絶体絶命と言わずになんと言うッ!」",
"344000511_17": "「お前たちはこれから、なぶり殺しにされるのだ」",
"344000511_18": "「不法入国をした上に、私の所有物に手を出そうとした\\n 不敬者にはお似合いの末路だろう」",
"344000511_19": "「ハッ、やれるもんならやってみなッ!」",
"344000511_20": "「どこまでも不敬な……、\\n 我がスヴァフラーメの前に跪けッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,38 @@
{
"344000512_0": "「これ以上、お2人を傷つけさせません――ッ!」",
"344000512_1": "「ありがとう、セレナちゃんッ!」",
"344000512_2": "「この隙に、叩き込むッ!」",
"344000512_3": "「素晴らしい戦いぶりだッ!\\n シンフォギアの戦いがこれほど胸躍るものとはッ」",
"344000512_4": "「変な奴だな。楽しそうにしやがってッ!」",
"344000512_5": "「世界中にこいつらを繰り出したのも、\\n 装者と戦うことが目的だったのか」",
"344000512_6": "「ハッハッハッハッハッ! 凡人らしい愉快な勘違いだッ!\\n お前たちと戦うことは手段であって、目的ではない」",
"344000512_7": "「あれはいわば、デモンストレーションなのだッ!」",
"344000512_8": "「デモンストレーション……」",
"344000512_9": "「クク……兵器を売るためにはその力を\\n 凡人にも理解できるように見せることが重要だ」",
"344000512_10": "「全てはそのためのショーなのだよッ!」",
"344000512_11": "「スヴァフラーメを売るためだけに、\\n 街を破壊したっていうんですかッ」",
"344000512_12": "「その通りだよッ! そして、その敵役として、\\n 君たち装者はまさに適任だったというわけだッ」",
"344000512_13": "「国連お抱えの<ruby=シンフォギア>超常兵装</ruby>を\\n ビルデラントの製品が撃ち破るッ」",
"344000512_14": "「つまりは世界最強の兵器ということだ。\\n これ以上のデモンストレーションがあるかね」",
"344000512_15": "「もちろん、私は準備にも余念がないからね。\\n 君たち装者のことは念入りに調べたさ」",
"344000512_16": "「世界中に派遣した我がスパイや、金で雇った錬金術師\\n たちは実にいい働きをしてくれたッ」",
"344000512_17": "「もっとも、そのほとんどが、もうこの世にはいないがね」",
"344000512_18": "「ったく聞いてもいないのにぺらぺらとッ!」",
"344000512_19": "「お前がくそ野郎だってことはよくわかったッ!\\n 要は小金が欲しいだけじゃないかッ」",
"344000512_20": "「金だけではない。私はすべてが欲しいのだよ」",
"344000512_21": "「この世を支配するものは金と力だ。スヴァフラーメによって、\\n 私はそのどちらもを手に入れる……ッ」",
"344000512_22": "「暴力による支配で、人々があなたに従うはずがないッ!」",
"344000512_23": "「私もそう思うよ」",
"344000512_24": "「それが半端な暴力ならばな――」",
"344000512_25": "「確かに、私がこの王国を興した当初は、\\n 反旗を翻す不敬者も少なからずいたものだ」",
"344000512_26": "「だから私は、スヴァフラーメによってそれら全てを\\n 消したのだ。我が父も含めてな……ッ」",
"344000512_27": "「な……ッ!」",
"344000512_28": "「後に残ったのは、私に忠誠を誓う国民のみ、という訳だよ」",
"344000512_29": "「そんなのは忠誠なんて呼ばない、\\n 兵器の力の恐怖で従わせているだけじゃない……」",
"344000512_30": "「貴様らはどうする? 私のもとに下るか、\\n それとも……」",
"344000512_31": "「お前を倒すッ!」",
"344000512_32": "「できるならばやってみるがいい。\\n ドヴァリン、出力をあげろ」",
"344000512_33": "「ぐう、ううううう……」",
"344000512_34": "「兵器の輝きが増して……ッ!?」",
"344000512_35": "「殺せ……ッ!」"
}

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@ -0,0 +1,44 @@
{
"344000521_0": "「はあ……はあ……、\\n チッ、手強いな……」",
"344000521_1": "「ハッハッハッハッハッ! 他愛ないな。\\n やはりこいつの力は最高だ」",
"344000521_2": "「ぐッ……」",
"344000521_3": "「ドヴァリンさんを、足蹴に……」",
"344000521_4": "「その方を解放してくださいッ!」",
"344000521_5": "「んん?」",
"344000521_6": "「力を使わされて、苦しんでいます」",
"344000521_7": "「あなたに少しでも人としての優しさがあるなら、\\n もうこれ以上――」",
"344000521_8": "「は――ッ! 『優しさ』ときたか」",
"344000521_9": "「教えてくれ。優しさがなんの役に立つ?」",
"344000521_10": "「そんなもので、絶対的な力にどう抗うとッ!?」",
"344000521_11": "「……」",
"344000521_12": "「答えられないようだな」",
"344000521_13": "「そんなことはありませんッ!\\n わたしは、その方を救いに来たんですッ」",
"344000521_14": "「笑わせるなッ! 他ならぬこのドヴァリンが、\\n 貴様らを拒み、攻撃したのを忘れたのか」",
"344000521_15": "「――ッ!」",
"344000521_16": "(そうだ……、その隙を突かれて、わたしたちは\\n スヴァフラーメに包囲されてしまった……",
"344000521_17": "(わたしがドヴァリンさんを助けようとしなければ、\\n こんな窮地に追い込まれることもなかったのに",
"344000521_18": "(わたしのせいで……)",
"344000521_19": "「言っておくが、\\n 私がこいつを無理やり従わせているわけではないぞ」",
"344000521_20": "「こいつは、自分の意志で力を使っているのだ」",
"344000521_21": "「初めから、あんたとドヴァリンは\\n グルだったってわけか」",
"344000521_22": "「クク……協力関係と言ってもらおうか」",
"344000521_23": "「こいつは人間を憎んでいる。その強い呪いの力をもって、\\n 聖遺物、魔剣ティルヴィングを生み出した」",
"344000521_24": "「そして、今なお呪いのエネルギーを生み、\\n 魔剣に注ぎ続けている」",
"344000521_25": "「私はその魔剣の欠片をコアとし、\\n 兵器スヴァフラーメを生み出したのだ」",
"344000521_26": "「人間に憎しみを振りまきたいこいつと、兵器を手に入れたい私。\\n ウィンウィンの関係だとは思わないか」",
"344000521_27": "「魔剣ティルヴィング……その聖遺物が、あの兵器の\\n エネルギーを生んでいるんだ……」",
"344000521_28": "「嘘だッ!」",
"344000521_29": "「ドヴァリン、あんたは、\\n 誰よりも優しいやつだったじゃないかッ」",
"344000521_30": "「オレはあんたから多くのことを学んだ。そんなあんたが\\n 禁忌に手を染めて魔剣を作るなんて……」",
"344000521_31": "「そいつは……ドヴェルグ族かッ!?」",
"344000521_32": "「だったらどうしたッ!\\n オレはドヴェルグ族のヴェイグッ」",
"344000521_33": "「ハッハッハッハッハッ! 最高だッ!\\n 欲しい、欲しいぞッ 便利な道具はいくつあってもいいッ」",
"344000521_34": "「な――ッ!?」",
"344000521_35": "「奴らを攻撃し、ドヴェルグ族を捕らえろ」",
"344000521_36": "「無駄だッ! ドヴァリンはオレの仲間だぞ。\\n オレのことを攻撃するなんて――」",
"344000521_37": "「……」",
"344000521_38": "「――ッ!\\n オレのことが、わからないのか……」",
"344000521_39": "「問答はここまでだ。このままここでやりあっても\\n 勝ち目は薄い。なんとか島の外の安全域まで撤退するぞッ」",
"344000521_40": "「はいッ!」",
"344000521_41": "「わかりました……ッ!」"
}

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@ -0,0 +1,11 @@
{
"344000522_0": "「――道を開けやがれッ!」",
"344000522_1": "「倒しても倒してもキリがない……。\\n このままじゃ、いつか捕まってしまいますッ」",
"344000522_2": "「ああ。最後の手段だ。\\n デュオレリックを使って一気に突破する」",
"344000522_3": "「でも、あの装置が出てきたら」",
"344000522_4": "「ここでジリ貧を続けるよりましだ。\\n なんとか、あれが出てくるまでに逃げ切るぞッ」",
"344000522_5": "「わかりました。\\n わたしもデュオレリックを使いますッ」",
"344000522_6": "「わたしも……ッ!」",
"344000522_7": "(あ、ああ……ッ! グレイプニルを起動するッ!)",
"344000522_8": "「さあ、行くぞッ!」"
}

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@ -0,0 +1,10 @@
{
"344000531_0": "「消し炭になりたい奴はかかってこいッ!」",
"344000531_1": "「前から来る奴だけ叩けばいい。\\n 後ろから来る奴は振り切る、全力で進むぞッ」",
"344000531_2": "「はいッ! 今のところ、あの装置の姿は見えません」",
"344000531_3": "「よし、このまま逃げ切れば……ッ!」",
"344000531_4": "(……)",
"344000531_5": "(憎しみに染まったドヴァリンさん……。\\n わたしの力じゃ、どうすることもできなかった……",
"344000531_6": "(ダメ、今は戦いに集中しないと。ヴェイグさんまで、\\n あの人に捕まっちゃう……ッ",
"344000531_7": "「そこを、どいてください……ッ!」"
}

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@ -0,0 +1,21 @@
{
"344000532_0": "「だいぶ引き離したが、まだ湧いてくるか……。\\n だが、こいつらさえ突破できれば、脱出できるッ」",
"344000532_1": "「あの装置はッ!?」",
"344000532_2": "「ティルヴィングの力を攻撃に転換したのが\\n 自走砲台スヴァフラーメだが、一方その装置は……」",
"344000532_3": "「呪いの波長を増幅し、共鳴させる。結果として聖遺物の\\n 反発を強め、デュオレリックを強制解除させるというわけだ」",
"344000532_4": "「名付けてアンガンチュール、とくと味わうといいッ!」",
"344000532_5": "「があああああ――ッ!?」",
"344000532_6": "「く……ッ、あと少しなのに。ここからは、\\n デュオレリック無しで戦うしか……」",
"344000532_7": "「うッ……」",
"344000532_8": "「ッ……」",
"344000532_9": "「天羽さん、小日向さんッ!?」",
"344000532_10": "(そうか、さっきわたしを庇ってくれたときの\\n ダメージが残って……ッ",
"344000532_11": "「護らないと……わたし1人でも……ッ!」",
"344000532_12": "「いや……まだ戦える……」",
"344000532_13": "「はい。もう一踏ん張りですッ!」",
"344000532_14": "「……ッ! そんなにダメージを抱えているのに……ッ!」",
"344000532_15": "「もう少しなんだ。気合いで持たせるさッ!」",
"344000532_16": "「力を合わせて、駆け抜けましょう」",
"344000532_17": "「はい……ッ!」",
"344000532_18": "「一点突破だッ!\\n はあああああああッ」"
}

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@ -0,0 +1,23 @@
{
"344000541_0": "――数時間後",
"344000541_1": "「逃げ切ることができただけでも喜ぶべきですが、\\n 人のダメージはかなりのものです」",
"344000541_2": "「奏さんと未来さんは、しばらく安静にする必要があるでしょう」",
"344000541_3": "「そんな……」",
"344000541_4": "(わたしがドヴァリンさんを助けようとしたから……。\\n 気をつけろって言われてたのに",
"344000541_5": "(わたしの甘さのせいで2人に無理をさせて、\\n 傷つけてしまったんだ……",
"344000541_6": "(弱いわたしが誰かを救おうとするなんて\\n 傲慢だったのかな……",
"344000541_7": "「すまない、オレもあのときは、何もできなかった……」",
"344000541_8": "「そんな、ヴェイグさんは悪くないですよ。\\n あの状況では、仕方ないと思います」",
"344000541_9": "「……ドヴァリンさんとは、知り合いだったんですよね?」",
"344000541_10": "「……ああ。\\n オレに魔道具作りを教えてくれた師匠なんだ」",
"344000541_11": "「ドヴァリンの作る魔道具はドヴェルグ族の中でも\\n 群を抜いて力が強かった」",
"344000541_12": "「だけど、その力をいつも誰かのために使っていて……、\\n そんな優しいドヴァリンが、オレは大好きだったんだ」",
"344000541_13": "「そうだったんですね……」",
"344000541_14": "「それが、呪いの魔剣を作っているなんて……」",
"344000541_15": "「もう一度会って、ちゃんと話して止めさせたい。\\n だけど、あの兵器が守りを固めているんだよな……」",
"344000541_16": "「呪いの力が込められたスヴァフラーメは、\\n 本当に強力でした」",
"344000541_17": "「その上、デュオレリックも使えないとなると、\\n どうしたらいいのか……」",
"344000541_18": "「……いや、手はあるかも知れない」",
"344000541_19": "「えッ!?」",
"344000541_20": "「呪いの力を、逆に利用するんだッ!」"
}

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@ -0,0 +1,56 @@
{
"344000551_0": "「あのスヴァフラーメって兵器への対抗手段なんだけど、\\n オレに考えがあるんだ、聞いてくれるか」",
"344000551_1": "「もちろんだ。あの兵器の力に関しては、\\n 我々よりも君のほうが詳しいからな」",
"344000551_2": "「オレは呪いの力に対抗するには、\\n こちらも同じ、呪いの力を使う必要があると思うんだ」",
"344000551_3": "「呪いの力だと?」",
"344000551_4": "「ああ。それでシンフォギアの暴走のエネルギーを引き出し、\\n 制御することで性能を引き上げる」",
"344000551_5": "「ただ、使用者には強い精神力が必要なんだ。\\n じゃないと呪いに飲み込まれてしまう」",
"344000551_6": "「それは、まさか……」",
"344000551_7": "「ああ。かつて、ダインスレイフを用いて\\n そんな機能を実現させたと聞いた」",
"344000551_8": "「そうか、イグナイトモジュールッ!」",
"344000551_9": "「確かに、イグナイトモジュールは、\\n 呪いの力を利用した決戦機能でしたね」",
"344000551_10": "「はい。ですが、装者たちのシンフォギアの中に\\n イグナイトモジュールは残っていません」",
"344000551_11": "「パヴァリア光明結社との最終決戦に際し、\\n ダインスレイフは全て焼却されてしまいましたから……」",
"344000551_12": "「ああ。だから、新たに組み込むんだッ!」",
"344000551_13": "「セレナ、あれを」",
"344000551_14": "「はい。これは、敵の兵器のコアパーツです。戦いの中で、\\n 壊れていないものをつだけ手に入れることができました」",
"344000551_15": "「これには、魔剣ティルヴィングの欠片が\\n 組み込まれている」",
"344000551_16": "「それを使えば……」",
"344000551_17": "「再び、イグナイトモジュールを\\n 発現できるかもしれないというわけか」",
"344000551_18": "「ファウストローブを取り込みリビルドしていない、\\n セレナさんたちのギアであれば可能なはずです」",
"344000551_19": "「ヴェイグくんの言う通り、\\n 今あの兵器に対抗できる唯一の手段になるかもしれん」",
"344000551_20": "「すぐに改修を進めますッ!」",
"344000551_21": "「ああ、頼んだぞッ!」",
"344000551_22": "「ほらよ、飯だ」",
"344000551_23": "「ありがとう、クリスちゃん」",
"344000551_24": "「軍の助けもあって、なんとか殲滅することができたな。\\n またいつ現れるかわからないから、気は抜けないけど」",
"344000551_25": "「うん……」",
"344000551_26": "「あいつらのことが心配なのか?」",
"344000551_27": "「未来や奏さんが怪我をしたって聞いたから……。\\n すぐ目を覚ますって言ってたけど、大丈夫かな……」",
"344000551_28": "「……」",
"344000551_29": "「ど、どうしたの?」",
"344000551_30": "「おりゃッ!」",
"344000551_31": "「と、突然のくすぐり攻撃ッ!?\\n アハハハハ、やめてとめてやめてとめてッ」",
"344000551_32": "「ったく、辛気臭いのは似合わないぞ。\\n 休憩中くらいいつもみたいに笑ってろ」",
"344000551_33": "「その、なんだ。大丈夫だって信じてやるのが\\n 友達ってもんじゃないのか」",
"344000551_34": "「――ッ!」",
"344000551_35": "「っと、こっちのことはお構いなしに\\n またガンガン送ってきやがったぞッ」",
"344000551_36": "「クリスちゃん、ありがとうッ!」",
"344000551_37": "「あん?」",
"344000551_38": "「わたしも頑張って戦うッ!\\n 未来が信じてくれてると思うからッ」",
"344000551_39": "「ああ、ぶちかますぞッ!」",
"344000551_40": "(あれから数日……。\\n 何もできないのが、こんなにもどかしいなんて……",
"344000551_41": "(2人は回復に向かってるし、じきにイグナイトモジュールも\\n 完成する。まあ、焦る気持ちもわかるけど……",
"344000551_42": "(イグナイトモジュールが完成したとして、\\n わたしは……",
"344000551_43": "「な、何ッ!?」",
"344000551_44": "「本部の周辺にエネルギー反応。\\n アルカ・イズとスヴァフラーメですッ」",
"344000551_45": "「今戦える装者はわたししかいない……。\\n わたしが出ますッ」",
"344000551_46": "「ですが、まだイグナイトモジュールは完成していません。\\n もう少しなのですが……」",
"344000551_47": "「ならば、通常のギアで戦います。\\n ペンダントをください」",
"344000551_48": "「しかし……」",
"344000551_49": "「確かに、わたし1人ではあれを倒せるかわかりません……」",
"344000551_50": "「だけど、時間を稼ぐことはできます。\\n その間に離脱を……ッ」",
"344000551_51": "「……わかった。S.O.N.G.本部を安全域へと移動させる」",
"344000551_52": "「セレナくんもある程度敵を引きつけられたら離脱するんだ。\\n 無理はするんじゃないぞ」",
"344000551_53": "「了解しましたッ!」"
}

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@ -0,0 +1,18 @@
{
"344000552_0": "「この先には、進ませませんッ!」",
"344000552_1": "「はあ……はあ……」",
"344000552_2": "(セレナ、大丈夫か?)",
"344000552_3": "(はい。わたしを庇ってくれた天羽さん、小日向さんのためにも、\\n 今度はわたしがみんなを護らないと……ッ",
"344000552_4": "(ああ。だけど、もうかなり時間を稼げたはずだ。\\n そろそろセレナも撤退を……ッ",
"344000552_5": "(そうですね。包囲網を抜けますッ!)",
"344000552_6": "「そこを、通してください――ッ!」",
"344000552_7": "「く、弾かれて……ッ!」",
"344000552_8": "(セレナ、後ろだッ!)",
"344000552_9": "「……ッ!」",
"344000552_10": "「きゃああ――ッ!」",
"344000552_11": "「うう……。やっぱり、わたし1人では、何もできない……」",
"344000552_12": "「わたしは……」",
"344000552_13": "「護ってくれて、ありがとう」",
"344000552_14": "「よく頑張ったな、あとは任せろ」",
"344000552_15": "「この、声は……」"
}

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@ -0,0 +1,13 @@
{
"344000611_0": "抜剣",
"344000611_1": "「お2人とも、もう大丈夫なんですかッ!?」",
"344000611_2": "「ああ。あいつらを足止めして、\\n 護ってくれたおかげでな」",
"344000611_3": "「しかもね、それだけじゃないの。エルフナインちゃんが、\\n 新しい力をギアに組み込んでくれたんだよ」",
"344000611_4": "「――ッ!\\n イグナイトモジュールが完成したんですね……ッ」",
"344000611_5": "「よかっ……た――」",
"344000611_6": "「気を失ったのか……」",
"344000611_7": "「ヴェイグさん、セレナちゃんをS.O.N.G.に運べる……?」",
"344000611_8": "「ああ、ミレニアムパズルを使えば、オレでも運べるだろう。\\n あとは任せたぞ――ッ」",
"344000611_9": "「それじゃ、ここからはあたしたちの番だ」",
"344000611_10": "「覚悟はできてるだろうな。\\n あたしたちの仲間をいたぶってくれた礼はさせてもらうぞッ」"
}

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@ -0,0 +1,12 @@
{
"344000612_0": "「やっぱ、通常のギアだと相手にするのはきついなッ!」",
"344000612_1": "「……イグナイトモジュールを使いますか?」",
"344000612_2": "「なんだよ、その言い方。まるで使うのが怖いみたいだぞ」",
"344000612_3": "「正直、怖いです。暴走衝動を抑えきれるかどうか。\\n わたしは奏さんみたいに強くないですから……」",
"344000612_4": "「あたしだって強いわけじゃない」",
"344000612_5": "「だけど、あいつらに対抗するためには、イグナイトモジュールを\\n 使いこなせなくちゃならない。そうだろ」",
"344000612_6": "「……はい。\\n ここにはいない仲間たちのためにも……ッ」",
"344000612_7": "「さあ、覚悟を決めるぞッ!\\n 呪いの力がどんなもんか、見せてもらおうじゃないかッ」",
"344000612_8": "「はい……ッ!」",
"344000612_9": "「イグナイトモジュール、抜剣ッ!」"
}

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@ -0,0 +1,39 @@
{
"344000621_0": "「イグナイトモジュール、抜剣ッ!」",
"344000621_1": "「この胸の中を掻きむしられるような感覚はッ!?\\n これが、呪いの力――ッ」",
"344000621_2": "「うわあああああ――ッ!」",
"344000621_3": "「あたしは、一体、ここは……」",
"344000621_4": "「誰もいない……。1人きり……」",
"344000621_5": "「そうだ、あたしはこの世界の人間じゃない。\\n あたしの翼は、もういないんだ……」",
"344000621_6": "「じゃあ、なんのために、誰のために戦ってるんだ?」",
"344000621_7": "「どんなに頑張っても、あたしは1人のままなのに……」",
"344000621_8": "「あれ? みんな、どこにいるの?」",
"344000621_9": "「未来……」",
"344000621_10": "「響ッ!? どうしたの、その怪我ッ!\\n 早く病院に行かないとッ」",
"344000621_11": "「ごめんね、未来、負けちゃった。\\n もう、ただいまって言えないみたい……」",
"344000621_12": "「そんな、嘘だよね……? 響……ッ!」",
"344000621_13": "「……」",
"344000621_14": "「もう響に会えないなんて、そんなのダメ……ッ!\\n わたし、こんなところで戦ってる場合じゃない……」",
"344000621_15": "「今すぐ響のところに行かないと……、\\n 響がいないと、わたしは……ッ」",
"344000621_16": "「まさか、暴走状態に……」",
"344000621_17": "「く……ッ! ティルヴィングの呪いの力、\\n ギアに組み込むには大きすぎたというのか……ッ」",
"344000621_18": "「ぐうううううう……」",
"344000621_19": "「う、ああああああ……ッ!」",
"344000621_20": "「お前、は……」",
"344000621_21": "「奏さん……?」",
"344000621_22": "(そうだ、あたしは、誰かと一緒に戦ってたんじゃないか)",
"344000621_23": "(確かにあたしの世界の翼はもういない……)",
"344000621_24": "(だけど今は、世界を超えて出会ったみんなが仲間で、\\n 戦う理由だったはずだろッ",
"344000621_25": "(だから、あたしはもう、1人じゃない……ッ!)",
"344000621_26": "(そっか……わたしには、隣で一緒に戦ってくれる仲間がいる。\\n そしてそれは、響も同じ……ッ",
"344000621_27": "(わたしが響を、みんなを信じられなくてどうするの……。\\n みんなはきっと、無事に帰ってくる",
"344000621_28": "(だからわたしは、ここにいる。\\n わたしの戦いを続けるッ",
"344000621_29": "(笑顔で響に\\n おかえりなさいを言うためにッ",
"344000621_30": "「悪かったな……少し、弱気になっちゃってたみたいだ」",
"344000621_31": "「はい……わたしもです。\\n でも、もう迷わないッ」",
"344000621_32": "「ああッ!\\n こんなときだってのに、自分自身に負けてる場合じゃないよな」",
"344000621_33": "「はいッ! この衝動を、抑え込めば……ッ!」",
"344000621_34": "「あああああああああああッ!」",
"344000621_35": "「これが、新たなイグナイトモジュール……ッ!」",
"344000621_36": "「さっきよりもちょっとばかし荒々しくなるぞ。\\n 覚悟しろよッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,46 @@
{
"344000622_0": "「ん……あれ、わたしは……」",
"344000622_1": "「よかった、どこか痛いところはあるか?」",
"344000622_2": "「なんで、ベッドで……」",
"344000622_3": "「覚えてないか?\\n スヴァフラーメと戦って、倒れたんだよ」",
"344000622_4": "「……はッ!? スヴァフラーメは?\\n 本部はどうなったんですか」",
"344000622_5": "「お前が時間を稼いでくれたおかげで、\\n イグナイトモジュールが完成したんだよ」",
"344000622_6": "「あの2人がイグナイトモジュールを起動して、\\n 戦ってくれている」",
"344000622_7": "「そうですか……。また、2人に……」",
"344000622_8": "「ついさっき、お前のシンフォギアも、\\n 最終調整が完了した」",
"344000622_9": "「――ッ!」",
"344000622_10": "「セレナ、どうする……?」",
"344000622_11": "「わたしは……」",
"344000622_12": "「イグナイトモジュールの威力、見せてやるッ!」",
"344000622_13": "「いくら硬い装甲を持っていても、\\n この攻撃なら撃ち抜ける……ッ」",
"344000622_14": "「また数が増えやがったな、こいつらッ!」",
"344000622_15": "「いい加減、ヴェイグさんのことは諦めてッ!」",
"344000622_16": "「チッ……、あいつの嘲笑う顔が目に浮かぶ……」",
"344000622_17": "「思い通りには、させたくないですね……」",
"344000622_18": "「お待たせしましたッ!」",
"344000622_19": "「お前、大丈夫なのかッ!?」",
"344000622_20": "「わたしのギアにも、イグナイトモジュールを組み込んで\\n もらいました」",
"344000622_21": "「わたしも戦えます。\\n 戦わせてくださいッ」",
"344000622_22": "「ああ、もちろんだ。\\n 一緒にこいつらを吹っ飛ばすぞ」",
"344000622_23": "「はい……。",
"344000622_24": " イグナイトモジュール、抜剣ッ!」",
"344000622_25": "「セレナ、あなたは優しすぎます。\\n 時には非情にならなければ、敵に付け入られてしまいますよ」",
"344000622_26": "「結果として傷つくのは、あなただけでなく、\\n 護るべき誰かかもしれないのです」",
"344000622_27": "「お前のその人一倍優しい考え方、\\n あたしは好きだよ――」",
"344000622_28": "「だけどな、優しいだけじゃダメなんだ。中途半端な\\n 優しさじゃ、大切なものまで傷つけることになる」",
"344000622_29": "「違います……ッ!\\n わたしは、傷つけるためではなく、護るために……」",
"344000622_30": "「は――ッ! 『優しさ』ときたか」",
"344000622_31": "「教えてくれ。優しさがなんの役に立つ?」",
"344000622_32": "「そんなもので、絶対的な力にどう抗うとッ!?」",
"344000622_33": "「わたしはただ、可哀想なドヴァリンさんを助けようと……」",
"344000622_34": "「消えろ、ニンゲン……」",
"344000622_35": "「消えろおおおおおおおッ!」",
"344000622_36": "「――ッ!」",
"344000622_37": "「わたしは、誰かを助けることも、仲間を護ることも\\n できませんでした……」",
"344000622_38": "「そんな弱いわたしなのに、救いたいだなんて、\\n なんて、傲慢な――ッ」",
"344000622_39": "「うあああああ――ッ!」",
"344000622_40": "「セレナさんが暴走しかけていますッ!」",
"344000622_41": "「あたしたちにできることはないのかよッ!」",
"344000622_42": "「セレナちゃん、しっかりと自分を保って。\\n 呪いに飲み込まれちゃダメッ」",
"344000622_43": "「う、うう、があああああ――ッ!」"
}

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@ -0,0 +1,34 @@
{
"344000631_0": "「あああ――ッ!」",
"344000631_1": "「セレナさんを止めないとこのままでは危険ですッ!」",
"344000631_2": "「だからって、どうすれば……ッ!」",
"344000631_3": "「オレならセレナの精神に干渉できるはずだ。\\n オレに任せてくれ――ッ」",
"344000631_4": "「……」",
"344000631_5": "「セレナ……」",
"344000631_6": "「ヴェイグさん、わたしはどうしたらいいんでしょうか……。\\n ヴェイグさんの仲間を救いたい、なのに……」",
"344000631_7": "「オレたちのために、ありがとう。\\n だけど、もういい」",
"344000631_8": "「え……?」",
"344000631_9": "「ドヴァリンは、完全に憎しみに囚われていた。\\n もう、オレのこともわからないくらい……」",
"344000631_10": "「きっと、作り出した呪いに自分自身が取り込まれているんだ。\\n もう助けることは……」",
"344000631_11": "「だから、ドヴァリンがこれ以上暴走しないように、\\n イグナイトモジュールを使ってドヴァリンを倒してくれないか」",
"344000631_12": "「そんな、でも……ッ!\\n あの方はヴェイグさんのたった人の……ッ」",
"344000631_13": "「仕方がないんだ。それとも、あくまで\\n ドヴァリンを救いきろうって言うのか」",
"344000631_14": "「……それができず、仲間に迷惑をかけてしまったわたしに、\\n そんなことを言う資格は……」",
"344000631_15": "「救うことはできなくても、戦い倒すことはできるかもしれない。\\n イグナイトモジュールの力を使えば……ッ」",
"344000631_16": "「できないって言うなら、それは仕方がないが……」",
"344000631_17": "「……」",
"344000631_18": "「ドヴァリンさんを、ビルデラント王国を止められなければ、\\n 世界中へさらに被害が広がってしまいます」",
"344000631_19": "「わたしは……わたしは、戦いますッ!\\n マムの言うように、非情になってでもッ」",
"344000631_20": "「そのために、この力を制御してみせる……ッ!」",
"344000631_21": "「はあ……はあ……ッ!」",
"344000631_22": "「これが、この力が、イグナイトモジュールッ!」",
"344000631_23": "「これで3人揃ったなッ!」",
"344000631_24": "「ヴェイグさんのおかげで、\\n なんとか抑え込むことができました」",
"344000631_25": "「ソウ……\\n チカラサエアレバ……」",
"344000631_26": "「――ん?\\n 何か言ったか」",
"344000631_27": "「え? ごめんなさい。\\n なんだかボーっとしちゃって……」",
"344000631_28": "「でも、心配しないでくださいッ!\\n 呪いの力は、制御できていますから――ッ」",
"344000631_29": "「この力で戦いますッ!\\n すべてを終わらせるためにッ」",
"344000631_30": "「うんッ! まずは、目の前のスヴァフラーメを……ッ!」",
"344000631_31": "「ああ、3人でならどれだけ来ようと大丈夫だ。\\n 行くぞ……ッ」"
}

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@ -0,0 +1,34 @@
{
"344000632_0": "「この力で、捻じ伏せて――ッ!」",
"344000632_1": "「やっと、全部片付いたか」",
"344000632_2": "「イグナイトモジュールのおかげですね」",
"344000632_3": "「はあ……はあ……、\\n う……ッ」",
"344000632_4": "「大丈夫か?」",
"344000632_5": "「は、はい。ちょっと、疲れただけですから……」",
"344000632_6": "(イグナイトモジュールの制御が安定していない?\\n ひょっとして、まだ迷いを捨てきれてないんじゃ……",
"344000632_7": "「でも、イグナイトモジュールの力が使えて、\\n 人と一緒に戦えてよかったです」",
"344000632_8": "「あ、ああ。来てくれてありがとうな」",
"344000632_9": "(気のせいだよな。さっきはしっかり戦えてたし)",
"344000632_10": "「さて、イグナイトモジュールの実力がわかったところで、\\n これからどう動くべきかな」",
"344000632_11": "「今の戦いのように、襲ってくる敵を迎え撃つだけでは、\\n 埒があきませんよね」",
"344000632_12": "「となると、もう1度……」",
"344000632_13": "「お前たち、よくやってくれた」",
"344000632_14": "「ああ、イグナイトモジュールの方もばっちりだぞ」",
"344000632_15": "「エルフナインちゃん、ありがとう」",
"344000632_16": "「どういたしまして。よかったです」",
"344000632_17": "「だがな、状況はより、予断を許さないものとなった」",
"344000632_18": "「え?」",
"344000632_19": "「先ほど、ハルドールから3度目の予告があったんだ」",
"344000632_20": "「最後のショーとして、世界中に大規模な襲撃を行い、\\n 今度こそ装者を潰す――とな」",
"344000632_21": "「な――ッ!?」",
"344000632_22": "「そんなことになったら、響たちが……ッ!」",
"344000632_23": "「あっちがそのつもりなら、\\n あたしたちがやることはつだな」",
"344000632_24": "「もう一度ビルデラントに乗り込んで、\\n 襲撃の前に黒幕を叩く……ッ」",
"344000632_25": "「ああ、状況から考えて、それが最善の手だろう」",
"344000632_26": "「そして、ドヴァリンさんのことを……」",
"344000632_27": "「止める……\\n トメル……命ヲトメル……」",
"344000632_28": "「…………」",
"344000632_29": "(セレナ……本当に大丈夫なのか?\\n あいつと戦えるのか……",
"344000632_30": "(大丈夫……。\\n イグナイトモジュールの力、使いこなしてみせます",
"344000632_31": "(…………)"
}

View file

@ -0,0 +1,29 @@
{
"344000711_0": "再び、呪いのゆりかごへ",
"344000711_1": "「またここに来たな。\\n 今回は潜入じゃなくて殴り込みだけど」",
"344000711_2": "「念のため釘を刺しておきますけど、\\n 全面戦争じゃないですからね」",
"344000711_3": "「あくまで慎重に、戦いを止めるためにハルドールとドヴァリンさんを\\n 確保する作戦です」",
"344000711_4": "「そうだったな。しかも、あたしたちに残された時間は少ない」",
"344000711_5": "「ハルドールが、大規模な襲撃の予告を行ったんですよね……」",
"344000711_6": "「このままじゃ各地で戦うみんなの戦いも終わらない。\\n 元凶を叩いてしまえば……」",
"344000711_7": "「……」",
"344000711_8": "「ここに来てからずっと黙ってるな。\\n ドヴァリンのこと、考えてるのか」",
"344000711_9": "「はい……。でも大丈夫です。もしこの前のような\\n ことになったら、わたしも戦います」",
"344000711_10": "「ああ……」",
"344000711_11": "「ここからは、二手に分かれる必要があるな。\\n 小悪党を捕まえる側と、ドヴァリンを止める側に」",
"344000711_12": "「わたしはドヴァリンさんのところへ\\n 行かせていただけないでしょうか」",
"344000711_13": "「ドヴァリンさんを止めるためには、ヴェイグさんも\\n いたほうがいいと思いますので」",
"344000711_14": "「そうだな。じゃあ、あたしもそっちに行く。\\n そっちのほうが頭数は必要だろう」",
"344000711_15": "(こいつのことだ。\\n いざってときには、あたしがドヴァリンを――",
"344000711_16": "(たとえ、恨まれたとしても……)",
"344000711_17": "「ハルドールの確保は任せてください」",
"344000711_18": "「油断するなよ。\\n どんな手を隠し持っているかわからないからな」",
"344000711_19": "「はい。それではわたしは城の方へ、行ってきますッ!」",
"344000711_20": "「じゃあ、あたしたちはドヴァリンのいる工場へ行くか。\\n 場所を移動されてなければいいんだけどな」",
"344000711_21": "「なんとか、潜入することができましたね」",
"344000711_22": "「ああ。ここまでは人の出入りも多いし、\\n 忍び込みやすかったんだが……」",
"344000711_23": "「この先は、警備をしているスヴァフラーメを突破しないと\\n 先に進めなさそうですね……」",
"344000711_24": "「警備がいるってことは、\\n ドヴァリンの居場所は変わってなさそうだな」",
"344000711_25": "「後回しにするのも面倒だ。出てくる奴は\\n イグナイトモジュールで片っ端から壊していくぞッ」",
"344000711_26": "「わかりました、遅れないようについていきますッ!」"
}

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@ -0,0 +1,23 @@
{
"344000712_0": "「お前で最後だッ!」",
"344000712_1": "「……結構時間がかかってしまいましたね」",
"344000712_2": "「ああ、急ごう。騒ぎを聞きつけて\\n 主戦力が集まる前にカタをつけないと」",
"344000712_3": "「そうですねッ!\\n ……では、ドヴァリンさんのいた部屋に踏み込みます」",
"344000712_4": "「はあ……はあ……」",
"344000712_5": "「ん……? お前たちは……」",
"344000712_6": "「あの男は、お前たちを殺し損ねていたんだな」",
"344000712_7": "「当たり前だッ!」",
"344000712_8": "「わたしたちは、あなたと、この国がやろうとしていることを\\n 止めに来ましたッ」",
"344000712_9": "「ドヴァリン、最後に聞きたい。こんな、悪い人間に\\n 利用されるようなこと、やめる気はないか」",
"344000712_10": "「ヴェイグ、お前か……」",
"344000712_11": "「ドヴァリン、オレのことがわかって――ッ!」",
"344000712_12": "「あの男が言っていただろう。私はあの男に\\n 利用されているわけではない」",
"344000712_13": "「全て私の意思だ。人間に対するこの憎しみも、\\n この怒りも……ッ」",
"344000712_14": "「ドヴァリン……」",
"344000712_15": "「お前こそ、人間とずいぶん親しげにしているではないか?」",
"344000712_16": "「この人たちは、ドヴェルグ族を苦しめた悪い人間とは\\n 違うんだッ 清い心を持った――」",
"344000712_17": "「黙れ。人間に清も邪も無い。\\n 皆等しくおぞましい……」",
"344000712_18": "「だから、私は呪う。この世のすべての人間をッ!」",
"344000712_19": "「ヴェイグ、人間に与するお前も同じだ。\\n そんなにその人間たちが大切なら、一緒に消えてしまえ――ッ」",
"344000712_20": "「そんな……」"
}

View file

@ -0,0 +1,20 @@
{
"344000721_0": "(2人は、無事に潜入できたかな……?)",
"344000721_1": "(っと、わたしも\\n 見つからないように気を付けないと",
"344000721_2": "(ハルドールはどこにいるのかな。\\n やっぱり、国王様だし、最上階……",
"344000721_3": "(……ッ! 誰か来る……)",
"344000721_4": "「グランドフィナーレの準備はどうなっている?」",
"344000721_5": "「はいッ! 各国に送るスヴァフラーメ、及びアンガンチュールの\\n 最終調整が完了しました」",
"344000721_6": "(……ッ! グランドフィナーレって、\\n 世界中への一斉攻撃のことだ……",
"344000721_7": "「よくやった。あとは転送を待つのみというわけだな。\\n では、国王様にお伝えして――」",
"344000721_8": "(このままじゃ、みんなのところに大量の兵器が送られちゃう。\\n その前に止めないと",
"344000721_9": "(だったら、わたしにできることは……)",
"344000721_10": "「Rei shen shou jing rei zizzl――」",
"344000721_11": "「な、お前は――ッ!?」",
"344000721_12": "「装者だとッ!? なんと大胆不敵な……、\\n ここがどこだかわかっているのか――ッ」",
"344000721_13": "「わかっています。\\n わたしはハルドールを捕らえに来たんですからッ」",
"344000721_14": "「こ、こいつッ!\\n スヴァフラーメを出せ、侵入者だッ」",
"344000721_15": "(よし、騒ぎを起こせば、兵器の転送は遅らせられるはず)",
"344000721_16": "(でも、忍び込むのは無理になっちゃった……。\\n 戦いながら、ハルドールのところまで突き進むしかない……ッ",
"344000721_17": "「ハルドールのところまで、無理やりにでも押し通りますッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,34 @@
{
"344000722_0": "「そこを通して……ッ!」",
"344000722_1": "「スヴァフラーメが倒されて……ッ!?」",
"344000722_2": "「こ、こうなったら……」",
"344000722_3": "「下がれ。ここからは私自ら指揮を執ろう」",
"344000722_4": "「国王様ッ!? はッ、承知しました」",
"344000722_5": "「礼儀がなっていないな。\\n 私の城に入っておきながら、この振る舞いとは」",
"344000722_6": "「あなたは……。\\n 自分から出てくるとは思いませんでした」",
"344000722_7": "「なぜ貴様相手に私の方が隠れなくてはならないのだ」",
"344000722_8": "「貴様の目的はわかっているぞ。\\n グランドフィナーレの邪魔をしに来たのだろう」",
"344000722_9": "「その通りです。お金と力を集める……、\\n なんのためにそんなことをするのかわかりませんが……」",
"344000722_10": "「なんのため?\\n クク、ハッハッハッハッハッ」",
"344000722_11": "「別に、理由など無い」",
"344000722_12": "「な――ッ!?」",
"344000722_13": "「私は、欲しいから手に入れるのだッ!」",
"344000722_14": "「ただ、欲望を満たすためだけに\\n こんな争いを起こしているって言うんですかッ」",
"344000722_15": "「何もおかしなことはあるまい」",
"344000722_16": "「私は生まれた時から大企業の跡取り息子。\\n 誰もが羨むステータスだったろう」",
"344000722_17": "「だが私は知ってしまったのだ。\\n 父が私以外の者に社長の座を譲ろうとしているのをッ」",
"344000722_18": "「私の物を誰かが横取りしようとしていると知って、\\n 私は我慢ならなかった――ッ」",
"344000722_19": "「そんな時出会ったのがあのドヴェルグ族だ。\\n 奴は途方もない憎しみを、力を持て余していた」",
"344000722_20": "「私はただ『私の欲望』という目的を与えてやればよかったのだ。\\n 奴の呪いは指向性を持ち、兵器として形になったッ」",
"344000722_21": "「最強の兵器を従える私の欲望を止めることはできないッ!\\n 私は、この世のすべてが欲しいのだッ」",
"344000722_22": "「……」",
"344000722_23": "「欲しいといえば、もう1つ。\\n シンフォギア、それもぜひ手に入れたくなったぞ」",
"344000722_24": "「スヴァフラーメには劣るだろうが、\\n これほど健闘するとは思わなかったのでな」",
"344000722_25": "「シンフォギアは\\n 装者の想いに応えてくれる無限の力です」",
"344000722_26": "「あなたなんかに扱えるわけが――」",
"344000722_27": "「ならば、装者ごと手に入れよう」",
"344000722_28": "「なッ!?」",
"344000722_29": "「貴様は器量も悪くないし、ちょうどいい」",
"344000722_30": "「は、はい……ッ!?」",
"344000722_31": "「喜ぶがいい。\\n 貴様を我が妻として迎え入れようッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,15 @@
{
"344000731_0": "「……あ、あの、わたしの聞き間違いだと思うんですが\\n 今、なんて」",
"344000731_1": "「私の言葉を聞き逃すとは。\\n 貴様でなければ、今すぐにでも撃ち殺していたところだ」",
"344000731_2": "「では、もう1度言わせてもらおう。\\n 貴様を我が妻として迎え入れようッ」",
"344000731_3": "「ひいッ!?」",
"344000731_4": "「ん? なんだ、今の声は。\\n あまりの喜びに言葉を失ってしまったか」",
"344000731_5": "「なんでわたしがあなたの妻にならないといけないんですか。\\n 絶対に嫌です、お断りしますッ」",
"344000731_6": "「わたしは、無事に帰ってくるって言ってくれた響のことを\\n 待っていなきゃいけないんですッ」",
"344000731_7": "「響だと? それがどれほどの男か知らないが\\n どうせ凡人だろう。最強の力を持つ私こそ――」",
"344000731_8": "「そんなの必要ありませんッ!」",
"344000731_9": "「響はいつもぽかぽかしたのものでわたしを包んでくれる、\\n お日様みたいにあったかい人なの――ッ」",
"344000731_10": "「愚かな。そんなものはなんの役にも立たないというのに――」",
"344000731_11": "「どうやらまだ、私の力が理解できていないようだな。\\n ならば、わからせてやるまでだッ」",
"344000731_12": "「あなたの思い通りになんか、なりませんッ!」"
}

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@ -0,0 +1,12 @@
{
"344000732_0": "「わたしには響と一緒にいる時間が大切なんです。\\n それは誰にも奪わせないッ」",
"344000732_1": "「ほう、こちらの予想を超える力だ。\\n ますます欲しくなったぞ……ッ」",
"344000732_2": "「だが、ここは1度退いて、立て直す必要があるな」",
"344000732_3": "「あッ、待ちなさいッ!",
"344000732_4": " それは……隠し通路ッ!?」",
"344000732_5": "「貴様はスヴァフラーメと遊んでいろッ!」",
"344000732_6": "「この数で足止めできると思わないでッ!」",
"344000732_7": "「また会おう、我が将来の妻よッ!」",
"344000732_8": "「ッ!?」",
"344000732_9": "「勝手なことを……ッ!\\n 絶対に確保して弦十郎さんたちに突き出しますッ」"
}

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@ -0,0 +1,40 @@
{
"344000811_0": "力の代償",
"344000811_1": "「消え去れ、人間ども――ッ!」",
"344000811_2": "「くッ……スヴァフラーメの力が増してる?」",
"344000811_3": "「あいつが直接呪いの力を注ぎこんでいるのかッ!?」",
"344000811_4": "「答えてくれ。なんで魔剣なんてものを打ったんだ。\\n あれは禁忌のはずだぞッ」",
"344000811_5": "「優しかったあんたがなぜ……」",
"344000811_6": "「なぜ……? なぜだったか……」",
"344000811_7": "「ああそうだ。ティルヴィングは、人間に頼まれて作ったんだよ」",
"344000811_8": "「その人間たちとは親交があり、私は仲間だと思っていた。だが、\\n その日は様子が違った。突然、魔剣を作れと言ってきたんだ」",
"344000811_9": "「当然私は断った。\\n だけど、人間たちは欲深く、周到だった……」",
"344000811_10": "「私の仲間は奴らに捕らえられていたんだ。\\n 私が魔剣作りを拒むたび、人、また人と――」",
"344000811_11": "「――ッ!」",
"344000811_12": "「おかげで、たっぷりと憎しみのこもった最強の\\n 魔剣ティルヴィングが出来上がったという訳だ」",
"344000811_13": "「そんな……そんなの、酷すぎる……」",
"344000811_14": "「だから、そんなにも強く人間を憎んで……」",
"344000811_15": "「そんなの、当たり前だよな……」",
"344000811_16": "「優しかった私がなぜ? と聞いたな」",
"344000811_17": "「逆だよ。私が人間たちに優しくして、\\n 隙を見せたから付け入られ、この結果を生んだんだ」",
"344000811_18": "「人間の欲深さ、邪悪さを知っていれば、\\n 仲間を失うこともなかったのにな……ッ」",
"344000811_19": "(ドヴァリンさんの強い憎しみの理由が、\\n そんなに悲しい過去だったなんて……",
"344000811_20": "(そんな風に生まれてしまった呪いを、わたしに\\n 止めることができるの……",
"344000811_21": "「だから私は憎しみ以外の感情を捨てたッ!\\n 人間どもは憎んで恨んで、呪い殺してやるんだ――ッ」",
"344000811_22": "「伏せて、ヴェイグさんッ!」",
"344000811_23": "「大丈夫ですか?」",
"344000811_24": "「あ、ああ、セレナのおかげで――」",
"344000811_25": "「うう――ッ!?」",
"344000811_26": "「大丈夫かッ!?」",
"344000811_27": "「はい……でも、イグナイトモジュールの制御におかしい感じが……」",
"344000811_28": "「気を付けてくださいッ! セレナさんのイグナイトモジュールに\\n 暴走の兆候が出ています……ッ」",
"344000811_29": "「心を落ち着けて、もう1度制御をッ!」",
"344000811_30": "「はいッ! でも……」",
"344000811_31": "「あんな話を聞いて、迷うなって方が無理がある……」",
"344000811_32": "「だけど……」",
"344000811_33": "「敵は待ってくれないッ!\\n 戦わなくちゃ、こっちがやられるぞッ」",
"344000811_34": "「ドヴァリンを止めるために、戦えるか?」",
"344000811_35": "「はい、わたしは、そのために来たんですから……ッ!」",
"344000811_36": "「とりあえず、周りの兵器を潰すぞッ!\\n ドヴァリンはその後だッ」",
"344000811_37": "「はい……ッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,15 @@
{
"344000812_0": "「迷わないッ! わたしは、戦うんだ……ッ!\\n まずは目の前の敵を――ッ」",
"344000812_1": "「…………」",
"344000812_2": "「ぐ、あああ――ッ!」",
"344000812_3": "「うう……もっとだッ!\\n もっと憎しみを、呪いの力を……ッ」",
"344000812_4": "「スヴァフラーメを倒したら、ドヴァリンさんが苦しんでッ!?」",
"344000812_5": "「どうしたんだ……?」",
"344000812_6": "「ティルヴィングの呪いは強すぎる……。ドヴァリンは、\\n その力に取り込まれてしまっているんだ」",
"344000812_7": "「恐らく、ドヴァリンの精神はもうティルヴィングの\\n 呪いと一体化しているんだろう」",
"344000812_8": "「どういうことだ?」",
"344000812_9": "「ティルヴィングの欠片をスヴァフラーメのコアとしているのは、\\n 精神を分割して力として付与しているようなものだ」",
"344000812_10": "「分ければ分けるほど自我が保てなくなるし、\\n それが壊されれば、苦しむことになる……」",
"344000812_11": "「そんなことをしてまで、憎しみを振りまこうと……」",
"344000812_12": "「苦しい、苦しい……ッ!\\n それもこれも、全部人間のせいだッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,12 @@
{
"344000821_0": "「ヒヒッ! スヴァフラーメは呪いの方舟だ。\\n あれに乗って、憎しみは、呪いは世界に拡散するッ」",
"344000821_1": "「呪いの拡散……」",
"344000821_2": "「そのために、ハルドールに協力してるって言うのか?」",
"344000821_3": "「利用してるのさ。あいつの欲深さは、\\n 憎しみを拡散するのに実に役立ってくれた」",
"344000821_4": "「だが、あいつは私を利用してると思っている。\\n 私に魔剣を作らせた連中と同じ末路をたどるとも知らずに……」",
"344000821_5": "「同じ末路? どういうことなの……?」",
"344000821_6": "「知ってどうなる。\\n ここで殺される運命のお前たちが――ッ」",
"344000821_7": "「――ッ!\\n また、スヴァフラーメが……ッ」",
"344000821_8": "「倒せば、ドヴァリンさんをもっと苦しめることに……」",
"344000821_9": "「迷うなッ! ここは戦場なんだッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,21 @@
{
"344000822_0": "「くそッ!\\n 戦いを長引かせちゃマズイってのに……」",
"344000822_1": "「があッ!? はあ……はあ……」",
"344000822_2": "「スヴァフラーメの防御はなくなったッ!\\n 今だ、ドヴァリンを……ッ」",
"344000822_3": "「はい……ッ!」",
"344000822_4": "(まだ、ドヴァリンさんのことを救いたいと、\\n 憎しみから解放してあげたいと思ってる自分がいる……",
"344000822_5": "(だけど、どうやって? わたしにはそんな力が無い……)",
"344000822_6": "(だったら、やれることは1つだけ。\\n そうだ、迷うな――",
"344000822_7": "「はああああッ!」",
"344000822_8": "「くッ!?\\n この、攻撃は……」",
"344000822_9": "「私の物に勝手に触れようとするなど、\\n 不敬極まりないぞ」",
"344000822_10": "「ハルドールッ!?」",
"344000822_11": "「あいつが追っていたはずだろ。\\n なんだってこの場に出てくるんだ」",
"344000822_12": "「我がフィアンセのことかな?\\n それならば……」",
"344000822_13": "「待ちなさいッ!\\n やっと追いついたッ」",
"344000822_14": "「……って、みんなッ!?」",
"344000822_15": "「フィアンセってなんだ?」",
"344000822_16": "「それはなんでもありませんッ!」",
"344000822_17": "「わたしは逃げたハルドールを追って、\\n 城の隠し通路を通って来たんです」",
"344000822_18": "「逃げた? 私はこの惨めなドヴェルグに会いに来ただけだ。\\n より多くの呪いの力を引き出すためにな……ッ」"
}

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@ -0,0 +1,17 @@
{
"344000831_0": "「私に従え、ドヴァリンッ!」",
"344000831_1": "「ぐう……」",
"344000831_2": "「ドヴァリンからその足をどけろ……ッ!」",
"344000831_3": "「フン、黙って見ていろ」",
"344000831_4": "「ほら、もっとだ。限界までスヴァフラーメを強化しろッ!\\n お前の憎しみはこんなものではないだろうッ」",
"344000831_5": "「ぐうう……ああああああああああッ!」",
"344000831_6": "「呪いの力が強まって……ッ!?」",
"344000831_7": "「くッ……攻撃が、重い……」",
"344000831_8": "「そこをどいてもらうぞ……ッ!」",
"344000831_9": "「止められたッ!?」",
"344000831_10": "「次が来ます、下がってッ!」",
"344000831_11": "「攻撃を、相殺させて……ッ!」",
"344000831_12": "「はあ、はあ……」",
"344000831_13": "「止めてくれなきゃ直撃してたところだ。\\n 助かったよ」",
"344000831_14": "「ですが、また次が来ます……ッ!」"
}

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@ -0,0 +1,32 @@
{
"344000832_0": "「うわああああああッ!?」",
"344000832_1": "「くッ……防ぎきれなかったか……」",
"344000832_2": "「ハッハッハッハッハッ!\\n イグナイトモジュールも、私の力の敵ではなかったようだなッ」",
"344000832_3": "「やはり私はすべてを手にするに相応しい人間なのだッ!\\n さあ貴様ら、惨めに命乞いをするならば今のうち――」",
"344000832_4": "「――ん?」",
"344000832_5": "「ヒヒ……始まったか」",
"344000832_6": "「あれは、瘴気……ッ!?」",
"344000832_7": "「な、なんだ、これはッ!?\\n どうなっている、答えろッ」",
"344000832_8": "「お前は、力を使いすぎた……」",
"344000832_9": "「どういう意味だああああッ!」",
"344000832_10": "「道具風情が何をしたッ!\\n なぜ、私の身体から呪いの瘴気が……ッ」",
"344000832_11": "「それがティルヴィングの呪いの特性だからだ。\\n 力を使い続けると発動する」",
"344000832_12": "「自らの力として振りかざしてきた呪いの力は跳ね返り、\\n 使用者を破滅へと導く……ッ」",
"344000832_13": "「そ、そんなことは聞いていないぞッ! 今すぐ元に――",
"344000832_14": " ……ああ、身体が消えていくッ!?」",
"344000832_15": "「これが、ティルヴィングの呪い……ッ!」",
"344000832_16": "「わ、私は偉大なる国王だぞ。\\n こんなところで消えていいはずがないんだッ」",
"344000832_17": "「安心しろ。お前がやろうとしていた戦争ごっこは\\n 私が引き継いでやる」",
"344000832_18": "「なあああッ!?」",
"344000832_19": "「S.O.N.G.の装者どもッ! 要救助者を救うのが仕事だろうッ!?\\n だったら、私のことも救ってみせろッ」",
"344000832_20": "「で、ですが、どうすることも……」",
"344000832_21": "「い、嫌だ、死にたくない、死にたくないッ!\\n お前は助けてくれるよな、なあッ」",
"344000832_22": "「わ、わたしは……」",
"344000832_23": "「金ならいくらでもくれてやるッ!\\n だから、だから――ッ」",
"344000832_24": "「あ、ああ、私の夢が、私の身体が消え、て……」",
"344000832_25": "「……」",
"344000832_26": "「これが、力に溺れたヤツの末路か。\\n ティルヴィングを作らせた奴も、きっと……」",
"344000832_27": "「新たな呪いの力を……」",
"344000832_28": "「ハルドールから出た瘴気を、吸収してるッ!?」",
"344000832_29": "「ヒヒッ! 良く育った悪意だ。\\n これで私の呪いは、もっと強くなる……ッ」"
}

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@ -0,0 +1,37 @@
{
"344000911_0": "呪い照らすヒカリ",
"344000911_1": "「素晴らしい悪意だ……ッ!」",
"344000911_2": "「ハルドールが消えて生まれた瘴気を、\\n ドヴァリンが吸収した……」",
"344000911_3": "「これで私の憎しみは……呪いはッ!\\n もっと強くなる……ッ」",
"344000911_4": "「ああ……どんどん、ドヴァリンがドヴァリンじゃ\\n なくなっていく……ッ」",
"344000911_5": "「ドヴァリンさんから、\\n ものすごい力を感じます……ッ」",
"344000911_6": "「集え、我が呪いの欠片たちよ」",
"344000911_7": "「地響きッ!? いや、工場中のスヴァフラーメが\\n 集まってきてるのかッ」",
"344000911_8": "「天井が……ッ! 避難しましょう。\\n ここにいたら潰されてしまいますッ」",
"344000911_9": "「ああ。天井をぶち抜いて逃げるぞ、遅れるなッ!」",
"344000911_10": "「ここは……お城の中庭?",
"344000911_11": " 工場の地下がこんなところに繋がってたなんて」",
"344000911_12": "「――ッ!\\n 出てくるぞッ」",
"344000911_13": "「くッ……すごい威圧感だ……」",
"344000911_14": "「これが、私の憎しみ、呪いの力……ッ!」",
"344000911_15": "「今の声、ドヴァリンさんはあの中に……ッ!?」",
"344000911_16": "「全部のスヴァフラーメを、1か所に集めたのか……?」",
"344000911_17": "「私の憎しみが、これで全てなものか。\\n あの男が準備していた分の数千体は、別に残してある」",
"344000911_18": "「な――ッ!?」",
"344000911_19": "「呪いを運べ、我が分身たちよッ!」",
"344000911_20": "「またあいつらデスッ!\\n す、すごい数デスよ……ッ」",
"344000911_21": "「これが、予告のあった最終戦……ッ!」",
"344000911_22": "「だけど、へいき、へっちゃらッ!」",
"344000911_23": "「もうボロボロのくせに、無理しやがって」",
"344000911_24": "「だって、未来が、みんなが頑張ってくれてるッ!\\n なんとかしてくれてるって信じてるッ」",
"344000911_25": " 「……そうだったな」",
"344000911_26": "「奏たちが成功するのを信じよう。わたしたちの仕事は、\\n それまで奴らをここに留めておくことだッ」",
"344000911_27": "「そうね。それくらい、やってやれないわたしたちじゃないッ!」",
"344000911_28": "(セレナ、頼んだわよ……ッ!)",
"344000911_29": "「世界各地に、スヴァフラーメの転送を確認――ッ!」",
"344000911_30": "「これまでにない規模です……ッ!\\n 装者たちでも、いつまで持つか……」",
"344000911_31": "「みんなが……ッ!」",
"344000911_32": "「止める方法はきっと、呪いの中止、\\n ドヴァリンさんを止めることだけ――」",
"344000911_33": "「だったら、あの邪魔くさい装甲を引っ剥がして\\n 中から引っ張り出すぞッ」",
"344000911_34": "(方法は、ドヴァリンさんを止める、\\n 倒すことだけ……ッ"
}

View file

@ -0,0 +1,31 @@
{
"344000912_0": "「もうお前たちの仲間も助からないッ!」",
"344000912_1": "「私と同じように、絶望しながら消えろッ!」",
"344000912_2": "「くッ……掠っただけなのに……ッ!」",
"344000912_3": "「ああ……一撃でも食らったらお終いだな。\\n だけど、その分大振りで隙もデカいみたいだ」",
"344000912_4": "「はい……短期決戦で、一瞬の隙を突けば……ッ!」",
"344000912_5": "「無駄だ、無駄なのだッ!\\n この憎しみに勝る力など存在しないッ」",
"344000912_6": "「足元がお留守だぞッ!」",
"344000912_7": "「力を受け流せば……ッ!」",
"344000912_8": "「何……ッ!?」",
"344000912_9": "「隙ができた……ッ!」",
"344000912_10": "「ここを、貫けば……ッ!」",
"344000912_11": "(……これは……ッ!?)",
"344000912_12": "(近づいたことで、ドヴァリンさんの想いが流れ込んでッ!?)",
"344000912_13": "「憎い……」",
"344000912_14": "「――ッ!」",
"344000912_15": "「私は何より、私自身が憎い。仲間を護れなかった、\\n 弱い私が……」",
"344000912_16": "「私は、何をやっているんだ……?\\n 私の願いは、こんなことじゃなかったはずだ……」",
"344000912_17": "「……」",
"344000912_18": "「何をやってるんだッ!\\n そんな至近距離で立ち止まったら――」",
"344000912_19": "「ドヴァリンさん、あなたは、優しい方だと聞きました。\\n 誰かの幸せを願い、その願いを形にすると」",
"344000912_20": "「憎しみを振りまいても、何も変わりません。\\n だから、どうかお願いです。昔のあなたに戻って――」",
"344000912_21": "「私だって……あの頃に戻りたい……」",
"344000912_22": "「でも、何もかも手遅れだッ!\\n もう後戻りはできないんだよおおおッ」",
"344000912_23": "「……ッ!?」",
"344000912_24": "(直撃する――ッ!)",
"344000912_25": "「セレナ、危ない――ッ!」",
"344000912_26": "「ヴェイグさんッ!?」",
"344000912_27": "「ぐあ……ッ!?」",
"344000912_28": "「いやあああああ――ッ!?」"
}

View file

@ -0,0 +1,20 @@
{
"344000921_0": "「ヴェイグさん、ヴェイグさんッ!\\n お願い、返事をしてください……ッ」",
"344000921_1": "「……」",
"344000921_2": "「弱さは罪だ。弱ければ大切なものを護れず失うのみ。\\n 所詮それがこの世のルールなんだ……ッ」",
"344000921_3": "「わたしが弱かったから……」",
"344000921_4": "「ちゃんと、戦い抜くって覚悟した、できたはずだったのに、\\n わたしはまたどこかで、迷ってしまっている……」",
"344000921_5": "「ドヴァリンさんや、ヴェイグさん、みんなを救いたいなんて、\\n 弱いわたしが願っちゃダメだったんだ……」",
"344000921_6": "「うぅ、あああああ――ッ!」",
"344000921_7": "「シンフォギアの暴走ッ!?\\n イグナイトモジュールが制御できなくなってる……ッ」",
"344000921_8": "「気をしっかり持てッ!\\n ティルヴィングの呪いに飲み込まれ――」",
"344000921_9": "「ぐあッ!?」",
"344000921_10": "「こ、これは……破壊衝動……。わたしたちもッ!?」",
"344000921_11": "「呪いを宿せ……。\\n その身に、破壊と、破滅の衝動を……」",
"344000921_12": "「3人のシンフォギアが暴走しかけていますッ!」",
"344000921_13": "「ドヴァリンさんの大きすぎる呪いの力が、\\n シンフォギアに直接作用しているようです……ッ」",
"344000921_14": "「ぐうう……ああ……」",
"344000921_15": "「このままじゃ……3人とも暴走して……うう……ッ!」」",
"344000921_16": "「……」",
"344000921_17": "「ごめんなさい……わたしは……」"
}

View file

@ -0,0 +1,32 @@
{
"344000931_0": "「全部、わたしが弱かったせい……。\\n わたしは間違えちゃったんだ……」",
"344000931_1": "「いい加減にしやがれ……ッ!\\n いつまでウジウジ悩んでるんだッ」",
"344000931_2": "「負けないで、セレナちゃんは、\\n 間違ってなんかない……ッ」",
"344000931_3": "「でも、戦いは優しさを持ち込めるほど、\\n 甘いものじゃないって……」",
"344000931_4": "「違う、優しさを捨てろと言っているんじゃない……、",
"344000931_5": " ぐううう……ッ!」",
"344000931_6": "「でも、だけど、そのせいでヴェイグさんは……ッ!」",
"344000931_7": "(――呼んだか……?)",
"344000931_8": "(――ッ!? ヴェイグさんッ!?\\n これは、幻聴……",
"344000931_9": "(オレはまだ……死んじゃあいない……)",
"344000931_10": "(テレパシーで、話しかけてるんだよ。\\n でも、長くは喋れないから、よく聞け",
"344000931_11": "(…………)",
"344000931_12": "(お前の優しさは弱さなんかじゃない。\\n その優しさで、救われたやつがいるんだ",
"344000931_13": "(このオレが保証する。\\n お前の優しさは、強さなんだよ",
"344000931_14": "(でも、わたしは……)",
"344000931_15": "(もう迷うな。お前らしくやればいいんだ。\\n お前自身を信じろ……オレを変えてくれたお前を……ッ",
"344000931_16": "(わたしらしく……?)",
"344000931_17": "(諦めないでくれ、セレナ。ドヴァリンを頼む……。\\n あいつを救えるのは、お前だけだ……",
"344000931_18": "(救う……倒すじゃなくて……)",
"344000931_19": "(そうだ、わたしの願い――ッ!)",
"344000931_20": "「この光は……?\\n 胸の中にあった衝動が、消えてる……」",
"344000931_21": "「違う、膨れ上がった破壊衝動が\\n アームドギアに集まって大きくなっていくッ」",
"344000931_22": "「戦場での優しさは、\\n 場違いなものなんじゃないかと、ずっと迷ってた……」",
"344000931_23": "「だけど、もう迷いませんッ!\\n たとえわたしの願いで、この身が滅びるとしても――」",
"344000931_24": "「光? それは、なんだ……」",
"344000931_25": "「わたしを護ってくれた小日向さん。\\n 導いてくれた天羽さん……」",
"344000931_26": "「そして、傍で見守ってくれていたヴェイグさん……」",
"344000931_27": "「みんながわたしに力をくれるからッ!\\n 振り返ることはもうしたくないから――ッ」",
"344000931_28": "「――ッ!?」",
"344000931_29": "「<size=40>ドヴァリンさん、必ずあなたを救ってみせるッ!</size>」"
}

View file

@ -0,0 +1,58 @@
{
"344000932_0": "「ぐうう……、なんだその力はッ!?」",
"344000932_1": "「アームドギアから極大のエネルギー値を確認。\\n これは、暴走エネルギーが一点集中して……ッ」",
"344000932_2": "「そうか……ッ! このでたらめを成しえているのは、\\n アガートラームのベクトル操作……ッ」",
"344000932_3": "「セレナくんが、イグナイトモジュールの新たな\\n 決戦形態を生み出しているというのかッ」",
"344000932_4": "「はい、超攻撃特化型の、言わば、\\n 『イグナイトモジュール・ディビエイション』ですッ」",
"344000932_5": "「くらえ……ッ!」",
"344000932_6": "「全部の力を、この一撃に……ッ!」",
"344000932_7": "「ぐ……うう……」",
"344000932_8": "「あいつの動きが止まったッ!」",
"344000932_9": "「セレナちゃんッ!」",
"344000932_10": "「<size=40>届けえええええ――ッ!</size>」",
"344000932_11": "「あのでかいのが消えたぞッ!」",
"344000932_12": "「新しいイグナイトモジュールの力、\\n それとも、セレナちゃん自身の力なの……」",
"344000932_13": "「ドヴァリンはどうなったんだッ!」",
"344000932_14": "「やっとあなたを抱きしめることができた……」",
"344000932_15": "「……」",
"344000932_16": "「纏っていた瘴気が消えてる……」",
"344000932_17": "「諦めなくて、よかった。\\n あなたが無事で本当によかった、ドヴァリンさん……」",
"344000932_18": "「不思議だ……。私の中に満ちていた憎しみが、\\n 呪いが消えている……」",
"344000932_19": "「呪いを生んだ私の想いが、お前の想いに打ち消されたのか……」",
"344000932_20": "「……懐かしい温もりだ。\\n 私は本当に忘れてしまっていたようだな」",
"344000932_21": "「人の子と遊び、魔道具を共に作ったあの日々を。\\n ああ、全てが懐かしい……」",
"344000932_22": "「ドヴァリンさん、あなたを何度も苦しめてしまって\\n ごめんなさい……」",
"344000932_23": "「お前が謝ることじゃない、呪いは使った者をも苦しめるもの。\\n だが、その呪いもここで終わる……」",
"344000932_24": "「私をヴェイグの元へ連れて行ってくれ」",
"344000932_25": "「ヴェイグさんのところへ、ですか?」",
"344000932_26": "「……」",
"344000932_27": "「酷い怪我をさせてしまったな。\\n すまなかった、ヴェイグ……」",
"344000932_28": "「一体、何を?」",
"344000932_29": "「ティルヴィングの呪いの力を転換させ、\\n 純粋な祝福の力に昇華させている」",
"344000932_30": "「これでヴェイグの傷も癒えるだろう……」",
"344000932_31": "「ティルヴィングの呪いの力が消えるなら、\\n スヴァフラーメも……」",
"344000932_32": "「ああ、じきに動かなくなる」",
"344000932_33": "「じゃあ、今頃、響たちもッ!」",
"344000932_34": "「戦いが終わったんだな」",
"344000932_35": "「……」",
"344000932_36": "「ヴェイグさん……?」",
"344000932_37": "「ん、んん……セレナ……?」",
"344000932_38": "「よかった、ヴェイグさんッ!\\n どこも痛くないんですね、本当に平気なんですねッ」",
"344000932_39": "「お、おい、そんなに締めるな、苦しいだろ」",
"344000932_40": "「だって、ヴェイグさんが無事で嬉しかったから。\\n ありがとうございます、ドヴァリンさ――」",
"344000932_41": "「お、おい、イグナイトモジュールが消えていくぞッ!?」",
"344000932_42": "「ドヴァリンさん、身体がッ!?」",
"344000932_43": "「驚くことはない、私はティルヴィングと共にある。\\n この剣が消滅するなら、私も同じだ」",
"344000932_44": "「嫌だ、逝かないでくれ、ドヴァリンッ!」",
"344000932_45": "「私は過ちを犯しすぎた。\\n 呪いとともにこの世から消える運命なんだよ」",
"344000932_46": "「まだ話したいことがたくさんあるんだ。\\n だからッ」",
"344000932_47": "「セレナさん、だったか」",
"344000932_48": "「は、はいッ!」",
"344000932_49": "「こいつは腕はいいが、中身がまだまだ子供だ。\\n あんたみたいな人になら任せられる」",
"344000932_50": "「わたしだって、まだまだ子供で……」",
"344000932_51": "「なら、ちょうどいいじゃないか。\\n これから一緒に成長できる相手がいるのは貴重だ」",
"344000932_52": "「ドヴァリン……、オレは……」",
"344000932_53": "「泣くな、ヴェイグ。\\n 私はこうして消えることができて嬉しいんだ」",
"344000932_54": "「こんな暖かく優しい気持ちで逝ける。\\n 私を救ってくれて、ありがとう……」",
"344000932_55": "「さらばだ……」"
}

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@ -0,0 +1,36 @@
{
"344001011_0": "優しき装者",
"344001011_1": "「今後、この事件の後始末は国連が行うことになった。\\n スヴァフラーメも各地で活動を停止したと報告が来ている」",
"344001011_2": "「ふう、ひとまず一件落着だな」",
"344001011_3": "「ああ、お前たちのおかげだ」",
"344001011_4": "「わたしたちだけじゃないですよ。\\n みんなが襲撃を抑えてくれたから戦えたんです」",
"344001011_5": "「みんなはもう帰ってくるんですか?」",
"344001011_6": "「連戦で疲労していたからな。数日は現地で休養を取り、\\n その後に帰投する予定だ」",
"344001011_7": "「そうですか……」",
"344001011_8": "「気持ちはわかるけど、数日くらいなら電話で我慢しときな」",
"344001011_9": "「そういえば、もうわたしたちのシンフォギアの中に、\\n イグナイトモジュールは無いんですよね……」",
"344001011_10": "「残念ながら……。ティルヴィングの欠片は、\\n ドヴァリンさんとともに消えてしまいましたから」",
"344001011_11": "「いえ、それならいいんです」",
"344001011_12": "「気になることは、大体聞けたかな。\\n だったら行くとしようか」",
"344001011_13": "「そろそろ元の世界に戻るのか?」",
"344001011_14": "「いや、その前に1つ、やっておきたいことがあってね」",
"344001011_15": "「ここなんてどうだ?\\n 翼に聞いて番眺めのいい場所を教えてもらったんだ」",
"344001011_16": "「はい、素敵な場所ですね。\\n ヴェイグさんもここでいいですか」",
"344001011_17": "「ああ、ここならドヴァリンも喜んでくれるはずだ」",
"344001011_18": "「それじゃあ、作ろうか。\\n ドヴァリンさんのお墓……」",
"344001011_19": "「もうちょっと派手な墓の方がよかったかな」",
"344001011_20": "「いや、十分だよ」",
"344001011_21": "「はい、お供えのお花」",
"344001011_22": "「ああ、ありがとう」",
"344001011_23": "「……」",
"344001011_24": "(あんたが助けてくれたこの生命。\\n 今度はオレが誰かのために使う……",
"344001011_25": "(護りたい人はまだ少ないけどな。\\n 今はそいつのために、使っていくことにするよ",
"344001011_26": "「どうしたんですか?」",
"344001011_27": "「いや、この世界や向こうの世界にまだ、\\n ドヴェルグ族の生き残りはいるのかなって思ってな」",
"344001011_28": "「きっといると思います。\\n だって、世界はこんなに広いんですから」",
"344001011_29": "「おまけに並行世界がいくつもあるときた。\\n 探しがいはあると思うぞ」",
"344001011_30": "「そうだな、いつか、探しに行きたいな」",
"344001011_31": "「わたしも協力しますッ!」",
"344001011_32": "「ああ、その時は、よろしく頼む」",
"344001011_33": "「はい。また一緒に、頑張りましょう」"
}

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@ -0,0 +1,51 @@
{
"344001111_0": "大切な人の傍で",
"344001111_1": "「未来、ただいまッ!」",
"344001111_2": "「おかえりなさい、響ッ!」",
"344001111_3": "「未来が無事で本当によかったよ」",
"344001111_4": "「響こそッ! 心配したんだから……」",
"344001111_5": "「あれ、なんだかいつもより未来の抱きしめる力が強いような。\\n 何か、怖いことでもあった……」",
"344001111_6": "「……」",
"344001111_7": "「喜ぶがいい。\\n 貴様を我が妻として迎え入れようッ」",
"344001111_8": "「……記憶から消すことにするから大丈夫」",
"344001111_9": "「それなら、楽しい思い出をいっぱい作らなきゃねッ!\\n まずは、一緒に夜ご飯かなッ」",
"344001111_10": "「うんッ!」",
"344001111_11": "(やっぱり、響はわたしのお日様だよ……)",
"344001111_12": "「翼、お疲れ様」",
"344001111_13": "「奏も、大丈夫だった?」",
"344001111_14": "「あたしは大丈夫だよ。\\n ほら、頼れる仲間が一緒だったから」",
"344001111_15": "「ああ、小日向たちのことね。\\n 確かに、頼りになる」",
"344001111_16": "「ああ。それに、年上のあたしからしたら\\n 可愛い妹分みたいなもんだ」",
"344001111_17": "「そう……」",
"344001111_18": "「あれ? もしかして妬いてるのか?」",
"344001111_19": "「な……ッ!」",
"344001111_20": "「安心しろって、翼が1番可愛いからさ」",
"344001111_21": "「妬いてない……ッ!」",
"344001111_22": "「ただ、奏が変わらず帰ってきてくれて、嬉しかっただけ」",
"344001111_23": "「……そうか。あたしも嬉しいよ。\\n またこうして翼に会えて」",
"344001111_24": "「あたしは並行世界に帰らなくちゃだけど、\\n また、会いに来るからさ」",
"344001111_25": "「うん、待ってるね」",
"344001111_26": "「おかえりなさい、マリア姉さん」",
"344001111_27": "「ええ、ただいま。\\n 話は聞いているわ。よく頑張ったわね」",
"344001111_28": "「うん、でも、たくさん失敗もしてしまって……」",
"344001111_29": "「いいじゃない。実はわたしも、失敗をした苦い思い出があるわ。\\n それこそ、イグナイトモジュールを纏ったときに……」",
"344001111_30": "「姉さんも?」",
"344001111_31": "「ええ。だけど、最後には答えを見つけることができた。\\n あなたもそうだったんでしょう」",
"344001111_32": "「うん、みんなのおかげで」",
"344001111_33": "「フフ、それもわたしと同じね。行きつく答えは違っても、\\n 先に踏み出せたのなら、それでいいのだと思う」",
"344001111_34": "「……ところで、姉さんの失敗って、\\n どんなことだったの」",
"344001111_35": "「え……?」",
"344001111_36": "「今後の参考のために、ぜひ教えてほしいのッ!」",
"344001111_37": "「そ、そんな真剣な目で頼まれても……」",
"344001111_38": "(思いっきり内面的な話だから、普通に恥ずかしいわ……)",
"344001111_39": "「まあ、それはそのうち話してあげるわね。\\n 今はあなたの話を聞かせて」",
"344001111_40": "「はいッ!」",
"344001111_41": "「セレナ、あなたの笑顔、\\n 以前よりもっと優しくなったわね」",
"344001111_42": "「そ、そうかな……」",
"344001111_43": "「それは、あなたが強くなったという証よ。\\n 強い人ほど、笑顔は優しいっていうもの」",
"344001111_44": "「うん……。\\n ありがとう、姉さん」",
"344001111_45": "「わたし決めたの。\\n この拳を握るときは、誰かの幸せを護りきるんだって――」",
"344001111_46": "(子供の成長は早いと聞くけど、\\n セレナもそれに及ばずながらってことかしら",
"344001111_47": "(本当の妹ではないけれど、妹のように大切なこの子)",
"344001111_48": "(フフ、成長を見るのが楽しみだわ。\\n どんな女性になっていくのかしら"
}