update cache for december 2022

This commit is contained in:
johnnyzb 2022-12-28 12:03:17 +03:00
parent 347c2eb971
commit c3cce24816
687 changed files with 46014 additions and 40 deletions

View file

@ -0,0 +1,31 @@
{
"380000111_0": "欧州派遣任務",
"380000111_1": "「局長。ソンダーボルグ近郊の森林にて、\\n 潜伏中の逃亡者を発見いたしました」",
"380000111_2": "「おや、随分のんびりとした逃避行だね。\\n まだデンマークにいるとは」",
"380000111_3": "「それで、ハッキリしたのかい?\\n 聖遺物なんて持ち逃げした、彼の目的は」",
"380000111_4": "「いえ、泳がせて背後関係を洗おうと愚考していたのですが、\\n 追跡部隊の存在を勘付かれ、アルカ・イズが放たれました」",
"380000111_5": "「周辺の村々にも、わずかながら被害が出始めている模様です」",
"380000111_6": "「ふぅ……。\\n いかないね。放置する訳には」",
"380000111_7": "「そうだ、彼女たちに働いてもらおうか。\\n 逃亡者の暴走を止めるためにね」",
"380000111_8": "「ここか?\\n アルカ・イズに襲われている村は……」",
"380000111_9": "「うう……」",
"380000111_10": "「おい、大丈夫かッ!?",
"380000111_11": " しっかりしろッ!」",
"380000111_12": "「奴が……突然、怪物を放って……」",
"380000111_13": "「しッ……誰か来る……?」",
"380000111_14": "「周辺の敵は一掃しました」",
"380000111_15": "「潜んでいる者がいるかもしれない。\\n もう少し調査をしよう」",
"380000111_16": "「承知しました」",
"380000111_17": "「サンジェルマンッ!?\\n まさかこの村を襲ったのは、お前たちなのかッ」",
"380000111_18": "「……?」",
"380000111_19": "「答えろッ!\\n お前たちがアルカ・イズを放って村を襲ったのか」",
"380000111_20": "「まさか……」",
"380000111_21": "「なら誰がやったって言うんだッ!?」",
"380000111_22": "「……残念だが、詳細を告げる事はできない。\\n しかし、私たちもこの窮状を救うために派遣されてきたのだ」",
"380000111_23": "「本当だろうな?\\n 何か企んでるなら――」",
"380000111_24": "「その……人たちは……違う。\\n オレたちは、その人に助けられたんだ……」",
"380000111_25": "「……そうだったのか。\\n 疑ってすまない」",
"380000111_26": "「だけど、あたしも任務で来てるんだ。\\n 何も分からないまま、帰る訳には……」",
"380000111_27": "「アルカ・ノイズは、まだ森に潜んでいる。\\n 悠長に話している時ではないと思うがな」",
"380000111_28": "「くッ! なら話は後だ。\\n アルカ・イズを片付けたら、説明してもらうからなッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,38 @@
{
"380000112_0": "「おいッ!\\n こっちは片付いたぞッ」",
"380000112_1": "「…………」",
"380000112_2": "「返事くらいしろよッ!\\n キッチリ説明してもらうからなッ」",
"380000112_3": "「…………」",
"380000112_4": "(いない……ッ!?\\n まさか、もう撤収したのかよッ",
"380000112_5": "『トゥルルッ! トゥルルッ!』",
"380000112_6": "「そちらの様子はどうだ?」",
"380000112_7": "「弦十郎のダンナか。情報通りアルカ・ノイズに\\n 村が襲われてたみたいだが、状況がちっとも分からない」",
"380000112_8": "「何ッ!? どういう事だ?」",
"380000112_9": "「あたしが到着した時には、錬金術師協会のやつらが来ていて、\\n 村を護っていたみたいだ」",
"380000112_10": "「錬金術師協会が?」",
"380000112_11": "「事情を聞き出そうとしたんだが、\\n アルカ・イズを片付けたら、黙っていなくなっちまった」",
"380000112_12": "「そうか……彼らが動いているとなると、\\n 協会絡みで何かが起こったのかもしれんな」",
"380000112_13": "「どうする?\\n 探りを入れてみようか」",
"380000112_14": "「確かに気になるところではあるが……。\\n いや、国連の支援要請に対する義理は果たしたと言えるだろう」",
"380000112_15": "「脅威の排除が済んだのなら、奏は急ぎ帰国してくれ」",
"380000112_16": "「急ぎって、まさかそっちで何かあったのか?」",
"380000112_17": "「いや……日本国内で脅威が発生している訳ではない。\\n ただ……少し調査が必要な状況になっているがな」",
"380000112_18": "(なんだ……?\\n どうもいつもの弦十郎のダンナらしくないね……",
"380000112_19": "「……分かった。\\n じゃあ国連の人に話して、すぐに送ってもらうよ」",
"380000112_20": "「ああ、待っている」",
"380000112_21": "天羽奏、欧州での任務を終え帰国――",
"380000112_22": "「やっと到着……っと」",
"380000112_23": "「特別な要請での海外任務だったけど、\\n たまの単独行動ともなると、二課の皆の有難みが身に染みるよ」",
"380000112_24": "「すっごぉぉぉぉいッ!\\n ねぇねぇあの看板、今夜行くフェスの告知でしょ」",
"380000112_25": "「そうそうッ! 空港にこんな派手な看板立てるなんて、\\n やっぱり、めちゃくちゃ注目度高いんだなぁ」",
"380000112_26": "「だって、参加アーティストがすごく豪華だもんッ!」",
"380000112_27": "「楽しみだよなッ!\\n 苦労してチケット取った甲斐があったぜッ」",
"380000112_28": "(あぁ……あたしも出るはずだった音楽フェスか……。\\n 急な海外任務でキャンセルになったけど、今日だったな",
"380000112_29": "(ライブ……か……)",
"380000112_30": "「運命の日に唄った、この世界の翼とのライブ……。\\n そして並行世界からやってきた、もう人の翼とのライブ……」",
"380000112_31": "「まさに、あたしの転換点とも言える、\\n 絶望……そして再生の日々……」",
"380000112_32": "「2人の翼には、返しきれない程の恩がある。\\n 報いるためにも、あたしがこの世界を護らないとッ」",
"380000112_33": "「おっと、しんみりしてる場合じゃないな」",
"380000112_34": "「そろそろS.O.N.G.に定期報告に行く時期だし、\\n 翼たちの時間が取れるようなら、次のライブに誘ってみよう」",
"380000112_35": "「よしッ!\\n そうと決まれば、まずは二課に任務の報告だ」"
}

View file

@ -0,0 +1,34 @@
{
"380000121_0": "「まさか日本を取引場所に指定するなんて、正気を疑ったぜ」",
"380000121_1": "「意外でしたか?」",
"380000121_2": "「二課の存在を思えばな……。\\n だが、現地を見れば納得したよ」",
"380000121_3": "「世界的に注目度の高い音楽フェスのお祭り騒ぎ。\\n その会場のすぐ傍だなんてな……」",
"380000121_4": "「ライブ関係者が数多くいる今日に限っては、周辺に\\n 私たちのような外国人がいても誰も気に留めませんからね」",
"380000121_5": "「ふん、ではそろそろ取引と行こうか。\\n 例のブツは持ち出せたんだろうな」",
"380000121_6": "「当然ですよ。\\n 手ぶらでここに来るなんて、自殺行為でしょう」",
"380000121_7": "「確認させろ。\\n 心配しなくとも報酬は用意してある」",
"380000121_8": "「その件なのですが……、\\n 少し増額をお願いできませんか」",
"380000121_9": "「お前ッ!?",
"380000121_10": " ここへきて何言ってやがるッ!」",
"380000121_11": "「私は組織を裏切り、今や追われる身なんですッ!\\n 恐らくは、一生逃亡生活が続く……」",
"380000121_12": "「そのためには、この金額では不安ですッ!\\n 私も命を賭けたんだ。それくらい融通してくれても……」",
"380000121_13": "「あなた方が簡単に持ち出せると言うから話に乗ったんです。\\n なのに、こんなに追っ手がかかるなんて……」",
"380000121_14": "「それはお前の都合だろう?\\n 事前契約からの増額なんて無理に決まってるだろうがッ」",
"380000121_15": "「それなら……この商談は決裂です。\\n もっと高く買ってくれる人を探すだけですから……」",
"380000121_16": "「お前にそんな伝手があるのかよ?\\n 悪い事は言わないから、大人しく取引に応じろよ」",
"380000121_17": "「あ、あなたこそ、これを持ち帰らなければ、\\n 制裁されるんじゃないですか」",
"380000121_18": "「それを思えば、少しくらいの譲歩は……」",
"380000121_19": "「チッ! 面倒臭ぇな。\\n 欲張らなきゃ、生きて帰れたのに……」",
"380000121_20": "「ひッ!」",
"380000121_21": "「次は当てるぜ。\\n ほら、ブツを渡して……」",
"380000121_22": "「うわぁぁぁぁぁぁッ!」",
"380000121_23": "「クソ野郎がッ!\\n 死にさらせッ」",
"380000121_24": "「ぐッ……、なんとか、逃げ切れた……」",
"380000121_25": "「<size=40>うおぉぉぉぉぉぉッ!</size>」",
"380000121_26": "「音楽フェスの歓声ですか……。\\n 私が、こんなに大変な目に遭っているというのに暢気な……」",
"380000121_27": "(誰かにこれを売って、逃走資金を手に入れなければ……)",
"380000121_28": "「なッ!? まさか、ケースが割れている――ッ!?\\n さっきの銃撃を受けたのか――ッ」",
"380000121_29": "「まずいッ!\\n 中はッ 中身は大丈夫だろうなッ」",
"380000121_30": "「ま、まさか起動して――ッ!?」",
"380000121_31": "「うわぁぁぁぁぁぁッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,25 @@
{
"380000131_0": "「遠路、ご苦労だったな」",
"380000131_1": "「通信でも話した通り、アルカ・ノイズは全部やっつけた。\\n だけど錬金術師協会の目的や、事件の経緯は分からず終いだ」",
"380000131_2": "「ふむ……」",
"380000131_3": "「アルカ・ノイズの流出自体に、彼らの落ち度があり、\\n その収束のために動いているのではないかと分析している」",
"380000131_4": "「いずれにせよ、彼らが動いているのであれば、\\n 欧州方面のアルカ・イズ騒動は終わったと見ていいだろう」",
"380000131_5": "「じゃあ、次はS.O.N.G.への定期報告だよな?\\n できれば、早速向かいたいんだけど――」",
"380000131_6": "「いや、それは――。\\n 悪いがもう少し待ってもらえるか」",
"380000131_7": "「何か都合が悪いのか?」",
"380000131_8": "「ああ。向こうへ渡すデータが一部揃っていない状況でな」",
"380000131_9": "「申し訳ありません。\\n 報告用の資料がまだ準備できていないんです」",
"380000131_10": "「今回行った欧州遠征の戦闘データも報告するべきなので、\\n もう少し時間がかかりそうです」",
"380000131_11": "「そういうことなら仕方ないか。\\n まあ、何かあったとかじゃないならいいさ」",
"380000131_12": "「……ああ、すまないな」",
"380000131_13": "「――この警報はッ!?」",
"380000131_14": "「何があったッ!!」",
"380000131_15": "「音楽フェスの会場付近で、異常が発生した模様ッ!」",
"380000131_16": "「モニターに出力しますッ!」",
"380000131_17": "「なんだ、この怪物は……」",
"380000131_18": "「類似生物のデータ存在しませんッ!\\n しかし周囲の人が追われているようですッ」",
"380000131_19": "「そんなのがもしライブ会場にたどり着いたら――」",
"380000131_20": "(あの時と同じになんて――、させるかッ!!)",
"380000131_21": "「弦十郎のダンナッ!\\n あたしが出るよッ」",
"380000131_22": "「ああ、人々の避難はこちらでする。\\n 怪物の迎撃は任せたぞッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,16 @@
{
"380000211_0": "Panic at the live",
"380000211_1": "「うわぁぁぁぁッ!\\n 助けてくれぇぇぇッ」",
"380000211_2": "「Croitzal ronzell gungnir zizzl――」",
"380000211_3": "「――やらせるかッ!」",
"380000211_4": "「この手応え……」",
"380000211_5": "(サクサク切れるし、まるで葉っぱだよ。\\n 見た目通り、植物の怪物ってわけか",
"380000211_6": "「いくら数が多くても、草刈りなんか朝飯前だッ!」",
"380000211_7": "「……くッ! まだまだッ!」",
"380000211_8": "「はぁッ、はぁッ……」",
"380000211_9": "「奏ッ! 避難完了までもう少しだッ!\\n なんとか抑えてくれッ」",
"380000211_10": "「分かってるよ。あたしが来たからには、\\n これ以上、被害なんて出させるもんか」",
"380000211_11": "(しかし、この数は――)",
"380000211_12": "「どこから出現してるかも分からない状況じゃ、\\n 大技で一気に片付けるって訳にもいかないか……」",
"380000211_13": "「でも、だからどうしたッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,12 @@
{
"380000212_0": "「ライブ会場の避難状況はどうだッ!?」",
"380000212_1": "「9割方、退避を終えています。\\n 避難完了まで、あと秒程度が必要かと思われます」",
"380000212_2": "「あの怪物の様子はッ!」",
"380000212_3": "「奏さんは、既に100体以上を倒してますけど、\\n 出現頻度が衰えませんッ」",
"380000212_4": "「どこから――\\n いや、何が要因で奴らは湧いているんだ」",
"380000212_5": "「どうかしら。でも、よりによって今日、ライブ会場の近くで\\n 現れてる状況を考えたら――」",
"380000212_6": "「フォニックゲインの影響で、\\n なんらかの聖遺物が起動したというのか」",
"380000212_7": "「そうね。\\n 狙ったものか、偶発的な事故かは分からないけど」",
"380000212_8": "「どちらだとしても、その聖遺物を止めなくては。\\n ――映像の解析を急げッ」",
"380000212_9": "「あの怪物がどこから現れているのかを、\\n なんとしても突き止めるんだッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,12 @@
{
"380000221_0": "(避難はまだ終わらないのか……ッ!\\n それにこいつら、後から後から湧いてきやがって――",
"380000221_1": "「くッ! 避けるな――ッ!」",
"380000221_2": "「……集中力が落ちてる?\\n 流石に疲れが出たか……」",
"380000221_3": "「奏ッ! 聞こえるかッ!?」",
"380000221_4": "「ダンナッ! 観客の避難はッ!?」",
"380000221_5": "「完了したッ!\\n 加えて、映像解析の結果、怪物の出現位置も分かったぞッ」",
"380000221_6": "「その怪物は、そこから1ブロック先にいる、\\n 大型の植物が生み出しているようだッ」",
"380000221_7": "「――助かるよッ!\\n こいつらを生み出してるのは大型植物なんだなッ」",
"380000221_8": "「それなら――ッ!」",
"380000221_9": "「このブリーシンガメンの炎で、一気に焼き払ってやるッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,22 @@
{
"380000222_0": "「見つけたぞッ!\\n これでもくらえええッ」",
"380000222_1": "「ヌオォォォォォォォッ!」",
"380000222_2": "(苦しんでるのかッ!?)",
"380000222_3": "「――アイツ、炎を嫌がってるッ!」",
"380000222_4": "「奏ッ! 効いているようだッ!\\n そのまま攻め立てろッ」",
"380000222_5": "「分かってるッ!\\n 所詮は植物ってことだなッ」",
"380000222_6": "「そんなにこの炎が嫌なら、\\n 意地でもたらふく食べさせてやるさッ」",
"380000222_7": "「――邪魔だよッ!」",
"380000222_8": "「こいつを食らいなッ!」",
"380000222_9": "「…………」",
"380000222_10": "「敵の反応が消えた。無事倒せたようだな」",
"380000222_11": "「……いや、多分倒せてはいないと思う。\\n 手応えがなかった」",
"380000222_12": "「なんだとッ!?」",
"380000222_13": "「炎に紛れて、地中に逃げたのかもしれない……、くそッ!」",
"380000222_14": "「分かった……。\\n 索敵はこちらで引き継ぐ」",
"380000222_15": "「なあ、さっきの怪物がまた現れた時に備えて、\\n 並行世界の翼たちに応援を頼む訳にはいかないか」",
"380000222_16": "「出現する位置にもよるけど、またザコがバンバン湧くようなら、\\n あたし人じゃ、手が回らないよ」",
"380000222_17": "「……いや、それは――。\\n 無理、なんだ……」",
"380000222_18": "「無理……?\\n 一体、どういうことなんだ」",
"380000222_19": "「……ギャラルホルンのゲートが、消失している。\\n こちらから向こうに渡る手段が失われてしまったんだ……」"
}

View file

@ -0,0 +1,90 @@
{
"380000311_0": "閉ざされたゲート",
"380000311_1": "「……本当に、何もない……」",
"380000311_2": "(ついこの前まで、ここにゲートが開いてたはずなのに……)",
"380000311_3": "「向こうで何かあったのか……。\\n それとも、あの葉っぱの怪物が原因なのか……」",
"380000311_4": "「無理……?\\n 一体、どういうことなんだ」",
"380000311_5": "「……ギャラルホルンのゲートが、消失している。\\n こちらから向こうに渡る手段が失われてしまったんだ……」",
"380000311_6": "「ゲートが消失した……?\\n そんな馬鹿なこと――」",
"380000311_7": "「事実だ。痕跡すら見つけられなかった」",
"380000311_8": "「いつからなんだよッ!\\n どうしてそんなことを黙って――ッ」",
"380000311_9": "「正確な時期は分からない。俺たちが気づいたのは、\\n ちょうどお前がデンマークでの任務中のことだ」",
"380000311_10": "「……すまない。任務中に余計な気掛かりをさせないようにと\\n 考えたんだが、伝えるのが遅くなってしまった」",
"380000311_11": "「そんな……。ついこの前じゃないか。\\n ――くッ 自分の目で確認してくるッ」",
"380000311_12": "「――ッ!」",
"380000311_13": "「これは、さっきの怪物の一部じゃないか? 焼け焦げた跡が\\n あるけど……あたし、こんな所で戦ってないぞ」",
"380000311_14": "「弦十郎のダンナに確認しないとッ!」",
"380000311_15": "『トゥルルッ! トゥルルッ!』",
"380000311_16": "「奏、確認はしたな?\\n 見ての通り、ゲートは――」",
"380000311_17": "「ダンナ、聞いてくれッ!\\n ゲートがあった場所に、葉っぱの怪物の燃えカスがあった」",
"380000311_18": "「なにッ!?」",
"380000311_19": "「あたしが燃やした訳じゃない。\\n ここで戦った覚えはないからな」",
"380000311_20": "「以前、調査した際にはそんなものの発見報告はなかった」",
"380000311_21": "「なぁ? もしかしてあの葉っぱの怪物は、\\n ゲートを通って出てきたんじゃないか」",
"380000311_22": "「そして、どうにかしてギャラルホルンのゲートを\\n 塞いだんじゃ……」",
"380000311_23": "「死骸があるというだけで、そこまでの結論を出す訳にはいかんが\\n タイミング的にも、なんらかの関係があるかもしれんな」",
"380000311_24": "「これからあの怪物を捜して、完全に燃やしてくるッ!\\n それでゲートがまた開けば儲けもんだろ」",
"380000311_25": "「待てッ!\\n 焦る気持ちは分かるが、一旦は戻ってこい」",
"380000311_26": "「まずは情報の共有と分析だ。\\n 無策で動き回られては、作戦の立てようもないからな」",
"380000311_27": "「……分かったよ」",
"380000311_28": "「連絡した通り、ゲートのあった場所で、\\n 誰かが葉っぱの怪物を倒したみたいだ」",
"380000311_29": "「奏が言っていたように、ゲートを通って来た可能性もある。\\n 来る前にダメージを負い、こちらで力尽きたのかもしれん」",
"380000311_30": "「なるほど、確かにその可能性もあるね」",
"380000311_31": "「あ、ならあっちの世界の装者が、\\n この世界に来て戦ってる可能性も――」",
"380000311_32": "「――いや、それはない。\\n シンフォギアなら、反応が検知されるはずだからな」",
"380000311_33": "「あ、そっか……。\\n 向こうのみんなは、ゲートが消えた事に気づいてるのかな」",
"380000311_34": "「現時点では分からないけど、あなたが定期報告に来なければ、\\n 向こうでも異変には気付くと思うわ」",
"380000311_35": "「そうだろうな。それに、原因がこちら側ではなく、\\n 向こうで起こっている可能性もある」",
"380000311_36": "「なんとかしてコンタクトを図りたいが……。\\n ままならないものだな……」",
"380000311_37": "「並行世界だもの。考えても仕方ないわよ。\\n それこそ天才の私でもお手上げだし」",
"380000311_38": "「……本当に了子さんでも無理なのか?」",
"380000311_39": "「ええ。今のところはね。ギャラルホルンが\\n ない以上は、こちらからのコンタクトは不可能よ」",
"380000311_40": "「…………」",
"380000311_41": "「ましてや、並行世界へのゲートを開くだなんて、それこそ\\n 自分で新たな聖遺物を発明するようなものじゃない」",
"380000311_42": "「私も研究者だし、可能性がゼロとは言わないけど、\\n 限りなくゼロに近い確率と言うしかないわ」",
"380000311_43": "「そっか……」",
"380000311_44": "「だから今できることは、あの植物型の怪物を\\n 倒してみる事くらいじゃないかしら」",
"380000311_45": "「奏ちゃんも言ってた通り、もしあの怪物が原因なら、\\n それでゲートが再出現するかもしれないわ」",
"380000311_46": "「……そうだよな。\\n アレが原因なら今度こそあたしのブリーシンガメンの炎で――」",
"380000311_47": "「あ、それなんだけど、\\n デュオレリックの多用は厳禁よ」",
"380000311_48": "「ど、どういうことだよッ!」",
"380000311_49": "「分かっているでしょ。身体への負担が大きすぎるのよ。\\n 他の装者の協力がない今の状態での多用はお勧めできないわ」",
"380000311_50": "「でも、アレを倒すにはデュオレリックが――」",
"380000311_51": "「使うな、と言っているわけじゃないわ。\\n ここぞという時だけにしなさい」",
"380000311_52": "「……あまり1人で背負いすぎないで、ということよ」",
"380000311_53": "「どちらにしても、あの敵の再出現に備えて、\\n 今は休息が必要だ」",
"380000311_54": "「ゲートの件は引き続き調査を進めておく。\\n 何か分かったら必ず知らせるから、今は休め」",
"380000311_55": "「……分かったよ」",
"380000311_56": "「新たなる敵に、ゲートの消失現象か……。\\n 了子くんはこのつに繋がりはあると思うか」",
"380000311_57": "「どうかしらね。\\n でも正直、関連があってほしいとは思っているわ」",
"380000311_58": "「だってもし、この2つに関連が全くないとしたら、私たちは\\n 同時につの大きな事件に巻き込まれてるってことだもの」",
"380000311_59": "「それは確かにぞっとしないな……。\\n どう考えても俺たちだけでは手に余る事態だ」",
"380000311_60": "「あの……、でしたら錬金術師協会に\\n 協力を仰ぐというのはいかがでしょうか」",
"380000311_61": "「そうですよ。いくら事件が日本で起きているとはいえ、\\n 聖遺物が絡む以上、協力してくれるんじゃないですか」",
"380000311_62": "「んー、私もそれはいいと思うけど。\\n どうなのかしら」",
"380000311_63": "「……そうだな。\\n そうできればいいんだが……」",
"380000311_64": "「今すぐ。というのは難しいだろうな」",
"380000311_65": "「どうしてですか?\\n 現在の危機的状況なら、協力するべきじゃ――」",
"380000311_66": "「その状況が問題なんだ。現在、こちらには装者が奏しかいない。\\n そして並行世界との繋がりも途絶している……」",
"380000311_67": "「いくら同盟関係にあるとはいえ、協会の腹の内は見えん」",
"380000311_68": "「やもすると、並行世界の装者たちの存在が、\\n 協会の野望を封じ込めていた可能性も無いとは限らん」",
"380000311_69": "「言われてみると、無策のまま弱味を<ruby=さら>曝</ruby>けだすのは怖いわね」",
"380000311_70": "「万一、なんらかの情勢変化で、協会側が二心を抱いたら、\\n 対抗できるのは、奏しかいないのだ」",
"380000311_71": "「ましてや錬金術師協会は、非政府系。\\n 国連や、国際世論に配慮する必要もない組織だ」",
"380000311_72": "「実情はどうあれ、そんな危険な連中を、自ら招き入れるなど、\\n もっての他だ、とお偉方は考えるだろうな……」",
"380000311_73": "「結局、政治的な側面もあるんですね……」",
"380000311_74": "「年をとればとる程、善意の裏側に対する想像力は\\n 豊かになるのよね」",
"380000311_75": "「……身も蓋もないが、そういうことだ」",
"380000311_76": "「…………」",
"380000311_77": "(あの怪物を倒す。そうすれば、きっとまたゲートが\\n 出現して、向こうの世界の翼たちと――",
"380000311_78": "(……本当に、そうなのか……?\\n もし、そうならなかったら――",
"380000311_79": "「……心のどこかで、了子さんや弦十郎のダンナなら\\n 指針を示してくれるって甘えてたけど――」",
"380000311_80": "「ええ。今のところはね。ギャラルホルンが\\n ない以上は、こちらからのコンタクトは不可能よ」",
"380000311_81": "「こっちからはコンタクトできない……。\\n もし、このまま繋がらないままだったら……」",
"380000311_82": "(あたしは、また翼を失って――)",
"380000311_83": "『トゥルルッ! トゥルルッ!』",
"380000311_84": "「……ッ! こちら奏。\\n あの怪物が出たのか」",
"380000311_85": "「ああ、すぐに迎えを送る。\\n 現場に急行してくれ」",
"380000311_86": "「ああ、分かったよ」",
"380000311_87": "「……今は考えても仕方ない。\\n あたしにできることをするんだ」"
}

View file

@ -0,0 +1,14 @@
{
"380000312_0": "「くそッ、これじゃ前の繰り返しだ……」",
"380000312_1": "(どこかにこいつらを生み出す、本体が――。\\n あの木みたいなやつがいるはず",
"380000312_2": "(まずはそいつを見つけないと――)",
"380000312_3": "「……とはいっても、これだけ囲まれてちゃ、\\n どっちから来てるのかも判別できないけどなッ」",
"380000312_4": "(こいつらは生み出された場所から、ここに向かってきてるはず。\\n あたしの視点からは見えなくても、俯瞰して見れば……",
"380000312_5": "『トゥルルッ! トゥルルッ!』",
"380000312_6": "「ダンナッ!\\n 上空からなら、こいつらの導線が見えるんじゃないかッ」",
"380000312_7": "「ああ、ドローンを飛ばして観測している。\\n 不規則な行動だから時間はかかったが、発生地は南西だッ」",
"380000312_8": "「南西だな。了解ッ!」",
"380000312_9": "「見つけたッ!」",
"380000312_10": "「ヌオォォォォォォォッ!」",
"380000312_11": "「クソッ! 節操なしにザコをばら撒きやがってッ!\\n これ以上、好き勝手させてたまるかよッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,26 @@
{
"380000321_0": "「さっさと処理して――\\n ゲートをこじ開けてやるッ」",
"380000321_1": "「なッ!?\\n この煙は――ッ」",
"380000321_2": "「何を呆けているッ!\\n ソレは危険だ、離れろッ」",
"380000321_3": "「――ッ!?」",
"380000321_4": "「……まさか突っ込もうとでも考えてたんじゃないだろうな」",
"380000321_5": "「キャロル……、それにサンジェルマン……」",
"380000321_6": "「だとしたらそれは自殺行為としか言いようがない。\\n ……あれを見てみろ」",
"380000321_7": "「あれはッ!?\\n 逃げ遅れた人があのガスに巻かれて――」",
"380000321_8": "「あれは……、やっぱり毒なのかッ!?\\n でも吸わなきゃ問題ないだろ」",
"380000321_9": "「息を止めれば吸収しないなんて、\\n 子供みたいなことを考えているんじゃないだろうな」",
"380000321_10": "「いッ……?」",
"380000321_11": "「呼吸器から取り込まなくとも、皮膚や汗腺が吸収し、\\n 体内を瞬く間に汚染する」",
"380000321_12": "「それなら尚のこと、奴をすぐにでも倒さないと――」",
"380000321_13": "「焦りは理解するが、敵の姿もガスで視認できない状況で、\\n 闇雲に突っ込んだところで、解決はしないだろう」",
"380000321_14": "「助力してやろう。まずは視界確保のために、\\n ガスを全て吹き飛ばすッ ――ファラッ」",
"380000321_15": "「承りましたわ、マスター」",
"380000321_16": "「<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>たちも来てたのか……」",
"380000321_17": "「私に地味は似合わない……。\\n 派手にマスターをお助けするのが私の務め」",
"380000321_18": "「マスター、あの気色悪いの、ガリィちゃんが\\n やっちゃっていいですか」",
"380000321_19": "「戦闘なら、あたしの出番なんだゾ」",
"380000321_20": "「アンタは燃費悪すぎるでしょ。\\n いいから引っ込んでろっての」",
"380000321_21": "「嫌だゾッ!\\n 戦いはあたしの唯一の見せ場なんだゾッ」",
"380000321_22": "「チッ……。\\n 雑魚がうじゃうじゃと……」",
"380000321_23": "「こちらも戦力が整っているのだ。\\n いくら数で押してこようと、取るに足りんッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,21 @@
{
"380000322_0": "「奴らの弱点は炎だッ!\\n 炎を中心に仕掛けてくれッ」",
"380000322_1": "「なるほど、炎が有効なのか。\\n それなら――」",
"380000322_2": "「……確かに炎を嫌っているようだ」",
"380000322_3": "「フン、他愛もない。\\n この程度の炎も防げないかッ」",
"380000322_4": "「マスター、私たちは――」",
"380000322_5": "「ミカを中心にして、敵に対処しろッ!\\n お前たちのコンビネーションを見せてやれッ」",
"380000322_6": "「了解しました。\\n 地味な援護に徹しましょう……」",
"380000322_7": "「まとめてそちらに吹き飛ばすとしますわ」",
"380000322_8": "「こいつの引き立て役かよ……」",
"380000322_9": "「あたしの出番なんだゾッ!」",
"380000322_10": "「ああ、それでいい」",
"380000322_11": "(一気に敵が減っていく……。\\n 今なら――",
"380000322_12": "「――トドメは、あたしが仕掛けるッ!」",
"380000322_13": "「お前だけに美味しいところを持っていかせるかッ!」",
"380000322_14": "「よし、一緒に親玉を片付けるぞッ!」",
"380000322_15": "「――焼き尽くしてやるッ!」",
"380000322_16": "「灰になるがいいッ!」",
"380000322_17": "「地中に退避しただとッ!?」",
"380000322_18": "「そうか、この前もこうやって……、くそッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,60 @@
{
"380000331_0": "「邪魔をする」",
"380000331_1": "「……わざわざ二課にやってくることになるとはな」",
"380000331_2": "「よく来てくれた。歓迎する」",
"380000331_3": "「早速だけど、あの敵について話させてほしい」",
"380000331_4": "「ということは、あれについて何か知っているということか?」",
"380000331_5": "「そうだ。あれは『ザックーム』。\\n 錬金術師協会で管理していた植物型の完全聖遺物だ」",
"380000331_6": "「やはり聖遺物だったか」",
"380000331_7": "「ああ。地脈のエネルギーを吸い、成長する\\n 自律型の聖遺物と言うことだ」",
"380000331_8": "「もしかして、他の聖遺物からもエネルギーを奪ったり、\\n 干渉したりする性質もある」",
"380000331_9": "「そんな報告は聞いた事がないが……、\\n ――他の聖遺物に異常があったのか」",
"380000331_10": "「……いいえ。\\n もしそうなら備えないといけないと思っただけよ」",
"380000331_11": "「…………」",
"380000331_12": "「成長過程で自らの葉を産み落とし、\\n それらを操ることによって自身を守護させるようだな」",
"380000331_13": "「大量に現れていた雑魚共がそうだ」",
"380000331_14": "「ザックームが、周囲に葉を振り<ruby=ま>撒</ruby>くのが第1段階。\\n そしてさらに成長すると第段階になる」",
"380000331_15": "「第2段階は、幻覚作用と毒性のあるガスを内包した実を\\n つけるようになる」",
"380000331_16": "「ちょうど今がこの状態だろう」",
"380000331_17": "「実が発するガスは、私たちのファウストローブでさえ\\n 防げない、肌に触れるだけでも危険な代物だ」",
"380000331_18": "「当然ギアでも無理だろうな。\\n 前も言ったが、息を止めれば大丈夫などとは思わないことだ」",
"380000331_19": "「……ザックームがさらに成長していくとどうなる?」",
"380000331_20": "「次の状態となる第3段階――これが最終形態だ。\\n 天にそびえる巨木へと成長するらしい」",
"380000331_21": "「そこへ至れば、大地が枯れるまで\\n 地脈からエネルギーを吸い尽くすという」",
"380000331_22": "「時間の経過に従い、ザックームは根を伸ばし続け、\\n いずれ日本の国土は、全ての範囲が荒地と化すだろうな」",
"380000331_23": "「――ッ!」",
"380000331_24": "「無論、生み出す眷属や、ガスの実の量も増える。\\n 成長すればする程、対処は困難になる」",
"380000331_25": "「そこまでのものか……。\\n それにしても何故そんなものがこの日本に」",
"380000331_26": "「……ザックームは、錬金術師協会で封印、管理されていたが、\\n 先日、裏切り者によって盗み出されたのだ」",
"380000331_27": "「<ruby=くだん>件</ruby>の協会員が、ザックームを持ち出した理由は不明。\\n 私たちは局長の命により、彼を追っていた」",
"380000331_28": "「まぁ、アイツにとっても、こんな極東の島国で\\n ザックームを起動するなど、予想外のことだと思うがな」",
"380000331_29": "「その根拠はあるの?」",
"380000331_30": "「彼の過去に、日本を恨むような事柄はない。\\n ……それと、これは侮蔑とは思ってほしくはないが……」",
"380000331_31": "「簡単な事だ。人類に混沌を齎したければ、こんな島国よりも、\\n 大陸で起動した方が、被害が甚大になるからな」",
"380000331_32": "「……ありていに言えば、そういう事だ。\\n 彼は欧州を横断するように日本にやってきた」",
"380000331_33": "「その気になれば、いくらでも機会はあったはずだ」",
"380000331_34": "「まさか、デンマークでのあの騒ぎはッ!?」",
"380000331_35": "「ああ、彼を追っての行動だった。\\n こんな状況にならなければ、秘密裏に処理したかったのでな」",
"380000331_36": "「言っておくが、オレたちが日本で追い詰めたから、\\n ザックームを起動したという線もないからな」",
"380000331_37": "「私たちが日本に来たのは、ザックームの起動が確認された後。\\n 追い詰めて自棄になった訳ではないことは理解してほしい」",
"380000331_38": "「……承知した。錬金術師協会の企みや、攻撃の意思がない事は、\\n 上にも報告しておく」",
"380000331_39": "「取り計らいに感謝する。代わりと言ってはなんだが、\\n 私たちもザックームの対処には、協力させてもらいたい」",
"380000331_40": "「待て。わざわざ二課と手を組むのか?」",
"380000331_41": "「ザックームはすでにこの日本に根を張っている。\\n 戦闘統制や索敵についても、この国では二課に一日の長がある」",
"380000331_42": "「それはそうだが……」",
"380000331_43": "「そちらの返答は?」",
"380000331_44": "「…………」",
"380000331_45": "「ザックームに詳しい君たちの協力は不可欠だろう。\\n 協力に感謝する」",
"380000331_46": "「ここで判断しちゃって大丈夫なの?」",
"380000331_47": "「上の連中はうまく丸め込むさ」",
"380000331_48": "「こちらこそ、感謝する。ところで、ザックームが出現した\\n 前後の状況について、一応聞かせてもらえるだろうか」",
"380000331_49": "「ああ、分かった。それだが――」",
"380000331_50": "「――といった状況だ」",
"380000331_51": "「……協会の研究より、成長速度は早いようだな」",
"380000331_52": "「なぁ……公園で眷属の死骸を見たんだけど、\\n 倒したのはお前らなのか」",
"380000331_53": "「ここに来るまで、見かける度に処理はしてきた。\\n 痕跡があったのなら、そうなのではないか」",
"380000331_54": "「そうか……」",
"380000331_55": "「…………」",
"380000331_56": "(弦十郎のダンナは、やっぱりゲートの事は伝えないつもりか。\\n それに、望み薄だったけど……",
"380000331_57": "(ゲートが閉じる前に、あっちの翼たちが、こっちの世界に\\n 来てるかもしれないなんて希望も絶たれちまったな……"
}

View file

@ -0,0 +1,23 @@
{
"380000341_0": "「おおよその状況は理解した。\\n ザックームが確認されたら私たちにも連絡を頼む」",
"380000341_1": "「ああ、分かっている」",
"380000341_2": "「こちらも<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>を斥候に当たらせている。\\n 何か見つかれば連絡する」",
"380000341_3": "「ああ、よろしく頼む」",
"380000341_4": "「ひとまずの協力体制は築けたな」",
"380000341_5": "「ザックームの情報を与えた事で、\\n 余計な邪魔だてをしてこなければいいがな」",
"380000341_6": "「何か……隠し事はあるようだな。だが、情報を提示したことで、\\n 所有権がこちらにあることは主張できた」",
"380000341_7": "「そんな必要はあったのか?\\n 装者人に回収は無理だろう」",
"380000341_8": "「ああ、1人ではな」",
"380000341_9": "「……ああ、向こうの世界の装者か。\\n あいつらが来たなら、戦力は十分だな」",
"380000341_10": "「二課のバックには日本政府がいる。特定の国がザックームを\\n 手に入れたら、文字通り紛争の種になる」",
"380000341_11": "「国か……面倒なものだな」",
"380000341_12": "「マスター、聞こえますか?」",
"380000341_13": "「ガリィか。どうした?」",
"380000341_14": "「どうしたもこうしたも、ザックームが現れたら、\\n 連絡しろと言ったのはマスターじゃないですかぁ」",
"380000341_15": "「出現したならすぐにそう言えッ!」",
"380000341_16": "「眷属である葉もポンポン振り撒いてますし、\\n まだまだ増えそうですねぇ……」",
"380000341_17": "「……すぐに行く。\\n お前たちは合流して、先に対処を進めていろ」",
"380000341_18": "「お待ちしてますよ、マスター♪」",
"380000341_19": "「<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>たちがザックームを見つけたようだ」",
"380000341_20": "「分かった。\\n 二課にも連絡して、すぐに向かおう」"
}

View file

@ -0,0 +1,16 @@
{
"380000342_0": "「確かに、炎の攻撃はよく効いているようだな」",
"380000342_1": "「燃やし尽くしてくれるッ!」",
"380000342_2": "「クッ!\\n 逃げられるッ」",
"380000342_3": "「付近一帯の地面を掘り返して、火の海にすればいい」",
"380000342_4": "「都市部にこれだけ近いと、影響が大きすぎるッ!\\n それに……周囲を見なさい」",
"380000342_5": "「ゴホッゴホッ……お母さん……どこ?」",
"380000342_6": "「うぐッ! 苦し……い。\\n 誰……か……」",
"380000342_7": "「負傷者たちを放置することもできないだろう」",
"380000342_8": "「……仕方ない」",
"380000342_9": "「悪い、遅くなっちまった」",
"380000342_10": "「ひとまず、ザックームは撃退した。\\n 負傷者たちの救助を――」",
"380000342_11": "「――ッ!?」",
"380000342_12": "「この揺れはッ!?」",
"380000342_13": "「――警戒しろッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,14 @@
{
"380000351_0": "「さっきよりも大きくなっているだとッ!?」",
"380000351_1": "「成長したか。\\n 面倒な敵だッ」",
"380000351_2": "「最終段階にまで成長されると、対処が厳しくなる。\\n なるべく急いで片付けないと……」",
"380000351_3": "「――クッ!\\n これじゃ負傷した人たちを退避させる暇も……」",
"380000351_4": "「並行世界の装者たちに、救援を求めてくれ。\\n このままでは人手が足りないッ」",
"380000351_5": "「ああ、この際だ。\\n 使えるものは、なんであれ使うべきだろう」",
"380000351_6": "「…………」",
"380000351_7": "「急げッ!\\n このままでは被害は広がる一方だぞ」",
"380000351_8": "「……今、それはできないんだ。\\n 向こうの都合もある」",
"380000351_9": "「…………?」",
"380000351_10": "「まあいい。\\n ひとまず、戦闘に集中しよう」",
"380000351_11": "「ああッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,22 @@
{
"380000352_0": "「皆まとめて、バラバラにするんだゾッ!」",
"380000352_1": "「眷属の葉は、私たちが抑えますわ」",
"380000352_2": "「派手に道を作ってみせましょう」",
"380000352_3": "「マスターたちは本体を」",
"380000352_4": "「ああ、任せたぞッ!」",
"380000352_5": "「またガスをッ!?」",
"380000352_6": "「くッ!\\n こんなものにやられるかッ」",
"380000352_7": "「マズいッ!\\n また地中に潜るつもりだッ」",
"380000352_8": "「くッ、ここからじゃ間に合わないぞッ!」",
"380000352_9": "「……天羽奏、私をザックームに向けて吹き飛ばせ」",
"380000352_10": "「吹き飛ばすだとッ!?」",
"380000352_11": "「早くしろ、\\n 間に合わなくなってもいいのかッ」",
"380000352_12": "「分かったよッ!\\n 行っけぇぇぇ――ッ」",
"380000352_13": "「――ッ! これなら間に合うッ!\\n 炎の術式で――ッ」",
"380000352_14": "「……どうだッ!?」",
"380000352_15": "「また逃げられたか……。\\n あれでもダメなのかよッ」",
"380000352_16": "「チッ、逃げ足の速い奴だ」",
"380000352_17": "『トゥルルッ! トゥルルッ!』",
"380000352_18": "「皆さん、ザックームの反応消失しました。\\n 警戒を解き、負傷者の救出にあたってください」",
"380000352_19": "「……了解ッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,63 @@
{
"380000411_0": "錬金術師たちの狩座",
"380000411_1": "「また逃がしてしまうとは……」",
"380000411_2": "「思ったより、かなり早く成長しているようだ」",
"380000411_3": "「そのようだな。\\n さっさと片付けないと、手に負えなくなるぞ」",
"380000411_4": "「ああ。\\n 戦力の増強も、本格的に検討した方がいいだろうな」",
"380000411_5": "『トゥルルッ! トゥルルッ!』",
"380000411_6": "「……カリオストロたちからだな」",
"380000411_7": "「進展があればいいが……」",
"380000411_8": "「はぁい、定時連絡よん♪」",
"380000411_9": "「裏切り者の追跡状況の報告なワケダ」",
"380000411_10": "「なんの目的でザックームを持ち出したか分かったのか?」",
"380000411_11": "「本人にはまだ辿り着けてないのよねー」",
"380000411_12": "「でも、取引しようとしていた相手には出会えたワケダ」",
"380000411_13": "「――取引ッ!?」",
"380000411_14": "「錬金術師協会の分析官は、こんなふうに言ってたわよねぇ?」",
"380000411_15": "「局長の目の届かない所で、\\n ザックームを使ってマッドな研究をするつもりだろうって」",
"380000411_16": "「その分析は、まんまとハズれたワケダ」",
"380000411_17": "「もしかして……、\\n 彼は、ただ金が欲しくて完全聖遺物を盗み出したというの」",
"380000411_18": "「正体見たり、枯れ尾花って感じよねぇ」",
"380000411_19": "「金のために命を危険に晒すとは、くだらんな」",
"380000411_20": "「だが、結果的に取引は失敗。何故かザックームも起動して、\\n 十分マッドな研究になっているワケダ」",
"380000411_21": "「取引は失敗したのか?\\n ならばザックームの起動は、彼自身が行ったという事かッ」",
"380000411_22": "「取引現場で欲をかいて、物別れに終わったそうよ」",
"380000411_23": "「状況を聞く限り、『起動した』というより、\\n 想定外に『起動してしまった』という方がしっくりくるワケダ」",
"380000411_24": "「それなら、ザックームの最初の犠牲者は\\n 彼と言うことか……」",
"380000411_25": "「ところがどっこい、生きているのよ。\\n 命からがら、海外に渡ったみたい」",
"380000411_26": "「相当追手に怯えているようで、陽動のアルカ・ノイズを\\n 生み出しながら、各地に潜伏しているワケダ」",
"380000411_27": "「なるほど。まだ、こちらを手伝ってもらう訳には\\n いかないようだな」",
"380000411_28": "「それで、どうする?\\n 何故か二課は、並行世界に助けを求める事を渋っているが……」",
"380000411_29": "「私も、それが腑に落ちない。\\n 二課で何かが起こっていて、私たちに隠している気がする」",
"380000411_30": "「被害の拡大を、何よりも嫌う二課の傾向から考えて、\\n 明らかにおかしな動きだ」",
"380000411_31": "「ああ、そうだな。\\n 私は二課に出向いて、少し探りを入れてみる事にする」",
"380000411_32": "「分かった。\\n ならこちらは、裏から<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>に調べさせよう」",
"380000411_33": "「司令、サンジェルマンさんをお連れしました」",
"380000411_34": "「うむ。\\n ……それで、作戦に対する相談があるとのことだが」",
"380000411_35": "「ザックームの対処についてだ。前回の戦いで、ザックームは\\n かなり成長してしまっていることが分かった」",
"380000411_36": "「弱点である炎も、効かなくなってしまうだろうか……?」",
"380000411_37": "「完全に効かなくなるわけではないと思う。\\n だが、より効きにくくなる以上、生半可な威力では足りない」",
"380000411_38": "「前回に比べて急激に成長していたことも踏まえると、\\n すでに地脈のエネルギーを大量に摂取していると思われる」",
"380000411_39": "「つまり、第2段階から第3段階に成長しかけている。\\n これ以上成長する前に、なんとしても叩かなくては」",
"380000411_40": "「……むう」",
"380000411_41": "「そこで、二課に問いたい。\\n S.O.N.G.の装者に協力は頼めないのか?」",
"380000411_42": "「――ッ!」",
"380000411_43": "「ザックームの成長を考えると、現状のままでは手が足りない」",
"380000411_44": "「可能であれば、装者の増員を頼みたい」",
"380000411_45": "「……すまないが、事情があってな。すぐには無理だ。\\n 今回の件で装者は奏以外は動けないと思ってほしい」",
"380000411_46": "「……了解した」",
"380000411_47": "「奏、ザックームの対処はそこまで厳しい状況なのか?」",
"380000411_48": "「ああ。\\n これ以上成長されたら厳しいのは間違いない」",
"380000411_49": "「それに、前回あいつが炎の錬金術を叩き込んでも、\\n 本体はそれに耐えて逃げちまった……」",
"380000411_50": "「倒すには何人かが同時に炎を叩き込むなり、\\n より高出力の炎が必要になると思う」",
"380000411_51": "「それは確かに人手が必要だな……」",
"380000411_52": "「なあ、いっそゲートのことを話して、\\n 解決に協力してもらうってのはダメなのか」",
"380000411_53": "「向こうも戦力を必要としているんだ。\\n 解決にも手を貸してくれるんじゃないか」",
"380000411_54": "「……それも考えたが、ザックームの対処を後回しには\\n できないし、ゲートの件は原因も解決法もまだ分からない」",
"380000411_55": "「糸口もないまま、協力を求める事はできん。\\n いたずらに不安要素を増やす事になるからな」",
"380000411_56": "「…………」",
"380000411_57": "「彼女らを信用していない訳じゃない。\\n だが、錬金術師協会も組織である以上、一枚岩ではないだろう」",
"380000411_58": "「我々が力を失っている、という事実を知られることで、\\n 何が起こるか分からない以上、慎重にならざるを得ない」",
"380000411_59": "「すまないが、分かってくれ……」",
"380000411_60": "「……ああ」"
}

View file

@ -0,0 +1,16 @@
{
"380000421_0": "「樹木型の怪物が複数出現しましたッ!」",
"380000421_1": "「2箇所――、",
"380000421_2": " いえ、3箇所で同時に地表に現れていますッ!」",
"380000421_3": "「複数だとッ!? 樹木型の怪物が\\n ザックームの本体ではなかったのか……」",
"380000421_4": "「くッ……、こいつらッ!」",
"380000421_5": "「キャハッ!\\n 近づく奴は全部バラバラなんだゾッ」",
"380000421_6": "「悪いな。助かったッ!」",
"380000421_7": "「んー? お前を助けた訳じゃないんだゾ」",
"380000421_8": "「どっちでもいいさ」",
"380000421_9": "「なぁ、成長して防御力も上がってきてるみたいだし、\\n バラバラじゃなくて、協力して戦わないか」",
"380000421_10": "「あたしは、マスター以外の命令を聞くつもりはないゾ」",
"380000421_11": "「いや、命令とかじゃなくて――」",
"380000421_12": "「どんどん葉っぱの数も増えて、楽しくなってきたゾ。\\n あたしが全部燃やしてやるゾッ」",
"380000421_13": "「おいッ! だから待てってッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,16 @@
{
"380000422_0": "「かなり数は減ったが……、\\n ――もう少しッ」",
"380000422_1": "「楽しいんだゾッ!」",
"380000422_2": "「あとは、本体への道ができれば――」",
"380000422_3": "「――見えたッ!\\n これで終わらせてやるッ」",
"380000422_4": "(奴がまたガスを放出しようと――、\\n いや、その前に燃やし尽くせばいいッ",
"380000422_5": "「この速度なら間に合うッ!\\n ――トドメの一撃を食らえッ」",
"380000422_6": "「ドッカーンッ!」",
"380000422_7": "「なッ! おいッ、邪魔するなッ!」",
"380000422_8": "「それはあたしのセリフだゾッ!」",
"380000422_9": "「ガスがッ!?",
"380000422_10": " ――くそッ!」",
"380000422_11": "「うう、煙でよく見えないんだゾッ!」",
"380000422_12": "「ザックームが地中に……。\\n くそッ、さっきの攻撃が成功していれば……」",
"380000422_13": "「倒せなかったんだゾ……。\\n うう、マスターに叱られてしまうゾ……」"
}

View file

@ -0,0 +1,12 @@
{
"380000431_0": "「ねえ、マスター。\\n ガリィちゃん、疲れてきたんですけど……」",
"380000431_1": "「泣き言をいうな。\\n それでもオレの作った<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>か」",
"380000431_2": "「マスターの作った<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>だからですよ。\\n 弱気とかもあるんじゃないですか」",
"380000431_3": "「オレにそんな感情はないッ!」",
"380000431_4": "「それじゃ怠惰とかですかねェ。だって相性悪すぎなんですよ。\\n 植物型だからか、水だと全然効かないし」",
"380000431_5": "「なら凍らせてやればいい。植物なら極端な寒さにも\\n 強くはないはずだ。ダメージくらい与えてみせろ」",
"380000431_6": "「はいはい。やってみますよ。\\n しかしどうして急に体に分裂したんでしょうね」",
"380000431_7": "「さあな。協会にあった資料にも、そんな変化については\\n 記載がなかったが……」",
"380000431_8": "(まさか、前回の戦いで危機を感じたことで株分けをした、\\n とでもいうんじゃないだろうな……",
"380000431_9": "「どうであったとしても、元は1つの聖遺物だ。\\n 体になろうがどうしようが、全部叩き潰すだけだ」"
}

View file

@ -0,0 +1,19 @@
{
"380000432_0": "「ガリィッ! 雑魚共を集めろッ!」",
"380000432_1": "「了解しました、マスター。\\n ガリィちゃんにお任せをー♪」",
"380000432_2": "「上出来だッ!\\n ――燃え尽きろッ」",
"380000432_3": "「さっすがマスター。\\n 中までこんがりウェルダンですね♪」",
"380000432_4": "「さあ、これであとは本体だけだ」",
"380000432_5": "「ええ、ちゃちゃっと片付けちゃいましょう」",
"380000432_6": "「今さらそんなものッ!」",
"380000432_7": "「奴め、また逃げようと――ガリィッ!」",
"380000432_8": "「はいはい。人使いが荒いですねー」",
"380000432_9": "「動きは止めましたよ。あとはご存分に」",
"380000432_10": "「生半可な炎で焼き尽くせないなら、生半可ではない炎で\\n 灰をも残さず焼き尽くしてやればいいッ」",
"380000432_11": "「オレの炎は一味違うぞッ!\\n ――食らうがいいッ」",
"380000432_12": "「流石の馬鹿力――もとい、大火力ですねー」",
"380000432_13": "「オレが全力で錬成した炎だ、このまま焼き尽くして――」",
"380000432_14": "「……なッ!\\n ガリィ、動きを止めたんじゃなかったのかッ」",
"380000432_15": "「無茶言わないでくださいよー。あんな炎をぶつけられたら、\\n せっかく凍らせてた根もすぐ溶けちゃいますよ」",
"380000432_16": "「チッ、炎が強すぎたのが仇になったか……」"
}

View file

@ -0,0 +1,11 @@
{
"380000441_0": "「そっちに飛ばしますわよ」",
"380000441_1": "「ああ、派手に爆散させてみせよう」",
"380000441_2": "「ファラはそのまま右手の眷属を。\\n レイアは奥の本体を牽制するんだ」",
"380000441_3": "「左手側と正面の敵はわたしが抑える。\\n 敵の包囲が崩れたら、レイアはすぐにそこをこじ開けてくれ」",
"380000441_4": "「指示が的確ですわね。\\n 流石は協会のお偉いさん、マスターの同僚なだけありますわ」",
"380000441_5": "「こと集団戦において、指揮官というものが重要だと、\\n 地味に納得させられるな」",
"380000441_6": "「……振り撒く葉の数も減ってきた。\\n ここで一気に押し返すッ」",
"380000441_7": "「了解しましたわ」",
"380000441_8": "「派手に暴れてみせよう」"
}

View file

@ -0,0 +1,27 @@
{
"380000442_0": "「少しずつ数も減ってきたな……」",
"380000442_1": "「ええ。そうですわね。\\n あとはあの本体をどう片付けるか――」",
"380000442_2": "「…………」",
"380000442_3": "(もう少しで本体に手は届く。しかし、そうなれば前回同様、\\n 地中に逃れようとするはず……",
"380000442_4": "(それに、前回私の炎だけでは倒しきれなかった。\\n 前回より耐性を増しているとすれば、もっと確実な方法を――",
"380000442_5": "「……方針を固めた。\\n レイア、ファラ、手伝ってくれ」",
"380000442_6": "「護っている葉を片付け追い詰めれば\\n 恐らく奴は、また逃げようとするだろう」",
"380000442_7": "「だからその前に、奴を地面から切り離す。\\n 一発勝負になるが、人とも頼んだ」",
"380000442_8": "「了解した」",
"380000442_9": "「私も分かりましたわ」",
"380000442_10": "「よし、ではレイアは残りの葉を処理しつつ、本体を牽制して\\n 注意を惹いてくれ。ただし、ダメージは与えすぎないように」",
"380000442_11": "「その指令、勤めてみせよう」",
"380000442_12": "「ファラは奴を地上から切り離す役だ。レイアに奴が気を取られ\\n ている隙に近づき、周囲の根ごと風で打ち上げてくれッ」",
"380000442_13": "「あら、力仕事ですわね。ですが、それくらいできなければ\\n マスターの<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>は名乗れませんわね」",
"380000442_14": "「派手に気を惹く。さあ、私を見ろッ!」",
"380000442_15": "「ガスかッ! ファラ、風で防御を――」",
"380000442_16": "「言われるまでもありませんわッ!」",
"380000442_17": "「フフ、足元がお留守ですわよ」",
"380000442_18": "「2人ともよくやってくれた。\\n あとは奴めがけて全力を叩き込むだけだッ」",
"380000442_19": "「逃げ場のない空中ならば、どうにもなるまいッ!」",
"380000442_20": "「ヌグググ……ッ!」",
"380000442_21": "「――派手に散れッ!」",
"380000442_22": "「これはおまけですわッ!」",
"380000442_23": "「ヌオォォォォォォォッ!」",
"380000442_24": "「……なんとか無事に倒すことができたな。\\n 全く、キャロルの<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>は本当に優秀だ……」"
}

View file

@ -0,0 +1,19 @@
{
"380000511_0": "得られない協力",
"380000511_1": "「私たちの方は無事に討伐することができた。\\n 多少ではあるが、奴の力を削ぐ事ができただろう」",
"380000511_2": "「……こっちは失敗だ。\\n 追い詰めることはできたが、あと少しの所で逃げられた」",
"380000511_3": "「……あたしたちも倒せなかった」",
"380000511_4": "「いや、それでもよく戦ってくれた。3箇所同時出現という事態に\\n 無事敵を退け、全員が戻れただけでも僥倖だろう」",
"380000511_5": "「ところで、あなたのところは無事倒せたのよね?\\n サンプルとか持ち帰ってたりしない」",
"380000511_6": "「ああ、確保している」",
"380000511_7": "「それ、ちょろっと私たちにもくれないかしら?」",
"380000511_8": "「……すまないが、それは拒否させてもらう」",
"380000511_9": "「もう、つれないわね」",
"380000511_10": "「ザックームは元々我々協会のものでもあるし、このサンプルは\\n 私と<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>が命を懸けて手に入れたものだからな」",
"380000511_11": "「だが、協力を約束しているのは確かだ。\\n こちらで分かった情報はなるべく共有しよう」",
"380000511_12": "「そういうことなら、それでいいわ」",
"380000511_13": "「感謝する」",
"380000511_14": "(あたしが倒していたら、サンプルからゲートが閉じた原因を\\n 特定できたかもしれないのに……このままじゃ、また翼を……",
"380000511_15": "「もう……焦らないの」",
"380000511_16": "「…………」"
}

View file

@ -0,0 +1,35 @@
{
"380000521_0": "「悪かった。\\n あたしが失敗していなければ……」",
"380000521_1": "「気にするな。\\n 無事帰ってきてくれただけでも十分だ」",
"380000521_2": "「了子さん、ゲート消失の調査はあまり進んでないんだろう?」",
"380000521_3": "「……そうね。芳しくはないわ」",
"380000521_4": "「ザックームとゲートの消失には、\\n 結局関連はあるのかな」",
"380000521_5": "「それも分からないのよ。彼女たちの報告を信じるなら、\\n ゲートが消失した時、ザックームはまだ欧州にあったんだから」",
"380000521_6": "「サンプルがあれば、関連性があるか\\n 調べられたのに……ッ」",
"380000521_7": "「……それはそうね」",
"380000521_8": "「それなら、やっぱりあたしのせいだ……。\\n あたしは、今この世界にいる唯一の装者なのに……」",
"380000521_9": "「…………」",
"380000521_10": "「切り替えろ、奏。\\n チャンスはまた、すぐに訪れるだろうからな」",
"380000521_11": "「……ああ。分かった」",
"380000521_12": "「流石だな」",
"380000521_13": "「なんの事だ?」",
"380000521_14": "「二課にサンプルを渡さなかった事だ。\\n もっとも、渡そうとした所で、オレが阻止したがな」",
"380000521_15": "「ああ、もしもの時のために、\\n 取引の材料は必要だろう」",
"380000521_16": "「それより、このサンプルだが――。\\n 成長により、火への耐性を獲得し始めているようだ」",
"380000521_17": "「……ああ、オレの全力の炎にも耐えて逃げたくらいだ。\\n だが、体同時に現れたのはどういう訳なんだ」",
"380000521_18": "「手に入れたサンプルを調べたが、\\n 構造は、眷属である葉と同じようなものだった」",
"380000521_19": "「……推測だが、あの3体はどれも\\n 本体じゃないのかもしれない」",
"380000521_20": "「本体じゃない、だと?」",
"380000521_21": "「ああ。もしかして今まで現れていた樹木型の怪物は、\\n 樹でいう<ruby=こんけい>根茎</ruby>の先なんじゃないだろうか」",
"380000521_22": "「本体が伸ばした根の一部だというのかッ!?\\n だとすると、本体はまだ地下に」",
"380000521_23": "「ああ、そうだろう。\\n そして本体に近いほど、耐性が高いということかもしれない」",
"380000521_24": "「確かにそれならば説明はつくな」",
"380000521_25": "「これは二課にも知らせておく必要があるだろうな」",
"380000521_26": "「ああ。協力して、ザックーム本体の\\n 居所を改めて探る必要があるだろう」",
"380000521_27": "「じっとしていられなくて、パトロールに出てみたけど、\\n そんな都合よく――」",
"380000521_28": "「きゃぁぁぁぁぁぁッ!」",
"380000521_29": "「――ッ!」",
"380000521_30": "『トゥルルッ! トゥルルッ!』",
"380000521_31": "「奏、市街地にザックームの葉が大挙しているッ!」",
"380000521_32": "「――ああッ! 今、叫び声が聞こえた。\\n すぐに向かうッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,61 @@
{
"380000522_0": "「本体は、どこだぁぁぁッ!」",
"380000522_1": "「次は――ッ!」",
"380000522_2": "「待てッ! もう雑魚はいない。\\n どうやら、本体は出てこなかったようだな」",
"380000522_3": "「お前ら、いつの間に……」",
"380000522_4": "「かなりの範囲に、葉を振り撒いていたのでな。\\n 私たちも別方面で、対処に当たっていたのだ」",
"380000522_5": "「そっか、協力してくれてありがとうな。\\n だけど、あたしも……今度こそはと思ってたのに……」",
"380000522_6": "「この前倒した奴も、本体じゃなかったんだろ?」",
"380000522_7": "「ああ。どうやらあれは本体の<ruby=こんけい>根茎</ruby>。\\n 本体が伸ばした根の先だと私たちは見ている」",
"380000522_8": "「うへぇ……。\\n あれだけデカいのに、まだ根っこの先だってのかよ……」",
"380000522_9": "「火への耐性を付けて、実がガスを出して、\\n それに葉っぱをバラ撒いて護らせるってのは分かったけど……」",
"380000522_10": "「それ以外に、特殊な能力があったりはしないのか?」",
"380000522_11": "「……以前にも二課の研究者が言っていたな。\\n そんなに気になるか」",
"380000522_12": "「いや、そういうわけじゃないんだ。\\n ただ、少し気になることがあって……」",
"380000522_13": "「例えば、本体が……、\\n 並行世界に影響を及ぼすような可能性はないのか」",
"380000522_14": "「並行世界……?\\n 世界蛇のようにか」",
"380000522_15": "「……ああ、そうだ」",
"380000522_16": "「それは無いだろう。並行世界に干渉するような聖遺物は、\\n それこそギャラルホルン以外に存在しないのではないか」",
"380000522_17": "「……そうなのか?」",
"380000522_18": "「ああ。ああいった機能のある聖遺物は、\\n 先史文明期の遺産としてもよほど特殊なものだけだろう」",
"380000522_19": "「少なくとも私の知る限りでは心当たりはない。\\n 当然、ザックームについても同様だ」",
"380000522_20": "「未知の聖遺物であればまだしも、ザックームについては\\n ある程度、研究も進めていた」",
"380000522_21": "「そうか、そうだよな……」",
"380000522_22": "「……お前たち、何を隠している。\\n 今の質問、ただの好奇心ではないだろう」",
"380000522_23": "「――ッ!? そ、それは……」",
"380000522_24": "「協力関係にあるオレたちにも話せない事なのか?」",
"380000522_25": "「……そっちだって、サンプルの提供を拒んだだろうッ!\\n あれさえあれば、もしかしたら――」",
"380000522_26": "「挙句に責任転嫁か……。\\n 呆れて物も言えん」",
"380000522_27": "「責任転嫁だって? 何も知らないくせにッ!」",
"380000522_28": "「不条理もそこまでいくと、むしろ清々しいなッ!\\n 理解を求めるのなら、今すぐ情報を開示することだ」",
"380000522_29": "「ま、マスター落ち着いてほしいんだゾ。えーと、えーと……、",
"380000522_30": " ほ、ほらッ! 新しいポーズを考えたんだゾッ!」",
"380000522_31": "「…………」",
"380000522_32": "「…………」",
"380000522_33": "「う……、み、見てほしいんだゾ……」",
"380000522_34": "「全く見てくれませんわね……」",
"380000522_35": "「地味に悪くないポーズだと思うのだが……」",
"380000522_36": "「役立たずが、珍しく空気を読んで、\\n 空気を読まない行動をしてますのに……」",
"380000522_37": "『トゥルルッ! トゥルルッ!』",
"380000522_38": "「……ッ! はい、こちら奏……」",
"380000522_39": "「チッ……」",
"380000522_40": "「…………」",
"380000522_41": "翌朝――",
"380000522_42": "「……くそッ!」",
"380000522_43": "「一晩経っても、まだ収まらないのか……。\\n 二課にも事情があるのだろう」",
"380000522_44": "「お前は、やつらに味方するのかッ!」",
"380000522_45": "「そういう訳じゃない。だが、二課は日本政府の直轄だ。\\n 政府の意向も絡む以上、難しい立場もあるだろう」",
"380000522_46": "「事がもし並行世界に絡むことならば、\\n オレたちにも無関係ではないハズだッ」",
"380000522_47": "「……そうだな。それは気になるところだ。\\n だから、昨日も黙って様子を見ていたのだが……」",
"380000522_48": "「……お前、分かっててオレと天羽奏の言い争いを\\n 静観してたのか」",
"380000522_49": "「マスター、よろしいでしょうか?」",
"380000522_50": "「ファラか。どうした?」",
"380000522_51": "「二課が隠している事が判明しましたわ」",
"380000522_52": "「話せ」",
"380000522_53": "「どうやら、S.O.N.G.のある並行世界と、こちらを繋ぐ\\n ゲートに問題が生じたようですわ」",
"380000522_54": "「その結果として、向こうとの連絡や交流手段が失われています」",
"380000522_55": "「……なるほど。それがザックームの影響だと考えているのだな。\\n まあ、大方の予想通りではあるがな……」",
"380000522_56": "「二課の調査は、まだ継続しますか?」",
"380000522_57": "「これ以上探っても何も出ないだろう。\\n 二課の方はもういい。ザックームの索敵に戻れ」",
"380000522_58": "「承知しましたわ」"
}

View file

@ -0,0 +1,18 @@
{
"380000611_0": "紅蓮のアイソレーション",
"380000611_1": "「……それで、錬金術師協会の研究によると、\\n ザックームには、並行世界に影響を与える力はないらしいんだ」",
"380000611_2": "「まあ、そんな聖遺物なんて、\\n めったにないと思うのが普通よね」",
"380000611_3": "「しかし、可能性がない訳ではないだろう。現状では\\n ザックーム以外に、ゲートに異常をもたらす要素が見当たらん」",
"380000611_4": "「そうなのよね。\\n 違うなら違うで、きちんと検証して確定させたいし……」",
"380000611_5": "「やっぱり、ザックームのサンプルを入手することが、\\n 解明への第歩であることに変わりないわ」",
"380000611_6": "「……なぁ、やっぱりあいつらに正直に説明して、\\n ゲートについても協力を求めた方がよくないかな」",
"380000611_7": "「…………」",
"380000611_8": "「司令、郊外に樹木型の怪物――、\\n ザックームの<ruby=こんけい>根茎</ruby>が出現しました」",
"380000611_9": "「――ッ!\\n 今度こそ倒して、サンプルを持ち帰るッ」",
"380000611_10": "「ダンナはさっきの件、考えといてくれッ!」",
"380000611_11": "「待てッ!\\n 彼女らと合流して――ッ」",
"380000611_12": "「どのみちサンプルが必要なんだ。\\n 逃げられる前に倒さなくちゃだろッ」",
"380000611_13": "「あいつ……。\\n 急ぎ、協会の者と連絡を取れッ」",
"380000611_14": "「ザックーム……。必ずお前を倒す。\\n そして、もう一度ゲートを――」",
"380000611_15": "「あたしは、絶対にもう一度、翼たちと――。\\n だから、こんな奴に負けていられないッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,17 @@
{
"380000612_0": "「くそッ、葉の数が多すぎるッ!\\n まだ<ruby=こんけい>根茎</ruby>も倒せてないのに――」",
"380000612_1": "(あたしは装者だ。1人でも戦えると示さなきゃ……。\\n 人でもコイツらを――",
"380000612_2": "「ば、化け物が――ッ!」",
"380000612_3": "「まだ逃げ遅れてた人がいたのかッ!?",
"380000612_4": " くそ――ッ!」",
"380000612_5": "「例のガスかッ!?\\n くッ、間に合え――ッ」",
"380000612_6": "「――早く逃げろッ!」",
"380000612_7": "「は、はいッ!」",
"380000612_8": "「うく……ッ!\\n なんだ、眩暈が――」",
"380000612_9": "(ガスを吸ったからか……。\\n くッ、だけどこの程度で――",
"380000612_10": "「――あたしは、負けられないんだよッ!」",
"380000612_11": "「くッ……。また、逃げられた……ッ!」",
"380000612_12": "『トゥルルッ! トゥルルッ!』",
"380000612_13": "「聞こえるか、奏ッ!\\n そこから南に、新たなザックームの<ruby=こんけい>根茎</ruby>が出現したッ!」",
"380000612_14": "「ああ、聞こえてるよ。南だなッ!\\n 今度こそ仕留めるッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,17 @@
{
"380000621_0": "『トゥルルッ! トゥルルッ!』",
"380000621_1": "「二課からの連絡?\\n どうした、何かあったのか」",
"380000621_2": "「郊外にザックームの<ruby=こんけい>根茎</ruby>が出現しました。\\n 至急応援に向かっていただきたいのですが……」",
"380000621_3": "「分かった。\\n 装者とはどこで合流すればいい」",
"380000621_4": "「それが……。\\n 奏さんは、既に現地に急行しました」",
"380000621_5": "「――何故だッ!?\\n 二課は、本当にオレたちと協力する気があるのかッ」",
"380000621_6": "「そ、それはもちろん……」",
"380000621_7": "「――なら、何故ゲートが消失し、S.O.N.G.との連携が\\n 取れないことを隠し続けているのだ」",
"380000621_8": "「――ッ!\\n それは……」",
"380000621_9": "「――もういいッ! そちらがその気なら、\\n オレたちも独自に行動するッ」",
"380000621_10": "「あら、とうとう堪忍袋の緒が……」",
"380000621_11": "「派手にブチ切れたな」",
"380000621_12": "「癇癪は身体に毒ですよ、マスター」",
"380000621_13": "「協力しててもしてなくても、\\n マスターはいつも思い通りに行動してるゾッ」",
"380000621_14": "「うるさいッ!\\n お前たち、行くぞッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,33 @@
{
"380000622_0": "「ザックームの<ruby=こんけい>根茎</ruby>はどこだッ!」",
"380000622_1": "「えっと、ここから2キロ先ですねー」",
"380000622_2": "「分かった、急ぐぞッ!\\n ミカ、ガリィッ」",
"380000622_3": "「あたしが一番乗りなんだゾッ!」",
"380000622_4": "「はいはーい」",
"380000622_5": "「ヌオォォォォォォォッ!」",
"380000622_6": "「これでも仕留められないか……」",
"380000622_7": "「炎への耐性が増していますわね……」",
"380000622_8": "「逃がさないように押さえてはいるが、これは地味に厄介だな」",
"380000622_9": "「これだけ炎に強いということは、本体にも近い<ruby=こんけい>根茎</ruby>なのだろう。\\n 恐らくはこの近くのどこかに本体が――」",
"380000622_10": "(……この場所、確か音楽フェスがあった場所に\\n 近い――そうかッ",
"380000622_11": "「フォニックゲインだ……。それによって起動したなら、\\n 本体はきっとエネルギーを求めて――」",
"380000622_12": "「キャロル、聞こえるか?」",
"380000622_13": "「どうした。こっちはまだ<ruby=こんけい>根茎</ruby>の対処中だ」",
"380000622_14": "「本体の位置が分かった。\\n ……ライブ会場の地下だ」",
"380000622_15": "「それは本当かッ!」",
"380000622_16": "「ああ、間違いない。\\n 地脈から離れていたから、これまでの捜索から漏れていたんだ」",
"380000622_17": "「なら、何故そこだと?」",
"380000622_18": "「前提条件が間違っていた。\\n ザックームが吸収するのは、地脈エネルギーだけじゃない」",
"380000622_19": "「これまでは、地脈に沿った位置に出現していたから、\\n 本体も地脈の近くに存在すると考えていた……」",
"380000622_20": "「だけど違った。本体は別の場所から、<ruby=こんけい>根茎</ruby>を使って\\n 地脈のエネルギーを集めていた……」",
"380000622_21": "「そして恐らくは、<ruby=こんけい>根茎</ruby>に攻撃を加える私たちのエネルギーも\\n 同時に集めていたのかもしれない……」",
"380000622_22": "「なんだと……? まさかそんなことが――ッ!」",
"380000622_23": "「あの異常な成長スピードがその証拠。\\n 本体はもう第段階に達している可能性もある」",
"380000622_24": "「分かった。ならばオレはそっちを叩きに行く。\\n <ruby=こんけい>根茎</ruby>なら<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>たちで相手できるはずだ」",
"380000622_25": "「頼むぞ。では、あとで合流しよう。\\n 私も今対処している<ruby=こんけい>根茎</ruby>を処理したら、本体に向かう」",
"380000622_26": "「ああ、その前にオレが本体を倒しているかもしれないがな」",
"380000622_27": "「それは、願ったりだ」",
"380000622_28": "「オレはザックームの本体を叩きに向かうッ!\\n <ruby=こんけい>根茎</ruby>の排除はお前たちに任せたぞッ!」",
"380000622_29": "「了解しました、マスター」",
"380000622_30": "「マスターの命令、絶対達成してみせるんだゾッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,7 @@
{
"380000631_0": "「南ったって、これ以上は海に出ちまうし、\\n どこに――」",
"380000631_1": "「居やがったかッ!」",
"380000631_2": "「なんだよッ! えらくデカいじゃないか……。\\n まさか、これが本体なのかッ」",
"380000631_3": "「コイツさえ倒せば……、\\n ゲート消失がコイツのせいかどうかがハッキリするッ」",
"380000631_4": "「あたしが、全部終わらせてやるッ!\\n この――ブリーシンガメンの炎でッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,32 @@
{
"380000632_0": "「くッ、どうしてあたしの炎が……」",
"380000632_1": "(デュオレリックの全力でも、\\n ダメージが入っているように見えない……",
"380000632_2": "「相手が大きすぎるのか……?\\n いや、効かないハズなんてない」",
"380000632_3": "「効かないなら、効くまで続けるだけだッ!」",
"380000632_4": "「待てッ! 天羽奏ッ!」",
"380000632_5": "「お前ッ!? ここはあたしだけでいいッ!",
"380000632_6": " あたしにやらせろッ!」",
"380000632_7": "「ふざけるなッ! よく状況を見ろッ!」",
"380000632_8": "(くッ、ここはあたしがやるんだッ!\\n そうすればきっと――",
"380000632_9": "「邪魔をされないためには――。\\n あたしにできる最大の一撃でッ」",
"380000632_10": "(あいつの炎を<ruby=こんけい>根茎</ruby>が無効化――いや、吸収している。\\n やはり、<ruby=こんけい>根茎</ruby>が吸収機構かッ!)",
"380000632_11": "「くそッ、装者というやつは、\\n どうしてこう人の話を聞かないやつばかり――」",
"380000632_12": "「これで――、全部燃え尽きろッ!」",
"380000632_13": "「ヌオォォォォォォォッ!」",
"380000632_14": "「ほら、倒したぞッ!」",
"380000632_15": "「何? オレの勘違いだったのか……?」",
"380000632_16": "「――ッ!?」",
"380000632_17": "「……くそッ、やっぱりかッ!」",
"380000632_18": "「なッ……、どういうことだッ!」",
"380000632_19": "「奴にはもう、炎は通用しない。\\n 少なくとも今までオレたちが使っていた炎ではな……」",
"380000632_20": "「本体を庇う<ruby=こんけい>根茎</ruby>が、お前の攻撃のエネルギーを\\n 吸収し、最終段階へと成長した……」",
"380000632_21": "「吸収……?\\n そんな、あたしの攻撃を……」",
"380000632_22": "「ザックームの異常な成長速度に、\\n もっと早く疑問を持つべきだった……」",
"380000632_23": "「サンジェルマン……。\\n それにお前たちも」",
"380000632_24": "「突然、根っこが全部引っ込んだから、\\n マスターを追いかけて来たんだゾ」",
"380000632_25": "「あれが、ザックーム本体ですわね……」",
"380000632_26": "「あれは少々派手すぎるな……」",
"380000632_27": "「またとんでもない大きさですねー」",
"380000632_28": "「そんな……あたしが……、",
"380000632_29": " あたしが、ザックームを育てちまったっていうのか……ッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,26 @@
{
"380000711_0": "Depression Memory",
"380000711_1": "「くッ……、攻撃をしても\\n エネルギーが吸収されてしまう……ッ」",
"380000711_2": "「吸収しきれない高火力で末端から削っていくしかないッ!\\n 行くぞッ」",
"380000711_3": "「どっかーんだゾッ!」",
"380000711_4": "「ヌオォォォォォォォッ!」",
"380000711_5": "「各個撃破したところで、新たな<ruby=こんけい>根茎</ruby>が伸ばされてくるッ!\\n これでは、キリが無いぞ――」",
"380000711_6": "「……葉っぱも、今までとは段違いの強さですわね」",
"380000711_7": "「派手に強化されている。\\n もはや油断していい相手ではないな」",
"380000711_8": "「全く、面倒すぎるわね……」",
"380000711_9": "「……あたしが、今度こそッ!\\n さっき炎を吸収した<ruby=こんけい>根茎</ruby>を躱して、本体に直接炎を――」",
"380000711_10": "「無暗に近づくなッ!\\n ガスの存在を忘れたのか――ッ」",
"380000711_11": "「ぐ――ッ!?\\n ゴホ……ゴホッ カハ……ッ」",
"380000711_12": "「あのガスをまともに受けるなど……\\n おいッ 大丈夫か、しっかりしろッ」",
"380000711_13": "「…………」",
"380000711_14": "「あららー」",
"380000711_15": "「ガスの威力も、派手に強化されているようだな」",
"380000711_16": "「マスター、どうするんだゾ?」",
"380000711_17": "「…………」",
"380000711_18": "「……この馬鹿はオレがなんとかしよう」",
"380000711_19": "「キャロル、任せていいのか?」",
"380000711_20": "「ああ、オレはガングニール使いの馬鹿とは、\\n ほとほと縁があるようだからな」",
"380000711_21": "「フ……そうかもしれないな。\\n それなら、ザックームは私が引き付けよう」",
"380000711_22": "「ああ。――お前たちはサンジェルマンを援護しろ。\\n オレがこの馬鹿を正気に戻すまで、時間を稼げッ」",
"380000711_23": "「了解(したゾ)ッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,37 @@
{
"380000712_0": "「さて、マスターはこの場を何とかするようにと\\n 仰いましたけど……」",
"380000712_1": "「どう見ても派手に窮地だな……」",
"380000712_2": "「ザックーム本体に、伸ばされた<ruby=こんけい>根茎</ruby>も、\\n 撒かれた葉っぱもてんこもり……。どうしたものかしらねー」",
"380000712_3": "「全部倒せばいいだけだゾッ!」",
"380000712_4": "「状況は厳しいが、キャロルと天羽奏が戻るまで、\\n なんとか耐えるしかないだろう」",
"380000712_5": "「あの数が相手だ。バラバラに戦って孤立しては持たない。\\n それぞれ援護のできる距離で、戦ってくれ」",
"380000712_6": "「そんなことしても、ジリ貧になるだけじゃないの?」",
"380000712_7": "「なるだろうな。しかし、2人が戻れば押し返せる。\\n 必要なのはそのための時間を稼ぐことだ」",
"380000712_8": "「なるほど。マスターのためということだな」",
"380000712_9": "「私たちに相応しい作戦でしてよ」",
"380000712_10": "「マスターのためならなんだってするんだゾ」",
"380000712_11": "「ま、それしかないか……。",
"380000712_12": " ――いいわ、乗ってあげるッ!」",
"380000712_13": "「ではやるぞ。――死力を尽くせッ!」",
"380000712_14": "「ヌオォォォォォォォッ!」",
"380000712_15": "<ruby=こんけい>根茎</ruby>への攻撃は意味が無い。\\n 本体への攻撃も難しい――ならばッ",
"380000712_16": "「――今は葉を蹴散らせッ!\\n 倒しやすい葉の数を減らすんだッ」",
"380000712_17": "「倒しやすいといっても、\\n これだけの数、どうやって相手しろっていうのよッ」",
"380000712_18": "「ならば派手に連携すればいい。\\n 私が敵の勢いを殺し……」",
"380000712_19": "「私が風で間合いを空けますわ」",
"380000712_20": "「離れたら、ガリィちゃんの氷で\\n 足を止めるのねっと」",
"380000712_21": "「あたしがトドメを刺すんだゾッ!」",
"380000712_22": "「って、ザコの葉っぱも、全然減らないじゃないのよッ!」",
"380000712_23": "「倒しても倒しても、本体が新たな葉を\\n 派手に撒き散らす……」",
"380000712_24": "「これは、かなりマズい状況ですわね……」",
"380000712_25": "「……嫌なんだゾ」",
"380000712_26": "「いきなりなんなのよ?」",
"380000712_27": "「マスターの命令を破るのだけは、絶対に嫌なんだゾッ!」",
"380000712_28": "「なッ!?」",
"380000712_29": "「ミカ、その姿は――」",
"380000712_30": "「派手に危険だッ!\\n すぐに解除するんだッ」",
"380000712_31": "「嫌なんだゾッ!\\n マスターが戻るまでは、絶対に時間を稼ぐんだゾッ」",
"380000712_32": "「あれは、ミカの奥の手……。\\n しかし、長く持つようなものでは――」",
"380000712_33": "(……この場を任された者として、\\n 犠牲を出す訳には行かない……ッ",
"380000712_34": "「ミカを援護するッ!\\n 少しでも負担を減らしつつ、相手を押し返すんだッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,24 @@
{
"380000721_0": "「…………」",
"380000721_1": "「おい、馬鹿ッ! しっかりしろッ!\\n 聞こえるか 気持ちをしっかりと持て」",
"380000721_2": "「…………」",
"380000721_3": "(なんだ?\\n あたしは一体、どうしたっていうんだ",
"380000721_4": "(そうだ……ザックームのガスを吸って……。\\n じゃあ、仕方ない……あたしは失敗したんだ",
"380000721_5": "「……ろッ! 目を……せッ!」",
"380000721_6": "(なんなんだ……コイツは……)",
"380000721_7": "「ゲートを……並行世界……だろッ!」",
"380000721_8": "(――ッ! そうだ、ゲートだッ!\\n ここで諦めたら、あたしはまた翼を失う……",
"380000721_9": "(また……1人きりになっちまうッ!",
"380000721_10": " そんなこと……耐えられるかぁぁぁぁッ!)",
"380000721_11": "「諦めてたまるかッ!\\n お前なんかに、負けるかぁぁぁぁッ」",
"380000721_12": "「馬……ッ! やめ……ッ!\\n ……覚ませッ」",
"380000721_13": "「あああああ――ッ!」",
"380000721_14": "「フン、大した威力ではないな……」",
"380000721_15": "「この程度では無いだろう、装者の力は。\\n オレは知っている。お前たちの忌々しい程の強大な力をッ」",
"380000721_16": "「己ではなく誰かのために振るう力の――想いの強さを。\\n オレの目を覚まさせてくれた、あの温かな力を――」",
"380000721_17": "「あああああ――ッ!」",
"380000721_18": "「そうだ、こんなものじゃない。\\n この程度の力に、オレは魅せられたりしない……」",
"380000721_19": "「お前も装者だろう。ならばオレに見せてみろ。\\n こんな情けない力ではなく、オレを魅了したあの力をッ」",
"380000721_20": "「そのために、オレが手伝ってやる。\\n お前と同じガングニール装者から受けた借りを返してやる」",
"380000721_21": "「――目を覚ませ、天羽奏。お前は何をしているッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,31 @@
{
"380000722_0": "(……あたしは、怖いんだ)",
"380000722_1": "(再び手に入れたぬくもりを、大事な翼をもう一度\\n 失ってしまうのが……",
"380000722_2": "(独りの辛さを知った、怖さを知った。\\n そして、誰かがいることの温かさを、ぬくもりを知った……",
"380000722_3": "(もう一度それを失ったら、きっと次は耐えられない……)",
"380000722_4": "「奏……」",
"380000722_5": "「翼……」",
"380000722_6": "「…………」",
"380000722_7": "「翼……?\\n ――あたしを置いていかないでくれッ」",
"380000722_8": "「頼むよ……誰かッ! 響ッ! マリアッ! クリスッ!\\n 調ッ 切歌ッ 未来ッ セレナッ」",
"380000722_9": "「誰でもいい……。\\n あたしを助けてくれッ」",
"380000722_10": "「もう、ダメなんだ……。\\n 誰もいないのだけは、耐えられないんだ……」",
"380000722_11": "「どうすればお前たちを失わないで済むッ!\\n そのためならなんだってする、どんな苦しみだって耐えられる」",
"380000722_12": "「――目を覚ませ、天羽奏。お前は何をしているッ!」",
"380000722_13": "「この、声……? 誰だ……?」",
"380000722_14": "「お前はこの世界を護るんじゃなかったのか?」",
"380000722_15": "「護る……。そうだ、あたしは護らなきゃ……」",
"380000722_16": "(でも、どうして護るんだ……?\\n あたしは……独りなのに……",
"380000722_17": "「オレはお前たちの力を、想いを知っている。\\n この世界や他の世界を護るために戦っていただろう」",
"380000722_18": "「お前たち装者はいつもそうだ。\\n 誰かのために戦い、そして力を、心を繋いで勝利してきた」",
"380000722_19": "(心を繋いで、誰かのために……?\\n あたしの心は――",
"380000722_20": "「なのにお前は1人で負けるのか?\\n 仲間とともに護った世界を、むざむざと破壊させるのか」",
"380000722_21": "(……そうだ、この世界は翼が命を懸けて護った世界。\\n 他の世界の翼や響、多くの仲間たちと護った世界――",
"380000722_22": "「世界は――心は繋がってる。だから、護るんだ。\\n あたしは装者だから、自分じゃない誰かのために――」",
"380000722_23": "「……こんな幻覚に惑わされていたんじゃ、みんなに笑われる。\\n あたしは戦う。そして、もう一度翼たちに――」",
"380000722_24": "「…………」",
"380000722_25": "「おい、馬鹿ッ! いい加減目を覚ませッ!」",
"380000722_26": "「……世話を……掛けたな」",
"380000722_27": "「フン、正気に戻ったか。\\n ならば今度こそ、役に立ってもらうぞ」",
"380000722_28": "「ああ、もうあんな無様な戦いはしないよ。\\n おかげで戦う理由を思い出したからな」"
}

View file

@ -0,0 +1,18 @@
{
"380000731_0": "「まだ……ッ!\\n あたしはマスターのために、負けられないんだゾッ」",
"380000731_1": "「ミカッ! もういいッ!\\n ――あとはオレに任せろッ」",
"380000731_2": "「ます、たー……。\\n よかった、マスターの役に、立てたんだ、ゾ……」",
"380000731_3": "「マスターッ!\\n このままではミカが燃え尽きてしまいますッ」",
"380000731_4": "「分かっている。\\n だが、そうはさせるかッ」",
"380000731_5": "「だゾッ!?」",
"380000731_6": "「マスターの氷で、強制的に\\n ミカの熱を冷やして……」",
"380000731_7": "「お前たち、ミカを安全な場所へッ!」",
"380000731_8": "「了解ですわ。\\n ミカを運んで、すぐに戻ります」",
"380000731_9": "「派手な活躍だったぞ、ミカ。\\n 地味に尊敬に値する」",
"380000731_10": "「……あたしが運ぶから、援護して。\\n ついでに想い出を補給しておかないと」",
"380000731_11": "「悪かったわね……。\\n あなたの<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>に無理をさせて」",
"380000731_12": "「あたしのせいだよな。\\n 本当に、悪かった」",
"380000731_13": "「謝罪などいらん。もちろん礼も不要だ。\\n そんなものより行動で返せ」",
"380000731_14": "「ミカはオレとお前のために限界まで力を尽くした。\\n だから奴を倒すことでしか、ミカの献身には応えられない」",
"380000731_15": "「奴はミカの分まで、徹底的に叩き潰すッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,23 @@
{
"380000732_0": "「天羽奏ッ! 前に出すぎだッ!」",
"380000732_1": "「くッ、あいつは何をッ!\\n 無謀な突進をして――」",
"380000732_2": "「――分かってるッ!\\n それでも、あたしが血路を開くッ――」",
"380000732_3": "「――無謀な戦い方をするなッ!\\n 戦う理由を思い出したのではないのかッ」",
"380000732_4": "「無謀なんかじゃないッ!\\n あたしは勝利のために――ッ」",
"380000732_5": "「――馬鹿がッ!」",
"380000732_6": "「なッ!? どうしてあたしを――。あたしのことなんて\\n 放っておけば、奴に攻撃が届いたかもしれないのに」",
"380000732_7": "「ふざけるなッ!\\n オレがなんのためにお前の目を覚まさせたと思っているッ」",
"380000732_8": "「無謀な特攻をさせるためでも、\\n 自己犠牲に走らせるためでもないッ」",
"380000732_9": "「それが、そんなものが装者の戦い方なのかッ!\\n 違うだろうッ」",
"380000732_10": "「……装者の、戦い方……?」",
"380000732_11": "「答えろッ!\\n お前はなんのために戦っているッ」",
"380000732_12": "「この世界を、護るために決まってるッ!」",
"380000732_13": "「お前1人が犠牲になるだけで、この世界が護れるとでも\\n 思っているのかッ <ruby=うぬぼ>自惚</ruby>れるなッ!」",
"380000732_14": "「お前は護った気になって、1人で死に急いでいるだけだッ!\\n 答えを識るのが怖くて、逃げだそうとしているだけだッ」",
"380000732_15": "「答え……」",
"380000732_16": "「……ゲートの消失。\\n 他の装者とは二度と会えないかもしれないこと」",
"380000732_17": "「な――ッ!?」",
"380000732_18": "「その答えの先、自身が1人になることが怖いんだろう。\\n だから無理をする、死に急ぐッ」",
"380000732_19": "「知らないままなら、希望の中で逝けるからな。\\n だが、そんなものが装者であるものかッ」",
"380000732_20": "「あたしは……」"
}

View file

@ -0,0 +1,35 @@
{
"380000811_0": "戦術的撤退",
"380000811_1": "「逃げるな、天羽奏ッ!\\n そんな装者など、オレは認めないッ」",
"380000811_2": "「お前は1人になるのが怖いんだろう。\\n ならばお前に聞く。今、この場でお前は人なのか」",
"380000811_3": "「え……?」",
"380000811_4": "「オレたちは錬金術師、二課とは一時的な共闘に過ぎない。\\n だが、それでも今、肩を並べて戦っている」",
"380000811_5": "「並行世界のあいつは――装者だとか錬金術師だとか関係なく、\\n 共に並び立つ者を仲間と呼び、誰とでも手を繋ごうとしていた」",
"380000811_6": "「…………」",
"380000811_7": "「お前はどうなんだ。オレたちのために力を使い果たしたミカを、\\n 今隣で戦っているオレたちを何と呼ぶッ」",
"380000811_8": "「……これだけ言っても分からないなら、\\n もうお前の力などには頼らん」",
"380000811_9": "(響……。そうだ、向こうのみんなは、装者でも錬金術師でも\\n 関係なく受け入れて、共に戦っていた……",
"380000811_10": "(それだけじゃない。戦う力はギアだけじゃなかった。世界蛇との\\n 戦いは、装者以外も多くの人が力を尽くしたから勝利できた",
"380000811_11": "(装者か、装者じゃないかなんて、関係ないんだ……。\\n それなら、あたしは――",
"380000811_12": "「このままゲートが消失してしまえば……\\n また人になってしまうと思ってた」",
"380000811_13": "「だけど、肩を並べて戦ってくれる仲間がいる。\\n 後ろで支えてくれる人がいる」",
"380000811_14": "「あたしは1人じゃない――ッ!」",
"380000811_15": "「ヌオォォォォォォォッ!」",
"380000811_16": "「危ないッ!」",
"380000811_17": "「分かっているッ!\\n こんなもの食らうかッ」",
"380000811_18": "「違うッ! 本命はその次――」",
"380000811_19": "「な――ッ!?\\n くッ、躱せない――」",
"380000811_20": "「マスターッ!」",
"380000811_21": "「させるか――ッ!」",
"380000811_22": "「……悪かった。\\n 頼む。もう一度、一緒に戦わせてくれ」",
"380000811_23": "「天羽奏……」",
"380000811_24": "「……フン、頼まれなくても\\n とっくに一緒に戦っているだろう」",
"380000811_25": "「そういうことだな」",
"380000811_26": "「ありがとう。……ゲートの事、知ってたんだな。\\n 向こうの世界と連絡が取れなくなってるって」",
"380000811_27": "「ああ、調べたからな」",
"380000811_28": "「それについても謝らせてくれ。\\n 隠していて悪かった」",
"380000811_29": "「そんなことはどうでもいい。\\n 元々オレたちは仲間ではないし、秘密もあって当然だ」",
"380000811_30": "「それでも、あたしが謝りたいんだ。\\n だから、ごめんなッ」",
"380000811_31": "「言う通り、あんたたちはあたしの仲間だッ!」",
"380000811_32": "「……好きにしろ」"
}

View file

@ -0,0 +1,18 @@
{
"380000812_0": "「……戦力的には、なんとか互角に持ち込めた。\\n だけど――」",
"380000812_1": "(やはりこのままでは状況は悪くなる一方か……。\\n 疲労の蓄積に、何より火力が足りない",
"380000812_2": "「キャロル」",
"380000812_3": "「どうした」",
"380000812_4": "「このまま戦い続けても、先にこちらが限界を迎えてしまう」",
"380000812_5": "「……そんな分かりきったことをいう前に、\\n 策のつも出せないのか」",
"380000812_6": "「無くはない」",
"380000812_7": "「ほう……あるならさっさと言え」",
"380000812_8": "「地脈を遮断しての、戦術的撤退。\\n その上で、戦力と体力を整え、改めて決戦に挑む」",
"380000812_9": "「奴は今も地脈から力を吸い上げ続けているわ。\\n それさえ遮断すれば、時間は稼げるかもしれない……」",
"380000812_10": "『トゥルルッ! トゥルルッ!』",
"380000812_11": "「こちらも同じことを考えていたんだ。\\n 地脈の遮断については、対応しよう」",
"380000812_12": "「どうやって?」",
"380000812_13": "「戦闘中に、地脈のスキャンは済ましてある。\\n 要石により、一時的な遮断は可能だ」",
"380000812_14": "「分かった。\\n ならば一度引くぞ」",
"380000812_15": "「ああ、アイツを倒す方法を見つけるために……ッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,49 @@
{
"380000821_0": "「ザックーム本体、沈黙しています」",
"380000821_1": "「地脈を求め地中から伸ばした<ruby=こんけい>根茎</ruby>や、撒かれる葉には、\\n キャロルの<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>が対応している」",
"380000821_2": "「どうにか上手くいったみたいですね……」",
"380000821_3": "「とはいえ、永続的に地脈を遮断できる訳ではない。\\n 以降は、時間との戦いだぞ」",
"380000821_4": "「……分かっている。だから、これを二課に」",
"380000821_5": "「ザックームの欠片? いいの?」",
"380000821_6": "「必要と判断した。\\n ザックーム本体を倒すため、そちらの知識も貸してほしい」",
"380000821_7": "「分かったわ。\\n 天才、櫻井了子の本気を見せてあげる」",
"380000821_8": "「ああ、頼んだ」",
"380000821_9": "「貴重なサンプルを渡してくれて礼を言う。\\n ……それとゲートの件を話さなかったのは俺の判断だ」",
"380000821_10": "「ダンナッ!\\n それはあたしが――」",
"380000821_11": "「いや、奏の責任ではない。君たちに不信感を与えてしまった\\n ことについて、謝罪をさせてくれ。すまなかった」",
"380000821_12": "「……構わない。あなたたちの組織の成り立ちを考えれば、\\n むしろ当然の判断といえるだろう」",
"380000821_13": "「ゲートの問題解決については、こちらも力を貸す。\\n あいつらとの関わりが途絶えるのはオレたちも望んでない」",
"380000821_14": "「そうか……。ならば、今後はその件について隠し事は\\n しないと約束しよう」",
"380000821_15": "「お願いする。ただ、そちらの懸念もあるだろうし、ゲートの\\n 件は協会でも一部の者にのみ絞って情報は管理しよう」",
"380000821_16": "「重ね重ねの配慮、痛み入る。\\n ……これからよろしく頼む」",
"380000821_17": "「ああ、改めてな」",
"380000821_18": "「結果が出たわ。\\n 大方はそちらで解析した通りだったけど……」",
"380000821_19": "「まず問題の火への耐性だけど、これはもう\\n ブリーシンガメンの本気でも突破できそうにないわね」",
"380000821_20": "「そうなのか……?」",
"380000821_21": "「ええ。そして耐性と吸収の機構は<ruby=こんけい>根茎</ruby>に集中してるみたい。\\n これも戦いの中で分かっていたと思うけど」",
"380000821_22": "「ああ、<ruby=こんけい>根茎</ruby>が本体をかばっていたからな……」",
"380000821_23": "「ただ、調べた限りでは耐性も完璧じゃないわ」",
"380000821_24": "「どうやら際限なく耐性が上がった訳じゃなくて、受けた攻撃に\\n 由来して、それを防げるだけの耐性を獲得したみたい」",
"380000821_25": "「じゃあ、あたしたちの攻撃のせいで\\n 耐性を上げたってことか」",
"380000821_26": "「そんなところね。だけど、耐性の強化には時間がかかる。\\n だから単純に今まで以上の火力でなら、通用するはずよ」",
"380000821_27": "「今まで以上の火力か……」",
"380000821_28": "「時間をかけて術式を練ればなんとかなるかもしれんが、\\n 多用できるものではないな……」",
"380000821_29": "「問題点を整理しよう。ザックームを倒すには『<ruby=こんけい>根茎</ruby>』と『葉』の\\n 邪魔を突破して、『本体』に攻撃を仕掛ける必要がある」",
"380000821_30": "「『葉』については数が多いが、対処は難しくない。\\n 『<ruby=こんけい>根茎</ruby>』については吸収機構と火への耐性があり、対処が困難」",
"380000821_31": "「そして『本体』だが、これは火への耐性がある程度あるのか、\\n ほとんどないのか、どちらなのだろうか」",
"380000821_32": "「『<ruby=こんけい>根茎</ruby>』が護っていたくらいだ。<ruby=こんけい>根茎</ruby>よりも耐性が低いのは\\n 間違いないだろう」",
"380000821_33": "「だけど、全く耐性がないとも思えないよな?」",
"380000821_34": "「それについては俺から話させてくれ。\\n この前の戦いについて、こちらで映像解析を行った」",
"380000821_35": "「そうして確認した中に、ミカくんの攻撃が、\\n 本体の一部に達した場面がある」",
"380000821_36": "「これは……本体が焦げてる?」",
"380000821_37": "「ああ。『<ruby=こんけい>根茎</ruby>』は炎を受けても焦げたりはしなかった。\\n よって耐性そのものはそう高くないと推察される」",
"380000821_38": "「それならば、攻撃さえ届けば、倒せる可能性はある」",
"380000821_39": "「だが、この焦げ跡も次の映像ではもう修復されていた。\\n 自己回復――再生能力が格段に高いのだろう」",
"380000821_40": "「ミカの攻撃能力は決して低くない。それが短時間で修復される\\n というのならば、それでも足りないという事だろう」",
"380000821_41": "「……本体が耐性よりも再生能力に特化しているという事は、\\n コアは、幹の中心にあるのかもしれない」",
"380000821_42": "「コア? そんなものがあるのか?」",
"380000821_43": "「ああ、ザックームの本体はそのコアだ。\\n それがエネルギーを吸収し、自身の纏う樹木を生み出す」",
"380000821_44": "「最終的に、幹に攻撃をできたとして、\\n コアの破壊までに至るかどうかが問題だろうな」",
"380000821_45": "「あのサイズだぞ。コアをぶち抜くのに、\\n 一体、どれだけの攻撃力が必要になるんだ」",
"380000821_46": "「結局、火力の問題ってことか……」"
}

View file

@ -0,0 +1,29 @@
{
"380000831_0": "「うーん、攻撃力の話だけど、現状のままではとても足りないわ。\\n 仮に『<ruby=こんけい>根茎</ruby>』の妨害がないとしてもね」",
"380000831_1": "「だろうな。オレたちの攻撃を1点に集中させても、\\n ビクともしない」",
"380000831_2": "「つまり、必要なことは明確だ。\\n より高温の『炎』で攻撃することだ」",
"380000831_3": "「そんなことができるのか?」",
"380000831_4": "「ギアと違って、オレたちの使うファウストローブは、\\n 各々の扱う錬金術との親和性がある」",
"380000831_5": "「それを火属性に絞り、引き上げれば、\\n 『炎』の質を上げる事は可能だ」",
"380000831_6": "「ああ、今のファウストローブを火に特化したものに\\n 改造するだけなら、さほど時間もかからないだろう」",
"380000831_7": "「ただ、ファウストローブの強化には媒介が必要、\\n その媒介になりえる素材次第で、効果は大きく変わる」",
"380000831_8": "「今回のように火に特化させたいなら、火のエレメントを\\n 宿す媒介が必要になる」",
"380000831_9": "「それは、どういったものなのかしら?」",
"380000831_10": "「そうだな……。それこそ火山の火口近くの千年物の鉱石や、\\n 火蜥蜴などの変質した生物の素材になるだろうな」",
"380000831_11": "「普通に手に入るような素材では、\\n 大した効果にはならないからな」",
"380000831_12": "「なるほどね……。それなら役に立てるかもしれないわ」",
"380000831_13": "「なんだと? 心当たりがあるのか?」",
"380000831_14": "「ちょうど研究用に集めてた素材があるのよ。\\n ブリーシンガメンの強化や調整に使えないかって」",
"380000831_15": "「ギアに組み込むことも視野に入れてたから、どれも半端な\\n 素材じゃないし、多分条件に合致すると思うわ」",
"380000831_16": "「それを提供してもらえるのか?」",
"380000831_17": "「ええ。ザックームのサンプルのお返しよ。\\n 構わないでしょう、弦十郎くん」",
"380000831_18": "「ああ。今はザックーム対処のため、できることをすべきだろう。\\n もちろん構わない」",
"380000831_19": "「だそうよ。\\n 私の研究室にあるから、あとで案内するわね」",
"380000831_20": "「ああ、感謝する」",
"380000831_21": "「了子さん、元はあたしのブリーシンガメンの強化用なんだよな?\\n それなら、ギアの方の強化もできないのか」",
"380000831_22": "「そっちはちょっと無理ね。\\n ギアの改良は一朝一夕ではできないの」",
"380000831_23": "「特にデュオレリック状態で扱うギアは、\\n かなりピーキーな状態にあるから……流石に時間が足りないわ」",
"380000831_24": "「できることと言ったら、あのガスへの耐性を上げるくらい。\\n それならサンプルから解析できたから、いけるわ」",
"380000831_25": "「そっか……。分かった。\\n それだけでも頼むよ」",
"380000831_26": "「ええ、任されたわ」"
}

View file

@ -0,0 +1,24 @@
{
"380000911_0": "不撓の炎",
"380000911_1": "「奏ちゃん、お待たせ。これでギアのバリアコーティングが、\\n ザックームのガスも遮断してくれるわ」",
"380000911_2": "「ありがとう、了子さん」",
"380000911_3": "「でも過信はしないでね。ろくにランニングテストも\\n できてないんだから、何度か防げる程度に考えておいて」",
"380000911_4": "「ああ、分かった。\\n けど、それでも随分戦いやすくなるよ」",
"380000911_5": "「この溶液に、こちらの触媒を足せば……。",
"380000911_6": " くそッ! なぜ、うまくいかんッ!」",
"380000911_7": "「……<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>たちが心配なの?」",
"380000911_8": "「……あいつらなら大丈夫のはずだ」",
"380000911_9": "「それならローブの調整に集中しなさい。\\n 焦ると失敗する可能性が上がるわ」",
"380000911_10": "「分かっている……」",
"380000911_11": "『トゥルルッ! トゥルルッ!』",
"380000911_12": "「奏、本当に無理はするな」",
"380000911_13": "「……ああ、そのつもりだよ。\\n けど、ファウストローブが完成するまで、時間を稼がないと」",
"380000911_14": "「キャロルとサンジェルマンのために、\\n 例えザコだけでも、ザックームの戦力を削らないとな」",
"380000911_15": "「奏、新たにザックームの<ruby=こんけい>根茎</ruby>も伸ばされているぞッ!\\n 適度なところで撤退するんだッ」",
"380000911_16": "「……その前に、1つ試してみたいことがあってね」",
"380000911_17": "「下手な攻撃は吸収されてしまうぞ、奏ッ!」",
"380000911_18": "「分かってる。\\n だから吸収されない形で、やってみればいいッ」",
"380000911_19": "(ザックームの<ruby=こんけい>根茎</ruby>は、炎への耐性が強い。\\n このままじゃ、あたしは最終決戦で役立たずだ……",
"380000911_20": "(耐性があっても倒す方法、エネルギーを吸収されない方法。\\n それがなくちゃ、役には立てないッ",
"380000911_21": "「その方法――試させてもらうッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,8 @@
{
"380000912_0": "(――了子さん、信じるよッ!)",
"380000912_1": "「何度も食らってたまるかよッ!」",
"380000912_2": "「<ruby=こんけい>根茎</ruby>を本体から切り離せば、吸収されることはないはずだッ!\\n この状況で燃やし続ければ――ッ」",
"380000912_3": "「まだまだッ!\\n まとめて燃えないなら、切り刻めば――ッ」",
"380000912_4": "「はぁッ、はぁッ……。",
"380000912_5": " 倒したぞッ! これなら本体との戦いも――」"
}

View file

@ -0,0 +1,22 @@
{
"380000921_0": "「……よし、これで完成だ」",
"380000921_1": "「ええ。これならあの分厚い幹も貫けるはず」",
"380000921_2": "「当たり前だ。炎の術式にのみ特化させ、\\n 調整したファウストローブ――」",
"380000921_3": "「――ファウストローブ・typeサラマンダーだッ」",
"380000921_4": "「早速、二課に連絡を取りましょう。\\n ……最後の戦いに赴くと」",
"380000921_5": "「ああ、あいつらのためにも、急ぐぞッ!」",
"380000921_6": "「マスター、お帰りなさいませ」",
"380000921_7": "「ザックームの葉共は、\\n 派手に<ruby=せんてい>剪定</ruby>しておきました」",
"380000921_8": "「ですがそろそろ、\\n ザックーム本体もおとなしくはしていてくれなそうですわ」",
"380000921_9": "「お前たちのおかげで、\\n 無事にザックームを倒す手段も入手できた」",
"380000921_10": "「あとは奴を叩き潰すだけだ。\\n もうひと働きしてもらうぞ」",
"380000921_11": "「はい」",
"380000921_12": "「もちろんです」",
"380000921_13": "「承知しましたわ」",
"380000921_14": "「そういえば、お前もザックームの<ruby=こんけい>根茎</ruby>を\\n 討伐できたらしいな」",
"380000921_15": "「ああ。ザックーム本体はともかく、根っこくらいは\\n やれないと、ただの足手まといになるだけだからな」",
"380000921_16": "「厄介な<ruby=こんけい>根茎</ruby>も、ザックーム本体から切り離して燃やせば、\\n なんとかなるのを確認した」",
"380000921_17": "「そうか。ならばその方法で共に戦ってくれ」",
"380000921_18": "「ああ。今度こそザックームを倒そうッ!」",
"380000921_19": "「……さあ、行くぞッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,11 @@
{
"380000922_0": "「動きを止めるのはガリィちゃんにお任せ♪」",
"380000922_1": "「そして本体から切り離すのは、私の役割ですわ」",
"380000922_2": "「そして私が派手に殴りつけ」",
"380000922_3": "「あたしが燃やすッ!」",
"380000922_4": "「なかなかいいコンビネーションですわね」",
"380000922_5": "「ああ、地味に悪くない……」",
"380000922_6": "「ま、及第点ってところじゃない?」",
"380000922_7": "「ありがとうなッ!」",
"380000922_8": "「あたしのせいでダメージを負ったミカの分もあたしが……。\\n さぁ、どんどんいくぞッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,44 @@
{
"380000931_0": "「あいつらは、どうやら上手く連携しているようだな」",
"380000931_1": "「そうね。私たちもやるとしましょう」",
"380000931_2": "「ああ、新しいファウストローブの力、見せつけてやるッ!」",
"380000931_3": "「想定通りの威力を出せているわね。\\n これならザックームを庇う<ruby=こんけい>根茎</ruby>も焼き払えるッ!」",
"380000931_4": "「……<ruby=こんけい>根茎</ruby>を伸ばしてくる力も弱まってきたようだな。\\n どこかで仕掛けるぞ」",
"380000931_5": "「分かっている……」",
"380000931_6": "「もう少し……」",
"380000931_7": "「――今だッ! 仕掛けるッ!」",
"380000931_8": "「行くぞッ!」",
"380000931_9": "「ガスだと――ッ!」",
"380000931_10": "「く――ッ!」",
"380000931_11": "「――何度も同じ手をッ!」",
"380000931_12": "「行ってくれッ! 2人ともッ!」",
"380000931_13": "「助かったぞッ! トドメは任せておけッ!」",
"380000931_14": "「――この一撃に、全てを込めるッ!」",
"380000931_15": "「はあああああ――ッ!\\n 燃え尽きろ―――ッ」",
"380000931_16": "「ヌオォォォォォォォッ!」",
"380000931_17": "「くッ! 思ったより本体の再生が早い……ッ!」",
"380000931_18": "「だが効いているッ!\\n あと少し、コアまで届けば――ッ」",
"380000931_19": "「あと少しなら、あたしの炎も――ッ!」",
"380000931_20": "「ヌアァァァァァァァァッ!」",
"380000931_21": "「限界まで絞り出せッ!\\n 燃やし尽くせばオレたちの勝ちだッ」",
"380000931_22": "「分かってるッ!",
"380000931_23": " はああああ――ッ!!」",
"380000931_24": "「ヌギャァァァァァァァッ!」",
"380000931_25": "「奴は……?」",
"380000931_26": "「あと少し、届かなかったのか……ッ!」",
"380000931_27": "「もう一度だッ! 今仕掛ければ――ッ!」",
"380000931_28": "「無理だッ!\\n 奴が回復の方が早いッ」",
"380000931_29": "「今のが私たちの最大火力……。\\n それで足りないなら、この方法では、もう……」",
"380000931_30": "「ここまで来て……ッ!\\n あたしにもう少し力があれば……」",
"380000931_31": "「シンフォギアの力……。\\n そうかッ まだだッ」",
"380000931_32": "「キャロル……?」",
"380000931_33": "「天羽奏ッ! お前に賭けるッ!\\n この歌を――オレの歌を力と変えてみせろッ」",
"380000931_34": "「――これはッ!?」",
"380000931_35": "「そうか、歌……。キャロルと私の歌で\\n フォニックゲインを高め、シンフォギアを強化すれば……ッ」",
"380000931_36": "「――この歌を、不撓の炎として大きく燃やせッ!」",
"380000931_37": "(フォニックゲインが、こんなにも……。\\n それに、ギアがあいつらの炎を取り込んでいる……",
"380000931_38": "(今なら、何でもできる気がする……。\\n 全ての力をあたしの中で――爆発させるッ",
"380000931_39": "「あたしの中に、力が溢れてくる。\\n これは歌の力と、諦めない想い――」",
"380000931_40": "「生きるのを諦めず、誰かのために唄い、戦い続ける。",
"380000931_41": " これがあたしのブリーシンガメン・エクスドライブだッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,21 @@
{
"380000932_0": "「行けッ!\\n その力で、奴を打ち砕いてみせろッ」",
"380000932_1": "「その気高き炎で、目の前の敵を焼き滅ぼせッ!」",
"380000932_2": "「ああ、あたしに託してくれた力……、使わせてもらうッ!」",
"380000932_3": "「ザックームッ! これで最後だッ!\\n 燃え尽きろぉぉぉ――ッ」",
"380000932_4": "「ヌギィャァァァァァァァッ!!」",
"380000932_5": "「勝ったよ……、翼……みんな……」",
"380000932_6": "「さすがはガングニール装者といったところか」",
"380000932_7": "「デュオレリック状態のまま、\\n エクスドライブを発動するとはな」",
"380000932_8": "「あたしだけの歌じゃない。2人の歌のおかげだよ」",
"380000932_9": "「フン、当然だな。\\n だが、お前でなければあそこまでの力は発揮できなかった」",
"380000932_10": "「ああ、ありがとうな。\\n <ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>たちも」",
"380000932_11": "「……もう、大丈夫なようだな」",
"380000932_12": "「ああ、1人でこの世界に取り残されたように感じて、\\n みっともないとこも見せちまったけどな……」",
"380000932_13": "「だけど立場は違えど、こうして肩を並べて\\n 戦ってくれる仲間がいることも知った」",
"380000932_14": "「今度のことは、本当に助かったよ」",
"380000932_15": "「頭をあげてくれ。\\n 私たちも、やるべきことをやったまでだ」",
"380000932_16": "「――そうだッ!\\n きっとまた、すぐにゲートも開く」",
"380000932_17": "「そしたら翼たちに、今度のことも話すからさ。\\n また会いにきてくれよッ」",
"380000932_18": "「……フン」"
}

View file

@ -0,0 +1,46 @@
{
"380001011_0": "紡がれた絆",
"380001011_1": "「船が来るまでもう少しね」",
"380001011_2": "「全く、何故船旅なんだ……」",
"380001011_3": "「仕方ない。一応密入国してる立場だし。\\n テレポートジェムは使い切ってしまったのだから」",
"380001011_4": "「……それなら、少しくらいこの国に滞在しても――」",
"380001011_5": "「ダメだ。局長に呼ばれているから」",
"380001011_6": "「どうせまたロクでもない任務だろう……」",
"380001011_7": "「もう、帰るんだな」",
"380001011_8": "「なんだ、わざわざ見送りに来たのか?」",
"380001011_9": "「ああ、世話になったからね。\\n それで……<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>たち、特にミカは大丈夫だったのか?」",
"380001011_10": "「大丈夫だゾッ!」",
"380001011_11": "「居たのかッ! ……悪かった、あたしが無茶したせいで、\\n 無理をさせちゃって」",
"380001011_12": "「こいつはこれくらいでちょうどいいんですよ」",
"380001011_13": "「大事に至らなくて何よりですわ」",
"380001011_14": "「見た目は、派手に壊れているがな」",
"380001011_15": "「本当に大丈夫なのか?」",
"380001011_16": "「帰ったらきっと、\\n マスターが直してくれるゾッ」",
"380001011_17": "「まったく、世話を焼かせる」",
"380001011_18": "「よかった……。よろしく頼むな」",
"380001011_19": "「こちらこそ、今回の件ではいろいろと世話になった。\\n 二課の皆にも、よろしく伝えてほしい」",
"380001011_20": "「必ず伝えるよ」",
"380001011_21": "「あのさ、実はお前たちに言いたいことがあってきたんだ」",
"380001011_22": "「なんだ? 礼の言葉か? それとも恨み言か?\\n どちらも不要だ」",
"380001011_23": "「そんなんじゃないって……」",
"380001011_24": "「あたしは二課、そっちは錬金術師協会。\\n 装者と錬金術師だし、組織も立場も違う。だけど――」",
"380001011_25": "「だけど、あたしは同じ世界を護る戦友――、\\n いや、仲間だって思ってる」",
"380001011_26": "「……肩を並べて、同じ敵と戦っている時に限るがな」",
"380001011_27": "「それでもいいんだ。\\n あたしが勝手にそう思ってるだけでもさ」",
"380001011_28": "「……ゲートの件」",
"380001011_29": "「……残念だったな」",
"380001011_30": "「あ、ああ……結局、ザックームを倒しても、\\n ゲート消失は解決しなかったな……」",
"380001011_31": "「言っただろう?\\n ザックームには、ゲートに影響を与える力はない」",
"380001011_32": "「ハハハ……期待しちゃってたんだけどな」",
"380001011_33": "「その問題が片付くまでは、同じ目的を共有している」",
"380001011_34": "「え?」",
"380001011_35": "「……その間だけなら、仲間だと、思ってやってもいい」",
"380001011_36": "「ハハッ、そうだな。ありがとうッ!\\n じゃ、これからもよろしくってことで」",
"380001011_37": "「フン、よろしくされてやる」",
"380001011_38": "「私も、よろしく頼むわ。\\n あなたが仲間というのは、心強いから」",
"380001011_39": "「ああ、ありがとう」",
"380001011_40": "「2人とも行っちまったな……」",
"380001011_41": "(仲間、か……。やっぱりいいもんだな)",
"380001011_42": "「翼……、あたしはこの先何があっても、もう負けないよ。\\n 例え会えなくても、会える未来を信じて、戦い抜く」",
"380001011_43": "「翼の片翼として、仲間として、恥ずかしくない装者で\\n いたいからさ。だから、必ずまた会おうな……」"
}

View file

@ -0,0 +1,22 @@
{
"380001111_0": "異変を知る稀人たち",
"380001111_1": "「もう~い~くつ寝る~と~、定期報告♪\\n フフッ、早く姉さんに会いたいなぁ……」",
"380001111_2": "「セレナ」",
"380001111_3": "「はい、マム。どうかしましたか?」",
"380001111_4": "「……悪い話があります。心して聞いてください」",
"380001111_5": "「悪い話……?\\n な、なんだかそう言われると怖いですけど……」",
"380001111_6": "「大丈夫です、何かあったんですか?」",
"380001111_7": "「ギャラルホルンのゲートが消失しました。\\n かの並行世界との繋がりが絶たれたようです」",
"380001111_8": "「ゲートが……?",
"380001111_9": " そんな、姉さんたちの世界に何か……?」",
"380001111_10": "「むー……」",
"380001111_11": "「調。どうかしたデスか?\\n 難しい顔でモニターを見つめて」",
"380001111_12": "「切ちゃん、今度の休みの予定だけど、変更が必要みたい」",
"380001111_13": "「え、今度の休みって、向こうのクリス先輩のところに\\n 遊びに行く予定デスよね どうして……」",
"380001111_14": "「ゲートが消えたの。前触れもなく」",
"380001111_15": "「ゲートって、ギャラルホルンのデスか……?」",
"380001111_16": "「そう。向こうの世界に渡れなくなった」",
"380001111_17": "「切ちゃん、\\n デュプリケイターを試してほしい」",
"380001111_18": "「ダメデスッ!\\n アタシも並行世界に渡れないデースッ」",
"380001111_19": "「一体、何が起きてるの……?」"
}