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{
"379000111_0": "シンフォギア昔話 フナ太郎",
"379000111_1": "むかしむかし、S.O.N.G.村というところに――",
"379000111_2": "おじいさんと、おばあさんが住んでいました",
"379000111_3": "「おじいさんだとッ!?」",
"379000111_4": "「野暮な突っ込みをしていると、小皺が増えるわよ。\\n 弦十郎おじいさん」",
"379000111_5": "「むう……」",
"379000111_6": "「まあいいだろう。\\n 今日も行くとするかッ」",
"379000111_7": "いつものように、おじいさんは山へ修行に、",
"379000111_8": "おばあさんは異端技術研究所へ、秘密の研究をしに行きました",
"379000111_9": "「と言っても、\\n 次は何を<ruby=イジ>研究</ruby>ろうかしら」 ",
"379000111_10": "「あら?\\n あれは――」",
"379000111_11": "どんぶらこ……ッ! どんぶらこ……ッ!",
"379000111_12": "「……フフ、面白そうなものが流れてきたわね。\\n なんて大きな――」",
"379000111_13": "「エビフライだとッ!?」",
"379000111_14": "「ええ。村はずれの川を、\\n どんぶらこッ と流れてきたの」",
"379000111_15": "「見事な衣の付き具合だが……ううむ、\\n エビフライにしてはいささか巨大が過ぎるな」",
"379000111_16": "「いったいどんなエビを材料に使ったのか、\\n 興味深いわね」",
"379000111_17": "「フ、そうだな。",
"379000111_18": " ……であれば、叩き割って調べるまでッ!」",
"379000111_19": "「ボ、ボクです……ッ!」",
"379000111_20": "「中から子供だとぉッ!?」",
"379000111_21": "「……あ、あれ? ここは……?\\n それに……皆さんは、いったい……」",
"379000111_22": "「心配するな。\\n 君に危害を加えるつもりはない」",
"379000111_23": "「俺は風鳴弦十郎、ただのジジィだ。\\n こっちは了子おばあさん――」",
"379000111_24": "「櫻井了子よ。\\n 気軽に了子おねえさんと呼んでくれていいわ」",
"379000111_25": "(了子くんも気にしているじゃないか……)",
"379000111_26": "「ご丁寧にありがとうございますッ!",
"379000111_27": " えっと、初めまして。ボクは……」",
"379000111_28": "「ひょっとして、名前が無いのか?\\n それなら、エビフライから生まれた『エビ太郎』と――」",
"379000111_29": "「い、いえッ!\\n ボクはエルフナインと言いますッ」",
"379000111_30": "「でも……」",
"379000111_31": "「具合でも悪いの?」",
"379000111_32": "「……それが、思い出せないんです。ボクがボクで\\n あるということ以外……何も……ごめんなさい……」",
"379000111_33": "「……記憶障害かしら。\\n 残念ね。色々と聞きたいことがあったんだけれど」",
"379000111_34": "「思い出せないなら、仕方がないだろう。\\n だが、これも何かの縁だ」",
"379000111_35": "「よし、決めたぞ。君さえよければ、\\n 記憶が戻るまでの間、この家で暮らすといい」",
"379000111_36": "「……ッ! それはその、とてもありがたいのですが……。\\n ご迷惑ではないでしょうか」",
"379000111_37": "「子供の窮地には、手を差し伸べるのがオトナの務めだ。\\n 少しばかり、格好つけさせてくれ」",
"379000111_38": "「……ま、言い出したら聞かない人だから。\\n 悪いけど諦めてちょうだい」",
"379000111_39": "「……ありがとうございますッ!\\n どうぞ、よろしくおねがいしますッ」",
"379000111_40": "数カ月後――",
"379000111_41": "「おじいさーんッ!\\n 薪割り、終わりましたッ」",
"379000111_42": "「おぉ、フナ太郎。\\n ご苦労だったッ」",
"379000111_43": "「はいッ!」",
"379000111_44": "「もう、エルフナインでしょう?」",
"379000111_45": "「すまないな。\\n どうもこの呼び方がしっくりくるんだ」",
"379000111_46": "「気に入っているので、大丈夫ですよ」",
"379000111_47": "(ここで暮らし始めて数ヶ月。\\n 残念ながら、ボクの記憶はまだ戻っていません",
"379000111_48": "(でも、おじいさんと了子さんのおかげで、\\n ちっとも寂しくありませんッ",
"379000111_49": "(今では『フナ太郎』がボクの本当の名前だったんじゃないかって\\n 思うくらい、お人には良くしてもらっています",
"379000111_50": "「フナ太郎、次は食器洗いを頼んでいいか?」",
"379000111_51": "「あ、それならやっておきましたッ!\\n お風呂掃除も終わっていますよッ」",
"379000111_52": "「……まったく、働き者だな。\\n 正直助かってはいるが、自分の身体も労るんだぞ」",
"379000111_53": "「手を動かしている方が落ち着くので」",
"379000111_54": "「それに、薪割りの道具やお風呂の構造など、\\n 毎日新しい発見があって楽しいですッ」",
"379000111_55": "「なら、今度は私のお手伝いをしてちょうだい。\\n かまどに火をつけてくれる」",
"379000111_56": "「はい、任せてくださいッ!」",
"379000111_57": "「ううむ、瞬時に火が燃え盛るとは……。\\n 相変わらず見事な業だ。錬金術、だったか」",
"379000111_58": "「ええ。だけど、どうしてフナ太郎は\\n こんなことができるのかしらね」",
"379000111_59": "「それはやっぱり、思い出せません……。\\n この力が『錬金術』だということしか……」",
"379000111_60": "「でも、お2人の役に立つことができるので、\\n ボクは嬉しいですッ」",
"379000111_61": "「嬉しいことを言ってくれるな」",
"379000111_62": "「だが、フナ太郎は俺たちの家族だ。\\n 無理に役に立とうとしなくてもいいからな」",
"379000111_63": "「は、はいッ!」",
"379000111_64": "(……ずっと、この暮らしが続けばいいなと思っていました。\\n ですが――",
"379000111_65": "「最近、この村の近くで、\\n 鬼が出たという噂を知っているかしら」",
"379000111_66": "「え?\\n 鬼……ですか」",
"379000111_67": "「ええ。人間に仇なす存在のことよ。\\n 出会った村人が、襲われたらしいの」",
"379000111_68": "「……ッ!」",
"379000111_69": "「放っておいたら、襲撃してくるかもしれない。\\n 早急に退治しなければ、村は甚大な被害を被るでしょうね」",
"379000111_70": "(そんな。いったい、どうすれば……)",
"379000111_71": "(――そうだ、ボクには、錬金術が……ッ!\\n きっとこの力は、このときのために必要だったんですねッ",
"379000111_72": "「あの、おじいさん、了子さんッ!\\n 鬼のことはボクに任せて――」",
"379000111_73": "「よし、俺が灸を据えてくるとするかッ!」",
"379000111_74": "「……え?」",
"379000111_75": "「とうッ!」",
"379000111_76": "「はああああッ!!」",
"379000111_77": "「戻ったぞッ!\\n 鬼は無事に倒すことができた」",
"379000111_78": "「え、ええーーーーッ!?!?」",
"379000111_79": "「そういえば言ってなかったわね。\\n この人、冗談みたいに強いのよ」",
"379000111_80": "「ボ、ボクの錬金術は……」",
"379000111_81": "「まぁまぁ、いいじゃないの。\\n ――それで、その大きな風呂敷包みは」",
"379000111_82": "「鬼の首領が持っていた、金銀財宝だ。\\n これをやるから命だけは助けてくれと言われてな」",
"379000111_83": "「受け取るのもどうかと思ったが、\\n あまりにもしつこいので止む無く……といったところだ」",
"379000111_84": "「フフ、よほど怖かったのでしょうね。\\n ともあれ、めでたしめでたしと言ったところかしら」",
"379000111_85": "それからまたしばらくして――",
"379000111_86": "「なんだ? 外が騒がしいな……」",
"379000111_87": "「また鬼が出たらしいぞーッ!\\n 今までの鬼より、さらに強いって噂だッ」",
"379000111_88": "「奴らの住処の近くにある村はもうやられちまったらしいッ!\\n このままじゃ、この村もいずれ……ッ」",
"379000111_89": "「他にも鬼がいたのか。\\n よし、もうひと暴れして――」",
"379000111_90": "「待ちなさい。\\n 行かせる訳にはいかないわ」",
"379000111_91": "「何だと?」",
"379000111_92": "「あなたの『お父上』から招集の文が届いたのよ」",
"379000111_93": "「なッ!?\\n もうそんな時期だったか……ッ」",
"379000111_94": "「おじいさんの、お父上ですか?」",
"379000111_95": "「ああ。名は風鳴訃堂。\\n 実は、ここら一帯を治める大名なんだ」",
"379000111_96": "「そうだったんですね……ッ!\\n 大名様の呼び出しということは、きっと大事な用が――」",
"379000111_97": "「文にはこう書いてあったわ」",
"379000111_98": "「『不承な親不孝者よ。\\n まもなく執り行う儂の誕生日会にまろび出ろ』」",
"379000111_99": "「た、誕生日会ッ!?\\n でも、それなら鬼退治の方が大事では……」",
"379000111_100": "「残念ながら、そんな言い分が通用する相手ではないんだ……」",
"379000111_101": "「断って機嫌を損ねようものなら、\\n 村のつやつ焼き落としかねん」",
"379000111_102": "「特に、毎年盛大に行う誕生日会は\\n ことさらに楽しみにしているからな……」",
"379000111_103": "「そ、そんな……」",
"379000111_104": "「ええい、100歳超えて誕生日にはしゃぐ者がいるかッ!!」",
"379000111_105": "「困ったわ。\\n 前門の鬼、後門にも鬼、ね……」",
"379000111_106": "「…………」",
"379000111_107": "「あの……おじいさん、了子さんッ!\\n ボクに鬼退治、行かせてくださいッ」",
"379000111_108": "「な……ッ! 子供を無闇に戦わせる訳にはいかんッ!\\n 無理して役に立つ必要は無いと言っただろう」",
"379000111_109": "「無理なんてしていませんッ! ボクは心から、\\n おじいさんと了子さん、そしてこの村を護りたいんですッ」",
"379000111_110": "「しかしだな……」",
"379000111_111": "「……子供の成長を見守るのも、オトナの役目じゃなくて?」",
"379000111_112": "「むう……」",
"379000111_113": "「おじいさんは、お誕生日会を……ッ!\\n ボクは鬼をッ 人でS.O.N.G.村を護りましょうッ!」",
"379000111_114": "「……1つだけ、条件がある」",
"379000111_115": "「必ず生きて帰ってこいッ! 絶対にだッ!」",
"379000111_116": "「……は、はいッ!」",
"379000111_117": "「……決まりね。\\n それなら、これを持っていきなさい」",
"379000111_118": "「おじいさんが持ち帰った財宝の中に、面白いものがあったの。\\n 急ごしらえだけど、それを材料に作ったものよ」",
"379000111_119": "「旅に持っていけば、きっとあなたの役に立つはず。\\n 覚えておきなさい」",
"379000111_120": "「……ッ!\\n ありがとうございますッ」",
"379000111_121": "「道中、気をつけるんだぞ」",
"379000111_122": "「はいッ! それじゃあボク……いってきますッ!\\n 鬼からこの村を護るためにッ」"
}

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{
"379000121_0": "「クリスちゃんクリスちゃんッ!」",
"379000121_1": "「見て見て、虫を捕まえたよッ!\\n クリスちゃん食べる」",
"379000121_2": "「食べるかーッ!\\n やめろ、そんなもん近づけるなッ」",
"379000121_3": "「でも、お腹すいてるでしょ?」",
"379000121_4": "「それはそうだけど、\\n あたしは虫は食べたくないんだッ」",
"379000121_5": "「えー、キジなのに?」",
"379000121_6": "「――気を抜くなワン。\\n いつ何時、奴らが襲ってくるか分からん」",
"379000121_7": "「だって。クリスちゃん」",
"379000121_8": "「先輩はお前に言ったんだ、このバカッ!」",
"379000121_9": "「クンクン……皆、止まれッ!\\n この臭い、近くに人がいるワン」",
"379000121_10": "「こんなところに……。\\n 困ってるかもしれません。行きましょうッ」",
"379000121_11": "「ったく、しょうがないな……ッ!」",
"379000121_12": "「ん……んん……」",
"379000121_13": "「よかった、気がついたみたいッ!」",
"379000121_14": "「わ……す、すみません。\\n 助けていただいたみたいで……」",
"379000121_15": "「ま、無事ならいいけど。\\n こんな森の中で何してたんだ」",
"379000121_16": "「……旅の途中だったのですが、\\n 恥ずかしながらツルっと転んで気を失ってしまい……」",
"379000121_17": "「わわ、大変だったね……」",
"379000121_18": "「何か先を急がねばならぬ事情があったのかワン?」",
"379000121_19": "「はい……ボク、人を襲うのをやめてもらうために、\\n 鬼の住処を目指しているんです」",
"379000121_20": "「……ッ!!」",
"379000121_21": "「…もしかして鬼のこと、知っているんですか?」",
"379000121_22": "「知ってるどころじゃない。\\n あたしら、鬼の手下から逃げてきたところなんだ」",
"379000121_23": "「……ッ!」",
"379000121_24": "「わたしたちが住んでいたリディアン山に、\\n 鬼の手下が乗り込んできて……」",
"379000121_25": "「わたしが非力なばかりに……。\\n 防人――いや防犬として不甲斐ないワン」",
"379000121_26": "「触るだけでやられちゃって、戦うすべが無いんですから、\\n しょうがないですよ……」",
"379000121_27": "「そんな……」",
"379000121_28": "「――待つワン」",
"379000121_29": "「どうしたんだ?」",
"379000121_30": "「クンクン……噂をすれば、なんとやら。\\n この臭い、忘れもせぬッ 我らが怨敵……ッ」",
"379000121_31": "「あれが、鬼の手下……ッ!」",
"379000121_32": "「マズイ、逃げるぞッ!」",
"379000121_33": "「早く、キミも一緒にッ!」",
"379000121_34": "「は、はい……ッ!」",
"379000121_35": "「はぁ……はぁ……。\\n そろそろ撒いたか」",
"379000121_36": "「いや、まだ臭う。\\n 振り切れていないようだワン……」",
"379000121_37": "グゥゥゥゥ……",
"379000121_38": "「な、なんですか、今の音……ッ!?」",
"379000121_39": "「ごめん、わたしのお腹の音……」",
"379000121_40": "「バカッ! こんな時に――」",
"379000121_41": "グゥゥゥゥゥゥ……",
"379000121_42": "「クリスちゃんも?」",
"379000121_43": "「しょ、しょうがねーだろッ!\\n 逃げ回っててまともに食ってないんだッ」",
"379000121_44": "「皆さん、大変な思いをしてここまで来たんですね……」",
"379000121_45": "(そうだッ!\\n 了子さんからもらった小包に……",
"379000121_46": "「あの、皆さんッ!\\n よかったらこれを食べてくださいッ」",
"379000121_47": "「やった、お団子だッ!」",
"379000121_48": "「武士は食わねどと言うが……ありがたくいただこうッ!」",
"379000121_49": "「おーし、これ食って仕切り直しといくか――」",
"379000121_50": "「ぱく……もぐもぐ……ごっくん」",
"379000121_51": "「――ッ!?」",
"379000121_52": "「わッ! 何これ……。お腹が満たされるだけじゃなくて、\\n 力が、みなぎってくるッ」",
"379000121_53": "「それだけじゃないワン。\\n どこからともなく鎧がッ」",
"379000121_54": "「おいッ!\\n あの団子、いったい何なんだッ」",
"379000121_55": "「す゛、す゛み゛ま゛せ゛ん゛、\\n 分かりません……ッ」",
"379000121_56": "「え、えっと……あッ!\\n 包みの中に、了子さんのメモが――」",
"379000121_57": "「『聖遺物の欠片から作った、特製シンフォギア団子よ』\\n ……だ、そうですッ」",
"379000121_58": "「良く分からないが、\\n 要はパワーアップアイテムってことかッ」",
"379000121_59": "「ああ、これならもしかしたら……ッ!」",
"379000121_60": "「もう逃げない……。\\n 戦いましょうッ」"
}

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@ -0,0 +1,36 @@
{
"379000122_0": "「やったッ!\\n 鬼の手下たちを倒せたよッ」",
"379000122_1": "「ま、団子パワーってのがいまいち締まらないけどな」",
"379000122_2": "「だがこの力があれば、鬼にも勝てるかもしれん……。\\n キミには感謝せねばならないワン」",
"379000122_3": "「うんうんッ!」",
"379000122_4": "「お役に立ててよかったです」",
"379000122_5": "「あ、そうだッ!」",
"379000122_6": "「キミ、鬼の住処に向かってるんだよね?\\n わたしたちも一緒に行って手伝っていいかな」",
"379000122_7": "「ええッ!? いいんですかッ!?」",
"379000122_8": "「ああ。それに、\\n 窮地を救ってくれた恩も返さねばなるまいワン」",
"379000122_9": "「というわけだから、\\n 一緒に頑張ろーッ」",
"379000122_10": "「ありがとうございます……ッ!\\n とても心強いですッ」",
"379000122_11": "グゥゥゥゥゥ……グゥゥゥゥゥゥ……",
"379000122_12": "「……エヘヘ、ほっとしたらまたお腹鳴っちゃった」",
"379000122_13": "「ったく、欲張りな腹の虫だな」",
"379000122_14": "「そういうことでしたら、\\n もっとお団子を召し上がってくださいッ」",
"379000122_15": "「わーいッ!\\n お団子お団子ッ」",
"379000122_16": "「どうぞッ!\\n 先ほどのとは違う種類みたいですが……」",
"379000122_17": "「ちょうどあと3つあるので、皆さんでどうぞ」",
"379000122_18": "「おぉ、真っ黒ッ! ゴマ団子かな?\\n いっただきまーすッ」",
"379000122_19": "「では、お言葉に甘えて――」",
"379000122_20": "「わるいな。もらうぞ」",
"379000122_21": "「ぱく……もぐもぐ……」",
"379000122_22": "「――んぐッ!?」",
"379000122_23": "「……え?」",
"379000122_24": "「グォ……グォオアアアアアアアッ!!!!」",
"379000122_25": "「ふええッ!?\\n み、皆さんどうしちゃったんですかッ」",
"379000122_26": "「ウ、ウゥ……ッ!!」",
"379000122_27": "「ま、まさか……これもお団子の力……ッ!?」",
"379000122_28": "「えっとえっと、了子さんのメモ――ありましたッ!\\n ふむふむ……『黒い団子はダインスレイフ団子』」",
"379000122_29": "「『呪いの力があるので、使いどころに注意すること』\\n そ、そんな……」",
"379000122_30": "「グルル……」",
"379000122_31": "「す゛、す゛み゛ま゛せ゛――」",
"379000122_32": "「ガァァァァァアァッ!!」",
"379000122_33": "「うわぁぁぁあああッ!」"
}

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@ -0,0 +1,104 @@
{
"379000131_0": "「う……うぅ……あいたたた……」",
"379000131_1": "「……ここは……ッ!?\\n それに、おサルさんたちは……ッ」",
"379000131_2": "「いない……。お三方には悪いことをしてしまいました。\\n 無事だと良いのですが――」",
"379000131_3": "「デデデースッ!\\n こんなところに人間デスッ」",
"379000131_4": "「めずらしい」",
"379000131_5": "「何をしているのかしら?」",
"379000131_6": "「は、初めましてッ!\\n ボクは、鬼の住処を探していまして……」",
"379000131_7": "「デデッ!?\\n それは大変デスね」",
"379000131_8": "「鬼の住処、聞いたことある」",
"379000131_9": "「そうね。\\n たしか、チフォージュ・ヶ島と言ったかしら」",
"379000131_10": "「くんくん、おいしそうな匂いがする」",
"379000131_11": "「この辺りは食べ物が少なくて、\\n お腹がへりんこファイヤーなのデスよー」",
"379000131_12": "「食べ物……。さっきまで持っていたのですが、\\n 全部、無くなってしまって……」",
"379000131_13": "「ガーンデースッ!!」",
"379000131_14": "「持っていないのなら、しょうがないわよ……」",
"379000131_15": "「ならば、自力で探すしかないデスッ!\\n 行くデスよおおッ」",
"379000131_16": "「うん。頑張ろう」",
"379000131_17": "「待ちなさいッ!\\n もう、しょうがないわねッ」",
"379000131_18": "「ごめんなさいね、あの子たち食べ盛りで。\\n それじゃあ、わたしも失礼するわね」",
"379000131_19": "「…………」",
"379000131_20": "「やはり独りは、少々心細いですね……。\\n ……錬金術で、仲間を増やせたりすればいいのですが」",
"379000131_21": "「たとえば……錬金術で人形を作って、\\n そこにボクの精神の一部をコピーしたりして……」",
"379000131_22": "「……あれ?\\n 案外悪くない方法かもしれません……ッ」",
"379000131_23": "「わぁ……ッ!\\n 試してみたら、出来ちゃいましたッ ボクの分身ッ」",
"379000131_24": "「皆さん、起きてくださーいッ!」",
"379000131_25": "「おはようございます、マスター。\\n わたしはマジメナイン」",
"379000131_26": "「なぜわたしがこの世に生を受けたのか。まずはそれを\\n 考えなくてはいけません」",
"379000131_27": "「あ……あの……ボクはビ……ビビリナインです……。\\n ボ、ボクみたいなのが……仲間でいいんでしょうか」",
"379000131_28": "「もちろんですッ!\\n だってみんな、ボクの分身ですからッ」",
"379000131_29": "「あうぅ……よ……よかったですぅ…」",
"379000131_30": "「チッ、無駄にビビりやがって……ま、\\n こんなポンコツマスターから生まれたんじゃしょうがないか」",
"379000131_31": "「キミは……」",
"379000131_32": "「……オコナイン。チッ、気安く話しかけるな」",
"379000131_33": "(……驚きました。\\n ボクの中にこんな一面があるなんて……",
"379000131_34": "「そんでもって最後はボクダヨー。ボクナインダヨー。\\n 最後の体だけに、サイコーの体……フフ」",
"379000131_35": "「ア、アハハ……み、皆さんよろしくお願いしますッ!」",
"379000131_36": "「……それで、ポンコツマスター……\\n 結局オレたちにどうしてほしいんだ」",
"379000131_37": "「ボク、これから鬼のいるチフォージュ・ヶ島へ向かうんです。\\n それを手伝ってほしくて……」",
"379000131_38": "「ほほう、鬼退治ですか。それは大仕事ですね」",
"379000131_39": "「――ところでその鬼退治、\\n もしや決闘罪に該当しませんか」",
"379000131_40": "「……え?」",
"379000131_41": "「法律は絶対、コンプライアンス意識の欠如は秩序の乱れ。\\n そのような不法行為に手を貸すのはいささかためらわれます」",
"379000131_42": "「ふぇぇッ! それって犯罪ってことッ!?\\n 怖い……鬼退治怖いです……無理ですぅ……ッ」",
"379000131_43": "「あ、いや……でも、鬼をなんとかしないと、\\n みんなが困ったことになっちゃいますし……」",
"379000131_44": "「鬼退治で鬼、退陣……」",
"379000131_45": "(ど、どうしましょう……ボクの精神から作られたはずなのに、\\n 全然ボクの言うことを聞いてくれません……ッ",
"379000131_46": "(……で、ですが。ボクなら、\\n 好きなものだって、みんな同じなはず。だったら――",
"379000131_47": "「――流しそうめんですッ!」",
"379000131_48": "「――ッ!!」",
"379000131_49": "「皆さんも、お好きですよね? 村にいた頃、\\n おじいさんと了子さんが作ってくれました」",
"379000131_50": "「鬼退治が終わったらたらふく、\\n 流しそうめんを食べましょうッ」",
"379000131_51": "「流しそうめん……なぜ流すのか。なぜそうめんなのか。\\n ああ、なんと魅力的な謎です……ッ」",
"379000131_52": "「な、流しそうめんのためなら、頑張れる気がします……ッ!\\n 死ぬほど……怖いけど……けどッ」",
"379000131_53": "「流しそうめん、うめーん、たくさん食べるー」",
"379000131_54": "「やれやれ……しょうがないな。\\n エサで釣らないとまとめられないのかよ」",
"379000131_55": "「そ、それは……」",
"379000131_56": "「先が思いやられる。\\n 仕方ない。こいつらのことはオレがまとめてやるよ」",
"379000131_57": "「……ッ! あ、ありがとうございますッ!\\n オコナインは頼りになりますね」",
"379000131_58": "「……べ、別にお前のためじゃない。\\n オレが流しそうめんを食いたいだけだ」",
"379000131_59": "「――そういうわけだから、\\n お前たち、とっとと鬼退治に行くぞッ」",
"379000131_60": "「おー」",
"379000131_61": "「では、いざ鬼のいるチフォージュ・ヶ島へッ!」",
"379000131_62": "数日後――",
"379000131_63": "「ようやく着いたか……長かったぜ」",
"379000131_64": "「え……うそ……あれが、チフォージュ・ヶ島……?」",
"379000131_65": "「見事に浮いていますね……。太陽の位置と仰角から計算して、\\n 実に上空メートルですッ」",
"379000131_66": "「ふえぇ……あんなところ、行けるわけないですよぉ。\\n 絶対無理ですぅ……ッ」",
"379000131_67": "「ウキウキダヨー」",
"379000131_68": "「そんな……せっかくここまできたのに……」",
"379000131_69": "「クソッ!\\n いったい、どうすれば――」",
"379000131_70": "「……ん?\\n あれは……」",
"379000131_71": "「さあさあさあッ!」",
"379000131_72": "「…………」",
"379000131_73": "「今こそ、この僕をイジめたまえッ!\\n さあ早く、踏んだり殴ったりするのですよッ」",
"379000131_74": "「うわぁ……」",
"379000131_75": "「そ、そういうシュミデス……?」",
"379000131_76": "「趣味ではありませんよ。言わば使命……ッ!\\n ここで僕がイジめられれば、それを救う者が現れ――」",
"379000131_77": "「僕にはその者を竜宮城『フロンティア』に運ぶ役割が\\n 生まれるッ 即ち、英雄を助ける英雄の誕生ッ」",
"379000131_78": "「調、切歌、目を合わせちゃダメよ……ッ!」",
"379000131_79": "「分かった」\\n「分かったデス」",
"379000131_80": "「なるほど、無視という暴力を振るおうというわけですかッ!\\n フ、フフフ、それが僕の使命なら、甘んじて受けましょうッ」",
"379000131_81": "「ど、どうしましょう。\\n カメさんが、困っているような……」",
"379000131_82": "「放っておいた方がいい……あれは別の物語だ。\\n 手を出せば、こっちが本筋から脱線しちまう」",
"379000131_83": "「オレたちの目的は、\\n 竜宮城じゃなくて鬼の住処だろッ」",
"379000131_84": "「そ、そうですが……」",
"379000131_85": "「……ッ! そんなことよりマスターッ!\\n こちらに向かって突っ込んでくる影がッ」",
"379000131_86": "「ええッ!?」",
"379000131_87": "「グルルルルル……」",
"379000131_88": "「皆さんッ!?",
"379000131_89": " よかった、無事で――」",
"379000131_90": "「ガアアア……ッ!!」",
"379000131_91": "「え……ま、まさか、この流れって――」",
"379000131_92": "「ウガアアアアアッ!!」",
"379000131_93": "「うわああああぁぁぁッ!!\\n ま、またですかーッ」",
"379000131_94": "「な、なんとッ!?」",
"379000131_95": "「ふええ……ッ!」",
"379000131_96": "「ダヨー」",
"379000131_97": "「何しやがるんだあああッ!?」",
"379000131_98": "「フゥゥ……あ、あれ?」",
"379000131_99": "「わ、わたしたち……何してたんだっけ?」",
"379000131_100": "「たしか、鬼退治に行くはずだったよな」",
"379000131_101": "「はぐれてしまったみたいだワンが、\\n 団子をくれたあの子は無事だろうか……」"
}

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@ -0,0 +1,33 @@
{
"379000141_0": "「い、いたたた……。\\n 今度は、どこに飛ばされちゃったのでしょうか……」",
"379000141_1": "「マスター。どうやら我々は運よくチフォージュ・ヶ島に\\n 着地したようです。その確率、実に」",
"379000141_2": "「ええッ!?\\n すごい偶然ですね」",
"379000141_3": "「ふえぇ……高いの怖いよぉ……」",
"379000141_4": "「うるさいぞ。\\n ビビるんじゃねぇよ」",
"379000141_5": "「だってぇ……こんなところに来ちゃって、\\n 助かる保証なんてつもないし……」",
"379000141_6": "「保証がないだけに……ほー、しょうがないねぇ」",
"379000141_7": "「ですが、ボクたちは鬼に\\n 会うためにここまで来たんですから――」",
"379000141_8": "「あらあらー?\\n わざわざあたしたちに会いに来てくれたのかしらー」",
"379000141_9": "「……ッ! キミはッ!?」",
"379000141_10": "「マスター、気をつけろッ!\\n この気配……こいつら、鬼だぜッ」",
"379000141_11": "「ピンポーンッ!\\n 幹部の、ガリィちゃんでーすッ」",
"379000141_12": "「あうぅ……こ……怖いですぅぅぅ……」",
"379000141_13": "「あらあら……かわいそうに。\\n 早く楽にしてあげないといけませんわね」",
"379000141_14": "「そうだな。派手な攻撃で、\\n 速やかに始末してしまおう」",
"379000141_15": "「ちょ、ちょっと待ってくださいッ!」",
"379000141_16": "「んん~? 今更命乞いってわけ?」",
"379000141_17": "「違います。そもそもボク、戦うつもりはありませんッ!\\n 鬼の首領と話をさせてほしいんですッ」",
"379000141_18": "「……え?」",
"379000141_19": "「……え?」",
"379000141_20": "「<size=40>えぇーーーッ!?</size>」",
"379000141_21": "「おいポンコツマスター、熱でもあんのか?」",
"379000141_22": "「オコの言うとおりです。\\n 我々は鬼退治に来たのでは」",
"379000141_23": "「誤解させていたのならごめんなさい。\\n ですがボクは一言も、鬼退治だなんて言ってないんです」",
"379000141_24": "「相手が鬼だって、\\n 和解できるのが一番だと思いますッ」",
"379000141_25": "「だからって、はいそうですか奥までどうぞー、\\n なんて言う訳ないんだゾ」",
"379000141_26": "「その通りよ。\\n 私たちのマスターは忙しいのですから」",
"379000141_27": "「そんなに舐め腐ったセリフを吐かれたら、\\n 余計に潰したくなっちゃうわ」",
"379000141_28": "「あぁ、戦わない道など無いッ!」",
"379000141_29": "「――今の、まさか錬金術……ッ!?\\n どうしてキミたちが……ッ」",
"379000141_30": "「どうでもいいでしょッ!\\n どのみちここで、ガリィちゃんに倒されちゃうんだからッ」"
}

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@ -0,0 +1,47 @@
{
"379000142_0": "「そらそらそらぁッ!」",
"379000142_1": "「ふぇぇ……怖いよぉ……」",
"379000142_2": "「ビビリナインッ!\\n 怖がってばかりいないで、お前も戦えッ」",
"379000142_3": "「そんなこと言われてもぉ……」",
"379000142_4": "「敵の戦力は我らより10%ほど高いようです。\\n ビビリナインが真面目に戦えば、勝てる可能性があります」",
"379000142_5": "「そういうお前も戦えよッ!\\n さっきから分析ばかりで、全然戦ってないじゃないかッ」",
"379000142_6": "「オコナイン……ッ!」",
"379000142_7": "(どうしよう、このままじゃ、話し合いどころじゃ……)",
"379000142_8": "「ったくしっかりしろ。ここはオレがなんとかするから、\\n 早いとこ先に行きやがれ」",
"379000142_9": "「ありがとうッ!\\n 皆さん、ごめんなさい、先に行きますッ」",
"379000142_10": "「あ、待つんだゾッ!」",
"379000142_11": "「お前らの相手はオレだッ!」",
"379000142_12": "「チッ。\\n ……まあ、マスターのところに行くのなら手間が省けるか」",
"379000142_13": "「ここが……一番奥……?\\n いるとすれば、ここだと思うんだけど……」",
"379000142_14": "「――よく来たな」",
"379000142_15": "「ッ!?」",
"379000142_16": "「オレがお前の探し求めていた鬼のマスター……キャロルだ」",
"379000142_17": "「ボ、ボクとそっくり……どうしてッ!?」",
"379000142_18": "「よくぞ戻ってきた……エルフナイン。\\n オレが与えた任務を、しっかりと果たしてきたようだな」",
"379000142_19": "「任務……いったい何のことですか?」",
"379000142_20": "「思い出せ、エルフナイン。\\n お前は、オレによって作られし存在」",
"379000142_21": "「……え?」",
"379000142_22": "(キャロル……同じ姿かたちなのに、\\n ボクとはまったく違う……",
"379000142_23": "(なのに……なぜか懐かしいような……。\\n そんな感覚が湧き上がってくる……どうしてだろう",
"379000142_24": "「どうだ? そろそろ自分が何者か思い出したんじゃないか?\\n そのように設計したからな」",
"379000142_25": "「ボクは、ホムンクルス……。\\n キャロルによって、作られた……」",
"379000142_26": "「その通りだ。ようやく、思い出したようだな」",
"379000142_27": "「ボクは……キミに命じられた……。\\n 人間の世界を、調査してこいと……」",
"379000142_28": "「すべては、人間を滅ぼすために……ッ!」",
"379000142_29": "「そうだ。そしてお前は任務をやり遂げ、\\n ここに帰ってきた」",
"379000142_30": "「お前の持ち帰ってきた『想い出』を組み込めば、\\n このチフォージュ・ヶ島は完成する」",
"379000142_31": "「人間の世界を壊し、蹂躙する兵器となるのだッ!」",
"379000142_32": "「なぜ? どうして人間をッ!?」",
"379000142_33": "「人間は……奴らはパパを迫害し傷つけたッ!」",
"379000142_34": "「だから、これは当然の報いなんだッ!」",
"379000142_35": "「そんな……」",
"379000142_36": "「だけど、復讐なんてッ!\\n そんなこと、やめてくださいッ」",
"379000142_37": "「ふん、作られた命の分際で、\\n オレに楯突くか」",
"379000142_38": "「しかし、お前ごときに何ができる?」",
"379000142_39": "「ボクは、ボクは……」",
"379000142_40": "「マスター、お待ちどうさまでーす」",
"379000142_41": "「ちょーっと手こずっちゃったけど、\\n ご命令どおり、捕らえてきましたよ」",
"379000142_42": "「ぼろ雑巾みたいにして、\\n 縛りつけてやったゾッ」",
"379000142_43": "「悪い、しくじった……」",
"379000142_44": "「みんな……ッ!?」"
}

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@ -0,0 +1,31 @@
{
"379000151_0": "「みんな、大丈夫ッ!?」",
"379000151_1": "「なんとかな。\\n だが、この拘束は解けそうにない……」",
"379000151_2": "「わたしの計算通りの結果になりましたね」",
"379000151_3": "「ふぇえ……殺されちゃうよぉ」",
"379000151_4": "「敗北したのは、はい、ボクダヨー」",
"379000151_5": "「頼みの綱もあのざまだ。\\n 諦めるんだな」",
"379000151_6": "「…………」",
"379000151_7": "「では早速始めるぞ。\\n エルフナイン、お前の想い出を渡せ」",
"379000151_8": "「パパを迫害した人間どもの本性を、\\n このオレに見せるのだ」",
"379000151_9": "「想い出を渡す?\\n どうやって――」",
"379000151_10": "「想い出を渡す方法。\\n それは、口づけだ――ッ」",
"379000151_11": "「んむッ!?」",
"379000151_12": "「なんだ……この、不快な想い出の数々……。\\n いったい、何なのだ、この男は……ッ」",
"379000151_13": "「弦十郎おじいさん……強くて、優しい人……。\\n おじいさんには、何度助けてもらったか分かりません」",
"379000151_14": "「それに……この女……は……」",
"379000151_15": "「了子さん……不思議な人だけど、研究熱心で、\\n いつでもボクのことを気にかけてくれたッ」",
"379000151_16": "「それだけじゃない……ボクが育った村の人たちは……\\n みんな、とても親切な人たちだった……」",
"379000151_17": "「何者でもなかったボクを……エルフナインを、\\n フナ太郎として大事にしてくれたッ」",
"379000151_18": "「そんな……そんな馬鹿な……」",
"379000151_19": "「人間にだって、いい人はたくさんいるんだよッ!\\n 彼らが、それをボクに教えてくれたッ」",
"379000151_20": "「う……うぅ……」",
"379000151_21": "「キャロル……確かにキミのパパは人間に酷い目にあわされた。\\n それは悲しいことだけど……」",
"379000151_22": "「その恨みから、人間全員に復讐するなんて、\\n 間違っているよッ」",
"379000151_23": "「う……うるさい……お前なんかに……」",
"379000151_24": "「ね、キャロル……こんな暗い場所に閉じこもっていないで、\\n ボクと一緒に外に出ようよ……」",
"379000151_25": "「そして……一緒に流しそうめんをしよう。\\n みんなでやれば、きっと楽し……」",
"379000151_26": "「うるさいッ!! 黙れッ!!」",
"379000151_27": "「2度と余計な口出しができないようにしてやろうッ!」",
"379000151_28": "「そ、そんな……ッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,125 @@
{
"379000152_0": "「はあ……はあ……。\\n うぅ……」",
"379000152_1": "「フン、あまりに他愛のない……」",
"379000152_2": "「ガリィッ!」",
"379000152_3": "「はぁい、マスター」",
"379000152_4": "「こいつを……エルフナインを捕らえろッ!」",
"379000152_5": "「了解です、マスター。\\n さあ、大人しく捕まってちょうだいねぇ」",
"379000152_6": "「キャ、キャロル……」",
"379000152_7": "「させるかッ!」",
"379000152_8": "「オコナインッ!?」",
"379000152_9": "「お前、どうやって拘束をッ!?」",
"379000152_10": "「マジメナインとビビリナインのおかげだ。\\n あいつらも、ただの無能って訳じゃないみたいだぜ」",
"379000152_11": "「こ、怖かったからボクがこっそり身に着けてたナイフが、\\n 役に立ったみたい……」",
"379000152_12": "「拘束の構造をしっかり分析し理解すれば、\\n どの部分を切れば拘束が弱まるか理解できるのです」",
"379000152_13": "「さすがです、2人ともッ!」",
"379000152_14": "「<ruby=ちょこざい>猪口才</ruby>なッ!\\n エルフナイン以外は破壊してもかまわんッ やれッ」",
"379000152_15": "「マスターのご命令ッ!\\n <ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>全員でいくわよッ!」",
"379000152_16": "「地味に逃げられるとは……。\\n 破壊することで責任を取らねばなるまい」",
"379000152_17": "「手加減無しなら、すぐに終わりますわ」",
"379000152_18": "「よーし、いっくゾーッ!」",
"379000152_19": "「お前ら、今度こそ迎え撃つぞッ!」",
"379000152_20": "「勝率は低いですが、仕方がありませんね」",
"379000152_21": "「ふぇ……怖いけど、がんばりますぅ……ッ!」",
"379000152_22": "「みんなを護るためなら、ボクも――」",
"379000152_23": "「な、何の音?」",
"379000152_24": "「こ、この音は……まさかッ!?」",
"379000152_25": "「そういえば、ボクナインがいないぞッ!?\\n あいつは――」",
"379000152_26": "「ボクはここダヨー」",
"379000152_27": "「ここにボタンがあるからポチっと押してみたヨ。\\n きっと脱出ボタンダヨー」",
"379000152_28": "「そ、それは……このチフォージュ・ヶ島の……",
"379000152_29": " き、き、き……緊急自爆スイッチッ!!」",
"379000152_30": "「え? え? ええーッ!?」",
"379000152_31": "「なんでそんなものがあるんだよッ!?」",
"379000152_32": "「マスターは用心深いのだ。\\n 敵の手にこの兵器が渡るくらいなら、いっそ派手に――」",
"379000152_33": "「どうやら、始まったようだな」",
"379000152_34": "「このままじゃオレたちも吹っ飛ぶッ!\\n マスター、急いで逃げるぞッ」",
"379000152_35": "「で、でも、逃げ場なんてないよぅ……」",
"379000152_36": "「クッ……こんなことで、オレの復讐が……」",
"379000152_37": "(しかし、本当によかったのか?\\n エルフナインの想い出に映る人間たちは……",
"379000152_38": "「マスター、危ないゾッ!」",
"379000152_39": "「しまったッ!?\\n 足場が崩れますわッ」",
"379000152_40": "「……ッ!?」",
"379000152_41": "(く、落ちる……ッ!\\n これがオレの運命だというのか",
"379000152_42": "(何も成し遂げられないまま、\\n 人で……",
"379000152_43": "「キャロルーッ!!」",
"379000152_44": "「えい……ッ!」",
"379000152_45": "「なッ!?」",
"379000152_46": "「お前……オレを助けたのか……?」",
"379000152_47": "「よかっ――」",
"379000152_48": "「うわああああああッ!?」",
"379000152_49": "「マスターッ!!」",
"379000152_50": "(……ああ、落ちていく……)",
"379000152_51": "(おじいさん、了子さん……ごめんなさい……)",
"379000152_52": "「エルフナインッ!! つかまれッ!!」",
"379000152_53": "「キャロルッ!!」",
"379000152_54": "「よしッ!」",
"379000152_55": "「でも、このままじゃ2人とも落ちてッ!」",
"379000152_56": "「黙れッ! 今助かる方法を考えているッ!\\n 流しそうめんを食べるのだろうッ」",
"379000152_57": "「キャロルッ!",
"379000152_58": " うん、絶対に助かって――」",
"379000152_59": "「犬の一閃ッ!」",
"379000152_60": "「もってけッ!\\n キジ・デス・パーティッ」",
"379000152_61": "「我流・猿拳ッ!\\n あちょーッ」",
"379000152_62": "「ッ!?\\n 皆さんッ」",
"379000152_63": "「攻撃の衝撃で、落下の勢いがッ!?」",
"379000152_64": "「これなら、なんとか――ッ!」",
"379000152_65": "「あいたたた……」",
"379000152_66": "「助かってよかったデスねッ!」",
"379000152_67": "「落ちてくるのが見えた時はびっくりした」",
"379000152_68": "「ええ。\\n 助かったのはこの人のおかげね」",
"379000152_69": "「もとはと言えば、お前がくれた団子のおかげだ」",
"379000152_70": "「戦う力をくれたお前を、\\n 死なせる訳にはいかないからな」",
"379000152_71": "「本当に、助けられてよかったよーッ!」",
"379000152_72": "「皆さん、ありがとうございますッ!\\n おかげでキャロルもボクも、死なずに済みました……」",
"379000152_73": "「…………」",
"379000152_74": "「そうだッ!\\n 上にいるみんなは――」",
"379000152_75": "「マスターッ!\\n 助かってよかったですッ」",
"379000152_76": "「ふえぇ。心配したですよぉ……」",
"379000152_77": "「ボクモダヨーッ!」",
"379000152_78": "「オレは、マスターなら大丈夫だって思ってたけどな。\\n でも、本当によかったぜ」",
"379000152_79": "「みんなも無事だったんですねッ!」",
"379000152_80": "「本物の緊急脱出装置を使ったってワケ」",
"379000152_81": "「テレポートジェムを使えば簡単なんだゾ」",
"379000152_82": "「とっさのことでしたので、\\n 敵も一緒に連れてきてしまいましたが……」",
"379000152_83": "「……いや、敵じゃない」",
"379000152_84": "「キャロル……」",
"379000152_85": "「はぁ……復讐はもうやめだ。\\n どっと疲れた……」",
"379000152_86": "「キャロルッ!\\n ありがとうッ」",
"379000152_87": "「それは、オレのセリフだ。パパの言っていた、\\n 大切なことを思い出させてくれたんだからな……」",
"379000152_88": "「ところでマスター……あたしたちの家、\\n 爆発しちゃったゾ。これじゃ住むところが無いゾッ」",
"379000152_89": "「派手な爆発だったからな」",
"379000152_90": "「そうね。引っ越しが必要かしら?」",
"379000152_91": "「それじゃあ……あの……\\n ボクたちと一緒に住みませんか」",
"379000152_92": "「お前たちと?\\n ということは、さっき見た村でか」",
"379000152_93": "「うんッ!\\n ここにいるみんな、全員S.O.N.G.村においでよッ!」",
"379000152_94": "「そこには、うまいもんはあるデスかッ!?」",
"379000152_95": "「おさんどんとして、働く準備はできてる」",
"379000152_96": "「それはいいわね。\\n ぜひ、わたしたちもご一緒したいわ」",
"379000152_97": "「オレは鬼だ。迷惑では――」",
"379000152_98": "「そんなことないよッ!\\n もう誰かを傷つけたりしないって約束してくれるならッ」",
"379000152_99": "「こいつがいいって言うなら、まあいいんじゃないか?」",
"379000152_100": "「ああ……。\\n もう、あんなことはやめよう……」",
"379000152_101": "「わたしたちも、一緒に行っていいだろうか?」",
"379000152_102": "「もちろんですッ!\\n キャロルも、一緒に来てくれるよね」",
"379000152_103": "「……流しそうめんとやらを\\n 食わせてくれるのならな」",
"379000152_104": "「あ、ありがとう、キャロルッ!\\n よーっし、そうと決まったら……」",
"379000152_105": "「S.O.N.G.村に向かって、出発だーッ!!」",
"379000152_106": "フナ太郎は、財宝は持ち帰りませんでしたが",
"379000152_107": "たくさんの仲間がS.O.N.G.村に加わり",
"379000152_108": "みんなでいつまでも幸せに暮らしましたとさ",
"379000152_109": "めでたしめでたし",
"379000152_110": "「<size=40>な、何だ今の夢はーッ!!</size>」",
"379000152_111": "「どうされたんです? マスター……?\\n 怖い夢でも見たのですか」",
"379000152_112": "「起き抜けでいきなり派手に叫ぶと、\\n 身体に良くないですよ」",
"379000152_113": "「……おかしい……。\\n あまりにも奇想天外というか、馬鹿馬鹿しいというか……」",
"379000152_114": "「オレが見る夢にしては、妄想の度合いが強すぎるッ!!」",
"379000152_115": "「へえ、もしかしたらマスター、\\n 何者かの干渉を受けているかも」",
"379000152_116": "「攻撃か? あたし最近ヒマだから、\\n 戦うならちょっと嬉しいゾ」",
"379000152_117": "「干渉……確かに、オレがこのような夢を見るなど、\\n あってたまるか……ということは、まさか」",
"379000152_118": "「そうか……分かったぞ……きっとあいつだ",
"379000152_119": " おのれ……ッ!」",
"379000152_120": "「うーん、むにゃむにゃ……」",
"379000152_121": "「……キャロル……」",
"379000152_122": "「駄目だよぉ……流しそうめん……\\n もう食べられないよぉ……むにゃむにゃ……」"
}