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@ -1,3 +1,45 @@
{
"355000111_0": "破壊者の正体"
"355000111_0": "破壊者の正体",
"355000111_1": "「…………」",
"355000111_2": "「は……ッ!?\\n いけない、いつの間にか居眠りを……」",
"355000111_3": "「みなさんのために、ギアの調整をしないといけないのにッ!\\n 急いで続きを――」",
"355000111_4": "「あう――ッ!?」",
"355000111_5": "「痛たたた……、\\n 何かに躓いて……」",
"355000111_6": "「これは……ダイレクトフィードバックシステム?」",
"355000111_7": "「…………」",
"355000111_8": "(今でも信じられないけれど、あの時ボクはこれを使って、\\n 並行世界のもう人のキャロルと束の間の出逢いを……",
"355000111_9": "「ほんの一瞬だったけれど、\\n 確かにボクたちは繋がって――」",
"355000111_10": "「あのキャロルは、後戻りができなくなる前に\\n パパの命題に気づいて、世界のために戦った」",
"355000111_11": "「あれは、ボクの知るキャロルとは別人……。\\n それはわかっている……。だけど――ッ」",
"355000111_12": "「だからこそ思う。あのキャロルには、\\n 自分のために、思ったままに生きてほしい」",
"355000111_13": "「明日も明後日も、いつまでもずっと――」",
"355000111_14": "「マスター、失礼いたします」",
"355000111_15": "「……ん、あぁ……レイアか。\\n どうした」",
"355000111_16": "「どうした、ではありません」",
"355000111_17": "「また机に向かったまま、派手にうたた寝とは……。\\n 休むべきときは休むよう、皆も申しておりましょう」",
"355000111_18": "「だが……、パパの命題を実現するためには、\\n 時間は少しも無駄にはできない――」",
"355000111_19": "「素晴らしい心がけです」",
"355000111_20": "「ですが、それでマスターが体調を崩されては\\n 元も子もありません」",
"355000111_21": "「……それもそうだな。\\n 食後、改めて休息をとることにしよう」",
"355000111_22": "「ありがとうございます、マスター。\\n 今、ミカたちが食事の用意を――」",
"355000111_23": "「マスター、大変だゾッ!」",
"355000111_24": "「どうした、ミカ。\\n マスターの食事を運んでくる手はずでは――」",
"355000111_25": "「それどころじゃないのよ。\\n マスター、ガルモンの邸宅はご存知」",
"355000111_26": "「ああ、サンジェルマンから聞いたことがある。\\n アダムの知り合いなのだろう」",
"355000111_27": "「表向きにはただの豪邸だが、実際には、\\n 錬金術師協会の支部として機能していると聞いたが」",
"355000111_28": "「その豪邸が、いきなりドカーンッ! だゾ」",
"355000111_29": "「なんだと?」",
"355000111_30": "「事故か事件かは不明ですが、そうとう切羽詰まった様子で\\n 協会本部に救援要請があったということですわ」",
"355000111_31": "「……だが、オレに出動の命令が下されたわけではない。\\n 厄介ごとはサンジェルマンたちに任せておけ」",
"355000111_32": "「あの3人は任務で出払っているんだゾッ!」",
"355000111_33": "「統制局長も、少し前にふらっと出掛けたまま\\n 音信不通ということですよ」",
"355000111_34": "「あいつら、肝心な時に……」",
"355000111_35": "「仕方がない、オレが出よう。\\n この貸しは後で必ず取り立ててやる」",
"355000111_36": "「ミカたちもお供するゾッ!」",
"355000111_37": "「ただの事故ならまだよいのですが」",
"355000111_38": "「状況から見て、そんな単純な話じゃ済まないでしょうねぇ。\\n あーめんどくさい」",
"355000111_39": "「何者かの襲撃だったとしても、\\n マスターの手を煩わせることはありません」",
"355000111_40": "「私たちがついているのですから」",
"355000111_41": "「当然だ」",
"355000111_42": "「相手がなんだろうとさっさと終わらせる。\\n 行くぞ、お前たち」"
}

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@ -0,0 +1,49 @@
{
"355000121_0": "「このあたりがガルモンの邸宅のはずですわ」",
"355000121_1": "「『元』を付けたほうが正確ですけどね。\\n あらら、あちこち穴ぼこだらけじゃありませんか」",
"355000121_2": "「思った以上に派手に破壊されているな」",
"355000121_3": "「ああ……。\\n わかるな お前たち」",
"355000121_4": "「ええ、これはただの事故ではありません。\\n 第三者による明確な破壊行動のようです」",
"355000121_5": "「しかも、この痕跡は……、\\n 間違いなく錬金術師の仕業ですわね」",
"355000121_6": "「協会内部の人間か、それ以外か。\\n いずれにしても、相当の技量の持ち主のようだ」",
"355000121_7": "「ったく、こんなときに不在だなんて。\\n なんのための統制局長なんだか」",
"355000121_8": "「あの男が役に立たないのは\\n 今に始まったことではないだろう」",
"355000121_9": "「だったら、ミカたちが犯人を捕まえるんだゾッ!」",
"355000121_10": "「あれ? だけど、どこに逃げたかわからないんだゾ?」",
"355000121_11": "「…………」",
"355000121_12": "「マスター、どうなさいました?\\n 何か気がかりなことでも」",
"355000121_13": "「お前たち、この痕跡の残り方、\\n 何か不自然だと思わないか――」",
"355000121_14": "「爆発ッ!? 近いですわ」",
"355000121_15": "「犯人は逃げていないどころか――」",
"355000121_16": "「まだ現場に留まっていたということか――ッ!」",
"355000121_17": "「探す手間が省けたゾッ!」",
"355000121_18": "「ああ。犯人は爆発の中心地にいる。\\n 取り囲めッ」",
"355000121_19": "「はッ!」",
"355000121_20": "「包囲完了。\\n これで袋のネズミってわけですね」",
"355000121_21": "「よーし、先制攻撃だゾッ!」",
"355000121_22": "「迂闊に動くな。\\n まずは相手を見定めてからだ」",
"355000121_23": "「あ、あれは……?」",
"355000121_24": "「んん? ひょっとして……」",
"355000121_25": "「アダムッ!?」",
"355000121_26": "「こんなところで何をしているのだ」",
"355000121_27": "「…………」",
"355000121_28": "「もしや、犯人と一戦交えたものの\\n 逃げられてしまったのでは」",
"355000121_29": "「……そうなのか?」",
"355000121_30": "「だったら、その犯人を教えてほしいゾ」",
"355000121_31": "「……犯人」",
"355000121_32": "「誰のことを指すのかな? それは」",
"355000121_33": "「ガルモン邸を破壊した者に決まっているだろう」",
"355000121_34": "「その答えならば……」",
"355000121_35": "「僕だよ――」",
"355000121_36": "「…………」",
"355000121_37": "「しかし承服しかねるね、犯人扱いされるのは。\\n 僕は仕事をしているだけだ、勤勉にね」",
"355000121_38": "「ちょっと、さっきから何を言ってるか\\n さっぱりわからないんだけど」",
"355000121_39": "「何があったのか説明してくださらないかしら」",
"355000121_40": "「実際に見せよう、説明するより。\\n こういうことだよ――ッ」",
"355000121_41": "「来るぞッ! お前たちッ!!」",
"355000121_42": "「ぐッ!? なんと派手な一撃……ッ!」",
"355000121_43": "「そんなの、当たったらどうするんだゾッ!?」",
"355000121_44": "「狙ったんだけどね、当たるように。\\n さすが君たちだ。今のを躱すとは」",
"355000121_45": "「――ッ!」",
"355000121_46": "「血迷ったか、アダムッ!!」"
}

View file

@ -1,3 +1,49 @@
{
"355000211_0": "創造主顕現"
"355000211_0": "創造主顕現",
"355000211_1": "「流石は君たちだ、\\n と言ってあげたいところなんだが――」",
"355000211_2": "「届かないよ。\\n 僕にはねえッ」",
"355000211_3": "「く……ッ!」",
"355000211_4": "「お前、何者なんだゾッ!?」",
"355000211_5": "「おや? 忘れてしまったのかい、この顔を」",
"355000211_6": "「アダム・ヴァイスハウプトさ、\\n 見た通りね」",
"355000211_7": "「とか言っちゃって。外見を似せているだけで、\\n 中身は真っ赤な偽物なんじゃありません」",
"355000211_8": "「そう思いたいが、奴の強さは……」",
"355000211_9": "「そうさ。無いんだよ、疑う余地など……ッ!」",
"355000211_10": "「正体はこの際、関係ない」",
"355000211_11": "「相手が誰であろうとも――」",
"355000211_12": "「マスターを傷つけることは許しませんわッ!」",
"355000211_13": "「手ぬるいね。\\n こうやるんだよ、攻撃というものは……ッ」",
"355000211_14": "「くあッ!」",
"355000211_15": "「ッ――」",
"355000211_16": "「レイアッ! ファラッ!」",
"355000211_17": "「さて、次は――」",
"355000211_18": "「好き勝手やってくれちゃって」",
"355000211_19": "「今度はミカたちが相手なんだゾッ!」",
"355000211_20": "「やれやれ……、面倒だね。\\n キャロルが殺されるという結果は変わらないというのに……」",
"355000211_21": "「……ッ!」",
"355000211_22": "「やはり、オレたちをおびき寄せるための\\n 計画だったという訳か……」",
"355000211_23": "「もちろんだとも」",
"355000211_24": "「僕は錬金術師たちを束ねる統制局長だ。\\n これでもね」",
"355000211_25": "「君らがどう行動するかなんて、お見通しなのさ」",
"355000211_26": "「く……厄介極まりない相手ですわ」",
"355000211_27": "「ここは撤退しておくべきかもしれません」",
"355000211_28": "「させると思っているのかな、僕がそれを」",
"355000211_29": "「いや、撤退するつもりはない。\\n お前がアダムなら、オレが止めなくては……」",
"355000211_30": "「助かるよ、逃げないでいてくれるのはッ!」",
"355000211_31": "「ぐッ……なぜだ……」",
"355000211_32": "「なぜオレたちを攻撃するッ!?\\n なぜ仲間の錬金術師たちに仇を為すッ」",
"355000211_33": "「…………」",
"355000211_34": "「お前はいつも適当で気分屋で、\\n 鼻持ちならない奴だったが――」",
"355000211_35": "「錬金術師協会を率いて、人類を守護し\\n 正しく導くという信念を持っていたはずだッ」",
"355000211_36": "「だというのにこの暴虐――ッ!\\n お前に何があったというのだッ」",
"355000211_37": "「信念……か……。\\n 確かに持っていたよ、以前の僕はね」",
"355000211_38": "「だがッ!」",
"355000211_39": "「気づいたのさッ! 間違っていたとッ!\\n あのお方に出会ったことでね……ッ」",
"355000211_40": "「な……ッ!?」",
"355000211_41": "「『あのお方』……?」",
"355000211_42": "「聞き捨てならないですねぇ」",
"355000211_43": "「そいつのせいで、\\n アダムは変わっちゃったんだゾ」",
"355000211_44": "「わかったんだ、僕はッ!\\n 消すべきだとッ」",
"355000211_45": "「君たちをッ! 錬金術師協会をッ!\\n 全ての人類を――ッ」",
"355000211_46": "「――ッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,66 @@
{
"355000212_0": "「食い下がるじゃないか、随分と」",
"355000212_1": "「『あのお方』とは一体何者だッ!?」",
"355000212_2": "「お前が誰かを敬っているところなんて、\\n 見たことが無いんですけど」",
"355000212_3": "「確かに、普段の不遜な態度からは考えられません」",
"355000212_4": "「決まっているだろう、僕が従う相手ならばッ!」",
"355000212_5": "「くッ……」",
"355000212_6": "「マスターッ!」",
"355000212_7": "「問答を続けても、埒が明かなそうですねぇ」",
"355000212_8": "「説得も無意味、撤退もしないとなれば、\\n 全力で戦うしかありません」",
"355000212_9": "「ああ……。しかし……」",
"355000212_10": "(アダムは、パパの想いに気づかず罪を犯してしまったオレに、\\n 生きる場所を与えてくれた……",
"355000212_11": "(本当に、あの男は倒すべき相手なのか……?)",
"355000212_12": "「マスター……」",
"355000212_13": "「こちらから行くよ。\\n 来ないのならば……ッ」",
"355000212_14": "「させませんわ……ッ!」",
"355000212_15": "「マスターは我々が護るッ!」",
"355000212_16": "「あたしたちは、マスターが一番なんだゾッ!」",
"355000212_17": "「そういうこと。\\n 統制局長だろうが、構やしませんってッ」",
"355000212_18": "「無駄だと言っているのだよ、\\n その程度の攻撃などッ」",
"355000212_19": "「うああああああッ!?」",
"355000212_20": "「お前たち……ッ!」",
"355000212_21": "「まだだ……。\\n マスターには触れさせないと言っている……ッ」",
"355000212_22": "「まだ続けるのかい、無駄なあがきを。\\n 壊れてしまうよ、今度こそ」",
"355000212_23": "「――ッ!」",
"355000212_24": "「すまなかったな、お前たち。\\n これ以上はもう――」",
"355000212_25": "「やらせはせんッ!」",
"355000212_26": "「ようやくなったようだね、本気で戦うつもりに。\\n けれど、倒せないよ、この程度では」",
"355000212_27": "「我々も加勢をッ!」",
"355000212_28": "「よーし、ガリィちゃん、張り切っちゃうッ!」",
"355000212_29": "「ああ、派手に行こうかッ!」",
"355000212_30": "「これがあたしたちの全力だゾッ!」",
"355000212_31": "「くッ、予想以上だね……。\\n この力は……ッ」",
"355000212_32": "「おおおおおおおおッ!!!」",
"355000212_33": "「はあ……はあ……、\\n やるしか……なかった……ッ」",
"355000212_34": "「ただじゃ済まないでしょうけど、\\n そう簡単にくたばるようなタマじゃありませんよ」",
"355000212_35": "「ええ。まずは捕らえて――」",
"355000212_36": "「さすがだね」",
"355000212_37": "「ボロボロだよ。攻撃を受け止めた左手が」",
"355000212_38": "「――ッ!」",
"355000212_39": "「そんな……私たちの総力を受けたのに」",
"355000212_40": "「ぴんぴんしてるんだゾッ!?」",
"355000212_41": "「アダム、まだ続けようというのか……?」",
"355000212_42": "「止まるつもりはないよ。\\n 目的を果たすまでは」",
"355000212_43": "「『あのお方』とやらの意志が\\n それほど大事かッ」",
"355000212_44": "「当然だよ。\\n 創造主。創り出した者だからね、この僕を」",
"355000212_45": "「創り出した、だと?\\n どういう意味だ」",
"355000212_46": "「そのままの意味さ。\\n 見たまえ、この折れた指をッ」",
"355000212_47": "「お前ッ、それは……ッ!?」",
"355000212_48": "「機械ッ!?」",
"355000212_49": "「あなたは私たちと同じ――」",
"355000212_50": "「創られた存在だというのかッ!?」",
"355000212_51": "「その通りさ。\\n だが違うんだよ、そもそもの存在理由が」",
"355000212_52": "「人を模したのだろう? 君たち<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>は。\\n けれど、人類のプロトタイプなんだよ、この僕はッ」",
"355000212_53": "「ッ!?」",
"355000212_54": "「しかし……悲しいかな、完全すぎてね。\\n 破棄されたのだよ、運用には至らず」",
"355000212_55": "「そんな僕にも意味があるのなら、\\n 人々を導くことがそれだと思っていた。今まではッ」",
"355000212_56": "「創造主だの人類のプロトタイプだのと、\\n まるで……」",
"355000212_57": "「――ッ!\\n 何事……ッ」",
"355000212_58": "「現れるという訳か、\\n アダムをおかしくした元凶が――ッ」",
"355000212_59": "「…………」",
"355000212_60": "「あらら、ヤバそうな見た目ですね……。\\n もしかして本当に……」",
"355000212_61": "「聞いたことくらいはあるだろう、その高名を」",
"355000212_62": "「この地球に訪れ、僕や人類を創り、\\n バラルの呪詛を施した存在――」",
"355000212_63": "「カストディアン――。\\n このお方こそ、神そのものなのだよッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,26 @@
{
"355000221_0": "「カストディアンだと……ッ!?」",
"355000221_1": "(存在そのものは知っている。\\n だがそれは、先史文明期の、伝説に等しい存在だと……",
"355000221_2": "「主はかつて創造された、人々を。\\n しかし気づいてしまったのさ、全てが失敗だったとッ」",
"355000221_3": "「だから作り直すという訳だ」",
"355000221_4": "「そのための掃除なんだよ、僕の仰せつかった役割はッ!」",
"355000221_5": "「冗談も休み休み言えッ!」",
"355000221_6": "「確かに人類を生み出したのは神なのかもしれないが、\\n もはや人類は、そいつに管理される存在ではないッ」",
"355000221_7": "「アダム、正気に戻れ。\\n お前は人の世界を愛していたはずだ――」",
"355000221_8": "「…………」",
"355000221_9": "「アダム……」",
"355000221_10": "「はッ」",
"355000221_11": "「使命を果たせ。\\n 速やかなる破壊を命じたはずだ……」",
"355000221_12": "「申し訳ございません。\\n 受けていたのです。この者たちの妨害を」",
"355000221_13": "「錬金術師――\\n 神の<ruby=ことわり>理</ruby>をも歪めようとする者たち……」",
"355000221_14": "「承知しております。\\n まずは根絶やしに致します、僕の手で錬金術師どもを」",
"355000221_15": "「いい加減にしろッ!」",
"355000221_16": "「邪魔をするなッ!\\n オレはそこの神とやらに用があるッ」",
"355000221_17": "「不敬な振る舞いだッ!\\n いつもの悪戯で済ませられはしないッ」",
"355000221_18": "「あくまでそいつに味方するというのか……」",
"355000221_19": "「…………」",
"355000221_20": "「任せたぞ。アダム、最初の子よ――」",
"355000221_21": "「裏切るわけにはいかないね、あのお方の期待を」",
"355000221_22": "「だから、消えてもらう。君たち錬金術師には――ッ!」",
"355000221_23": "「――ッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,70 @@
{
"355000222_0": "「忌々しいね、どこまでもッ!」",
"355000222_1": "「無いんだよ、君たちに時間をかけている余裕はッ!」",
"355000222_2": "「ザコ扱いが鼻につく……ッ!」",
"355000222_3": "「なら防げるかな? この攻撃が」",
"355000222_4": "「ぐあ……ッ!?」",
"355000222_5": "「まずは1機……」",
"355000222_6": "「私たちを――」",
"355000222_7": "「侮らないでもらいたいものだなッ!」",
"355000222_8": "「侮ってなどいないさ。\\n けれど、如何ともし難いのでは この実力差はッ」",
"355000222_9": "「きゃああああッ!」",
"355000222_10": "「くぅッ!?」",
"355000222_11": "「まだあたしが残ってるゾ。\\n サイキョーの力を見せてやるゾッ」",
"355000222_12": "「戦闘特化型だとしても――、\\n 到底及ばない、僕の力にはッ」",
"355000222_13": "「うぐう……強すぎるゾ……」",
"355000222_14": "「いなくなったね、邪魔者は。\\n あとは――」",
"355000222_15": "「おおおおおおおおッ!」",
"355000222_16": "「どうしたのかな、そんなに怒って」",
"355000222_17": "「当然だ、よくもオレの<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>たちに……ッ!」",
"355000222_18": "「安心するといい。\\n すぐに追わせてあげよう、その後をッ」",
"355000222_19": "「ぐあああッ!」",
"355000222_20": "「く、そ……。ラピスが砕けて……」",
"355000222_21": "「せめてもの情けだ。\\n 一思いに刺させてもらうよ、トドメを――」",
"355000222_22": "「……なぜだ……どうして、こんなことを……」",
"355000222_23": "「んん……?」",
"355000222_24": "「お前は……これでいいのか?」",
"355000222_25": "「人類を無に帰すなど、望んでいないはずだ」",
"355000222_26": "「今までずっと、人類を陰ながら見守り支えてきた。\\n そのために作った錬金術師協会だったのだろう」",
"355000222_27": "「目指す先は、パパの望む未来と同じだと――。\\n だからこそ、オレも協力をしてきた……ッ」",
"355000222_28": "「お前はそのすべてを否定するというのかッ!?」",
"355000222_29": "「クク、ハハハハハハ……ッ!」",
"355000222_30": "「言っただろう?\\n 新たな使命が、僕には与えられたって」",
"355000222_31": "「間違っていたのさ。\\n これまでの僕が目指してきたことはッ」",
"355000222_32": "(創造主だからといって、これほどまでに絶対的なものなのか……?\\n 今までのすべてを、否定してしまえるほど……",
"355000222_33": "「それだけかな、言いたいことは。\\n サヨナラだ、キャロル――ッ」",
"355000222_34": "(……これまでか。\\n パパ、ごめんなさい……オレにはもう――",
"355000222_35": "「ぐう……ッ!」",
"355000222_36": "「レイアッ!?」",
"355000222_37": "「ま……間に合いましたか、マスター……?」",
"355000222_38": "「ああ。しかし、お前は……ッ!」",
"355000222_39": "「マスターのためであれば、\\n 私の身体がどうなろうとも構いませんッ」",
"355000222_40": "「愚かだね。\\n どれだけの意味があると思う、この時間稼ぎに」",
"355000222_41": "「く……ッ! 確かに、限界が近い…。\\n このままでは――」",
"355000222_42": "「だが、それでも退くものか……ッ!\\n マスターの幸せは、私が叶えたい理想……夢なのだッ」",
"355000222_43": "「レイア……」",
"355000222_44": "「…………」",
"355000222_45": "「ぐ……う……」",
"355000222_46": "「どうした……?」",
"355000222_47": "「ぐ……ぐ…………」",
"355000222_48": "「ぐあああああああッ!!」",
"355000222_49": "「アダムが、苦しんでいる……?」",
"355000222_50": "「ぐう……なぜ、だ……。\\n 動かない……ッ 身体が、思うように……」",
"355000222_51": "「くッ――」",
"355000222_52": "「逃げた……?」",
"355000222_53": "「ご無事で、何より……です……」",
"355000222_54": "「マス……タ……」",
"355000222_55": "「なんとか、生き延びられたようだ……。\\n しかし、アダムが敵になってしまったのだとしたら――」",
"355000222_56": "「完全な存在として創られた相手に、\\n どう戦えばいいというのだ……」",
"355000222_57": "「はあ……はあ……」",
"355000222_58": "「…………」",
"355000222_59": "「申し訳ありません……。\\n 手が止まって、なぜか……」",
"355000222_60": "「一体、この苦しみは……」",
"355000222_61": "「廃棄されたお前に、今一度の存在意義を与えたはずだ。\\n よもや自身の在り方に疑念を抱いたのではあるまいな」",
"355000222_62": "「……疑念?」",
"355000222_63": "「そのような不完全があってはならぬ」",
"355000222_64": "「ぐ…………あぁ……ッ!」",
"355000222_65": "「唱和せよ。\\n 神の言葉のみが真実である」",
"355000222_66": "「…………」",
"355000222_67": "「その通りです。\\n 従いましょう、主の言葉に――」"
}

View file

@ -1,3 +1,46 @@
{
"355000311_0": "逃亡劇"
"355000311_0": "逃亡劇",
"355000311_1": "「まったく、こんな無茶をして……。\\n 一歩間違えれば、修復不能になっていたぞ」",
"355000311_2": "「…………」",
"355000311_3": "「わかっている。\\n 殺されずに済んだのはお前のおかげだ。礼を言う」",
"355000311_4": "「ですが、それはアダムが攻撃の手を止めたため……。\\n そうでなければ、マスターを護ることができませんでした」",
"355000311_5": "「私に、もっと力があれば……」",
"355000311_6": "「仕方がないと口にしたくはないが、\\n 相手が相手だ……」",
"355000311_7": "「はい……」",
"355000311_8": "「そんな顔をするな。\\n すぐに修復してやる」",
"355000311_9": "「ありがとうございます。\\n ですが、マスターも怪我をされたのでは……」",
"355000311_10": "「応急処置は済ませた。\\n 今はお前の番だ」",
"355000311_11": "「まだまだ、働いてもらわねばならんからな」",
"355000311_12": "「マスター、サンジェルマンたちが戻ってまいりました」",
"355000311_13": "「来たか。時間が惜しい。\\n 作業しながら話すから、ここに呼べ」",
"355000311_14": "「にわかには信じられない話だが……、\\n 信じるしかないだろうな」",
"355000311_15": "「お前たちの様子や、\\n 砕かれたラピスを目にしてしまっては……」",
"355000311_16": "「話が早くて助かる」",
"355000311_17": "「いやいやちょっと待ってッ!\\n これっぽっちも信じられないんですけどッ」",
"355000311_18": "「あの男の、はた迷惑には慣れたものだが、\\n そこまでとなると想定外なワケダ」",
"355000311_19": "「その上、\\n カストディアンが現れるとは……」",
"355000311_20": "「人類を創造し、その進化を導いた\\n 支配者カストディアン」",
"355000311_21": "「アヌンナキとも呼ばれる<ruby=オーバーロード>上帝</ruby>の復活、\\n まさに神話時代の再来だな」",
"355000311_22": "「ええッ!? あーしたち、\\n カミサマを相手に喧嘩するってわけ」",
"355000311_23": "「とにかく、アダムは今や協会の敵だ。\\n サンジェルマン、お前が統制局長代理を務めろ」",
"355000311_24": "「ああ……、そうだな。\\n 我々は、すぐにアダム・ヴァイスハウプトの対策に動く」",
"355000311_25": "「先手を打たれる前に、止めなければ……」",
"355000311_26": "「いや、その前に……。\\n 協会に保管されているアダムスフィアをどうにかしろ」",
"355000311_27": "「あれはアダムの余剰魔力を結晶化したもの……。\\n 万が一、奴の手に渡ったら面倒なことになる」",
"355000311_28": "「それが……」",
"355000311_29": "「また行方不明になっているワケダ」",
"355000311_30": "「んな……ッ!?」",
"355000311_31": "「あーしたちは、それを探す任務に出てたってわけ」",
"355000311_32": "「危険なものだから管理には気をつけろと何度も\\n 言ったはずだが……」",
"355000311_33": "「局長に『管理』なんて無理よ。\\n 地下にある局長の保管庫を見たことある」",
"355000311_34": "「無いが……」",
"355000311_35": "「保管庫とは名ばかり、何百年も前から、局長が手に入れた\\n あれこれがそのままぶち込まれているワケダ」",
"355000311_36": "「ガラクタから世紀の秘宝まで……。あの男に、\\n 大切なものとそうでないものの区別はないワケダね」",
"355000311_37": "「だからアダムスフィアの扱いもいつもおざなりで……」",
"355000311_38": "「……と、そんな話をしている場合ではない。\\n アダムスフィアより、今はアダム自身をなんとかしなくては」",
"355000311_39": "「キャロル、お前は自身の回復と<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>の修復に専念しろ。\\n その怪我では足手まといだ」",
"355000311_40": "「……わかった。だが、やられた借りは返す。\\n 準備が整い次第、すぐにオレも向かうぞ」",
"355000311_41": "「そうしてくれ」",
"355000311_42": "「急いで出発の準備だ。\\n カリオストロ、プレラーティ」",
"355000311_43": "「了解したくないけど、了解したわ……」"
}

View file

@ -0,0 +1,48 @@
{
"355000321_0": "「躯体の修復に当たる。\\n 大人しくしていろ」",
"355000321_1": "「はい、マスター」",
"355000321_2": "「レイア、早く元気になるんだゾ」",
"355000321_3": "「結局、あたしたちの中で一番ダメージが深いですからねぇ」",
"355000321_4": "「不甲斐ない我々に代わって、\\n マスターを護ってくれたこと、感謝します」",
"355000321_5": "「いや、私の力で護りきれたとは言い難い。\\n 私は――」",
"355000321_6": "「ええい、大人しくしていろと言っただろうッ!」",
"355000321_7": "「はーい。\\n ガリィちゃん静かにしてまーす」",
"355000321_8": "(傷の回復や、<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>の修復は可能だ。",
"355000321_9": " だが――)",
"355000321_10": "(砕かれたラピス・フィロソフィカス……)",
"355000321_11": "(これの修復は、そう簡単にできるものではないだろうな……)",
"355000321_12": "(しかし、なぜこんなことになってしまったのか)",
"355000321_13": "(当然、カストディアンとやらの好きにさせるわけにはいかない。\\n 神だろうが何だろうが、止めなければならない……",
"355000321_14": "(パパの命題、全ての人々がわかり合い、\\n 手を取り合える世界を創るためにも",
"355000321_15": "(しかしそれは、立ちはだかるアダムを倒すということ)",
"355000321_16": "(罪を犯したオレを、表向きは監視すると言いながらも、\\n 仲間として、受け入れてくれたことは間違いない",
"355000321_17": "(本当に、戦うしか道は無いのか……?)",
"355000321_18": "(マスター……)",
"355000321_19": "「な、何事だ……ッ!?」",
"355000321_20": "「派手な爆発音……まさかッ!?」",
"355000321_21": "「…………」",
"355000321_22": "「結局、先手を打たれてしまったというワケダ」",
"355000321_23": "「ああんもうッ!\\n いつもは、てんで役に立たないくせにッ」",
"355000321_24": "「建物内には、キャロルや協会の錬金術師たちがいる。\\n なるべく引き離して片を付けるぞ」",
"355000321_25": "「君たちか。\\n 早かったね。思ったよりも任務からの帰還が」",
"355000321_26": "「本当にアダム・ヴァイスハウプトのようね……」",
"355000321_27": "(サンジェルマンッ!)",
"355000321_28": "(キャロル……テレパスか)",
"355000321_29": "(状況を説明しろ)",
"355000321_30": "(お前が思っている通りの事態だ。\\n アダムによって、協会の周囲に張られた結界が破られた",
"355000321_31": "(外部の者から協会を護るため、\\n 知覚を阻害する強力な結界だが……",
"355000321_32": "(それを張ったのは、あの男自身。\\n 効果がないに等しいのも当然というわけか……",
"355000321_33": "(チッ……。\\n オレも出る",
"355000321_34": "(……いや、ダメだ……)",
"355000321_35": "(それより、協会内にいるメンバーを避難させてくれ。\\n 状況を理解しているのはお前だけだ",
"355000321_36": "(しかし……)",
"355000321_37": "(ここにいるのは戦えるものばかりではない。そんな人間を、\\n アダムに殺させるわけにはいかない。そうだろう",
"355000321_38": "(局長代理として、頼む)",
"355000321_39": "(……わかった、必ず全員逃がす。\\n ただし――",
"355000321_40": "(お前たちも、必ず生きて帰ってこい。\\n その男を殺人者にしたくなければな",
"355000321_41": "(フッ、その通りだな。\\n では任せたぞ",
"355000321_42": "「もう覚悟を決めたわッ!\\n けちょんけちょんにしてやるんだからッ」",
"355000321_43": "「考えてみれば、誰憚ることなく局長に攻撃できる機会なワケダ。\\n 日頃のうっぷんを晴らすとしよう」",
"355000321_44": "「頼もしい限りね。\\n 私たちで止めましょう……ッ」",
"355000321_45": "「思いあがらないことだ、\\n 僕をどうこうできるなどと……ッ」"
}

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@ -0,0 +1,31 @@
{
"355000331_0": "「ひいッ!\\n なんでアルカ・イズが協会内にッ」",
"355000331_1": "「なんでも、局長の姿を騙った賊の襲撃らしいッ!」",
"355000331_2": "「なにいッ!?\\n 許せんな、局長を侮辱するなど――」",
"355000331_3": "「喋ってる暇はないんだゾッ!」",
"355000331_4": "「全員早く逃げるようにって、\\n あたしのマスターからのお達しだゾッ」",
"355000331_5": "「あ、ああ、そうだったな。\\n すまないッ」",
"355000331_6": "「それにしても、アダムがアルカ・ノイズを使ってくるとは」",
"355000331_7": "「1人も逃がさないおつもり\\n なんでしょうねぇ」",
"355000331_8": "「そうはさせるものか……」",
"355000331_9": "「サンジェルマンたちがやつの相手をしている今しか\\n チャンスはない。人残らず救い出せ……ッ」",
"355000331_10": "「アイアイサー」",
"355000331_11": "「はーい、皆さん集まってくださいねー。\\n バラバラに動かれると護りにくいんでー」",
"355000331_12": "「しかし、実験の途中で手を離すわけには……」",
"355000331_13": "「貴重な材料を使っているのであるからして、\\n 途中で辞めるなど言語道断であり――」",
"355000331_14": "「はあ、面倒ですねぇ。\\n お願いしちゃっていいかしら」",
"355000331_15": "「心得ましたわ」",
"355000331_16": "「こちらも人手が少ないので\\n 命が惜しければご協力くださいな」",
"355000331_17": "「は、はい……ッ!」",
"355000331_18": "「実験中止ッ!\\n 命を護る行動をします――ッ」",
"355000331_19": "「マスター、ようやく全員集め終わったゾ」",
"355000331_20": "「ですが、脱出するためには――」",
"355000331_21": "「ひいッ! アルカ・ノイズ……ッ!」",
"355000331_22": "「この程度問題ない、蹴散らせッ!」",
"355000331_23": "「わかりましたわッ!」",
"355000331_24": "「私も派手に……」",
"355000331_25": "「お前はダメだ。引いていろ」",
"355000331_26": "「そんな状態では足手まといですからねー」",
"355000331_27": "「く……、致し方あるまい」",
"355000331_28": "「よーしッ!\\n やるゾ、やるゾッ やっちゃうゾーッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,20 @@
{
"355000332_0": "「ったく、しつこいわねえ。いつまで追ってくんのよッ!」",
"355000332_1": "「非戦闘員を護りながら戦うのは\\n なかなかに骨が折れますわね」",
"355000332_2": "「わわッ! そっちに1体行ったゾッ!」",
"355000332_3": "「ちょっとッ! 撃ちもらさないでくれる?\\n アンタ、戦闘特化型なんでしょッ」",
"355000332_4": "「そんなに怒らないでほしいゾ……。\\n こんなの、数が多すぎるんだゾ」",
"355000332_5": "「オレが<ruby=しんがり>殿</ruby>を務める。\\n お前たちは協会の人間を死守しろ――ッ」",
"355000332_6": "「ですが……」",
"355000332_7": "「マスターはまだ、\\n お身体の調子が万全では……」",
"355000332_8": "「サンジェルマンたちは、今頃アダムと交戦している……」",
"355000332_9": "「オレたちがこんなところで\\n 弱音を吐くわけにはいかないだろう――ッ」",
"355000332_10": "「……わかりましたよ。\\n 無事に逃がすまで、協会の人間は護りきります」",
"355000332_11": "「マスター……、あんまり無理しちゃダメなんだゾッ!」",
"355000332_12": "「何するものぞ――ッ!」",
"355000332_13": "「――くッ」",
"355000332_14": "(ラピスもなく、\\n アダムから受けたダメージが軋みをあげる――",
"355000332_15": "(相手がアルカ・ノイズとはいえ、\\n 正直キツイ状況だな……",
"355000332_16": "(だが、アイツらが戦っている限り、\\n オレも負けるわけにはいかん",
"355000332_17": "「だから、サンジェルマン、カリオストロ、プレラーティ……。\\n 負けてくれるなよ……ッ」"
}

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@ -1,3 +1,41 @@
{
"355000411_0": "勝ち目のない戦い"
"355000411_0": "勝ち目のない戦い",
"355000411_1": "「もうッ! 今さら謝ったって、\\n 協会トップの座には座らせないんだからねッ」",
"355000411_2": "「サンジェルマンが繰り上げ当選。\\n アダムは我々の部下になってもらうワケダ」",
"355000411_3": "「私はそのような器ではない。\\n アダム、やはりあなたに戻ってきてもらわねばな」",
"355000411_4": "「残念だけど受けられないね、その話は。\\n 店じまいだからね、錬金術師協会そのものが」",
"355000411_5": "「まーったく、自分で作っておきながら\\n 自分でやめちゃうなんて」",
"355000411_6": "「責任感の欠片もないワケダ」",
"355000411_7": "「責任感ゆえだよ、終わらせるのは――ッ!」",
"355000411_8": "「マズイ、来るぞッ!」",
"355000411_9": "「わかってる……ッ!」",
"355000411_10": "「やはり力づくの解決方法になるワケダ」",
"355000411_11": "「助かるよ、最初から本気で来てくれて。\\n 嫌いだからね、弱い者いじめはッ」",
"355000411_12": "「きゃあんッ、本当に容赦ないのね」",
"355000411_13": "「キャロルがあそこまで深手を負わされるワケダ」",
"355000411_14": "「あの時は仕損じたけど……、\\n 逃しはしない、君たちはね」",
"355000411_15": "「逃げるつもりはないッ!」",
"355000411_16": "「ただ、聞かせてもらおうか、\\n 心変わりの理由をッ」",
"355000411_17": "「何のためかな、これから死にゆくのに」",
"355000411_18": "「冥土の土産、とでも思ってくれていい」",
"355000411_19": "「殊勝なことだね、その心意気はッ!」",
"355000411_20": "「くッ――」",
"355000411_21": "「創造主とやらの命令で、\\n 錬金術師協会を、いや人類すべてを潰そうとしているそうだな」",
"355000411_22": "「間違いないよ、その認識で」",
"355000411_23": "「その命令に不服はないのか?」",
"355000411_24": "「無いよ。\\n 間違いなどないのだから、神の言葉にはッ」",
"355000411_25": "「何か、悪い宗教に目覚めちゃったみたいねえ」",
"355000411_26": "「主義主張が全く逆転しているワケダ」",
"355000411_27": "「その創造主とやらは、今どこにいる?」",
"355000411_28": "「知る必要はない、それについてはね」",
"355000411_29": "「まるで悪党の物言いだなッ!」",
"355000411_30": "(そう簡単に会わせてはもらえないか。\\n 動かせる手駒があるうちは",
"355000411_31": "(ならば、本人が出張らなければならぬよう、\\n 手駒を潰すしかあるまい",
"355000411_32": "「カリオストロ、プレラーティ、\\n 結論が出た。聞いてくれるか」",
"355000411_33": "「ええ。なんなりと」",
"355000411_34": "「眼前の敵を戦闘不能に追い込む。\\n 手段は問わない」",
"355000411_35": "「はーい、こっちは最初からそのつもりだったわよ」",
"355000411_36": "「奇しくも、3人の思惑は一致していたワケダ」",
"355000411_37": "「4人だ。\\n 僕もそう思っていたよ、君たちに対してね」",
"355000411_38": "「ただし、生死問わずだ。僕の場合ねッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,46 @@
{
"355000412_0": "「はあ……はあ……」",
"355000412_1": "「く……、わかってはいたが、\\n なんという強さなワケダ……」",
"355000412_2": "「しかも……」",
"355000412_3": "「熟知しているよ。\\n 君たちの攻撃も、クセも――」",
"355000412_4": "「弱点さえも――ッ!」",
"355000412_5": "「きゃあああああんッ!?」",
"355000412_6": "「ラピス・フィロソフィカスを\\n 狙い撃つか……ッ」",
"355000412_7": "「狙いがわかっていれば、\\n 対策もできるというワケダッ」",
"355000412_8": "「できるかな? 本当にッ!」",
"355000412_9": "「重い……ッ!\\n 少々まずい状況なワケダ……ッ」",
"355000412_10": "「やらせはしないッ!\\n アダム、私が相手だッ」",
"355000412_11": "「感心しないね、横槍は」",
"355000412_12": "「隙ができたワケダッ!」",
"355000412_13": "「釣られたね、わかりやすく。",
"355000412_14": " ――らあッ!!」",
"355000412_15": "「しま……ッ」",
"355000412_16": "「ああああああッ!」",
"355000412_17": "「残りはキミだけだね、これでッ!」",
"355000412_18": "「くッ、うう……、\\n 莫迦莫迦しいほどの魔力量だ……」",
"355000412_19": "「だが、仕留め損なったようだなッ!\\n 今度は私の――」",
"355000412_20": "「いや、僕の番だよ。\\n 引き続きね――ッ」",
"355000412_21": "「くあああああああああッ!」",
"355000412_22": "「はあ、はあ……\\n だと……しても……ッ」",
"355000412_23": "「ほう……?」",
"355000412_24": "「今ので、あーしたちを倒したつもりでいるだなんて……\\n あなたの目はフシアナなの」",
"355000412_25": "「ファウストローブがなくとも、\\n 錬金術くらいは使えるワケダ……ッ」",
"355000412_26": "「来るなッ、2人ともッ!」",
"355000412_27": "「しぶといね、本当に」",
"355000412_28": "「サンジェルマンを護るワケダッ!」",
"355000412_29": "「わかってるわよッ!\\n 残りのパワー、全開でええええッ」",
"355000412_30": "「カリオストロッ!\\n プレラーティッ」",
"355000412_31": "「無意味だよ。その程度の防御ではッ!」",
"355000412_32": "「仕舞いにしようか、まとめてね」",
"355000412_33": "「――ッ!」",
"355000412_34": "「<size=25>聞いて、2人ともッ!</size>」",
"355000412_35": "「<size=25>まだ終わりじゃないわ。\\n あーしの奥の手が残ってる――ッ</size>」",
"355000412_36": "「――ッ!?」",
"355000412_37": "「<size=25>それは――</size>」",
"355000412_38": "「いよいよだッ!\\n さようなら、かつての我が同胞たち――ッ」",
"355000412_39": "「残念ながらわたしたちはここまでなワケダ」",
"355000412_40": "「でも忘れないことね。\\n 錬金術師たちのしぶとさをッ」",
"355000412_41": "「ああ、お前の企みは必ず潰える……ッ!」",
"355000412_42": "「感謝するよ、ありがたい忠告をッ!」",
"355000412_43": "「はああああああああああああッ!」"
}

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@ -0,0 +1,7 @@
{
"355000421_0": "「協会の連中は行ったようだな」",
"355000421_1": "「ファラ、ミカ、ガリィ、護衛は任せたぞ……」",
"355000421_2": "「ならばオレがやるべきことは――」",
"355000421_3": "「追手をここで叩き潰し、\\n 後顧の憂いを断つことだ……ッ」",
"355000421_4": "「かかってくるがいい……この先には一歩たりとも進ませぬぞッ!」"
}

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@ -0,0 +1,24 @@
{
"355000422_0": "「吹き飛ぶがいいッ!」",
"355000422_1": "「はあ、はあ……、ふう。\\n 片付いたか」",
"355000422_2": "「マスターッ!」",
"355000422_3": "「どうした。協会の人間たちについていたのでは?」",
"355000422_4": "「彼らの避難は無事に完了しました。\\n アダムにも見つからないよう、方々に散り身を隠す手はずです」",
"355000422_5": "「そうか、よくやった」",
"355000422_6": "「マスターがアルカ・ノイズの足止めをしてくれたからこそです」",
"355000422_7": "「さあ、マスターも――」",
"355000422_8": "「極大爆発――ッ!?」",
"355000422_9": "「これだけ離れているのに、\\n 恐ろしいほどのエネルギー量を感じます……」",
"355000422_10": "「サンジェルマン……。\\n まさか……」",
"355000422_11": "「レイア、お前はここで待てッ!\\n ――確かめなければッ」",
"355000422_12": "「いけませんッ!\\n あの派手な爆発の使い手はおわかりでしょう」",
"355000422_13": "「ここは退いて、一度態勢を立て直すべきかと」",
"355000422_14": "「それでも……止めてくれるな」",
"355000422_15": "「ですが……ッ!」",
"355000422_16": "「アダムは、オレが……」",
"355000422_17": "「気絶……。本当に限界だったのですね」",
"355000422_18": "「よかったと、言うべきなのか……」",
"355000422_19": "「――ッ!?」",
"355000422_20": "「何者だッ!\\n 狙いはマスターか」",
"355000422_21": "「ならば、この私が相手だ……ッ!」"
}

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@ -1,3 +1,43 @@
{
"355000511_0": "自動人形とシンフォギア装者"
"355000511_0": "自動人形とシンフォギア装者",
"355000511_1": "「パパッ!」",
"355000511_2": "「キャロル、どうしたんだい?」",
"355000511_3": "「台所のリンゴが1つなくなってるんだけど、\\n パパが食べちゃったんでしょう」",
"355000511_4": "「お料理に使うつもりで用意しておいたのに、\\n 勝手に食べられたら困っちゃうッ」",
"355000511_5": "「ごめんごめん。\\n 決して、食べてしまったわけじゃないんだ」",
"355000511_6": "「あれ?\\n パパの机の上にあるの……なあに」",
"355000511_7": "「これがそのリンゴさ。\\n 錬金術で解析、分解、再構築して作ったブローチなんだよ」",
"355000511_8": "「ブローチ? これが?」",
"355000511_9": "「変かな?\\n 一応、リンゴをデザインしているつもりなんだけど……」",
"355000511_10": "「ちょっと、ゲージュツ的センスに欠ける、って感じかな」",
"355000511_11": "「ハハハ、これは手厳しいね」",
"355000511_12": "「あッ!\\n もしかして、わたしに作ってくれたのッ」",
"355000511_13": "「悪いけど、これは違うんだ。\\n 友人への贈り物なんだよ」",
"355000511_14": "「お友だち?\\n パパって、お友だちいたの」",
"355000511_15": "「たくさんじゃないけどね。\\n パパにも仲の良い友達ぐらいいるんだよ」",
"355000511_16": "「ふーん、こっそりプレゼントなんて作って、\\n なんか怪しい……」",
"355000511_17": "「いやいやッ! 決してやましい関係ではないよッ!\\n なんて言ったらいいのかなぁ」",
"355000511_18": "「パパが研究で目指している理想と、\\n その人の理想が近いところにあるんだよ」",
"355000511_19": "「彼と僕は全然似ていないけれど、\\n だから気があったんだろうな」",
"355000511_20": "「男の人なんだ……。\\n だったら、一緒に研究すればいいのに」",
"355000511_21": "「彼もなかなか、忙しい人だからね。\\n たまに会うくらいしかできないんだよ」",
"355000511_22": "「そっかッ!\\n だからプレゼントなんだねッ」",
"355000511_23": "「ああ。彼はね、完全と完成されている。\\n だけどだからこそ、危うい……」",
"355000511_24": "「――?\\n どういうこと」",
"355000511_25": "「完全ゆえに、1人きりでは\\n 道を見失ってしまうことがあるってことさ」",
"355000511_26": "「だって、彼も『人間』なんだからね」",
"355000511_27": "「パパ、さっきから話が難しいよ……」",
"355000511_28": "「ああ、ごめん。つまりね、\\n その人が将来、すごく困ったことになった時――」",
"355000511_29": "「僕が近くにいて、その人を助けてあげられるとは限らない。\\n いわばこのブローチは、僕の代わりだ」",
"355000511_30": "「彼が迷ってしまったときに\\n 正しい見方を取り戻すきっかけになる……」",
"355000511_31": "「僕に語ってくれた彼の想いを忘れないように、\\n これを作ったんだよ」",
"355000511_32": "「うんうん、完璧にわかったわッ!」",
"355000511_33": "「本当かなぁ」",
"355000511_34": "「本当だもんッ!」",
"355000511_35": "「その人には必要なのかもしれないけど、\\n わたしには、そのリンゴが無くても大丈夫ね」",
"355000511_36": "「そうかい?」",
"355000511_37": "「だって、わたしには本物のパパがいるもんッ!」",
"355000511_38": "「ああ、そうだね。\\n 僕は、いつまでも君の傍に――」",
"355000511_39": "「これは、夢……?」",
"355000511_40": "「オレの……いつかの想い出なのか……?」"
}

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@ -0,0 +1,47 @@
{
"355000521_0": "「……パパ……」",
"355000521_1": "「マスター……?」",
"355000521_2": "「すぅ……すぅ……」",
"355000521_3": "「寝言か。\\n 今は、ゆっくりとお休みください」",
"355000521_4": "「キャロルは大丈夫か?」",
"355000521_5": "「ああ。ぐっすり眠っている」",
"355000521_6": "「改めて――、\\n このような休息の場所を与えてもらい、感謝する」",
"355000521_7": "「二課にゆかりのある研究所で\\n きちんとした宿泊施設には及ばないがな」",
"355000521_8": "「ともかく、あなた方が休めて良かった」",
"355000521_9": "「あの時、気配を感じ何者かと身構えたものだが、\\n あなたたちだったとはな」",
"355000521_10": "「いきなり『私が相手だッ!』だもの、\\n ビックリしたわよ」",
"355000521_11": "「だけど、事情を聞けば、\\n 警戒するのも仕方なし、という感じなのデス」",
"355000521_12": "「うん、救援要請を受けて駆けつけたはいいけど、\\n そこまでの事態だったなんて――」",
"355000521_13": "「その件だが、\\n なぜ、並行世界の装者である、あなたたちがここに」",
"355000521_14": "「だからこそ、よ」",
"355000521_15": "「錬金術師協会のメンバーから\\n 二課に救援要請があったの」",
"355000521_16": "「本来なら二課の装者である奏が動くところだが、\\n そう簡単にはいかないようでな」",
"355000521_17": "「二課と協力関係にあるとはいえ、\\n 錬金術師協会は秘密結社だものね」",
"355000521_18": "「救援を出すにもそれなりに手続きがいるわ」",
"355000521_19": "「そこで、アタシたちに、\\n さらに救援要請があったというわけデスねッ」",
"355000521_20": "「並行世界のわたしたちなら、ある程度自由に動ける」",
"355000521_21": "「これぞ、ルールの抜け道を突く\\n ブラインドデートってやつデースッ」",
"355000521_22": "「ブラインドスポットだよ、切ちゃん……」",
"355000521_23": "「何度も共に戦った錬金術師協会だ。黙って放っておくわけには\\n いかないと、我々の司令も判断を下した」",
"355000521_24": "「だけど、来て正解だったわ」",
"355000521_25": "「あなたもすっかり傷だらけで、\\n よほど激しい戦いだったのね……」",
"355000521_26": "「ああ……。\\n マスターですら、手酷い傷を負うほどの強敵ということだ」",
"355000521_27": "「そのようね。\\n 無事とはいかなくても、こうして合流できてよかったわ」",
"355000521_28": "「デスねッ!\\n あっちでポーズをとってるみんなも……」",
"355000521_29": "「じっとしていると、本当に人形みたいね」",
"355000521_30": "「本当も何も、ガリィちゃんたちお人形だし」",
"355000521_31": "「だけど動くゾ。回れるゾッ!」",
"355000521_32": "「ミカ、お静かに。マスターがお休み中よ」",
"355000521_33": "「そうだったゾ。またじっとしておくゾ」",
"355000521_34": "「――ッ!」",
"355000521_35": "「アルカ・ノイズが観測されましたッ!\\n 北方より現れ、この街を目指し南下していると――」",
"355000521_36": "「錬金術師協会のある方角からだ。\\n ということは、本部も敵の手に堕ちたか……」",
"355000521_37": "「マスターが遠くまで逃げられていないと見て\\n ローラー作戦であぶりだす腹積もりみたいですね」",
"355000521_38": "「迎え撃とう。\\n この街に到達する前に殲滅しないと、大きな被害が出る」",
"355000521_39": "「何としても阻止するデスよッ!」",
"355000521_40": "「ええ、行きましょうッ!」",
"355000521_41": "「私たちも出ます。\\n ――が、レイア、あなたは留守番ですよ」",
"355000521_42": "「ええ。まだ修復が完了していないものね」",
"355000521_43": "「わかった。\\n だが、マスターの護衛は任せてくれ」",
"355000521_44": "「決まったわね。さあ、出るわよッ!」"
}

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@ -0,0 +1,17 @@
{
"355000522_0": "「もうアルカ・ノイズは見飽きたゾ……」",
"355000522_1": "「ったく、どんだけ掻き集めてきたんだか」",
"355000522_2": "「それだけ熱烈にマスターの命を\\n ご所望ということなのでしょうね」",
"355000522_3": "「それなら、どうして自分で来ないデス?」",
"355000522_4": "「サンジェルマンたちが相手をしていたから、\\n ただでは済まなかったんじゃないかしら」",
"355000522_5": "「まあ、サンジェルマンたちが勝ったわけでも\\n ないみたいですけど」",
"355000522_6": "「みんな、無事かどうか、心配なんだゾ……」",
"355000522_7": "「心配もいいけれど、今はッ!」",
"355000522_8": "「目の前の敵に集中なさい」",
"355000522_9": "「その通りですわね。\\n マスターが目覚めていたとしても、そうしたはず」",
"355000522_10": "「今はアルカ・ノイズの殲滅に注力しましょうッ!」",
"355000522_11": "「<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>の皆は手負いだ。\\n わたしたちでフォローしながら戦うぞッ」",
"355000522_12": "「あらあら、お優しいこと」",
"355000522_13": "「助かるんだゾッ!」",
"355000522_14": "「よーし、いっちょやってやるデスッ!」"
}

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@ -0,0 +1,20 @@
{
"355000532_0": "「これで……」",
"355000532_1": "「おしまいだゾーッ!」",
"355000532_2": "「捗りましたわ。\\n 感謝いたします」",
"355000532_3": "「ま、今回の相手は、敵の中でも\\n ザコ中のザコなんですけどねぇ」",
"355000532_4": "「せっかく一息ついたのに、\\n 何でそう嫌なことを言うんデスかッ」",
"355000532_5": "「あらぁ?\\n ガリィちゃん、そんなつもりはありませんでしたけど」",
"355000532_6": "「今回の戦いでアダムが出てこなかったのは事実だ」",
"355000532_7": "「先ほど言っていたように、サンジェルマンたちとの戦いの\\n ダメージを回復しているのかもしれないな」",
"355000532_8": "「このアルカ・ノイズは、\\n そのための時間稼ぎと考えられなくもないわね」",
"355000532_9": "「それなら、今が攻め時なんだゾ?」",
"355000532_10": "「とはいえ、こちらも消耗していますし、\\n 何よりまだマスターが目覚めていません」",
"355000532_11": "「向こうには、アダムだけじゃなく\\n カストディアンもいるということだしね……」",
"355000532_12": "「ああ、カストディアン……アヌンナキの脅威は、\\n わたしたちが一番よくわかっている」",
"355000532_13": "「うう、あんな奴が他にもいるなんて、\\n 考えたくないデス……」",
"355000532_14": "「とにもかくにも、\\n 一度戻って体勢を立て直しましょう」",
"355000532_15": "「マスターも、そろそろお目覚めになりますかねー」",
"355000532_16": "「マスターがいれば百人力なんだゾッ!」",
"355000532_17": "「そうだな、キャロルの強さも、\\n わたしたちはよくわかっているつもりだ」"
}

View file

@ -0,0 +1,75 @@
{
"355000541_0": "「う……む……オレは……?」",
"355000541_1": "「マスター、目覚められましたかッ!」",
"355000541_2": "「ここはどこだ?\\n ファラやミカ、ガリィはどこにいる」",
"355000541_3": "「ご安心ください。皆アルカ・ノイズを迎撃中ですが、\\n 装者たちも同行しております」",
"355000541_4": "「装者だと……?\\n 寝ている間にずいぶんと事態が動いたようだな」",
"355000541_5": "「レイア、話せ」",
"355000541_6": "「仰せのままに、マスター」",
"355000541_7": "「というわけで、今はアルカ・ノイズを相手取っております」",
"355000541_8": "「アルカ・ノイズが相手であれば、\\n 物の数ではあるまいよ」",
"355000541_9": "「オレも、もう十分に回復した」",
"355000541_10": "「急ぎお前の修復に取り掛かろう。\\n 幸い、ここには設備も揃っているようだしな」",
"355000541_11": "「…………」",
"355000541_12": "「どうした、ついてこい」",
"355000541_13": "「マスター、アダム・ヴァイスハウプトという男に\\n 弱点はないのでしょうか」",
"355000541_14": "「弱点?」",
"355000541_15": "「ヤツとて、作られた存在です。\\n ならば、完全などありえません」",
"355000541_16": "「完全なはずのラピス・フィロソフィカスさえ、\\n こうして砕かれたではありませんか」",
"355000541_17": "「きっと、ヤツにも……」",
"355000541_18": "「作られたものに完全はない、か」",
"355000541_19": "「しかし、ヤツを作ったのは人ではない。神なのだぞ」",
"355000541_20": "「ならば、一体どう戦えば……」",
"355000541_21": "「完全と完成されていて、\\n だからこそ、危うい……」",
"355000541_22": "「マスター?」",
"355000541_23": "「いや、これは誰かからの受け売りで……、\\n 誰だったか……」",
"355000541_24": "「……そうだ、夢を見たんだ」",
"355000541_25": "「夢、ですか?」",
"355000541_26": "「あれは、古い想い出の夢……」",
"355000541_27": "「パパが研究で目指している理想と、\\n その人の理想が近いところにあるんだよ」",
"355000541_28": "「彼と僕は全然似ていないけれど、\\n だから気があったんだろうな」",
"355000541_29": "「彼はね、完全と完成されている。\\n だけどだからこそ、危うい……」",
"355000541_30": "「そうか……パパがあの時言っていた友人というのは……、\\n アダムのことかッ」",
"355000541_31": "「錬金術師のパパとアダム、\\n 関わりがあってもおかしくないではないか」",
"355000541_32": "「どうして今まで気づかなかった――ッ!」",
"355000541_33": "「思い出せ、あの時パパは何を言っていたッ!?」",
"355000541_34": "「そうだ、リンゴ……。",
"355000541_35": " リンゴだ、レイアッ!」",
"355000541_36": "「リンゴ、ですか?」",
"355000541_37": "「幼かったオレにパパが言った言葉を思い出したんだ。\\n 年前、パパとアダムは、恐らく友人同士だった――」",
"355000541_38": "「なんと……」",
"355000541_39": "「パパは、アダムに訪れる何かを予見していた……」",
"355000541_40": "「それが、今回の事件だと? カストディアンの襲来まで\\n わかっていたということでしょうか……」",
"355000541_41": "「……わからん。だが、それを止めるために、\\n パパがアダムに渡した贈り物、それがリンゴのブローチだ」",
"355000541_42": "「しかし、実際のところ、この現状です……。\\n マスターのお父上の思惑通りにはいっていないようですね」",
"355000541_43": "「ああ、そもそも渡せていないのか、\\n 渡したが、アダムが紛失したのか……」",
"355000541_44": "「あの男の性格を考えると、\\n 紛失した可能性も高そうですね……」",
"355000541_45": "「くそッ!\\n なにか手がかりになるかもしれないというのに……ッ」",
"355000541_46": "「なにしろ、何百年も昔のことですから……」",
"355000541_47": "「いや……ッ! 可能性はあるかもしれん、\\n この前、サンジェルマンたちはなんと言っていた」",
"355000541_48": "「そうだ……ッ!\\n 協会の地下に、アダムの保管庫があると……ッ」",
"355000541_49": "「そのブローチが、本当にアダムを\\n 止めうるものなのかはわからん。だが、可能性はある」",
"355000541_50": "「すぐに協会へ戻るぞッ!」",
"355000541_51": "「それは危険です。\\n 協会には、アダムが留まっている可能性が高い」",
"355000541_52": "「だが、協会本部に\\n アダムの保管庫がある以上……ッ」",
"355000541_53": "「協会に行くこと自体は賛成です。\\n 私が反対しているのは、今すぐに、ということ」",
"355000541_54": "「…………」",
"355000541_55": "「可能性があるのなら、ファラたち、装者たちと共に\\n 態勢を整えた上で臨むべきではないでしょうか」",
"355000541_56": "「……そうだな。興奮して気が急いていた。\\n すまない。人で事を為そうとするのは、オレの悪い癖だ」",
"355000541_57": "「私もお供したい……ですが……」",
"355000541_58": "「どうした?」",
"355000541_59": "「いえ。たとえ、修復していただいたとしても、\\n 私は、アダム相手に歯が立たなかった……」",
"355000541_60": "「そうだな。ならば、どうする?」",
"355000541_61": "「私は……」",
"355000541_62": "「私は、この身が砕かれようと、\\n それでもマスターを護り抜きます」",
"355000541_63": "「それが、私の存在意義なのですから」",
"355000541_64": "「…………」",
"355000541_65": "「いや、死ぬことは許さん。\\n この先もオレに仕えてもらわねば困る」",
"355000541_66": "「ですが……」",
"355000541_67": "「そこでだ。\\n お前で、試してみたいことがある……」",
"355000541_68": "「これには危険も伴うが……」",
"355000541_69": "「1つ伺いますが――」",
"355000541_70": "「それは、派手なものでしょうか?」",
"355000541_71": "「ああ、とびきりにな」",
"355000541_72": "「でしたら、断る理由はどこにもありません。\\n 私を使ってお試しください」"
}

View file

@ -1,3 +1,45 @@
{
"355000611_0": "作戦開始ッ!"
"355000611_0": "作戦開始ッ!",
"355000611_1": "「向こうに見えるのが、錬金術師協会だ」",
"355000611_2": "「そういえば、実際に見たのは初めてデスッ!\\n 立派な建物デスけど……」",
"355000611_3": "「ボロボロに壊れてる……」",
"355000611_4": "「ええ。\\n アルカ・イズの襲撃を受けましたから」",
"355000611_5": "「恐らく、ここにアダムがいるのね」",
"355000611_6": "「整備してもらって、体調はばっちりだけど、\\n マスターがいないのはちょっと寂しいゾ……」",
"355000611_7": "「お前、話聞いてたのか?\\n マスターにはやることがあるって言ったでしょーがッ」",
"355000611_8": "「その通りだ。\\n 全てはアダムを止めるために……」",
"355000611_9": "1日前――",
"355000611_10": "「というわけで、オレはブローチを\\n 探しに行きたい……」",
"355000611_11": "「それがどういう物か、\\n わかっているわけではないデスか……」",
"355000611_12": "「その保管庫にあるという確証もない……」",
"355000611_13": "「しかも、情報源は\\n 夢うつつで思い出した昔の記憶のみってわけね……」",
"355000611_14": "「……当然の反応だ。\\n だが、オレだけでも……」",
"355000611_15": "「いや……1人で戦わせはしない」",
"355000611_16": "「え――」",
"355000611_17": "「わたしたちは、これまでにも\\n 今にも切れそうな糸を手繰り寄せてきたわ」",
"355000611_18": "「作戦とは呼べないような作戦も\\n たくさんあったデスね」",
"355000611_19": "「『思い付きを数字で語れるものかよ』ですね」",
"355000611_20": "「お前たち……」",
"355000611_21": "「少なくとも、可能性があるのだろう?\\n ならば、わたしたちにも協力させてほしい」",
"355000611_22": "「そうだ。わたしたちは、\\n わたしたちの役割を全うするぞ」",
"355000611_23": "「マスターの考えが正しければ、\\n その先に勝機はある……ッ」",
"355000611_24": "「そうだったゾッ!\\n いつでも出てきていいんだゾッ」",
"355000611_25": "「ここまで近づけば、\\n 気づかれてもおかしくはないが――」",
"355000611_26": "「神は全てを照覧している……」",
"355000611_27": "「――ッ!」",
"355000611_28": "「な――ッ!?」",
"355000611_29": "「もしかして、あれが――ッ!」",
"355000611_30": "「カストディアンだ。\\n まさか、アダムではなくこちらが出てくるとは……ッ」",
"355000611_31": "「お呼びじゃないんだゾ~ッ!」",
"355000611_32": "「神様とやら――」",
"355000611_33": "「お気に入りのアダムはどうしたのかしら?\\n それとも、あんた自ら相手をしてくれるってわけッ」",
"355000611_34": "「…………」",
"355000611_35": "「――ッ!\\n 完全無視ッ あったまきちゃうッ」",
"355000611_36": "「……余が直接手を下すまでもない」",
"355000611_37": "「この丸いのはなんデスッ!?」",
"355000611_38": "「エネルギーの塊ッ!?\\n 襲ってくるわッ」",
"355000611_39": "「そんなので済ませようなんて、\\n 舐めすぎだろーがッ」",
"355000611_40": "「カストディアンが生み出したものです。\\n こちらも舐めてはいけませんわよ」",
"355000611_41": "「わかったゾッ!\\n 全力でぶつかってやるゾッ」",
"355000611_42": "「ああ。奴も、どちらにせよ戦わなければならぬ相手。\\n わたしたちがやることは変わらないッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,24 @@
{
"355000612_0": "「ビュンビュン飛び回って、\\n 五月蠅いこと、このうえないッ」",
"355000612_1": "「苦戦しているなら、手を貸しましょうか?」",
"355000612_2": "「ガリィちゃんの力を見くびらないでほしいわねッ!」",
"355000612_3": "「コンディションばっちりで、\\n しかも――」",
"355000612_4": "「4人揃った我らに倒せない相手ではないッ!」",
"355000612_5": "「…………」",
"355000612_6": "「偉っそうに、\\n 高いところから見下ろしてくれちゃってぇッ」",
"355000612_7": "「完全にわたしたちの力を侮っているようね」",
"355000612_8": "「だが、括ったタカは、\\n 我らにとって好都合――」",
"355000612_9": "(今は、少しでも時間を稼がねば。\\n マスターのために――ッ",
"355000612_10": "錬金術師協会、地下――",
"355000612_11": "「――ッ!",
"355000612_12": " 始まったか……」",
"355000612_13": "(みんな、持ちこたえてくれ。\\n オレがパパのブローチを見つけるまで――",
"355000612_14": "(あのブローチには、アダムを止めるための\\n 何かが仕込まれているはず……",
"355000612_15": "(だが、もしあの夢が、\\n オレの妄想でしかなかったとしたら……",
"355000612_16": "「――ッ!」",
"355000612_17": "(いや、そんなはずはない、あれは確かにオレの想い出だ)",
"355000612_18": "(パパは、ブローチがアダムの助けになると言った。\\n きっと、こんなときのための……",
"355000612_19": "「と、着いたか。ここがアダムの保管庫だな。\\n 実際に来るのは初めてだが……」",
"355000612_20": "「――ッ!?」",
"355000612_21": "「なんという……ガラクタの山ッ!\\n ある程度覚悟はしていたが、ここまでなのか……ッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,29 @@
{
"355000621_0": "「散りなさいッ!」",
"355000621_1": "「これで、全て片付いたようだな」",
"355000621_2": "「心配していたアダムも出てこないデスし、もしかして本当に\\n サンジェルマンさんたちがやっつけてるんじゃないデスか」",
"355000621_3": "「そうかもしれませんねぇ」",
"355000621_4": "「ということは、今度は神様が相手をしてくれるのかしら?」",
"355000621_5": "「それとも、もう1回今のまるっこいのデス?」",
"355000621_6": "「…………」",
"355000621_7": "「切ちゃんッ!」",
"355000621_8": "「ガリィッ!」",
"355000621_9": "「<size=40>危ない――ッ!</size>」",
"355000621_10": "「え……」",
"355000621_11": "「あああああ危なかったデスッ!\\n 調ッ ありがとうデスよッ」",
"355000621_12": "「今のハチャメチャな攻撃、もしかして……」",
"355000621_13": "「すまないね、遅くなって」",
"355000621_14": "「アダム……ッ!」",
"355000621_15": "「やっぱり出てきたデスッ!?」",
"355000621_16": "「ずいぶんと遅い登場ね」",
"355000621_17": "「僕は燃費が悪くてね。\\n 待っていたのさ、エネルギーの回復を」",
"355000621_18": "「――ッ!」",
"355000621_19": "(時間稼ぎをしていたのは、\\n あちらも同じだったということか――ッ",
"355000621_20": "「思わずぶちかましてしまってね。\\n 特大の一撃を」",
"355000621_21": "「だから跡形も残らなかったよ。\\n サンジェルマンたちは……ッ」",
"355000621_22": "「――ッ!",
"355000621_23": " 貴様、そこまで堕ちたか……ッ!」",
"355000621_24": "「まるで、わたしたちの世界の……ッ!」",
"355000621_25": "「主よ、申し訳ありません、お手を煩わせてしまい」",
"355000621_26": "「御覧に入れましょう、\\n この者たちの最期をッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,51 @@
{
"355000622_0": "「さあ、次のラウンドだよ。\\n 潰してあげよう、順番にねッ」",
"355000622_1": "「くう……ッ!\\n やっぱり、ふざけた火力デスッ」",
"355000622_2": "「でも、アタシたち装者と<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>、\\n 人がかりなら……ッ」",
"355000622_3": "「いくらあのアダムが相手でも……ッ!」",
"355000622_4": "「下剋上だゾッ!」",
"355000622_5": "「似たような手ばかり。\\n 攻めきれると思っているのか 力任せでッ」",
"355000622_6": "「いつまでそんな風に余裕でいられるかしら~?」",
"355000622_7": "「煽ってる場合じゃないわよッ!\\n 同時に攻撃をッ」",
"355000622_8": "「はいはい、わかってますってッ!」",
"355000622_9": "「く……ッ!\\n いい加減にするんだ、調子に乗るのは……ッ」",
"355000622_10": "「わたしに隙を見せたな……ッ!」",
"355000622_11": "「その一瞬が命取りでしてよッ!」",
"355000622_12": "「剣をぶつけ合い、\\n 相手のそれを壊すのが私ですが――」",
"355000622_13": "「剣と剣殺し、\\n こうして背中を合わせるのも悪くないだろうッ」",
"355000622_14": "「ええ、ステキなダンスが踊れそうですわッ!」",
"355000622_15": "「――んなッ!?」",
"355000622_16": "「好機ッ!\\n 畳みかけるぞッ」",
"355000622_17": "「アタシたちの全部盛りをくらうデースッ!」",
"355000622_18": "「<size=40>はあああああああッ!</size>」",
"355000622_19": "「<size=40>おおおおおおおおッ</size>!」",
"355000622_20": "「ぐああ……ッ!」",
"355000622_21": "「倒しちゃったゾ?\\n 作戦と違っちゃったゾッ」",
"355000622_22": "「おいしいところ持ってかれて、\\n マスターがなんて言うか見ものですねぇ」",
"355000622_23": "「勝ったのだから、\\n それに越したことは無いでしょう」",
"355000622_24": "「そうデスそうデスッ!\\n キャロルもきっと大喜びデスよッ」",
"355000622_25": "「終わってないよ……まだね……」",
"355000622_26": "「――ッ!?」",
"355000622_27": "「キミたちを見くびっていた、正直なところ」",
"355000622_28": "「あれで倒せないなんて……ッ!」",
"355000622_29": "「あらためざるを得ないようだ、認識を」",
"355000622_30": "「だから、僕も応えようじゃないか。\\n 失礼のないように……ッ」",
"355000622_31": "「何を言ってんだ?\\n 負け惜しみですかね」",
"355000622_32": "「いえ、まさか……ッ!」",
"355000622_33": "「気が進まないね、この姿を見せるのは」",
"355000622_34": "「だけど仕方がない、\\n 主のお言葉を叶えなければいけないからね……ッ」",
"355000622_35": "「何のことなんだゾ?」",
"355000622_36": "「<size=40>これのことさああああッ!</size>」",
"355000622_37": "「この、姿は……ッ!」",
"355000622_38": "「ちょっとちょっと、\\n これじゃもう化け物じゃないのさッ」",
"355000622_39": "「あれが、アダム・ヴァイスハウプトの真の姿だ」",
"355000622_40": "「ああそうさ。\\n 嫌になるね、こうも醜いと」",
"355000622_41": "「この代償は高くつくよ。\\n キミたちを叩き潰さなくてはね、完膚なきまでに……ッ」",
"355000622_42": "「いや……そうはさせん」",
"355000622_43": "「叩き潰されるのは、お前の方だ……ッ!」",
"355000622_44": "「んん?」",
"355000622_45": "「…………」",
"355000622_46": "「あれは、ラピスの輝き……ッ!?」",
"355000622_47": "「なぜお前が放っている、その輝きをッ!?\\n <ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>風情が……ッ!」",
"355000622_48": "「マスターから頂いたのだ、\\n お前を止めるためにな……ッ」"
}

View file

@ -1,3 +1,31 @@
{
"355000711_0": "ゴールデンハート・メカニクス"
"355000711_0": "ゴールデンハート・メカニクス",
"355000711_1": "「なぜお前が放っている、その輝きをッ!?\\n <ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>風情が……ッ!」",
"355000711_2": "「マスターから頂いたのだ、\\n お前を止めるためにな……ッ」",
"355000711_3": "「派手に引き出してみせるッ!\\n おおおおおおおッ」",
"355000711_4": "「そうか、僕が砕いたラピスの欠片を、\\n リキャストして――ッ」",
"355000711_5": "「ありえないッ! その輝きを取り込むなど、\\n <ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>の<ruby=カラダ>躯体</ruby>に……ッ!」",
"355000711_6": "「ぐ……う……」",
"355000711_7": "(なんというエネルギー量……ッ!\\n 御するには、大きすぎる――",
"355000711_8": "「やはり……ッ!」",
"355000711_9": "「ぐああ……ッ!?」",
"355000711_10": "「レイア……ッ!」",
"355000711_11": "「驚いたよ、少しだけね」",
"355000711_12": "「だけど無理なのさ、<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>にはッ!」",
"355000711_13": "「く……ッ!\\n すみません……マス……タ……」",
"355000711_14": "「やってくれたわね……ッ!」",
"355000711_15": "「レイアに何するんだゾッ!」",
"355000711_16": "「もう近づかせないよ、気安くは……ッ!」",
"355000711_17": "「なあ――ッ!\\n この攻撃は……ッ」",
"355000711_18": "「さ、さっきまでの比じゃないんだゾ……ッ!」",
"355000711_19": "「言っただろう、真の姿だと。\\n できないんだよ、手加減は――ッ」",
"355000711_20": "「ぐう……ッ!」",
"355000711_21": "「ここには、立花も雪音もいないが――」",
"355000711_22": "「わたしたちは一度戦った相手だ。\\n 倒せない相手ではないッ」",
"355000711_23": "「はいッ!\\n それに、今はわたしたちだけじゃありませんッ」",
"355000711_24": "「ええ。レイアは直撃貰っちゃいましたけど、\\n あたしたちはまだやられちゃいませんよ」",
"355000711_25": "「突然ボスが化け物に変わってビックリ仰天ですが、\\n さっきよりむしろやりやすくなったんじゃないかしら」",
"355000711_26": "「ガリィはあの姿に変わる前から\\n 容赦なく攻撃していた気がしますが……」",
"355000711_27": "「とにかくッ! 翼の言う通り、無敵ってわけじゃない。\\n 攻めの一手で行くわよ……ッ」",
"355000711_28": "「ガッテンだゾッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,22 @@
{
"355000712_0": "「ハハハハハハッ!」",
"355000712_1": "「知っているのだろう?\\n この姿の僕をッ」",
"355000712_2": "「なら容易いんじゃないかな?\\n 見え透いた攻撃に対処するのはッ」",
"355000712_3": "「速い――ッ!\\n わかっていても……」",
"355000712_4": "「防ぎきれない、デス……ッ!」",
"355000712_5": "「うああああああッ!?」",
"355000712_6": "「2人ともッ!」",
"355000712_7": "「いいのかな、よそ見をしていて……ッ!」",
"355000712_8": "「マリアッ!」",
"355000712_9": "「ありがとう、助かったわ」",
"355000712_10": "「よく防いだね、あの攻撃を」",
"355000712_11": "「ならば、どうかな。\\n さらに連発というのは――ッ」",
"355000712_12": "「――ッ!?」",
"355000712_13": "「ぐうう――ッ!?」",
"355000712_14": "「こんなものか」",
"355000712_15": "「やはり、取るに足らないね。\\n 人間という不完全な存在など――」",
"355000712_16": "「装者たちが、あっという間に……」",
"355000712_17": "「だったら、あたしたちが決めるんだゾッ!」",
"355000712_18": "「ええ。あいつのエネルギーに底があるのは\\n さっきゲロってましたから」",
"355000712_19": "「畳みかけますわ……ッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,49 @@
{
"355000721_0": "「――そこかッ!」",
"355000721_1": "「何ッ!?」",
"355000721_2": "「残念、それはニセモノですよ~」",
"355000721_3": "「さらに、風で足止めをッ!」",
"355000721_4": "「む……」",
"355000721_5": "「チャンス到来ッ!\\n ドンドンいくゾ」",
"355000721_6": "「狙っているようだけど、\\n 僕のエネルギー切れを……」",
"355000721_7": "「ほえ?」",
"355000721_8": "「尽きる気がしないよッ!\\n この程度の相手ではッ」",
"355000721_9": "「ぎゃッ!」",
"355000721_10": "「有り余っているのさ、姿を変えるのに魔力を割いていた\\n さっきまでとは違ってね……ッ」",
"355000721_11": "「う……」",
"355000721_12": "「ぐ……あ……」",
"355000721_13": "「威勢がいいのは構わないが」",
"355000721_14": "「もう少し持ちこたえてほしいものだね、それならば」",
"355000721_15": "「装者も<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>も終わりかな、これで」",
"355000721_16": "「キャロルの姿がないね、そう言えば。\\n 探しに行こうか、君たちにトドメを刺した後で――」",
"355000721_17": "「待て……ッ!」",
"355000721_18": "「ん?」",
"355000721_19": "「壊れていなかったのか、意外にも。\\n なんの用かな」",
"355000721_20": "「マスターの元に行かせはしない……ッ!」",
"355000721_21": "「だが、もう残っていないだろう?\\n 戦う力など」",
"355000721_22": "「あるッ!\\n マスターより託された、この力がッ」",
"355000721_23": "「おおおおおおおッ!」",
"355000721_24": "「それか、またしても」",
"355000721_25": "「さっきも見たよ、その茶番は」",
"355000721_26": "「どうせ耐えられない、\\n ラピス・フィロソフィカスの輝きの強さには……ッ」",
"355000721_27": "「ぐ……」",
"355000721_28": "「私はマスターに仕える騎士。\\n 命じられたのだ、この先もずっと仕えろと……」",
"355000721_29": "「マスターを護るためならば、この程度……ッ!」",
"355000721_30": "「哀れな自動人形だ。最期の最後まで\\n 組み込まれた<ruby=プログラム>設定</ruby>に逆らえないとはな」",
"355000721_31": "「<ruby=プログラム>設定</ruby>などではないッ!\\n 私は、心から発した想いでこうしているッ」",
"355000721_32": "「心だと……」",
"355000721_33": "「よく言ってくれましたわ」",
"355000721_34": "「あたしたちも、想いは同じなんだゾッ!」",
"355000721_35": "「ええ、その通り……ッ!」",
"355000721_36": "「――ッ!」",
"355000721_37": "「この期に及んで1人で戦おうだなんて、\\n 水臭いじゃありませんか」",
"355000721_38": "「ガリィ……」",
"355000721_39": "「あたしたち3人の残り全部、\\n かき集めてきましたよ」",
"355000721_40": "「ありがたーく受け取ってくださいな」",
"355000721_41": "(感じるぞ、ガリィの、ミカの、ファラの力をッ!\\n これならば……ッ",
"355000721_42": "「おおおあああああッ!」",
"355000721_43": "「これこそ、マスターが私に授けてくださった、\\n とびきり派手な決戦機能――」",
"355000721_44": "「名付けて、『ゴールデンハート・メカニクス』ッ!」",
"355000721_45": "「派手だね、本当に」",
"355000721_46": "「しかしどうかな、実力の方はッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,17 @@
{
"355000722_0": "「派手に乱射ッ!」",
"355000722_1": "「ぐ、この攻撃は……ッ!?」",
"355000722_2": "「どうだ、黄金の弾丸の味はッ!」",
"355000722_3": "「なるほど、黄金錬成の力を使っているというわけか、\\n 普段使っている『土』属性の錬成だけでなくね」",
"355000722_4": "「さすがはラピス――」",
"355000722_5": "「強力だ、確かに。\\n だが、僕は持っているのだよ、ラピスすら砕く力を――ッ」",
"355000722_6": "「マスターより授かった力、そしてガリィたちから託された力、\\n 舐めないでもらおうかッ」",
"355000722_7": "「ド派手に散るがいいッ!」",
"355000722_8": "「ぐ――ッ!」",
"355000722_9": "「面倒だが、たかが1機ッ!\\n いかないね、調子に乗らせるわけには――ッ」",
"355000722_10": "(この躯体もこの心も、マスターより作られた物……。\\n しかし私は私の意思で、マスターを護りたいと思っているッ",
"355000722_11": "「だから、お前がいかに強大だとしても、\\n 簡単に倒れるわけにはいかないのだ――ッ」",
"355000722_12": "「だーッ! 見つからんッ!」",
"355000722_13": "「あの男、ろくに管理もしないくせに何でもかんでも\\n 放り込みおってッ 博物館でも開くつもりかッ」",
"355000722_14": "(急げ……。早くしなければ、アイツらが……)"
}

View file

@ -1,3 +1,49 @@
{
"355000811_0": "遥かな想い出"
"355000811_0": "遥かな想い出",
"355000811_1": "「深呼吸だ。落ち着こう……」",
"355000811_2": "「…………」",
"355000811_3": "(あれはパパが作った物。\\n オレが見つけられないはずがない……",
"355000811_4": "「パパは、大切な友人への贈り物だと言っていたな……」",
"355000811_5": "「ならば……アダムからしてもそれは\\n 大切なものだったのではないか……」",
"355000811_6": "(それを、こんなところに保管しておくだろうか……)",
"355000811_7": "(やはり、オレの考えは間違っていたのか……?)",
"355000811_8": "「いや、違う……ッ!」",
"355000811_9": "(もし、こうして無造作に積まれたガラクタも、\\n 本当に大切なものを隠すためのカモフラージュだとしたら……",
"355000811_10": "(ブローチのありかは、やはりここだ。そしてアダムが、\\n 何らかの結界を張っていたとしても今なら――",
"355000811_11": "(お前が思っている通りの事態だ。\\n アダムによって、協会の周囲に張られた結界が破られた",
"355000811_12": "(外部の者から協会を護るため、\\n 知覚を阻害する強力な結界だが……",
"355000811_13": "(それを張ったのは、あの男自身。\\n 効果がないに等しいのも当然というわけか……",
"355000811_14": "「阻む結界がなければ、オレの術式でもッ!」",
"355000811_15": "「結界が解けて……ブローチがッ!\\n ついに見つけたぞッ」",
"355000811_16": "「小賢しい真似を。どうやら、\\n 完全に物の管理ができないというわけではないらしい」",
"355000811_17": "(いや、それだけ、アダムもパパのことを大切な友人だと\\n 考えていたということだな……",
"355000811_18": "「オレの推測が正しければ、恐らくこれには……」",
"355000811_19": "「やはりだッ!\\n 術式によって、想い出が封じられている」",
"355000811_20": "「オレがかつて作った、\\n 『メモリアルバレット』と同じように――」",
"355000811_21": "(メモリアルバレット、弾丸にオレの想い出を込め、それを\\n <ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>に打ち込むことで過去を思い出させた)",
"355000811_22": "(親子で同じ発想をするとは、できすぎだな)",
"355000811_23": "(いやむしろ、パパがこれを作っていた想い出があったから、\\n オレはメモリアルバレットという発想に至ったのか……",
"355000811_24": "「いや、そんなことはどうでもいい。\\n 早くその想い出を展開して……」",
"355000811_25": "(それは、パパの想い出を見るということだ。\\n オレは……",
"355000811_26": "「悩んでいる時間などない。\\n ままよ……ッ」",
"355000811_27": "「イザーク、冗談だよな?\\n 何を言っているんだ……」",
"355000811_28": "「冗談ではないよ。\\n 僕は気づいてしまったんだ、君の正体に」",
"355000811_29": "「俺は俺だッ!\\n これまでも、お前と仲良くしてきたじゃないか」",
"355000811_30": "「ああ、君はそうやって誰かの心に付けこみ、\\n 自分に都合の良い話を吹聴してきたんだ」",
"355000811_31": "「事実と異なっていても、多くの認識が集まれば、\\n それは本物の力となる」",
"355000811_32": "「――ッ!」",
"355000811_33": "「……へえ、そんなことまでわかっちゃうのか、\\n 錬金術師というのはすごいな」",
"355000811_34": "「こんなの錬金術でもなんでもない。\\n ただの観察だよ」",
"355000811_35": "「君は、すっかり危険な聖遺物に<ruby=と>妄執</ruby>り憑かれてしまった。\\n すぐに手放さないと、その身を破滅させてしまう……」",
"355000811_36": "「黙れッ!\\n 俺は選ばれたんだ、神の力に……ッ」",
"355000811_37": "「いけない……ッ!\\n その石を捨てるんだ……ッ」",
"355000811_38": "「ぬあぁああああッ!」",
"355000811_39": "「く……、もうこんな力を……ッ!」",
"355000811_40": "「錬金術師は危険な存在だな。\\n いつか、この世から消し去ってやろう……」",
"355000811_41": "「逃がして、しまったか……」",
"355000811_42": "「危険だ。彼がもし、もっと力を付けたら……」",
"355000811_43": "(これが、パパの記憶。\\n ――何が起こっているんだ",
"355000811_44": "(あの男は、一体――)",
"355000811_45": "「そこにいるのは……キャロルだね」",
"355000811_46": "「――ッ!?」"
}

View file

@ -0,0 +1,67 @@
{
"355000821_0": "「大きくなったね、キャロル」",
"355000821_1": "(パパが、オレに話しかけて……ッ!)",
"355000821_2": "(いや……パパは確実に死んでいる)",
"355000821_3": "(このパパは、オレの想い出や、ブローチに遺された想い出が\\n 作用して作り上げられた存在、きっとそういう物なのだろう",
"355000821_4": "(それでも、オレは……)",
"355000821_5": "「会いたかったよ、キャロル」",
"355000821_6": "「オレも……ううん、わたしも……ッ!」",
"355000821_7": "「その髪型も、似合っている」",
"355000821_8": "「うん……」",
"355000821_9": "「錬金術師としても、すごく成長したみたいだ」",
"355000821_10": "「見ただけでわかるの?」",
"355000821_11": "「もちろんだよ。ここに来られたんだからね。\\n もう、パパより立派になったみたいだ」",
"355000821_12": "「そんなことないよ。\\n パパの命題も、まだまだ達成できそうにない……」",
"355000821_13": "「世界を識ることはできたかな」",
"355000821_14": "「ずいぶん遠回りしちゃったから……。\\n だけど、大丈夫。パパの命題の意味は、もう間違えないよ」",
"355000821_15": "「そうか。さすがはキャロルだね」",
"355000821_16": "「パパ……ッ!」",
"355000821_17": "「……でも、このままじゃそれもできなくなっちゃう。\\n アダムが……ッ」",
"355000821_18": "「それで、ここに来てくれたんだね」",
"355000821_19": "「うん」",
"355000821_20": "「もうわかっていると思うけど、\\n アダムは、パパの親友なんだ」",
"355000821_21": "「うん、わかっているよ」",
"355000821_22": "「アダムは、錬金術師協会の局長として、\\n 人類を護り、世界の調和を保とうとしていた……」",
"355000821_23": "「ぱっと見は大雑把で、人任せな\\n 困った人だけど……」",
"355000821_24": "「ハハハハハ……。\\n 彼も変わっていないんだね」",
"355000821_25": "「そして、道を間違えたわたしに、\\n 居場所と仲間を与えてくれた」",
"355000821_26": "「そうか……。\\n 僕との約束を、果たしてくれたんだね」",
"355000821_27": "「だけど、彼は変わってしまった……。\\n そうだね」",
"355000821_28": "「わたしは、わからない。\\n アダムを信じたい、だけど、アダムを倒さなくちゃいけない……」",
"355000821_29": "「信じていいんだ。彼は、キャロルが思っている通りの男だよ」",
"355000821_30": "「じゃあ、どうして……ッ!」",
"355000821_31": "「束ねた人の想像力は『概念』と化し強い力を持つ。それは、\\n 完成された彼の在り方ですら、捻じ曲げる可能性がある」",
"355000821_32": "「それじゃ、やっぱりアダムは……」",
"355000821_33": "「僕の想い出は見ただろう?\\n あの男が、持っていた聖遺物を――」",
"355000821_34": "「あれは、人の想像力をいたずらに掻き立て、\\n 思考を現実のものとして認識させる、蛇の声なんだ」",
"355000821_35": "「蛇の声……\\n それにアダムは操られているの」",
"355000821_36": "「少し違う。\\n アダムは『アダム』ゆえに罠から逃れられないんだ」",
"355000821_37": "「だけど、真実に気づいて、\\n 語りかけてくる者の正体が見えさえすれば……」",
"355000821_38": "「僕に言えるのはここまでだ……。\\n だけど、キャロルならわかるはずだよ」",
"355000821_39": "「…………」",
"355000821_40": "「そうか……\\n だからリンゴのブローチなんだねッ」",
"355000821_41": "「さすがだよ」",
"355000821_42": "「だけど、わたしにできるかな……」",
"355000821_43": "「キャロル……」",
"355000821_44": "「すまなかったね。\\n 僕は、君の傍に居ることができなかった……」",
"355000821_45": "「パパ……」",
"355000821_46": "「だけど、僕の命題の意味に気づけたということは、\\n キャロルの周りには大切な人がいるんじゃないかな」",
"355000821_47": "「うん……いる。たくさんいるよ……」",
"355000821_48": "「アダムはどうだい?」",
"355000821_49": "「アダムも……。本当は恩返しがしたい、助けたい……ッ!」",
"355000821_50": "「うん、わかっているさ……」",
"355000821_51": "「僕もね、傍に居てあげることはできないけれど、\\n いつだってキャロルの味方だ」",
"355000821_52": "「自信を持って言える。\\n 今のキャロルならやり遂げられるよ」",
"355000821_53": "「ありがとう、パパ……」",
"355000821_54": "「そうだ……。今のわたしは、昔とは違う。\\n みんながいる……ッ」",
"355000821_55": "「アダム1人とすらわかり合えないで、何が世界を識るだッ!」",
"355000821_56": "「救ってみせるよ。わたしは……オレはッ!\\n アダムのことを……ッ」",
"355000821_57": "「倒れてもらうぞ、\\n ド派手にな……ッ」",
"355000821_58": "「ぐおおおお……ッ!\\n 生意気だよ、どうにもね……ッ」",
"355000821_59": "「させるかッ!」",
"355000821_60": "「相殺……だとッ!?\\n なぜそんなにも……」",
"355000821_61": "「私には負けられない理由がある。\\n マスターを護る使命がある……ッ」",
"355000821_62": "「負けられない理由なら、\\n 僕にだって……」",
"355000821_63": "「…………」",
"355000821_64": "「そうさ、許されないんだよ、\\n 負けることなんてえええええッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,15 @@
{
"355000822_0": "「驚嘆するよ、君の力には。\\n 思わなかったさ、こんなに押されるとは」",
"355000822_1": "「けれど……」",
"355000822_2": "「ぐッ、う……ッ」",
"355000822_3": "(一挙一動が、躯体の中で派手に軋む。\\n このままでは……",
"355000822_4": "「くあッ!」",
"355000822_5": "「灼けるラピスを抑え込むのも、とうに限界なのだろう?\\n 称賛するよ、君の主への想いは」",
"355000822_6": "「もうラクになるといいッ!!」",
"355000822_7": "「まだ、だ……。\\n まだ私は……」",
"355000822_8": "「レイア、よく持ちこたえてくれたッ!」",
"355000822_9": "「――ッ!」",
"355000822_10": "「お前は――ッ!」",
"355000822_11": "「アダム……」",
"355000822_12": "「父の、お前の友の想いを継ぎ、\\n お前を助け出しに来た……ッ」"
}

View file

@ -1,3 +1,97 @@
{
"355000911_0": "金色に輝く想い出"
"355000911_0": "金色に輝く想い出",
"355000911_1": "「助けに来た、だと?」",
"355000911_2": "「傲慢だね、それは。\\n 僕は進んで従っているんだよ、我が主にッ」",
"355000911_3": "「…………」",
"355000911_4": "「ほう、ならばその主とやらに聞いてやろう」",
"355000911_5": "「オレの名前はキャロル・マールス・ディーンハイムッ!\\n この名前に聞き覚えはないかッ」",
"355000911_6": "「マールス……ディーンハイム……」",
"355000911_7": "「……ッ!?」",
"355000911_8": "「動揺したのか?\\n ――カストディアンが、らしくないではないか」",
"355000911_9": "「その反応で確信した。\\n あいつは、<ruby=アヌンナキ>神</ruby>などではない……ッ!」",
"355000911_10": "「では、なぜアダムは奴に従って……ッ!」",
"355000911_11": "「奴は蛇の力を宿した聖遺物を持っている」",
"355000911_12": "「あまりにも有名だろう、\\n 蛇に騙されるアダムの逸話と言うのは……ッ」",
"355000911_13": "「まさか、旧約聖書の……」",
"355000911_14": "「『蛇だからアダムを騙すことができる』と、\\n そんなことが……ッ」",
"355000911_15": "「シンプルゆえに確固たる概念だ。\\n そうだろう」",
"355000911_16": "「……ッ!」",
"355000911_17": "「この隙に、無理やりにでも引き戻してやる……ッ!」",
"355000911_18": "「何をしたのだ、我が主にッ!」",
"355000911_19": "「オレは名乗っただけだ。\\n アダム、お前はイザークを覚えているかッ」",
"355000911_20": "「ああ。いたね、そんな男が。\\n どうしたのかな、それが――ッ」",
"355000911_21": "「どうしただと? 腹心の友との語らいは、\\n お前にとっても大切な時間だったはずだッ」",
"355000911_22": "「思い出せ、交わした言葉をッ!\\n 誓い合った未来を……ッ」",
"355000911_23": "「主だけだよ、僕にとって、大切なのはッ!」",
"355000911_24": "「これを見ても、同じことが言えるのか……ッ!?」",
"355000911_25": "「なんだ、このみすぼらしい、\\n ブロー、チ、は……」",
"355000911_26": "(この、記憶……。\\n そうだ、僕は彼と、約束を交わして……ッ",
"355000911_27": "「世界を識る……か……」",
"355000911_28": "「そうだ。それこそが、僕の理想、\\n 人々が手を取り合う未来への近道だと思っている」",
"355000911_29": "「だから、残念だけど君の誘いは受けられないよ。\\n 錬金術師協会には入れない」",
"355000911_30": "「まだ、1人で進めなければならない研究があるんだ」",
"355000911_31": "「そうか……」",
"355000911_32": "「ただ、こんな僕は、君たち錬金術師協会にとって\\n 危険分子でしかないだろう。抵抗はしないよ。さあ――」",
"355000911_33": "「ク……ハハハハハハッ!」",
"355000911_34": "「――ッ!?」",
"355000911_35": "「傲慢な考えなのではと思ったこともあった。\\n 人ならざる身で人々を導こうなどと……」",
"355000911_36": "「しかし、いたとはッ!\\n 同じ、いやもっと壮大な夢を抱く人間がッ」",
"355000911_37": "「えっと、どうしたのかな?」",
"355000911_38": "「捕らえることはしない、君を」",
"355000911_39": "「なぜ……」",
"355000911_40": "「ただし、手伝わせてほしい、君の夢をッ!」",
"355000911_41": "「――ッ!」",
"355000911_42": "「同志ということだよ、つまりね」",
"355000911_43": "「もっと聞かせてほしい。\\n 君の夢を、君の理想を――ッ」",
"355000911_44": "「そうだ。こうして僕たちは出会い、\\n 語り合った、互いの理想を」",
"355000911_45": "「そして誓ったはずだ。\\n 求め続けることを、その理想を……ッ」",
"355000911_46": "「だが、悟っていたんだ、\\n 彼は自分に振りかかる運命を……」",
"355000911_47": "「……アダム」",
"355000911_48": "「なんだい?」",
"355000911_49": "「もし、もしもだ。\\n 僕に万が一のことがあったら……キャロルのことを頼む」",
"355000911_50": "「不吉な仮定だね、随分と」",
"355000911_51": "「あくまで、もしもの話さ」",
"355000911_52": "「だがいいのかい、僕なんかで?」",
"355000911_53": "「君にしか頼めないよ、こんなことは」",
"355000911_54": "「わかった。任せてくれ」",
"355000911_55": "「ぐ……ああ……ッ!」",
"355000911_56": "「アダムッ!?\\n どうしたというのだ……ッ」",
"355000911_57": "「僕は、どうして……」",
"355000911_58": "「お前の創造主は余だ。\\n お前は神に従わなければならない。そうだろう」",
"355000911_59": "「そうだ……。",
"355000911_60": " 絶対の存在、あなたこそ……ッ!」",
"355000911_61": "「く……ッ! 呪縛が解けない……。\\n 概念の縛鎖は解けないというのか……ッ」",
"355000911_62": "「聞けッ! アダムッ!」",
"355000911_63": "「本当にそいつがお前のマスターなのかッ!?」",
"355000911_64": "「レイア……」",
"355000911_65": "「――ッ!?」",
"355000911_66": "「マスターとは、\\n 決して縛り付けるだけの存在ではないッ」",
"355000911_67": "「私は、マスターを護りたくて、\\n マスターの想い出の一部になりたくて従っているッ」",
"355000911_68": "「答えろッ!\\n お前の服従に、お前の意志はあるのか……ッ」",
"355000911_69": "「僕は……、僕の想いは……ッ!」",
"355000911_70": "「リンゴのブローチ……」",
"355000911_71": "「どうしたというのだ、アダムッ!」",
"355000911_72": "「思い出しただけさ、大切な友人との約束を。\\n そして、君に仕える理由が無いことを」",
"355000911_73": "「なんだとッ!?\\n 創造主の言葉が聞けないと――」",
"355000911_74": "「その友人は、記憶の彼方で教えてくれた。\\n 人の意識を己が欲望のために操り、力と変えた存在をッ」",
"355000911_75": "「――ッ!?」",
"355000911_76": "「覚えがあるよ、とある聖遺物に」",
"355000911_77": "「『ヴィーヴルの瞳』と呼ばれる宝石だ。\\n 大した力は持っていなかったが、『蛇』の力を宿していた」",
"355000911_78": "「それが、偽りの神の正体というわけか」",
"355000911_79": "「僕はそれに、抗うことができなかった……\\n この身の名が『アダム』ゆえにね」",
"355000911_80": "「だが、思い出したんだ。\\n 名前なんかより、大切なものを」",
"355000911_81": "「友との約束をッ!\\n そして、僕自身の理想をッ」",
"355000911_82": "「蛇がアダムを騙すなら、\\n リンゴを食べたことでアダムは真実に気づくんだ」",
"355000911_83": "「一方的に聖遺物を利用したつもりだったようだが\\n 詰めが甘かったな」",
"355000911_84": "「…………」",
"355000911_85": "「僕は助けられなかった、大切な友人の命を」",
"355000911_86": "「だから守ろうとしたんだ。交わした約束だけは……ッ!」",
"355000911_87": "「なのに、キミを傷つけようとしてしまうとは……」",
"355000911_88": "「オレを護ろうなどと、おこがましいぞッ!」",
"355000911_89": "「ッ!?」",
"355000911_90": "「パパの願いは、相互にわかり合うことだろう。\\n それは、どちらかからの一方的な庇護ではないはずだ」",
"355000911_91": "「なるほど、そうかもしれないね。\\n 手を取り合おうか、それならば」",
"355000911_92": "「望むところだッ!\\n 共にあのペテン師を倒すぞッ」",
"355000911_93": "「生意気な……ッ!\\n 思い通りに行くと思うなよ……」",
"355000911_94": "「次なる手は、既に打ってある」"
}

View file

@ -0,0 +1,38 @@
{
"355000921_0": "「アダム様ッ! 馳せ参じましたよッ!」",
"355000921_1": "「お呼びですか、アダム様ッ!」",
"355000921_2": "「な……ッ! 錬金術師協会の人間かッ!?」",
"355000921_3": "「ものすごい人数です。なぜここにッ!?」",
"355000921_4": "「アダム様が招集されたのではありませんかッ!」",
"355000921_5": "「敵を倒すため、我々の力が必要だと……ッ!」",
"355000921_6": "「そうなのか?」",
"355000921_7": "「ないね、呼んだ覚えなど」",
"355000921_8": "「まさか……ッ!?」",
"355000921_9": "「ククク……」",
"355000921_10": "「企んでいるね、何かを……ッ!」",
"355000921_11": "「あの男から離れるんだ、皆ッ!」",
"355000921_12": "「危険なんだよ、あの存在は……ッ!」",
"355000921_13": "「つまり、あれがアダム様の敵……ッ!」",
"355000921_14": "「なるほど、強敵と見える。\\n 協会を強襲したのもやつか……ッ」",
"355000921_15": "「その通り、余はアダムに敵対するもの。\\n 我が名はサマエルであるッ」",
"355000921_16": "「サマエルだとッ!?」",
"355000921_17": "「サマエル……赤い蛇と呼ばれる存在……」",
"355000921_18": "「――いけないッ!?\\n 耳を傾けるなッ その男の言葉にッ」",
"355000921_19": "「聞こうッ! 余は何者かッ!」",
"355000921_20": "「サマエルと言えば、有名な大悪魔だ……ッ!」",
"355000921_21": "「その通り……ッ!」",
"355000921_22": "「これは……ッ!」",
"355000921_23": "「逆にしているんだ、順序をッ!」",
"355000921_24": "「強いから恐れられるのではなく、\\n 恐れられるから強いのだと……ッ」",
"355000921_25": "「だとしたらまずい、皆、アイツはサマエルなどでは――」",
"355000921_26": "「わたしは何者だ……ッ!」",
"355000921_27": "「堕天使ルシフェルの化身……ッ!」",
"355000921_28": "「魔王サタンだという説も聞いたことがあるぞ……」",
"355000921_29": "「そう……その通りだッ!」",
"355000921_30": "「人の想像力や思考を現実に映す力……\\n やられたね」",
"355000921_31": "「言っている場合かッ!」",
"355000921_32": "「いいや、まずい状態だ。\\n 僕は魔力の大半を真の姿で消費しているし――」",
"355000921_33": "「オレはラピスを持っていない……」",
"355000921_34": "「やるしかないだろう、それでも……ッ!」",
"355000921_35": "「ああ、決まっているッ!」"
}

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@ -0,0 +1,27 @@
{
"355000922_0": "「フハハハッ! 素晴らしい、\\n 素晴らしいぞッ、この力ッ」",
"355000922_1": "「これで、錬金術師の殲滅という悲願も成るッ!」",
"355000922_2": "「貴様、人類すべてが標的ではなかったのかッ!?」",
"355000922_3": "「わたしの力の源は人の意志。\\n 人類を滅ぼすなどもってのほかだ……ッ」",
"355000922_4": "「だが、忌々しい錬金術師は……」",
"355000922_5": "「恐れたのだね、錬金術師の可能性を」",
"355000922_6": "「パパに見破られた、あの時から……」",
"355000922_7": "「そうとも。だからこそ、始末したのだよ。\\n 愚かな街の住民どもを焚き付けてな」",
"355000922_8": "「住民ども……?」",
"355000922_9": "「それは……まさか……ッ!」",
"355000922_10": "「貴様の父と違って、連中を扇動するのは\\n いとも容易いことだったぞ」",
"355000922_11": "「人間とは、実に愚かな生き物だ」",
"355000922_12": "「これまで様々な疫病から救ってきた恩人を\\n 自ら炎の中へと焚べるのだからなッ」",
"355000922_13": "「よくも……よくも、パパを……ッ!」",
"355000922_14": "「ぬるいな。人の力が、悪魔に通じるとでも思ったか。\\n 誰も彼も、圧倒的な力の前に滅してゆくのだ」",
"355000922_15": "「悪魔もどき風情が調子に乗るなよッ!」",
"355000922_16": "「今のわたしは悪魔そのものなのだ。\\n それは、お前自身がよくわかっているはずッ」",
"355000922_17": "「それとも、貴様の父は、そして仲間たちは、\\n 貴様の言う悪魔もどきとやらに謀殺されたのか」",
"355000922_18": "「それは……ッ!」",
"355000922_19": "(マズイね、このペースは。\\n 飲み込まれているね、ヤツの口車に",
"355000922_20": "「死ねッ! 貴様も父親の下へと送ってやるッ!」",
"355000922_21": "「……ッ!」",
"355000922_22": "「誰だ、邪魔をする者は」",
"355000922_23": "「お前たちは――」",
"355000922_24": "「サンジェルマンッ!」"
}

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@ -0,0 +1,38 @@
{
"355000931_0": "「嬉しいよ、生きていてくれて。",
"355000931_1": " おこがましいけれど、僕が言うのも」",
"355000931_2": "「ホントにそうね。\\n こちとら死ぬほど酷い目に遭ったんだから」",
"355000931_3": "「しかし、その様子だと\\n 多少は反省しているというワケダ」",
"355000931_4": "「だったら、行動で示してもらわなきゃねぇ」",
"355000931_5": "「局長、これを受け取ってほしい。\\n あなたのために探してきたものだ」",
"355000931_6": "「アダムスフィアだね、これは。\\n 助かるよ、見つけてきてくれて」",
"355000931_7": "「お前たち、どうして……」",
"355000931_8": "「奥の手を使ったのッ!」",
"355000931_9": "「あーしたちは死んだと見せかけて、\\n さり気なく戦場を離脱――」",
"355000931_10": "「そして、秘密裏にアダムスフィアを\\n 探してきたワケダ」",
"355000931_11": "「命を賭した戦場……しかもこの男を相手取って\\n よくそんな大胆なマネができたものだ……」",
"355000931_12": "「人を騙すときは大胆にッ!\\n 詐欺師の鉄則よんッ」",
"355000931_13": "「さーて局長、あーしたちをボコした分、\\n しっかり働いてもらうわよ」",
"355000931_14": "「心得たよ、重々にね」",
"355000931_15": "「もう1つ――」",
"355000931_16": "「これは、お前に託そう。\\n 私たちの――」",
"355000931_17": "「これは……ラピス・フィロソフィカス……ッ!?」",
"355000931_18": "「あーしたちの砕かれた3つ分から、\\n なんとかつの完全体を作り上げたのよ」",
"355000931_19": "「わたしたちの残存魔力もすべて込めているワケダ」",
"355000931_20": "「つまり、これは私たちの力そのものよ」",
"355000931_21": "「ああ、ありがたく任されよう」",
"355000931_22": "「健気なことだな。\\n 父親の敵討ち、というところか」",
"355000931_23": "「パパは……そんなもの望んでいない。\\n これは……」",
"355000931_24": "「<size=35>人と人とのつながりを、大切な想い出を護るための戦いだッ!</size>」",
"355000931_25": "「派手な装備を……ッ!」",
"355000931_26": "「黄金錬成のエネルギーを武器とし、精製した黄金を鎧とする。\\n 高出力の錬成が可能にした決戦兵装というワケダね」",
"355000931_27": "「なんだ……その輝きはッ!?\\n そんなもの知らないぞ……ッ」",
"355000931_28": "「フッ、知らないものは怖いか?」",
"355000931_29": "「ぬかせ……ッ! 貴様らを討ち滅ぼせば、\\n 余に楯突く錬金術師はいなくなるッ」",
"355000931_30": "「未来永劫、貴様ら錬金術師は、\\n 余に勝てないという認識に呪われ続けるのだッ」",
"355000931_31": "「だからだよ、この姿で戦うのはね」",
"355000931_32": "「意味がないからね。人ならざる姿で、\\n 人ならざるものを倒しても」",
"355000931_33": "「二度と歯向かわせたりはしないよ、\\n 錬金術師に対してね」",
"355000931_34": "「錬金術師だけじゃない」",
"355000931_35": "「<size=40>これ以上、誰もお前に騙させたりはしないッ!</size>」"
}

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@ -0,0 +1,35 @@
{
"355000932_0": "「くらえッ!」",
"355000932_1": "「ぐぬぅ……これがラピス・フィロソフィカスとやらの\\n 力か……ッ」",
"355000932_2": "「本気でいくよ……僕もねッ!」",
"355000932_3": "「ぬわぁ……ッ!?」",
"355000932_4": "「認めぬ……認めぬぞ……ッ!\\n 余は大悪魔なのだ。人の心がそう捉える限り……」",
"355000932_5": "「すごい、アダム様とキャロル様が押しているぞッ!」",
"355000932_6": "「さすがお2人だ。いかな強敵と言えど……」",
"355000932_7": "「いいや、オレは全然本気を出していないぞ」",
"355000932_8": "「――ッ!」",
"355000932_9": "「僕もだよ。\\n 大したことがないね、見た目ばかりで」",
"355000932_10": "「や、やめろ……ッ!」",
"355000932_11": "「こいつ……もしかして強くないのかッ!?\\n 大悪魔ではないのか」",
"355000932_12": "「ただの勘違いだったようだよ、それは」",
"355000932_13": "「ああ、こいつは強い姿を借りて周りを騙すしか能がない、\\n ペテン師だッ」",
"355000932_14": "「ペテン師……」",
"355000932_15": "「力が……衰えている……?」",
"355000932_16": "「人数を集めたことで墓穴を掘ったな」",
"355000932_17": "「弱くもなるということだね、\\n 人の認識で強くなれるならばッ」",
"355000932_18": "「やめ、ろおおおお……ッ!」",
"355000932_19": "「なんだ、全然弱いじゃないか」",
"355000932_20": "「いいぞ、お前たちッ!」",
"355000932_21": "「任せてもらおう、トドメはッ!」",
"355000932_22": "「これが、お前が侮り利用しようとした人間の力だッ!」",
"355000932_23": "「<size=40>その身に刻み込めえええええッ!</size>」",
"355000932_24": "「ぬわあああああああああッ!\\n 消えてゆく……力が……ッ」",
"355000932_25": "「この男が、蛇の依り代になっていた、ということか」",
"355000932_26": "「彼が落とした、この宝石が元凶となった聖遺物か」",
"355000932_27": "「回収しておいてくれ。\\n あってはならないからね、不測の事態が」",
"355000932_28": "「了解しました。協会にて改めて調査を行い、\\n 問題がなければ処分いたします」",
"355000932_29": "「これで……終わりだな」",
"355000932_30": "「終わりだとも、この騒動はね。\\n 帰ろうではないか、我々の帰る場所へ」",
"355000932_31": "「錬金術師協会へ」",
"355000932_32": "「……ああ」"
}

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@ -1,3 +1,37 @@
{
"355001011_0": "命題を胸に"
"355001011_0": "命題を胸に",
"355001011_1": "「進んでいるかな、各地の復興は」",
"355001011_2": "「状況については、こちらの報告書の通りです」",
"355001011_3": "「ふむ、ふむ……滞りないようだね、どこも」",
"355001011_4": "「やはり、死者が出なかったのが大きかったワケダ」",
"355001011_5": "「こちらについては、洗脳を受けながらも\\n 局長の中に良心が残っていたのではないかと推測されます」",
"355001011_6": "「必死だったのさ、僕もね」",
"355001011_7": "「それにしても、局長のあれは見ものだったわね」",
"355001011_8": "「ああ、全メンバーの前で頭を深々と下げたあれなワケダな。\\n あんな珍しいものを見せられたら、溜飲も下がるというワケダ」",
"355001011_9": "「いくらでも下げるよ。こんな頭でよければ」",
"355001011_10": "「特に、今回は導くべき錬金術師協会を、\\n 潰そうとまでしてしまったのだからね」",
"355001011_11": "「各地の復興が優先ですが、協会の再建、\\n ラピスの修復など、やるべきことはまだまだあります」",
"355001011_12": "「各自、口より手を動かしなさい」",
"355001011_13": "「呼んだか?」",
"355001011_14": "「呼んだとも、当然ね。\\n 聞かせてくれないか、近況を」",
"355001011_15": "「問題ない。<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>たちの修復は進んでいる」",
"355001011_16": "「オレの傷も完全に癒えた。\\n あとは、これまで通りパパの命題に取り組むだけだ」",
"355001011_17": "「これでいいか? オレは忙しい。\\n 部屋に戻らせてもらうぞ」",
"355001011_18": "「つれないね、相変わらず。\\n 案じているのだよ、これでもね」",
"355001011_19": "「頼まれているからね、イザークから、\\n 君のことを」",
"355001011_20": "「……そのようだな。まったく、迷惑なことに。\\n こればかりは、パパに一言言ってやりたいところだ」",
"355001011_21": "「何なら、思ってくれてもいいのだよ。\\n 第二の父親と、僕のことを」",
"355001011_22": "「断る。第一も第二も、\\n オレのパパはパパだけだ」",
"355001011_23": "「局長、もしかして、憧れてんじゃないの?\\n そういうのに」",
"355001011_24": "「どうかな、それは。\\n ただ、思い知ったのは事実だよ、父娘の絆の強さを」",
"355001011_25": "「呼んでみたらどうだ?」",
"355001011_26": "「パパと」",
"355001011_27": "「呼ぶかッ!」",
"355001011_28": "「もういいなッ、オレは帰るぞッ!」",
"355001011_29": "「あ、逃げた」",
"355001011_30": "「いいところでいなくなっては困るワケダ」",
"355001011_31": "「パパの親友、か……」",
"355001011_32": "「いや、アダムはアダム、はた迷惑な露出狂だ」",
"355001011_33": "「接し方は別段変わらんッ!」",
"355001011_34": "「だがまあ……、これからも錬金術師協会に籍だけは置いてやる。\\n あくまで、命題の実現のためにな――」"
}

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@ -1,3 +1,61 @@
{
"355001111_0": "騒がしい日常"
"355001111_0": "騒がしい日常",
"355001111_1": "「マスター、失礼いたします」",
"355001111_2": "「……ん、あ、あぁ……レイアか。\\n どうした、こんな朝早くに」",
"355001111_3": "「どうした、ではありません、マスター。\\n また座ったまま派手にうたた寝ですか」",
"355001111_4": "「休むべきときは休め、だろう?\\n わかっている、食後には改めて休ませてもらう」",
"355001111_5": "「しかし、寝落ちするまで没頭する習慣は\\n なかなか変わりませんね……」",
"355001111_6": "「研究に勤しむ者というのは、\\n 得てしてそうなのだろう」",
"355001111_7": "「マスター、大変だゾッ!」",
"355001111_8": "「どうした、ミカ\\n また派手にやらかしたか」",
"355001111_9": "「お肉が……お肉が、爆発したんだゾ」",
"355001111_10": "「それは……笑えんな……」",
"355001111_11": "「苦くて、臭くて……とてもではありませんが、\\n マスターにお出しできるものではありませんでした……」",
"355001111_12": "「朝っぱらから何をしているのだ、お前たち……」",
"355001111_13": "「だーからアンタに料理は無理だって言ったのにさ」",
"355001111_14": "「ガリィが意地悪して料理を教えてくれないから、\\n ファラに教わってたんだゾ」",
"355001111_15": "「向き不向きってもんを考えなさいッ!」",
"355001111_16": "「料理も錬金術も、レシピ通りに執り行えば\\n 間違いないはずなのですけれど」",
"355001111_17": "「そううまくいかないのが調理というものだ。\\n 戦闘特化のミカには荷が重かろう」",
"355001111_18": "「うっかりお肉を倒しちゃったゾ」",
"355001111_19": "「肉と戦ってんじゃないわよッ!\\n 食材とは和解しなさいッ」",
"355001111_20": "「朝から騒々しい……。",
"355001111_21": " だが、ちょうどいいワケダ」",
"355001111_22": "「わざわざ部屋まで訪ねてくるとは、\\n オレに何のようだ」",
"355001111_23": "「忘れてもらっては困るワケダ」",
"355001111_24": "「前回の任務の始末書の提出期限は\\n 昨日なワケダッ」",
"355001111_25": "「始末書だとッ!?\\n あの件はお前の独断だろう」",
"355001111_26": "「あの状況で優先されるのは\\n 位階が上のわたしの判断なワケダッ」",
"355001111_27": "「幹部だからといって\\n 誰に対しても指揮権があると思うなよッ」",
"355001111_28": "「文句があるなら\\n 自分が幹部になればいいワケダッ」",
"355001111_29": "「あーら、キャロル、ちょっといい?」",
"355001111_30": "「くッ、面倒くさい時に面倒くさいヤツが……」",
"355001111_31": "「ご挨拶ね。面倒くさいことなんてないわよ。\\n たーだ、先日の任務で聖者の銅貨を接収してたわよね」",
"355001111_32": "「先に言っておくが、\\n アレはオレの研究に必要なものだぞ」",
"355001111_33": "「わかってるって。\\n だから、ちょっと貸してくれるだけでいいんだから」",
"355001111_34": "「何がちょっとだ。そもそも、先月の羊皮紙も\\n まだ返してもらっていないぞ」",
"355001111_35": "「そーだっけ?\\n もう使ってないから今度返すわ」",
"355001111_36": "「今すぐ返せッ!」",
"355001111_37": "「扉が開いていたからな。\\n ックは省かせてもらったぞ」",
"355001111_38": "「本当に何なんだ……\\n もう、勘弁してくれ……」",
"355001111_39": "「そうもいかない。研究員から\\n 調理場がすすだらけと苦情が来ていてな」",
"355001111_40": "「ファラッ! ガリィッ!」",
"355001111_41": "「はぁ……またあたしたちが尻拭いですか……」",
"355001111_42": "「仕方ないでしょう?\\n ミカに任せてたら余計に汚れてしまうもの」",
"355001111_43": "「事態が派手になりすぎましたね。\\n これでは、休んでいる暇もなさそうです」",
"355001111_44": "「まったく、どいつもこいつも騒がしい。\\n だが……」",
"355001111_45": "「プレラーティ、いいところで会ったな。\\n 報告書が遅れているようだが」",
"355001111_46": "「そ、それは、キャロルの分を\\n 待っているワケダ……ッ」",
"355001111_47": "「それじゃ、あーしはこのへんで……」",
"355001111_48": "「カリオストロ、あなたの分の報告も受けていないぞ。\\n 幹部としてやるべきことをしなくては……」",
"355001111_49": "「ファラ、ガリィ、あたしも何か手伝いたいゾ。\\n 最近、戦闘が少なくて、あまり力になれてないゾ」",
"355001111_50": "「お願いだから、ミカちゃんは静かにしててくれる?」",
"355001111_51": "「何かミカでもできることがありませんかね……」",
"355001111_52": "「マスター、お疲れのようでしたら、\\n この者たちに退室を願うこともできますが……」",
"355001111_53": "「構わんさ。これはこれで――」",
"355001111_54": "(パパ……命題の実現にはまだまだ時間が必要だけど)",
"355001111_55": "(オレにも賑やかな仲間がいっぱいできたみたいだ)",
"355001111_56": "「……すぅ……すぅ……」",
"355001111_57": "「フフ、よかった。\\n キャロル……」",
"355001111_58": "「むにゃ……」"
}