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{
"356000111_0": "想いは遠く",
"356000111_1": "「準備完了。\\n ご飯の時間」",
"356000111_2": "「……ああ」",
"356000111_3": "「いただくとしよう」",
"356000111_4": "「いただきます……」",
"356000111_5": "「…………」",
"356000111_6": "「……アタシ、もういらねー」",
"356000111_7": "「ほとんど残っているが」",
"356000111_8": "「うまくねーんだよ。\\n 気にせず食えるのなんて、てめーくらいだッ」",
"356000111_9": "「宇宙の真理について考察しながらの摂取がお勧めだ。\\n 気が付けば……この通り終わっている」",
"356000111_10": "「馳走になった」",
"356000111_11": "「使えねーアドバイス残して行きやがって……。\\n あいつ、ヒビキのことはもう、どうでもいいのか……」",
"356000111_12": "「フォルテ」",
"356000111_13": "「ん?」",
"356000111_14": "「ララの料理、\\n そんなに……美味しくない」",
"356000111_15": "「まーな」",
"356000111_16": "「うぅ……。次は――」",
"356000111_17": "「もう、諦めたらどうだ?」",
"356000111_18": "「ララ、役に立たないと。だから――」",
"356000111_19": "「味がわからないのに料理を作るなんて、\\n もともと無理な話なんだよ……ッ」",
"356000111_20": "「――ッ!?」",
"356000111_21": "「ナイン、きっとできるッ!\\n 練習すればッ」",
"356000111_22": "「誰に教えてもらうんだッ!?\\n スターリットもヒビキも、もういねーんだッ」",
"356000111_23": "「…………」",
"356000111_24": "「……ヒビキいなくなったの、誰のせい?」",
"356000111_25": "「ああんッ!? アタシのせいだってのかよッ!?」",
"356000111_26": "「フォルテすぐケンカ。\\n ちゃんと説明したら、ヒビキだって……」",
"356000111_27": "「てめーだって、ヒビキと<ruby=や>戦</ruby>り合っただろうがッ!\\n でも、引き留められなくて……ッ」",
"356000111_28": "「ヤーッ!\\n フォルテ弱いのも悪いッ」",
"356000111_29": "「ッ!",
"356000111_30": " もう頭に来たぜ……ッ!」",
"356000111_31": "「表に出ろ。ボコってやるよッ!」",
"356000111_32": "「望むところ。\\n フォルテ、返り討ちッ」",
"356000111_33": "「はあッ、はあッ……」",
"356000111_34": "「なんで殴り合ってるんだっけ? アタシたち……」",
"356000111_35": "「……わからない。たぶん、くだらないこと」",
"356000111_36": "「昔は、こんなふうにケンカしてばっかりだったよな」",
"356000111_37": "「ヤー。スターリット見かねて、約束作った。\\n 『いただきますは、みんな一緒に』」",
"356000111_38": "「……そうだったな。最初はうぜーって思ってたのに、\\n 気づけば思惑通り、仲良くなっちまってた」",
"356000111_39": "「……やっぱり、うぜー……」",
"356000111_40": "「フフ、みんなで一緒に食事、楽しかった」",
"356000111_41": "「……ああ」",
"356000111_42": "「でも今は1つ、席あいてる……」",
"356000111_43": "「そこはずっと、\\n スターリットの席だった」",
"356000111_44": "「だけど、あいつが現れて……」",
"356000111_45": "「もう、あの席はヒビキのものだ。\\n 今もずっと……ッ」",
"356000111_46": "「ヤー、おかしい。\\n あの席にヒビキいないなんて……」",
"356000111_47": "「そうだな。\\n だったら、アタシたちがやるべきことは決まってる」",
"356000111_48": "「テスラッ!」",
"356000111_49": "「……血相を変えて、どうした?」",
"356000111_50": "「ララたち、ヒビキ取り戻すッ!」",
"356000111_51": "「また、戦うことになってもか?」",
"356000111_52": "「――ッ!」",
"356000111_53": "「ヒビキと戦う、本当はしたくない……」",
"356000111_54": "「それでも、連れ戻すためならやってやるッ!」",
"356000111_55": "「必ず連れ帰る。\\n だから、あいつを切り捨てないでくれ」",
"356000111_56": "「お願い……」",
"356000111_57": "「安心しなさい、もともとそのつもりだ」",
"356000111_58": "「彼女と我々が求めるモノは同じ……。\\n きっと、理解してくれるはずだよ」",
"356000111_59": "「よかった……。\\n テスラ様、同じ気持ち」",
"356000111_60": "「ったく、わかりづれーんだよ」",
"356000111_61": "「待っててくれ、ヒビキ……」"
}

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@ -0,0 +1,32 @@
{
"356000121_0": "「あれ、司令。\\n 研究室にこもっていたんじゃないんですか」",
"356000121_1": "「レーベンガーの残骸を解析するから\\n 声をかけるなと――」",
"356000121_2": "「ああ、今は小休止だ。\\n しかし、あの技術は改めてとんでもないな……」",
"356000121_3": "「僕らからしたら、司令の発明も同じように見えますけどね」",
"356000121_4": "「いいや、まったくの別物だ。\\n まさしく、SF映画の領域だな」",
"356000121_5": "「かろうじて、進んだ科学によるものだということはわかるし、\\n 機構が解明できた部分もあるのだが――」",
"356000121_6": "「しかし、根本的な技術が違い過ぎる。\\n アレがどんな材料からできているのかすら、わかっていない」",
"356000121_7": "「これ以上研究を続けることに、果たして意味があるのか……」",
"356000121_8": "「司令から見ても、それ程のものですか……」",
"356000121_9": "「いや、すまない。アレと再び遭遇する可能性がある以上、\\n 弱音を吐くわけにはいかないな」",
"356000121_10": "「対抗策につながる手がかりくらいは見つけてみせるさ」",
"356000121_11": "「…………」",
"356000121_12": "「翼さん? まだ自宅療養中では……」",
"356000121_13": "「身体は概ね回復しています」",
"356000121_14": "「――今日は司令にお願いがあって来ました」",
"356000121_15": "「なんだ?」",
"356000121_16": "「どうにかして、この前ここを訪れた並行世界の装者のように、\\n わたしも並行世界を渡る術を持てないでしょうか」",
"356000121_17": "「……立花を、追いたいんです……」",
"356000121_18": "「翼……」",
"356000121_19": "「あの時、わたしは立花を止められなかった。\\n 今度こそ取り返しのつかなくなる前にこの手が届けばと……」",
"356000121_20": "「並行世界の移動は、\\n ギャラルホルンなどの異端技術によって可能になっている」",
"356000121_21": "「この二課に、\\n そのような技術が無いことはわかっているはずだ」",
"356000121_22": "「ですが……」",
"356000121_23": "「並行世界のS.O.N.G.に申し出れば、あるいはそのような\\n 手だてもあるのかもしれないが……」",
"356000121_24": "「それより、お前には果たすべき\\n 役割があるのではないか」",
"356000121_25": "「わたしの……役割……」",
"356000121_26": "「ノイズの反応を検知ッ!」",
"356000121_27": "「第12地区、中規模ですッ!」",
"356000121_28": "「翼、ギアを纏えるか?」",
"356000121_29": "「はい。すぐに出ますッ!」"
}

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@ -0,0 +1,35 @@
{
"356000122_0": "「お早く、こちらへッ!」",
"356000122_1": "「ノイズが追ってくるッ!」",
"356000122_2": "「どうして毎度毎度こんな目に……ッ!」",
"356000122_3": "「ッ!?\\n 逃げ道が塞がれています――ッ」",
"356000122_4": "「いやあああああああああああッ!」",
"356000122_5": "「そこの3人ッ! 地面に伏せるんだッ!」",
"356000122_6": "「へ?」",
"356000122_7": "「ッ! 早くッ!」",
"356000122_8": "「お前たちの狼藉もここまでだ……ッ!」",
"356000122_9": "「……こちら翼。\\n 民間人を名保護しました」",
"356000122_10": "「うわ、ノイズを一瞬で……」",
"356000122_11": "「すっごい……。\\n ってそれよりッ その装備って……」",
"356000122_12": "「あの……ッ!\\n 立花響さんのことを知りませんか」",
"356000122_13": "「君たちは――」",
"356000122_14": "「立花さんのクラスメイト……、\\n いえ、友達ですッ」",
"356000122_15": "「あの怪物が現れた日、\\n あなたと同じような装備を纏った立花さんに会ったんです」",
"356000122_16": "「だけどそれから、\\n 立花さんも小日向さんも行方不明で……」",
"356000122_17": "「何か知っていたら教えてください、お願いしますッ!」",
"356000122_18": "「そうか。だが……」",
"356000122_19": "「残念ながら、わたしから話せることは無い……」",
"356000122_20": "「ご自宅まで案内します。\\n それと、国家特別機密事項に関するご説明を……」",
"356000122_21": "「そんな……」",
"356000122_22": "(わたし以外にも、立花の帰りを待つ者がいる……)",
"356000122_23": "(今、その人たちを護れるのは……)",
"356000122_24": "「作戦終了を確認した。\\n 本調子とはいかないようだが、よく頑張ってくれたな」",
"356000122_25": "「司令がさきほど言っていた、\\n わたしの役割がわかりました」",
"356000122_26": "「わたしは防人。\\n 人々を守護するために剣を振るう者……」",
"356000122_27": "「ああ」",
"356000122_28": "「立花は孤独な戦いを続けていますが、\\n いつかはそれを終え、ここに帰ってくる」",
"356000122_29": "「わたしはその時のために、この世界を、\\n 立花の帰りを待つ人々を防人ります」",
"356000122_30": "「ああ。\\n 今それができるのは、お前しかいないんだ」",
"356000122_31": "「はい……ッ!」",
"356000122_32": "(だから、無事で帰ってきてくれ、立花……)"
}

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@ -0,0 +1,98 @@
{
"356000131_0": "「スサノオが倒されたというのか……」",
"356000131_1": "「ああ。\\n しかも、それをやったのは、並行世界の立花響だ」",
"356000131_2": "「そしてその場には、\\n 行動を共にしていた者が他に人――」",
"356000131_3": "「報告書にある、フォルテ、ララという少女か。\\n さらに、その者たちのリーダーの名前が……」",
"356000131_4": "「ニコラ・テスラ……ッ!」",
"356000131_5": "「……誰もが知る、天才的な科学者の名前ですね」",
"356000131_6": "「交流電流のように現在でも使われている技術から、\\n 『ワールドシステム』と呼ばれる実用に至らなかったものまで」",
"356000131_7": "「様々な発明をし、20世紀半ばに亡くなったとされています。\\n ……あくまで、ボクたちの世界では、ですが」",
"356000131_8": "「いや、ほとんどの並行世界で同じ認識のはずだ」",
"356000131_9": "「だがあれが本物だとして、少なくとも1人、どこかの並行世界の\\n テスラは、死の運命から逃れる方法を見つけた――」",
"356000131_10": "「レーベンガーや、レイラインエネルギーのコントロールなど、\\n 敵対組織が高い科学技術を持っていることは明らかです」",
"356000131_11": "「本当に、あの有名なニコラ・テスラが、\\n 黒幕ということなのでしょうか……ッ」",
"356000131_12": "「<ruby=テック>T.E.C.</ruby>という組織名から見ても、\\n そう考えるのが自然だろうな」",
"356000131_13": "「並行世界の響くんは、そんな組織と行動を共にしていた……。\\n 何やら言い争っていたとも聞いているが……」",
"356000131_14": "「しかし、少女2名の言動や、纏っていた装備から判断するに、\\n 組織の一員となっている可能性が高いだろう」",
"356000131_15": "「並行世界を消滅させるような組織に、なぜ……」",
"356000131_16": "「疑問は尽きないが、いずれにしても、\\n T.E.C.の狙いは阻止しなくてはならない」",
"356000131_17": "「だがな、残念ながら奴らの活動拠点も、標的にしている\\n 並行世界も、知る術がないというのが現状だ」",
"356000131_18": "「せっかく相手のことがわかったのに、\\n 手も足も出せないなんて……」",
"356000131_19": "「じれったいが、どうしようもない。当面は、今まで通り\\n 異常のある並行世界の調査をしていくことになるだろう」",
"356000131_20": "「必ず、その喉元に食らいついてやる……」",
"356000131_21": "「並行世界の剪定など、させるものか……ッ!」",
"356000131_22": "「皆を助けてくれてありがとう、奏。\\n 危ないところだったと聞いた」",
"356000131_23": "「間に合ってよかったよ。",
"356000131_24": " それにしても、みんながやられるなんてね……」",
"356000131_25": "「しかもどんな攻撃方法かもわからず、一撃で……」",
"356000131_26": "「思っていた通り。\\n いえ、それ以上に厄介な相手なのかもしれないわね」",
"356000131_27": "「ニコラ・テスラ……。\\n 超科学を駆使する敵か……」",
"356000131_28": "「…………」",
"356000131_29": "「その上、並行世界の立花響が関わっているなんて……」",
"356000131_30": "「立花の不調は恐らく、彼女の心境を\\n 受けてのものだったんだな……」",
"356000131_31": "「実際に会って、戦って、\\n 本人もショックを受けているでしょうね……」",
"356000131_32": "「よーっしッ!」",
"356000131_33": "「――ッ!?」",
"356000131_34": "「奏……?」",
"356000131_35": "「どうやら役者は揃ったようだし?\\n ここからは、戦う相手もわからないモヤモヤした状況は無しだ」",
"356000131_36": "「なら突き進めばいいだけ。\\n こっちの響が挫けそうなら支えてやって」",
"356000131_37": "「あっちの響がピンチなら手伝ってやって、\\n そんで黒幕のテスラを倒すッ」",
"356000131_38": "「やることはシンプルだろ?\\n なら、下を向いてる暇はない」",
"356000131_39": "「そう簡単にねぇ……」",
"356000131_40": "「だけど、奏らしい」",
"356000131_41": "「確かに、言う通りだな。\\n 年長者のわたしたちが暗い顔をしていてはいけない」",
"356000131_42": "「前を向こう。マリアもだぞッ!」",
"356000131_43": "「な……ッ!\\n あなたまで……」",
"356000131_44": "「……でも、2人の言う通りね。\\n わたしも、無理矢理にでも前を向くわ」",
"356000131_45": "「うんうん。その意気だッ!」",
"356000131_46": "「暇だね……」",
"356000131_47": "「暇デース……」",
"356000131_48": "「何か欲しいものはありますか?」",
"356000131_49": "「ゲーム機とコントローラーを持ってきてほしいデスッ!」",
"356000131_50": "「それはダメです。\\n 今日日は絶対安静ですから」",
"356000131_51": "「うう……わかったデス……」",
"356000131_52": "「わたし、お料理したい……」",
"356000131_53": "「それもダメです。\\n ご飯ならわたしが用意しますから明日まで我慢してください」",
"356000131_54": "「厳しい……」",
"356000131_55": "「今日のわたしは、姉さんにおふたりのことを\\n 頼まれていますから」",
"356000131_56": "「さすがマリア、アタシたちが大人しく\\n できないことを見越して……ッ」",
"356000131_57": "「だけど、2人はすごいですね。\\n 元気いっぱいで……」",
"356000131_58": "「え? 怪我人デスよ……?」",
"356000131_59": "「いえ、心が、ということです。\\n あんなに恐ろしい敵の正体が垣間見えたのに……」",
"356000131_60": "「……アタシだって怖いデスよ。\\n でも、みんながいるデス」",
"356000131_61": "「うん。切ちゃんも、セレナも、\\n マリアたちも、みんな一緒」",
"356000131_62": "「そうデス。\\n これほど安心なことは無いのデスッ」",
"356000131_63": "「フフ、そうですね。\\n わたしも、勇気が湧いてきました」",
"356000131_64": "「でも、1つだけ心配……」",
"356000131_65": "「……?」",
"356000131_66": "「向こうの世界の響さん。\\n 響さんの周りには、ちゃんと、仲間がいるのかな……」",
"356000131_67": "「たしかに、心配デスね……」",
"356000131_68": "「響、欲しいものはない?」",
"356000131_69": "「未来が傍にいてくれれば、それだけで大丈夫だよ」",
"356000131_70": "「フフ、響ったら……」",
"356000131_71": "「そういうことは家でやれ――」",
"356000131_72": "「って、ここは家じゃねーかッ!」",
"356000131_73": "「クリス、騒いじゃダメだよ」",
"356000131_74": "「そうだよ、クリスちゃん。\\n 未来がせっかく看病してくれてるんだから」",
"356000131_75": "「……くそッ、なんであたしがこんな目に」",
"356000131_76": "「クリスも響も、ダメージが抜けてないんだから。\\n 今日くらいはちゃんと休もう」",
"356000131_77": "「それなら、目の前で\\n イチャイチャし続けるのはやめてくれ……」",
"356000131_78": "「え? そんなつもりはないんだけど……」",
"356000131_79": "「うん、普通だよね?」",
"356000131_80": "「あたしか? あたしがおかしいのかッ!?」",
"356000131_81": "「クリスも、やってほしいことがあったら何でも言ってね」",
"356000131_82": "「あたしはもうお腹いっぱいだっての……」",
"356000131_83": "「……なあ、ところであいつのことだけどよ」",
"356000131_84": "「……並行世界の、わたしのことだよね?」",
"356000131_85": "「お前から見てどうだったんだ?\\n 自分自身だろ」",
"356000131_86": "「……うん。わたしには、こうして当たり前に未来がいてくれる」",
"356000131_87": "「だけど、あのわたしには、未来がいないんだ。\\n それがどういうことなのか、想像もできないよ」",
"356000131_88": "「本人からも、わからないくせにって言われちゃったな」",
"356000131_89": "「響……」",
"356000131_90": "「でも、だからこそ、\\n 人にしちゃいけない気がする」",
"356000131_91": "「誰かが、傍にいないと……」",
"356000131_92": "「そうだね。\\n 今、どこで何をしてるんだろう……」",
"356000131_93": "「どこにいたって、どうにかして会いに行きたい。\\n もう一度、話を聞きたいんだ……ッ」",
"356000131_94": "「着いた。ここが――」",
"356000131_95": "「もう、あの世界と同じことは起こさせない……。\\n わたしが止めるんだ……ッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,20 @@
{
"356000211_0": "贖罪の旅",
"356000211_1": "(……次は、たぶんこの世界が\\n T.E.C.のターゲットになるはず)",
"356000211_2": "「…………」",
"356000211_3": "(スターリットが残した情報端末……)",
"356000211_4": "まさか、T.E.C.の計画に関する情報まで\\n 記録されてるとは思わなかった",
"356000211_5": "(ズノート……変な名前だけど、\\n とっさに持ちだしてきてよかった",
"356000211_6": "これがあれば、T.E.C.が狙っている世界がわかる。\\n だから――",
"356000211_7": "「人の悲鳴――ッ!?\\n 向こうからだッ」",
"356000211_8": "「うわあああああ――ッ!?」",
"356000211_9": "「レーベンガーッ!\\n やっぱり、こいつらはテスラの……ッ」",
"356000211_10": "「今までは、そんなはずないって思ってた。思い込んでいた。",
"356000211_11": " でも、もう目を背けるわけにはいかない……ッ!」",
"356000211_12": "「た、助けて――ッ!」",
"356000211_13": "「間に合えッ!」",
"356000211_14": "「あ、ありがとうございます……ッ!」",
"356000211_15": "「逃げて、早く……ッ!」",
"356000211_16": "(1人でも多くの人を助ける。それで、わたしが\\n 死なせてしまった人たちが帰ってくるわけじゃない――",
"356000211_17": "「ただの自己満足なのかもしれない。だけどッ!\\n これはわたしが犯してしまった罪の償いなんだ……ッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,17 @@
{
"356000212_0": "「はあ……はあ……」",
"356000212_1": "「……あと、3体ッ!\\n 負けるかぁッ」",
"356000212_2": "「残り2体ッ!\\n 次は――」",
"356000212_3": "「――なッ!?\\n 同時に攻撃を……ッ」",
"356000212_4": "「くう……ッ!?",
"356000212_5": " このッ!!」",
"356000212_6": "「倒した……全部……」",
"356000212_7": "(ララやフォルテと別れてから、いくつ並行世界を巡った?\\n 何人の人を救った 何人、救えなかった……",
"356000212_8": "(わからない。でも、こんなところで立ち止まるわけには……)",
"356000212_9": "(身体に、力が入らない……。\\n このまま、少しだけ休んで――",
"356000212_10": "「大変デースッ!\\n この人、気を失っちゃったデスよッ」",
"356000212_11": "「逃げ遅れた人たちを護るために戦っていたみたいデス。\\n 眉間のシワが怖いけど、きっと悪い人ではないデスよ」",
"356000212_12": "「纏っていた装備、それに戦っていた相手。\\n もしかすると、もしかして……」",
"356000212_13": "「ん?\\n 何か知っているデスか……」",
"356000212_14": "「……ううん、気のせいかも。\\n だるいけど、仕方ない。研究所に連れていくか」"
}

View file

@ -0,0 +1,51 @@
{
"356000221_0": "「……あれ、ここは……?」",
"356000221_1": "(わたし、気を失って……。\\n 誰かにここまで運ばれた",
"356000221_2": "(ケーブルやら機材やら、何かの研究所っぽいけど……)",
"356000221_3": "「やっと目が覚めた」",
"356000221_4": "「無事でよかったデスッ!」",
"356000221_5": "「やれやれ、やっと話が聞けますね」",
"356000221_6": "「…………」",
"356000221_7": "「心配したデスよ。気を失っていたデスから。\\n もう大丈夫デスか えっと……」",
"356000221_8": "「わたしは立花響。\\n 助けてくれたなら、ありがとう」",
"356000221_9": "「でも、もう大丈夫だから。\\n わたしはこれで……」",
"356000221_10": "「待って。\\n その前に、わたしの質問に答えて」",
"356000221_11": "「あなたが纏っていた装備。\\n そして、戦っていた相手はなに」",
"356000221_12": "「……あなたたち、何者?」",
"356000221_13": "「確かに、質問をするならばこちらが先に名乗るのが筋ですね。\\n 不肖ながらこの僕が紹介しましょう」",
"356000221_14": "「こちらが当研究所の所長にして超絶科学者の、\\n 月読調さん」",
"356000221_15": "「なんであんたに紹介されなくちゃいけないの」",
"356000221_16": "「そしてこっちが、調さんの親友にして今は科学者見習いの、\\n 暁切歌さん」",
"356000221_17": "「デスッ!」",
"356000221_18": "「そして僕こそが、ドクタアアァァァ――ッ!」",
"356000221_19": "「長い、うるさい。\\n こいつはダメ助手でいいから」",
"356000221_20": "「ヒドイッ!\\n 僕にはウェルという、れっきとした名前がありますッ」",
"356000221_21": "「……科学者として、わたしが戦っていた\\n 敵の正体が知りたいってこと」",
"356000221_22": "「まあ、そう。\\n だけど、もうつ……」",
"356000221_23": "「警報……ッ!?\\n これは……」",
"356000221_24": "「大変デス。ヒビキさんが戦っていた相手が、\\n また現れたみたいデスよッ」",
"356000221_25": "「……ッ!」",
"356000221_26": "「それは一大事ですッ! やっと引っ越しが完了した\\n 新研究所が破壊されてはたまりません」",
"356000221_27": "「切歌さん、防御シールドの展開を……ッ!」",
"356000221_28": "「了解デスッ!\\n すぐに――ッ」",
"356000221_29": "「あ、あうう……」",
"356000221_30": "「切ちゃんッ!?\\n 大丈夫……」",
"356000221_31": "「ごめんなさいデス。\\n ちょっと立ち眩みがしただけデスよ」",
"356000221_32": "「こらぁッ! ダメ助手ッ!」",
"356000221_33": "「イタイッ!? け、蹴らないで……」",
"356000221_34": "「切ちゃんはまだ本調子じゃないのに、\\n なに命令してるの」",
"356000221_35": "「き、緊急事態だったので……」",
"356000221_36": "「口答えするな」",
"356000221_37": "「アウチッ!?」",
"356000221_38": "「ごめんね、切ちゃん……」",
"356000221_39": "「心配してくれてありがとうデス。\\n でも、調、ヒビキさんが……」",
"356000221_40": "「え?」",
"356000221_41": "「彼女でしたら、今しがた飛び出して行きましたよ。\\n 恐らく、あれと戦うつもりでしょう」",
"356000221_42": "「1人で戦うつもりデスか……」",
"356000221_43": "「気づいてて何スルーしてるんだ、ダメ助手……」",
"356000221_44": "「キ、キックはもう無しですよッ!?」",
"356000221_45": "「彼女からは厄介事の匂いがプンプンします。\\n なるべくなら、関わらないのが吉というものですよ」",
"356000221_46": "「確かにその通りだけど……。\\n この件、あの人が関わっているかもしれない」",
"356000221_47": "「――ッ!\\n それってまさか……」",
"356000221_48": "「仕方がない、わたしも出るか……」"
}

View file

@ -0,0 +1,80 @@
{
"356000231_0": "「――アタシ、大・復・活デースッ!」",
"356000231_1": "「ぱちぱちぱち……」",
"356000231_2": "「立花たちはどうだ?」",
"356000231_3": "「こっちも、もう大丈夫ですッ!」",
"356000231_4": "「あたしもバッチリだ。いつでも戦えるぞ」",
"356000231_5": "「全員回復したようで何よりだ」",
"356000231_6": "「これで、T.E.C.を止めるために\\n 本格的に動き始められるな」",
"356000231_7": "「ああ、やるべきことを改めて確認しよう」",
"356000231_8": "「師匠、ユリウスさん、その前にちょっといいですか?\\n 気になることが……」",
"356000231_9": "「気になること?」",
"356000231_10": "「……実は、昨晩夢を見たんです。\\n きっとあれは、わたしじゃないわたしの……」",
"356000231_11": "「夢の中のわたしは、独りきりで、\\n ひたすらにレーベンガーと戦っていました」",
"356000231_12": "「攻撃の感触が、やけにリアルな夢だった……」",
"356000231_13": "「なるほど、夢か……。\\n ただの偶然とは、考えにくいな」",
"356000231_14": "「ボクも、並行世界のキャロルのことを夢に見たことがあります。\\n 恐らくそれと同じ、精神的リンクの影響ではないでしょうか」",
"356000231_15": "「つまりそれは、並行世界の響が\\n 感じていることかもしれないんだね」",
"356000231_16": "「うん……、感触だけじゃなくて、すごく心細かった」",
"356000231_17": "「誰にも頼っちゃいけない、誰の手も取っちゃいけない。\\n わたしが全部悪かった、ごめんなさいって……」",
"356000231_18": "「悲しくて、苦しくて、だけど自分がやらなきゃって、\\n ずっとずっと苦しんでる」",
"356000231_19": "「それが、今の彼女の心情だと……」",
"356000231_20": "「……だけど、なんであいつがレーベンガーと戦ってんだ?\\n レーベンガーは、T.E.C.の兵隊だよな」",
"356000231_21": "「並行世界の立花は、その組織の少女たちと\\n 仲間同士だったはずだが……」",
"356000231_22": "「響とT.E.C.が、袂を分かった、とか?」",
"356000231_23": "「きっと、悪者だって気づいたデスよッ!」",
"356000231_24": "「うん、そうかも」",
"356000231_25": "「そうなると、逆に狙われているという可能性もあるわね」",
"356000231_26": "「だったら、探しに行って、\\n 助けてあげないと……ッ」",
"356000231_27": "「あのな、まだそうと決まったわけじゃないだろ。\\n 会いに行って敵でした、じゃシャレにならないぞ」",
"356000231_28": "「……どちらにしても、今の状況で並行世界の響くんを\\n 探しに行くことは、容認しがたい」",
"356000231_29": "「師匠……ッ!\\n ですが、わたしは確かに……」",
"356000231_30": "「響くんの精神的リンクについて、\\n 疑っているわけではない。ただ――」",
"356000231_31": "「居場所のわからない人間を、数多の並行世界から\\n 見つけるとなると、どれだけ時間がかかるかわからない」",
"356000231_32": "「それよりも、並行世界全体を救うために優先すべきは、\\n ニコラ・テスラを見つけ出し、叩くことだろう」",
"356000231_33": "「そのためにも、今戦力を分散させるわけにはいかないんだ。\\n わかってくれ」",
"356000231_34": "「……はい」",
"356000231_35": "「…………」",
"356000231_36": "「響……」",
"356000231_37": "「もう1人の響を、助けに行きたいんだね」",
"356000231_38": "「未来にはお見通しだね。\\n 師匠の言うことはその通りなんだけど――」",
"356000231_39": "「精神的リンクで、\\n わたしはあの子の気持ちを直接知っちゃったから」",
"356000231_40": "「あんな風に傷ついて、心細く思っている人を\\n 独りぼっちにしたくない……」",
"356000231_41": "「わたしはね、響は、もう1人の響を助けに行くべきだと思う」",
"356000231_42": "「え……ッ!?」",
"356000231_43": "「だって、それが今、響が一番やりたいことなんだから」",
"356000231_44": "「今までだって、そうやって困っている人に\\n 手を差し伸べてきたでしょう……」",
"356000231_45": "「それは、全部正しかったかはわからないけど、\\n 少なくとも、間違っていなかったと思う」",
"356000231_46": "「そうやって繋いできた手が、今に繋がっているんだもん」",
"356000231_47": "「未来……、うんッ! わたしが一番やりたいこと……。\\n 確かにそうだ」",
"356000231_48": "「でも――」",
"356000231_49": "「響が飛び出せない理由は、\\n みんなを置いていくことになるからだよね」",
"356000231_50": "「弦十郎さんの言う通り、\\n そうすることで、みんながピンチになっちゃうかもって」",
"356000231_51": "「うん……」",
"356000231_52": "「だったらわたしは、ここに残る。\\n そして、響の分まで戦う……ッ」",
"356000231_53": "「響みたいに拳を握りしめて、\\n みんなのことを護るよ」",
"356000231_54": "「それに、みんなだって同じ気持ちだと思う」",
"356000231_55": "「みんなで手を繋げば、響の留守中くらいは、\\n カバーできちゃうんだから……ッ」",
"356000231_56": "「未来……。\\n 未来って、そんなにかっこよかったっけ……」",
"356000231_57": "「フフ、それも、響を見てきたからだよ」",
"356000231_58": "「それに、わかっているから。そうやってみんなで\\n 響の帰りを待っていれば、響は必ずやり遂げてくれる」",
"356000231_59": "「もう1人の響っていう新しい希望とも、\\n 手を繋いでくれるって……ッ」",
"356000231_60": "「ありがとう……。わたし、行くよ……ッ!\\n もう人のわたしに、会いに行ってくるッ」",
"356000231_61": "「問題は、どうやって探すかだね。\\n ギャラルホルンで探せる範囲は限られてるし……」",
"356000231_62": "「デュプリケイターがあればいいんだけど……、\\n ユリウスさんが簡単に貸してくれるわけがないよね……」",
"356000231_63": "「うーん……」",
"356000231_64": "「欲しいのはこれか?」",
"356000231_65": "「わ……ととッ!\\n これって、デュプリケイターッ」",
"356000231_66": "「どうして……」",
"356000231_67": "「司令官として、風鳴氏の判断は正しい。\\n だが……俺も、お前に希望を託したいと思ったんだ」",
"356000231_68": "「ユリウスさん……」",
"356000231_69": "「世界蛇との戦いの時も、お前はそうやって、\\n ミーナに手を差し伸べてくれたな」",
"356000231_70": "「結果として、それが突破口となった。\\n ミーナが安らかに逝けたのは、お前の想いがあったからなんだ」",
"356000231_71": "「これを、使っていいんですね?」",
"356000231_72": "「ああ、やるならやりきってもらう」",
"356000231_73": "「はいッ! ありがとうございます」",
"356000231_74": "「ごめんなさい、師匠。\\n 帰ったら、ちゃんと謝ります」",
"356000231_75": "「響……すぐに行くんだね。\\n 気を付けてね……」",
"356000231_76": "「うん、行ってきますッ!」",
"356000231_77": "「行ってらっしゃい、響」"
}

View file

@ -0,0 +1,17 @@
{
"356000311_0": "装者と操者",
"356000311_1": "「何度現れたってッ!」",
"356000311_2": "「お前たちの好きにはさせない……ッ!」",
"356000311_3": "(テスラの本拠地に舞い戻ったところで、\\n 今のわたしの力じゃ、きっと止めることはできない……",
"356000311_4": "(だけど、当然テスラは待ってくれない――)",
"356000311_5": "「だから、今はお前たちの相手だッ!」",
"356000311_6": "「この手で救えるだけ、救ってやる」",
"356000311_7": "「それがわたしの償い……」",
"356000311_8": "「そして、未来が好きだと言ってくれた、\\n わたし自身の願いなんだ……ッ」",
"356000311_9": "「新手ッ!?\\n しまった――」",
"356000311_10": "「今の攻撃は――ッ!?」",
"356000311_11": "「アタシ、参戦デスッ!」",
"356000311_12": "「もう、これはどういう状況なの……」",
"356000311_13": "「あなたたち……」",
"356000311_14": "「質問はあと。\\n 攻撃が来る――ッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,44 @@
{
"356000312_0": "「装者だったのッ!?」",
"356000312_1": "「ふーん、シンフォギアのことも知ってるんだ」",
"356000312_2": "「ただの科学者だと思ってたけど……、\\n じゃあひょっとして、この世界の国家政府関係者とか」",
"356000312_3": "「出身はそういう機関だけど、\\n 今はフリーランスだから」",
"356000312_4": "「国のためとか大層な正義は別に。\\n これはただ、切ちゃんを護るための力……ッ」",
"356000312_5": "「もう、照れるデスよ」",
"356000312_6": "「そう言うあなたは、\\n ギアも纏わずに戦闘を――」",
"356000312_7": "「でも、さっき会った時と雰囲気が違うような……」",
"356000312_8": "「それもそのはずデスッ!」",
"356000312_9": "「この身体は、アンドロイド躯体。\\n 科学技術の結晶なのデスッ」",
"356000312_10": "「機械の身体……」",
"356000312_11": "「ちなみに、生身のアタシが遠隔で操作をしているデスッ!」",
"356000312_12": "「もともとは自動で動く、\\n 本当の意味でのアンドロイドだったのですがね」",
"356000312_13": "「この子はずっと、アタシの代わりに調の傍にいてくれた。\\n そして、アタシの代わりに眠りについた……」",
"356000312_14": "「だけどもう少しだけ、力を借りているデス」",
"356000312_15": "「アタシは、歌の力を持っていない、まだ身体も弱いデス。\\n それでも、今度はアタシが調を護るために……ッ」",
"356000312_16": "「2人で1つの、アタシ流戦闘スタイルデスッ!」",
"356000312_17": "「すごい……」",
"356000312_18": "「それで、あなたが纏うその装備だけど――」",
"356000312_19": "「それを作ったのは『ニコラ・テスラ』っていう人?」",
"356000312_20": "「――ッ!?\\n どうしてそれを……」",
"356000312_21": "「お話を遮ってすみませんが、\\n 北方に未確認飛行物体を発見しましたッ」",
"356000312_22": "「怪物は、そこを中心に展開しているようです」",
"356000312_23": "「コンダクターだ……」",
"356000312_24": "「それを破壊すれば、レーベンガーの侵攻は止まる。\\n 行かなくちゃ……ッ」",
"356000312_25": "「あんなに怒った司令は、初めて見たわね」",
"356000312_26": "「立場上、無理もない。\\n 立花の行動は、明確な命令違反なのだからな」",
"356000312_27": "「デスが、それを受け止める未来さんとユリウスさんも\\n すごかったデス」",
"356000312_28": "「うん、司令の剣幕の前に、1歩も退かなかったね」",
"356000312_29": "「1つ引っかかるのは、あたしたちには\\n 相談なしだったことだッ 言ってくれれば……」",
"356000312_30": "「未来さんと同じように、背中を押したのに、デスか?」",
"356000312_31": "「ま、まあ……」",
"356000312_32": "「つまり、わたしたちも同じ気持ちってことよね?」",
"356000312_33": "「言うまでもない。\\n 立花が帰ってくるまで、立花の分まで補って戦う――」",
"356000312_34": "「帰ってくるって信じてるデスから、\\n やってやれないことではないのデスッ」",
"356000312_35": "「ねッ!",
"356000312_36": " しら……べッ!?」",
"356000312_37": "「…………」",
"356000312_38": "「もしかして、ツクヨミさんモードデス……?」",
"356000312_39": "「感じる……目覚めたようじゃ」",
"356000312_40": "「目覚めたッ!?\\n なんのことだ……」",
"356000312_41": "「第三の並行世界防衛システム……、\\n 直近に人間たちに呼ばれていた名は『アマテラス』じゃ」"
}

View file

@ -0,0 +1,18 @@
{
"356000321_0": "「そこを通せッ!」",
"356000321_1": "「見つけた……ッ!」",
"356000321_2": "「でっかいデス……」",
"356000321_3": "「あれも、ニコラ・テスラが作ったっていうの?」",
"356000321_4": "「――そうだよ」",
"356000321_5": "「あの怪物たち……レーベンガーを管制するのが\\n このコンダクターなんだと思う」",
"356000321_6": "「つまりは敵の司令塔ってわけか。\\n でも、それだけの機能にしては、規模が大きすぎない」",
"356000321_7": "「コンダクターの役割は他にもある。\\n 星のエネルギーの吸収――そっちが本命の機能なんだ」",
"356000321_8": "「その結果、この地球は消滅する……」",
"356000321_9": "「な――ッ!?」",
"356000321_10": "「地球が消滅するってどういうことデスか……ッ!?」",
"356000321_11": "「この星に生きる人たちは全員死ぬってこと。\\n だから、起動する前に止めなくちゃ……ッ」",
"356000321_12": "「しかし、コンダクターの周辺にはレーベンガーが\\n 多数待ち構えているようです……ッ」",
"356000321_13": "「関係ない、全部倒していく……ッ!」",
"356000321_14": "「調、アタシたちもッ!」",
"356000321_15": "「うん……。\\n あんな話聞いたら、さすがに見過ごせない……ッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,21 @@
{
"356000322_0": "「危ないデスッ!」",
"356000322_1": "「ありがとう、切ちゃん」",
"356000322_2": "「コンダクターまで、もうちょっとデスね」",
"356000322_3": "「うん。\\n それにしても……」",
"356000322_4": "「ねえッ!」",
"356000322_5": "「なに?」",
"356000322_6": "「テスラの装備を纏ったあなたが、\\n どうしてテスラが作ったレーベンガーと戦っているの」",
"356000322_7": "「それは――、",
"356000322_8": " はああッ!」",
"356000322_9": "「話せば長くなる。\\n そっちこそ、どうしてテスラを知ってるの」",
"356000322_10": "「それも、話してる余裕なんてッ!」",
"356000322_11": "「わたしが言えることは――、\\n テスラは世界を滅ぼすような人じゃない」",
"356000322_12": "「わたしたちを、助けてくれたんだから……」",
"356000322_13": "「……ッ!?」",
"356000322_14": "(それって、どういう……)",
"356000322_15": "「2人とも、大変デス――ッ!」",
"356000322_16": "「新種――ッ!?」",
"356000322_17": "「いかにも強そうデス……」",
"356000322_18": "「はぁ、だる……」"
}

View file

@ -0,0 +1,32 @@
{
"356000331_0": "「ぐう……ッ!」",
"356000331_1": "「今までのレーベンガーより攻め手が鋭い……けどッ!」",
"356000331_2": "「だからどうしたあああああッ!」",
"356000331_3": "「はあ……はあ……」",
"356000331_4": "「あいつ……なんであんなにも必死に……」",
"356000331_5": "「――ッ!?」",
"356000331_6": "「よそ見してる場合じゃないか」",
"356000331_7": "「とっとと片付けて、本当にテスラがこれをやったのか、\\n 確かめないと……ッ」",
"356000331_8": "「調も、本気を出し始めたデスね……。",
"356000331_9": " よーしッ!」",
"356000331_10": "「お前の相手はアタシデスッ!」",
"356000331_11": "「な、はや――」",
"356000331_12": "「ぐ――ッ!」",
"356000331_13": "「うあああ……ッ!」",
"356000331_14": "「だ、大丈夫ですかッ!?」",
"356000331_15": "「遠隔操作はダイレクトフィードバックシステムを使った\\n 精神同調によって行っています」",
"356000331_16": "「攻撃を受ければ、\\n ケガはなくとも痛覚は反映される……」",
"356000331_17": "「わ、わかっているデス。\\n ちょっと油断したデスよ……」",
"356000331_18": "「はあ……はあ……。\\n 今度は、アタシの番デスッ」",
"356000331_19": "「く、弾かれ――」",
"356000331_20": "「切ちゃんに、近づくな……ッ!」",
"356000331_21": "「大丈夫?」",
"356000331_22": "「あ、ありがとうデス……」",
"356000331_23": "「よかった……無理はしないで」",
"356000331_24": "(調に、心配されてしまったデス……)",
"356000331_25": "(この<ruby=カラダ>子</ruby>の力は、こんなものではないはずデス。\\n ずっと、調を護ってきたんデスから……",
"356000331_26": "(弱いのは、歌も、戦い方も知らないアタシのせいデス)",
"356000331_27": "「アタシは信じているデス……。\\n いつかこの子、もう人のアタシと再会できるって」",
"356000331_28": "「その時が来たら、胸を張って笑えるように――」",
"356000331_29": "「調を護れるくらいに、\\n 強くならないといけないデスッ」"
}

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@ -0,0 +1,34 @@
{
"356000332_0": "「切ちゃん、合わせようッ!」",
"356000332_1": "「――ッ!\\n それなら、任せるデスッ」",
"356000332_2": "「たあああああああッ!」",
"356000332_3": "「ぴったりだったよ」",
"356000332_4": "「アタシは歌は唄えないデスけど、\\n 調の歌に合わせるのは大の得意なのデスッ」",
"356000332_5": "(あの2人、1人1人はすごく強いわけじゃない。\\n だけど、なんて息の合った連携を――",
"356000332_6": "「今度はできるだろッ!?\\n できねーとは言わせねーぜ」",
"356000332_7": "「ヒビキ、ララたち信じてッ!」",
"356000332_8": "「……うん。信じるよ」",
"356000332_9": "「覚悟は決まったようだなッ!」",
"356000332_10": "「<size=40>オルタネーター・フルドライブッ!</size>」",
"356000332_11": "(わたしにも、そんな仲間が……)",
"356000332_12": "「……ううん。何を考えているんだ」",
"356000332_13": "「わたしは、1人で戦わなきゃいけないんだああ――ッ!」",
"356000332_14": "「はあ……はあ……」",
"356000332_15": "「片付いた……。\\n あとは、コンダクターを――」",
"356000332_16": "「させねーよ……」",
"356000332_17": "「――ッ!?」",
"356000332_18": "「久しぶり、ヒビキ」",
"356000332_19": "「よう、会いに来てやったぜ……ッ!」",
"356000332_20": "「ララ、フォルテ……」",
"356000332_21": "「第三のブリッツァー……。\\n 元気だったかな」",
"356000332_22": "「ニコラ・テスラ……ッ!」",
"356000332_23": "「迎えに来た。\\n 私たちと一緒に来なさい」",
"356000332_24": "「言ったはず。それはできない。\\n わたしは、あなたたちを止める……ッ」",
"356000332_25": "「そうすれば、君の大切な人が戻ってくると言っても?\\n 彼女を取り戻したくはないか」",
"356000332_26": "「……ッ!?」",
"356000332_27": "「馬鹿にするなッ!\\n 未来はもう……。何を今さら……ッ」",
"356000332_28": "「わたしの大切な人はもういないんだ。\\n 取り戻すことなんて――」",
"356000332_29": "「できる」",
"356000332_30": "「――ッ!?」",
"356000332_31": "「ワールドシステムが完成すれば、\\n 君の友人を蘇らせることが可能だ」"
}

View file

@ -0,0 +1,70 @@
{
"356000411_0": "地獄に生まれ落ちて",
"356000411_1": "「未来が……蘇る?\\n 何を言って――」",
"356000411_2": "「星命力を使って作られる私の理想郷――」",
"356000411_3": "「そこで、同じく星命力をコアとして作られる人間は、\\n 死という概念を超越した完璧な存在だ」",
"356000411_4": "「だが、入れ物だけでは人間として完成しない」",
"356000411_5": "「その人格は、レーベンガーが\\n 各世界の人間を分解し、集めた生体データから作られる」",
"356000411_6": "「レーベンガーが人々を分解して吸収するのは、\\n そのために……」",
"356000411_7": "「君の大切な人間の生体データも手に入れている。\\n そこから、二度と死なないよう作り直すというわけだ」",
"356000411_8": "「未来のことを……?」",
"356000411_9": "「そんなはずないッ! 未来はあの日、殺されたんだッ!\\n わたしの目の前で、スサオによって……ッ」",
"356000411_10": "「見たのか? スサノオの炎が小日向未来を焼くのを。\\n あるいは、剣に貫かれるのを」",
"356000411_11": "「それ……は……」",
"356000411_12": "「未来ッ!? すぐ近くにあいつが……ッ!」",
"356000411_13": "「こっちだ、未来ーッ!」",
"356000411_14": "「響……ひびきーッ!」",
"356000411_15": "「この手で救う。そして、手を繋ぐんだ……ッ!」",
"356000411_16": "「<size=40>届けええええええッ!</size>」",
"356000411_17": "「ひび……き……」",
"356000411_18": "「――ッ!?」",
"356000411_19": "「未来……?」",
"356000411_20": "「どこにいるの。応えてよ、未来――ッ!」",
"356000411_21": "「そんな……嘘……嘘だ……ッ!」",
"356000411_22": "「……………………………………………………………」",
"356000411_23": "「…………未来が、消えて……?」",
"356000411_24": "「<size=40>あああああああああああああッ!</size>」",
"356000411_25": "「君は誤認をしていたようだな」",
"356000411_26": "「じゃあ……未来を、奪ったのは……」",
"356000411_27": "「私のレーベンガーだ」",
"356000411_28": "「お前が、未来をッ!」",
"356000411_29": "「おおああああああああッ!」",
"356000411_30": "「おっと」",
"356000411_31": "「ぐ……ッ!」",
"356000411_32": "「落ち着け。\\n 私の計画を止めたら、当然復活の可能性は無くなる」",
"356000411_33": "「何事にも代えがたい願いのはずだ。\\n 大切な人が、取り戻せるのだぞ」",
"356000411_34": "「さあ、今一度私の手を取るがいい」",
"356000411_35": "「――ッ!!」",
"356000411_36": "(本当に、未来が蘇る?\\n もう一度未来に会えるの……",
"356000411_37": "(二度と会えないんだと思ってた。だから、悲しくて、\\n 怖くて、許せなくて……ッ ここまで突き進んできたんだ",
"356000411_38": "(でも、もう足を止めてもいいんだ――)",
"356000411_39": "(またあの笑顔に会える。優しい声で笑いかけてくれる、\\n 陽だまりがわたしを温めてくれる……",
"356000411_40": "(未来、会いたいよ……ッ!\\n そのためなら、わたしはなんだって――",
"356000411_41": "「わたしね、そんなぽかぽか温かい響の歌が大好きッ!」",
"356000411_42": "「ダメだ……」",
"356000411_43": "「どういうことだ?」",
"356000411_44": "「お前の計画は、\\n つの幸せのために他の全部を壊すこと……」",
"356000411_45": "「崩壊する世界の中で、わたしは見たんだ。\\n 目の前で、小さな命が消えていくのをッ」",
"356000411_46": "「そんな犠牲の先に手に入れた幸せの中で、\\n わたしは……未来の手を握れない……ッ」",
"356000411_47": "「温かい歌なんて唄えないんだ……ッ!」",
"356000411_48": "「……わかっているはずだ、君の本当の願いを」",
"356000411_49": "「愛別離苦からの解放。今まで人類がどれだけ渇望し\\n 手を伸ばしても届かなかった願いッ」",
"356000411_50": "「それが叶うのだ。もう一度その温もりに触れられるのだぞ。\\n 他の選択肢など、取れるはずがない……ッ」",
"356000411_51": "「当たり前だッ!\\n 会いたい、会いたいよッ だけど――ッ」",
"356000411_52": "「わたしはお前たちを止めるッ!\\n 止めてみせる……ッ」",
"356000411_53": "「……突然のことで、\\n 受け入れがたいというのもわからないではない」",
"356000411_54": "「時間をかけてよく考えるといい。\\n 君にとって、何が一番大切かを」",
"356000411_55": "「この世界も終わりが近い。\\n 私はもう行かねば」",
"356000411_56": "「世界の終わり……。\\n わたしがそんなことをさせると――」",
"356000411_57": "「コンダクターを破壊されるのは避けたい事態だ。\\n フォルテ」",
"356000411_58": "「任せてくれ。\\n ちょうど、あいつと話したいと思ってた」",
"356000411_59": "「フォルテ、ヒビキお願い」",
"356000411_60": "「ああ……ッ!」",
"356000411_61": "「帰ってくるのを待っているぞ。\\n 人目のブリッツァーよ」",
"356000411_62": "「久しぶりだな」",
"356000411_63": "「そこをどいて」",
"356000411_64": "「できねー相談だな。\\n なあ、ヒビキ。考え直せ――」",
"356000411_65": "「そこをどいてッ!\\n わたしは、テスラには従わないッ」",
"356000411_66": "「チッ、相変わらずの頑固者がッ!」",
"356000411_67": "「望み通り、ボコボコにしてから言い聞かせてやるッ!」"
}

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@ -0,0 +1,66 @@
{
"356000412_0": "「ぶった切ってでも、連れ戻してやらああッ!」",
"356000412_1": "「く……ッ!\\n どうしてそんなに……」",
"356000412_2": "「んなもん……仲間だからに決まってるだろーがッ!」",
"356000412_3": "「……ッ!」",
"356000412_4": "「てめーは、頑固で生意気で、\\n 最初はいけ好かねーって思ってた……」",
"356000412_5": "「だけど、心根は悪くねーッ!」",
"356000412_6": "「エレクライトで3人が繋がったあの時――」",
"356000412_7": "「こいつとなら、スターリットと同じように\\n 家族になれるかもって――」",
"356000412_8": "「だから、お前を死なせたくはねーんだよッ!」",
"356000412_9": "「わたしだって……」",
"356000412_10": "「あぁん?」",
"356000412_11": "「わたしだって、3人でいるあの時間が好きだったッ!」",
"356000412_12": "「未来を失ったわたしの心に、温かさをくれた。\\n だから――」",
"356000412_13": "「本当は戦いたくなんてえええッ!」",
"356000412_14": "「ぐ……ッ!」",
"356000412_15": "「だったら、やっぱり戻ってこい。\\n テスラの理想郷に行こうッ」",
"356000412_16": "「そこで、ミクってやつも一緒に、\\n 本当の家族になればいいじゃねーか……ッ」",
"356000412_17": "「そこには奪い合う苦しみも、\\n 離れ離れになる悲しみもねーんだッ」",
"356000412_18": "「それは、楽しそうだね……」",
"356000412_19": "「だったら――」",
"356000412_20": "「でもそのために、たくさんの人が死ぬんだ……。\\n フォルテは本当に、それでいいのッ」",
"356000412_21": "「…………あたりめーだ……。\\n 今ある世界なんて、無くなったほうがいいんだよッ」",
"356000412_22": "「――ッ!?」",
"356000412_23": "「コンダクターの起動を確認した。\\n これで、この星も理想郷の一部となる」",
"356000412_24": "「計画も、もう佳境だ。\\n 私たちは次の並行世界に急ぐとしよう」",
"356000412_25": "「ヤーッ!」",
"356000412_26": "「待ってッ!」",
"356000412_27": "「行かせないデスッ!」",
"356000412_28": "「君たちは……」",
"356000412_29": "「久しぶり、ニコラ・テスラ」",
"356000412_30": "「……そうか。\\n ここは君のいる並行世界だったか」",
"356000412_31": "「と、ところで、2人はどういった\\n お知り合いなんデス」",
"356000412_32": "「出会ったのはずっと前。まだ切ちゃんが眠ってて、\\n もう人の切ちゃんを作るよりも前のこと」",
"356000412_33": "「切ちゃんを目覚めさせるためにあらゆる方法を探したけれど、\\n わたしとダメ助手だけじゃ限界があって、絶望してた」",
"356000412_34": "「テスラは、そんなわたしにいくつかの技術を教えてくれたの。\\n アンドロイド躯体、人造人格、そして並行世界の移動技術――」",
"356000412_35": "「――ッ!\\n じゃあもしかして……」",
"356000412_36": "「そう。もう1人の、アンドロイドの切ちゃんは、\\n テスラに教えてもらった技術のおかげで完成したの」",
"356000412_37": "「――ッ!\\n その子、アンドロイド……」",
"356000412_38": "「君ならできると思ったが、その通りだったようだな」",
"356000412_39": "「おかげさまで」",
"356000412_40": "「でも、久しぶりに会ったあなたが、星を消滅させようとする\\n マッドサイエンティストになっているとは思わなかった」",
"356000412_41": "「ヒビキさんと話してたことは、\\n こっそり聞かせてもらったデスよッ」",
"356000412_42": "「今も昔も、私の目的は変わらない」",
"356000412_43": "「なら、なんでわたしに技術を教えたのッ!?」",
"356000412_44": "「ほんの気まぐれだ。私は、並行世界の調査をしている途中で、\\n 必死に研究を続けている君と出会った」",
"356000412_45": "「君は、大切な人と再会するため、\\n 血を吐くような努力をしていた」",
"356000412_46": "「何度絶望しても、諦めたくないと……。\\n だからかな。思わず手を貸したくなってしまったのは」",
"356000412_47": "「……つまり、大切な人を失ったわたしを見て……?」",
"356000412_48": "「あなたはさっき、理想郷で人を復活させると言っていた……。\\n ひょっとして、あなたの目的は――」",
"356000412_49": "「相変わらず、いい頭脳を持っている。\\n だが、残念ながら時間切れだ」",
"356000412_50": "「私はもう行く。この星が消滅したとしても、\\n 並行世界移動ができる君たちなら助かるだろう」",
"356000412_51": "「勝手なことを言うなデスッ!\\n そもそも、星の消滅なんてさせないデスよッ」",
"356000412_52": "「ならば――」",
"356000412_53": "「――ッ!」",
"356000412_54": "「レーベンガーに分解されるといい。\\n その後、我が理想郷にて蘇らせてやる」",
"356000412_55": "「では、また会おう」",
"356000412_56": "「クソ……ッ」",
"356000412_57": "「迫る星の消滅と、立ちふさがるレーベンガー……。\\n ひょっとして、かなりピンチデスッ」",
"356000412_58": "「いっそのこと、\\n 本当に他の世界に逃げちゃう」",
"356000412_59": "「この世界を見捨てるなんて、ダメデスよ……ッ!」",
"356000412_60": "「そ、そうですッ! 並行世界の移動装置は、\\n 僕の分までないのですよッ」",
"356000412_61": "「あ、ごめん忘れてた」",
"356000412_62": "「ヒドイッ!」",
"356000412_63": "「じゃあ、ダメ助手、\\n 死にたくなかったら働いて」"
}

View file

@ -0,0 +1,37 @@
{
"356000421_0": "「並行世界が、無くなったほうがいいって……」",
"356000421_1": "「言っただろ、アタシの生まれた世界は、\\n 戦争が延々と続く、地獄みたいな場所だったって」",
"356000421_2": "「……」",
"356000421_3": "「想像できないか? そうだよなッ!\\n いいぜ、だりーけど語ってやるよ……ッ」",
"356000421_4": "「物心ついたときには、親は野垂れ死んでた。\\n アタシは生きるために、盗みでも騙しでも、なんでもやったぜ」",
"356000421_5": "「だけど、いつも1人だった。当たり前だよな、生きるか死ぬかの\\n 瀬戸際で、他人の心配なんてしてる余裕はねーんだッ」",
"356000421_6": "(独りきり……昔のわたしみたいに。\\n だけどきっと、フォルテの方がずっと苦しい状況で……",
"356000421_7": "「だけどな、そんなアタシにも手を差し伸べてくれるやつがいた。\\n そいつは、孤児を匿って、小せーコミュニティを作ってたんだ」",
"356000421_8": "「最初はアタシも警戒心バリバリだったけどな、\\n みんなで協力して生きてるうちに、変わっていった」",
"356000421_9": "「それまで家族ってもんを知らなかったアタシだけど、\\n ひょっとしたら、これが家族なんじゃねーかってな」",
"356000421_10": "(家族……それって……)",
"356000421_11": "「ハッ、アタシも馬鹿だよな。\\n ここまで聞いたら、大体オチは予想ついてるんだろ」",
"356000421_12": "「…………」",
"356000421_13": "「何を神妙な顔をしてんだよ。\\n ここからがクライマックスだぜッ」",
"356000421_14": "「アタシが親と慕ったそいつの正体は、\\n 人身売買の仲介者だった」",
"356000421_15": "「そいつは子供を売って金と安全を手に入れる。\\n アタシたちは、家畜として育てられてただけだったんだッ」",
"356000421_16": "「いざ薬を飲まされて仲間と一緒に『出荷』って時に\\n 敵国の襲撃があって、みーんな死んじまった」",
"356000421_17": "「晴れて独りぼっちに戻ったアタシの前に現れたのが、\\n スターリットだったってわけだぜ」",
"356000421_18": "「そんなの……」",
"356000421_19": "「勘違いすんなよ?\\n 別にアタシは、アタシを売ったやつを恨んだりしてねー」",
"356000421_20": "「悪いのは、この世界だ……ッ!」",
"356000421_21": "「今思えば、アタシの世界はもともと星命力の減少が\\n 進んでたんだろーな。資源も生命も、減っていく一方……」",
"356000421_22": "「足りないから、奪い合い、殺し合う。\\n 小さいときに何度も見た、戦争の仕組みだ」",
"356000421_23": "「ブリッツァーになって、いろんな並行世界を見て、\\n よくわかったぜ」",
"356000421_24": "「程度の差こそあれ、星命力がだんだんと減っている\\n 全ての並行世界は、同じく滅びに向かってる」",
"356000421_25": "「だから、理想郷を作ろうと……?」",
"356000421_26": "「その通りだッ!」",
"356000421_27": "「奪い合うことも、殺し合うこともない。\\n 誰もが幸せな、まさに理想郷――」",
"356000421_28": "「悲しみしか生まない今ある並行世界を全部ぶっ壊して、\\n それを作り上げるッ」",
"356000421_29": "「どうだ?\\n てめーもこの素晴らしさがわかっただろッ」",
"356000421_30": "「…………フォルテの目的はわかった」",
"356000421_31": "「でも、本当にそれが、フォルテのやりたいことなの?\\n あなたは――」",
"356000421_32": "「うっぜーな――」",
"356000421_33": "「ここまで聞いてもなお、\\n グダグダ言おうってーなら――」",
"356000421_34": "「今度こそボコして目を覚まさせてやるぜッ!」"
}

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@ -0,0 +1,41 @@
{
"356000422_0": "「どうしたッ!?\\n 動きが鈍くなってるぜッ」",
"356000422_1": "「く……ッ!」",
"356000422_2": "「それでもッ!\\n この星に生きるみんなが死んでいいわけが――」",
"356000422_3": "「全部を救うことはできねーッ!\\n 現実を受け入れろやああッ」",
"356000422_4": "「ぐあああッ!?」",
"356000422_5": "「はあ……はあ……」",
"356000422_6": "(止められなかったら、この世界の人たちは……。\\n わたしは、また護ることができずに……",
"356000422_7": "「アタシに負ければ、全部てめーの願い通りになるんだ。\\n 辛い戦いは終わって、大切な人は戻ってきて……」",
"356000422_8": "「やめろ、わたしは……ッ!」",
"356000422_9": "「だからもう、諦めちまえよ……ッ!」",
"356000422_10": "「――ッ!」",
"356000422_11": "「諦めるな――ッ!」",
"356000422_12": "「な……ッ!\\n てめーはッ」",
"356000422_13": "「遅くなったデスッ!」",
"356000422_14": "「チッ、この世界の装者たちか?\\n だけど、周りにはレーベンガーがウヨウヨいるはず」",
"356000422_15": "「フフン、アタシたちだけだと思ったら大間違いデスよ……ッ!」",
"356000422_16": "「レーベンガーが止められてッ!?\\n あれは……」",
"356000422_17": "「当研究所の量産型アンドロイド兵ですよッ!」",
"356000422_18": "「先のF.I.S.との戦いでほとんどが大破し、\\n 残った物も調整が必要な状態だったのですが――」",
"356000422_19": "「大天才な僕のおかげで、\\n なんとか間に合いましたね……ッ」",
"356000422_20": "「わたしの助手なら当然――ッ!」",
"356000422_21": "「ですが、戦力差がありますッ!\\n 長くは持ちませんよ……ッ」",
"356000422_22": "「てめーらも、アタシに勝てると思ったら……」",
"356000422_23": "「勝てなくても、少しの隙が作れれば……ッ!」",
"356000422_24": "「なッ!?\\n ヒビキがいねーッ」",
"356000422_25": "「ありがとう、路を作ってくれてッ!\\n この一撃で――」",
"356000422_26": "「止まれえええええええッ!」",
"356000422_27": "「やったデースッ!」",
"356000422_28": "「これで……」",
"356000422_29": "「チッ……、任務失敗かよ」",
"356000422_30": "「今回は退いてやる、\\n だけど、次はしくじらねーぜ」",
"356000422_31": "「待ってろよ、ヒビキ……」",
"356000422_32": "「護れた……」",
"356000422_33": "(だけど、やっと1つの世界が救えただけ……。\\n テスラを止めるのには程遠い",
"356000422_34": "(わたしは、どうしたら……)",
"356000422_35": "「わたしの拳、受けてみろおおおッ!」",
"356000422_36": "「ふう……倒せたかな」",
"356000422_37": "「思ったより、T.E.C.の侵攻が始まっている並行世界が多い……」",
"356000422_38": "「早く、もう1人のわたしを見つけないとッ!」"
}

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@ -0,0 +1,60 @@
{
"356000511_0": "失敗作の願い",
"356000511_1": "「――っていうことなんだ」",
"356000511_2": "「長かったけど、\\n これが、わたしが今戦っている理由」",
"356000511_3": "「そういうことだったの」",
"356000511_4": "「これは驚きましたね」",
"356000511_5": "「話してくれて、ありがとうデス」",
"356000511_6": "「ううん、こっちも、月読さんがテスラと出会った経緯とか、\\n アンドロイドの暁さんのこととか、聞いたから」",
"356000511_7": "「やっと目を覚ませたのに、そのために頑張ってくれた子に\\n 会えないなんて、残念だったね……」",
"356000511_8": "「はいデス……。\\n ただ、あの子は、いなくなったとは限らないのデス」",
"356000511_9": "「え?」",
"356000511_10": "「このチップを見てほしいデス」",
"356000511_11": "「これ……あちこち焼け焦げて……」",
"356000511_12": "「そこに、もう1人の切ちゃんの記憶が記録されている」",
"356000511_13": "「切ちゃんを助けるためにオーバーヒートして、\\n 今はそうやって眠っているけれど……」",
"356000511_14": "「今の我々の科学水準で判断するに、\\n 完全に故障し、復元不可能な状態です」",
"356000511_15": "「でもいつか、もっと科学技術を昇華させて、完璧な状態に\\n 復元してみせる。その時、あの切ちゃんと再会するの」",
"356000511_16": "「アタシも手伝うデスッ! そのために、今は科学者見習い\\n としてお勉強をしているデスよ」",
"356000511_17": "「そっか。会えるといいね……」",
"356000511_18": "「それで、ここまでの経緯はわかったけど、\\n あなたはどうして戦い続けようとしているの」",
"356000511_19": "「え……?」",
"356000511_20": "「大切な人と再会する方法が提示されたのに、\\n なぜそれを拒否するのか理解ができないの」",
"356000511_21": "「ニコラ・テスラの仲間になるだけでいいんでしょ?」",
"356000511_22": "「調ッ!\\n でも、それは……」",
"356000511_23": "「そう、たくさんの並行世界の人々を犠牲にする方法。\\n わたしは、そんなこと……」",
"356000511_24": "「もし、わたしが同じ状況に置かれて、それしか\\n 切ちゃんを助ける方法がなかったら……」",
"356000511_25": "「わたしは、他のすべてより切ちゃんを取るかもしれない。\\n それくらい――」",
"356000511_26": "「ふざけるなッ!」",
"356000511_27": "「ヒ、ヒビキさん――ッ!」",
"356000511_28": "「わたしが、どれだけそうしたいと……ッ!」",
"356000511_29": "「だけど、できないんだ……」",
"356000511_30": "「未来は、誰かに手を伸ばすわたしが好きだと\\n 言ってくれた……」",
"356000511_31": "「それなのに、未来と会うために\\n みんなを犠牲にするなんて――」",
"356000511_32": "「その後で、どんな顔をして未来に\\n 会えばいいって言うんだ……」",
"356000511_33": "「そう……」",
"356000511_34": "「ごめん、熱くなりすぎた」",
"356000511_35": "「ちょっと、頭を冷やしてくる」",
"356000511_36": "「…………」",
"356000511_37": "「そろそろ、行かなくちゃ」",
"356000511_38": "(標的になっている並行世界は、他にもたくさんある。\\n こうしている間にも、消滅しているかもしれないんだ",
"356000511_39": "(でも、移動した先で、\\n もしまたフォルテやララに会ったら……",
"356000511_40": "「ヒビキ」",
"356000511_41": "「――ッ!?」",
"356000511_42": "「ララ、会いに来た」",
"356000511_43": "「ララ……ッ!\\n もしかして、またコンダクターを設置しにッ」",
"356000511_44": "「ナイン。\\n ヒビキ、説得するため」",
"356000511_45": "「『いただきますは、みんな一緒に』……だから、\\n ヒビキも一緒ッ」",
"356000511_46": "「戻ってほしい。\\n もう一度、お料理教えてほしいッ」",
"356000511_47": "「……それは、できないよ」",
"356000511_48": "「ヒビキ、ララのこと嫌い……?」",
"356000511_49": "「そうじゃない……。\\n 頑張り屋なララのこと、嫌いなんかじゃ……ッ」",
"356000511_50": "「ララ……、わたしは戦いたくない。\\n 並行世界を滅ぼすなんて、やめよう」",
"356000511_51": "「ナイン。ララ、ヒビキのこと大切。だけど、\\n テスラ様のこと、もっと大切」",
"356000511_52": "「ヒビキ、テスラ様邪魔する?」",
"356000511_53": "「……うん。ララと戦いたくなんてないけど、\\n わたしも、もっと大切なものがあるんだ」",
"356000511_54": "「交渉決裂……」",
"356000511_55": "「……やっぱり、戦うしかないんだね」",
"356000511_56": "「ヤー……ッ!」",
"356000511_57": "「<size=40>エレクライト、スイッチオンッ!</size>」"
}

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@ -0,0 +1,17 @@
{
"356000512_0": "「ヒビキ、お願いッ!\\n 考え直して……ッ」",
"356000512_1": "「そっちこそッ!」",
"356000512_2": "「ララみたいに優しい人が、\\n どうしてこんなことができるのッ」",
"356000512_3": "「ララは、どんな願いがあって\\n こんなことをしているんだ……ッ」",
"356000512_4": "「ララの願い、テスラ様と同じ……。\\n テスラ様のためなら、ララなんでもできるッ」",
"356000512_5": "「それが誰かを悲しませることでもッ!?",
"356000512_6": " ララ自身は、どう思ってるんだあああッ!」",
"356000512_7": "「ララ自身の想い、関係ない……ッ!」",
"356000512_8": "「――ッ!」",
"356000512_9": "(避けないッ!?\\n どうして……ッ",
"356000512_10": "「く……ッ!」",
"356000512_11": "「その、身体は……」",
"356000512_12": "「ララの身体、機械でできてる」",
"356000512_13": "「ララ、テスラ様に作られた――ッ!」",
"356000512_14": "「――ッ!?」"
}

View file

@ -0,0 +1,8 @@
{
"356000521_0": "「やっぱり……、何かおかしいと思ってた。\\n どうしてララは食卓につくだけで食べないんだろうって……」",
"356000521_1": "「テスラに作られたから、テスラの物だから……。\\n だから、従っているの」",
"356000521_2": "「ナイン。ララ、機械だけど心ある。\\n テスラ様に従う理由もッ」",
"356000521_3": "「ヒビキ戻ってきてほしい。\\n これも、ララ自身の想いッ」",
"356000521_4": "(わかってる。\\n ララが心の無い機械なんかじゃないってことくらい",
"356000521_5": "「だから、戦うのがこんなに苦しいんだ……ッ!」"
}

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@ -0,0 +1,118 @@
{
"356000522_0": "「はあ……はあ……」",
"356000522_1": "「く……、さすが。\\n ヒビキ強い」",
"356000522_2": "「教えてよ……。\\n ララが、テスラに従う理由」",
"356000522_3": "「…………」",
"356000522_4": "「ララ、失敗作」",
"356000522_5": "「そういえば、前にもそう言って……」",
"356000522_6": "「ララ、ララとして作られたんじゃない」",
"356000522_7": "「テスラ様の大切な人、\\n アンドロイドとして蘇るはずだった。そういう計画……」",
"356000522_8": "「だけど、失敗。\\n テスラ様の大切な人、その心は作れなかった」",
"356000522_9": "「代わりに生まれたのが、ララ」",
"356000522_10": "「記憶ない。知能も、いろいろ抜け落ちてる。\\n テスラ様の大切な人、程遠い……」",
"356000522_11": "「だから、ララ失敗作……」",
"356000522_12": "「だからって、ララはララじゃ……」",
"356000522_13": "「失敗じゃなかったら、\\n テスラ様、ワールドシステムを完成させる必要なかった」",
"356000522_14": "「――ッ!」",
"356000522_15": "「ララがララだから……。\\n ララが、あの人じゃなかったからッ」",
"356000522_16": "「それでもララ、頑張る。あの人に近づけるように。\\n テスラ様の役に立つように……ッ」",
"356000522_17": "「失敗作として生まれたララ。\\n そうならないと、意味なんてない」",
"356000522_18": "「生きてていいって、\\n 認めてもらえない……ッ」",
"356000522_19": "「ぐ……ッ!」",
"356000522_20": "「これが、ララの理由。わかった?」",
"356000522_21": "「うん、よくわかった。\\n ララがいつも一生懸命だった理由も」",
"356000522_22": "「だけど……」",
"356000522_23": "「本当に、それでいいの……?」",
"356000522_24": "「どういう、こと?」",
"356000522_25": "「うまく言えないけど……。\\n テスラに従うことが、本当にララにとって大切なことなのかな」",
"356000522_26": "「ララにはララの心があるんでしょ?\\n ララが本当に望んでいることは――」",
"356000522_27": "「黙ってッ!」",
"356000522_28": "「ララの気持ち、嘘なんてない。\\n テスラ様の役に立てれば――」",
"356000522_29": "「――ッ!?」",
"356000522_30": "「ララッ!? どうしたの?」",
"356000522_31": "「聞こえる……声……」",
"356000522_32": "「声? そんなの、全然……」",
"356000522_33": "「うるさい、誰……ッ!?」",
"356000522_34": "「しっかりして……ッ!」",
"356000522_35": "「想定外のバグ……撤退、ララ帰る」",
"356000522_36": "「待ってッ!」",
"356000522_37": "「ヒビキ、諦めないから……ッ!」",
"356000522_38": "「ララ……」",
"356000522_39": "「ヒビキさん、大丈夫デスか……?」",
"356000522_40": "「……ッ!」",
"356000522_41": "「あなたを追いかけてきたのですが、\\n まさか交戦していたとは……」",
"356000522_42": "「追いかけてって、どうして」",
"356000522_43": "「それはつまり……、\\n 謝りに来たんデスよね、調」",
"356000522_44": "「――ッ!",
"356000522_45": " ま、まあ……」",
"356000522_46": "「さっきはあんな言い方して悪かったと思ってる」",
"356000522_47": "「わたしも、大切な人がいない苦しみはわかっているつもり」",
"356000522_48": "「なのに、それを生き返らせる方法を拒絶する\\n あなたの覚悟が、わかっていなかった」",
"356000522_49": "「別に、もう気にしてないよ」",
"356000522_50": "「わかった……」",
"356000522_51": "「ありがとうデス。それからもう1つ、\\n アタシたちから提案があるデスよ」",
"356000522_52": "「提案?」",
"356000522_53": "「うん。わたしたちとあなた……、\\n 一緒にニコラ・テスラと戦わない」",
"356000522_54": "「――ッ!」",
"356000522_55": "「ニコラ・テスラの計画は、\\n もちろんわたしたちも止めたい」",
"356000522_56": "「それに……」",
"356000522_57": "「それに、ヒビキさんのことを手伝いたいんデス」",
"356000522_58": "「1人で戦うには、大きすぎる相手デスよ。\\n 頼りないかもしれないデスけど、アタシたちも一緒に戦うデス」",
"356000522_59": "「もう、一度は一緒に戦った仲でしょう?」",
"356000522_60": "「…………」",
"356000522_61": "「ありがとう。\\n でも、わたしは人で行く」",
"356000522_62": "「どうして……ッ!」",
"356000522_63": "「これは、わたしの戦いなんだ」",
"356000522_64": "「わたしは一度T.E.C.の仲間になって、\\n あいつらの計画を手伝ってしまった」",
"356000522_65": "「そのせいで、たくさんの人が死んだ。\\n だから、償わなくちゃいけない」",
"356000522_66": "「テスラの計画を止めて、\\n 人でも多くの人を救うんだ」",
"356000522_67": "「計画のことは知らなかったんでしょう?\\n どうしてそんなにも――」",
"356000522_68": "「わたしが滅ぼしたのがこの世界だったら?\\n それでも、あなたはわたしに手を貸してくれる……」",
"356000522_69": "「それは……」",
"356000522_70": "「それに、仲間は温かいから……」",
"356000522_71": "「鈍っちゃうんだ、怒りも、覚悟も。その温かさに甘えて、\\n わたしはテスラたちのことを見誤ってしまった」",
"356000522_72": "「でも、そんな戦いは……ッ!」",
"356000522_73": "「1人で行かせてよッ!」",
"356000522_74": "「正直、自分でもわからないんだ」",
"356000522_75": "「償いなんて、\\n もっともらしく聞こえることを言ってみたけれど――」",
"356000522_76": "「一番の理由はきっと、\\n 未来を奪ったテスラが許せないからだッ」",
"356000522_77": "「でも、それなのに……未来に会えるって聞いて、\\n テスラの手を取りたいって思っちゃう自分がいる」",
"356000522_78": "「フォルテやララと仲直りしたいって思っちゃう自分も……」",
"356000522_79": "「そんなわたしの、ぐちゃぐちゃな戦いに、\\n あなたたちを巻き込めない……」",
"356000522_80": "「ごめん……」",
"356000522_81": "「行ってしまったデスね……」",
"356000522_82": "「わたしの申し出を断るなんて」",
"356000522_83": "「もったいないですね。\\n 珍しいことなのに」",
"356000522_84": "「うるさい」",
"356000522_85": "「アイタッ!」",
"356000522_86": "「そ、それで……これからどうします?」",
"356000522_87": "「それは……」",
"356000522_88": "「こ、これは……ッ!?」",
"356000522_89": "「ノイズの討伐完了ッ!\\n あそこから撃ち抜くなんて、さすがオレのクリスだッ」",
"356000522_90": "「偉いからナデナデさせてくれッ!」",
"356000522_91": "「ナデナデって……。\\n そ、それより、帰投して報告をしないと」",
"356000522_92": "「ちぇー、つれないなぁ」",
"356000522_93": "「――ッ!\\n 翼、見て」",
"356000522_94": "「これは……石?」",
"356000522_95": "「光ってる……」",
"356000522_96": "「さっきまでは無かったよな……?」",
"356000522_97": "「何かわかったッ!?」",
"356000522_98": "「いろいろな並行世界で出くわす、\\n 機械仕掛けの怪物についてッ」",
"356000522_99": "「それが、ナツミさんでもさっぱりわからないみたいなの」",
"356000522_100": "「なんでよッ! いつもだったら\\n 『科学的に解明したっス』とか言ってドヤるのにッ」",
"356000522_101": "「ナツミさんでもわからないことなんて……」",
"356000522_102": "「度々観測される並行世界の消滅と無関係とも思えない……。\\n そろそろ、本腰を入れて向き合う必要があるわね……」",
"356000522_103": "「大変っスッ! 大変っスよーッ!」",
"356000522_104": "「怪物について何かわかったのッ!?」",
"356000522_105": "「いや、さっぱりっスけど?」",
"356000522_106": "「じゃあ何よッ!」",
"356000522_107": "「見てください、艦内にこんなものが落ちてたんス」",
"356000522_108": "「光る石……これはなんですか?」",
"356000522_109": "「いやぁ、それが、さっぱりっスッ!」",
"356000522_110": "「……この世界にも、\\n もう人のわたしはいないみたい……」",
"356000522_111": "(だけど、感じる。悲しみ、怒り、戸惑い……。\\n だんだん強くなっているような……",
"356000522_112": "(この感覚の先にもう1人のわたしがいる。\\n だから、早く会いに行かなくちゃ……ッ",
"356000522_113": "「未来たちも心配してる……。\\n もしかしたら、もう戦いが始まっているかも……」",
"356000522_114": "「だから、急がなきゃ」",
"356000522_115": "「絶対に、追いつくんだ……ッ!」"
}

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@ -0,0 +1,8 @@
{
"356000611_0": "君に2度と会えなくても",
"356000611_1": "「今足を止めたら、二度と進めなくなってしまう――。\\n 次の世界は……ッ」",
"356000611_2": "「ここもすでに……」",
"356000611_3": "「ニコラ・テスラ――」",
"356000611_4": "「一体、どれだけの並行世界に\\n コンダクターを設置しているの……」",
"356000611_5": "「わたしに悩んでいる時間は無い。\\n こいつらを倒さないとッ」"
}

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@ -0,0 +1,44 @@
{
"356000612_0": "「そこをどけッ!」",
"356000612_1": "「そしてええええええッ!」",
"356000612_2": "「はあ……はあ……。\\n これで……この世界の人たちも護れたのかな……」",
"356000612_3": "「お腹減ったな……」",
"356000612_4": "(あった、食料……。\\n まだ食べられそう、ありがたい",
"356000612_5": "(少し、休憩しよう)",
"356000612_6": "「起動して、ズノート」",
"356000612_7": "「こんにちは、スターリット。\\n ートくんですッ」",
"356000612_8": "「本日のご用命は?\\n 情報の書き込みですか それとも、読み上げですか」",
"356000612_9": "「コンダクターを設置する予定の並行世界を教えて」",
"356000612_10": "「はいッ! リストアップします……」",
"356000612_11": "「まだこんなに……」",
"356000612_12": "(月読さんや暁さんと別れてから、早くも数日――。\\n いくつかのコンダクターを破壊できたけど、全然間に合わない",
"356000612_13": "(あれから、フォルテやララとも出くわしていない……)",
"356000612_14": "「2人とも、なにしてるかな……」",
"356000612_15": "「いただきますは、みんな一緒に、か……」",
"356000612_16": "「こんな、独りきりの食事じゃなくて、\\n またみんなと食卓を囲めたら……」",
"356000612_17": "「――ッ!」",
"356000612_18": "「わたしは何を考えてるんだ。\\n そんなこと、できるわけないのに……」",
"356000612_19": "「わたしのやるべきことは、T.E.C.を止めること。\\n フォルテやララと、戦うことだ……」",
"356000612_20": "「ねえ、ズノート」",
"356000612_21": "「はい、なんでしょう」",
"356000612_22": "「もしかしたら、エレクライトには\\n もっと強くなれる可能性があるかもしれない」",
"356000612_23": "「ズノートの中には、\\n その情報は入っていないの」",
"356000612_24": "「ええ、ええ。そうかもしれませんねぇ」",
"356000612_25": "「だったら、ロックしてる情報の解除方法を教えてくれない?」",
"356000612_26": "「またまたぁ、あなたがスターリットなら、\\n 当然知っているはずでしょう」",
"356000612_27": "「むかつく……」",
"356000612_28": "「やっぱりダメか」",
"356000612_29": "「ズノート、シャットダウンして」",
"356000612_30": "「シーユーアゲインッ!」",
"356000612_31": "「……行こう」",
"356000612_32": "「この世界には、まだコンダクターが設置されていない……」",
"356000612_33": "「また会ったな」",
"356000612_34": "「ッ!?\\n お前は……」",
"356000612_35": "「第三のブリッツァー……」",
"356000612_36": "「のこのこ現れやがって……ッ!」",
"356000612_37": "「ヒビキ……」",
"356000612_38": "「フォルテとララも――」",
"356000612_39": "「我々の元に、戻ってくる気になったのか?」",
"356000612_40": "「……ううん」",
"356000612_41": "「お前たちを、止めに来たんだ……ッ!」"
}

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@ -0,0 +1,20 @@
{
"356000621_0": "「私たちを止める、か……」",
"356000621_1": "「残念だ。\\n フォルテやララと同じように、同志になれると思ったのだが」",
"356000621_2": "「小日向未来は、\\n 大切な存在ではなかったのか」",
"356000621_3": "「大切な存在、だからこそだ……」",
"356000621_4": "「もし、わたしがあなたの仲間になって、\\n 未来を蘇らせたとしたら……」",
"356000621_5": "「未来は優しいから、\\n きっと、わたしの選択を否定しないよ……」",
"356000621_6": "「お礼を言ってくれるかもしれない。\\n わたしにまた、笑いかけてくれるかもしれない……」",
"356000621_7": "「望み通り、ずっと一緒だ……」",
"356000621_8": "「でもそれは、\\n 未来に同じ罪を背負わせるってことでしょ」",
"356000621_9": "「多くの犠牲を払ったうえで手に入れた日常の中で、\\n 未来の笑顔は輝かないんだ……ッ」",
"356000621_10": "「そんなはずはない……。\\n ただ蘇るわけではない。理想郷を手に入れるのだぞッ」",
"356000621_11": "「理不尽に訪れる不可避の死に、怯えなくてよくなるのだ。\\n 別れという世界のルールを帳消しにできるのだ……ッ」",
"356000621_12": "「犠牲などあって当然。\\n それが些細なものだと思えるほどのリターンだッ」",
"356000621_13": "「テスラ、やっぱり、あなたも……。\\n あなたが理想郷を作ろうとしている理由も……ッ」",
"356000621_14": "「…………」",
"356000621_15": "「あくまで我々の邪魔をしようと言うのなら、\\n そろそろこちらも本気になろうか」",
"356000621_16": "「ひとまず、戦闘不能になってもらおう」",
"356000621_17": "「させてたまるか……ッ!」"
}

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@ -0,0 +1,69 @@
{
"356000622_0": "「負けるかッ!\\n お前らなんかに……ッ」",
"356000622_1": "「ほう……。\\n さらに力が引き上がっているようだな」",
"356000622_2": "「君の意思はわかったが、論理的ではない。\\n いくらこうしたところで、彼女は帰って来ないのだぞ」",
"356000622_3": "「なぜそんなにも――」",
"356000622_4": "「ふざけるな……ッ!」",
"356000622_5": "「お前が未来を奪った相手だってわかったんだ。\\n それを、許せるとでも思うのかッ」",
"356000622_6": "「これは、憎しみの刃だあああッ!」",
"356000622_7": "「滅びゆく世界からレーベンガーによって救済されたのだと\\n 考えてほしいものだが――」",
"356000622_8": "「君の視点では、そう捉えてしまうのも無理はない」",
"356000622_9": "「勝手なことをッ!\\n 未来はお前のせいで――ッ」",
"356000622_10": "「させるかよッ!」",
"356000622_11": "「テスラ様、護る……ッ!」",
"356000622_12": "「――ッ!」",
"356000622_13": "「……だが、わかるぞ。その怒りは」",
"356000622_14": "「私にもいた。そんな相手が。\\n 研究にしか興味がなかった私が、初めて大切だと思う人が」",
"356000622_15": "「だが、現実の世界は残酷だ。どれほど生を手繰ろうと、\\n どれほど死を遠ざけようと、別れは否応なしにやってくる」",
"356000622_16": "「アメリア……」",
"356000622_17": "「――ッ!」",
"356000622_18": "(アメリア……。\\n ートの中に写真が残ってた、あの人だ",
"356000622_19": "(そして、ララの元になっているのも――)",
"356000622_20": "(アメリアを失ってしまったから、テスラは……。\\n もう一度会うためだけに……",
"356000622_21": "(でも――ッ!)",
"356000622_22": "「だからって、こんなことッ!」",
"356000622_23": "「私が決断したことだ。\\n 君の意見を聞くつもりはない」",
"356000622_24": "「フォルテ、ララ、どきなさい。\\n 私がやる」",
"356000622_25": "「あ、ああ」",
"356000622_26": "「なるべく苦しまないように処置しよう」",
"356000622_27": "「――ッ!?」",
"356000622_28": "「う――ッ!」",
"356000622_29": "「<size=40>うわああああああ――ッ!?</size>」",
"356000622_30": "「ヒビキ……ッ!」",
"356000622_31": "「おい、殺すつもりなのかッ!?」",
"356000622_32": "「いいや。T.E.C.には3人のブリッツァーが必要。\\n 予定通り、彼女には戻ってきてもらう」",
"356000622_33": "「<size=40>ぐう……ああああッ!</size>」",
"356000622_34": "「なら、これは……ッ!?」",
"356000622_35": "「電気パルスによって、彼女のシナプスに改変を加える。\\n 彼女の記憶から、小日向未来に関するものを消すのだ」",
"356000622_36": "「――ッ!?」",
"356000622_37": "「やりたくはないが、仕方がない。\\n 彼女の意志は、もはやこうでもしなければ変えられないだろう」",
"356000622_38": "「そうすれば、また仲間に……」",
"356000622_39": "「ふざけ……るな……ッ!\\n 未来を、忘れるなんて……ッ」",
"356000622_40": "「安心しろ、すぐにその感情も消え去る」",
"356000622_41": "(嫌だ――忘れたくなんて――)",
"356000622_42": "「……」",
"356000622_43": "「あなたは――」",
"356000622_44": "「あれ?\\n なんていう名前だったっけ……」",
"356000622_45": "(なんだろう……胸が、ざわつく……。\\n わたしは、この人を知ってるはず……",
"356000622_46": "「……」",
"356000622_47": "「あと1つ、覚えてる……」",
"356000622_48": "「この温かさ……なん……だっけ……」",
"356000622_49": "「でも……やっと会えたよ……響……」",
"356000622_50": "(未来……<speed=1>、</speed>温かい……)",
"356000622_51": "(ああ……そうだ。 わたし、あの時、思い出したんだ……)",
"356000622_52": "(未来は、ずっとわたしの陽だまりだったんだって……)",
"356000622_53": "「そうだよ。やっと、見つけた」",
"356000622_54": "「わたしのいるべき場所はここだったんだ……」",
"356000622_55": "「嫌……だ……」",
"356000622_56": "「なに?」",
"356000622_57": "「未来との想い出だけは、\\n 手放すもんかあああああああッ」",
"356000622_58": "「耐えているというのか……ッ!?」",
"356000622_59": "「ここまで強い想いを……」",
"356000622_60": "「ならば、もっと強く……ッ!」",
"356000622_61": "「<size=40>やめろおおおおおおおおッ!</size>」",
"356000622_62": "「ッ!?」",
"356000622_63": "「ぐう……」",
"356000622_64": "「いまの……声は?」",
"356000622_65": "「お待たせ、わたし……」",
"356000622_66": "「助けに来たよッ!!」"
}

View file

@ -0,0 +1,38 @@
{
"356000711_0": "共同戦線",
"356000711_1": "「立花、響……?」",
"356000711_2": "「うん。もう1人じゃないよッ!」",
"356000711_3": "「どうして、あなたが……。\\n わたしは、あなたを傷つけて――」",
"356000711_4": "「ずっと、声が聞こえてた。\\n 苦しいって、助けてって……ッ」",
"356000711_5": "「……わたしは、助けなんて求めてない」",
"356000711_6": "「ううん、ずっと聞こえてたよ。\\n 同じわたしだもん。わかるんだ」",
"356000711_7": "「同じ、わたし……」",
"356000711_8": "「並行世界の立花響か……」",
"356000711_9": "「そうだよ。\\n ここからは、わたしも相手だッ」",
"356000711_10": "「1人が2人になったところで、\\n 状況が変えられるとでも」",
"356000711_11": "「こちらの総戦力は、\\n 君たちとは比べ物にならないぞ」",
"356000711_12": "「だとして――」",
"356000711_13": "「2人だけじゃないッ!」",
"356000711_14": "「アタシたちも一緒デスッ!」",
"356000711_15": "「――ッ!?」",
"356000711_16": "「柄にもないけど……、\\n あなたのこと、放っておけない」",
"356000711_17": "「アタシたちの世界を救ってくれた、\\n お返しもしたいデスッ」",
"356000711_18": "「お前だな、たった1人で、\\n 無茶してるやつってのは」",
"356000711_19": "「だけど、もう違う……ッ!」",
"356000711_20": "「たまには、共同戦線というのもいいですね」",
"356000711_21": "「フフン、弱っちそうな相手じゃない。\\n わたしたちなら、あっという間よッ」",
"356000711_22": "「みんな、来てくれて……って、いつものみんなじゃないッ!?\\n 並行世界の装者たち……ッ」",
"356000711_23": "「どうして、ここに……ッ!?」",
"356000711_24": "「世界を護るために集った戦士たちというわけか」",
"356000711_25": "「だが、その程度で私の理想は止められない。\\n 止められるわけがない……ッ」",
"356000711_26": "「フォルテ、ララ。行くぞ」",
"356000711_27": "「逃げたッ!?」",
"356000711_28": "「ダメ助手ッ! 移動の痕跡から行方を調べてッ!」",
"356000711_29": "「ええ、すぐにッ!」",
"356000711_30": "「通信? どこから……ってッ!\\n あれは、マリアちゃんたちのエアーキャリアーッ」",
"356000711_31": "「あれでここに?\\n どうして……」",
"356000711_32": "「アタシたちがどうしてここにいるのかといえばデスね……」",
"356000711_33": "「あなたと別れた後、\\n ある人に出会って、頼まれたの。あなたのことを」",
"356000711_34": "「そんな人、わたしに……」",
"356000711_35": "「いるんデスよ。\\n ヒビキさんのことを大切に想っている人が……」"
}

View file

@ -0,0 +1,93 @@
{
"356000721_0": "数日前――",
"356000721_1": "「わたしがいる限り、\\n お前たちの好きにはさせん――ッ」",
"356000721_2": "「よくやってくれたな。ノイズの殲滅を確認した。\\n すぐに迎えを出そう」",
"356000721_3": "「はい、お願いします」",
"356000721_4": "(……立花が姿を消してから、\\n もう何日経っただろうか……",
"356000721_5": "(何もしてやれない自分が不甲斐ない……。\\n せめて、今どうしているのかだけでも知ることができれば……",
"356000721_6": "「ん……?」",
"356000721_7": "「不思議な輝きを放つ石だ。\\n なぜ、こんなものが……」",
"356000721_8": "「なッ!\\n 輝きが増して……ッ」",
"356000721_9": "「……で、気がついたら彼女たちがいたと。\\n 正直、わけがわからないのだが……」",
"356000721_10": "「オレたちだってさっぱりだッ!\\n まさか、別世界のオレに会うとはなー」",
"356000721_11": "「それどころか、先生にまで……」",
"356000721_12": "「この光る石に呼び寄せられたのは間違いないわッ!\\n でも、あなたたちがやったんじゃないのね」",
"356000721_13": "「ああ、身に覚えがないな」",
"356000721_14": "「人智の及ばない異端技術であることは間違いがなさそう。\\n 目的が全く謎だけど」",
"356000721_15": "「突如現れ、並行世界で隔たれた者たちを\\n 集結させる石か……」",
"356000721_16": "「それぞれどこから来た誰なのか、\\n 教えてもらえるか」",
"356000721_17": "「オレは風鳴翼で、\\n こっちの可愛い子が雪音クリスだッ」",
"356000721_18": "「わたしたちの並行世界では、とある組織に所属して\\n シンフォギア装者として活動しています」",
"356000721_19": "「わたしはマリア。装者でAPPLEという部隊の隊長ッ\\n エアーキャリアーで世界から世界へと旅する根無し草よッ」",
"356000721_20": "「初めまして、副隊長のセレナです。ちなみに、この世界には\\n そのエアーキャリアーごと飛ばされてきていまして」",
"356000721_21": "「大きくて恐縮なのですが、表に停めさせていただいています」",
"356000721_22": "「月読調、科学者、シンフォギア装者、無所属、\\n ここではない並行世界から来た」",
"356000721_23": "「暁切歌デスッ! アタシは、シンフォギア装者ではないデスが、\\n この子を使って戦うことも可能デス……ッ」",
"356000721_24": "「調さんの助手である僕ことドクターウェルもいますよ。\\n あ、念のため、装者ではありませんので悪しからず」",
"356000721_25": "「なるほど。\\n つの並行世界からそれぞれ来たというわけか……」",
"356000721_26": "「俺は風鳴弦十郎。\\n ここ、特異災害対策機動部二課で司令を務めている」",
"356000721_27": "「わたしはその二課に所属する装者で、風鳴翼という」",
"356000721_28": "「本来であれば、装者はもう1人いるのだが……、\\n 故あって今は不在だ」",
"356000721_29": "「ふーん……焼け野原となった街に、不在の装者……。\\n ねえ、その装者の名前って、立花響だったりする」",
"356000721_30": "「なぜそれを……ッ!?」",
"356000721_31": "「やっぱり……」",
"356000721_32": "「なぜ知っているのかというと、\\n さっきまで一緒にいたからデスよ」",
"356000721_33": "「なんだとッ!?」",
"356000721_34": "「立花は無事なのかッ!?\\n 頼む、教えてほしい……」",
"356000721_35": "「いいけど……ダメ助手ッ!\\n ダルいから説明は任せた」",
"356000721_36": "「承知しました。僕のいい声で説明いたしましょう。\\n ただ――」",
"356000721_37": "「彼女の状況を説明するに当たって、今、全ての並行世界が\\n 直面している問題についても触れる必要があります」",
"356000721_38": "「くれぐれも、覚悟して聞いてください……」",
"356000721_39": "「――以上となります」",
"356000721_40": "「立花……。ひとまず、生きていてくれてよかった。\\n だが、そんな状況で戦い続けて……」",
"356000721_41": "「レーベンガーを操っているのは、ニコラ・テスラなのだな。\\n ようやく、全てが繋がった」",
"356000721_42": "「異変が起きているのはわかっていたけど、\\n 並行世界の消滅って、とんでもなさすぎじゃないッ」",
"356000721_43": "「このままじゃ、わたしたちの世界も……?」",
"356000721_44": "「そんな奴相手に、どう戦ったら……」",
"356000721_45": "「――ん?」",
"356000721_46": "「たぶんわたしも、風鳴さんと同じことに気づいたと思います」",
"356000721_47": "「え、え、どういうことデスか……ッ!?」",
"356000721_48": "「つまり――」",
"356000721_49": "「つまり、ここにいる人間でニコラ・テスラに対抗する\\n 共同戦線を張るのがベストオブベスト、ということですねッ」",
"356000721_50": "「勝手にしゃべるなッ!」",
"356000721_51": "「良かれと思って……ッ!」",
"356000721_52": "「でもまあ、言いたいのはそういうこと」",
"356000721_53": "「こんな人数の装者が揃うことなんて、\\n そうそうないもんなッ」",
"356000721_54": "「いいわねッ! テスラだかなんだか知らないけど、\\n わたしたちでひねり潰してあげましょうッ」",
"356000721_55": "「実に頼もしいが……、\\n お前たち、自分の世界を不在にしていていいのか」",
"356000721_56": "「ああ、オレたちの世界には、装者の他にも頼もしい存在がいる。\\n しばらくの間なら、たぶん大丈夫だろッ」",
"356000721_57": "「わたしたちはもともと長らく不在にしているし、\\n 残してきたみんなも、最低限身を護る力は有しているわ」",
"356000721_58": "「心配だけど、だからこそ、\\n 早く黒幕を叩くことにするッ」",
"356000721_59": "「わたしたちの世界は、立花響がコンダクターを壊してくれたし、\\n もう一度狙われない限りは大丈夫でしょ」",
"356000721_60": "「みんなと違って、\\n もともと世界を護らなきゃいけないような立場じゃないし」",
"356000721_61": "「そうか。我々は……」",
"356000721_62": "「ノイズや、レーベンガーが現れた時、\\n 皆を護れるのはわたししかいない……」",
"356000721_63": "「わたしは防人として、\\n 立花の帰ってくる場所を護らなければならない」",
"356000721_64": "「すまないが、共同戦線に加わるわけには……」",
"356000721_65": "「気にしないで。\\n それぞれ、やらなきゃいけないことは違うから」",
"356000721_66": "「そうデスよッ! それに、本当は一番、\\n ヒビキさんを助けに行きたいはずデス」",
"356000721_67": "「もちろん、一番の目標はテスラを止めることだけど、\\n 立花響のことも何とかするから、心配しないで」",
"356000721_68": "「…………」",
"356000721_69": "「彼女は、誰よりも大切な人との別れっていう、\\n 苦しみを味わった。その辛さは、わたしもよくわかってる……」",
"356000721_70": "「立花響はそれでも、大事なことを見失わなかった。\\n そのために、もっともっと、苦しみながら……」",
"356000721_71": "「そんな人を、見殺しにはしたくない。\\n だから……」",
"356000721_72": "「フフ、やっぱり調は優しいデス」",
"356000721_73": "「別に……。ただ、放っておけないだけ」",
"356000721_74": "「オレたちだって、見捨てるつもりはないぞ」",
"356000721_75": "「立花響っていえば、知らないわけじゃないからな」",
"356000721_76": "「うん、別の並行世界のだけど。\\n 話を聞いたら、同じようにまっすぐな人なんだってわかる」",
"356000721_77": "「それってひょっとして、S.O.N.G.所属のッ!?」",
"356000721_78": "「なんだ、お前も知ってるのか?」",
"356000721_79": "「はい。わたしたちも、一緒に戦って、\\n 助けてもらったんです」",
"356000721_80": "「わたしたちが助けたんでしょッ!」",
"356000721_81": "「そういうわけだから、同じ響のよしみで、\\n 今度だって助けてあげるわよッ」",
"356000721_82": "「どう頑張ったって、\\n 人じゃできないことは、あるんだから……」",
"356000721_83": "「みんな……ありがとう……」",
"356000721_84": "「立花は強い。\\n だが、心根は優しい、普通の少女なんだ」",
"356000721_85": "「それなのに、強くならざるを得なかったから、\\n 自分に強さを義務付けた」",
"356000721_86": "「そんな立花が、\\n やっと普通の少女としての日常を知って――」",
"356000721_87": "「しかしその矢先に、また失って……。\\n 立花の心はもう限界寸前のはずだ……」",
"356000721_88": "「無理を承知で、立花の仲間としてお願いさせてほしい。\\n 頼む、立花を助けてやってくれ……ッ」",
"356000721_89": "「だから……心配しないでって言ったでしょ」",
"356000721_90": "「わたしたちに任せて」"
}

View file

@ -0,0 +1,19 @@
{
"356000731_0": "「あれから一晩……。\\n 響くんの行先の解析はどうだ」",
"356000731_1": "「ダメ助手に徹夜させてるけど、\\n もう日かかりそう」",
"356000731_2": "「幸い、テスラから並行世界を移動する機構の情報は\\n 貰ってるから。痕跡を辿っていけば、追いつけるはず」",
"356000731_3": "「ああ、よろしく頼む」",
"356000731_4": "「はいそれじゃあ、みなさん集合してくださいッ!」",
"356000731_5": "「わたしたちは、手を取り合ったばかりです。\\n 解析終了までの待ち時間に、訓練をしましょうッ」",
"356000731_6": "「ああ、時間を無駄にはできないもんなッ!」",
"356000731_7": "「先生仕込みの、オレとクリスの実力を見せてやるッ!」",
"356000731_8": "「それは挑発と受け取っていいかしらッ!?\\n セレナ、わたしたちだって、いいとこ見せるわよッ」",
"356000731_9": "「姉さん、目的が変わってますって」",
"356000731_10": "「では、シミュレータルームの用意を――」",
"356000731_11": "「ノイズの反応を検知ッ!」",
"356000731_12": "「第4地区、規模拡大中です……ッ!」",
"356000731_13": "「すぐに出ますッ!」",
"356000731_14": "「訓練が実戦になったみたいね」",
"356000731_15": "「望むところだッ!\\n オレたちも出るぞッ」",
"356000731_16": "「よーし、アタシも行くデスッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,46 @@
{
"356000732_0": "「ただいま戻りました」",
"356000732_1": "「お前、ちっちゃいのになかなかやるなッ!」",
"356000732_2": "「ちっちゃい言うなッ!」",
"356000732_3": "「ただまあ、あなたたちの連携もまあまあだったわよ」",
"356000732_4": "「はあ……、あんまり活躍できなかったデス……」",
"356000732_5": "「装者のみんなはすごいデスね。\\n アタシも、あんな風に歌を力にできたら……」",
"356000732_6": "「切ちゃん、心の声がだだ漏れてる」",
"356000732_7": "「うわあ……ッ!?」",
"356000732_8": "「ち、違うんデス……今のは……ッ!」",
"356000732_9": "「隠さなくても大丈夫。\\n 実はね、切ちゃんの気持ちはわかっていたよ」",
"356000732_10": "「え……」",
"356000732_11": "「さらに言えば、そんな切ちゃんのために、\\n アンドロイド躯体をパワーアップさせる構想もできてる」",
"356000732_12": "「ええッ!?」",
"356000732_13": "「もし、それが実装できたら、アタシも装者の\\n みんなみたいに戦えるデスか……」",
"356000732_14": "「正直、成功するかどうか、五分五分だと思ってる。\\n だから今まで黙ってたんだけど……」",
"356000732_15": "「それでも、お願いしたいデス。\\n アタシも、ヒビキさんのために戦いたいんデス……ッ」",
"356000732_16": "「面白そうな話をしているな?」",
"356000732_17": "「うわあッ!?」",
"356000732_18": "「実は、俺も科学畑の人間でな。\\n その話、一枚噛ませてくれないか」",
"356000732_19": "「科学的な話を聞きつけてあたしが登場しましたッ!」",
"356000732_20": "「誰デスッ!?」",
"356000732_21": "「APPLEの技術担当、ヒメジマ・ナツミです。\\n 以後お見知りおきを」",
"356000732_22": "「あなたのアンドロイド躯体、マジイカスっスねッ!」",
"356000732_23": "「しかも、さらなるチューンアップを計画しているとかッ!?」",
"356000732_24": "「ちょっと、切ちゃんの躯体を、\\n 誰かに弄らせるようなことは――」",
"356000732_25": "「もちろん、君の助手扱いで構わない」",
"356000732_26": "「どんどんこき使ってくださいっスッ!」",
"356000732_27": "「まあ正直、時間も無いし助かるけど……」",
"356000732_28": "「心強いデスッ!",
"356000732_29": " だけど、どうしてそんなに……」",
"356000732_30": "「そんなのッ! 決まってるじゃないっスかッ!\\n 相手は『あの』ニコラ・テスラっスよッ」",
"356000732_31": "「ああ。敵とはいえ、科学を志す者なら\\n 尊敬せずにはいられない相手だ」",
"356000732_32": "「そんな相手に、我々の科学がどれだけ通用するのかッ!」",
"356000732_33": "「考えただけで身が震える……ッ!」",
"356000732_34": "「あ、サインもお願いしていいっスか?」",
"356000732_35": "「こいつら……ダメ助手並みにダルそう……」",
"356000732_36": "「――とまあ、そんなこんながあって、\\n わたしたちはここにいるってわけ」",
"356000732_37": "「ヒビキさんの世界の翼さんから、\\n 伝言があるデス」",
"356000732_38": "「じゃあ、オレから。\\n あー、オホン――」",
"356000732_39": "「立花の帰るべき場所はわたしが必ず護り抜く」",
"356000732_40": "「納得のいく答えが見つけられたら、\\n いや、道半ばでもいい。必ずここに帰ってきてくれ」",
"356000732_41": "「傍にいなくても、お前を想う仲間がどこかにいるということを、\\n 忘れないでくれ……」",
"356000732_42": "「翼さん……」",
"356000732_43": "「今も、わたしのことを想っててくれたんだ。\\n わたしにはまだ、帰る場所が……」"
}

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@ -0,0 +1,39 @@
{
"356000811_0": "闘いたくなんてない",
"356000811_1": "「みんな、テスラを止めるために……、\\n あなたを助けるために来てくれたんだ……ッ」",
"356000811_2": "「…………」",
"356000811_3": "「もちろん、わたしもだよ。\\n さあ、立てる」",
"356000811_4": "(伸ばされた手……。\\n だけど、この手を取ることは――",
"356000811_5": "「わたしは……あいつらを止めなきゃならない。\\n 目的が一緒って言うならそれでいい」",
"356000811_6": "「でも、手を取り合う必要はない。\\n わたしに仲間はいらないんだ……」",
"356000811_7": "「そっか……。うん」",
"356000811_8": "「――ッ!?」",
"356000811_9": "「この揺れは……コンダクターのッ!?」",
"356000811_10": "「テスラの移動先は別の並行世界ではありませんッ!\\n ここから西方の街に……ッ」",
"356000811_11": "「コンダクターも、その街の上空にあるみたいっスよ……ッ!」",
"356000811_12": "「――ッ!\\n 行かないと……ッ」",
"356000811_13": "「あ、待って……ッ!」",
"356000811_14": "「ああッ!\\n 人とも行ってしまったデス……ッ」",
"356000811_15": "「何よ、つれないわねッ!」",
"356000811_16": "「ここまで1人で戦い続けてきたんです。\\n 無理もありません」",
"356000811_17": "「手を取り合おうって、話している余裕なんてないよね。\\n わたしたちも、今は……ッ」",
"356000811_18": "「ああ。この世界にも、生きている人々がいるはずだ。\\n 行こう、コンダクターを止めるぞ……ッ」",
"356000811_19": "「邪魔だッ!」",
"356000811_20": "「通してッ!」",
"356000811_21": "「あった……ッ!」",
"356000811_22": "「コンダクター……やっぱり起動してるッ!」",
"356000811_23": "「――ッ!」",
"356000811_24": "「あなたたち……」",
"356000811_25": "「ララ、ヒビキを待ってた」",
"356000811_26": "「これ以上、計画の邪魔はさせねー。\\n アタシたちが相手をしてやるぜ」",
"356000811_27": "「やっぱり、わたしたちは戦うしかないんだね……」",
"356000811_28": "「わかった。2人とも倒して、先に進むッ!」",
"356000811_29": "「2対2なら――ッ!!」",
"356000811_30": "「待つんだ、ガングニールの装者」",
"356000811_31": "「君の相手は私だよ」",
"356000811_32": "「丸腰の相手とは戦えませんッ!?\\n それより、話し合いを――」",
"356000811_33": "「一度は私に倒されておきながら……変わった少女だ」",
"356000811_34": "「だが、私は話し合いをする気などないぞ……ッ!」",
"356000811_35": "「――ッ!」",
"356000811_36": "「それでも、手を伸ばし続けますッ!」"
}

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@ -0,0 +1,30 @@
{
"356000812_0": "「こっちも、おっぱじめようッ!\\n このまま突っ込むッ」",
"356000812_1": "「あんな風に1人で先行したら、\\n あっという間に囲まれて――ッ」",
"356000812_2": "「そのために、わたしがいる」",
"356000812_3": "「サンキュー、クリスッ!」",
"356000812_4": "「すごい狙撃の腕ですッ!」",
"356000812_5": "「むう、正直うちに欲しい腕前ね……」",
"356000812_6": "「っと、見てる場合じゃなかった。\\n セレナ、わたしたちも行くわよッ」",
"356000812_7": "「はい……ッ!」",
"356000812_8": "「レーベンガー……ッ!\\n この前にも増して――」",
"356000812_9": "「いっぱいいるね……。\\n でも、こっちだって……ッ」",
"356000812_10": "「始まったようだな。\\n だが、大量のレーベンガーを相手にどれほど通用するか……」",
"356000812_11": "「わたしたちの力を、\\n 歌の力をなめるな……ッ」",
"356000812_12": "「歌による、聖遺物……神の力の励起――、\\n 確かに面白い」",
"356000812_13": "「だが、私の発明したエレクライトは、\\n 神への反逆の狼煙として作り上げたもの」",
"356000812_14": "「我が計画を阻止せんとする神の使いに\\n 対抗するためにな」",
"356000812_15": "「何が言いたいんだッ!」",
"356000812_16": "「シンフォギアで、私を止めようなど\\n 思い上がりだということだ……ッ」",
"356000812_17": "「電撃ッ!?」",
"356000812_18": "「はあああッ!」",
"356000812_19": "「拳の衝撃波でかき消したか。\\n だが、そう長くは持たないぞ」",
"356000812_20": "(今のは……テスラが操る電撃……ッ!\\n この前も、あれにやられて……",
"356000812_21": "(エレクライトみたいな装備は纏っていないように\\n 見えるのに、どうやって……ッ",
"356000812_22": "「次だッ!」",
"356000812_23": "「く……ッ!」",
"356000812_24": "「わたしは、カガク的なことは何もわかりません。\\n なら、考えてもしょうがない……ッ」",
"356000812_25": "「この世界の崩壊を止めるために、\\n わたしを人にしないために――」",
"356000812_26": "「ただただ前に進むだけだあああああッ!」",
"356000812_27": "「特攻……。愚かな――ッ!」"
}

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@ -0,0 +1,17 @@
{
"356000821_0": "「もう、こんなこと……、\\n やめるんだ……ッ」",
"356000821_1": "「言ったはずだぜ、\\n その気はねーッ」",
"356000821_2": "「やめること、できないッ!\\n テスラ様のため、理想郷作るため……ッ」",
"356000821_3": "「並行世界には、わたしと同じ、立花響がいる。\\n だけどそれはわたしじゃないッ」",
"356000821_4": "「それぞれの並行世界にいる人には、\\n みんな違う命があるんだ……ッ」",
"356000821_5": "「並行世界があるから、\\n わたしたちだって出会えたんじゃないか――ッ」",
"356000821_6": "「――ッ!」",
"356000821_7": "「確かにそうだぜ。誰にだって考えがあって、大切なもんがある。\\n だけどな、それはいずれ失われるッ」",
"356000821_8": "「せっかく出会ったアタシとヒビキも、いずれは別れる運命だッ!\\n そんな世界はぶっ壊してやろうってことじゃねーか……ッ」",
"356000821_9": "「その先、悲しまない世界がある。\\n テスラ様の考えわかってッ」",
"356000821_10": "「ララ、ヒビキと戦いたくないッ!」",
"356000821_11": "「なのに、なんで負けてくれねーんだッ!」",
"356000821_12": "「わたしだって、戦いたくなんてない。\\n また一緒に食事がしたい……」",
"356000821_13": "「だけど、わたしがわたしであるために……、",
"356000821_14": " 負けるわけには、いかないんだああああああッ!」"
}

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@ -0,0 +1,24 @@
{
"356000822_0": "「はあ……はあ……」",
"356000822_1": "「チッ、2人がかりで、どうして止められねーッ!」",
"356000822_2": "(互角……でも、互角じゃダメなんだッ!\\n この世界には、タイムリミットが……",
"356000822_3": "「――ッ!\\n く……、さらに星命力の吸収が進んで……ッ」",
"356000822_4": "「うわああああああッ!\\n こっちに来ないでくれ……ッ」",
"356000822_5": "「誰か……助けて……ッ!」",
"356000822_6": "「こちらエアーキャリアーッ!\\n 目標捕捉、電気ショックガン撃ち込みますッ」",
"356000822_7": "「よくやったわッ!」",
"356000822_8": "「これに懲りたら、もうオイタはダメですよ?」",
"356000822_9": "「すごいなッ! ウチの潜水艦も飛べたらいいのに――」",
"356000822_10": "「って、こっちにまだこんなに……ッ!」",
"356000822_11": "「うーん……、そうだッ!\\n クリス、この廃ビル倒すの手伝ってくれッ」",
"356000822_12": "「瓦礫で、まとめて下敷きにしてやるッ!」",
"356000822_13": "「……わかった。翼は右の支柱を」",
"356000822_14": "「ああッ!",
"356000822_15": " だああああああッ!」",
"356000822_16": "「よしッ! 一網打尽だッ!」",
"356000822_17": "「……すごい。どんどんレーベンガーを倒して……」",
"356000822_18": "「よそ見かよッ!\\n よゆーだな……ッ」",
"356000822_19": "「ぐう……。\\n ダメだ、今は人に集中しないとッ」",
"356000822_20": "(みんなが、人々を護ってくれている。\\n 今のうちにフォルテとララを止めて……",
"356000822_21": "「世界の消滅を防ぐんだ……ッ!」"
}

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@ -0,0 +1,57 @@
{
"356000911_0": "心響く歌",
"356000911_1": "「う、うわあああああッ!」",
"356000911_2": "「来ないでくれええええッ!」",
"356000911_3": "「……なんてなッ!\\n 標的の誘引に成功ッ」",
"356000911_4": "「――ッ!」",
"356000911_5": "「袋のネズミよッ!\\n 一斉掃射、放て……ッ」",
"356000911_6": "「トドメはわたしが……ッ!」",
"356000911_7": "「よし、作戦通りですね」",
"356000911_8": "「コンダクター到達まで、あと少――」",
"356000911_9": "「――ッ!?\\n 回り込まれて……ッ」",
"356000911_10": "「させるかああああああッ!」",
"356000911_11": "「ありがとうございます……ッ!」",
"356000911_12": "「当然よッ!」",
"356000911_13": "「わたしは隊長ッ! 仲間だって市民だってヒビキだって、\\n まとめて護ってやるんだから……ッ」",
"356000911_14": "「おらおらおら……ッ!」",
"356000911_15": "「よし……っとッ!\\n  次の相手はお前か」",
"356000911_16": "「おわッ!?\\n こいつ、なかなか動けるじゃないか……ッ」",
"356000911_17": "「なら、こいつでどうだッ!」",
"356000911_18": "「止められて……ッ!?\\n ヤバ――」",
"356000911_19": "「翼、跳んでッ!」",
"356000911_20": "「――ッ!」",
"356000911_21": "「そこ……ッ!」",
"356000911_22": "「体勢を崩したな……ッ!」",
"356000911_23": "「よしッ!\\n クリス、ありが――」",
"356000911_24": "「後ろだッ!」",
"356000911_25": "「――ッ!」",
"356000911_26": "「わたしの背後に立って……」",
"356000911_27": "「無事に済むと思わないでッ!」",
"356000911_28": "「さっすがオレのクリスッ!\\n 接近戦も頼りになるなッ」",
"356000911_29": "「大好きだぞーッ!」",
"356000911_30": "「今、関係ないから……」",
"356000911_31": "「それより、先に進もう。\\n テスラを止めて、あの子を助けるんでしょう」",
"356000911_32": "「……ああッ!」",
"356000911_33": "「他ならぬ、『<ruby=オレ>風鳴翼</ruby>』の頼みだからな……ッ!」",
"356000911_34": "「さすが、みんな強いのデス……ッ!」",
"356000911_35": "「切ちゃんだって戦える。\\n そのために実装したユニットだもん」",
"356000911_36": "「間に合わせてくれて、ありがとうデス」",
"356000911_37": "「この際出し惜しみは無し、\\n ぶっつけ本番デスけど、起動するデスよ……ッ」",
"356000911_38": "「うん。\\n 聴いて、切ちゃん。わたしの歌を……ッ」",
"356000911_39": "「お願いするデスッ!\\n 調の歌が、アタシの力になるデスよ……ッ」",
"356000911_40": "「ズルいですよッ! 僕がテスラの行方を特定している間に、\\n そんな楽しそうなことをしていたなんてッ」",
"356000911_41": "「……すいませんっス、\\n つい科学者の血が騒いで」",
"356000911_42": "「いやー、楽しかったっスよー」",
"356000911_43": "「それで、どんな魔改造をッ!?」",
"356000911_44": "「フォニックゲイン集音ユニット――、フォニックゲインを\\n エネルギーとして運用する回路を組み込んだっスッ」",
"356000911_45": "「つまり、もともとの強さに、調さんから供給された\\n フォニックゲインを攻撃力として上乗せできるっスよッ」",
"356000911_46": "「それは素晴らしいッ!\\n 人寄ればなんとやらとはよく言ったものです」",
"356000911_47": "「あたしと弦十郎さんは手伝っただけっス」",
"356000911_48": "「もともと、歌の力を持たなくて悩む切歌さんのために、\\n 調さんが構想していたみたいっスよ」",
"356000911_49": "「『切ちゃんの分までわたしが唄う』\\n いやー、泣かせるじゃないっスか」",
"356000911_50": "「感じるデス……調の歌……調の想い……」",
"356000911_51": "「うん。シンフォギアを真似た無理矢理な実装だから、\\n 安定はしないけど、切ちゃんなら使いこなせるよね」",
"356000911_52": "「当たり前デスッ!」",
"356000911_53": "「眠りながら、調のことをずっと見守ってきたデス。\\n 調の想いも、今までたくさんたくさん受け取ってきたデスよ」",
"356000911_54": "「だから、この力をどうすればいいか、\\n 考えなくてもわかるデス……ッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,26 @@
{
"356000912_0": "(もう、言葉はいらないデスッ!)",
"356000912_1": "(うん、歌で全部繋がってるッ!)",
"356000912_2": "「はああああッ!」",
"356000912_3": "「いいぞ……ッ!\\n その勢いで――」",
"356000912_4": "「わたしたちも……ッ!」",
"356000912_5": "「路が開きましたッ!」",
"356000912_6": "「このまま、コンダクターを破壊すればッ!」",
"356000912_7": "「この世界は救えるデス……ッ!」",
"356000912_8": "「フォルテ、あっち……ッ!」",
"356000912_9": "「やべーなッ!\\n あいつら、レーベンガーをまるっと片付けやがったッ」",
"356000912_10": "「…………」",
"356000912_11": "(聴こえてくる……これは、みんなの歌……)",
"356000912_12": "「すごい、みんな……ッ!」",
"356000912_13": "「総合戦力が私の想定を超えたのか。\\n ――ならば」",
"356000912_14": "「行かせないッ!\\n あなたはわたしがここに足止めするッ」",
"356000912_15": "「コンダクターを護らせになんか――」",
"356000912_16": "「いや、私が赴く必要はない。\\n すでに手は打ってある」",
"356000912_17": "「――えッ!?」",
"356000912_18": "「行くぞッ!\\n あんなもの、ぶっ壊して――」",
"356000912_19": "「あの光――、\\n 何が起こっているのッ」",
"356000912_20": "「コンダクターを通して何かが転送されてきている……、\\n これは、マズいですよ……ッ」",
"356000912_21": "「その前にあれを壊せば……ッ!」",
"356000912_22": "「ダメ、間に合わないッ!」",
"356000912_23": "「あれも、レーベンガーッ!?\\n なんなのよ、あの大きさはッ」"
}

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@ -0,0 +1,14 @@
{
"356000921_0": "「あ、あれは……」",
"356000921_1": "「新型だ。\\n 試験運用をするにはちょうどいい場だろう」",
"356000921_2": "「こちらも、そろそろ終わりにしよう――」",
"356000921_3": "「まずは厄介なその機動力を奪う」",
"356000921_4": "「な……ッ!」",
"356000921_5": "「身動きが取れないッ!?」",
"356000921_6": "「言っただろう、シンフォギアでは私に敵わないと」",
"356000921_7": "「で、でっかいデースッ!?」",
"356000921_8": "「わたしたちを\\n コンダクターに近づけさせないつもりですね……ッ」",
"356000921_9": "「だけど、デカいだけのウスノロなら――」",
"356000921_10": "「数とスピードで翻弄して、\\n 弱点――あのアンテナとコイルを叩くッ」",
"356000921_11": "「いい作戦ねッ! 乗ったわッ!」"
}

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@ -0,0 +1,25 @@
{
"356000922_0": "「こ、こいつ……」",
"356000922_1": "「硬い――ッ!」",
"356000922_2": "「全力で攻撃してもビクともしないわよッ!?」",
"356000922_3": "「腕がジーンとしたデス。\\n 調の歌で強化したアタシでも……」",
"356000922_4": "「これはッ!?\\n みんな、退避を――」",
"356000922_5": "「<size=40>ああああああああああッ!?</size>」",
"356000922_6": "「トドメを刺しに来ない……。\\n コンダクターの傍から離れないつもりか……」",
"356000922_7": "「それにしても、なんて防御力と攻撃力……」",
"356000922_8": "「防御を崩すために攻撃を重ねるにしても……」",
"356000922_9": "「今の放電攻撃があるってわかってたら、\\n 迂闊に近づけないわよッ」",
"356000922_10": "「ああ、一撃で仕留める必要があるな……」",
"356000922_11": "「今の攻防から、\\n 大型レーベンガーの装甲の頑丈さを推定しました」",
"356000922_12": "「その硬度は\\n ロンズデーライトを優に超えて――」",
"356000922_13": "「つまり、どういうことだよッ!?」",
"356000922_14": "「つまり、装者の攻撃一度や二度で\\n どうこうできるものではありませんッ」",
"356000922_15": "「ただ……、みんなの攻撃を同時に一か所に叩き込めれば、\\n 話は別っスッ」",
"356000922_16": "「みんなで同時にか……。\\n せーので突っ込んだらいけるか」",
"356000922_17": "「それは、現実的じゃないわ」",
"356000922_18": "「それぞれのパートナー同士ならともかく、\\n わたしたち人の息を完全に合わせるなんて……」",
"356000922_19": "「じゃあ、どうしたら――」",
"356000922_20": "「だったらッ!」",
"356000922_21": "「切ちゃん……?」",
"356000922_22": "「アタシに、行かせてほしいのデス……ッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,71 @@
{
"356000931_0": "「切歌さんッ!? 遠隔操作といっても、\\n ダメージのフィードバックはあるのですよッ」",
"356000931_1": "「それが大きければ、最悪死ぬことも……」",
"356000931_2": "「あうう、混乱するから、\\n こっちのアタシに話しかけないでほしいデスッ」",
"356000931_3": "「切ちゃん、どういうこと?」",
"356000931_4": "「調がこの身体に、歌を力にするための\\n ユニットを組みこんでくれたデス」",
"356000931_5": "「だから、ここにいる5人の歌を、\\n アタシが集めて、あいつにぶつけられれば――」",
"356000931_6": "「なるほど……。\\n 理論上は可能っスね」",
"356000931_7": "「ですが……」",
"356000931_8": "「そんなの危険すぎる……ッ!」",
"356000931_9": "「失敗すれば格好の餌食だし、\\n そもそも、エネルギー量が多すぎるッ」",
"356000931_10": "「制御できる保証なんて……」",
"356000931_11": "「まさかお前、自分が犠牲になってでも……ってハラか?」",
"356000931_12": "「――ッ!」",
"356000931_13": "「ううん、そんなことしないデスよ」",
"356000931_14": "「アタシはもう二度と、\\n 調の傍からいなくなるつもりはないデス」",
"356000931_15": "「でも、1人で行くなんてッ!」",
"356000931_16": "「1人じゃないデスよッ!\\n みんなの歌が支えてくれるって信じるデス」",
"356000931_17": "「それに、もう1人の切歌も、ついているデスから……」",
"356000931_18": "「調さん、どうですか……?」",
"356000931_19": "「……わかった。\\n でも、帰って来なかったら承知しないから……ッ」",
"356000931_20": "「はい、約束するデスッ!」",
"356000931_21": "「ダメ助手、リアルタイムで\\n システムを書き換えてッ」",
"356000931_22": "「もうやっていますッ!\\n すぐに調整できますよッ」",
"356000931_23": "「決まったわね。わたしたちの歌をあなたに託すわッ!\\n それじゃあ、配置についてッ」",
"356000931_24": "(あいつまで届け――)",
"356000931_25": "(わたしたちの、胸の歌……)",
"356000931_26": "(精いっぱい唄うから――)",
"356000931_27": "(どうか、受け止めてくださいッ!)",
"356000931_28": "(切ちゃん、お願い……ッ!)",
"356000931_29": "「流れ込んで、来たデス……、\\n みんなの、想いが……ッ」",
"356000931_30": "「この力を、1つに集めて――、",
"356000931_31": " やあああああああッ!」",
"356000931_32": "「――ッ!?」",
"356000931_33": "「うああッ!\\n な、なんで……ッ」",
"356000931_34": "「切ちゃん……ッ!?」",
"356000931_35": "「……ッ!\\n フォニックゲインが制御できてないっスッ」",
"356000931_36": "「理論上は問題ないはずなんスが、どこに原因が……」",
"356000931_37": "「ど、どうしてデス……?\\n 調と違って、みんなの想いがわからないデス」",
"356000931_38": "「なるほど……ッ!\\n ひらめきました」",
"356000931_39": "「ダメ助手、どういうことッ!?」",
"356000931_40": "「エネルギー総量の問題ではなく、性質の問題なのですよ。\\n 歌は装者の心象そのもの……」",
"356000931_41": "「強烈な個性をお持ちのみなさんの歌は、\\n つにまとめるにはあまりにてんでバラバラなのです」",
"356000931_42": "「じゃあやっぱり、この作戦は無理ってことッ!?」",
"356000931_43": "「いいえ、そこで……」",
"356000931_44": "「<size=40>愛、ですよッ!!</size>」",
"356000931_45": "「<size=40>なぜそこで愛……ッ!?</size>」",
"356000931_46": "「そんな非科学的なもので……」",
"356000931_47": "「愛の力をなめてはいけません」",
"356000931_48": "「想いがバラバラなら、揃えればいいのです。\\n 愛によってッ」",
"356000931_49": "「例えば……、\\n みなさん、僕への愛を思い浮かべながら唄ってくださいッ」",
"356000931_50": "「<size=40>そんなもんあるかッ!</size>」",
"356000931_51": "「でも……、\\n その仮定はきっと、間違ってない」",
"356000931_52": "「みんな、考えて。どうしてここに来たのかを。\\n 誰を、助けてあげたいのかを……ッ」",
"356000931_53": "「助けたい相手……」",
"356000931_54": "「それは……ッ!」",
"356000931_55": "「立花は強い。\\n だが、心根は優しい、普通の少女なんだ」",
"356000931_56": "「それなのに、強くならざるを得なかったから、\\n 自分に強さを義務付けた」",
"356000931_57": "「そんな立花が、\\n やっと普通の少女としての日常を知って――」",
"356000931_58": "「しかしその矢先に、また失って……。\\n 立花の心はもう限界寸前のはずだ……」",
"356000931_59": "「無理を承知で、立花の仲間としてお願いさせてほしい。\\n 頼む、立花を助けてやってくれ……ッ」",
"356000931_60": "(見えて……来たデス……。\\n みんなの想い……",
"356000931_61": "(そうデス……アタシもおんなじデスよ。\\n アタシたちは、ヒビキさんを助けに来たんデス……ッ",
"356000931_62": "(アタシを失った調の傍には、\\n もう人の切歌がいてくれた",
"356000931_63": "(今度はその子がいなくなって、悲しいデスけど、\\n 調と一緒に、帰ってくる日を待っているデス",
"356000931_64": "(でもヒビキさんは、大切な人が帰ってくる\\n 可能性を自ら捨てて、傍には誰もいなくて……",
"356000931_65": "(そんなの、おかしいデスッ!)",
"356000931_66": "(傍にいてあげたい、一緒に戦いたい。\\n これが、アタシたちの想いなんデスッ",
"356000931_67": "「みんなの想い、確かに受け取ったデスよッ!」",
"356000931_68": "「あとはアイツに、ぶつけるだけデースッ!」"
}

View file

@ -0,0 +1,19 @@
{
"356000932_0": "「エヘヘ、やったデス……」",
"356000932_1": "「あのドでけーレーベンガーがやられたッ!?」",
"356000932_2": "「そんな……」",
"356000932_3": "「今の、歌は……」",
"356000932_4": "(なんで、こんなに温かく響いて……)",
"356000932_5": "(もうわたしの中には、\\n 歌う心なんて残っていないのに……",
"356000932_6": "「すぐにまた、新型レーベンガーを転送しよう。\\n 限界を迎えた装者たちに、これ以上の戦いはできまい」",
"356000932_7": "「あれがやられるとは計算外だったが――」",
"356000932_8": "「計算なんかで計れるものかッ!\\n 胸の歌はッ」",
"356000932_9": "「――ッ!」",
"356000932_10": "「聴こえたよ、みんなの歌ッ!\\n わたしも同じ気持ちだ。だからッ」",
"356000932_11": "「だあああああッ!」",
"356000932_12": "「私の拘束を解いただとッ!?」",
"356000932_13": "「みんなが掴んだチャンス、無駄にはさせないッ!」",
"356000932_14": "「<size=40>ぶっとべえええええええええッ!</size>」",
"356000932_15": "「コンダクターを、\\n 破壊できた……」",
"356000932_16": "「やったよッ! みんな、それからわたしッ!\\n わたしたちが、勝ったんだッ」"
}

View file

@ -0,0 +1,60 @@
{
"356001011_0": "閃光と虹の果てに",
"356001011_1": "「まさか、コンダクターの破壊を\\n 許してしまうとはな」",
"356001011_2": "「ごめんなさい……、\\n ララたち、ヒビキ止めるので精いっぱい」",
"356001011_3": "「やられたぜ……。\\n これが装者たちの力かよ……ッ」",
"356001011_4": "「大丈夫? もう1人のわたし」",
"356001011_5": "「うん。でも、わたしは何もできなかった……」",
"356001011_6": "「ううん、2人を止めてくれていたおかげだよ」",
"356001011_7": "「…………」",
"356001011_8": "「ちょっとッ!\\n いいところだけ持って行くんじゃないわよ、立花響ッ」",
"356001011_9": "「そうだぞッ!\\n コンダクターはオレがぶっ壊そうと思ったのにッ」",
"356001011_10": "「ええッ!?」",
"356001011_11": "「わたしたちは消耗してしまって、\\n すぐに動けない状態だったじゃないですか」",
"356001011_12": "「そうだけど……」",
"356001011_13": "「まあいいや、まだ戦いは終わってないッ!\\n この勢いで、ニコラ・テスラを止めてやる」",
"356001011_14": "「うん。レーベンガーを失った今のあいつなら……」",
"356001011_15": "「アタシも、もう少し頑張るデス……ッ!」",
"356001011_16": "「ニコラ・テスラはどうするつもりだろう」",
"356001011_17": "「わたしたちを倒して、もう一度コンダクターを設置するのか、\\n ここは諦めて、他の世界を狙いに行くか……」",
"356001011_18": "「どちらにせよ、\\n やらせはしませんよッ」",
"356001011_19": "「…………」",
"356001011_20": "「どちらも違うな。\\n もう、コンダクターを新たに設置する必要は無くなった」",
"356001011_21": "「え……?」",
"356001011_22": "「つまり、計画を中止するってことですかッ!?」",
"356001011_23": "「ナイン。その逆ッ!」",
"356001011_24": "「ついに溜まったんだな……ッ!」",
"356001011_25": "「ああ、たった今な」",
"356001011_26": "「どういう、ことだ……ッ!」",
"356001011_27": "「ワールドシステムは、\\n 段階の手順を踏むことで完成する」",
"356001011_28": "「1段階目は、各並行世界に設置したコンダクターにより\\n 星命力を一定量まで集めること」",
"356001011_29": "「2段階目が、集めた星命力によって、\\n ウォーデンクリフタワーを起動させることだ」",
"356001011_30": "「ウォーデンクリフ、タワー……?」",
"356001011_31": "「そう、ワールドシステムの要だ」",
"356001011_32": "「コンダクターは、ウォーデンクリフタワーを起動するために\\n 必要となるエネルギーを集積する装置にすぎない」",
"356001011_33": "「ひとたびウォーデンクリフタワーが起動すれば、\\n 全ての並行世界から、星命力の回収が同時に行われる」",
"356001011_34": "「並行世界の消滅は急加速し、\\n 星命力がウォーデンクリフタワーを中心に統合されるのだ」",
"356001011_35": "「そしてついに完成するというわけだ、私の理想郷がッ!」",
"356001011_36": "「全部の並行世界を、同時に……ッ!?\\n てことは、オレたちの世界も標的に……」",
"356001011_37": "「めちゃめちゃヤバいじゃないッ! せっかくコンダクターを\\n 壊したのに、そんなのがあるんじゃ……」",
"356001011_38": "「言っただろう、コンダクターは、ウォーデンクリフタワーを\\n 起動させるための繋ぎに過ぎないと」",
"356001011_39": "「コンダクター、たくさんの世界設置した」",
"356001011_40": "「ああ、だから今さらお前たちにいくつか壊されたくらいで、\\n 計画に支障はねーんだよッ」",
"356001011_41": "「結局最後には、全ての並行世界が消えちまうんだッ!」",
"356001011_42": "「そんな……」",
"356001011_43": "「なら、今が最後のチャンスだ……」",
"356001011_44": "「そういうこと。\\n 起動される前に、あなたを止める……ッ」",
"356001011_45": "「それをさせると思うのか?」",
"356001011_46": "「理想の成就を前に、私も少々気が急いている。\\n 手加減はできないぞ……ッ」",
"356001011_47": "「この、攻撃は……ッ!」",
"356001011_48": "「放電ッ!? こんなの、防ぎようが……ッ!」",
"356001011_49": "「<size=40>うあああああああッ!?</size>」",
"356001011_50": "「では行こう。ウォーデンクリフタワーを起動しに――」",
"356001011_51": "「行かせるかああああ……ッ!」",
"356001011_52": "「君か……」",
"356001011_53": "「この程度の攻撃で、倒れるもんか……。\\n お前を止めてやる。この手で――ッ」",
"356001011_54": "「させるかよッ!」\\n「させないッ」",
"356001011_55": "「ぐあッ!?」",
"356001011_56": "「それでもなお、私を止めるつもりならば追ってくるがいい。\\n 私たちは、あの場所で君を待つ」",
"356001011_57": "「ま……て……」"
}

View file

@ -0,0 +1,127 @@
{
"356001021_0": "「みんな、一通りの治療は終わったわね」",
"356001021_1": "「うん、ありがとうッ!\\n ぐっすり寝て、もう大丈夫だよッ」",
"356001021_2": "「それで、もう1人のわたしは……」",
"356001021_3": "「ダメージが深かったので、\\n 別室で治療を受けてもらっています」",
"356001021_4": "「それにしても、お前に会うとは思わなかったぞ」",
"356001021_5": "「こっちこそですよ。\\n APPLEのマリアちゃんとセレナさんもいるし……」",
"356001021_6": "「そっちの調ちゃんと切歌ちゃんは、\\n わたしの世界の切歌ちゃんが会ったっていう人だよね」",
"356001021_7": "「そう。わたしたちみんな、\\n あなたの世界の装者にもともと縁があったみたい」",
"356001021_8": "「そのみんなが、どうして一緒にいるのッ!?」",
"356001021_9": "「この石に導かれたの。\\n 結局、これがなんなのかわからないんだけど――」",
"356001021_10": "「石が、光って――ッ!」",
"356001021_11": "「わたしのもよッ! どうなってるのッ!?」",
"356001021_12": "「…………」",
"356001021_13": "「……………………」",
"356001021_14": "「な――」",
"356001021_15": "「なんなんスかッ! 誰っスかッ!? 今大事な時なんスけど、\\n 出てくるタイミング間違えてないっスッ」",
"356001021_16": "「間違えてないっていうなら、\\n 科学的に説明してほしいんスけど――」",
"356001021_17": "「ナツミッ! とりあえず静かにして」",
"356001021_18": "「了解っスッ!」",
"356001021_19": "「私は、並行世界の危機に際して眠りから覚めた、\\n 防衛システムです」",
"356001021_20": "「眠りに就く前は、\\n 『アマテラス』と呼称されていました」",
"356001021_21": "「防衛システム……ッ!\\n ツクヨミさんや、スサオと同じようなッ」",
"356001021_22": "「なんだ、知ってるのか?」",
"356001021_23": "「うんッ! ええっとね、ツクヨミさんは調ちゃんで、\\n スサオはもう人のわたしが倒しちゃって……」",
"356001021_24": "「いまいち要領を得ませんね……」",
"356001021_25": "「私が、説明します」",
"356001021_26": "「お願いしますッ!」",
"356001021_27": "「なるほど、アヌンナキが並行世界を護るための……、\\n それで防衛システムというわけですか」",
"356001021_28": "「テスラを倒してくれるデスかッ!?」",
"356001021_29": "「スサノオと違い、私は戦う術を持ちません」",
"356001021_30": "「私の役目は、希望となるルル・アメルの戦士を集めること」",
"356001021_31": "「ルル・アメルって、人間のことですよね」",
"356001021_32": "「はい。ルル・アメルの想いは時として、\\n 神にも匹敵する力となります」",
"356001021_33": "「その可能性のあるルル・アメルに接触し、\\n 集まってもらったのです」",
"356001021_34": "「より強い想いを持ったルル・アメルを\\n 中心として――」",
"356001021_35": "「その中心というのが、\\n 先生と一緒にいた、あの翼……」",
"356001021_36": "「作為的なものを感じてはいたのですが、\\n そういうことでしたか」",
"356001021_37": "「もはや、猶予はありません」",
"356001021_38": "「全並行世界に、大量発生するレーベンガーという怪物、\\n エネルギーが枯れ、つまたつと消滅していく星……」",
"356001021_39": "「これは、遠くない未来のビジョンです」",
"356001021_40": "「未来視も可能なの……」",
"356001021_41": "「戦うのです。並行世界を護るために――」",
"356001021_42": "「説明もなく呼び出して戦わせるなんて、\\n なかなか勝手なやつね……」",
"356001021_43": "「ああ、でも――」",
"356001021_44": "「アタシたちは、おかげでこうして出会えたデスッ!」",
"356001021_45": "「うん。だから、立花響を助けに行くことができた」",
"356001021_46": "「今は、並行世界全体の危機です。\\n なぜ人の少女の心配を……」",
"356001021_47": "「一緒なんだ。誰か1人を護ることも、\\n 世界を護ることも、本当は……」",
"356001021_48": "「大変ですッ! 治療を終えた立花さんが、\\n エアーキャリアーを抜け出してどこかに行ってしまって……」",
"356001021_49": "「――ッ!",
"356001021_50": " わたし、追いかけますッ!」",
"356001021_51": "「待ってッ!」",
"356001021_52": "「――ッ!」",
"356001021_53": "「1人で……行くつもりなの?」",
"356001021_54": "「……うん。\\n これは、わたしがやらなくちゃいけないことなんだ」",
"356001021_55": "「1人で戦って……、\\n 勝つことができるの」",
"356001021_56": "「そんなの、わからない」",
"356001021_57": "「でも、この戦いは、\\n わたしが死なせてしまった命に対する贖罪――」",
"356001021_58": "「そして、あいつらへの復讐なんだ。\\n 未来を奪ったことは、絶対に許さない……ッ」",
"356001021_59": "「そのためなら、\\n この命が尽きたって――」",
"356001021_60": "「ダメだよ……。\\n ……そんなことをしたって、未来はきっと――」",
"356001021_61": "「じゃあ……ッ!\\n どうしたらいいって言うんだッ」",
"356001021_62": "「わかってるッ!\\n 自分の力がちっぽけだっていうことくらいッ」",
"356001021_63": "「だけど、他にどうしようもないじゃないかッ!\\n つしか残っていない、このわたしには……ッ」",
"356001021_64": "「命しか……。\\n それは、違うよ……ッ」",
"356001021_65": "「わたしもね、これまで、苦しいこととか、悲しいこと、\\n たくさんあったんだ……」",
"356001021_66": "「…………」",
"356001021_67": "「もうダメだって思ったこともあったし、\\n 逃げ出しちゃったことも……」",
"356001021_68": "「誰かに、八つ当たりしちゃったこともあったっけ……」",
"356001021_69": "「だけどね、そのたびに、仲間がわたしを支えてくれた」",
"356001021_70": "「未来が、翼さんが、クリスちゃんが、マリアさんが、\\n 調ちゃんが、切歌ちゃんが……他にもたくさんの人がッ」",
"356001021_71": "「1人じゃないよって、わたしに語りかけてくれたんだ」",
"356001021_72": "「だからわたしは踏ん張れた。拳を握れたッ!」",
"356001021_73": "「もしみんながいなかったら、\\n ここまで進むことなんてできなかったと思う」",
"356001021_74": "「あなたとわたしは、違う……」",
"356001021_75": "「未来を失ったわたしには、仲間なんて……」",
"356001021_76": "「いるよッ!\\n だって、一度繋いだ手は、絶対に離れないんだからッ」",
"356001021_77": "「繋いだ手、わたしが……」",
"356001021_78": "「そうデスよッ!」",
"356001021_79": "「――ッ!\\n みんな……」",
"356001021_80": "「わたしたちは、みんなどこか欠けていて、\\n 完全じゃないと思う」",
"356001021_81": "「でも、1人じゃなければ、補い合えるかもしれない」",
"356001021_82": "「アタシたちは確かに、\\n ヒビキさんと通じ合えたと思っているデス」",
"356001021_83": "「だから、一緒に戦いたいデス。\\n アタシたちを、仲間と呼んでほしいデスよ……ッ」",
"356001021_84": "「――ッ!」",
"356001021_85": "「これは、同情なんかじゃない……」",
"356001021_86": "「世界を救えるかどうかだって、今は関係ない」",
"356001021_87": "「わたしは、あなたの力になりたいんだ」",
"356001021_88": "「わたしだけど、わたしじゃなくて、\\n だけど未来を想う気持ちの大きさは一緒で……ッ」",
"356001021_89": "「だから、友達になりたい。\\n 本当は、それだけなんだよ」",
"356001021_90": "「…………」",
"356001021_91": "「わたし1人じゃ、何もできない……」",
"356001021_92": "「なんとかしようって、頑張ってきたけど、\\n 全然、うまくいかないんだ……」",
"356001021_93": "「フォルテやララとは、仲間になれると思った。\\n だけど、無理だった……」",
"356001021_94": "「だから、わたしは仲間なんて作っちゃいけないんだって……」",
"356001021_95": "「でも本当は、苦しいよ、辛いよ、独りは……」",
"356001021_96": "「うん。よくわかるよ……」",
"356001021_97": "「わたしは、歌を捨てた……」",
"356001021_98": "「あの頃は、大切な人を想って\\n 唄えていたはずなのに」",
"356001021_99": "「憎しみでいっぱいになったこの胸には、\\n もうなんの歌も浮かんでこない……」",
"356001021_100": "「だけどみんなが唄う歌は、温かくて……ッ!」",
"356001021_101": "「こんなわたしにも、『独りじゃない』って、\\n 手を伸ばしてくれているみたいで……」",
"356001021_102": "「だから――」",
"356001021_103": "「お願い、助けて……一緒に戦って……ッ!」",
"356001021_104": "「うん、わかったッ!」",
"356001021_105": "「わたしたちは、あなたの仲間だよッ!」",
"356001021_106": "「う……ぐ……うう……ッ」",
"356001021_107": "(未来の、言う通りだった……)",
"356001021_108": "「わたしね、響が誰かと一緒にいるのが向いてないなんて、\\n そんなことないと思うな」",
"356001021_109": "「だって、響と一緒にいたいって言う人がこんなにいるんだもん。\\n もちろん、わたしだってそうだよ」",
"356001021_110": "(仲間がいる。それがこんなに、心強いなんて……)",
"356001021_111": "「大丈夫? 落ち着いた?」",
"356001021_112": "「……泣くつもりなんてなかったのに……。\\n 変なところ見せてごめん」",
"356001021_113": "「ううん、そんなことないよ」",
"356001021_114": "「……あのさ、もう1つお願いがあるんだけど」",
"356001021_115": "「うん、なに……?」",
"356001021_116": "「……わたしは、テスラを許せない。\\n 未来の仇が討ちたい」",
"356001021_117": "「……うん」",
"356001021_118": "「でも、T.E.C.はわたしを家族として迎えてくれた。\\n 騙されていたとしても、絆はあったと思ってる」",
"356001021_119": "「だから、もし可能だったら、あの人たちも救いたい」",
"356001021_120": "「どれだけ手を伸ばしても、届くかはわからないけど、\\n それでも、手を伸ばしてみたいって思う」",
"356001021_121": "「そっか……」",
"356001021_122": "「敵にも手を伸ばしたいだなんて、わたしは間違ってるのかな?」",
"356001021_123": "「ううん、間違ってないよ。\\n だってそれが、わたしなんだから」",
"356001021_124": "――最終章に続く"
}