{ "399000321_0": "「厄介な事態だね、ヒトをノイズに再構築する敵に、\\n 転移するチフォージュ・シャトーとは」", "399000321_1": "「あーしたちが見たのは、\\n 本物のチフォージュ・シャトーなのかしら?」", "399000321_2": "「いいや。チフォージュ・シャトーは封印されたままだよ、\\n 間違いなくね」", "399000321_3": "「……本当だな?」", "399000321_4": "「随分と険があるね。語気に。\\n だが信じてもらってかまわないよ、今回に限って」", "399000321_5": "「どこからその自信が……」", "399000321_6": "「アダム局長ッ!?\\n ねえ、そのTELの先にいるのってキャロぴッ!?」", "399000321_7": "「ちょちょちょ、ちょい替わってッ!\\n 言いたいことあんの〜〜ッ!」", "399000321_8": "「この声……", "399000321_9": " 最近局長に簡単な仕事を無茶振りされまくってる子かしら?」", "399000321_10": "「……まさか……」", "399000321_11": "「キャロぴ~ッ! 元気ーッ!?", "399000321_12": " ところで言ってやってよこの局長にッ!」", "399000321_13": "「……バートリか?」", "399000321_14": "「推しに認知されてるのマジ何度体験しても最の高。", "399000321_15": " おひさッ! そうだよ、エリザベートだょッ!」", "399000321_16": "「この局長、アタシが逆らえないからって、あの聖遺物を見て来い、\\n 秘匿術式を確認しろってッ! マジぴえんなんですけどッ!」", "399000321_17": "「まだ余裕はあるのだろう、ぴえんなら。\\n ぱおんでないのだからね」 ", "399000321_18": "「こんな超大物がアタシの話ちゃんと聞いて、\\n 意味もわかってるのが逆にやばみざわだってのッ!」", "399000321_19": "「チフォージュ・シャトーが封印されていることを、\\n お前が確認したのか?」", "399000321_20": "「そりゃもうバッチリッ!\\n おニューにしたカラコン越しに見てきたしッ!」", "399000321_21": "「なら一応は信じておくか……」", "399000321_22": "「アタシの信頼って一応ッ!?", "399000321_23": " あー、サガるー」", "399000321_24": "「……キャロぴ?", "399000321_25": " なぁに、知り合いだったの?」", "399000321_26": "「年の終わりに、ゾンビモドキが起こした騒ぎの報告書は読んだか?\\n あの件の主犯になった錬金術師だ」", "399000321_27": "「ああ、話は聞いてるわ。話すのははじめてだけど……", "399000321_28": " あーしはカリオストロ、よろしくね新人ちゃん♪」", "399000321_29": "「…………綺麗」", "399000321_30": "「……ん?」", "399000321_31": "「声だけでわかるッ! 美しいッ! 尊いッ! 超推せるッ!\\n アタシの理想の体現者がまさかの同業にッ!?」", "399000321_32": "「なかなかわかってるじゃないの。\\n 見どころ、あるかも♪」", "399000321_33": "「あ、ありがとうございまッすッッ!!\\n 自分、エリザベート・バートリですッ!」", "399000321_34": "「なんだその態度は。", "399000321_35": " ……鬱陶しいのは変わらないが、普段よりはマシか」", "399000321_36": "「それよりもソロモンの件だ。\\n ソロモンの杖に所有者がいることは想定していたんだな?」", "399000321_37": "「推測はしていたよ、状況からね」", "399000321_38": "「キャロル。\\n 耳の痛い話かもしれないが……キミにとっては」", "399000321_39": "「……」", "399000321_40": "「アルカ・ノイズはばら撒ける、使う者の意思によって。\\n だがノイズは根本から違うんだ、そういった道具とはね」", "399000321_41": "「バビロニアの宝物庫よりまろび出る、\\n 人類を殺戮するためだけの存在。それがノイズさ」", "399000321_42": "「それらの軍勢が世界規模、各地で同時に発生する。\\n これが意味するのは1つしかない」", "399000321_43": "「ソロモンの杖を悪意ある者が所有しなければ、\\n この事態は発生しない、か……」", "399000321_44": "「あのいけすかない男が手を加えたのか、\\n その脅威もさらに得体の知れないものになっているようだしね」", "399000321_45": "「サンジェルマンとプレラーティを送ったのは、\\n 妥当な判断だったと思うわ」", "399000321_46": "「……あーしを一緒に送り込まなかったのは、\\n まだちょっと怒ってるけどね?」", "399000321_47": "「所有者が厄介だったことさ、想定外だったのは。\\n キミたちが出会ったのが首謀者だろう、今回の件のね」", "399000321_48": "「厄介などという言葉で済ませられるものか」", "399000321_49": "「あの男はノイズを呼び出しただけではない、\\n 人をノイズに再構築してみせた」", "399000321_50": "「ノイズを倒すだけでも、ただの人間には難事だろう」", "399000321_51": "「さらに、そのノイズが目の前で転じた『人』だとすれば……\\n 善良であろうとする人間ほど、躊躇うぞ」", "399000321_52": "「そうだね。\\n かつての隣人を、身を護るために殺せるのか……」 ", "399000321_53": "「そんなこと、させていいはずないでしょッ!", "399000321_54": " ……けど、どうしたら……」", "399000321_55": "「……元凶はあの男、そしてソロモンの杖だ。\\n あの男から、杖と――幹部たちを取り戻すべきだろう」", "399000321_56": "「フフ……。\\n 嬉しく思うよ。キミからその言葉が出ることをね」", "399000321_57": "「……世界を識るには、それを象る人が必要不可欠。\\n パパの命題を果たすため、人を……世界を護るのは当然だ」", "399000321_58": "「――その通りだよッ!」", "399000321_59": "「――ッ!?\\n お前は――」" }