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"399001121_0": "「すごい、本当に何もなかったみたいに直ってる……」",
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"399001121_1": "「世界の消滅を防ごうと、1人でも傷つく人を減らそうと、\\n 色んな人が戦ってくれていたんだってね」",
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"399001121_2": "「うん。\\n どうしていいかわからなくても、みんな必死だった」",
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"399001121_3": "「何事もなかったわけじゃない。傷ついた人たちもたくさんいる。\\n それでも……この世界が消えなくてよかった」",
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"399001121_4": "「うん……",
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"399001121_5": " そうだねッ」",
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"399001121_6": "「……あのね、響。\\n ドラウプニルについて聞いて思ったの」",
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"399001121_7": "「あらゆる可能性を生み出す力。\\n それって、もしかしたら、死をも覆す力なんじゃないかって」",
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"399001121_8": "「……え?」",
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"399001121_9": "「もしそうだったとしたら――\\n 響は、その力を使いたいって思う?」",
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"399001121_10": "「あの力があれば、\\n 全てを取り戻すことができるんじゃないかって思わない?」",
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"399001121_11": "「…………」",
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"399001121_12": "「――ううん。\\n 思わないよ」",
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"399001121_13": "「この世界で起きたことは、ドラウプニルの力で起きた悲劇を、\\n ドラウプニルの力がひっくり返しただけ」",
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"399001121_14": "「わたしたちがその力を使ったら、\\n きっと、また新しい悲劇を生むだけだ」",
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"399001121_15": "「……もし、わたしと戦ってきたみんなが、\\n 今もいてくれたらって思うことはあるよ」",
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"399001121_16": "「けど……わたしは、それを願っちゃいけない」",
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"399001121_17": "「今のわたしを作ってきたのは、\\n 間違いなく、今まで歩いて来た、わたしだから」",
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"399001121_18": "「それを、なかったことになんてしちゃいけないんだ」",
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"399001121_19": "「…………」",
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"399001121_20": "「だから、ね。\\n エヘヘ……」",
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"399001121_21": "「未来のご飯をたくさん増やしてお腹いっぱいになる……。\\n それぐらいの使い道しか、わたしには思いつかないや」",
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"399001121_22": "「……フフッ。\\n 増やしたりしなくても、いくらでも用意するよ」",
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"399001121_23": "「……そうだよね。\\n 借り物の奇跡で元通りになんて、しちゃいけないんだ」",
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"399001121_24": "「それにね。……どれだけ可能性を拾っても、\\n きっと『元通り』にはならないよ」",
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"399001121_25": "「え……?」",
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"399001121_26": "「戦場に立つんだから、傷つくことも、死んでしまうことも、\\n 覚悟していた。ずっとしてきたよ」",
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"399001121_27": "「それでも……自分が分解されていくって、\\n 本当に怖いことだったんだ」",
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"399001121_28": "「わたしだけじゃなく、たくさんの人が、\\n 世界が分解されていく光景を見ていたんだよね」",
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"399001121_29": "「きっとみんな、すごく怖かったと思う」",
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"399001121_30": "「うん……世界が消えていく光景は、\\n 今思い出しても、足がすくむよ」",
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"399001121_31": "「絶対に引かない、護るんだって決めていても……\\n それでも怖かった」",
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"399001121_32": "「それでも誰かを助けようと立ち上がって、\\n 自分にできることで戦っていた人がいる」",
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"399001121_33": "「傷が消えて、街が修復されて……、\\n でも心の中には勇気を出して戦った記憶が残ってるんだよ」",
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"399001121_34": "「だからこの世界も、決して元通りじゃないんだ。\\n ――みんなの力で前に進んだんだからッ!」",
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"399001121_35": "「立ち上がった記憶が、この世界には残ってる……。",
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"399001121_36": " そっか、元通りじゃないんだね」",
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"399001121_37": "「うんッ!」",
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"399001121_38": "「わたしたちも、小さな一歩でも、少しずつでも、\\n 一緒に進んでいこうね」",
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"399001121_39": "「もちろんッ!\\n それがわたしたちの信じる、人間の<ruby=みらい>未来</ruby>だから」"
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