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{
"506000511_0": "巡らない世界",
"506000511_1": "「響くんたちとの通信は?」",
"506000511_2": "「継続して呼びかけていますが、装者3名から応答なし。\\n ギアの反応もありません」",
"506000511_3": "「装着した観測器のデータも計測できません。\\n 完全に分断されているようです」",
"506000511_4": "「あちらの世界の2人は通信ができていたようなのですが……。",
"506000511_5": " 技術情報を共有できなかったのが悔やまれます」",
"506000511_6": "「吸い取られるエネルギーの一部として、\\n あちらへ届いている可能性もある。呼びかけ続けてくれッ」",
"506000511_7": "「了解ですッ!」",
"506000511_8": "「今も立花たちは人知の及ばぬ異星で戦っている。\\n 座して待つことしかできないとは、辛いものだな」",
"506000511_9": "「ええ、本当に。こうして手をこまねいているよりも、\\n 戦場で傷つく方が気持ちはずっと楽ね」",
"506000511_10": "「たった数日で海は濁って、風は止まった……星の命が消えてくのを、\\n こうもあからさまに目の当たりにするとはな……」",
"506000511_11": "「……できること、何もないのかな」",
"506000511_12": "「本当に待つしかないんデス……?」",
"506000511_13": "「シードギア、アマルガムキーパーの安全確認、\\n 装者のメディカルチェックも完了しました」",
"506000511_14": "「星命力についても各国、各機関と協力して、\\n 可能な限りの手立ては打っています」",
"506000511_15": "「異端技術、錬金術を用いて星を覆うシールドプロジェクト、\\n 流出する星命力を引き戻す救星計画」",
"506000511_16": "「今の人類にできる最大限の試みでしたが、\\n 効力を示していないのが現状です」",
"506000511_17": "「あいつらを信じるしかないか……」",
"506000511_18": "「星命力は相変わらず、\\n 奪われ続けているのよね」",
"506000511_19": "「残念ながらこの星、そして他の並行世界――他の星からも、\\n アーティファクト・ホールへと星命力が流出し続けています」",
"506000511_20": "「その影響か、世界中で異常な気象現象が頻発しています。\\n 歴史的建造物が崩れ去ったという報告もあり……」",
"506000511_21": "「ベアトリーチェとの戦いから立て続けの異変に、\\n 世界的にも不安感が蔓延しているようです」 ",
"506000511_22": "「みんな、怖いんだね」",
"506000511_23": "「あっちの世界だけが問題じゃない。\\n こっちの世界だって落ち着いてるわけじゃないんだ」",
"506000511_24": "「宇宙におかしな大穴が空いて、\\n どいつもこいつもビビってるんだよ」",
"506000511_25": "「……そしておそらくそれは、\\n きっとこの世界だけではないでしょうね」",
"506000511_26": "「でも、今、\\n この世界には、戦うべき敵なんていない……」",
"506000511_27": "「切り払う『敵』がいるときの、\\n なんとわかりやすいことかしら」",
"506000511_28": "「…………」",
"506000511_29": "「はあ……\\n 何事もなかったなら、ライブに行ってる時期だったんだけどな」",
"506000511_30": "「もう、こんな時に……」",
"506000511_31": "「こんな時だからこそ、だろッ!?」",
"506000511_32": "「それはもしかして……\\n ツヴァイウィングの再現ライブのことですか」",
"506000511_33": "「あ、ええ、そうです。",
"506000511_34": " 気になってるアーティストも出るっていうんで……」",
"506000511_35": "「ツヴァイウィングの……再現ライブ?」",
"506000511_36": "「……はい。\\n 翼さんたちのかつてのステージを再現し――」",
"506000511_37": "「『ツヴァイウィング』の歌を、\\n <ruby=いま>現在</ruby>のアーティストたちがカバー楽曲として唄う……」",
"506000511_38": "「次代に継いでいくための企画だったと\\n 聞いています」",
"506000511_39": "「……騒動に次ぐ騒動で、結局は立ち消えでしょうが……\\n 残念ですね」",
"506000511_40": "「…………」",
"506000511_41": "「……なら、そのステージ、使えないかしら?」",
"506000511_42": "「――えッ!?」",
"506000511_43": "「だって……戦うことを取り上げられたなら……\\n わたしたちにできることは、唄うことだけでしょう」",
"506000511_44": "「70億の<ruby=人類>わたしたち</ruby>は、歌で繋がってきた……」",
"506000511_45": "「今回だって、諦めていない誰かがここにいると、\\n 知らせることはできるはずよ」",
"506000511_46": "「――ならッ!\\n アタシたちにできることをしたいデスよッ」",
"506000511_47": "「うん。\\n ……このまま何もしないなんて、嫌だ」",
"506000511_48": "「そうだな。\\n あのバカも、結局はその気持ちであっちの宇宙に行ったんだ」",
"506000511_49": "「こっちに残ったあたしたちが、\\n 間抜けヅラで『帰りを待ってる』だけじゃダメだろうさ」",
"506000511_50": "「ええ。\\n 同じくらい……いいえ、それ以上に」",
"506000511_51": "「わたしたちもできることをしなくてはね」",
"506000511_52": "「歌――ああ、そうだ。この身は防人であると同時に、\\n ツヴァイウィングの片翼、風鳴翼だ」",
"506000511_53": "「人々の心に不安が満ちているというなら、\\n その心を護ることも、わたしの使命に違いない……」",
"506000511_54": "「ええ。\\n 唄いましょう、全ての人々のためにッ」",
"506000511_55": "「緒川さん、急な頼みですが……」",
"506000511_56": "「会場とスケジュールは押さえてあるも同然……」",
"506000511_57": "「であれば、ベストな放送設備を押さえてみせます。\\n 僕はこっちが本職ですから」",
"506000511_58": "「アタシたちも手伝うデスッ!\\n この世界、手をとってくれた人全部、頼りまくるデスよッ」",
"506000511_59": "「みんなに、最高の歌を届けようッ!」",
"506000511_60": "「…………」",
"506000511_61": "「……この中継を目に、耳にしている全ての『誰か』に、\\n 伝えさせてください」",
"506000511_62": "「わたしは、風鳴翼。\\n 今、この世界に迫る『終わり』に対し、抗う術を何も持たない――」",
"506000511_63": "「ただの、風鳴翼です」",
"506000511_64": "「……これを聞いているあなたが、\\n もし、迫る絶望に打ちひしがれているのなら……」",
"506000511_65": "「それでもどうか、ほんの少しだけ視線を上げて、\\n あなたたちと同じように、何もできないわたしを見てほしい」",
"506000511_66": "「……」",
"506000511_67": "「ほんの一欠片、わたしにできるのは……わたしが、したいことは。\\n それでも生きるのを諦めたくないと叫ぶこの<ruby=うち>裡</ruby>を」",
"506000511_68": "「胸の歌を……\\n あなたたちに届けることだけ」",
"506000511_69": "「この想いが、広がっていくことを祈るだけです」",
"506000511_70": "「絶望を前に、\\n すぐには届かないかもしれないと<ruby=すく>竦</ruby>んでも……」",
"506000511_71": "「届くことを諦めず唄うことで、きっと開ける<ruby=みらい>未来</ruby>があると、\\n そう信じて――ここに立っています」",
"506000511_72": "「わたしは……」",
"506000511_73": "「――わたしたちは、ですよ」",
"506000511_74": "「――ッ!?\\n みんな、どうして……ッ」",
"506000511_75": "「いや、まあ……\\n 先輩だけのがいいかもしれないとは思ったんだけどな」",
"506000511_76": "「けど、あたしたちにもできること……\\n したいこと、って思ったらさ。こうなっちまった」",
"506000511_77": "「デスデスッ! アタシたちだって、\\n どーしても伝えたい……唄いたいデスよッ」",
"506000511_78": "「生きるのを諦めてない誰かがここにいるって、\\n たくさんの『誰か』に伝えなきゃって思ったんです」",
"506000511_79": "「それなら、唄い手は、繋がる手は……\\n 多い方がいい」",
"506000511_80": "「翼1人で唄わせるなんて、\\n そんなもったいないこと、させるものですか」",
"506000511_81": "「だって、こんなにも滾っているのだもの。\\n わたしたちの、胸の歌がッ」",
"506000511_82": "「<ruby=伝えず>唄わず</ruby>にいられるものかッ!\\n ……そうでしょう」",
"506000511_83": "「「「応(デス)ッ!」」」",
"506000511_84": "「みんな……」",
"506000511_85": "「…………フフッ。\\n ああ、そうだなッ」",
"506000511_86": "「これを聴くあなたたちの胸に、湧き上がる歌があるのなら……\\n どうか、その歌に耳を傾けてください」",
"506000511_87": "「わたしが……わたしたちが、あなたたちと唄いたいその歌は、\\n 特別な誰かの歌ではないのです」",
"506000511_88": "「この歌は、きっと誰の<ruby=うち>裡</ruby>にもある――ッ!」",
"506000511_89": "「「命を燃やして、\\n 明日へ向かっていくための、胸の歌なのだからッッ」」",
"506000511_90": "(……どうかこの歌が、\\n 世界中の……あわよくば世界外の『誰か』に届きますように",
"506000511_91": "(そして、叶うならば、\\n 遠き<ruby=そら>宇宙</ruby>で戦う戦友へ、この想いが届くように)",
"506000511_92": "(必ず無事に戻るんだ。\\n 立花、小日向――……奏"
}